説明

前立腺特異膜抗原(PSMA)の標識阻害剤、生物学的評価およびイメージング剤としての使用

前立腺特異膜抗原(PSMA)は、イメージングおよびがんの治療のための有効な標的としてますます認識されてきている。種々の99mTc/Re標識化合物を、既知のTc/Reキレート剤をアミノ職能化されたPSMA阻害剤に、変長のリンカー部分有りまたは無しで結合させることにより調製した。ex vivo体内分布およびin vivoイメージングは、操作されたPSMA+ PC3 PIP腫瘍にに対する特異的結合の程度を実証した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2007年6月26日出願の米国仮出願第60/937,242号および2008年1月15日出願の米仮出願第61/011,111号の利益を主張し、その教示を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明の背景
1.発明の分野
本発明は、尿素誘導体、リンカーおよび金属キレート基(metal chelating group)を含む新規化合物を提供する。本発明は、尿素誘導体、リンカー、金属キレート基、および放射性標識されたか、もしくは同位体標識された金属を含む、新規放射性標識化合物を提供する。この発明はまた、かかる放射性標識化合物を含む医薬組成物を提供する。さらに、この発明は、PSMAおよびPSMA発現腫瘍に結合する本発明の化合物の体内分布を検出する方法およびそのイメージング方法をも提供する。本発明の化合物は、がんの早期診断の提供、腫瘍血管新生のイメージング、腫瘍手術中の腫瘍マージンの改善された描写、およびがんへの治療的な放射性核種の小分子送達の改善に有用である。
【0003】
2.背景
前立腺がん(PCa)は、米国民における主要ながんであり、男性のがん関連死の第2位の原因である。診断される頃には、PCa腫瘍の半数のみが臨床的に限局しており、半数は被膜外に播種している。現在、解剖学的方法、例えばコンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴(MR)イメージングおよび超音波検査が、前立腺癌の臨床イメージングにおいて主流となっている。放射性標識モノクローナル抗体[111In]ProstaScintTMも用いられているが、この剤は解釈が難しいイメージを生成する傾向がある(Lange, P. H. PROSTASCINT scan for staging prostate cancer. Urology 2001, 57, 402-406、Haseman, M. K.; et al.Cancer Biother Radiopharm 2000, 15, 131-140、Rosenthal, S. A.; et al. Tech Urol 2001, 7, 27-37)。低分子量の、放射性医薬ベースのイメージング剤は、長い循環時間および非標的組織からの遅延したクリアランスを示す傾向がある放射性標識抗体よりも優れた、イメージングのための薬物動態を提供し得る。種々の実験的な低分子量PCaイメージング剤が現在臨床的に追求されており、これは、放射性標識コリンアナログ[18F]フルオロジヒドロテストステロン([18F]FDHT)、抗1−アミノ−3−[18F]フルオロシクロブチル−1−カルボン酸(抗[18F]F−FACBC)、[11C]酢酸塩、および、1−(2−デオキシ−2[18F]フルオロ−L−アラビノフラノシル)−5‐メチルウラシル([18F]FMAU)を含む(Scher, B.; et al. Eur J Nucl Med Mol Imaging 2007, 34, 45-53、Rinnab, L.; et al. BJU Int 2007, 100, 786-793、Reske, S. N.; et al. J Nucl Med 2006, 47, 1249-1254、Zophel, K.; Kotzerke, J. Eur J Nucl Med Mol Imaging 2004, 31, 756-759、Vees, H.; et al. BJU Int 2007, 99, 1415-1420、Larson, S. M.; et al.J Nucl Med 2004, 45, 366-373、Schuster, D. M.; et al. J Nucl Med 2007, 48, 56-63、Tehrani, O. S.; et al. J Nucl Med 2007, 48, 1436-1441)。
【0004】
各々は異なるメカニズムで作用し、特定の利点、例えば、[11C]コリンについては低い尿排泄など、および不利点、例えば、陽電子放出核種の短い物理的半減期などを有する。新たな一連の有望な低分子量イメージング剤は、前立腺特異膜抗原(PSMA)を標的とする(Mease R.C. et al. Clin Cancer Res. 2008, 14, 3036-3043、Foss, C. A.; et al. Clin Cancer Res 2005, 11, 4022-4028、Pomper, M. G.; et al. Mol Imaging 2002, 1, 96-101、Zhou, J.; et al. Nat Rev Drug Discov 2005, 4, 1015-1026)。
【0005】
PSMAは、PCa、特にアンドロゲン非依存性の、進行し、転移した疾患におけるPCaの表面に大量かつ限定して発現するII型内在性膜タンパク質である(Schulke, N.; et al. Proc Natl Acad Sci U S A 2003, 100, 12590-12595)。ほとんどすべてのPCaがアンドロゲン非依存性となるため、後者は重要である。それはまた、前立腺以外の大部分の固形腫瘍の内皮の中にも発現している(Chang, S. S.; et al. Cancer Res 1999, 59, 3192-3198)。PSMAは、治療のための有望な標的の基準、すなわち疾患の全てのステージにおける大量の(前立腺に)限定した発現、細胞表面に提示されるが循環中に流れ出ることがないこと、および酵素活性またはシグナリング活性との関連を備えている(Schulke, N.; et al. Proc Natl Acad Sci U S A 2003, 100, 12590-12595)。PSMA遺伝子は第11染色体の短腕に位置し、葉酸加水分解酵素およびニューロペプチダーゼとして機能する。「脳PSMA」と称されるグルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)と同等のニューロペプチダーゼ機能が、N−アセチルアスパルチルグルタミン酸(NAAG)をN−アセチルアスパラギン酸(NAA)とグルタミン酸とに切断することにより、グルタミン酸伝達の調整が可能となる(Nan, F.; et al. J Med Chem 2000, 43, 772-774)。がん細胞1個あたり10までのPSMA分子が存在することが、同分子放射性核種ベースの技法によるイメージングおよび治療の理想的な標的としてさらに示唆する(Tasch, J.; et al. Crit Rev Immunol 2001, 21, 249-261)。
【0006】
最近、PSMAを発現する異種移植片の選択的なイメージングが、小動物ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)、シングルフォトンエミッションコンピュータ断層撮影(SPECT)、および、尿素ベースのPSMA阻害剤であるN−[N−[(S)−1,3−ジカルボキシプロピル]カルバモイル]−(S)−[11C]メチル−L−システイン、[11C]DCMC、N−[N−[(S)−1,3−ジカルボキシプロピル]カルバモイル]−(S)−3−[125I]ヨード−L−チロシン、[125I]DCITおよびN−[N−[(S)−1,3−ジカルボキシプロピル]カルバモイル]−(S)−4−[18F]フルオロベンジル−L−システイン、[18F]DCFBCを用いて実証された(Mease R.C. et al. Clin Cancer Res. 2008, 14, 3036-3043、Foss, C. A.; et al. Clin Cancer Res 2005, 11, 4022-4028、Pomper, M. G.; et al. Mol Imaging 2002, 1, 96-101)。
【0007】
陽電子放出放射性核種は臨床医学でますます用いられるようになっているが、依然として99mTcが、その有利な物理的性質(t1/2=6h、Eγ=140keV)、低いコストおよび広範囲にわたる利用可能性のため、臨床シンチグラフィーイメージングのために好んで選択される放射性核種である。放射性医薬としてのテクネチウム錯体の開発は、テクネチウムのVIIB族同族元素であるレニウムの使用によって促進される。レニウムは、一般にテクネチウムの錯体に類似した物理的性質を有する錯体を生成し、大規模合成および構造特性化のためのテクネチウムの非放射性代替物としてしばしば用いられる。
【0008】
望まれるのは、{M(CO)コア(M=99mTc、186,188Re)の結合のための三座配位キレーター(tridentate chelator)が組み込まれているが、依然PSMAへの高い親和性を保持している低分子量の尿素ベースの阻害剤を提供することである。高い安定性と有利な標識化特性のため、有機金属のRe(I)(CO)99mTc(I)(CO)アプローチは、魅力的な放射性標識戦略である。窒素、硫黄、酸素供与原子の種々のセットを有する複数の三座配位キレーターが、{M(CO)コアと極めて安定な錯体を形成することが知られている(Alberto, R.; et al. J Am Chem Soc 1998, 120, 7987-798、Alberto, R.; et al. J Am Chem Soc 2001, 123, 3135-3136)。これらのうち、単一アミノ酸キレート(SAAC)コンセプト(Banerjee, S. R.; et al. Nucl Med Biol 2005, 32, 1-20、Stephenson, K. A.; et al. Bioconjug Chem 2005, 16, 1189-1195)が、新規な尿素ベースの阻害剤を設計するために有用であることが証明された。
【発明の概要】
【0009】
一側面において、本発明は阻害剤、リンカーおよび金属キレーターを含む化合物を提供する。
別の側面において、本発明は式I:
A−(B)−C (I)
式中、Aは金属キレーターであり、Bは、リンカーであり、Cは、PSMA阻害剤であり、bは1〜5である
で表される化合物を提供する。
【0010】
特定の態様において、本発明は式II
【化1】

式中、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0011】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0012】
他の態様において、本発明は式III:
【化2】

式中、
およびRは、各々独立して、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、−COOH、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、アミノ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、チオール、および任意に置換されたアルキルチオールから選択され、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0013】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0014】
特定の態様において、本発明は式IV:
【化3】

式中、
AAおよびAAは、各々独立して天然アミノ酸であり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリルまたはトリアゾリルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、またはトリアゾリル、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはCOHであり、
mは、0または1であり、
各々のnは、独立して1〜8であり、
各々のqは、独立して0または1である
で表される化合物を提供する。
【0015】
一態様において、本発明は式V:
【化4】

式中、
各々のRは、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、または任意に置換されたアラルキルであり、
各々のRは、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、または任意に置換されたアラルキルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、イソキノリニル、イミダゾリル、またはキノリニルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、イソキノリニル、キノリニル、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、各々の出現において、ヒドロキシ、アミノ、またはCOHであり、
各々のmは、独立して、0または1であり、
各々のnは、独立して1〜8である
で表される化合物を提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は式VI:
【化5】

式中
AAおよびAAは、各々独立して天然アミノ酸であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはCOHであり、
各々のnは、独立して0〜8であり、
各々のqは、独立して0または1である
で表される化合物を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は式VII:
【化6】

式中、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、もしくはC〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、もしくはC〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシ、または結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0018】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0019】
一態様において、本発明は式VIII:
【化7】

式中、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、もしくはC〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、もしくはC〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシ、または結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0020】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0021】
別の態様において、本発明は式IX:
【化8】

式中、
Mは金属であり、
は、金属配位子であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0022】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
rは1〜5である
で表される化合物を提供する。
【0023】
別の態様において、本発明は式X:
【化9】

で表される化合物を提供する。
【0024】
一側面において、本発明は、以下の工程:
式IX:
【化10】

式中、
Mは金属であり、
は、金属配位子であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
【0025】
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0026】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
rは1〜5であり、
ここで、式IXの化合物は少なくとも1つの放射性同位体を含む
で表される放射性標識化合物、または薬学的に許容し得るその塩を提供する工程、
細胞または組織と化合物とを接触させる工程、
化合物を細胞または組織において検出する工程、および
化合物を細胞または組織においてイメージングする工程
を含む、対象におけるイメージングの方法を提供する。
【0027】
別の側面において、本発明は、前立腺特異膜抗原(PSMA)の活性を調整する(modulate)化合物を同定するための方法であって、該方法が:
a)PSMAと、式IXで表される放射性標識化合物とを、PSMAの活性の調整に適した条件下で接触させること、および
b)前記化合物によるPSMAの活性の調整を検出すること(ここで、前記化合物はPSMAの結合部位と相互作用することができる)
を含む、前記方法を提供する。
別の側面において、本発明は式IIまたは式IXで表される化合物を合成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、ReL2を用いた、PSMA+ PC−3PIP細胞およびPSMA−PC−3 flu細胞の蛍光顕微鏡検査を示した図である。
【図2】図2は、PSMAの活性部位へのL1の結合様式を示した図である(A)。対応する等高線図をBに示す。
【図3】図3は、担腫瘍マウスの[99mTc]L1〜L4(それぞれA〜D)によるSPECT−CTイメージングを示した図である。PC−3 PIPおよびPC−3 flu担腫瘍マウスのデュアルピンホールSPECT−CT。マウスに0.5〜1mCi(19〜37MBq)の放射性医薬を静脈内注入した後、45分の取り込み期間をおいた。各々のケースでPSMA−flu腫瘍における取り込みが実質的になかったこと注目されたい。腹部の放射活性は、主に肝臓、脾臓および腎臓内の取り込みによる。Bにおける横線は、視界の境界における再構成上のアーティファクトによるものである。PIP=PC−3 PIP、flu=PC−3 flu、CにおけるGB=胆嚢、Dにおける赤い円は、腎臓の位置を強調する、L=左、R=右。
【0029】
【図4】図4は、担腫瘍マウスの[99mTc]L1および[99mTc]L3(それぞれAおよびB)によるSPECT−CTイメージングを示した図である。PC−3 PIPおよびPC−3 flu担腫瘍マウスのデュアルピンホールSPECT−CT。マウスに0.5〜1mCi(19〜37MBq)の放射性医薬を静脈内注入した後、3.5〜4時間の取り込み期間をおいた。Aにおいて、腫瘍外に放射性医薬が存在しないことに注目されたい。ただし、腎臓は視界外にある。
【図5】図5は、遮断剤として、強力な選択的PSMA阻害剤、PMPAを用いたPSMAの遮断を伴う(左)または伴わない(右)LNCaP(PSMA+)担腫瘍マウスの[99mTc]L1によるSPECT−CTイメージングを示した図である。PMPAによる共処置による腫瘍および腎臓(もう1つのPSMA+部位)の両方におけるの放射性医薬の欠如は、PSMA特異的結合のさらなるチェックを提供する。イメージは、注入後30〜60分から取得した。T=腫瘍、K=腎臓。
【図6】図6は、担腫瘍マウスの[111In]−DOTA−L1によるSPECT−CTイメージングを示した図である。PC−3 PIPおよびPC−3 flu担腫瘍マウスのデュアルピンホールSPECT−CT。マウスに0.5mCi(19MBq)の放射性医薬を静脈内注入した後、3.5〜4時間の取り込み期間をおいた。
【0030】
発明の詳細な説明
一側面において、本発明は阻害剤、リンカーおよび金属キレーターを含む化合物を提供する。
一態様において、阻害剤は前立腺特異膜抗原(PSMA)の阻害剤である。
別の側面において、本発明は式I:
A−(B)−C (I)
式中、Aは金属キレーターであり、Bは、リンカーであり、Cは、PSMA阻害剤であり、bは1〜5である
で表される化合物を提供する。
【0031】
特定の態様において、本発明は式II
【化11】

