刺繍枠支持装置
【課題】片持ち状に支持された刺繍枠の自由端を補助的に支持する刺繍枠支持装置において、その着脱作業を容易に行えるようにする。
【解決手段】刺繍ミシンにおいて、片持ち状に装着された刺繍枠6の前端部を支えるための刺繍枠支持装置7は、刺繍枠支持装置7を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材11と、ベース部材11に対して相対的に移動可能な可動端を有するYスライドレール12(支持部材)とを有し、Yスライドレール12の先端部に取り付けられたXスライドレール15を介して、刺繍枠6の前端部を下面から支持する。刺繍枠支持装置7は、ベース部材11とシリンダベッド3のネジ止めによりミシンに取り付けできる。ベース部材11とシリンダベッド3のネジ止めはミシンテーブル1の上側から行うことができる。
【解決手段】刺繍ミシンにおいて、片持ち状に装着された刺繍枠6の前端部を支えるための刺繍枠支持装置7は、刺繍枠支持装置7を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材11と、ベース部材11に対して相対的に移動可能な可動端を有するYスライドレール12(支持部材)とを有し、Yスライドレール12の先端部に取り付けられたXスライドレール15を介して、刺繍枠6の前端部を下面から支持する。刺繍枠支持装置7は、ベース部材11とシリンダベッド3のネジ止めによりミシンに取り付けできる。ベース部材11とシリンダベッド3のネジ止めはミシンテーブル1の上側から行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Tシャツや帽子など筒状の被刺繍物に刺繍を行える刺繍ミシンにおいて、被刺繍物を保持する刺繍枠の取り付けを支持する刺繍枠支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、刺繍ミシンにおいて、Tシャツや帽子など筒状の被刺繍物に刺繍を行うときには、被刺繍物を保持した刺繍枠を片持ち状態で支持するよう構成されている。例えばTシャツやトレーナなどに対して刺繍を行うときには、枠駆動体から片持ち状に張出した保持腕によって刺繍枠を支持するようになっている。このような構成において、被刺繍物の重量が大きい場合、片持ち状の保持腕が当該被刺繍物の重量によって下方へ撓んでしまい、刺繍枠の前端側が垂れ下がり、縫いに悪影響を及ぼすという不具合が生じていた。この不具合を防止するための技術として、刺繍枠の前端部を補助的に支持するようにした刺繍枠支持装置が従来から知られていた(例えば、下記特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−303339号公報
【0003】
上記特許文献1の刺繍枠支持装置は、釜を内蔵したシリンダベッドの両側部に配置された支持腕と、支持腕の先端に固定されて支持部材として機能する支持板とを備える。前記支持腕は、シリンダベッドの側面に固定されたリニアガイドを介して、シリンダベッドに対して前後動可能に支持されると共に、その後端部は刺繍枠の前後動するY方向駆動体(ミシンに対して前後方向の駆動を担う部材)の下面に固定される。これにより、支持腕の先端に固定された支持板は、刺繍枠の前後動と一体的に前後動することとなる。上記特許文献1の刺繍枠支持装置によれば、前述のように構成された支持板が刺繍枠の前端部を下面側から支持することで、被刺繍物の重量が大きい場合であっても刺繍枠の前端側が垂れ下がることを防止し、以って、縫いに悪影響を及ぼす不具合を解消した。
【0004】
前述したような刺繍ミシン、すなわち、Tシャツや帽子など筒状を成す被刺繍物に対して刺繍を行うミシンにおいては、被刺繍物の形状に応じた複数種類の刺繍枠がセットできるようになっている。前記複数種類の刺繍枠には、例えば、袋物を保持するための袋物枠、帽子を保持する帽子枠、或いは、原反物を保持するための原反枠などがある。
刺繍ミシンにセットする刺繍枠の種類を変更した場合、使用する刺繍枠の種類に応じて、該刺繍枠を支持するための支持体を変更する必要がある。すなわち、上記特許文献1に開示された刺繍枠支持装置は使用できる枠が袋物枠に限られていたため、帽子枠や原反枠等、その他の種類の枠を使用する時には、これを取り外さなければならなかった。前記刺繍枠支持装置の取り外し作業は、刺繍枠支持装置の支持腕をY方向駆動体から取り外すとともに、該支持腕のリニアガイドをシリンダベッドから取り外すといった煩雑な作業であり、また、該刺繍枠支持装置を取り付ける作業においては、前記部材(支持腕やリニアガイド)等の取付けの精度出しの調整時間が掛かる。すなわち、刺繍枠変更時の段取り替えに手間と時間を要したため、作業効率が悪かった。
また、袋物枠に限っても、そのサイズは多様であり、被刺繍物のサイズに応じて異なるサイズの刺繍枠(袋物枠)に変更している。しかしながら、上記特許文献1に示された刺繍枠支持装置の構成では、支持腕の先端に取り付けた支持板を袋物枠の前端部下面に位置させなければならない構成であるため、袋物枠のサイズに応じて長さの異なる支持腕を複数用意し、支持腕を適宜変更しなければならない、という不都合があった。
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、着脱作業に手間が掛からず利便性の高い刺繍枠支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、刺繍ミシンにおいて片持ち状に装着された刺繍枠の自由端を該刺繍枠の動きに従動して支えるための刺繍枠支持装置であって、該刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材と、前記ベース部材に固定される支持部材であって、該ベース部材に対して相対的に移動可能な可動端を有し、該可動端において前記刺繍枠の自由端を従動可能に支持する支持部材とを備えることを特徴とする刺繍枠支持装置である。
【0008】
また、この発明に係る刺繍枠支持装置は、前記支持部材は、多段のチャンネル部材によってY方向に沿って伸縮自在に構成されたYスライドレールと、前記可動端において前記刺繍枠をX方向に相対的に移動可能に支持する機構とを有するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材と、前記ベース部材に固定される支持部材であって、該ベース部材に対して相対的に移動可能な可動端を有し、該可動端において前記刺繍枠の自由端を従動可能に支持する支持部材とを備える構成であるため、支持部材とベース部材とを一体化した状態で、刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けることができ、また、刺繍枠支持装置を刺繍ミシンから取り外すことができる。支持部材とベース部材を一体化したことから、刺繍枠支持装置取り付け時の精度出しの手間が省けると共に、刺繍枠支持装置の着脱作業自体も容易となる、という優れた効果を奏する。また、前記刺繍枠支持装置において、前記支持部材が、多段のチャンネル部材によってY方向に沿って伸縮自在に構成されたYスライドレールと、前記可動端において前記刺繍枠をX方向に相対的に移動可能に支持する機構とを有する構成とすれば、前記刺繍枠のY方向の移動に応じて前記Yスライドレールが伸縮することで前記可動端を該刺繍枠と一体的にY方向に移動せしめると共に、前記刺繍枠のX方向の移動に応じて該刺繍枠を可動端に対して相対的にX方向に移動せしめることができる。すなわち、刺繍枠は刺繍枠支持装置に対してX方向及びY方向に移動自在に支持される。前記支持部材において、伸縮自在なYスライドレールを備えることで、多様なサイズの刺繍枠に自在に対応できるようになる。従って、使用する刺繍枠のサイズに関らず同じ刺繍枠支持装置を使用でき、その変更手間が省けるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下添付図面を参照して、この発明の一実施例について説明する。
