説明

力センサー、力検出装置、ロボットハンド、およびロボット

【課題】圧電素子をウエハから容易に無駄なく形成することができ、x方向とy方向とで感度が異ならない力センサーを提供する。
【解決手段】圧電素子の外周形状は、少なくとも4つの辺を有し、4つの辺のうちの第1辺と第2辺とは互いに平行で、残りの第3辺と第4辺とも互いに平行で、第1辺と第2辺との間隔と、第3辺と第4辺との間隔とは等しく、更に、第1辺の延長線と第3辺の延長線とは直交する形状に形成されている。こうすれば、同一のウエハから切断したものを、x方向用圧電素子あるいはy方向用圧電素子として共通して使用することができるので、x方向とy方向の感度を揃えことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶などの圧電材料から成る圧電素子を用いて、力を検出する力センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
水晶など単結晶の圧電効果を利用した力センサーでは、結晶方位による圧電効果の異方性により、加えられた力成分を分解して検出する。そのような水晶圧電素子を用いた水晶圧電式力センサーは、2つのプレート間に複数の水晶圧電素子を重ね合わせた構造となっており、2つのプレートで力を受けて水晶圧電素子に伝達し、水晶圧電素子に加えられた力成分を検出するようになっている。具体的には、複数の水晶圧電素子は、3種類に分類されて、垂直方向(z方向)の力に対して感度を有する水晶圧電素子(z方向用水晶圧電素子)と、水平方向(x方向)の力に感度を有する水晶圧電素子(x方向用水晶圧電素子)と、x方向に直交する水平方向(y方向)の力に感度を有する水晶圧電素子(y方向用水晶圧電素子)とで構成され、加えられた力をxyz方向の力成分に分解して検出する。
【0003】
従来の水晶圧電式力センサーにおける水晶圧電素子は、円盤形(特許文献1参照)、またはワッシャ形に形成されていた。また、力センサーではなく圧電振動素子として用いられる水晶圧電素子としては、長方形に形成されたものも存在した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−231827号公報
【特許文献2】特開2009−135830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、円盤形やワッシャ形の場合、水晶圧電素子をウエハから切り出して形成する際、外周形状が円形であるが故に、無駄なく形成することができないという問題があった。また、水晶圧電素子を重ね合わせて力センサーを組み立てる場合、特に、水平方向の水晶圧電素子(x方向用水晶圧電素子,y方向用水晶圧電素子)については、その水晶圧電素子の結晶方位を、検出する力成分の方向(すなわち、x方向,y方向)に正確に合わせて組み立てることが非常に困難であった。
【0006】
一方、長方形の場合は、水晶圧電素子をウエハから形成する際、ウエハを直線状に切断するだけで容易に無駄なく形成することができる。しかし、そのような長方形の水晶圧電素子を重ね合わせて力センサーとする場合、水平方向の水晶圧電素子(x方向用水晶圧電素子,y方向用水晶圧電素子)については結晶方位を異ならせる必要があるため、x方向用水晶圧電素子とy方向用水晶圧電素子とを、各々、別々のウエハから切り出す必要があった。その結果、x方向とy方向とで力センサーの感度が違ってしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、圧電素子をウエハから容易に形成することができ、しかも、x方向とy方向とで感度の違いが生じることのない力センサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の力センサーは次の構成を採用した。すなわち、
圧電材料から成る複数の圧電素子と複数の電極板とを積層して成る力センサーであって、
前記圧電素子の外周形状は、
少なくとも4つの辺を有し、
該4つの辺のうちの第1辺と第2辺とは互いに平行で、且つ、該4つの辺のうちの第3辺と第4辺とは互いに平行であり、
該第1辺と該第2辺との間隔と、該第3辺と該第4辺との間隔とは等しく、
該第1辺の延長線と該第3辺の延長線とは直交する形状である
ことを特徴とする。
【0009】
このような外周形状を有する圧電素子であれば、圧電素子をウエハから形成する際に、ウエハを直線状に切断するだけで容易に形成することができる。また、圧電素子および電極板を積層する積層方向に対して垂直な方向をx方向,y方向(ただし、y方向はx方向に直交する方向)とした場合、同一のウエハから切断したものを90度回転させるだけで、x方向の力に対して感度を有するx方向用圧電素子、およびy方向の力に対して感度を有するy方向用圧電素子として、共通して使用することができる。このため、x方向とy方向の感度を揃えることができる。