式中、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0032】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0033】
一態様において、AAおよびAAは、各々独立して、天然アミノ酸である。さらなる態様において、AAおよびAAは、各々独立して、リジン、グルタミン酸、チロシンまたはシステインである。
別の態様において、R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、または任意に置換されたアルキルである。
さらに別の態様において、Xは、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rは、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである。
特定の態様において、Zは、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rは、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである。
さらに別の態様において、Yは、−O−、−NH−、−NR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、または−CO−NR−である。さらなる態様において、Yは、−O−、−NH−CO−または−NR−CO−である。
【0034】
他の態様において、本発明は式III:
【化12】

式中、
およびRは、各々独立して、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、−COOH、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、アミノ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、チオール、および任意に置換されたアルキルチオールから選択され、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0035】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0036】
さらなる態様において、AAおよびAAは、各々独立して、天然アミノ酸である。さらに別の態様において、AAおよびAAは、各々独立して、リジン、グルタミン酸、チロシンまたはシステインである。
特定の態様において、Rは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリルまたはトリアゾリルであり、そのそれぞれは、任意にRで単置換、二置換もしくは三置換されており、またはRは、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、アルキル、アルコキシ、モノもしくはジアルキルアミノ、アリール、またはヘテロアリールである。
【0037】
別の態様において、Rは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、またはトリアゾリルであり、そのそれぞれは、任意にRで単置換、二置換もしくは三置換されており、またはRは、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、アルキル、アルコキシ、モノもしくはジアルキルアミノ、アリール、またはヘテロアリールである。
一態様において、Xは、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rは、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである。
別の態様において、Zは、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rは、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである。
さらに別の態様において、Yは、−O−、−NH−、−NR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、または−CO−NR−であり、特定の場合において、Yは、−O−、−NH−CO−または−NR−CO−である。
【0038】
特定の態様において、本発明は式IV:
【化13】

式中、
AAおよびAAは、各々独立して天然アミノ酸であり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリルまたはトリアゾリルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、またはトリアゾリル、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
【0039】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはCOHであり、
mは、0または1であり、
各々のnは、独立して1〜8であり、
各々のqは、独立して0または1である
で表される化合物を提供する。
一態様において、AAはリジンであり、AAはグルタミン酸またはチロシンである。さらなる態様において、AAはリジンであり、AAはシステインまたはチロシンである。
特定の態様において、各々のnは、独立して5〜7である。他の態様において、mは1である。
【0040】
一態様において、本発明は式V:
【化14】

式中、
各々のRは、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、または任意に置換されたアラルキルであり、
各々のRは、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、または任意に置換されたアラルキルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、イソキノリニル、イミダゾリル、またはキノリニルであり、
【0041】
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、イソキノリニル、キノリニル、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、各々の出現において、ヒドロキシ、アミノ、またはCOHであり、
各々のmは、独立して0または1であり、
各々のnは、独立して1〜8である
で表される化合物を提供する。
特定の態様において、Rは、ピリジル、イソキノリニル、イミダゾリル、またはキノリニルである。他の態様において、Rは、ピリジル、イソキノリニル、キノリニル、または−COOHである。
さらに別の態様において、各々のnは、独立して5〜7である。さらに別の態様において、mは1である。
【0042】
特定の態様において、本発明は以下から選択される化合物を提供する:
【化15】

【0043】
別の態様において、本発明は式VI:
【化16】

式中
AAおよびAAは、各々独立して天然アミノ酸であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはCOHであり、
各々のnは、独立して0〜8であり、
各々のqは、独立して0または1である
で表される化合物を提供する。
【0044】
別の態様において、本発明は式VII:
【化17】

式中、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、もしくはC〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、もしくはC〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシ、または結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0045】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0046】
特定の態様において、R’’およびRはHである。
他の態様において、Rは任意に置換されたアリールである。
別の態様において、アリールは、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキル−ヘテロシクロ、または任意に置換されたアルキル−ヘテロアリールで置換されている。
さらなる態様において、アリールは任意に置換されたアルキル−ヘテロシクロまたは任意に置換されたアルキル−ヘテロアリールで置換されている。
【0047】
さらに別の態様において、アリールは
【化18】

で置換されている。
【0048】
一態様において、本発明は式VIII:
【化19】

式中、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、もしくはC〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、もしくはC〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシ、または結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0049】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される化合物を提供する。
【0050】
一態様において、R’’はHである。
別の態様において、Rは任意に置換されたアルキルである。さらなる態様において、アルキルは、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキル−ヘテロシクロ、または任意に置換されたアルキル−ヘテロアリールで置換されている。さらなる態様において、アルキルは、任意に置換されたヘテロシクロまたは任意に置換されたヘテロアリールで置換されている。
【0051】
特定の態様において、アルキルは
【化20】

で置換されている。
【0052】
特定の態様において、本発明は以下の化合物を提供する:
【化21】

【0053】
別の態様において、本発明は金属をさらに含む化合物を提供する。
別の態様において、本発明は式IX:
【化22】

式中、
Mは金属であり、
は、金属配位子であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0054】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
rは1〜5である
で表される化合物を提供する。
【0055】
特定の態様において、Mは、Tc、Re、Ga、Cu、Y、Ac、BiまたはInである。さらなる態様において、金属は放射性同位体である。さらに別の態様において、MはTc−99m、Re−188、Re−186、Ga−68、Cu−64、Y−90、Y−86、Ac−225、Bi−213、In−111、Tc−94m、Sm−153、Ho−166、Lu−177、Cu−67、またはDy−166である。
別の態様において、R’はCOである。
さらに別の態様において、rは1〜3である。
別の態様において、本発明は式X:
【化23】

で表される化合物を提供する。
【0056】
一側面において、本発明は、以下の工程:
式IX:
【化24】

式中、
Mは金属であり、
は、金属配位子であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
【0057】
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
【0058】
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
rは1〜5であり、
ここで、式IXの化合物は少なくとも1つの放射性同位体を含む
で表される放射性標識化合物、または薬学的に許容し得るその塩を提供する工程、
細胞または組織と化合物とを接触させる工程、
化合物を細胞または組織において検出する工程、および
化合物を細胞または組織においてイメージングする工程
を含む、対象におけるイメージングの方法を提供する。
【0059】
一態様において、本発明は、金属がTc−99m、Re−188、Re−186、Ga−68、Cu−64、Y−90、Y−86、Ac−225、Bi−213、In−111、Tc−94m、Sm−153、Ho−166、Lu−177、Cu−67、またはDy−166である方法を提供する。
別の態様において、イメージング方法は、PSMA阻害剤をイメージングすることに適している。
さらに別の態様において、イメージング方法は、がん、腫瘍または新生物のイメージングに適している。さらなる態様において、がんは、眼または眼球のがん、直腸がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、乳がんおよび膀胱がん、口腔がん、良性腫瘍および悪性腫瘍、胃がん、肝がん、膵臓がん、肺がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、腎がん、脳/CNSがん(例えば神経膠腫)、喉頭がん、皮膚黒色腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌および扁平上皮細胞癌、小細胞肺がん、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、口腔/咽頭がん、食道がん、喉頭がん、リンパ腫、神経線維腫症、結節硬化症、血管腫、およびリンパ管形成から選択される。
【0060】
特定の態様において、放射性標識化合物は、in vivoで安定している。
他の態様において、放射性標識化合物は、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)またはシングルフォトンエミッションコンピュータ断層撮影(SPECT)によって検出される。
一態様において、本発明は、対象が、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、サル、鳥類または両生類である方法を提供する。
別の態様において、細胞は、in vivoまたはin vitroである。
【0061】
別の側面において、本発明は、前立腺特異膜抗原(PSMA)の活性を調整する化合物を同定するための方法であって、該方法が:
a)PSMAと、式IXで表される放射性標識化合物とを、PSMAの活性の調整に適した条件下で接触させること、および
b)前記化合物によるPSMAの活性の調整を検出すること(ここで、前記化合物はPSMAの結合部位と相互作用することができる)
を含む、前記方法を提供する。
一態様において、調整は阻害である。
別の態様において、結合部位は、二核の亜鉛イオン(binuclear zinc ion)および2つの基質結合ポケットを含む。
さらに別の態様において、PSMAの活性の調整は、脱アセチル化活性アッセイによって検出される。
特定の態様において、PSMA阻害剤は、約0.1〜約200nMの範囲のIC50値を有する。さらなる態様において、PSMA阻害剤は、約0.5〜約118nMの範囲のIC50値を有する。
【0062】
別の側面において、本発明は式IIまたは式IXで表される化合物を合成する方法を提供する。
特定の場合において、本発明の化合物のアミノ酸部分は、本発明の化合物のリンカー部分に連結している。特定の場合において、アミノ酸(AA)は、官能基ZまたはWに連結している。一態様において、アミノ酸は、結合によってZまたはWに連結している。特定の態様において、アミノ酸は、二価のアルキル基(アルキレン)、アルケン、アルキン、エーテル、チオエーテル、アミン、単置換アミン、カルボニル、エステル、アミド、尿素、カルバメート、および炭酸塩から選択される官能基によって、ZまたはWに連結している。
【0063】
特定の態様において、本発明の化合物は、少なくとも1つの放射性同位体を含む。
本発明の特定の好ましい化合物は、少なくとも1つの放射性同位体、またはより好ましくは、1つまたは2つ以上の陽電子放出放射性同位体を含む。特定の態様において、本発明は、放射線治療への使用に適した1または2以上の放射性同位体を含む化合物を提供する。特定の態様において、本発明の化合物は、Tc−99m、Tc−94m、Re−186、Re−188、Ga−68、Cu−64、Cu−67、Y−90、Y−86、Ac−225、Bi−213、In−111、Sm−153、Ho−166、Lu−177、およびDy−166を包含する、テクネチウム、レニウム、ガリウム、インジウム、銅、イットリウム、アクチニウム、ビスマス、サマリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、またはルテチウムの少なくとも1つの放射性同位体を含む。
【0064】
本発明の種々の化合物、特に本発明により提供されるイメージング方法での使用に適した化合物は、任意の標準的な放射線装置、例えば、PET、SPECT、ガンマカメラ、MRIなどによる検出に適した1種または2種以上の形態の放射線を放出することができる、1種または2種以上の放射性同位体を含む。
本発明により提供される好ましいイメージング方法は、少なくとも2:1の標的対バックグラウンド比の放射線強度、またはより好ましくは、約5:1、約10:1もしくは約15:1の、標的とバックグラウンドとの間の放射線強度比をもたらすことができる本発明の化合物の使用を含む。
【0065】
本発明の好ましい方法において、本発明の化合物は、患者に投与される放射性標識化合物の放射線への長期の暴露を防ぐために、体の組織から迅速に排出される。典型的には、本発明の化合物は、約24時間未満で体から除去される。より好ましくは、本発明の化合物は、約16時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約4時間未満、約2時間未満、約90分未満または約60分未満で体から除去される。典型的に好ましい化合物は、約60分〜約120分で除去される。
本発明の好ましい化合物はin vivoで安定しており、注入された化合物の実質的に全て、例えばその約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、またはより好ましくは約90%超が、排出の前に体によって代謝されない。
【0066】
本発明の化合物を投与し得る典型的な対象は、哺乳動物、特に霊長類、とりわけヒトである。獣医用途のためには、多種多様な対象、例えば、家畜、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタなど、家禽、例えばニワトリ、カモ、ガチョウ、シチメンチョウなど、および、飼い慣らされた動物、特にペット、例えばイヌおよびネコが適している。診断または研究用途のためには、多種多様な哺乳動物が適した対象であり、これは、齧歯動物(例えばマウス、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長類、およびブタ、例えば、近交系豚を含む。さらに、in vitro用途、例えばin vitro診断および研究用途については、上記対象の体液および細胞サンプルが適しており、これは例えば、哺乳動物、特に霊長類、例えばヒトなどの血液、尿または組織サンプル、または獣医用途のために言及した動物の血液、尿または組織サンプルなどである。
【0067】
本発明はまた、薬学的に許容し得る担体と、本発明の化合物とを含む包装された医薬組成物を提供する。特定の態様において、包装された医薬組成物は、放射性標識前駆体と組み合わせたときに本発明の化合物を生成するのに必要な反応前駆体を含む。
特定の好ましい態様において、本発明は、約1〜約30mCiの上述の放射性核種で標識されたイメージング剤と、薬学的に許容し得る担体とを組み合わせて含む、本発明によるキットを提供する。イメージング剤および担体は、溶液または凍結乾燥形態で提供されてもよい。キットのイメージング剤および担体が凍結乾燥形態である場合、キットは、無菌の生理的に許容し得る再構成媒体、例えば、水、食塩水、緩衝食塩水などを任意に含んでもよい。
キットは、本発明の化合物を溶液または凍結乾燥形態で提供してもよく、本発明のキットのこれらの構成要素は、安定剤、例えば、NaCl、ケイ酸塩、リン酸バッファー、アスコルビン酸、ゲンチジン酸などを任意に含んでもよい。この態様において、キットの構成要素のさらなる安定化が提供されてもよく、これは、例えば、還元剤を耐酸化形態で提供することなどによる。
【0068】
かかる安定剤および安定化方法の決定および最適化は、十分に当業者のレベルの範囲内である。この態様のターゲティング分子/キレート剤が凍結乾燥形態である場合、キットは、無菌の生理的に許容し得る再構成媒体、例えば、水、食塩水、緩衝食塩水などを任意に含んでもよい。この態様の非標識ターゲティング分子/キレート剤、補助分子、および還元剤の量は、上記の心血管イメージング剤を製造するための方法に従って最適化される。市販の99Mo/99mTc発生器から得た99mTcを含むがこれに限されない放射性核種は、非標識ターゲティング分子/キレート剤および還元剤と、放射性核種をターゲティング分子/キレート剤にキレート化するのに十分な時間および温度で混合することができ、このようにして形成したイメージング剤を患者に注入する。
【0069】
本発明のイメージング剤は、当業者が本発明の方法に従って用いることができる。イメージは、PSMAと接触させたときに、部位に集積するイメージング剤の空間分布の違いに基づいて生成することができる。空間分布は、特定の標識に適した任意の手段、例えばガンマカメラ、PET装置、SPECT装置などを用いて測定することができる。イメージング剤の集積の程度は、放射性放出を定量化する既知の方法を用いて定量することができる。特に有用なイメージング手法は、同時調査を行なうために、2種以上のイメージング剤を利用する。
【0070】
好ましくは、検出可能な有効量の本発明のイメージング剤が対象に投与される。本発明において、本発明のイメージング剤の「検出可能な有効量」は、臨床用途に利用できる機材を用いて許容できるイメージをもたらすのに十分な量として定義される。本発明のイメージング剤の検出可能な有効量は、2回以上の注入により投与することができる。本発明のイメージング剤の検出可能な有効量は、個体の感受性の程度、個体の年齢、性別、および体重、個体の特異体質反応、線量測定などの要因によって異なり得る。本発明のイメージング剤の検出可能な有効量はまた、機器およびフィルムに関連する要因によっても異なり得る。かかる要因の最適化は、十分に当業者のレベルの範囲内である。
診断目的で用いるイメージング剤の量およびイメージング調査の継続期間は、剤を標識するのに用いる放射性核種、患者の体重、処置する状態の性質および重篤度、患者が受けた治療処置の性質、患者の特異体質反応に依存する。最終的には、主治医が個々の患者に投与するイメージング剤の量およびイメージング調査の継続期間を決定する。
【0071】
PSMA結合阻害剤の構造に基づく設計
PSMAの結合部位は、二核の亜鉛イオンおよび2つの基質結合ポケット、すなわちS1(非ファーマコフォア)ポケットおよびS1’(ファーマコフォア)ポケットを含む。活性部位はまた、S1ポケットにおける塩化物イオンを含む。S1ポケットの近くに、深さ約20Å、幅8〜9Åの漏斗形のトンネルが存在する。同様に、S1’ポケットの近くに狭い空洞が存在する。さらに、阻害剤のグルタミン酸部分が狭いS1’ポケットの内部に向かう傾向を有し、一方分子の残りは大きなS1ポケットの中に存することが確認された。これらの所見は、尿素系列、すなわち、DCMC、DCITおよびDCFBCの化合物との共結晶化におけるPSMAのX線結晶構造に類似している。グルタミン酸を含む、尿素ベースの阻害剤と、[Re(I)(CO)/[99mTc(I)(CO)の既知のキレーターとの結合体(conjugate)の合成が望まれた。これらの新規結合体の設計において、PSMAと嵩高いキレーターとの間の相互作用を最適化することが重要であった。報告されたX線結晶構造から決定された、レニウムトリカルボニルおよびテクネチウムトリカルボニルのピリジルベースのキレートによる配位圏の直径が〜9Åであることを考慮すると、ビスピリジルによる金属トリカルボニルコアの平均計算体積(volume)は〜378Åであることが明らかとなった。想定されるイメージング剤のPSMAとの高親和性結合を可能にするために、メチレンリンカー(>20Å)を、尿素官能基のα炭素から、分子の残りに結合した。これにより、各々異なるリンカー長を有する3組の化合物を合成した:〜31.5Åのリンカーを有するL1〜L3、〜33Åのリンカー長を有するL4およびL7、および、それぞれ〜22Åおよび7.7Åのリンカー長を有するL5およびL6。
【0072】
尿素結合キレーターの合成
リジンを含有する一連のPSMA阻害剤を、リジンのフリーのεアミンを好適な金属キレート基との連結または誘導体化に利用するために開発した。化合物(スキーム1)は、記載された全ての想定されるイメージング剤の合成に不可欠な、キーとなる中間体である。保護されたリジンアナログは、2工程で調製した。市販のNε−Boc−Nα−Fmoc−L−リジンを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の炭酸セシウムおよび4−メトキシベンジルクロリドと反応させ、次いでDMF中の20%ピペリジンを用いてFmoc基を除去した。フラッシュクロマトグラフィーにより、所望の化合物を80%の収率で得た。尿素は、ビス−4−メトキシベンジル−L−グルタミン酸HClを、トリホスゲンおよびトリエチルアミンで−78℃にて処理し、次いで、の添加によるイソシアネート中間体のin situトラッピングを行なうことによって得た。のN−Boc基の、エタノール/酢酸エチル中のp−トルエンスルホン酸による選択的な切断によりを生じた。CHCl中のの溶液の塩基性抽出(basic extraction)により、遊離塩基を得た。p−メトキシベンジル(PMB)基は、必要な結合を行なった後、最終工程において、トリフルオロ酢酸(TFA)/アニソールまたはTFA/CHCl溶液を用いて、室温で簡便に除去した。
【0073】
【化25】