図1はこの実施例に係る単頭式刺繍ミシンを前方斜め上側から見た全体斜視図である。この実施例においては、ミシンの左右方向を「X方向」、前後方向を「Y方向」と称する。同図において、符号1はテーブル、符号2はミシンヘッド、符号3はシリンダベッドである。テーブル1の前面部(前テーブル)1aは、従来から知られるこの種のミシンと同様に、上下位置換え可能に構成されており、該前テーブル1aを下方位置に位置させることで、所謂筒物状の被刺繍物に対して刺繍することが可能になる。ミシンヘッド2は、ミシン主軸の回転に応じて上下動する縫い針、天秤及び布押さえ等を含んで構成される。シリンダベッド3は該ミシン主軸と同期して回転駆動されるシャフトを有し、該シャフトの先端には釜が固定される。周知の通り、この釜とミシンヘッド2に設けられた縫い針との協働によって、ミシン縫いが行われる。
符号4はY方向駆動体であり、テーブル1の下面に設けられた図示しないY方向駆動機構によってY方向にのみ駆動される。また、符号5はX方向駆動体である。X方向駆動体5は、Y方向駆動体4に組み付けられており、Y方向駆動体4がテーブル1に対してY方向に移動されると、該Y方向駆動体4と一体的にY方向へ移動する。また、X方向駆動体5は、該Y方向駆動体4に設けられたX方向駆動機構(図示せず)によって、該Y方向駆動体4に対して相対的にX方向に駆動される。すなわち、X方向駆動体5は、X方向駆動機構によってX方向に駆動され、Y方向駆動機構に応じたY方向駆動体4の移動と一体的にY方向へ移動する、つまり、X方向及びY方向に駆動可能である。符号6は、被刺繍物を保持する刺繍枠である。刺繍枠6は枠の後端部においてX方向駆動体5に取り付けられることにより当該ミシンに対して片持ち状に装着される。刺繍枠6は、X方向駆動体5に取り付けられているので、X方向駆動体5のX方向及びY方向の移動に伴い、該X方向駆動体5と一体的にX方向及びY方向に移動する。X方向及びY方向駆動機構は実行すべき刺繍内容に応じた刺繍データに基づき駆動制御されるものである。従って、刺繍枠6は、Y方向駆動体4及びX方向駆動体5を介して該刺繍データに基づきX方向及びY方向に駆動されることになる。
符号7は刺繍枠支持装置であり、これは片持ち状に取り付けられた刺繍枠6を補助的に支持するためのものである。刺繍枠支持装置7は刺繍枠6の下面側に配置されており、該刺繍枠6の前端部(自由端)を下方から支持している。詳しくは後述する通り、この実施例に係る刺繍枠支持装置7は、ミシン本体に対する着脱作業が容易であり、また、刺繍枠6の各種サイズに対応可能に構成される点に特徴がある。
【0011】
図2は図1のミシンの刺繍枠6付近を上面から見た平面図である。同図に示す通り、刺繍枠支持装置7は、刺繍枠6の下面側において、テーブル1からミシン前方に向けて延びるシリンダベッド3と同軸、すなわち、ミシン前後方向に延びるよう配置され、その先端部が概ね刺繍枠6の前方端部に位置している。図3は刺繍枠支持装置7を抽出して示す斜視図であり、図4は刺繍枠支持装置7の取付説明図である。
図2及び図3において、刺繍枠支持装置7は、概ね、支持装置7の取り付け基部となるベース部材11と、該ベース部材11に固定されたY方向スライドレール(以下、Yスライドレール)12と、レールカバー13から構成される。ベース部材11は断面コ字型の部材であり、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に固定するための3本のネジN1を挿入すべき3つのネジ穴が所定位置に形成されている。また、シリンダベッド3の上面側にも、3本のネジN1を挿入すべき3つのネジ穴が所定位置に形成されている(図4等を参照)。そして、3つのネジN1により該ベース部材11をシリンダベッド3にネジ止めすることで、刺繍枠支持装置7がシリンダベッド3に固定、つまり、ミシン本体に装着される。図4に示すとおり、ベース部材11とシリンダベッド3のネジ止めは上側から行うことができる。すなわち、該ネジ止め作業はミシンテーブル1(図1参照)の上面側から行うことができるので、作業の実施が作業者にとって容易である。
図5は刺繍枠支持装置7を取り付けていない状態のシリンダベッド3を示す斜視図である。図4及び図5を参照して、刺繍枠支持装置7の取り付け手順について説明する。なお、図5において、シャフト8及びシャフトの先端に設けられた釜9を想像線(点線)で示している。図5に示す通り、刺繍枠支持装置7を取り付けていない状態では、シリンダベッド3の上面にはカバー10が3箇所のネジ止めにより装着されている。カバー10のネジ止め箇所は、刺繍枠支持装置7のベース部材11をネジ止めする箇所と同じであってよい。
刺繍枠支持装置7を取り付ける際には、このカバー10を取り外して、図4に示すように、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に3本のネジN1によって取り付ける。すなわち、ベース部材11及びシリンダベッド3に設けられた3つのネジ穴の対応するもの同士を合致せしめるよう刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3の上側に覆い被せるように配置し、3つのネジN1を用いてベース部材11の上側から刺繍枠支持装置7とシリンダベッド3をネジ止めするだけでよい。刺繍枠支持装置7の取り外しは、逆に、ベース部材11の上側の3つのネジN1を外して刺繍枠支持装置7の固定を解くだけでよい。
ベース部材11の上面側は、作業者にとってテーブル上面且つミシン手前側に露呈している位置なので、刺繍枠支持装置7の上面側からのネジ止めにより刺繍枠支持装置7を固定する構成とすることで、支持装置7のミシンに対する着脱作業が簡便、容易となる。
【0012】
図2,図3又は図4に示すとおり、Yスライドレール12は、ベース部材11の左右側面の内側に取り付けられた一対のレール部材であり、その先端部(ミシン前方側の端部)は、ベース部材11からミシン前方側に向けて延びている。図6は刺繍枠支持装置7の平面断面図である。図6に示すように、Yスライドレール12は、アウターチャンネル12a、該アウターチャンネル12a上をスライド移動可能に設けられた第1インナーチャンネル12b及び、該第1インナーチャンネル12b上をスライド移動可能に設けられた第2インナーチャンネル12cの3段式のレール部材により構成されている。Yスライドレール12は一番外側に位置するアウターチャンネル12aにおいてベース部材11に固定されており、これにより、第1及び第2インナーチャンネル12b,12cが刺繍枠支持装置7に対して相対的にY方向に移動しうる。なお、Yスライドレール12は、例えば箪笥の引き出し等に使用される周知のレール構成であってよく、第2インナーチャンネル12cの先端部が刺繍枠支持装置7全体の先端部(可動端)となる。また、図6においては該Yスライドレール12を構成する各チャンネルの連結部材やストッパ等の図示及び説明を省略している。
