説明

剥離性フィルム及び包装体

【課題】ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を容易に剥離自在に閉止することができる剥離性フィルム及びこの剥離性フィルムを用いた包装体を提供する。
【解決手段】剥離性フィルムは、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を剥離自在に閉止するための剥離性フィルムであって、上記ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に熱融着可能であると共にα−オレフィンの炭素数が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体のみからなる合成樹脂から構成され且つ単層に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離性フィルム及び包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ポリプロピレン系樹脂などの合成樹脂製からなるボトル状、カップ状、トレー状に形成された容器内に、ゼリー、プリン、豆腐などの食品を収納し、合成樹脂製容器の開口部を離型性フィルムで剥離可能に閉止した上でスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店頭に陳列されている。そして、容器内の食品を食する場合には、フィルムを手で剥がして容器の開口部を開封し、容器内の食品を手で取り出し或いはスプーンなどを用いて食している。
【0003】
従って、離型性フィルムは、流通時に容器内の食品を保護し、衛生状態を保持するための機械的強度を有すると共に、容器の開口部を開封する際には容器の開口部から容易に手で剥離でき、容器の開口部を簡単に開封できることが必要である。
【0004】
このような離型性フィルムとしては、特許文献1に、ポリプロピレンよりなる基材層に、ポリブテンとポリエチレンとポリプロピレンとを含有する組成物からなるシール層を積層してなるポリプロピレン容器用イージーピールフィルムが提案されている。
【0005】
又、特許文献2には、エチレン系重合体(A)からなるラミネート層及びプロピレン重合体(B)20〜70重量%、エチレン重合体(C)20〜60重量%及びエチレン・α,β―不飽和カルボン酸共重合体(D)5〜40重量%とのポリオレフィン組成物(E)からなる熱融着層とからなる易剥離性積層フィルムが提供されている。
【0006】
しかしながら、上記ポリプロピレン容器用イージーピールフィルム又は易剥離性積層フィルムをポリプロピレン系樹脂容器の開口部の閉止に用いた場合、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に熱融着する層中に、ホモポリプロピレンやプロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂を含有していることから、フィルムとポリプロピレン系樹脂容器の開口端面とが強固に熱融着してしまい、フィルムをポリプロピレン系樹脂容器の開口部から容易に剥離、除去することができないといった問題点を有していた。
【0007】
又、上記易剥離性積層フィルムは、ラミネート層と熱融着層とが積層一体化された複層構造に形成され、上述のように、熱融着層に、ホモポリプロピレンやプロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂を含有しており、ポリプロピレン系樹脂容器に対する熱融着性が強いことも相俟って、易剥離性積層フィルムをポリプロピレン系樹脂容器の開口部から剥離、除去する際に、ラミネート層と熱融着層とが層間剥離を生じて糸引現象を生じるといった問題点を生じていた。
【0008】
【特許文献1】特開平6−328639号公報
【特許文献2】特開2004−42450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を容易に剥離自在に閉止することができる剥離性フィルム及びこの剥離性フィルムを用いた包装体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の剥離性フィルムは、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を剥離自在に閉止するための剥離性フィルムであって、上記ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に熱融着可能であると共に、α−オレフィンの炭素数が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体のみからなる合成樹脂から構成され且つ単層に形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記剥離性フィルムは、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部、詳細には、ポリプロピレン系樹脂容器の開口端面に一体化させる際に加えられる熱によって溶融し、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に剥離可能に一体化可能に構成されている。
【0012】
そして、剥離性フィルム1は、図1に示したように、単層に形成されている。従って、剥離性フィルム1には、合成樹脂が同一であるか異種類であるかを問わず、共押出により得られた積層フィルムや、熱ラミネート又は押出ラミネートなどの手段、或いは、接着剤によって二枚以上のフィルムが積層一体化されてなる積層フィルムであって、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部への熱融着時に、積層フィルムを構成しているフィルムのうちの複数枚のフィルムが溶融するような積層フィルムは含まれない。但し、積層フィルムであっても、一のフィルムのみが熱融着に寄与しており、残余のフィルムは熱融着時に溶融しない場合には本発明の剥離性フィルム1に含まれる。