【0010】
また、上述した本発明の力センサーにおいては、圧電素子の外周形状を、正方形から角部を切り欠いたような形状とすることもできるが、正方形とすることが望ましい。
【0011】
圧電素子の外周形状が正方形であれば、ウエハから容易に切り出すことが可能である。また、正方形であれば、90度回転させると全く同じ形状になるので、x方向用圧電素子とy方向用圧電素子とを90度回転させて積層する際に、位置合わせをしながら容易に積層することが可能となる。
【0012】
また、上述した本発明の力センサーにおいて、圧電素子と電極板とは交互に積層され、圧電素子は、圧電素子の外周形状の中央部分で隣接する電極板と接触し、接触面が円形またはワッシャ形となるようにしてもよい。例えば、圧電素子の中央部分を、円形またはワッシャ形に突設させて、突設させた部分の頂面で電極板と接触するようにしてもよい。あるいは逆に、電極板の中央部分を円形またはワッシャ形に突設させてもよい。更には、圧電素子と圧電素子との間に、円形またはワッシャ形の電極板を挟むようにしても良い。
【0013】
このようにすれば、力センサーに力が加わった際に、圧電素子は、円形またはワッシャ形の接触面で力を受けることになるため、応力集中が生じない。その結果、圧電素子の破壊に対する耐性を向上させることが可能となる。
【0014】
また、上述した本発明の力センサーにおいて、圧電素子は、圧電素子および電極板を積層する積層方向に対して垂直な方向の力に対して感度を有する特定圧電素子(例えば、上述したx方向用圧電素子,y方向用圧電素子)を含み、その特定圧電素子には、感度の方向を示す目印を形成しておいてもよい。
このようにすれば、各圧電素子を力検出に必要な結晶方位に揃えて、容易に積層配置することが可能となる。
【0015】
また、上述した本発明の力センサーにおいて、特定圧電素子が感度を有する方向は、第1辺または第3辺に平行な方向であるようにしてもよい。
このようにすれば、感度を有する方向を揃えて、各圧電素子を容易に積層することが可能となる。
【0016】
さらに、上述した本発明の力センサーにおいて、互いに直交するx方向,y方向,z方向の三軸に対し、圧電素子が、x方向の力に感度を有するx方向用圧電素子と、y方向の力に感度を有するy方向用圧電素子と、z方向の力に感度を有するz方向用圧電素子と、を含み、三軸方向の力を検出することができるようにしてもよい。
このようにすれば、1つの力センサーで、三軸方向の力を検出することが可能となる。
【0017】
本発明の力検出装置は、上述した力センサーを2つ以上備え、所望の軸回りのモーメントを検出することができるようにしてもよい。
このようにすれば、軸方向の力成分だけでなく、軸回りのモーメントを容易に検出することができる。
【0018】
また、上述した力検出装置において、力センサーを3つ以上備え、同一の直線上に並ばないように配置し、三軸方向の力、および三軸回りのモーメントを検出することができるようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、三軸方向の力および三軸回りのモーメントを検出することができるので、たとえばロボットや各種の機械類などに搭載するセンサーとして好適に用いることが可能となる。
【0020】
また、本発明の力センサーを2つ以上備えて構成される力検出装置を用いて、ロボットハンドあるいはロボットを動作させることとしてもよい。
上述したように本発明の力センサーを2つ以上備えた力検出装置は、軸方向の力成分だけでなく、軸回りのモーメントを容易に検出することができる。このため、本発明の力検出装置を搭載してロボットハンドやロボットを動作させることとすれば、小型で高性能のロボットハンドあるいはロボットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例の力センサーの構造を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示す力センサーの断面を模式的に示した説明図である。
【図3】図1における水晶圧電素子の形状を示す説明図である。
【図4】4つの力センサーを備えた力検出装置の外観を示す斜視図である。
【図5】本実施例の力検出装置を搭載したロボットハンドおよびロボットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.力センサーの構成:
B.力センサーの動作:
C.力検出装置の構成および動作:
D.変形例:
【0023】
A.力センサーの構成:
図1は、本実施例の力センサー100の構造を示した分解斜視図である。図1に示されるように力センサー100は、上部プレート102と下部プレート104との間に、電極板106と、外周形状が正方形を成す水晶板から成る水晶圧電素子108と、を交互に複数積層して構成されている。電極板106は、導電性を備える金属、例えば、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄などの単体もしくは合金を用いることができる。例えば、鉄合金としてステンレススチールを用いることも可能であり、耐久性,耐食性が優れることから好適に用いられる。隣り合う2枚の電極板106の間には、1つの水晶圧電素子108の他、1枚のフッ素樹脂スペーサ110が挟持されている。そのフッ素樹脂スペーサ110の中央部には、正方形状の貫通孔が開いており、その貫通孔内に上記水晶圧電素子108が配置されることによって、水晶圧電素子108はxy平面において位置決めされる。
【0024】
上部プレート102には、2つの貫通孔116が開いている。各電極板106および各フッ素樹脂スペーサ110には、それぞれ、2つずつ円形状の貫通孔が開いている。一方、上部プレート102と下部プレート104との間には、円筒のパイプ形状を成すフッ素樹脂スリーブ112が2つ配置されている。上部プレート102と下部プレート104との間に、各電極板106および各フッ素樹脂スペーサ110をそれぞれ積層する際、電極板106およびフッ素樹脂スペーサ110にそれぞれ設けられた2つの円形の貫通孔に、2つのフッ素樹脂スリーブ112がそれぞれ貫挿するように積層する。その上で、上部プレート102の上方より2本の与圧ボルト114を貫通孔116に挿入し、フッ素樹脂スリーブ112内を貫挿し、下部プレート104に螺合する。これにより、各電極板106および各フッ素樹脂スペーサ110はxy平面において位置決めされると共に、各電極板106および各水晶圧電素子108には、z方向において一定の圧力が加えられる。
【0025】
図2は、図1に示す力センサー100の断面を模式的に示した説明図である。図2に示されるように、上部プレート102と下部プレート104との間には、正確には、7枚の電極板106a〜106gと、6つの水晶圧電素子108a〜108fが積層されている。
【0026】
7枚の電極板106a〜106gのうち、電極板106b,106d,106fは、それぞれ、出力信号線に接続されている。また、電極板106a,106c,106e,106gは、それぞれ、接地されている。
【0027】
一方、6つの水晶圧電素子108a〜108fのうち、真ん中の2つの水晶圧電素子108c,108dは、圧縮方向、すなわち、z方向の力に感度を有する水晶圧電素子(z方向用水晶圧電素子)であり、いわゆるX板の水晶板から成る。水晶のX方位は矢印で示すようにz方向に沿っており、上に位置する水晶圧電素子108cと下に位置する水晶圧電素子108dとで、互いに逆向きになっている。下側の2つの水晶圧電素子108e,108fは、水平方向のうち、x方向の力に感度を有する水晶圧電素子(x方向用水晶圧電素子)である。水晶のX方位は矢印で示すようにx方向に沿っており、上に位置する水晶圧電素子108eと下に位置する水晶圧電素子108fとで、互いに逆向きになっている。上側の2つの水晶圧電素子108a,108bは、水平方向のうち、y方向の力に感度を有する水晶圧電素子(y方向用水晶圧電素子)である。水晶のX方位は記号で示すようにy方向に沿っており、上に位置する水晶圧電素子108aと下に位置する水晶圧電素子108bとで、互いに逆向きになっている。
【0028】
図3は、図1における水晶圧電素子108の形状を示す説明図である。図3(a)は水晶圧電素子108を上方から示した平面図であり、図3(b)は水晶圧電素子108の側面を示す側面図である。図3に示されるように、本実施例において、各水晶圧電素子108(すなわち、108a〜108f)は、前述したとおり、それぞれ、外周形状が正方形を成す水晶板から成っている(図3(a)を参照)。さらに、水晶圧電素子108の中央には、頂面に円形の受圧面134を有する受圧部132が形成されており、全体としてメサ形状に形成されている。従って、この水晶圧電素子108が2枚の電極板106の間に配置された際、一方の電極板106とは円形の受圧面134で接することになる。また、水晶圧電素子108の角部表面には、水晶の結晶方位(この場合、水晶のX方位)を示す目印136が記されている。この目印136は、水晶圧電素子108に受圧部132を形成する際に同時に形成される。
【0029】
B.力センサーの動作:
力センサー100に力が加わった場合、上部プレート102および下部プレート104は、その力を受けて、各水晶圧電素子108a〜108fに伝達する。各水晶圧電素子108a〜108fは、それぞれ、圧電効果により、水晶の結晶方位に応じた力成分を検出する。すなわち、図2に示すように、y方向用水晶圧電素子108a,108bでは、前述したとおり、水晶のX方位がy方向に沿っているため、y方向の力成分を検出し、その検出値に基づいた電気信号をFy信号として電極板106bより出力信号線へと出力する。同様に、z方向用水晶圧電素子108c,108dでは、水晶のX方位がz方向に沿っているため、z方向の力成分を検出し、その検出値に基づいた電気信号をFz信号として電極板106dより出力信号線へと出力する。x方向用水晶圧電素子108e,108fでは、水晶のX方位がx方向に沿っているため、x方向の力成分を検出し、その検出値に基づいた電気信号をFx信号として電極板106fより出力信号線へと出力する。
【0030】
本実施例における力センサー100では、水晶圧電素子108の外周形状が正方形であるため、水晶圧電素子108をウエハから形成する際、ウエハを直線状に切断するだけで容易に無駄なく形成することができる。また、外周形状が正方形であるため、同一のウエハから正方形に切断したものを、90度回転させるだけで、x方向用水晶圧電素子108e,108fおよびy方向用水晶圧電素子108a,108bとして、共通して使用することができる。そのため、力センサー100において、x方向とy方向の感度を揃えることができる。さらに、水晶圧電素子108の外周形状が正方形であると共に、水晶圧電素子108の表面に水晶の結晶方位を示す目印136が記されているため、各水晶圧電素子108を力検出に必要な結晶方位に揃えて、容易に積層配置することができる。また、水晶圧電素子108の中央には、受圧面134が円形を成す受圧部132が形成されており、力センサー100に力が加わった際、水晶圧電素子108は、円形の受圧面134で力を受けることになるため、応力集中が発生することが無く、破壊に対する耐性を向上させることが可能となる。
【0031】
なお、力センサー100は、外力を受けて水晶板に発生した電荷を、電極で検出することを動作原理としている。水晶板で発生した電荷を効率よく検出するという観点からすれば、本実施例のように、水晶圧電素子108の中央に設けられた円形の受圧面134で電極と接触する構造は、水晶板と電極板との接触面積が狭くなってしまうため、必ずしも好ましいものではない。しかし、力センサー100は大きな荷重がかかるものであり、水晶圧電素子108の破壊に対する耐性を向上させることも重要である。そこで、本実施例では、破壊に対する耐性を向上させる観点から、敢えて、水晶板と電極板とを中央部分で円形の接触面(すなわち、受圧面134)で接触させる構造を採用している。
【0032】
C.力検出装置の構成および動作:
図4は、図1に示す力センサー100を4つ備えた力検出装置200の外観を示す斜視図である。図4に示されるように、力検出装置200では、上部プレート102および下部プレート104は、それぞれ円盤形状を成しており、各力センサー100a〜100dで共有されている。各力センサー100a〜100dは、それぞれ、円周に沿って、90度ずつ隔てて配置されており、3つ以上の力センサー100が同一直線上に並ばないように配置されている。
【0033】
前述したとおり、力センサー100は、力センサー100に加わる力をxyz方向の力成分に分解した状態で検出することができる。そのため、力検出装置200では、任意の2つの力センサー100を組み合わせることによって、一方向のモーメントを検出することができる。しかも、力検出装置200では、3つ以上の力センサー100を用い、それら力センサー100が同一の直線上に並ばないように配置しているので、三軸方向の力、および三軸回りのモーメントを同時に検出することができる。
【0034】
D.変形例:
以上、本実施例の力センサー100および力検出装置200について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0035】
例えば、上述した実施例では、水晶圧電素子108の外周形状を正方形としたが、正方形の角部が切り欠かれた形状、例えば、六角形や八角形などであってよい。少なくとも正方形の四辺の各々一部が残っている形状であればよい。
【0036】
上述した実施例では、水晶圧電素子108の中央に形成された受圧部132は、受圧面134が円形を成していたが、円形に代えて、ワッシャ形にしてもよい。このように、ワッシャ形の受圧面134で力を受けるようにしても、応力集中が少なく、破壊に対する耐性が向上する。
【0037】
上述した実施例または変形例では、水晶圧電素子108の破壊に対する耐性を向上させるために、水晶圧電素子108の中央に、受圧面134が円形またはワッシャ形を成す受圧部132を形成するようにしたが、水晶圧電素子108に隣接する電極板106の中央に、水晶圧電素子108との接触面が円形またはワッシャ形を成す凸部を形成するようにしてもよい。このように構成することによっても、水晶圧電素子108に対する応力集中が少なくなり、破壊に対する耐性が向上する。