【0013】
レールカバー13は、ベース部材11及びYスライドレール12の両側面の外側に設けられたカバー部材である。レールカバー13は、第2インナーチャンネル12cの先端付近においてスタッド14を介して4箇所で固定(図6参照)されており、Yスライドレール12のY方向のスライド移動と一体的に移動しうる。
また、図3において2点鎖線で示すように、Yスライドレール12(第2インナーチャンネル12c)の先端部には、ブラケット16を介してXスライドレール15が取り付けられており、レールカバー13の先端部上面にはXスライドレール15の配置を許容する切欠13aが形成されている。図2に示すようにXスライドレール15は刺繍枠6の前端部下面側に配設されている。すなわち、刺繍枠支持装置7は、該Xスライドレール15において刺繍枠6の前端部(自由端)を支持している。図7はブラケット16及びXスライドレール15を抽出して示す斜視図であり、Yスライドレール12及びレールカバー13の先端部に対する取り付け構造を示している。また、図8は、図7のブラケット16及びXスライドレール15のA−A線断面図である。
図7及び図8に示すように、Xスライドレール15は、刺繍枠6の左右方向の長さと略同尺なアウターチャンネル15aと、該アウターチャンネル15aの内側に配設されたインナーチャンネル15bから構成されており、インナーチャンネル15bはアウターチャンネル15a内を相対的にミシン左右方向(X方向)にスライド移動しうる。図8に示すように、Xスライドレール15は、インナーチャンネル15bにおいてネジN2を介してブラケット16に対して固定される。従って、Xスライドレール15のアウターチャンネル15aはブラケット16に対して相対的にX方向に移動しうる。ブラケット16は、ブリッジ状に形成された部材であり、左右の脚部において夫々対応する第2インナーチャンネル12cの先端部にネジN3により固定されることで、左右の第2インナーチャンネル12c間に横架される(図7参照)。従って、Xスライドレール15のアウターチャンネル15aは、刺繍枠支持装置7に対して相対的にX方向に移動可能に取り付けられる事になる。
【0014】
図9は刺繍枠6を前方斜め上側から見た斜視図である。図9に示す通り、刺繍枠6は、全体的な外枠を構成する受け枠17と、該受け枠17と協働して被刺繍物を挟み込むための押え枠18とを有し、受け枠17と押え枠18には夫々窓孔17a、18aが形成されている。この窓孔17a、18aが刺繍枠6の刺繍範囲となる。図2においては、該窓孔17a、18aに対するシリンダベッド3の先端部(釜9の内蔵箇所)の位置から明らかな通り、刺繍範囲の中央に縫いが行われるときの刺繍枠6の位置が示されている。図9において、刺繍枠6の後方縁部に沿って設けられたブラケット19は、X方向駆動体5に固定されている。すなわち、刺繍枠6は該ブラケット19を介してX方向駆動体5に固定される。ブラケット19の上面に固定された支持軸を介して揺動可能に設けらた一対のエアシリンダ20と、一対の軸受部材21とが配置されている。前記一対の軸受部材21の各先端部の間にはシャフト22が横架されており、該シャフト22の両端には、それぞれ回動アーム23が枢支されている。両回動アーム23の一方の端部(ミシン後方側端部)の間にはシャフト24が横架されており、該シャフト24に対してエアシリンダ20の先端部が連結される。また、回動アーム23の他方の端部(ミシン前方側端部)には、押え枠18の後方縁部の形状に略沿うようなコ字状に形成された支持アーム25が取り付けられており、該支持アーム25はその両端部において押え枠18の左右辺の略中央部を枢支している。上記構成により、エアシリンダ20の作動に応じて回動アーム23が回動され、該回動アーム23に連動して押え枠18が上下に移動される。従って、エアシリンダ20の作動に応じた押え枠18の下方移動によって、受け枠17に装着した被刺繍物を押さえ込むことができる。このように、刺繍枠6では押え枠18と受け枠17とによって被刺繍物を挟み込んで保持する。
【0015】
図9に示すとおり、刺繍枠支持装置7の先端に設けられたXスライドレール15は、刺繍枠6(受け枠17)の先端部下面側に固定される。すなわち、刺繍枠支持装置7は、先端に設けられたXスライドレール15において、ミシン本体に対して片持ち状に装着された刺繍枠6の先端を補助的に支持する(図2等も参照)。これにより、刺繍枠6に保持する被刺繍物の重量が大きい場合であっても、刺繍枠6の先端が垂れ下がることを防止することができる。
図10は図2と同様な刺繍枠6の部分を抽出して示す上面平面図であって、刺繍枠6が作業者に対して最手前側に前方移動且つシリンダベッド3に対して左側に横移動した状態を示している。この図からも明らかなように、刺繍枠6がXスライドレール15を介して刺繍枠支持装置7の先端に固定されているため、刺繍枠6の前方移動(Y方向移動)に伴い、Yスライドレール12が伸長し、また、刺繍枠6の横方向(X方向)移動に対してはXスライドレール15が介在していることにより、該刺繍枠6が刺繍枠支持装置7に対して相対的に横移動する。このようにYスライドレール12とXスライドレール15を介して、刺繍枠支持装置7の先端に刺繍枠6を固定する構成とすることで、該刺繍枠支持装置7により刺繍枠6の前端を支持しつつ、刺繍枠6のミシン本体に対する前後左右方向への自由を確保することができる。また、前後左右方向の移動をYスライドレール12及びXスライドレール15を介して積極的にガイドするので、被刺繍物の重量が大きい場合であっても刺繍枠6の移動がスムーズに行われる。
【0016】
上記構成からなる刺繍ミシンにおいて刺繍を行う手順について簡単に説明する。刺繍枠6は、その後端側においてブラケット19を介して片持ち状に、ミシン本体に対して装着されるとともに、その前端部下面側を刺繍枠支持装置7によって補助的に支持されている。刺繍作業時には、まず、刺繍枠6のエアシリンダ20を作動させて押え枠18を上側に移動させることで、受け枠17と押え枠18の間に筒状の被刺繍物を装着した後、該エアシリンダ20を逆向きに作動させて押え枠18を下方に移動せしめ、受け枠17と押え枠18で被刺繍物を挟み込むことで、これを刺繍枠6に保持する。そして、実行すべき刺繍内容に応じた刺繍データに基づき、Y方向駆動体4、X方向駆動体5を駆動して刺繍枠6をX、Y方向に駆動させつつ、ミシンヘッド2の縫い針と釜9との協働によって縫いを行う。これにより被刺繍物への刺繍が行われる。このとき、刺繍枠支持装置7により刺繍枠6の前端を支持しているので、刺繍枠6の先端が垂れ下がることを効果的に防止でき、縫いに悪影響を及ぼすことがない。また、刺繍枠6の刺繍枠支持装置7に対するX及びY方向への移動は、Yスライドレール12、Xスライドレール15の介在により、許容されている。
【0017】