【0074】
キレーターの合成と中間体とのその結合をスキーム2〜6に示す。化合物を用いて種々のリンカーおよび金属キレーターを結合し、{99mTc(CO)/{Re(CO)の配位のための新規な一連のPSMA阻害剤、L1−L7を生成した。スキーム2に示す重要なN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル中間体は、DMF中の過剰なスベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)のとの結合により調製した。その後、化合物を、3種の異なるビスピリジルキレーターおよび13、ビスキノリンキレーター、およびモノピリジル一酸キレーター(monopyridyl monoacid chelator)11と反応させ、L1〜L4およびL7を調製した。キレーターおよび13は、公開された手順に従って調製した(例参照)。
【0075】
【化26】

【0076】
モノピリジル一酸キレーターの合成は、前述の手順の変法(スキーム3)により行なった。化合物10は、既に報告された方法に従って調製した(例参照)。ジクロロエタン中のトリアセトキシボロヒドリドナトリウムの存在下で、グリオキシル酸を用いて10を還元アミノ化し、次いで、室温でトリフルオロ酢酸/CHClの溶液を用いて保護基を除去することにより、11を生じた。
【化27】

【0077】
L5の合成を、スキーム4に概説する。化合物12は、市販の8−アミノカプロン酸の、ピリジン−2−カルボキシアルデヒドおよびトリアセトキシボロヒドリドナトリウムによる還元アミノ化と、その後のO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)の存在下でのN−ヒドロキシスクシンイミドによるNHSエステル形成により調製した。化合物L5は、12を、CHClおよびトリエチルアミン中のと反応させ、その後、TFA/CHClを用いてPMB基を脱保護することにより得た。化合物L6は、ピリジン−2−カルボキシアルデヒドおよびトリアセトキシボロヒドリドナトリウムを用いてを還元アミノ化し、次いで、TFA/CHClを用いてPMB基を脱保護することにより調製した(スキーム5)。
【0078】
【化28】

【0079】
【化29】

【0080】
レニウムアナログ(ReL1〜ReL7)の合成
化合物[Re(CO)L]+/0(L=L1〜L7)の合成は、L1についてスキーム6に示すとおり、レニウムトリカルボニル前駆体、[Re(CO)(HO)]Br37を用いた配位子交換反応によって行なった。等モル量の配位子(L1〜L7)および前駆体をアルゴン下で3時間還流し、各々のケースにおいて対応するレニウム錯体を定量的収率で得た。錯体化は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によりモニターした。全ての錯体はHPLCにより精製し、標準的な分光学的方法によって特性化した。
【化30】

【0081】
DOTAアナログの合成
全てのDOTA−L化合物は、スキーム7で示す同じ一般的手順を用いて調製した。鎖延長剤を、出発材料基質の撹拌溶液に添加した。新たに形成された基質の種々の基を脱保護し、これを次にDOTA剤による反応に供した。次いで、DOTA化合物を放射性金属で標識し、所望の化合物を提供した(スキーム7)。
【0082】
【化31】