【0013】
又、剥離性フィルム1は合成樹脂から形成されているが、この合成樹脂は、エチレン−α−オレフィン共重合体のみからなり、エチレン−α−オレフィン共重合体以外の合成樹脂は一切含有しておらず、しかも、α−オレフィンは、炭素数が4以上である。α−オレフィンがプロピレンであると、原因は不明であるが、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に対する熱融着性が低く、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を確実に閉止しておくことができない。
【0014】
エチレン−α−オレフィン共重合体を構成しているα−オレフィンは、炭素数が4以上であれば特に限定されないが、炭素数が4〜6であることが好ましく、炭素数が4又は6であることがより好ましい。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0015】
上記α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられ、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましく、1−ヘキセンがより好ましい。又、α−オレフィン成分は、エチレン−α−オレフィン共重合体中に単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0016】
なお、エチレン−α−オレフィン共重合体中におけるα−オレフィン成分の種類は、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(高温GPC)を用いて測定することができる。このような高温GPCとしては、例えば、島津製作所社から商品名「CBM-20A」「LC-20AD」「DGU-20A3」「SIL-10AF」「CTO-20A」「RID-10A」にて市販されているものが挙げられる。
【0017】
又、エチレン−α−オレフィン共重合体中におけるα−オレフィン成分の含有量は、多いと、エチレン−α−オレフィン共重合体が低密度になりすぎることがあるので、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
【0018】
そして、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、小さいと、融点が低くなり、剥離性フィルムの剥離強度が高くなりすぎることがある一方、大きいと、融点が高くなり、剥離性フィルムの剥離強度が低くなりすぎることがあるので、0.915〜0.929g/cm3が好ましく、0.920〜0.925g/cm3がより好ましい。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、JIS K7112に準拠して測定されたものをいう。
【0019】
更に、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、低いと、剥離性フィルムの剥離強度が高くなりすぎることがある一方、高いと、剥離性フィルムの剥離強度が低くなりすぎることがあるので、110〜129℃が好ましく、118〜122℃がより好ましい。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、JIS K7121に準拠して測定されたDSC曲線の融解ピーク温度をいう。融解ピーク温度が複数ある場合には、融解曲線の面積の最も大きいピーク温度を融点とする。
【0020】
又、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、小さくても大きくても、剥離性フィルムの製造に支障をきたす虞れがあるので、1〜10g/10分が好ましい。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレイトは、ASTM D1238に準拠して測定されたものをいう。
【0021】
以上の如く、本発明の剥離性フィルムを構成するエチレン−α−オレフィン共重合体としては、共重合成分であるα−オレフィンの炭素数が4又は6であり且つ密度が0.915〜0.929g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0022】
なお、剥離性フィルム1には、剥離性フィルムの物性を損なわない範囲内において、エチレン−α−オレフィン共重合体の成膜に用いられる公知の添加剤が添加されていてもよく、このような添加剤としては、例えば、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0023】
剥離性フィルム1の一面には、図2に示したように、基材2が積層一体化されていてもよい。このような基材としては、例えば、熱可塑性樹脂シート、紙、アルミニウム箔などの金属箔などが挙げられる。なお、剥離性フィルム1と基材2との積層一体化は、接着剤を介在させてもよく、又、基材2が熱可塑性樹脂シートである場合には、剥離性フィルム1と基材2が構成する合成樹脂同士の熱融着力によってもよい。
【0024】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミドなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマーなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0025】
次に、上記剥離性フィルムの製造方法について説明する。上記剥離性フィルムの製造方法としては、特に限定されず、汎用の製造方法が用いられ、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイからフィルム状に押出す押出成形法の他に、エチレン−α−オレフィン共重合体を押出機に供給して溶融混練して押出機の先端に取り付けたサーキュラダイから円筒状に押出し、ダイの中心部から圧縮空気を送って一定の大きさまで膨らまし、外部からエアーリングで冷却空気を吹き付けて冷却し成形するインフレーションフィルム成形法などが挙げられる。