次に、他の種類の刺繍枠を使用するべく、現在ミシンに取り付けされている刺繍枠6と刺繍枠支持装置7とを取り外す場合について説明する。始めに、ブラケット16をYスライドレール12に固定しているネジN3を取り外す(図7参照)とともに、刺繍枠6(ブラケット19)をX方向駆動体5から取り外す。該取り外された刺繍枠6は、図9に示すように、Xスライドレール15、ブラケット16が取り付けられた状態で、刺繍ミシンから取り外される。次に、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に固定している3本のネジN1を外して、刺繍枠支持装置7を該シリンダベッド3から取り外す(図4参照)。そして、シリンダベッド3の上面にカバー10を取り付け、他の種類の刺繍枠(例えば帽子枠等)及びその支持体を刺繍ミシンに取り付ければよい。なお、刺繍枠6、刺繍枠支持装置7を取り付けるときには逆の手順によって作業が行われる。
【0018】
上記の実施例では、この発明に係る刺繍枠支持装置7を刺繍枠6の補助的な支持に使用する例を示した。以下に、この発明に係る刺繍枠支持装置7の別の使用例として、原反物を保持する原反枠の支持に使用する例を紹介する。
図11は原反物を保持する原反枠26の一例を示す斜視図である。周知のように、原反枠26は、刺繍用クリップ27を用いて刺繍対象となる原反物を保持する構成になっている。原反枠26は、その後端部においてX方向駆動体5にネジによって固定されることで、刺繍ミシンに対して左右方向(X方向)に駆動可能に取り付けられる。この原反枠26の前端部下面にXスライドレール15及びブラケット16を取り付けることで、前述した刺繍枠6の取り付け構造と同様に、原反枠26の前端部を刺繍枠支持装置7で支持することができる。すなわち、原反枠26は、その後端部においてX方向駆動体5に固定されることでミシンにおいて片持ち状に支持されると共に、刺繍枠支持装置7によりその前端部側が垂れ下がらないように支持される。従って、この発明に係る刺繍枠支持装置7を備えた刺繍ミシンにおいては、片持ち状に支持される刺繍枠6と、同様な支持形態により原反枠26を装着することが可能となり、両者の交換が可能である。従来から知られる刺繍ミシンにおいて原反枠26を使用するときには、一般に、上下位置換え可能な前テーブル1a(図1参照)の位置を上位置に設定し、該前テーブル1aにより原反枠26の全体を支持するようになっていた。従って、刺繍枠6と原反枠2を交換する際には、前テーブル1a(図1参照)の位置を変更する必要があった。この点についてこの発明に係る刺繍枠支持装置7を用いて、原反枠26の前端部をYスライドレール12、Xスライドレール15にて支持することで、刺繍枠6に替えて原反枠26を使用するときでも前テーブルの位置換えが不要になる。従って、刺繍枠6と原反枠26との相互使用がより簡便となる。
【0019】
以上説明した通り、この実施例によれば、刺繍枠支持装置7は3本のネジN1を用いたネジ止めによりシリンダベッド3(ミシン本体)に対して固定でき、該3本のネジN1のネジ止め作業は、ミシンテーブル1の手前の上側から行うことができるよう構成されているため、刺繍枠支持装置7の着脱作業が非常に容易に行えるようになる。
また、刺繍枠支持装置7においてYスライドレール12(支持部材)と刺繍枠支持装置7の取り付け基部となるベース部材11をユニット化したことで、ベース部材11にYスライドレール12(支持部材)を取り付けたままの状態で、刺繍枠支持装置7を着脱できる。従って、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に取り付けたときにYスライドレール12の精度出し作業が不要である。このため、刺繍枠支持装置7の着脱の作業を効率的に行うことができる。
また、刺繍枠6を刺繍枠支持装置7から取り外す作業についても、作業者にとって手前側に位置するネジN3を取り外すことで、Yスライドレール12からブラケット16を外すことで、Xスライドレール15と共に刺繍枠6を取り外すことができ(図9の状態を参照)、非常に容易に取り外しできることとなる。
【0020】
また、上記実施例に係る刺繍枠支持装置7によれば、長さが可変するYスライドレール12の先端で刺繍枠6を支持するよう構成したことから、色々なサイズの刺繍枠に自在に対応できるようになる。すなわち、Yスライドレール12のスライド量を使用される最大サイズの刺繍枠に対応しうるよう十分とっておくことによって、同一の刺繍枠支持装置7により色々なサイズの刺繍枠に自在に対応できるようになる。
【0021】
なお、上記実施例において、刺繍枠6を取り外すときに、Yスライドレール12とブラケット16を固定しているネジN3を取り外すものとして説明した(図7参照)が、これに限らず、Xスライドレール15とブラケット16を固定しているネジN2を取り外すようにしてもよい(図8参照)。ネジN2を取り外すときは、下方からのネジ外し作業を行うこととなるが、何れにせよネジ止め箇所がミシンの手前側であるため、これを容易に行うことができる。
また、上記実施例では、刺繍枠支持装置7の先端部において刺繍枠6を支持する部材として2段のチャンネル部材からなるXスライドレール15を設ける例について説明したが、Xスライドレール15の替わりにリニアレール(レールと該レールに係合する摺動子)とし、レールを刺繍枠6の先端部下面に設け、摺動子をブラケット16に設ける構成としてもよい。要するに、刺繍枠6とブラケット16が、Y方向へは一体的に移動し、且つ、X方向へは刺繍枠6がブラケット16に対して相対的に移動するような構成でさえあればよい。
また、刺繍枠6に替えて袋物枠を使用することもできる。この場合、Xスライドレール15に替えて袋物枠の前端部を載置可能な支承板(Y方向には袋物枠と一体的に移動し、X方向には載置された袋物枠の摺動を許容しうるもの)を取り付けるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施例に係る刺繍ミシンを斜め上側から見た全体斜視図。
【図2】同実施例に係る刺繍ミシンの刺繍枠部分を上から見た平面図。
【図3】同実施例に係る刺繍枠支持装置を抽出して示す斜視図。
【図4】図3に示す刺繍枠支持装置のシリンダベッドに対する取り付け構造を説明するための斜視図。
【図5】同実施例に係るシリンダベッドであって、刺繍枠支持装置を取り付けていない状態を示す斜視図。
【図6】同実施例に係る刺繍枠支持装置を上側から見た断面図。
【図7】同実施例に係る刺繍枠支持装置の先端部におけるXスライドレールの取り付け構造を説明するための斜視図。
【図8】図7のA−A線断面図。
【図9】同実施例に係る刺繍枠を上面からみた斜視図であって、該刺繍枠を刺繍ミシン及び刺繍枠支持装置から取り外した状態を示す図。
【図10】前記図2と同様な上面平面図であって、刺繍枠が移動した状態を示す図。
【図11】同実施例に係る刺繍枠支持装置を適用可能な原反枠を示す斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1 テーブル、2 ミシンヘッド、3 シリンダベッド、4 Y方向駆動体、5 X方向駆動体、6 刺繍枠、7 刺繍枠支持装置、11 ベース部材、12 Yスライドレール(支持部材)、13 レールカバー(支持部材)、15 Xスライドレール(支持部材)、16 ブラケット
【技術分野】
【0001】