【0083】
PSMAの活性部位におけるL1のモデリング
L1とPSMAとの分子モデル研究のために、最近公開された(S)−2(4−ヨードベンジルホスホノメチル)−ペンタン二酸(GPI−18431)と複合したPSMAの結晶構造(PDB ID:2C6C)を用いた(Mesters, J. R.; et al. Embo J 2006, 25, 1375-1384)。まず最初に、L1の2C6Cの結合部位とのドッキング研究を、Discovery Studio 1.7(DS 1.7, Accelrys Inc.)で実行されるLigandFitおよびCHARMm-based CDOCKERプロトコルを用いて行なった。しかしながら、これらのいずれも、L1の嵩高さのために、活性部位にドッキングした姿勢(docked pose)をもたらさなかった。このため、L1の可能な結合様式を明らかにするために、代替的な手法を利用した。GPI−18431、2−(ホスホノメチル)ペンタン二酸(2−PMPA)およびグルタミン酸を含む複数のリガンドとのPSMAの結晶構造は、S1’ポケットの中のこれらの化合物のグルタミン酸部分が実質的に重なることを示した。これは、グルタミン酸部分の向きが、同時にS1−ポケット内にある種々の構造モチーフにもかかわらず不変であることを示唆している。L1のグルタミン酸部分が、既知のPSMA阻害剤(例えばGPI−18431および2−PMPA)と類似の様式でS1’ポケットに向くと予想されていたため、それは意外なことでなかった。特に、アルギニン210と相互作用するグルタミン酸のαカルボン酸は、PSMAの結合にとって不可欠であることが知られている(Mlcochova, P.; et al. Febs J 2007, 274, 4731-4741)。L1を、グルタミン酸の4つのテザー結合点(tether attachment point)を用いてGPI−18431と重ね合わせた。重ね合わせたL1の座標を、リガンドGPI−18431を取り除いた2C6Cのアポ形態に移し、統合した。
【0084】
統合したPSMA/L1錯体の分子動力学シミュレーションを、Generalized Born with a simple Switching(GBSW)により、陰溶媒モデルとして行なった。L1の7Å以内のアミノ酸残基を柔軟なままとし、一方、他の全てのアミノ酸を拘束した。分子動力学シミュレーションの後で、L1のリジン部分の中のカルボン酸の位置は劇的に変化し、2つのアルギニン(Arg534およびArg536、図1A)と強く相互作用したが、グルタミン酸の2つのカルボン酸はわずかに変化したにすぎなかった。最初のL1の線形リンカーは、PSMAのトンネル領域との相互作用を最大化するために溝にはまっており(grooved)、すなわち、最初のL1の柔軟な線形リンカーはコンパクトなコンフォメーションを取っており、そうして、分子動力学シミュレーションの後で、L1の、PSMAのトンネル領域との相互作用を強化した(図1B)。このPSMA/L1モデルからグルタミン酸のαカルボン酸は、Arg210、Tyr552およびTyr700で水素結合相互作用を示し、γカルボン酸はAsn257およびLys699と同様に相互作用した。さらに、尿素の2つのNH基は、Gly518との相互作用に貢献する。
【0085】
放射化学
99mTc(CO)(OHによる放射性標識は、市販のIsolinkキットを用い、10−5M〜10−6Mの配位子濃度で、95℃での30分のインキュベーション時間で行なった。付加物は、高い放射化学収率(>70%)および純度(>98%)で得られた。[99mTc(CO)L]+/0(TcL1〜TcL7)錯体の形成は、遊離配位子および[99mTc(CO)(OHと比較して、HPLC保持時間の顕著なシフト(より長い方への)をもたらし、放射性トレーサーの明確な分離が可能であった。
【0086】
ReL2の電子物性
ビスキノリン配位子L2により、等構造の蛍光{Re(CO)コア錯体、および放射性{99mTc(CO)コア錯体の調製が可能となる。このため、レニウムベースの錯体が生物学的プローブとして用いるために適した特徴を備えているかを決定するために、ReL2の蛍光特性を調査した(Stephenson, K. A.; et al. J Am Chem Soc 2004, 126, 8598-8599、James, S.; et al. Bioconjug Chem 2006, 17, 590-596)。ReL2の電子スペクトルは、321nmで吸光し、17,200M−1の吸光係数を示した。ReL2の321nmでの励起は、550nmでの強い蛍光放出をもたらす。大きなストークスシフトは、このクラスの蛍光団の特徴である(Di Bilio, A. J.; et al. J Am Chem Soc 2001, 123, 3181-3182)。放出ピークは、Re(I)トリカルボニル錯体の先の分光学的研究に基づき、MLCT[dπ(Re)→π*(配位子)]励起状態によるものとされる(Di Bilio, A. J.; et al. J Am Chem Soc 2001, 123, 3181-3182、Guo, X. Q.; et al. Anal Chem 1998, 70, 632-637、Guo, X. Q.; et al. Anal Biochem 1997, 254, 179-186、Lo, K. K.; Commun (Camb) 2003, 2704-2705)。ReL2の蛍光寿命は、アルゴン雰囲気下のエチレングリコール中で11.8μs(λem=550nm)であり、それは内因性蛍光の影響を克服するのに十分長い。細胞の自己蛍光はin vitroイメージング研究を困難にし得るが、それはナノ秒の時間スケールで生じるため、調査中のプローブが十分に長い寿命を有しているかぎり、それをタイムゲーティング技法により排除することができる。アルゴン下のエチレングリコール中のReL2の0.018の蛍光量子収量は低いが、他の遷移金属群の蛍光プローブに関して報告されたものに匹敵する(Lo, K. K.; Commun (Camb) 2003, 2704-2705、Dattelbaum, et al. Bioconjug Chem 2000, 11, 533-536)。
【0087】
in vitro結合研究
L1〜L7およびReL1〜ReL7の相対的な結合親和性を、既述のとおり、N−アセチル化α結合酸性ジペプチダーゼ(NAALADase)アッセイを用いて決定した。データを表1に示す(例参照)。全ての化合物がlys−NHCONH−gluモチーフを有しているため、構造の差は、(a)キレーターと、リジン部分に結合したアミドカルボニル炭素との間のリンカーの長さ、(b)ビスピリジル、ビスキノリンまたは混合(モノピリジルモノカルボキシル)官能基のいずれかであり得るキレーター、(c)キレーターと、リジン部分に結合した第1のアミドとの間の第2のアミド官能基の有無、および(d)キレーターに近接しているか、第2の(リンカー)アミド基に近接しているカルボキシル基の有無に由来する。直ちに明らかなのは、リジン自体の長さより長いメチレン鎖の長さの必要性であり、これは、L6のReキレート化されたバージョンが、測定した全ての化合物の中で最も低いPSMA阻害活性を示し、PMSA+腫瘍をイメージングできなかったことによる。化合物L5は、キレーター窒素とアミドカルボニルとの間に7つのメチレン単位を含むリンカーが、ナノモルの低いKを有する化合物をもたらすことを証明する。より長いリンカーもまた、容易に適合することができる(L4およびL7)。レニウムの導入は、阻害活性の一貫した変化を引き起こさず、Re標識バージョンのL1、L4およびL5のみが、対応する非キレート化合物より高い阻害活性を示した。このクラスのキレーターへのRe(CO)コア/部分の導入は、キレーターに面配置(facial configuration)を強い、これは、活性部位への結合に予測できない影響を有する。カルボン酸を、リンカー(L1)のアミド窒素に近接してよりは、むしろキレーター(L3)に近接して配置することにより、非キレートバージョンについては1桁以上の阻害活性の増加が生じるが、Re標識バージョンは同等であった。ビスピリジルより極性が極めて低いビスキノリンキレーターは、対応してより強いPSMA阻害活性をもたらした。ピリジンの1つをカルボン酸部分で置換することにより(L7からL4へ)、非キレート分子については阻害活性の6倍の増加が生じるが、より生物学的に関連性のあるRe標識化合物については活性の12倍の減少が生じる。
【0088】
ex vivo体内分布
化合物[99mTc]L1〜L3を、PSMA+ PC3 PIPおよびPSMA−fluの両方の異種移植片を担持する重症複合免疫不全(SCID)マウスにおけるその薬物動態についてex vivoで評価した(Chang, S. S.; et al. Cancer Res 1999, 59, 3192-3198、Foss, C. A.; et al. Clin Cancer Res 2005, 11, 4022-4028)。表2〜4(例参照)は、それぞれ、化合物[99mTc]L1〜L3について、1グラムあたりの注入量の%(%ID/g)で表示した選択された器官における取り込み値を示す。化合物[99mTc]L1は、PC3 PIP腫瘍異種移植片において明確なPSMA依存性の結合を示し、調査した時間の中で、注入30分後において7.87±3.95%ID/gの最大取り込みに達した。PSMA+腫瘍対PSMA−腫瘍(PIP:flu)の取り込み比は、注入30分後の23から、高い方では注入300分後の68の範囲であった。正常器官および組織での分布も有利であり、非特異的な組織への取り込みは低く、クリアランスは迅速であった。観察された最も高い非特異的取り込みは、注入30分後に脾臓において10.59±6.05%ID/gであり、これは注入60分後までに1.81±1.10に低下した。腎臓への取り込みは、主に近位尿細管内でのPSMAの高い発現のために予想通り高く、注入30分後で95.66±22.06%ID/gのピークに達し、注入300分後までに1.26±0.67%ID/gまで消失した。
【0089】
化合物[99mTc]L2もまた、注入30および60分後においてのみだが、担腫瘍マウスにおけるその薬物動態学的特徴について評価した。表3は、この放射性リガンドについての取り込みの%ID/gを示す。[99mTc]L1と同様、[99mTc]L2は、PSMA依存性の腫瘍への取り込みを示し、注入60分後に2.04±0.25%ID/gのピークに達した。これは、[99mTc]L1についてPC3 PIP腫瘍において観察された取り込みより顕著に低い。PIP:筋肉比もまた顕著に低く、[99mTc]L1では注入120分後に41.4の最大値に達したのに対し、注入60分後にわずか7.7の最大値を達成したにすぎなかった。ビスキノリン部分の付加された親油性が追加の非特異的結合に寄与していることが考えられる(注入60分後の比較的高い肝臓への取り込み([99mTc]L2で1.15±0.33%ID/gであるのに対し、[99mTc]L1では0.25±0.15%ID/g)、および、同時点における極めて高い脾臓への取り込み(15.32±6.64%ID/g)に注目されたい)。脾臓は、この研究の60分の時間経過の間に未だ平衡に達しなかった。注入60分後の腎臓への取り込みは86.0±13.9%ID/gと、[99mTc]L1についてみられた数値と同様であった。
【0090】
化合物[99mTc]L3もまたPSMA依存性の腫瘍への取り込みを示し、注入30分後に最も高いPSMA+ PIPへの取り込みを示した、(11.56±2.86%ID/g)(表4)。PIP:flu比は注入30分後に21.99と最も高く、その後、注入300分後までの間5:1前後で安定していた。この点に関して、[99mTc]L2および[99mTc]L3のいずれも、PSMA媒介イメージングの重要な基準である高いPIP:flu比の提供において、[99mTc]L1と比較して劣っていた。化合物[99mTc]L3は、肝臓、肺および脾臓において、[99mTc]L1および[99mTc]L2と同様の傾向を示した。[99mTc]L3については、脾臓および肝臓内への放射性トレーサー取り込み(非特異的結合)も極めて高かった。PSMA媒介性の腎臓への取り込みも、このクラスの他の化合物と類似しており、注入60分後に178.56±35.45のピークに達した。
【0091】
代謝
その摘出された放射活性の2%を極性代謝物として含んでいた[99mTc]L1注入60分後に摘出したマウス腎臓を除き、注入30および60分後の他の全ての組織抽出物、血漿および尿は、クロマトグラフされた放射活性の100%を親化合物として含んでいた。
顕微鏡検査
Re(CO)によるL2のビスキノリン部分の配位により、この錯体は蛍光性となる。このため、ReL2を用い、生細胞において顕微鏡検査を行なった(図2)。ReL2のストークスシフトは比較的大きいため、494nmで励起し、628nmで放出蛍光を収集することが必要であった。このリガンドの量子効率が最高であると予想された321nmで励起させる試みは極端な自己蛍光をもたらし、使用できるデータをもたらさなかった。しかしながら、スペクトルの緑色領域の励起は、PSMA+ PC3 PIP細胞内から、弱いが、観察可能な蛍光シグナルを導いた。この結果は、PSMAに対する低分子量リガンドの内在化の視覚的確認を提供する。PSMAの内在化のメカニズムは過去に研究されたが、小分子ではなく、むしろ抗体および抗体結合体が用いられたにすぎなかった(Rajasekaran, S. A.; et al. Mol Biol Cell 2003, 14, 4835-4845、Moffatt, S.; et al. Gene Ther 2006, 13, 761-772)。
【0092】
イメージング
SPECT−CTイメージングをSCIDマウスで行った。各々のマウスは、PSMA+ PC3 PIP異種移植片を一方の上側腹部に、PSMA−PC3flu異種移植片を他方の上側腹部にそれぞれ有していた。全ての放射性リガンドをこのようにしてスクリーニングし、得られた結果を、ex vivo体内分布アッセイがさらなる情報を追加するか否かを決定するのに用いた。図3は、明確なPIP腫瘍への取り込みを示した放射性リガンドによる、初期のレンダリングされたマウスのイメージを示す。マウスに、0.5〜1mCi(19〜37MBq)の対応する99mTc標識化合物を静脈内注入し、注入45分後にイメージングした。良好な放射性リガンドは、いずれもPSMAを発現するPIP腫瘍および腎臓の両方の可視化を可能にした。化合物[99mTc]L1〜L4は、明確な特徴を有する陽性スキャン(positive scan)をもたらした。化合物[99mTc]L1は、強陽性のPIP腫瘍、胆嚢への取り込みおよび腎臓の明確な可視化を示した。化合物[99mTc]L2は、弱いPIP腫瘍への取り込み、強い胆嚢への取り込みおよび腎臓への取り込みを示した。化合物[99mTc]L3は、腫瘍のサイズが小さかったにも拘わらず強いPIP腫瘍への取り込みを示すとともに、胆嚢への取り込みおよび腎臓の明確な可視化を示した。化合物[99mTc]L4は、PIP腫瘍への高い取り込み、ならびに、肝臓および腎臓への高い取り込みを示した。[99mTc]L1または[99mTc]L3の注入の数時間後に得たイメージは、バックグラウンドに対する腫瘍の高いコントラストを示し(図4)、[99mTc]L1については、腫瘍外に存在する放射活性はごくわずかであった。化合物[99mTc]L5は、[99mTc]L4と質的に類似したイメージを生成した。
【0093】
in vivo結合特異性のさらなる試験として、LNCaP(PSMA+)前立腺腫瘍モデルにおいて[99mTc]L1を用いて遮断実験を行なったが、最初に動物を、強力な選択的なPSMA阻害剤である2(ホスホノメチル)ペンタン二酸(PMPA)50mg/kgで前処置した。図5は、PMPAが、[99mTc]L1の結合を、腫瘍に対してだけでなく、このクラスの放射性医薬の別の特異的結合部位である腎皮質に対しても排除できることを示す。尿素ベースの阻害剤とは異なる化学クラスから遮断剤を、異なる、よく確立されたPSMA+前立腺腫瘍で用いたこれらの結果は、in vivo結合選択性のさらなるチェックを提供する。
【0094】
種々のイメージングモダリティ、特にMR分光学を用いた進歩にもかかわらず、臨床的に有効なPCaの分子イメージングは、依然として見出されていない。原発性および転移性腫瘍の同定ばかりでなく、治療モニタリングにおいても極めて良好に作用したFDG−PETは、PCaの場合には完全に不成功に終わった。これは、おそらくこれらの腫瘍の代謝速度が他の上皮がんと比べて比較的低いためである。解剖学的コレジストレーションによる反復再構成によってProstaScintTMイメージングを改善することができ、PSMAの細胞外のエピトープに対するJ591ヒトモノクローナル抗体の放射性標識バージョンの使用がいくらか有望であるが、これらの剤は、イメージングのための全てのインタクトな抗体と同じ欠点、すなわち、血液および非特異的部位からの遅いクリアランスを伴う。それでも、これらの抗体は、我々が前立腺がんのイメージングおよび治療の理想的な標的と考えるもの、すなわちPSMAと結合する。
【0095】
本明細書に記載の発明により説明される放射性医薬は、一連の新規な低分子量のPSMAベースのイメージング剤の一部である。SPECTおよびPETによるイメージングのための、好適に官能化された尿素のPSMAへの特異的結合は、先に示されている。しかしながら、それらの剤は、125I、11Cまたは18Fのいずれかで放射性標識されていた(Foss, C. A.; et al. Clin Cancer Res 2005, 11, 4022-4028、Pomper, M. G.; et al. Mol Imaging 2002, 1, 96-101、Mease R.C. et al. Clin Cancer Res. 2008, 14, 3036-3043)。ヨウ素125で標識された剤は、実験モデルを研究するために高解像度の小動物用イメージング装置とともに用いることができ、同位体はヒトのSPECTまたはPETのために、123Iまたは124Iにそれぞれ切り替えることができる。しかしながら、それらの同位体は高価であり([124I]NaIについては$1,000/mCi)、緊急に得ることが困難な場合がある。炭素11は、概して、施設内にサイクロトロンを有するセンターでのみ用いられる実験用の放射性核種である。フッ素18で標識された放射性医薬は限られた距離に発送することができるが、これらの化合物の比放射活性は、使用場所に到着する頃には比較的低くなる。フッ素−18も、製造のためにサイクロトロンを必要とする。これらの理由のため、そして、99mTcの入手しやすさ(日常的に核医学検査部に届けられる発生器による)およびその理想的なイメージング特性のために、我々は99mTcで標識したPSMAベースのイメージング剤を合成する計画に着手した。SAAC技術を用いることにより、99mTcをこれらのPSMA結合性尿素に立体配置的に邪魔にならない形で容易に組み込めることが見出された。Tcは安定同位体を有しないため、我々はPSMA阻害実験のためにVIIB族の同族元素であるReを用いた。
【0096】
L1〜L7と称する種々の化合物を、そのRe標識形態および99mTc標識形態で合成した。これらの7種の化合物はDCLに由来し、リジンのεアミンとキレーターとの間に異なるリンカーを有する。SAAC技術を用いることにより、3種の異なるキレーター、すなわちビスピリジル、ビスキノリンおよびモノピリジル一酸を生成した。これらの異なるキレーターを用いる主な根拠は、その異なる程度の立体的な嵩高さおよび親油性を利用することであった。L1およびL2はいずれも、有機金属99mTc(CO)/Re(CO)コアとの錯体化によりカチオン錯体をもたらす。他方、L4は、金属トリカルボニルのコアに対して中性錯体をもたらす。化合物L2は、最も親油性の剤をもたらす(表1)。この親油性の程度は、in vitro結合ならびにin vivoイメージングのいずれにも顕著な影響を及ぼし、ReL2は、ReL1より20倍高いPSMA阻害活性を示したが、99mTcアナログについては、注入の1時間後に、6倍低いPIP:fluおよび顕著に高い肝臓および脾臓への取り込みを示した(表1、図3)。PIP腫瘍およびflu腫瘍は、PC3ヒト前立腺がん細胞に由来するが、PSMAの発現のみが異なる(PIP=PSMA+、flu=PSMA−)。これらの錯体の親油性を変える別の方法は、カルボン酸部分をリンカーの種々の位置に導入することである。リンカーのカルボン酸をキレーター窒素に近接する炭素の方へ動かすと、結合親和性が低下し(ReL3)、化合物[99mTc]L1よりも低いPIP:flu、および、高い肝臓および脾臓への取り込みをもたらす(図3)。この系列の3種の化合物において、[99mTc]L1が、その比較的低いPSMA阻害能力にもかかわらず、in vivoイメージングのための最良の特性を有する。
【0097】
化合物ReL4およびReL7は、それぞれビスピリジルおよびモノピリジル一酸キレーターの比較を可能にする。化合物ReL4は、ReL7よりも約12倍高いPSMA阻害能力を有する。ex vivo体内分布アッセイはこれらの2種の化合物のためには行なわなかったが、[99mTc]L4はflu腫瘍とは対照的にPIP腫瘍における強い取り込みを示したものの、肝臓内への顕著な取り込みもみられた。これは、おそらく、若干短いリンカー長を有し、リンカーの酸部分を包含するこの化合物の、[99mTc]L1および[99mTc]L3と比べた高い親油性による、望ましくないイメージング特性である(図3)。化合物[99mTc]L7は、PIP腫瘍への特異的な取り込みの証拠を示さず、肝臓内での放射活性を示したにすぎなかった。
化合物L5は、リンカー内にアミドまたはカルボン酸を有さず、L6は、リジンのεアミン中に組み込まれたビスピリジルを有する。L5のリンカー鎖は、L1〜L3系列のものよりも6炭素短い。化合物ReL6は極めて低いPSMA阻害活性を示し、これは全系列中で最も低く、[99mTc]L6は、PIP腫瘍特異的な取り込みを示さなかった。
【0098】
この系列において、[99mTc]L1およびReL2は、前立腺がんをそれぞれin vivoおよびin vitroでイメージングする有用性を提供することが明らかとなった。化合物[99mTc]L1は、その合成による入手のしやすさ、極めて高い標的対非標的比(注入の2時間後で、PIP:flu=44:1)、迅速な排出動態、代謝安定性および上述の99mTcの多くの有益な特徴のために、有望な臨床上の候補である。その使用のための最初の適応は、ProstaScintTMの適応と同様、前立腺特異抗原(PSA)の上昇が検出され、前立腺切除術を受けた患者の研究となろう。化合物ReL2は、低分子量剤の活性部位への結合後のPSMAの内在化を実証した(図2)。この化合物は、PSMA内在化の動態を研究するのに用いることができる。このクラスの化合物の内在化は、対応する放射線治療アナログの開発を示唆する。
【0099】
化学的記載および用語
本明細書に記載の化合物は、1または2以上の不斉中心または不斉面を有していてもよい。非対称に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離してもよい。どのように光学活性体を調製するかは当該技術分野でよく知られており、これは例えば、ラセミ体(ラセミ化合物)の分割、不斉合成、または光学活性出発原料からの合成などによる。ラセミ化合物の分割は、例えば、慣用の方法、例えば分割剤の存在下での結晶化、または、例えばキラルHPLCカラムを用いたクロマトグラフィーなどによって達成することができる。オレフィンの種々の幾何異性体、C=N二重結合なども本明細書に記載の化合物に存在することができ、全てのかかる安定異性体が本発明において意図される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または別々の異性体として単離することができる。特定の立体化学または異性体が特段示されない限り、全てのキラル体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体、ならびに、構造の全ての幾何異性体が意図される。
【0100】
化合物の任意の構成要素または式において任意の変数が2回以上出現する場合、各々の出現におけるその定義は、他の全ての出現におけるその定義から独立している。したがって、例えば、基が0〜2個のR*で置換されることが示されている場合、該基は任意に2個までのR*基で置換されてもよく、R*は、各々の出現において独立して、R*の定義から選択される。また、置換基および/または変数の組合せは、かかる組合せが安定した化合物をもたらす場合にかぎり許容される。
上記のとおり、種々の式の種々の置換基は「任意に置換されている」。用語「置換されている」は、本明細書で用いる場合、指定された原子または基における任意の1個または2個以上の水素が、示された置換基の群からの選択物で置換されていることを意味し、ただし、指定された原子の通常の原子価を超過せず、置換が安定した化合物をもたらすことを条件とする。置換基がオキソ(ケト、すなわち=O)である場合、原子上の2個の水素が置換される。本発明は、本発明の化合物に存在する原子の全ての同位体(放射性同位体を含む)を含むことを意図する。
【0101】
さらに置換されている場合、本発明の化合物は、1または2以上の利用可能な位置で、典型的には1〜3または4つの位置で、1個または2個以上の好適な基、例えば、本明細書に記載された基などで、そのように置換されていてもよい。「置換された」基上に存在し得る好適な基は、例えば、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、アルカノイル(例えば、C1〜6アルカノイル基、例えばアシルなど)、カルボキサミド、アルキル基(1〜約8個の炭素原子、好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を含む)、アルケニルおよびアルキニル基(1または2以上の不飽和結合、および2〜約8個、好ましくは2、3、4、5または6個の炭素原子を有する基を含む)、1または2以上の酸素結合、および1〜約8個、好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アリールオキシ、例えばフェノキシなど、1または2以上のチオエーテル結合、および1〜約8個の炭素原子、好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含むものを含むアルキルチオ基、1または2以上のスルフィニル結合、および1〜約8個の炭素原子、好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含むものを含むアルキルスルフィニル基、1または2以上のスルホニル結合、および1〜約8個の炭素原子、好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含むものを含むアルキルスルホニル基、1または2以上のN原子、および1〜約8個の炭素原子、好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含む基を含むアミノアルキル基、6個または7個以上の炭素、および1個または2個以上の環(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチルなど、各々の環は、置換または非置換芳香環)を有する炭素環式アリール、1〜3個の別々のもしくは縮合した環、および6〜約18の環炭素原子を有するアリールアルキル(好ましいアリールアルキル基はベンジル)、1〜3個の別々のもしくは縮合した環、および6〜約18の環炭素原子を有するアリールアルコキシ(好ましいアリールアルコキシ基はO−ベンジル)、または、1環あたり3〜約8員および1または2以上のN、OまたはS原子を含む、1〜3個の別々のもしくは縮合した環を有する、飽和、不飽和もしくは芳香族複素環基、例えば、クマリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、トリアジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピロリジニルを含む。かかる複素環基は、例えばヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびアミノでさらに置換されていてもよい。
【0102】
本明細書で用いる場合、「アルキル」は、特定の炭素原子数を有する、分枝状および直鎖状脂肪族飽和炭化水素基の両方を含むことを意図する。アルキルの例は、限定されずに、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、およびs−ペンチルを含む。好ましいアルキル基は、C1〜6アルキル基である。特に好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、および3−ペンチルである。用語C1〜4アルキルは、本明細書で用いる場合、1〜4個の炭素原子からなるアルキル基を含み、これはシクロプロピル部分を含んでもよい。好適な例は、メチル、エチル、およびシクロプロピルメチルである。
「シクロアルキル」は、特定の炭素原子数を有する飽和環状基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを含むことを意図する。シクロアルキル基は、典型的には3〜約8個の環員を有する。
【0103】
用語「(C3〜8シクロアルキル)C1〜4アルキル」において、シクロアルキルおよびアルキルは上記に定義したとおりであり、結合位置はアルキル基上にある。この用語は、限定されずに、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、およびシクロヘキシルメチルを包含する。
「アルケニル」は、直鎖または分枝構造の炭化水素鎖、例えばエテニルおよびプロペニルなどを含むことを意図し、これは、鎖に沿った任意の安定した位置に存在してもよい1または2以上の不飽和の炭素−炭素結合を含む。アルケニル基は、典型的には2〜約8個の炭素原子、より典型的には2〜約6個の炭素原子を有する。
「アルキニル」は、直鎖または分枝構造の炭化水素鎖、例えばエチニルおよびプロピニルなどを含むことを意図し、これは、鎖に沿った任意の安定した位置に存在してもよい1または2以上の炭素−炭素三重結合を含む。アルキニル基は、典型的には2〜約8個の炭素原子、より典型的には2〜約6個の炭素原子を有する。
【0104】
「ハロアルキル」は、1個または2個以上のハロゲン原子で置換された、特定の炭素原子数を有する、分枝状および直鎖状脂肪族飽和炭化水素基の両方を含むことを意図する。ハロアルキルの例は、限定されずに、モノフルオロメチル、ジモノフルオロメチル、もしくはトリフルオロメチル、モノクロロメチル、ジモノクロロメチル、もしくはトリクロロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、もしくはペンタフルオロエチル、およびモノクロロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチル、テトラクロロエチル、もしくはペンタクロロエチルを含む。典型的なハロアルキル基は、1〜約8個の炭素原子、より典型的には1〜約6個の炭素原子を有する。
「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合した示された数の炭素原子を有する、上記で定義したとおりのアルキル基を表す。アルコキシの例は、限定されずに、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、および3−メチルペントキシを含む。アルコキシ基は、典型的には1〜約8個の炭素原子、より典型的には1〜約6個の炭素原子を有する。
【0105】
「ハロアルコキシ」は、酸素架橋を介して結合した示された数の炭素原子を有する、上記で定義したとおりのハロアルキル基を表す。
本明細書で用いる場合、用語「アルキルチオ」は、1または2以上のチオエーテル結合、および好ましくは1〜約8個の炭素原子、より典型的には1〜約6個の炭素原子を含む基を含む。
本明細書で用いる場合、用語「アルキルスルフィニル」は、1または2以上のスルホキシド(SO)結合基、および典型的には1〜約8個の炭素原子、より典型的には1〜約6個の炭素原子を含む基を含む。
本明細書で用いる場合、用語「アルキルスルホニル」は、1または2以上のスルホニル(SO)結合基、および典型的には1〜約8個の炭素原子、より典型的には1〜約6個の炭素原子を含む基を含む。
本明細書で用いる場合、用語「アルキルアミノ」は、1または2以上の1級、2級および/または3級アミン基、および典型的には1〜約8個の炭素原子、より典型的には1〜約6個の炭素原子を含む基を含む。
本明細書で用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指し、「対イオン」は、小さな、負に荷電した種、例えばクロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、サルフェートなどを表すのに用いる。
【0106】
本明細書で用いる場合、「炭素環式の基」は、任意の安定な3〜7員の単環式基もしくは二環式基、または、7〜13員の二環式基もしくは三環式基を意味することを意図し、これらのいずれも、飽和であっても、部分的に不飽和であっても、芳香族であってもよい。本明細書の他所で例示されているもののほか、かかる炭素環式化合物の例は、限定されずに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタニル、[4.3.0]ビシクロノナニル、[4.4.0]ビシクロデカニル、[2.2.2]ビシクロオクタニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、およびテトラヒドロナフチルを含む。
本明細書で用いる場合、用語「複素環基」は、1環あたり3〜約8員を含む、1〜3個の(好ましくは縮合した)環を有する、飽和、部分的に不飽和、もしくは不飽和の(芳香族)基であって、少なくとも1個の環がN、OまたはSから選択される原子を含有するものを含むことを意図する。窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意に酸化されていてもよい。用語「ヘテロシクロアルキル」は、飽和した複素環基を指すのに用いる。
【0107】
複素環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で、そのペンダント基と結合していてもよい。本明細書に記載の複素環は、得られる化合物が安定であれば、炭素原子または窒素原子が置換されていてもよい。複素環の窒素は、任意に4級化されていてもよい。本明細書で用いる場合、用語「芳香族複素環系」は、炭素原子およびN、OおよびSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、任意の安定な5〜7員の単環式、または10〜14員の二環式複素芳香環系を含むことを意図する。芳香族複素環中のSおよびO原子の総数が2を超えない、より好ましくは1を超えないことが好ましい。
【0108】
ヘテロ環の例は、限定されずに、本明細書の他所に例示されたものを含み、さらには、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、NH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルを含む。
【0109】
好ましい複素環基は、限定されずに、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびイミダゾリルを含む。また、例えば、上記のヘテロ環を含む縮合環とスピロ化合物も含まれる。
本明細書で用いる場合、用語「炭素環式アリール」は、1〜3個の別々のまたは縮合した環、および6〜約18個の環原子を含有するが、環員としてヘテロ原子は含まない基を含む。特に好ましい炭素環式アリール基は、フェニル、および1−ナフチルおよび2−ナフチルを含むナフチルを含む。
【0110】
「薬学的に許容し得る担体」は、無菌性、pH、等張性、安定性などにしかるべく配慮した生体適合性溶液を指し、任意のおよび全ての溶媒、希釈剤(無菌食塩水、塩化ナトリウム注入液、リンゲル注入液、デキストロース注入液、デキストロースおよび塩化ナトリウムの注入液、乳酸リンゲル注入液、および他の水性緩衝液を含む)、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張剤などを含んでもよい。薬学的に許容し得る担体はまた、安定剤、防腐剤、酸化防止剤、または当業者によく知られた他の添加物、または当該技術分野で既知の他のビヒクルを含んでもよい。
【0111】
本明細書で用いる場合、「薬学的に許容し得る塩」は、開示された化合物の誘導体であって、親化合物をその無毒の酸性または塩基性塩とする修飾をしたものを指す。薬学的に許容し得る塩の例は、限定されずに、塩基性残基、例えばアミンなどの、無機または有機酸塩、酸性残基、例えばカルボン酸などの、アルカリまたは有機塩等を含む。薬学的に許容し得る塩は、例えば、無毒の無機または有機酸から形成される親化合物の慣用の無毒塩または4級アンモニウム塩を含む。例えば、慣用の無毒酸性塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などに由来するもの、および、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、メシル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、nが0〜4であるHOOC−(CH−COOHなどから調製した塩を含む。本発明の薬学的に許容し得る塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、慣用の化学的方法によって合成することができる。一般的に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸形態を、化学量論量の好適な塩基(例えば、Na、Ca、MgまたはK水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させるか、これらの化合物の遊離塩基形態を、化学量論量の好適な酸と反応させることにより調製することができる。かかる反応は、典型的には水中または有機溶媒中で、または両者の混合物中で行なう。利用可能な場合には、一般的に、非水溶媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどが好ましい。追加の好適な塩のリストは、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, p. 1418 (1985)で見出すことができる。
【0112】
この出願全体にわたって引用した全ての引用文献(参考文献、発行された特許、公開された特許出願を含む)の内容は、参照により本明細書に明確に援用する。
本発明、およびこれを製造および使用する手法および手順を、関係する任意の当業者がそれを製造および使用できるよう、かかる完全、明確、簡潔かつ正確な用語で今回記載した。上記が本発明の好ましい態様を説明したものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなくそこに変更を加え得ることを理解すべきである。発明とみなされる主題を具体的に指し示し、明確にクレームするために、後続の特許請求の範囲がこの明細書を締めくくる。
【0113】

