説明

力分布測定用光学センサ

1つの態様では、本発明は力分布を測定するための光学センサを提供し、基板と、1つ以上の発光源およびこの基板に設けられた、発光源から放出された光に反応する検出器である、1つ以上の受光検出器とを備え、この基板の変形可能な光学機械層は、光学機械層の変形に依存する光反応特性を備える。本センサのデザイン、およびとりわけ変形可能な層における光学素子の使用は、接触力を正確に測定することを可能にする。1つの実施形態では接触力の方向を決定することもできる。本センサは大きさが拡大縮小可能であり、複雑な形状に合わせることができる。1つの実施形態では接触力の方向を決定することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はある領域に渡って力分布を測定する光学センサに関する。本センサは例えばロボットのスマートスキン、フローセンサ、またはタッチスクリーンの感知部分に適用できる。
【背景技術】
【0002】
本発明は圧力または力を大きな面積で認識するためのセンサであり、機械的可撓性または伸縮性を備えるセンサに関する。このいわゆる「電子皮膚(electronic skin)」は非常に多くのものに応用できる。恐らく最も注目される応用は未来型ロボットのための圧力感知スキンであるが、このセンサはメカトロニクス、インタラクティブなゲーム/コンピュータのインタフェースおよび生物医学工業等の多くの分野で使用することができる。後者の分野での応用例には、糖尿病の足の圧迫の検出または褥瘡{じょくそう}を回避するためのセンサがある。
【0003】
圧力または力を測定する光学センサは新しいものではない。このようなセンサの1例は国際出願公開公報「人体に加えられる力の測定のための光学センサおよびこのようなセンサを備える衣料品アイテム(‘An optical sensor for measuring forces applied to a body and items of clothing incorporating such sensors’)」(国際出願公開WO9913306号パンフレット)に見ることができる。このセンサは、変形に依存する光の変化を検出することによって、圧力または力を測定する。このセンサは所定の面積に渡る(平均的な)力を測定することができる。このセンサの欠点はこれが(少なくとも)3つの別々に製造されたデバイス(発光デバイス、受光デバイス、および発光デバイスから受光デバイスまでの経路)を備えることであり、そしてこのため、複数のこれらのセンサを組み合わせて、広い面積に渡って力の分布を測定することができないからである。
【0004】
染谷氏等の論文「人工皮膚アプリケーション用の、有機電解効果トランジスタを用いた大面積のフレキシブルセンサマトリクス(‘A large-area, flexible pressure sensor matrix with organic field-effect transistors for artificial skin applications’)」、Proc. of the National Academy of Sciences of the United States of America、Vol.101、pp.9996-9970(July 6、2004)、は電気機械的に動作する、有力な「スマートスキンセンサ」を記載しており、これはゴム製の圧力センサに組み込まれている有機電界効果トランジスタを備えている。有機的アプローチは広い(平坦でない)面積に渡る圧力分布を測定することができるフレキシブルセンサを生み出す。しかしながら、電気機械的トランジスタを用いて得られる精度と分解能は限定されている。もう1つの欠点は方向情報が得られないことである。
【0005】
本発明の1つの実施形態では、基板、発光源および受光検出器が1つの集積された有機層の一部となっている。欧州特許公開公報EP1467224「光学近接センサ(‘Optical proximity sensor’)」および英国特許公開公報GB2315594「共軸発光器および検出器を備えた感知装置(‘Sensing device comprising coplanar light emitter and detectors’)」に記載されている従来技術のセンサはこのような層を備えているが、このセンサの近傍にある光を反射する物体を検出することができるのみであり、これらのセンサは圧力分布を測定できない。
【0006】
また、集積された有機層を用いたタッチスクリーンがビュルギ等の論文「モノリシックに集積したポリマーフォトダイオードおよびポリマーLEDを用いた光学近接およびタッチセンサ(‘Optical proximity and touch sensors based on monolithically integrated polymer photodiodes and polymer LEDs’)」、Organic Electronics、2006、7(2)、p.114、に記載されている。このタッチスクリーンは近接および接触を検出することができる。しかしながら、方向情報を含む力分布の測定はできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの実施形態は圧力分布を高い精度と分解能で(必ずしも平坦でない)領域に渡って測定できるセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、本発明は力分布を測定するための光学センサを提供する。この光学センサは、基板と、この基板に設けられた1つ以上の発光源と、発光源から放出された光に反応する1つ以上の受光検出器とを備え、変形可能な光学機械層は、光学機械層の変形に依存する光反応特性を備える上記基板に設けられている。