この発明は、Tシャツや帽子など筒状の被刺繍物に刺繍を行える刺繍ミシンにおいて、被刺繍物を保持する刺繍枠の取り付けを支持する刺繍枠支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、刺繍ミシンにおいて、Tシャツや帽子など筒状の被刺繍物に刺繍を行うときには、被刺繍物を保持した刺繍枠を片持ち状態で支持するよう構成されている。例えばTシャツやトレーナなどに対して刺繍を行うときには、枠駆動体から片持ち状に張出した保持腕によって刺繍枠を支持するようになっている。このような構成において、被刺繍物の重量が大きい場合、片持ち状の保持腕が当該被刺繍物の重量によって下方へ撓んでしまい、刺繍枠の前端側が垂れ下がり、縫いに悪影響を及ぼすという不具合が生じていた。この不具合を防止するための技術として、刺繍枠の前端部を補助的に支持するようにした刺繍枠支持装置が従来から知られていた(例えば、下記特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−303339号公報
【0003】
上記特許文献1の刺繍枠支持装置は、釜を内蔵したシリンダベッドの両側部に配置された支持腕と、支持腕の先端に固定されて支持部材として機能する支持板とを備える。前記支持腕は、シリンダベッドの側面に固定されたリニアガイドを介して、シリンダベッドに対して前後動可能に支持されると共に、その後端部は刺繍枠の前後動するY方向駆動体(ミシンに対して前後方向の駆動を担う部材)の下面に固定される。これにより、支持腕の先端に固定された支持板は、刺繍枠の前後動と一体的に前後動することとなる。上記特許文献1の刺繍枠支持装置によれば、前述のように構成された支持板が刺繍枠の前端部を下面側から支持することで、被刺繍物の重量が大きい場合であっても刺繍枠の前端側が垂れ下がることを防止し、以って、縫いに悪影響を及ぼす不具合を解消した。
【0004】
前述したような刺繍ミシン、すなわち、Tシャツや帽子など筒状を成す被刺繍物に対して刺繍を行うミシンにおいては、被刺繍物の形状に応じた複数種類の刺繍枠がセットできるようになっている。前記複数種類の刺繍枠には、例えば、袋物を保持するための袋物枠、帽子を保持する帽子枠、或いは、原反物を保持するための原反枠などがある。
刺繍ミシンにセットする刺繍枠の種類を変更した場合、使用する刺繍枠の種類に応じて、該刺繍枠を支持するための支持体を変更する必要がある。すなわち、上記特許文献1に開示された刺繍枠支持装置は使用できる枠が袋物枠に限られていたため、帽子枠や原反枠等、その他の種類の枠を使用する時には、これを取り外さなければならなかった。前記刺繍枠支持装置の取り外し作業は、刺繍枠支持装置の支持腕をY方向駆動体から取り外すとともに、該支持腕のリニアガイドをシリンダベッドから取り外すといった煩雑な作業であり、また、該刺繍枠支持装置を取り付ける作業においては、前記部材(支持腕やリニアガイド)等の取付けの精度出しの調整時間が掛かる。すなわち、刺繍枠変更時の段取り替えに手間と時間を要したため、作業効率が悪かった。
また、袋物枠に限っても、そのサイズは多様であり、被刺繍物のサイズに応じて異なるサイズの刺繍枠(袋物枠)に変更している。しかしながら、上記特許文献1に示された刺繍枠支持装置の構成では、支持腕の先端に取り付けた支持板を袋物枠の前端部下面に位置させなければならない構成であるため、袋物枠のサイズに応じて長さの異なる支持腕を複数用意し、支持腕を適宜変更しなければならない、という不都合があった。
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、着脱作業に手間が掛からず利便性の高い刺繍枠支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、刺繍ミシンにおいて片持ち状に装着された刺繍枠の自由端を該刺繍枠の動きに従動して支えるための刺繍枠支持装置であって、該刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材と、前記ベース部材に固定される支持部材であって、該ベース部材に対して相対的に移動可能な可動端を有し、該可動端において前記刺繍枠の自由端を従動可能に支持する支持部材とを備えることを特徴とする刺繍枠支持装置である。
【0008】
また、この発明に係る刺繍枠支持装置は、前記支持部材は、多段のチャンネル部材によってY方向に沿って伸縮自在に構成されたYスライドレールと、前記可動端において前記刺繍枠をX方向に相対的に移動可能に支持する機構とを有するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材と、前記ベース部材に固定される支持部材であって、該ベース部材に対して相対的に移動可能な可動端を有し、該可動端において前記刺繍枠の自由端を従動可能に支持する支持部材とを備える構成であるため、支持部材とベース部材とを一体化した状態で、刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けることができ、また、刺繍枠支持装置を刺繍ミシンから取り外すことができる。支持部材とベース部材を一体化したことから、刺繍枠支持装置取り付け時の精度出しの手間が省けると共に、刺繍枠支持装置の着脱作業自体も容易となる、という優れた効果を奏する。また、前記刺繍枠支持装置において、前記支持部材が、多段のチャンネル部材によってY方向に沿って伸縮自在に構成されたYスライドレールと、前記可動端において前記刺繍枠をX方向に相対的に移動可能に支持する機構とを有する構成とすれば、前記刺繍枠のY方向の移動に応じて前記Yスライドレールが伸縮することで前記可動端を該刺繍枠と一体的にY方向に移動せしめると共に、前記刺繍枠のX方向の移動に応じて該刺繍枠を可動端に対して相対的にX方向に移動せしめることができる。すなわち、刺繍枠は刺繍枠支持装置に対してX方向及びY方向に移動自在に支持される。前記支持部材において、伸縮自在なYスライドレールを備えることで、多様なサイズの刺繍枠に自在に対応できるようになる。従って、使用する刺繍枠のサイズに関らず同じ刺繍枠支持装置を使用でき、その変更手間が省けるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下添付図面を参照して、この発明の一実施例について説明する。
図1はこの実施例に係る単頭式刺繍ミシンを前方斜め上側から見た全体斜視図である。この実施例においては、ミシンの左右方向を「X方向」、前後方向を「Y方向」と称する。同図において、符号1はテーブル、符号2はミシンヘッド、符号3はシリンダベッドである。テーブル1の前面部(前テーブル)1aは、従来から知られるこの種のミシンと同様に、上下位置換え可能に構成されており、該前テーブル1aを下方位置に位置させることで、所謂筒物状の被刺繍物に対して刺繍することが可能になる。ミシンヘッド2は、ミシン主軸の回転に応じて上下動する縫い針、天秤及び布押さえ等を含んで構成される。シリンダベッド3は該ミシン主軸と同期して回転駆動されるシャフトを有し、該シャフトの先端には釜が固定される。周知の通り、この釜とミシンヘッド2に設けられた縫い針との協働によって、ミシン縫いが行われる。