【0026】
そして、剥離性フィルム1の一面に基材2を積層一体化させる場合には、剥離性フィルム1又は基材2の何れか一方或いは双方を加熱した上で両者を重ね合わせて融着一体化してもよいし、剥離性フィルム1と基材2とを接着剤を介して積層一体化させてもよい。
【0027】
このようにして得られる剥離性フィルム1は、図3に示したように、ボトル状、カップ状、トレー状などのポリプロピレン系樹脂製の容器Aの開口部を剥離可能に閉止させるのに用いられ、具体的には、容器A内に収納物を入れ、容器Aの開口部に剥離性フィルム1を被せる。なお、剥離性フィルム1の一面に基材2が積層一体化されている場合には、剥離性フィルム1が容器Aに対向した状態とする。
【0028】
次に、剥離性フィルム1を容器Aの開口端面に加熱、圧着させて、容器Aの開口端面とこれに対向する剥離性フィルム1とを剥離可能に熱融着一体化させることによって、容器Aの開口部を剥離性フィルム1によって剥離可能に閉止して包装体Bを形成することができる。
【0029】
なお、容器Aを構成しているポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。
【0030】
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。
【0031】
この包装体B内の収納物を取り出すにあたっては、容器Aの開口部を閉止している剥離性フィルム1を手で把持して剥離除去することによって容易に容器Aの開口部を開放することができる。
【0032】
この際、剥離性フィルム1は、単層に形成されていることから、容器Aの開口部から剥離除去する際に層間剥離を生じて糸引現象を生じるようなことはなく、容器Aの開口部から容易に且つ美麗に剥離性フィルム1を剥離除去することができる。
【0033】
しかも、剥離性フィルム1は、単層に形成され均質であることから、容器Aの開口端面への剥離性フィルム1の熱融着強度を全面的に均一なものとすることができ、容器Aの開口端面の閉止を確実なものとすることができると共に、容器Aの開口端面からの剥離性フィルム1の剥離も円滑に且つ確実に行なうことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の剥離性フィルムは、上述の構成を有していることから、均質に形成されており、よって、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に略均一な剥離強度にて全面的に剥離可能に熱融着一体化させることができ、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を確実に閉止することができる。
【0035】
そして、剥離性フィルムは、プロピレン成分を含有していないことから、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に対して必要以上に強い熱融着強度でもって一体化されず、適度な剥離強度でもってポリプロピレン系樹脂容器の開口部に熱融着一体化させることができ、しかも、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に均一な熱融着強度にて一体化させることができることから、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部からの剥離も円滑に行なうことができる。
【0036】
更に、剥離性フィルムは、単層に形成されていることから、ポリプロピレン系樹脂容器の開口部から剥離するにあたって層間剥離を生じて糸引現象を生じることはなく、美麗な状態を保持しつつポリプロピレン系樹脂容器の開口部から円滑に剥離除去することができる。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0038】
剥離性フィルムを構成する直鎖状低密度ポリエチレン(以下「LLDPE」と表記することがある)として下記のものを用いた。
LLDPE1(プライムポリマー社製 商品名「0144N」)
α−オレフィン:C4、密度:0.922g/cm3
MFR:1.2g/10分、融点:118℃
LLDPE2(プライムポリマー社製 商品名「SP2520」)
α−オレフィン:C6、密度:0.925g/cm3
MFR:1.9g/10分、融点:122℃
LLDPE3(プライムポリマー社製 商品名「SP2540」)
α−オレフィン:C6、密度:0.924g/cm3
MFR:3.8g/10分、融点:120℃
LLDPE4(プライムポリマー社製 商品名「SP2020」)
α−オレフィン:C3,C6、密度:0.916g/cm3
MFR:2.3g/10分、融点:116℃
【0039】
(実施例1〜3、比較例1)
LLDPE1〜4のうちの表1に示した一のLLDPEを押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイから厚さ50μmの剥離性フィルムを押出成形した。そして、得られた剥離性フィルムの一面にコロナ放電処理を施した。
【0040】
(比較例2)