本センサのデザイン、およびとりわけ変形可能な層における光学素子の使用は、接触力を正確に測定することを可能にする。1つの実施形態では接触力の方向を決定することもできる。本センサは大きさが拡大縮小可能であり、複雑な形状に合わせることができる。1つの実施形態では接触力の方向を決定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態であり、光学機械層が光学キャビティを備える。
【図2】本発明の第1の実施形態のもう1つの態様であり、各光学キャビティは力の方向の決定を可能とするための1つ以上の光源および1つ以上の検出器を備える。
【図3】本発明の第1の実施形態の更にもう1つの態様であり、光学キャビティの壁に反射パターンが設けられている。
【図4】本発明の第1の実施形態の更にもう1つの態様であり、光学キャビティを備える光学機械層に突起が設けられている。
【図5】本発明の第1の実施形態の更にもう1つの態様であり、突起は方向選択性を可能としている。
【図6】本発明の第2の実施形態であり、光学機械層が変形可能なブラッグ反射器を備える。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aは本発明の第1の実施形態の基板(1)の概観を示す。基板(1)は、1つ以上の発光源(2)と、光源(2)により放出される光に反応する1つ以上の受光検出器(3)と、変形可能な光学機械層(5)とを備え、これらはこの光学機械層の変形に依存した光反応特性を備えた基板(1)に設けられている。検出器は光(4)を検出するように配置されている。
【0011】
第1の実施形態の詳細が図1Bに示されている。この実施形態では、基板(1)、光源‘S’(2)および検出器‘D’(3)は集積された有機層の一部となっている。基板に適合した材質はポリエチレン類であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)であり、またはポリイミド類であり、例えばカプトン(登録商標)である。発光源(2)は、例えば有機発光ダイオード(OLED’s)またはポリマー発光ダイオード(PLED’s)であり、受光検出器(3)は、例えば有機フォトダイオード(OPD’s)またはポリマーフォトダイオード(PPD’s)である。
【0012】
集積された有機層は種々の方法で製造することができる。印刷は安価でかつ比較的容易な技術であり、原理的にあらゆるパターンが実現可能である。下層基板(1)は固いものでもフレキシブルな膜でもよい。フレキシブル(で本質的に伸縮も可能)な膜はセンサを複雑な形状に合わせて、大きさを変え、薄くおよび軽くすることができるという利点を持つ。更にこの集積層は、既存の大面積の微小溶液を用いた製造技術によってコスト効率良く製造することが可能である。集積された有機層のもう1つの製造方法は物理的気相成長法(PVD)であり、これは蒸着およびイオンビームアシストデポジションを含む。
【0013】
第1の実施形態において、光学機械層は光学キャビティ(6)を備え、各々のキャビティ(6)は1つ以上の発光源(2)および1つ以上の受光検出器(3)に広がっている。光学キャビティ(6)内の光反応特性はこの光学キャビティ(6)の変形に依存する。光学キャビティ(6)は空洞であっても、空気または他のガスで満たされていてもよい。
【0014】
しかしながら、光学キャビティ(6)を光をガイドする圧縮性物質で満たすことも可能である。
【0015】
第1の実施形態において、この光学機械層はPDMSで作製される。他のゴム状の物質も使用可能である。PDMSを使用したソフトリソグラフィは光学キャビティを持つ変形可能な層に適した製造方法であり、これにより、ミクロンスケールより更に小さい構造を実現することが可能である。PDMSは透明な、シリコンをベースとするゴム状の物質である。PDMSは予備成型された表面を良好に複製する。
他の製造方法には、マイクロインジェクションによる成型またはエンボス加工がある。これらの方法も同様に、PDMS、または他のエラストマーまたは熱可塑性樹脂と共に用いることができる。
【0016】
第1の実施形態においては、放出された光はキャビティの壁に設けられたメタル層(7)によって反射される。しかしながら、この光学機械層に反応層を設けることは、いつも必要であるということではない。この光学機械層が、適合した反応特性(例えば屈折率/反射率の特性)を持つ物質で製造されている場合は、反応層は必要でない。
【0017】
センサに印加された力(8)によって生じた変形は、キャビティ(6)の反応特性を変化させる。図1Cでは、これは光(4)を表す矢印の厚さ(すなわち大きさ)の違いで示されている。
【0018】
第1の実施形態においては、光学機械層の反応特性は反射性のものである。しかしながら、この反応は、光学経路における変化を生じる全ての特性に因るものであり、少なくとも反射、透過、分散、干渉および吸収を含むものである。
【0019】