本発明は、決して限定的と解釈すべきでない以下の例によりさらに例証される。本発明の実施には、特に明記しない限り、当該分野の技術の範囲内の慣用の技法を用いる。かかる技法は、文献に完全に説明されている。
【0114】
一般的手順
全ての反応は、特に明記しない限り窒素雰囲気下で行なった。商業的供給源から得られる溶媒および化学物質は、分析グレード以上であり、さらなる精製なしで用いた。全ての実験は、再現性を確保するために、二反復または三反復で行なった。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Aldrichのアルミニウムで裏打ちされた0.2mmのシリカゲルZ19, 329-1プレートを用いて行ない、紫外線(254nm)、IおよびEtOH中の1%ニンヒドリンによって可視化した。フラッシュクロマトグラフィーは、Bodman (Aston PA)から購入したMP SiliTech 32-63 D 60Åを用いて行なった。ほとんどの場合、生成物の単離は、反応混合物から溶媒の除去、有機溶媒による抽出、水および塩水での洗浄、無水硫酸ナトリウムによる乾燥、濾過、および濾液の濃縮からなるものであった。かかるワークアップ条件の使用は、「生成物の単離」なる記載(その後に、括弧書きで抽出溶媒が続く)によって示す。精製は、ほとんどの場合フラッシュクロマトグラフィーによって達成され、用語「フラッシュクロマトグラフィー」(その後に、括弧書きで用いた溶出溶媒が続く)により示す。
【0115】
融点はMel-Temp装置を用いて測定し、補正はしなかった。Hスペクトルは、Varian Mercury 400 MHzまたはBruker ultrashieldTM 400 MHzスペクトロメータで記録した。化学シフト(δ)は、NMR溶媒の不完全な重水素化から生じる陽子共鳴を基準としたppmダウンフィールドで報告した。低分解能ESIマススペクトルは、Bruker Daltonics Esquire 3000 Plusスペクトロメータで得た。より高分解能のFABマススペクトルは、ノートルダム大学質量分析計施設内の JOEL JMS-AX505HA質量分析計で得た。旋光度は、Jasco P-1010偏光計で測定した。赤外線スペクトルは、Bruker Tensor 27スペクトロメータで得た。Phenomenex C18 Luna 10 ×250 mm2カラムを用いたL1〜L7およびReL1〜ReL7の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製は、いずれもEmpowerソフトウェアで制御される、Waters 486可変吸光UV/Vis検出器(tunable absorbance UV/Vis detector)を備えたWaters 600E Delta LCシステムで行なった。
【0116】
ReL1〜L7および、[99mTc]L1〜L7のHPLCによる精製は、以下のアイソクラチック条件を用いて行なった:方法1、移動相は65%の溶媒A(水中の0.1%TFA)および35%の溶媒B(CHCN中の0.1%TFA)、流速2mL/分、方法2、移動相は65%の溶媒Aおよび35%の溶媒B、流速4mL/分、方法3、移動相は70%の溶媒Aおよび30%の溶媒B、流速2mL/分。溶離液は、254nmおよび220nmでモニターした。放射性合成における精製のために、2台の510EF型ポンプ、680型自動グラジエントコントローラ、490型UV吸光度検出器、およびBioscan Flow-countシステムに接続されたBioscan NaIシンチレーション検出器を備えたWaters Chromatography Division HPLC SystemによりHPLCを行なった。UV検出器およびFlow-count放射線検出システムからの出力は、IN/US System, Inc.のコンピュータカードが装着されたGateway 2000 P5-133コンピュータに供給し、Winflowソフトウェア(IN/US)を用いて分析した。吸収スペクトルは、Hewlett-Packard 8453分光光度計を用いて収集した。Isolinkキットは、Mallinckrodt-Tyco Health Care (St. Louis, MO, USA)からの寛大な寄贈品であった。
【0117】
例1:中間体の合成
2−アミノ−6−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ヘキサン酸 4−メトキシ−ベンジルエステル(
化合物は2工程で調製した。窒素下にある火炎乾燥した250mLの三首丸底フラスコ内に、Nε−Boc−Nα−Fmoc−L−リジン(7.0g、15mmol)および60mLの乾燥DMFを置いた。これに、炭酸セシウム(7g、21mmol)および4−メトキシベンジルクロリド(2.5g、16mmol)を添加した。生成物の単離(EtOAc、5%NaCO、水、NaSO)と、その後の60/40(v/v)ヘキサン/EtOAcからの再結晶化により、無色固体を2回(2 crops)得た。mp 118〜120℃。TLC R=0.33(70/30ヘキサン/EtOAc)。収量:8.22g、14mmol、93.43%。
【化32】

