説明

割り箸セット並びに割り箸および割り箸袋

【課題】本発明は、割り箸を簡単かつ確実に割ることができ、しかも宣伝効果を向上することが可能な割り箸セット、それに用いられる割り箸および割り箸袋の提供を課題とする。
【解決手段】長さ方向の中央部において切り込み部11aが形成されている細長い棒状の割り箸11と、長さ方向の中央部において割り箸を取り出すための取出口12cが形成されている割り箸袋12とを備えた割り箸セット1である。割り箸11は、切り込み部11aが取出口12cに露出する態様で割り箸袋12に収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割り箸と割り箸袋からなる割り箸セット、それに用いられる割り箸および割り箸袋に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、食堂、レストラン、居酒屋などの各種飲食店において割り箸が用いられることが多い。この割り箸は、一般に割り箸の中央部の長さ方向に沿って割れ目が形成されており、使用時にはこの割れ目の左右から分離して1組の割り箸とする。
【0003】
そして、この割り箸に関しては、様々な工夫がなされたものが知られている。例えば、割り箸の上端部に箸置き用枕を一体に設け、割り箸の上端部と箸置き用枕との間に切り目を入れて、箸置き用枕を割り箸の上端部から切り離し可能に構成した割り箸が知られている(特許文献1参照)。また、再生紙もしくは故紙を溶解した後に該溶解した再生紙もしくは故紙により構成した割り箸が知られている(特許文献2参照)。さらに、割り箸の上部の一部をつまようじの形に削る加工をし、簡単にはずせるが不安定ではないようつまようじを装備させた割り箸が知られている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−136412号公報
【特許文献2】特開2000−5026号公報
【特許文献3】特開2000−197544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の割り箸は、いずれも上述のように割り箸の中央部の長さ方向に沿って割れ目が形成されているために様々な問題があった。例えば、従来の割り箸を割ろうとすると、割れ目が長いために途中で不自然に折れたり、あるいはささくれ等が生じるという問題があった。また、割り箸を割るに際しては割り箸の先端付近を素手でそのまま摘むことが多く、衛生的ではないという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、割り箸を簡単かつ確実に割ることができ、しかも宣伝効果を向上することが可能な割り箸セット、それに用いられる割り箸および割り箸袋の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、長さ方向の中央部において切り込み部が形成されている細長い棒状の割り箸と、長さ方向の中央部において割り箸を取り出すための取出口が形成されている割り箸袋とを備え、前記割り箸は、前記切り込み部が前記取出口に露出する態様で前記割り箸袋に収容されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る割り箸は、一本の細長い棒状部材からなり、その長さ方向の中央部において切り込み部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る割り箸袋は、長さ方向の中央部において切り込み部が形成されている細長い棒状の割り箸を収容する割り箸袋であって、長さ方向の中央部において割り箸を取り出すための取出口が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一本の細長い棒状の割り箸の中央部に切り込み部が形成されている構造であるので、割り箸を簡単かつ確実に割ることができる。また、割り箸袋の中央部の表面に取出口が形成されているので、割ったあとの割り箸を割り箸袋から簡単かつ衛生的に取り出すことができる。さらに、一本の細長い棒状に形成されていることから従来の割り箸にない非常に斬新なデザインとなり、また割り箸袋の表面積が広くなることから広告スペースが広くなるため、各種飲食店における宣伝効果を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
図1(a)は、本実施形態に係る割り箸セット(1)に用いられる割り箸(11)の平面図、図1(b)は割り箸(11)を割り箸袋(12)に収容した割り箸セット(1)の平面図、図1(c)は同じく割り箸セット(1)の正面図である。
【0012】
前記割り箸(11)は、図1(a)に示すように、一本の細長い断面円形の棒状部材からなる。この割り箸(11)の両端部は、使用に際しては料理を摘まんで口にする部分に相当し、中央部から両端部にかけて徐々に径が小さくなるように先細り形状に形成されている。
【0013】
また、割り箸(11)の中央部は、使用に際しては把持する部分に相当し、切り込み部(11a)が割り箸(11)の周面に沿って環状に形成されている。このように割り箸(11)の中央部に切り込み部(11a)を形成することにより、当該切り込み部(11a)が割り箸(11)において最も力に弱い部分となされる。このため割り箸(11)の中央部を基点にして両端部を互いに逆方向に回転させるように力を加えると、最も力に弱い切り込み部(11a)において割り箸(11)が割れることになる。
【0014】
前記割り箸袋(12)は、図1(b)(c)に示すように、前記割り箸(11)よりも長い矩形状の表紙(12a)と、該表紙(12a)と同形同大の裏紙(12b)とから構成される。これら表紙(12a)と裏紙(12b)は、互いに長さ方向の側縁部が繋がっており、両端部は繋がらずに開口され、全体として筒状の袋形態となされている。また、割り箸袋(12)のいずれか一方の開口端部から一本の割り箸(11)が収容され、その後に割り箸袋(12)の両端部が下方に折り曲げられており、割り箸袋(12)から割り箸(11)が抜け落ちないものとなされている。