第1の実施形態においては、センサは、変形していない状態での光の反射と変形中の光の反射との差を検出する。この差から、局所的に印加された力(およびその方向)が測定される。相対的な測定はまた、製造工程または劣化プロセスに起因する、光源(2)および検出器(3)の予想される変化による問題を避けることができる。第1の実施形態の代替例では、光(4)の絶対測定を適用することができる。
【0020】
第1の実施形態においては、各々のキャビティ(6)は、ただ1個の発光源(2)および1個の受光検出器(3)に広がっている。この配置では、1個のキャビティ(6)の内側で検出された信号から力の方向を決定することはできない。力の方向は複数のキャビティ(6)からの信号を用いて決定される。
【0021】
図2はセンサのもう1つの実施形態を示し、1個のキャビティ(6)の内側で力の方向が検出されることを可能とする。1つの実施例では、各々のキャビティ(6)は、1個の光源(2)およびこれを取り囲む8個の検出器(3)のパターンを備えている。図2Aおよび図2Bには、変形していないキャビティ(6)の側面図および上面図をそれぞれ示す。力は印加されておらず、従って対称な光ビーム(9)が検出される。図2Cおよび図2Dには、変形したキャビティ(6)の側面図および上面図をそれぞれ示すが、これから力(8)がキャビティ(6)に印加され、非対称な光ビーム(9)を生じていることが分かる。この非対称な光ビーム(9)から力(8)の大きさおよび方向が得られると考えられる。
【0022】
有機LEDから放出された光の散乱性のため、上記の第1の実施形態の代替例においては、力(8)の大きさおよび方向を決定するためには、連続光の強度分布(9)が検出器領域で検出されなければならない。これは複雑で高価なものとなる。
【0023】
この問題を避ける解決方法が図3に示されている。この第1の実施形態の代替例では、キャビティ(6)の全壁を覆う代わりに、反射物質(10)のパターンのみが適用される。このパターンは連続光分布(9)を分割された光パターンに変換し、デジタル検出器出力を生じる。図3Aは変形していない場合(010 010)のデジタル光パターンを示し、図3Bは変形(001 001)による、異なるパターンを示す。この解決方法は、読み出し電気回路の複雑さとコストを低減することができる。
【0024】
この実施形態では、用いられている反射物質のパターン(10)はキャビティ(6)の壁を完全に覆っておらず、壁の一部は反射物質で覆われていない。この覆われていない部分を通して、光学的なクロストークの可能性がある。光学的クロストークは、1個のキャビティ(6)の内側で放出された光が他のキャビティの信号に影響を与える場合に起こる。クロストークを避けるために、壁の非反射部分は光を吸収することができるように作製される。第1の実施形態の代替例では、光学機械層はPDMS、カーボンブラックを光学吸収体として用いることができ、これによりこの層は不透明となる。このように光学機械層に着色しても、製造工程は複雑にならない。
【0025】
キャビティの壁に設けられた反射物質のパターンはデジタルの検出器出力を生じる。デジタルの検出器出力を実現するもう1つの可能性は、光源にレンズを設けることによって、放出された光をフォーカスすることである。印刷および物理的気相成長法のどちらを用いても、レンズは比較的容易に製造できる。
【0026】
光源(2)によって放出された光は種々の波長を含んでいる。本発明の第1の実施形態では、全ての個々の光源(2)は数種の波長を含む光を放出する。第1の実施形態の代替例では、この光は種々の光源(2)から発生し、これらの各々の光源は単一波長の光を放出する。放出された光が種々の波長を含む場合は、受光検出器(3)はこれらの波長に反応しなければならない。全ての個々の検出器(3)が放出された複数の波長に反応することができ、またはそれぞれが単一波長の反応する種々の検出器(3)が設けられる。
【0027】
この光が何故種々の波長を含まなければならないかについては、いくつかの理由がある。1つの実施形態では、本発明は情報ディスプレイとして適用され、このディスプレイの光を生成するLEDは同時に発光源(2)として動作する。この実施形態は、例えばインタラクティブな(ゲーム/コンピュータの)タッチスクリーンのインタフェースの分野で用いることができる。他の実施形態では、光学機械層が有機物質で生成されており、これはその寿命の間に劣化する傾向を持つ。この劣化は光源(2)および検出器(3)の両方の特性に影響を与える。この劣化の影響は波長により異なるので、この劣化の影響は、種々の波長を含む光を用いて補正される。他の実施形態では、内部基準が較正に用いられる。分散した光検出素子および発光素子が波長を検知できるならば、いくつかの光学的経路(およびこれにより複数の測定チャネル)をクロストークなしに重畳でき、感度を向上することができる。
【0028】
第1の実施形態では、光学キャビティ(6)の形状は円形のドーム状である。しかしながら、特定のアプリケーションにおいては、望ましいセンサの特性に基づいて、光学キャビティ(6)の形状は、光学キャビティ(6)の壁に設けられた反射物質のパターン、および発光源(2)と受光検出器(3)の配置に関連して最適化される。したがって、第1の実施形態の複数の代替例は、円形以外の形状を備え、さらに非対称形状も可能である。
【0029】
センサの反応は、光学機械層に突起(11)を加えることにより改善することができる。もう1つの第1の実施形態では、この突起(11)は光学機械層における光学キャビティに取り付けられている。これは図4Aに示されている。最適な結果を得るためには、各々のキャビティ(6)には1つ以上の突起(11)が結合されていなければならない。この突起(11)には様々の改善が可能である。