【0118】
火炎乾燥した丸底フラスコ内に、5.0g(8.54mmol)の完全に保護されたのアナログを置いた。これを、DMF中のピペリジンの20%溶液60mLに溶解した。反応物を室温で2時間撹拌した。生成物の単離(CHCl、水、NaSO)と、その後のフラッシュクロマトグラフィー(4/96 MeOH/CHCl)により、純粋なを、油状物(2.59g、7.07mmol)として、収率83%で得た。
【化33】

【0119】
2−{3−[1−p−メトキシベンジルカルボキシレート−(5−t−ブチルカルバミルペンチル)]−ウレイド}−ジ−p−メトキシベンジルペンタンジオエート(
ビス−4−メトキシベンジル−L−グルタミン酸HCl(3.6g、8.5mmol)を、窒素下にある火炎乾燥した三首丸底フラスコ内に置き、15mLのCHClに溶解した。トリホスゲン(0.833g、2.8mmol)をバイアル内に置き、3mLのCHClに溶解し、三首フラスコに添加した。フラスコを、窒素下で−77℃に冷却した(ドライアイスエタノールスラリー)。これに、トリエチルアミン(12ml、10mlのCHCl中85mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を、−77℃で1時間撹拌し、室温に温め、rtで30分撹拌した。これに、化合物(3.1g、7mLのCHCl中8.5mmol)を添加した。得られた混合物を一晩撹拌した。生成物の単離(CHCl、水、NaCl、NaSO)と、その後のフラッシュクロマトグラフィー(20/80 EtOAc/CHCl)により、放置すると固化する油状物を得た。収量:4.135g、5.3mmol、62.3%。
【化34】

【0120】
2{3−[1−p−メトキシベンジルカルボキシレート−(5−アミノペンチル)]−ウレイド}−ジ−p−メトキシベンジルペンタンジオエート()のp−トルエンスルホン酸塩
20mLのEtOAcに(2g、2.6mmol)を溶解した溶液を氷浴で0〜2℃に冷却し、5mLの無水エタノール中のp−トルエンスルホン酸一水和物(0.49g、2.6mmol)を添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を2時間室温に温めた。次いで、反応混合物を減圧下で濃厚な(thick)油状物に濃縮し、混合物を10/90 MeOH/CHClを用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、生成物を、無色の固体として、45%(0.98g、1.15mmol)の収率で得た。
【化35】

【0121】
2{3−[1−p−メトキシベンジルカルボキシレート−(5−アミノペンチル)]−ウレイド}−ジ−p−メトキシベンジルペンタンジオエート(
の溶液(0.15g、50mLのCHCl中0.17mmol)を分液漏斗に置き、0.5M炭酸水素ナトリウム100mLで洗浄した。有機層を回収し、無水のNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色のフィルム状物とした(0.107g、0.09mmol、52.5%)。
【化36】

化合物は、直ちに次の工程で用いた。
【0122】
2{3−[5−[7(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルオキシカルボニル)−ヘプタノイルアミノ]−1−(4−メトキシ−ベンジルオキシカルボニル)−ペンチル]−ウレイド}−ペンタン二酸ビス−(4−メトキシベンジル)エステル(
100mLの丸底フラスコを窒素下で火炎乾燥し、その後、(0.08g、0.12mmol)を添加し、次いで10mLの乾燥DMFに溶解した。この溶液を、スベリン酸ビス−(N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、DSSの溶液(0.13g、10mLのDMF中0.35mmol)に、室温で穏やかに撹拌しながら滴加した。2時間後、溶液の体積を真空下で減少させ、無色の固体残渣を、微量のDMFを取り除くために、さらに2時間高真空下に維持した。残渣を1mLのCHClに溶解し、シリカゲルカラム(1インチ×12インチ)に負荷した。過剰なDSSを除去するために、最初にカラムを40/60 CHCN/CHClで溶出し、その後50/50 CHCN/CHClで溶出して、生成物を無色の固体として得た。収率:0.062mg、0.07mmol、56.6%。
【化37】

【0123】
例2:2−[3−(5−{7−[5−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−1−カルボキシ−ペンチルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸(L1)。
の溶液(Levadala, M. K.; et al. Synthesis 2004, 11, 1759-1766)(0.035g、0.5mLのMeOH中0.107mmol)を、室温の撹拌されたの溶液(0.100g、6mLの乾燥DMF中0.107mmol)に室温で添加し、その後0.2mLのNEtを添加した。反応混合物を室温で10時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。生成物の単離(CHCl、水、NaSO)と、その後のフラッシュクロマトグラフィー(50/50MeOH/CHCl)により、中間体化合物を無色の固体として74%の収率(0.090g、0.08mmol)で得た。TLC R=0.45(40/60 MeOH/CHCl)。ESIMS m/z:1146.7[M+1]、1168.7[M+Na]。上述の中間体化合物(20mg、0.017mmol)を、TFA(7mL)およびアニソール(0.3mL)の氷冷溶液に溶解し、10分間撹拌した。氷浴を除去し、溶液をさらに10分間撹拌し続けながら室温に温めた。
【0124】
溶液を減圧下で蒸発させ、淡褐色の残渣を高真空下で2時間乾燥した。残渣をジエチルエーテル(3×5mL)および水(10×2mL)で洗浄し、粗製のL1を得た。収量:9mg、0.011mmol、65%。無色の生成物を真空下で乾燥し、移動相として75/25 水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)を用いた、流速2ml/分、R=14でのHPLCによってさらに精製した。
【化38】

化合物L1〜L3は、代表例としてL1についてスキーム2に示したのと同じ一般的合成手順に従って調製した。
【0125】
例3:2−[3−(5−{7−[5−(ビス−キノリン−2−イルメチル−アミノ)−1−カルボキシ−ペンチルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸(L2)
化合物L2は、化合物(Stephenson, K. A.; et al. J Am Chem Soc 2004, 126, 8598-8599)と化合物とを、L1について上記したのと同様に反応させることによって得た。HPLC精製を、移動相として70/30 水(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)を用い、流速4ml/分、R=9分で行なった。
【化39】

【0126】
例4:2−[3−(5−{7−[5−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−5−カルボキシ−ペンチルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸(L3)
化合物L3は、化合物(Levadala, et al. Synthesis 2004, 11, 1759-1766)と化合物とを、L1について上記したのと同様に反応させることによって得た。HPLC精製を、移動相として75/25 水(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)を用い、流速2ml/分、R=8分で行なった。
【化40】

【0127】
例5:2−[3−(1−カルボキシ−5−{7−[6−(カルボキシメチル−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−ヘキシルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸(L4)。
化合物10は、公開された手順(Mueller, C.; et al. J Organometal Chem 2004, 689, 4712-4721)に従って調製した。化合物11は、以下のように調製した:10mLのCHCl中の化合物10(0.517g、1.7mmol)の溶液に、グリオキシル酸一水和物の溶液(1.55g、活性化分子篩を含有する1mLのMeOH中1.68mmol)を添加し、30分間撹拌した。トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(0.712g、3.3mmol)を溶液に少量ずつ添加し、室温で一晩撹拌した。生成物の単離(CHCl、水、NaCl、NaSO)により粗化合物を得、これをさらなる精製なしに次の工程に用いた。収量:0.483g、1.32mmol、78.6%。TLC R=0.37(10/90 MeOH/CHCl)。
【化41】

【0128】
t−Bocの除去は、粗化合物(0.483g、1.32mmol)を、氷冷1/1 TFA/CHCl溶液10mLに溶解することにより行なった。反応混合物を、室温で4時間撹拌した。溶液を減圧下で蒸発させ、真空下で乾燥して、無色の固体の11を得、これをさらなる精製なしに用いた。収量:0.315g、1.19mmol、90%。
【化42】

【0129】
化合物L4は、化合物と化合物11とを結合させることにより調製した。化合物L4は、移動相として76/24 水(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)を用いた、流速:2mL/分、R=10.2分でのHPLCにより精製した。
【化43】

【0130】
例6:2−(3−{5−[8−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−オクタノイルアミノ]−1−カルボキシ−ペンチル}−ウレイド)−ペンタン二酸(L5)
8−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−オクタン酸の溶液(Levadala, et al. Synthesis 2004, 11, 1759-1766)(0.9g、2.6mmol、15mLのDMF)に、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェイト(1.49g、3.9mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(0.36g、3.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(10/90 MeOH/CHCl)により精製し、濃厚な無色の液体として12を得た。収量:0.75g、0.17mmol、65%。
【化44】