【0038】
上述した実施例では、圧電素子を構成する圧電材料として、水晶を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。圧電材料としては、水晶の他に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO)などのチタン酸系セラミックス、およびニオブ酸リチウム(LiNbO)、酸化亜鉛(ZnO)などが好適に用いられる。
【0039】
また、図5に例示したように、本実施例の力検出装置200を用いてロボットハンド300、あるいはロボット400を構成しても良い。本実施例の力検出装置200は、軸方向の力だけでなく、軸回りのモーメントも計測できることから、小型で高性能のロボットハンドあるいはロボットを実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
100…力センサー、 102…上部プレート、 104…下部プレート、
106…電極板、 108…水晶圧電素子、 110…フッ素樹脂スペーサ、
112…フッ素樹脂スリーブ、 114…与圧ボルト、 116…貫通孔、
132…受圧部、 134…受圧面、 136…目印、
200…力検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電材料から成る複数の圧電素子と複数の電極板とを積層して成る力センサーであって、
前記圧電素子の外周形状は、
少なくとも4つの辺を有し、
該4つの辺のうちの第1辺と第2辺とは互いに平行で、且つ、該4つの辺のうちの第3辺と第4辺とは互いに平行であり、
該第1辺と該第2辺との間隔と、該第3辺と該第4辺との間隔とは等しく、
該第1辺の延長線と該第3辺の延長線とが直交する形状である
ことを特徴とする力センサー。
【請求項2】
前記圧電素子の外周形状が、正方形である請求項1に記載の力センサー。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の力センサーであって、
前記圧電素子と前記電極板とは交互に積層されており、
前記圧電素子は、該圧電素子の外周形状の中央部分にある円形またはワッシャ形の接触面で、隣接する前記電極板と接触する
ことを特徴とする力センサー。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の力センサーであって、
前記圧電素子は、前記圧電素子および前記電極板を積層する積層方向に対して垂直な方向の力に対して感度を有する特定圧電素子を含み、該特定圧電素子には、前記感度の方向を示す目印が形成されている
ことを特徴とする力センサー。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の力センサーであって、
前記圧電素子は、前記圧電素子および前記電極板を積層する積層方向に対して垂直な方向の力に対して感度を有する特定圧電素子を含み、該特定圧電素子の感度の方向が、前記第1辺または前記第3辺に平行な方向である
ことを特徴とする力センサー。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の力センサーであって、
互いに直交するx方向,y方向,z方向の三軸に対し、前記圧電素子は、x方向の力に感度を有するx方向用圧電素子と、y方向の力に感度を有するy方向用圧電素子と、z方向の力に感度を有するz方向用圧電素子と、を含み、前記三軸方向の力を検出する
ことを特徴とする力センサー。
【請求項7】
加えられた力を検出する力検出装置であって、
請求項6に記載の力センサーを2つ以上備え、所望の軸回りのモーメントを検出する
ことを特徴とする力検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の力検出装置であって、
3つ以上の前記力センサーを同一の直線上に並ばないように配置し、前記三軸方向の力、および三軸回りのモーメントを検出する
ことを特徴とする力検出装置。
【請求項9】
請求項7に記載の力検出装置を用いて動作するロボットハンド。
【請求項10】
請求項7に記載の力検出装置を用いて動作するロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−53985(P2013−53985A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193594(P2011−193594)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】