符号4はY方向駆動体であり、テーブル1の下面に設けられた図示しないY方向駆動機構によってY方向にのみ駆動される。また、符号5はX方向駆動体である。X方向駆動体5は、Y方向駆動体4に組み付けられており、Y方向駆動体4がテーブル1に対してY方向に移動されると、該Y方向駆動体4と一体的にY方向へ移動する。また、X方向駆動体5は、該Y方向駆動体4に設けられたX方向駆動機構(図示せず)によって、該Y方向駆動体4に対して相対的にX方向に駆動される。すなわち、X方向駆動体5は、X方向駆動機構によってX方向に駆動され、Y方向駆動機構に応じたY方向駆動体4の移動と一体的にY方向へ移動する、つまり、X方向及びY方向に駆動可能である。符号6は、被刺繍物を保持する刺繍枠である。刺繍枠6は枠の後端部においてX方向駆動体5に取り付けられることにより当該ミシンに対して片持ち状に装着される。刺繍枠6は、X方向駆動体5に取り付けられているので、X方向駆動体5のX方向及びY方向の移動に伴い、該X方向駆動体5と一体的にX方向及びY方向に移動する。X方向及びY方向駆動機構は実行すべき刺繍内容に応じた刺繍データに基づき駆動制御されるものである。従って、刺繍枠6は、Y方向駆動体4及びX方向駆動体5を介して該刺繍データに基づきX方向及びY方向に駆動されることになる。
符号7は刺繍枠支持装置であり、これは片持ち状に取り付けられた刺繍枠6を補助的に支持するためのものである。刺繍枠支持装置7は刺繍枠6の下面側に配置されており、該刺繍枠6の前端部(自由端)を下方から支持している。詳しくは後述する通り、この実施例に係る刺繍枠支持装置7は、ミシン本体に対する着脱作業が容易であり、また、刺繍枠6の各種サイズに対応可能に構成される点に特徴がある。
【0011】
図2は図1のミシンの刺繍枠6付近を上面から見た平面図である。同図に示す通り、刺繍枠支持装置7は、刺繍枠6の下面側において、テーブル1からミシン前方に向けて延びるシリンダベッド3と同軸、すなわち、ミシン前後方向に延びるよう配置され、その先端部が概ね刺繍枠6の前方端部に位置している。図3は刺繍枠支持装置7を抽出して示す斜視図であり、図4は刺繍枠支持装置7の取付説明図である。
図2及び図3において、刺繍枠支持装置7は、概ね、支持装置7の取り付け基部となるベース部材11と、該ベース部材11に固定されたY方向スライドレール(以下、Yスライドレール)12と、レールカバー13から構成される。ベース部材11は断面コ字型の部材であり、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に固定するための3本のネジN1を挿入すべき3つのネジ穴が所定位置に形成されている。また、シリンダベッド3の上面側にも、3本のネジN1を挿入すべき3つのネジ穴が所定位置に形成されている(図4等を参照)。そして、3つのネジN1により該ベース部材11をシリンダベッド3にネジ止めすることで、刺繍枠支持装置7がシリンダベッド3に固定、つまり、ミシン本体に装着される。図4に示すとおり、ベース部材11とシリンダベッド3のネジ止めは上側から行うことができる。すなわち、該ネジ止め作業はミシンテーブル1(図1参照)の上面側から行うことができるので、作業の実施が作業者にとって容易である。
図5は刺繍枠支持装置7を取り付けていない状態のシリンダベッド3を示す斜視図である。図4及び図5を参照して、刺繍枠支持装置7の取り付け手順について説明する。なお、図5において、シャフト8及びシャフトの先端に設けられた釜9を想像線(点線)で示している。図5に示す通り、刺繍枠支持装置7を取り付けていない状態では、シリンダベッド3の上面にはカバー10が3箇所のネジ止めにより装着されている。カバー10のネジ止め箇所は、刺繍枠支持装置7のベース部材11をネジ止めする箇所と同じであってよい。
刺繍枠支持装置7を取り付ける際には、このカバー10を取り外して、図4に示すように、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に3本のネジN1によって取り付ける。すなわち、ベース部材11及びシリンダベッド3に設けられた3つのネジ穴の対応するもの同士を合致せしめるよう刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3の上側に覆い被せるように配置し、3つのネジN1を用いてベース部材11の上側から刺繍枠支持装置7とシリンダベッド3をネジ止めするだけでよい。刺繍枠支持装置7の取り外しは、逆に、ベース部材11の上側の3つのネジN1を外して刺繍枠支持装置7の固定を解くだけでよい。
ベース部材11の上面側は、作業者にとってテーブル上面且つミシン手前側に露呈している位置なので、刺繍枠支持装置7の上面側からのネジ止めにより刺繍枠支持装置7を固定する構成とすることで、支持装置7のミシンに対する着脱作業が簡便、容易となる。
【0012】
図2,図3又は図4に示すとおり、Yスライドレール12は、ベース部材11の左右側面の内側に取り付けられた一対のレール部材であり、その先端部(ミシン前方側の端部)は、ベース部材11からミシン前方側に向けて延びている。図6は刺繍枠支持装置7の平面断面図である。図6に示すように、Yスライドレール12は、アウターチャンネル12a、該アウターチャンネル12a上をスライド移動可能に設けられた第1インナーチャンネル12b及び、該第1インナーチャンネル12b上をスライド移動可能に設けられた第2インナーチャンネル12cの3段式のレール部材により構成されている。Yスライドレール12は一番外側に位置するアウターチャンネル12aにおいてベース部材11に固定されており、これにより、第1及び第2インナーチャンネル12b,12cが刺繍枠支持装置7に対して相対的にY方向に移動しうる。なお、Yスライドレール12は、例えば箪笥の引き出し等に使用される周知のレール構成であってよく、第2インナーチャンネル12cの先端部が刺繍枠支持装置7全体の先端部(可動端)となる。また、図6においては該Yスライドレール12を構成する各チャンネルの連結部材やストッパ等の図示及び説明を省略している。
【0013】
レールカバー13は、ベース部材11及びYスライドレール12の両側面の外側に設けられたカバー部材である。レールカバー13は、第2インナーチャンネル12cの先端付近においてスタッド14を介して4箇所で固定(図6参照)されており、Yスライドレール12のY方向のスライド移動と一体的に移動しうる。
また、図3において2点鎖線で示すように、Yスライドレール12(第2インナーチャンネル12c)の先端部には、ブラケット16を介してXスライドレール15が取り付けられており、レールカバー13の先端部上面にはXスライドレール15の配置を許容する切欠13aが形成されている。図2に示すようにXスライドレール15は刺繍枠6の前端部下面側に配設されている。すなわち、刺繍枠支持装置7は、該Xスライドレール15において刺繍枠6の前端部(自由端)を支持している。図7はブラケット16及びXスライドレール15を抽出して示す斜視図であり、Yスライドレール12及びレールカバー13の先端部に対する取り付け構造を示している。また、図8は、図7のブラケット16及びXスライドレール15のA−A線断面図である。
図7及び図8に示すように、Xスライドレール15は、刺繍枠6の左右方向の長さと略同尺なアウターチャンネル15aと、該アウターチャンネル15aの内側に配設されたインナーチャンネル15bから構成されており、インナーチャンネル15bはアウターチャンネル15a内を相対的にミシン左右方向(X方向)にスライド移動しうる。図8に示すように、Xスライドレール15は、インナーチャンネル15bにおいてネジN2を介してブラケット16に対して固定される。従って、Xスライドレール15のアウターチャンネル15aはブラケット16に対して相対的にX方向に移動しうる。ブラケット16は、ブリッジ状に形成された部材であり、左右の脚部において夫々対応する第2インナーチャンネル12cの先端部にネジN3により固定されることで、左右の第2インナーチャンネル12c間に横架される(図7参照)。従って、Xスライドレール15のアウターチャンネル15aは、刺繍枠支持装置7に対して相対的にX方向に移動可能に取り付けられる事になる。