【0030】
この突起(11)は光学機械層表面のグリップを改善することを可能とする。
【0031】
この突起(11)は、光学機械層の付近に印加された、光学機械層の表面に直接接しない力を測定することができる。これは図4Bに示されている。
【0032】
図4Cは、突起(11)がセンサの引っ張り力を検出可能とすることを示している。
【0033】
この突起(11)は様々な大きさと形状が可能である。いくつかの実施形態では、この突起(11)は髪の毛のような構造であり、他の実施形態の突起(11)はより立体的な構造であり、尾根(ridges)または薄板(lamella)のような形状となっている。
【0034】
この突起(11)の大きさおよび/または形状を変えることにより、力に対するセンサの感度を調整することができる。キャビティが変形しすぎる(またはさらに壊れる)ことで測定できないこと、また、変形が小さ過ぎて正確に測定できないことを防ぐために、突起(11)の大きさおよび/または形状は、予想される力に対応して設計される。大きな突起(11)は、印加された力を利用して、小さな力でも大きな反応を生ずるようにできる。これとは逆に、小さな突起(11)によって、大きな力に対する反応を小さくすることができる。
【0035】
この突起(11)の大きさおよび/または形状を変えることにより、センサの方向感度も調整することができる。図5Aおよび図5Bは、それぞれ突起(11)の正面図および側面図を示し、ここでは突起(11)の正面の接触面は側面における接触面より小さくなっている。これにより、側面からの力に対してセンサの感度が大きくなる。
【0036】
センサの感度およびダイナミックレンジも、変形可能な光学機械層(5)の物性(例えば剛性)を変えることで調整することができる。すなわち、剛性のある物質はセンサの急峻な力−変形特性曲線をもたらす。
【0037】
突起(11)を作成するには、ソフトリソグラフィおよびマイクロインジェクション成型をもちいることができる。これらの方法は光学機械層の製造に関連して既に説明済みである。エンボス加工は考えられるもう1つの製造方法である。
【0038】
これらの複数の突起(11)を介して、最小限の乱れで流量を検出することができる。このように本発明は、流量センサまたは音響センサとして使用することができる。突起(11)は、例えば、液体やガスのような、流体の動きによって印加される方向を持った力を、光学機械層におけるキャビティに伝達する。
【0039】
本発明の第1の実施形態では、結合される有機層と光学機械層は別々に製造される。光学機械層は積層されて、例えば光学電気層に、あるいはこの逆で、接着される。両方の膜が互いに正確に位置合わせされ、連続する膜における対応する電気的構造が互いに正確にコンタクトすることが重要である。製造工程が連続した製造ラインで行われ、これにより製造コストを抑えられたレベルに維持することもまた望ましいことである。
正確な位置あわせの重要性は、センサ接続点の密度が高くなるにつれて増大することが予想される。
【0040】
本発明の第2の実施形態が図6に示されている。この実施形態では、光学機械層は変形可能なブラッグ反射器(12)を備えている。ブラッグ反射器(12)は、各波長の光が所定の反射率を持つという特性を持つ。これは例えば、1つの特定の波長に対し(殆ど)完全な反応が生じるように設計することができる。
【0041】
ブラッグ反射器は異なる光学的物質の層の交互に続く層により形成された構造である。この動作は相乗的な干渉の原理に基づいており、したがってこの反応特性はこの層の厚さに依存する。ブラッグ反射器の変形はこの層の厚さを減少させ、そしてこの反射器の特性を変化させる。すなわち波長により異なって反射される。(殆ど)完全に反射されていた1つの波長が、例えば明らかに全反射でないように反射される。別のもう1つの波長は、これに対して(殆ど)完全に反射される可能性がある。
【0042】
いくつかの波長を含む光は、ブラッグ反射器とともに用いられることが好ましい。
【0043】
本発明はスマートスキンとして用いることができる。スマートスキンは、潜在的に方向性のある接触力を、高精度および高分解能で広い(平坦でない)領域に渡って測定することができるセンサである。このセンサは複雑な形状に合わせることができ、大きさが拡大縮小が可能であり、薄く、軽い。さらに、このセンサは周知の大面積微小加工技術によってコスト効率の良い方法で製造可能である。
【0044】
本発明のもう1つの実施形態は、方向性のある力を潜在的に感知できるタッチスクリーンである。本発明により、OLEDディスプレイのピクセル素子と並行して有機光学素子のセンサーを製造することができる。
【0045】
ここで示された詳細な図、具体的な実施例および特定の記載は好ましい実施形態および例としての実施形態であり、これらは説明の目的のためにのみ供されているものである。ここで開示された本発明はここで示された特定の形態に限定されない。たとえば、応答光を測定するやりかたは違っていてもよい。相対的な(差の)測定の代わりに絶対的な測定を用いてもよい。基板は好ましくは柔軟性のあるものであるが、剛性のあるものでもよい。基板は様々な形状および形態、および平坦もしくは平坦でない形状であってよい。ここで示され、説明された本装置および方法は、ここで開示された内容および条件に限定されるものではない。さらに、本実施形態例の設計、動作条件、および配置において、他の代替、改良、変更、および削除は、添付された請求項に記載された本発明の範囲から外れることなく行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