【0015】
また、前記割り箸袋(12)の表紙(12a)の中央部には、割り箸(11)を取り出すための長円状の取出口(12c)が形成されている。この取出口(12c)は、図1(b)(c)に示すように、不使用時においては割り箸(11)の切り込み部(11a)が露出した状態となされるが、図2に示すように、使用時において割り箸(11)が割られると、割られた両割り箸(11)(11)の基端部が突出した状態となる。
【0016】
而して、この割り箸セット(1)の使用方法について説明すると、図3(a)に示すように、割り箸(11)が割り箸袋(12)に収容された割り箸セット(1)の両端部を両手で把持する。なお、このとき割り箸(11)の両端部を把持するのが最も割りやすいので好ましいが、中央部から両端部におけるいずれの部分を把持してもよい。また、割り箸袋(12)の取出口(12a)を上方に向けて把持するのが最も割りやすいので好ましいが、前方、後方、あるいは下方に向けて把持してもよい。
【0017】
そして、図3(b)に示すように、割り箸セット(1)の中央部を基点にしながら両端部を互いに逆方向に回転(本実施形態では右端部を右回り、左端部を左回りに回転)させると、図2に示すように割り箸(11)を中央部の切り込み部(11a)において簡単かつ確実に割ることができる。なお、割り箸(11)が2つに割れたあとは、割り箸袋(12)も中央部において折れ曲がり、その折れ曲がった割り箸袋(12)の取出口(12c)から両割り箸(11)(11)の基端部が突出した状態となる。
【0018】
そして、図3(c)に示すように、片方の手で割り箸袋(12)を把持し、もう片方の手で割り箸袋(12)の取出口(12c)から突出した状態の両割り箸(11)(11)の基端部を把持し、割り箸(11)を割り箸袋(12)から引き出せば、一組の割り箸(11)を簡単かつ衛生的に取り出すことができる。
【0019】
以上のように、本発明に係る割り箸(11)は、一本の細長い棒状の割り箸の中央部に切り込み部(11a)が形成されている構造であるので、割り箸(11)を簡単かつ確実に割ることができる。また、割り箸袋(12)の中央部に取出口(12c)が形成されているので、割り箸(11)を割り箸袋(12)から簡単かつ衛生的に取り出すことができる。さらに、割り箸(11)が一本の細長い棒状に形成されていることから従来の割り箸にない非常に斬新なデザインとなり、また割り箸袋(12)の表面積が広くなることから広告スペースが広くなるため、各種飲食店における宣伝効果を向上することが可能となる。
【0020】
なお、本実施形態では、一つの割り箸袋(12)に一本の割り箸(11)を収容するものとしたが、複数本の割り箸(11)を収容するものとしてもよい。これによれば一つの割り箸セット(1)から複数人分の割り箸(11)を同時に取り出すことができる。
【0021】
また、割り箸(11)および割り箸袋(12)の長さは、本実施形態のものよりも短いものから長いものまで種々に設計変更可能である。
【0022】
また、割り箸(11)の素材については、一般には木材からなるが、合成樹脂からなるものや、紙を丸めてなるものなど、そのほかの素材であってもよい。
【0023】
また、割り箸袋(12)の素材については、一般には紙からなるが、そのほかの素材であってもよい。ただし、割り箸(11)が割れるに応じてスムーズに折れ曲がる素材であるのが好ましい。
【0024】
また、割り箸(11)は、断面円形のものとしたが、断面矩形状など、その他の形状のものであってもよい。
【0025】
また、割り箸(11)の切り込み部(11a)は、割り箸(11)の周面に沿って環状に形成されるものとしたが、一部にのみ形成されるものであってもよい。要は切り込み部において割れるようなものであればよい。
【0026】
また、割り箸袋(12)の取出口(12c)は、長円状のものとしたが、その他の形状のものとしてもよい。
【0027】
また、割り箸袋(12)の取出口(12c)は、表紙(12a)に設けられるものとしたが、裏紙(12b)に設けられるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態に係る(a)割り箸の平面図、(b)割り箸セットの平面図、(c)割り箸セットの正面図である。
【図2】図1の割り箸セットを割ったあとの状態を示す正面図である。
【図3】図1の割り箸セットの使用方法を示す状態遷移図である。
【符号の説明】
【0029】
1・・・割り箸セット
11・・・割り箸
12・・・割り箸袋
11a・・・切り込み部
12c・・・取り出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向の中央部において切り込み部が形成されている細長い棒状の割り箸と、長さ方向の中央部において割り箸を取り出すための取出口が形成されている割り箸袋とを備え、 前記割り箸は、前記切り込み部が前記取出口に露出する態様で前記割り箸袋に収容されていることを特徴とする割り箸セット。
【請求項2】
一本の細長い棒状部材からなり、その長さ方向の中央部において切り込み部が形成されていることを特徴とする割り箸。
【請求項3】
長さ方向の中央部において切り込み部が形成されている細長い棒状の割り箸を収容する割り箸袋であって、長さ方向の中央部において割り箸を取り出すための取出口が形成されていることを特徴とする割り箸袋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−143853(P2007−143853A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342288(P2005−342288)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(505439118)
【Fターム(参考)】