【0014】
図9は刺繍枠6を前方斜め上側から見た斜視図である。図9に示す通り、刺繍枠6は、全体的な外枠を構成する受け枠17と、該受け枠17と協働して被刺繍物を挟み込むための押え枠18とを有し、受け枠17と押え枠18には夫々窓孔17a、18aが形成されている。この窓孔17a、18aが刺繍枠6の刺繍範囲となる。図2においては、該窓孔17a、18aに対するシリンダベッド3の先端部(釜9の内蔵箇所)の位置から明らかな通り、刺繍範囲の中央に縫いが行われるときの刺繍枠6の位置が示されている。図9において、刺繍枠6の後方縁部に沿って設けられたブラケット19は、X方向駆動体5に固定されている。すなわち、刺繍枠6は該ブラケット19を介してX方向駆動体5に固定される。ブラケット19の上面に固定された支持軸を介して揺動可能に設けらた一対のエアシリンダ20と、一対の軸受部材21とが配置されている。前記一対の軸受部材21の各先端部の間にはシャフト22が横架されており、該シャフト22の両端には、それぞれ回動アーム23が枢支されている。両回動アーム23の一方の端部(ミシン後方側端部)の間にはシャフト24が横架されており、該シャフト24に対してエアシリンダ20の先端部が連結される。また、回動アーム23の他方の端部(ミシン前方側端部)には、押え枠18の後方縁部の形状に略沿うようなコ字状に形成された支持アーム25が取り付けられており、該支持アーム25はその両端部において押え枠18の左右辺の略中央部を枢支している。上記構成により、エアシリンダ20の作動に応じて回動アーム23が回動され、該回動アーム23に連動して押え枠18が上下に移動される。従って、エアシリンダ20の作動に応じた押え枠18の下方移動によって、受け枠17に装着した被刺繍物を押さえ込むことができる。このように、刺繍枠6では押え枠18と受け枠17とによって被刺繍物を挟み込んで保持する。
【0015】
図9に示すとおり、刺繍枠支持装置7の先端に設けられたXスライドレール15は、刺繍枠6(受け枠17)の先端部下面側に固定される。すなわち、刺繍枠支持装置7は、先端に設けられたXスライドレール15において、ミシン本体に対して片持ち状に装着された刺繍枠6の先端を補助的に支持する(図2等も参照)。これにより、刺繍枠6に保持する被刺繍物の重量が大きい場合であっても、刺繍枠6の先端が垂れ下がることを防止することができる。
図10は図2と同様な刺繍枠6の部分を抽出して示す上面平面図であって、刺繍枠6が作業者に対して最手前側に前方移動且つシリンダベッド3に対して左側に横移動した状態を示している。この図からも明らかなように、刺繍枠6がXスライドレール15を介して刺繍枠支持装置7の先端に固定されているため、刺繍枠6の前方移動(Y方向移動)に伴い、Yスライドレール12が伸長し、また、刺繍枠6の横方向(X方向)移動に対してはXスライドレール15が介在していることにより、該刺繍枠6が刺繍枠支持装置7に対して相対的に横移動する。このようにYスライドレール12とXスライドレール15を介して、刺繍枠支持装置7の先端に刺繍枠6を固定する構成とすることで、該刺繍枠支持装置7により刺繍枠6の前端を支持しつつ、刺繍枠6のミシン本体に対する前後左右方向への自由を確保することができる。また、前後左右方向の移動をYスライドレール12及びXスライドレール15を介して積極的にガイドするので、被刺繍物の重量が大きい場合であっても刺繍枠6の移動がスムーズに行われる。
【0016】
上記構成からなる刺繍ミシンにおいて刺繍を行う手順について簡単に説明する。刺繍枠6は、その後端側においてブラケット19を介して片持ち状に、ミシン本体に対して装着されるとともに、その前端部下面側を刺繍枠支持装置7によって補助的に支持されている。刺繍作業時には、まず、刺繍枠6のエアシリンダ20を作動させて押え枠18を上側に移動させることで、受け枠17と押え枠18の間に筒状の被刺繍物を装着した後、該エアシリンダ20を逆向きに作動させて押え枠18を下方に移動せしめ、受け枠17と押え枠18で被刺繍物を挟み込むことで、これを刺繍枠6に保持する。そして、実行すべき刺繍内容に応じた刺繍データに基づき、Y方向駆動体4、X方向駆動体5を駆動して刺繍枠6をX、Y方向に駆動させつつ、ミシンヘッド2の縫い針と釜9との協働によって縫いを行う。これにより被刺繍物への刺繍が行われる。このとき、刺繍枠支持装置7により刺繍枠6の前端を支持しているので、刺繍枠6の先端が垂れ下がることを効果的に防止でき、縫いに悪影響を及ぼすことがない。また、刺繍枠6の刺繍枠支持装置7に対するX及びY方向への移動は、Yスライドレール12、Xスライドレール15の介在により、許容されている。
【0017】
次に、他の種類の刺繍枠を使用するべく、現在ミシンに取り付けされている刺繍枠6と刺繍枠支持装置7とを取り外す場合について説明する。始めに、ブラケット16をYスライドレール12に固定しているネジN3を取り外す(図7参照)とともに、刺繍枠6(ブラケット19)をX方向駆動体5から取り外す。該取り外された刺繍枠6は、図9に示すように、Xスライドレール15、ブラケット16が取り付けられた状態で、刺繍ミシンから取り外される。次に、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に固定している3本のネジN1を外して、刺繍枠支持装置7を該シリンダベッド3から取り外す(図4参照)。そして、シリンダベッド3の上面にカバー10を取り付け、他の種類の刺繍枠(例えば帽子枠等)及びその支持体を刺繍ミシンに取り付ければよい。なお、刺繍枠6、刺繍枠支持装置7を取り付けるときには逆の手順によって作業が行われる。
【0018】
上記の実施例では、この発明に係る刺繍枠支持装置7を刺繍枠6の補助的な支持に使用する例を示した。以下に、この発明に係る刺繍枠支持装置7の別の使用例として、原反物を保持する原反枠の支持に使用する例を紹介する。
図11は原反物を保持する原反枠26の一例を示す斜視図である。周知のように、原反枠26は、刺繍用クリップ27を用いて刺繍対象となる原反物を保持する構成になっている。原反枠26は、その後端部においてX方向駆動体5にネジによって固定されることで、刺繍ミシンに対して左右方向(X方向)に駆動可能に取り付けられる。この原反枠26の前端部下面にXスライドレール15及びブラケット16を取り付けることで、前述した刺繍枠6の取り付け構造と同様に、原反枠26の前端部を刺繍枠支持装置7で支持することができる。すなわち、原反枠26は、その後端部においてX方向駆動体5に固定されることでミシンにおいて片持ち状に支持されると共に、刺繍枠支持装置7によりその前端部側が垂れ下がらないように支持される。従って、この発明に係る刺繍枠支持装置7を備えた刺繍ミシンにおいては、片持ち状に支持される刺繍枠6と、同様な支持形態により原反枠26を装着することが可能となり、両者の交換が可能である。従来から知られる刺繍ミシンにおいて原反枠26を使用するときには、一般に、上下位置換え可能な前テーブル1a(図1参照)の位置を上位置に設定し、該前テーブル1aにより原反枠26の全体を支持するようになっていた。従って、刺繍枠6と原反枠2を交換する際には、前テーブル1a(図1参照)の位置を変更する必要があった。この点についてこの発明に係る刺繍枠支持装置7を用いて、原反枠26の前端部をYスライドレール12、Xスライドレール15にて支持することで、刺繍枠6に替えて原反枠26を使用するときでも前テーブルの位置換えが不要になる。従って、刺繍枠6と原反枠26との相互使用がより簡便となる。