力の分布を測定する光学センサであって、
基板と、
前記基板に設けられた1つ以上の発光源と、前記光源から放出された光に反応する1つ以上の受光検出器とを備え、
変形可能な光学機械層が、前記光学機械層の変形に依存した光反応特性を持つ前記基板に設けられていることを特徴とする光学センサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記発光源は、有機発光ダイオード(OLED’s)またはポリマー発光ダイオード(PLED’s)であることを特徴とするセンサ。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記発光源は、有機フォトダイオード(OPD’s)またはポリマーフォトダイオード(PPD’s)であることを特徴とするセンサ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記発光源および受光検出器は、物理的気相成長法によって基板に設けられることを特徴とするセンサ。
【請求項5】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記光は種々の波長を含むことを特徴とするセンサ。
【請求項6】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記光学機械層は、複数の光学キャビティを備え、各々のキャビティは、1つ以上の発光源および1つ以上の受光検出器に広がり、光学キャビティ内の前記光反応特性は前記光学キャビティの前記変形に依存することを特徴とするセンサ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記複数の発光源には放出された光をフォーカスするレンズが設けられ、前記検出器は、このフォーカスされた光を検出するように配置されることを特徴とするセンサ。
【請求項8】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記キャビティの壁には光を反射するパターンが設けられ、前記検出器はこの光パターンを検出するように配置されることを特徴とするセンサ。
【請求項9】
請求項8に記載のセンサにおいて、
前記光学キャビティの前記壁の非反射部分は光を吸収する特性を持ち、これにより光学的クロストークを防止することを特徴とするセンサ。
【請求項10】
請求項1に記載のセンサにおいて、
複数の突起が前記光学機械層に付設され、各々のキャビティには1つ以上の突起が接続され、これらの突起は、キャビティを変形する方向性を持った力を伝達するように、大きさおよび形状が調整されることを特徴とするセンサ。
【請求項11】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記光学機械層はPDMS(ポリジメチルシロキサン)を備えることを特徴とするセンサ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記光学機械層は変形可能なブラッグ反射器を備えることを特徴とするセンサ。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか1項に記載のセンサを備える流量センサであって、
前記センサの表面に前記複数の突起が設けられ、このセンサは流体に接触し、この流体の動きを前記光学機械層に伝達することを特徴とする流量センサ。
【請求項14】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記基板は柔軟性または伸縮性のあるものであることを特徴とするセンサ。
【請求項15】
請求項14に記載のセンサにおいて、
前記基板はポリエチレンまたはポリイミドを備えることを特徴とするセンサ。
【請求項16】
請求項13に記載の流量センサを備えることを特徴とする音響センサ。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1項に記載のセンサを備えることを特徴とするスマートスキン。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のセンサを備えることを特徴とするタッチスクリーン。
【請求項19】
上記請求項記載の複数のセンサアレイを備えることを特徴とするデバイス。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−539474(P2010−539474A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524798(P2010−524798)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【国際出願番号】PCT/NL2008/050594
【国際公開番号】WO2009/035324
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(506297485)ネーデルランデ オルガニサティー ヴール トゥーヘパストナツールウェテンスハペライク オンデルズーク テーエヌオー (30)
【Fターム(参考)】