【0131】
12の溶液(0.052g、7mLのCHCl中0.11mmol)に、(0.1g、0.11mmol)、次いでNEt(0.2mL、1.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。生成物の単離(EtOAc、水、NaCl、NaSO)と、その後のフラッシュクロマトグラフィー(50/50 MeOH/CHCl)により、L5の4−メトキシベンジルエステルの純粋な化合物を51%の収率(0.060g、0.056mmol)で得た。1/1 TFA/CHCl中での2時間の撹拌によりPMB基を切断し、次いで溶媒を除去することにより、固体残渣を得た。残渣を7mLの水に溶解し、3×10mLのCHClで洗浄し、水層を真空下で濃縮して、粗製のL5を得た。化合物を、移動相として80/20 水(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)溶液を用いたHPLCによりさらに精製した。流速は3mL/分であり、R=8分であった。
【化45】

【0132】
例7:2−{3−[5−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−1−カルボキシ−ペンチル]−ウレイド}−ペンタン二酸(L6)
ピリジン−2−アルデヒドの溶液(50mg、4mLのCHCl中0.44mmol)に、の溶液(100mg、4mLのCHCl中0.147mmol)を添加した。これを室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでトリアセトキシボロヒドリドナトリウム(93mg、0.44mmol)を添加し、室温に加温しながらさらに3時間撹拌した。生成物の単離(CHCl、水、NaCl、NaSO)と、その後のフラッシュクロマトグラフィー(10/90 MeOH/CHCl)により、L6のトリPMBエステルとして無色の固体を得た。PMB基の除去は、5mLの50/50 TFA/CHClへの溶解により行ない、室温で2時間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、無色の固体を得た。固体を3mLの水に溶解し、5×5mLのCHClで洗浄した。水層を濃縮し、固体を得た。収量:132mg、0.26mmol、61%。生成物を、移動相として85/15 水(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)溶液を用いたHPLCにより精製した。流速は3mL/分、R=13分であった。
【化46】

【0133】
例8:2−[3−(5−{7−[6−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−ヘキシルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸(L7)
化合物L7は、13(Levadala, et al. Synthesis 2004, 11, 1759-1766)と、とを、L1について上記したのと同様に反応させることによって得た。HPLC精製は、移動相として75/25 水(0.1%TFA)/CHCN(0.1%TFA)を用い、流速3mL/分、Rt=5.5分で行なった。
【化47】

全てのレニウム化合物は、以下に詳細な例が提供されているReL1と同様に合成した。
【0134】
例9:トリカルボニル(2−[3−(5−{7−[5−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−1−カルボキシ−ペンチルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸)レニウムブロミド(ReL1)
化合物L1(0.058g、0.074mmol)を10mLの水に溶解した。[Re(CO)(HO)]Br37の溶液(0.5mLのメタノール中0.029mg)を添加し、反応混合物を4時間還流した。溶液を濃縮し、無色の固体を得、これを3×10mLのジエチルエーテル、3×10mLのCHCl、そして最後に水で洗浄した。生成物を真空下で乾燥し、HPLC方法1により精製した。R=12分。
【化48】

【0135】
例10:トリカルボニル(2−[3−(5−{7−[5−(ビス−キノリン−2−イルメチル−アミノ)−1−カルボキシ−ペンチルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸)レニウムブロミド(ReL2)
HPLC精製のために方法2を用いた。R=16分。
【化49】

【0136】
例11:トリカルボニル(2−[3−(5−{7−[5−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−5−カルボキシ−ペンチルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸)レニウムブロミド(ReL3)
HPLC精製法3を用いた。流速は2mL/分、R=11.5分であった。
【化50】

【0137】
例12:トリカルボニル(2[3(1−カルボキシ−5−{7−[6−(カルボキシメチル−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−ヘキシルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸)レニウム(ReL4)
HPLC精製のために、方法1を用いた。R=18分。
【化51】

【0138】
例13:トリカルボニル(2−(3−{5−[8−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−オクタノイルアミノ]−1−カルボキシ−ペンチル}−ウレイド)−ペンタン二酸)レニウムブロミド(ReL5)
HPLC精製のために、方法1を用いた。R=17分。
【化52】

【0139】
例14:トリカルボニル(2−{3−[5−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−1−カルボキシ−ペンチル]−ウレイド}−ペンタン二酸)レニウムブロミド(ReL6)
HPLC精製のために、方法1を用いた。R=10.1分。
【化53】

【0140】
例15:トリカルボニル(2−[3−(5−{7−[6−(ビス−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−ヘキシルカルバモイル]−ヘプタノイルアミノ}−1−カルボキシ−ペンチル)−ウレイド]−ペンタン二酸)レニウムブロミド(ReL7)
HPLC精製のために、方法1を用いた。R=18.0分。
【化54】

【0141】
例16:2−{3−[1−カルボキシ−5−(7−{1−カルボキシ−5−[2−(4,7,10−トリス−カルボキシメチル−1,4,7,10−テトラアザ−シクロドデシ−1−イル)−アセチルアミノ]−ペンチルカルバモイル}−ヘプタノイルアミノ)−ペンチル]−ウレイド}−ペンタン二酸(DOTA−L1)
H−Lys(Boc)−OtBuの溶液(0.30g、0.5mLのDMF中0.107mmol)を、の撹拌された溶液(0.100g、5mLの乾燥DMF中0.107mmol)に室温で添加し、次いで0.2mLのNEtを添加した。反応混合物を室温で10時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。生成物の単離(CHCl、水、NaSO)と、その後のフラッシュクロマトグラフィー(10/90 MeOH/CHCl)により、化合物14を無色の固体として74%の収率(0.090g、0.08mmol)で得た。TLC R=0.45(10/90 MeOH/CHCl)。ESIMS m/z:1186.5[M+1]。化合物14(20mg、0.017mmol)を、TFA(2mL)およびCHCl(2mL)の氷冷溶液に溶解し、10分間撹拌した。氷浴を除去し、溶液を、1時間撹拌し続けながら室温に温めた。溶液を減圧下で蒸発させ、淡褐色の残渣を高真空下で2時間乾燥した。残渣をジエチルエーテル(3×5mL)および水(10×2mL)で洗浄し、粗製尿素化合物16を得た。収量:9mg、0.015mmol、88%。
【0142】
無色の生成物を真空下で乾燥し、移動相として86/14 水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)を用いた、流速4ml/分、R=6分のHPLCによりさらに精製した。
【化55】

化合物16(9mg、300μlのPBSバッファー、pH7.2中0.015mmol)に、DOTA−NHS(Macrocyclics, TX, USAから購入)(0.039mmol)を添加し、溶液をrtで3時間撹拌した。粗生成物を、移動相として86/14 水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)を用いた、流速4ml/分、R=9分でのHPLCにより精製した。
【化56】

【0143】
In−111標識:溶液の最終的なpHが〜5.5となるように、0.2N HCl中の800μCiの111InCl3を、100μlの0.2Mナトリウム酢酸バッファーとともに90℃で45分間インキュベートした。放射性標識生成物を、移動相として90/10 水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)を用いた、流速4ml/分、R=18分でのHPLCにより精製した。放射性標識収率は50%、放射化学純度は>95%であった。
【0144】
例17:放射化学。
化合物L1〜L7を、[99mTc]L1について以下に記載するのと同じ一般的方法を用いて、放射性(99mTc標識)形態に合成した。全てのTc−99m標識化合物は、>70%の放射化学収率、および>98%の放射化学純度で合成した。
99mTc(CO)(HO)の調製、典型例:11.2mCiの99mTcO(1mLの食塩水中)をIsolinkキットに加え、反応混合物を95℃のウォーターバスで30分間加熱し、次いで室温まで放冷した。99mTcLの調製、典型例:500μLの[99mTc(CO)(HO)溶液(2.3mCi)を、50μLの1(N)HClで中和した。これに、200μLのリン酸塩緩衝食塩水(PBS)溶液および300μLのL1の溶液(4mg、2.5mLの水中5.09μmol)を添加した。これを、95℃に30分間保った。バイアルを室温で5分間冷却した。これを750μLのHPLC移動相で希釈し、ラジオHPLC(方法1)により精製した。主要放射性ピークを構成する所望の生成物(1.6mCi)は、14分に溶出した。酸性の溶出液を100μLの0.1M NaHCOで中和し、減圧下で、体積を400μLに減少させた(pH8)。これをPBSで、ex vivo体内分布実験およびイメージング実験のための所望の放射活性濃度に希釈した。放射化学収率[99mTc]L1:82.05%。放射化学純度=98.99%。
【0145】
例18:蛍光スペクトル
蛍光スペクトルは、Varian Cary Eclipse蛍光分光光度計を用いて、キセノンアーク灯からの321nmの励起により記録した。化合物ReL2は、エチレングリコールに溶解した。測定は、空気下または溶液のアルゴンパージの後で行なった。寿命の測定は、Model D2, ISS, Inc.周波数領域分光蛍光計を用いて行なった。励起波長は、UV LEDからの370nmであった。蛍光強度データは、スペクトル領域540〜600nmの帯域通過フィルターにより収集した。発光量子収量は、標準溶液として曝気した[Ru(bpy)3]Clの水溶液(φ=0.028、455nmの励起波長)(Crosby, G. A.; Demas, J. N. J Phys Chem 1971, 75, 991-1024)を用いた光学希釈法(optical dilute method)(Nakamaru, K. Bull Chem Soc Jpn 1982, 55, 2697-2705)により測定した。
【0146】
例19:NAALADaseアッセイ
NAAG加水分解は、基本的に既述のとおりに行なった(Robinson, M. B.; et al. J Biol Chem 1987, 262, 14498-14506、Lupold, S. E.; et al. Cancer Res 2002, 62, 4029-4033)。簡潔に述べると、LNCaP細胞抽出物を、NAALADaseバッファー[50mM Tris(pH7.4)および0.5% Triton X−100]中、超音波処理により調製した。細胞溶解物を、阻害剤有りまたは無しで、37℃にて10分間インキュベートした。インキュベーション後、放射性標識基質、N−アセチル−L−アスパルチル−L−(3,4−H)グルタミン酸(NEN Life Science Products, Boston, MA)を、終濃度30nMで、10〜5分間、37℃にて添加した。反応を、等体積の氷冷100mM リン酸ナトリウムおよび2mM EDTAの添加により停止した。生成物を、AG 1-X8ホルメート樹脂(Bio-Rad Laboratories)陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画し、1M ギ酸ナトリウムで溶出し、液体シンチレーション計数により定量化した。阻害曲線は片対数プロットで決定し、IC50値は、酵素活性が50%阻害された濃度で決定した。アッセイは三反復で行ない、阻害実験全体を少なくとも1回繰り返し、親和性および阻害様式を確認した。データは、加水分解の線形相(linear phase)(すなわち総基質の<20%の切断)の間収集した。酵素阻害定数(K値)は、Cheng-Prusoff変換(Cheng, Y.; Prusoff, W. H. Biochem Pharmcol 1973, 22, 3099-3108)を用いて生成した。
【0147】
【表1】

【0148】
例20:細胞培養およびex vivo体内分布
安定してPSMAを発現するために操作されたPSMA+ PC3 PIP細胞(ヒト[骨]転移性前立腺癌)およびPSMA−PC3 flu細胞は、Warren Heston(Cleveland Clinic)により寄贈された。細胞は、T175フラスコ内で、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン(100U/mL/100μg/mL)添加RPMI1640培地(Sigma)を用い、37℃にて、5%COを含む空気中で培養した。十分な数の細胞が培養物中に存在したときに、細胞をトリプシン処理し、無菌ハンクス緩衝生理食塩溶液(Sigma, HBSS)に入れ、血球計数器およびトリパンブルー色素を用いて計数し、細胞の生存を確認した。典型的には、2〜5×10個の細胞を皮下に注入し、PC3 PIP細胞が、雄性重症複合免疫不全マウス(SCID)の左肩の後方に注入され、PC3 flu細胞が右肩の後方に注入されるようにした。全てのin vivo実験手順は、動物実験に関する米国法に準拠して行ない、ジョンズホプキンス大学動物管理使用委員会の承認を得た。マウスは、腫瘍が直径3〜7mmに達したときに、ex vivo体内分布実験またはin vivoSPECT−CTに用いた。
【0149】
異種移植片担持マウス(17〜20g)に、200μLの食塩水中の3.70MBq(100μCi)の[99mTc]L1〜4を尾静脈から注入した。安楽死(頚椎脱臼)の直後に、血液を心臓穿刺により採集し、心臓、肺、肝臓、胃、膵臓、脾臓、白色脂肪、腎臓、筋肉、小腸、大腸、膀胱、腫瘍異種移植片を採取し、秤量し、オートガンマカウンター(LKB Wallace 1282 Compugamma CS Universal Gamma Counter)で計数した。動物は、注入後30、60、120と300分に安楽死させた(1時点あたりn=4)。組織への放射性医薬の取り込み値は、1:10希釈の標準用量と比較した、1グラムあたりの注入用量のパーセンテージ(%ID/g)として計算した。膀胱は空にし、水で洗浄し、次いで乾燥してから秤量および計数を行なった。
【0150】
【表2】