【0019】
以上説明した通り、この実施例によれば、刺繍枠支持装置7は3本のネジN1を用いたネジ止めによりシリンダベッド3(ミシン本体)に対して固定でき、該3本のネジN1のネジ止め作業は、ミシンテーブル1の手前の上側から行うことができるよう構成されているため、刺繍枠支持装置7の着脱作業が非常に容易に行えるようになる。
また、刺繍枠支持装置7においてYスライドレール12(支持部材)と刺繍枠支持装置7の取り付け基部となるベース部材11をユニット化したことで、ベース部材11にYスライドレール12(支持部材)を取り付けたままの状態で、刺繍枠支持装置7を着脱できる。従って、刺繍枠支持装置7をシリンダベッド3に取り付けたときにYスライドレール12の精度出し作業が不要である。このため、刺繍枠支持装置7の着脱の作業を効率的に行うことができる。
また、刺繍枠6を刺繍枠支持装置7から取り外す作業についても、作業者にとって手前側に位置するネジN3を取り外すことで、Yスライドレール12からブラケット16を外すことで、Xスライドレール15と共に刺繍枠6を取り外すことができ(図9の状態を参照)、非常に容易に取り外しできることとなる。
【0020】
また、上記実施例に係る刺繍枠支持装置7によれば、長さが可変するYスライドレール12の先端で刺繍枠6を支持するよう構成したことから、色々なサイズの刺繍枠に自在に対応できるようになる。すなわち、Yスライドレール12のスライド量を使用される最大サイズの刺繍枠に対応しうるよう十分とっておくことによって、同一の刺繍枠支持装置7により色々なサイズの刺繍枠に自在に対応できるようになる。
【0021】
なお、上記実施例において、刺繍枠6を取り外すときに、Yスライドレール12とブラケット16を固定しているネジN3を取り外すものとして説明した(図7参照)が、これに限らず、Xスライドレール15とブラケット16を固定しているネジN2を取り外すようにしてもよい(図8参照)。ネジN2を取り外すときは、下方からのネジ外し作業を行うこととなるが、何れにせよネジ止め箇所がミシンの手前側であるため、これを容易に行うことができる。
また、上記実施例では、刺繍枠支持装置7の先端部において刺繍枠6を支持する部材として2段のチャンネル部材からなるXスライドレール15を設ける例について説明したが、Xスライドレール15の替わりにリニアレール(レールと該レールに係合する摺動子)とし、レールを刺繍枠6の先端部下面に設け、摺動子をブラケット16に設ける構成としてもよい。要するに、刺繍枠6とブラケット16が、Y方向へは一体的に移動し、且つ、X方向へは刺繍枠6がブラケット16に対して相対的に移動するような構成でさえあればよい。
また、刺繍枠6に替えて袋物枠を使用することもできる。この場合、Xスライドレール15に替えて袋物枠の前端部を載置可能な支承板(Y方向には袋物枠と一体的に移動し、X方向には載置された袋物枠の摺動を許容しうるもの)を取り付けるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施例に係る刺繍ミシンを斜め上側から見た全体斜視図。
【図2】同実施例に係る刺繍ミシンの刺繍枠部分を上から見た平面図。
【図3】同実施例に係る刺繍枠支持装置を抽出して示す斜視図。
【図4】図3に示す刺繍枠支持装置のシリンダベッドに対する取り付け構造を説明するための斜視図。
【図5】同実施例に係るシリンダベッドであって、刺繍枠支持装置を取り付けていない状態を示す斜視図。
【図6】同実施例に係る刺繍枠支持装置を上側から見た断面図。
【図7】同実施例に係る刺繍枠支持装置の先端部におけるXスライドレールの取り付け構造を説明するための斜視図。
【図8】図7のA−A線断面図。
【図9】同実施例に係る刺繍枠を上面からみた斜視図であって、該刺繍枠を刺繍ミシン及び刺繍枠支持装置から取り外した状態を示す図。
【図10】前記図2と同様な上面平面図であって、刺繍枠が移動した状態を示す図。
【図11】同実施例に係る刺繍枠支持装置を適用可能な原反枠を示す斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1 テーブル、2 ミシンヘッド、3 シリンダベッド、4 Y方向駆動体、5 X方向駆動体、6 刺繍枠、7 刺繍枠支持装置、11 ベース部材、12 Yスライドレール(支持部材)、13 レールカバー(支持部材)、15 Xスライドレール(支持部材)、16 ブラケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺繍ミシンにおいて片持ち状に装着された刺繍枠の自由端を該刺繍枠の動きに従動して支えるための刺繍枠支持装置であって、
該刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材と、
前記ベース部材に固定される支持部材であって、該ベース部材に対して相対的に移動可能な可動端を有し、該可動端において前記刺繍枠の自由端を従動可能に支持する支持部材と
を備えることを特徴とする刺繍枠支持装置。
【請求項2】
前記支持部材は、多段のチャンネル部材によってY方向に沿って伸縮自在に構成されたYスライドレールと、前記可動端において前記刺繍枠をX方向に相対的に移動可能に支持する機構とを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の刺繍枠支持装置。
【請求項1】
刺繍ミシンにおいて片持ち状に装着された刺繍枠の自由端を該刺繍枠の動きに従動して支えるための刺繍枠支持装置であって、
該刺繍枠支持装置を刺繍ミシンに取り付けるための基部となるベース部材と、
前記ベース部材に固定される支持部材であって、該ベース部材に対して相対的に移動可能な可動端を有し、該可動端において前記刺繍枠の自由端を従動可能に支持する支持部材と
を備えることを特徴とする刺繍枠支持装置。
【請求項2】
前記支持部材は、多段のチャンネル部材によってY方向に沿って伸縮自在に構成されたYスライドレールと、前記可動端において前記刺繍枠をX方向に相対的に移動可能に支持する機構とを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の刺繍枠支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−320578(P2006−320578A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147173(P2005−147173)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000219749)東海工業ミシン株式会社 (55)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000219749)東海工業ミシン株式会社 (55)
【Fターム(参考)】
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