熱融着層として、プロピレン−エチレンランダム共重合体(グランドポリマー社製 商品名「グランドポリプロF327」、密度:0.91g/cm、MFR:6.0g/10分、融点;138℃)40重量%、中密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「ネオゼックスNZ3510F」、密度:0.935g/cm、MFR:1.6g/10分)40重量%及びエチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有量:9重量%、MFR:3g/10分)20重量%をドライブレンドしたポリオレフィン組成物を用い、中間ラミネート層として、高密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「ハイゼックスHZ3300F」、密度:0.954g/cm、MFR:1.1g/10分)85重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「ミラソンM−11P」、密度:0.917g/cm、MFR:7.2g/10分)15重量%とをドライブレンドしたエチレン系重合体組成物を、表面ラミネート層として、直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「ウルトゼックスUZ1520L」、密度:0.915g/cm、MFR:2.3g/10分)を用い、それぞれを別々の押出機に供給して溶融混練し、Tダイ法によって熱融着層/中間ラミネ−ト層/表面ラミネ−ト層となる構成の三層共押出フィルムからなる剥離性フィルムを成形し、表面ラミネ−ト層にコロナ処理を施した。剥離性フィルムの総厚は30μmで、各層の厚みは熱融着層/中間ラミネ−ト層/表面ラミネ−ト層=4.5μm/21.0μm/4.5μmであった。
【0041】
(比較例3)
LLDPE1を90重量%、ホモポリプロピレンを10重量%含有するポリオレフィン組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイから厚さ50μmの剥離性フィルムを押出成形した。そして、得られた剥離性フィルムの一面にコロナ放電処理を施した。
【0042】
得られた剥離性フィルムの熱融着強度及び剥離性を下記の要領で測定し、その結果を表2に示した。
【0043】
(熱融着強度及び剥離性)
剥離性フィルムのコロナ放電処理面にウレタン系接着剤を介して厚さが12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として積層一体化させた。
【0044】
次に、カップ状のポリプロピレン容器を用意し、カップシーラー(第一包装機製作所社製)を用いて、上記ポリプロピレン容器の開口部に剥離性フィルムを表2に記載の各温度にて0.3MPaの圧力で1秒間に亘って熱融着一体化させて、ポリプロピレン容器の開口部を剥離性フィルムで閉止した。
【0045】
そして、剥離性フィルムが一体化している、ポリプロピレン容器の開口部の一部を15mm幅に切り出し、引張試験機(島津製作所社製)を用いて熱融着強度(N/15mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。
○:熱融着強度が5〜15N/15mmであった。
×:熱融着強度が0〜4.9N/15mmであった。
【0046】
又、熱融着強度を測定した際における剥離性フィルムのポリプロピレン容器の開口端面からの剥離状態を目視観察し、剥離性を下記基準に基づいて評価した。
○:剥離性フィルムとポリプロピレン容器の開口端面との界面で剥離した。
△:剥離性フィルムがポリプロピレン容器の開口端面に強固に熱融着しており、剥離性
フィルム内において層間剥離、凝集剥離が生じた。
×:剥離性フィルムがポリプロピレン容器の開口端面に強固に熱融着しており、剥離性
フィルム内において層間剥離、凝集剥離が生じると共に、糸引現象を生じた。
−:剥離性フィルムがポリプロピレン容器の開口端面に殆ど熱融着一体化しておらず、
剥離状態を観察するに足る剥離面がなかった。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の剥離性フィルムを示した縦断面図である。
【図2】本発明の剥離性フィルムの他の一例を示した縦断面図である。
【図3】本発明の剥離性フィルムを用いた包装体を示した縦断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 剥離性フィルム
2 基材
A ポリプロピレン系樹脂容器
B 包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂容器の開口部を剥離自在に閉止するための剥離性フィルムであって、上記ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に熱融着可能であると共にα−オレフィンの炭素数が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体のみからなる合成樹脂から構成され且つ単層に形成されていることを特徴とする剥離性フィルム。
【請求項2】
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が0.915〜0.929g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載の剥離性フィルム。
【請求項3】
ポリプロピレン系樹脂容器の開口部との間の剥離強度が5〜15N/15mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の剥離性フィルム。
【請求項4】
ポリプロピレン系樹脂容器の開口部が剥離性フィルムによって剥離自在に閉止されてなる包装体であって、上記剥離性フィルムは、上記ポリプロピレン系樹脂容器の開口部に熱融着していると共にα−オレフィンの炭素数が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体のみからなる合成樹脂から構成され且つ単層に形成されていることを特徴とする包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−138062(P2008−138062A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325251(P2006−325251)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(596111276)積水フイルム株式会社 (133)
【Fターム(参考)】