【0151】
【表3】

【0152】
【表4】

【0153】
例21:PC3 PIPおよびPC3 flu異種移植片のSPECT−CTイメージング
化合物L1〜L4をイメージングにより検討した。異種移植片モデルは上記のとおりに作出した。マウスは、放射性医薬注入前および注入中に、流量0.6L/分の酸素中の1%イソフルランガスを用いて麻酔した。マウスに、尾静脈から、200μLのPBS、pH7中に配合した約480μCi(17.76MBq)のL1、L2、L3またはL4のいずれかを注入した。15分間放射性医薬を取り込ませ、麻酔流量を0.8L/分に増加させながら、麻酔マウスをスキャナガントリに置き、医療テープで固定した。スキャンの間、マウスを解剖灯で照らし続けることに加えて、Chuxディスポーザブルパッドの複数の層で覆うことによりその体温を維持した。2つの対向する低エネルギーの口径0.5mmのピンホールおよびチューナブル(tunable)CTを備えたGamma Medica (Northridge, CA) X-SPECTスキャナを、全てのスキャンに用いた。マウスは、180°にわたり、5.5°、30秒のインクリメントでスキャンした。CTスキャンは、解剖学的コレジストレーションおよび減衰補正両方のために、シンチグラフィーの前に行なった。データは、2D-OSEMアルゴリズムを含む、ベンダー(Gamma Medica)が市販するソフトを用いて再構成し、融合した。
【0154】
例22:in vivo結合特異性(遮断)実験
200μLの食塩水中の[99mTc]L1[1.1mCi(40.7MBq)]を、LNCaP(PSMA+)腫瘍を担持する麻酔動物に尾静脈から投与した。併行して、同様にLNCaP腫瘍を担持する第2の動物に、総容積200μLの食塩水中に1.2mCi(44.4MBq)の[99mTc]L1および1mgのPMPA(Axxora Platform, San Diego, CA)を含むカクテルを投与した。次いで、両方の動物をスキャナガントリに置いて、SPECT−CTイメージングを上記のとおりに行なった。
【0155】
例23:代謝実験
雄性CD−1マウス(Charles River Laboratories)に、食塩水中の15μCi(555kBq)の[99mTc]L1を尾静脈から注入した。マウスを、注入後30分または1時間のいずれかで頚椎脱臼により安楽死させ、その血液および選択された器官を取り出した。血液サンプルはヘパリン処理したシリンジを用いて採取し、組織はPBS(pH7.4)中での手動ホモジナイゼーションの前に氷上に置いた。血漿およびPBS中の組織ホモジネートは、13,000×gで2分間、室温にて遠心分離した。上清の一部を、50mgのクエン酸を含有する8Mの尿素で4mLに希釈した。尿サンプルは、4mLの酸性化した尿素溶液に直接添加した。次いで、サンプルを既述のとおりにHPLCによる分離に供した(Hilton, J.; et al. Nucl Med Biol 2000, 27, 627-630)。簡潔に述べると、8Mの酸性化された尿素中の4mLのサンプルを、2mL/分で捕捉カラム(Strata-X, 19×4.4 mm, Phenomenex, Torrance, CA.)に通し、次いで、水中の1%アセトニトリルでカラムから血漿タンパク質を洗浄した。高極性成分のみを含む捕捉カラムからの流出物を、ダイオードモードで動作するデュアルBGO検出器(dual BGO detector)(Bioscan, Washington, DC)に流した。その後、事前に捕捉カラムに結合した放射性標識成分を、分析カラム(Synergi Polar-RP、250×4.6 mm、粒子径10ミクロン、Phenomenex)上に溶離するために、溶媒を30%アセトニトリル:50mMリン酸バッファー、pH2.4(2mL/分)に切り替えた。
【0156】
例24:PC3 PIPおよびPC3 flu細胞におけるReL2のin vitro蛍光顕微鏡検査
化合物L2は、対応するビスキノリンキレーターが蛍光特性を有することが知られているため(Banerjee, S. R.; et al.Chem Commun (Camb) 2005, 1784-1786、Stephenson, K. A.; et al. J Am Chem Soc 2004, 126, 8598-8599、James, S.; et al. Bioconjug Chem 2006, 17, 590-596、Banerjee, S. R.; et al. Inorg Chim Acta 2006, 359, 1603-1612)、[Re(I)(CO)コアに結合した場合に蛍光性になると仮定された。ReL2を新たに調製した後、10,000個のPC3 PIPおよびPC3 flu細胞を、Lab-Tek II 8ウェルチャンバースライド(Fisher Scientific)の各4個のウェルに別々に播種した。細胞を上記のとおりに培養し、5%COを含む空気中、37℃で一晩ウェルの底に付着させた。ReL2の連続希釈したアリコートを、6個のウェルの培地に、ウェルが、500nM、250nMまたは125nMのReL2を含み、残り2個が蛍光団を含まないように添加した。その後、結合を可能にするために、細胞を1時間インキュベーターに戻した。次に、各ウェルを、上清を除去した後に温かい培養培地を30秒間加えることにより慎重に洗浄した。その後洗浄培地を除去し、ウェルチャンバーの内容物に添加した。次に、Dako Cytomation封入剤を適用し、ガラス製カバーグラスを付加した。封入剤を室温で20分間乾燥させてから、スライドを4℃にて一晩保管した。その後、細胞を、Semrock DAPI/FITC/Texas Redトリプルフィルターキューブを備えたOlympus BX61蛍光顕微鏡を用いて観察した。励起は494nmで行い、放出された蛍光を628nmで収集した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
阻害剤、リンカーおよび金属キレーターを含む化合物。
【請求項2】
阻害剤が前立腺特異膜抗原(PSMA)の阻害剤である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式I:
A−(B)−C (I)
式中、
Aは金属キレーターであり、Bは、リンカーであり、Cは、PSMA阻害剤であり、bは1〜5である
で表される化合物。
【請求項4】
式II
【化1】

式中、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
AAおよびAAが、各々独立して、天然アミノ酸である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
AAおよびAAが、各々独立して、リジン、グルタミン酸、チロシンまたはシステインである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R’が、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、または任意に置換されたアルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
Xが、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rが、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである、請求項4に記載の化合物。
【請求項9】
Zが、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rが、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである、請求項4に記載の化合物。
【請求項10】
Yが、−O−、−NH−、−NR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、または−CO−NR−である、請求項4に記載の化合物。
【請求項11】
Yが、−O−、−NH−CO−または−NR−CO−である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
式III:
【化2】

式中、
およびRは、各々独立して、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、−COOH、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、アミノ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、チオール、および任意に置換されたアルキルチオールから選択され、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される、請求項4に記載の化合物。
【請求項13】
AAおよびAAが、各々独立して、天然アミノ酸である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
AAおよびAAが、各々独立して、リジン、グルタミン酸、チロシンまたはシステインである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリルまたはトリアゾリルであり、そのそれぞれは、任意にRで単置換、二置換もしくは三置換されており、
またはRが、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、アルキル、アルコキシ、モノもしくはジアルキルアミノ、アリール、またはヘテロアリールである、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
が、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、またはトリアゾリルであり、そのそれぞれは、任意にRで単置換、二置換もしくは三置換されており、
またはRが、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、アルキル、アルコキシ、モノもしくはジアルキルアミノ、アリール、またはヘテロアリールである、請求項12に記載の化合物。
【請求項17】
Xが、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rが、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである、請求項12に記載の化合物。
【請求項18】
Zが、0〜5個のRで置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、Rが、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、またはCOHである、請求項12に記載の化合物。
【請求項19】
Yが、−O−、−NH−、−NR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、または−CO−NR−である、請求項12に記載の化合物。
【請求項20】
Yが、−O−、−NH−CO−または−NR−CO−である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式IV:
【化3】

式中、
AAおよびAAは、各々独立して天然アミノ酸であり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリルまたはトリアゾリルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、またはトリアゾリル、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはCOHであり、
mは、0または1であり、
各々のnは、独立して1〜8であり、
各々のqは、独立して0または1である
で表される、請求項12に記載の化合物。
【請求項22】
AAがリジンであり、AAがグルタミン酸またはチロシンである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
AAがリジンであり、AAがシステインまたはチロシンである、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
各々のnが、独立して5〜7である、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
mが1である、請求項21に記載の化合物。
【請求項26】
式V:
【化4】

式中、
各々のRは、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、または任意に置換されたアラルキルであり、
各々のRは、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、または任意に置換されたアラルキルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、イソキノリニル、イミダゾリル、またはキノリニルであり、
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、イソキノリニル、キノリニル、−COOH、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノであり、
は、各々の出現において、ヒドロキシ、アミノ、またはCOHであり、
各々のmは、独立して0または1であり、
各々のnは、独立して1〜8である
で表される、請求項12に記載の化合物。
【請求項27】
が、ピリジル、イソキノリニル、イミダゾリル、またはキノリニルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
が、ピリジル、イソキノリニル、キノリニル、または−COOHである、請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
各々のnが、独立して5〜7である、請求項26に記載の化合物。
【請求項30】
mが1である、請求項26に記載の化合物。
【請求項31】
以下:
【化5】

【化6】

から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項32】
式VI:
【化7】

式中
AAおよびAAは、各々独立して天然アミノ酸であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはCOHであり、
各々のnは、独立して0〜8であり、
各々のqは、独立して0または1である
で表される、請求項4に記載の化合物。
【請求項33】
式VII:
【化8】

式中、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、もしくはC〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、もしくはC〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシ、または結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される、請求項4に記載の化合物。
【請求項34】
R’’およびRがHである、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
が任意に置換されたアリールである、請求項33に記載の化合物。
【請求項36】
アリールが、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキル−ヘテロシクロ、または任意に置換されたアルキル−ヘテロアリールで置換されている、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
アリールが、任意に置換されたアルキル−ヘテロシクロまたは任意に置換されたアルキル−ヘテロアリールで置換されている、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
アリールが
【化9】

で置換されている、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
式VIII:
【化10】

式中、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
AAおよびAAは、各々独立して、天然または非天然アミノ酸であり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、もしくはC〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、もしくはC〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシ、または結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
Yは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである
で表される、請求項4に記載の化合物。
【請求項40】
R’’がHである、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
が任意に置換されたアルキルである、請求項39に記載の化合物。
【請求項42】
アルキルが、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキル−ヘテロシクロ、または任意に置換されたアルキル−ヘテロアリールで置換されている、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
アルキルが、任意に置換されたヘテロシクロまたは任意に置換されたヘテロアリールで置換されている、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
アルキルが
【化11】

で置換されている、請求項42に記載の化合物。
【請求項45】
金属をさらに含む、請求項4に記載の化合物。
【請求項46】
式IX:
【化12】

式中、
Mは金属であり、
は、金属配位子であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
rは1〜5である
で表される、金属をさらに含む、請求項4に記載の化合物。
【請求項47】
Mが、Tc、Re、Ga、Cu、Y、Ac、BiまたはInである、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
金属が放射性同位体である、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
Mが、Tc−99m、Re−188、Re−186、Ga−68、Cu−64、Y−90、Y−86、Ac−225、Bi−213、In−111、Tc−94m、Sm−153、Ho−166、Lu−177、Cu−67、またはDy−166である、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
R’がCOである、請求項46に記載の化合物。
【請求項51】
rが1〜3である、請求項46に記載の化合物。
【請求項52】
式X:
【化13】

で表される、請求項46に記載の化合物。
【請求項53】
以下の工程:
式IX:
【化14】

式中、
Mは金属であり、
は、金属配位子であり、
R’は、−CO−NR−、−CS−NR−、COR、CSR、C(NR)R、−S(O)−、−CO−NR−、または任意に置換されたアルキルであり、
R’’は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
は、H、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたアルキルであり、
XおよびZは、各々独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cヘテロアルケニル、C〜Cヘテロアルキニル、C〜Cアルコキシまたは結合であり、このそれぞれは0〜5個のRで置換されていてもよく、
YおよびWは、各々独立して−O−、−S(O)−、−NH−、−NR−、−CH=CH−、−CR=CH−、−CH=CR−、−NH−CO−、−NH−CO−、−NR−CO−、−NR−CO−、−CO−NH−、−CO−NH−、−CO−NR−、−CO−NR−または結合であり、
pは、0、1または2であり、
は、各々の出現において、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、COH、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクロ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアルキルスルフィニル、任意に置換されたアルキルスルホニル、任意に置換されたモノもしくはジアルキルカルボキサミド、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
は、各々の出現において、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたモノもしくはジアルキルアミノ、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
rは1〜5であり、
ここで、式IXの化合物は少なくとも1つの放射性同位体を含む
で表される放射性標識化合物、または薬学的に許容し得るその塩を提供する工程、
細胞または組織と化合物とを接触させる工程、
化合物を細胞または組織において検出する工程、および
化合物を細胞または組織においてイメージングする工程
を含む、対象におけるイメージングの方法。
【請求項54】
金属が、Tc−99m、Re−188、Re−186、Ga−68、Cu−64、Y−90、Y−86、Ac−225、Bi−213、In−111、Tc−94m、Sm−153、Ho−166、Lu−177、Cu−67、またはDy−166である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
イメージング方法が、PSMA阻害剤をイメージングすることに適している、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
イメージング方法が、がん、腫瘍または新生物のイメージングに適している、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
がんが、眼または眼球のがん、直腸がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、乳がんおよび膀胱がん、口腔がん、良性腫瘍および悪性腫瘍、胃がん、肝がん、膵臓がん、肺がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、腎がん、脳/CNSがん、喉頭がん、皮膚黒色腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌および扁平上皮細胞癌、小細胞肺がん、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、口腔/咽頭がん、食道がん、喉頭がん、リンパ腫、神経線維腫症、結節硬化症、血管腫、およびリンパ管形成から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
放射性標識化合物が、in vivoで安定している、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
放射性標識化合物が、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)またはシングルフォトンエミッションコンピュータ断層撮影(SPECT)によって検出される、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
対象が、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、サル、鳥類または両生類である、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
細胞が、in vivoまたはin vitroである、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
前立腺特異膜抗原(PSMA)の活性を調整する化合物を同定するための方法であって、該方法が:
a)PSMAと、式IXで表される放射性標識化合物とを、PSMAの活性の調整に適した条件下で接触させること、および
b)前記化合物によるPSMAの活性の調整を検出すること(ここで、前記化合物はPSMAの結合部位と相互作用することができる)
を含む、前記方法。
【請求項63】
調整が阻害である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
結合部位が、二核の亜鉛イオンおよび2つの基質結合ポケットを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
PSMAの活性の調整は、脱アセチル化活性アッセイによって検出される、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
PSMA阻害剤が、約0.1〜約200nMの範囲のIC50値を有する、請求項62に記載の方法。
【請求項67】
PSMA阻害剤が、約0.5〜約118nMの範囲のIC50値を有する、請求項62に記載の方法。
【請求項68】
式IIまたは式IXで表される化合物を合成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−532754(P2010−532754A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514811(P2010−514811)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/007947
【国際公開番号】WO2009/002529
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(301059640)ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ (34)
【Fターム(参考)】