説明

加圧フラックス供給溶接トーチを有するサブマージアーク溶接システム、およびフラックスマフラ

サブマージアーク溶接システム。1つの実施形態では、サブマージアーク溶接システムは、ロボット(R)と、ロボットから遠位のフラックス供給部(140)と、ロボットから遠位の少なくとも1つのワイヤ供給部(125)とを含む。このシステムはまた、ロボットに接続された溶接トーチ(105)と、ワイヤ供給部を溶接トーチに接続するワイヤ経路と、フラックス供給部を溶接トーチに接続するフラックス経路とを含む。フラックス供給システムがフラックスをフラックス供給部から溶接トーチに移動させるように構成される。少なくとも1つのベントが、フラックス経路から空気を排出するために、フラックス経路上に溶接トーチ(105)に隣接して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、請求項1、6または9の前段部分によるサブマージアーク溶接システムに関する。より具体的には、本出願は、加圧フラックス供給システムを有する自動サブマージアーク溶接システムに関する。本発明はさらに、いずれも請求項1乃至11のサブマージ溶接システムにおいて使用可能あるいは使用される請求項12の前段部分による溶接トーチおよび請求項14の前段部分によるフラックスマフラに関する。
【背景技術】
【0002】
サブマージ溶接は、アークが粒状溶融性フラックス覆いの中に完全に埋没される溶接の種類である。フラックスは溶融池を大気による汚染から保護する。他の種類の溶接システムのように、サブマージアーク溶接システムは、電源、ワイヤ送給制御および駆動アセンブリ、および溶接トーチを有し得る。加えて、サブマージアーク溶接システムはまたフラックスシステムも有する。フラックスシステムは、フラックスを保持するとともに溶接中に溶接接合部に供給する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フラックス微粒子、ダスト、または再利用のための他のフラックス粒子を捕獲するとともに最終的にリサイクルするために、請求項1によるサブマージアーク溶接が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
特に、サブマージアーク溶接システムは、ワイヤをワイヤ供給部からワイヤ経路に沿って溶接トーチに動かすように構成されたワイヤモータをさらに有し得る、および/またはワイヤモータはロボットの第1アームに接続され得る、および/または加圧フラックス供給システムはロボットから遠位に配置されるように構成され得る、および/またはフラックスバルブが閉鎖位置に付勢され得る、および/またはフラックスバルブはピストンおよびシリンダを含み得る。他の実施形態によれば、請求項6によるサブマージアーク溶接システムが提案される。特に、少なくとも1つのワイヤ供給部(125)は少なくとも第1ワイヤ供給部および第2ワイヤ供給部を含み得る、および/またはサブマージアーク溶接システムはさらにロボットに取付けられたワイヤモータを有し得る。さらに別の実施形態によれば、請求項9による自動サブマージアーク溶接システムが提案される。特に、自動サブマージアーク溶接システムは、ロボットアームをさらに有し得る、および/またはフラックス供給部は真空装置を含み得るとともにロボットアームから遠位に配置され、ワイヤ供給部はロボットアームから遠位に配置される。また、請求項12による溶接トーチが提案される。特に、フラックスバルブは閉鎖位置に付勢されたピストンを含み得る。最後に、請求項14によるフラックスマフラが提案される。単独でまたは互いの任意の組み合わせで使用され得る、有利な特徴は、従属請求項から引き出され得る。言い換えると、サブマージアーク溶接システムがここに提案される。1つの実施形態では、サブマージアーク溶接システムは、ロボット、ロボットから遠位のフラックス供給部、およびロボットから遠位の少なくとも1つのワイヤ供給部を含む。このシステムはまた、ロボットに接続された溶接トーチ、ワイヤ供給部を溶接トーチに接続するワイヤ経路、およびフラックス供給部を溶接トーチに接続するフラックス経路を有する。フラックス供給システムは、フラックスをフラックス供給部から溶接トーチに移動させるように構成される。少なくとも1つのベントが、フラックス経路から空気を排出するために、溶接トーチに隣接してフラックス経路に配置される。
【0005】
添付の図面では、特許請求の範囲の発明の例示的な実施形態を記述する構造が、以下に提供される詳細な説明とともに説明される。
【0006】
以下の図面および説明において、同様の要素は同じ参照番号で特定される。図面は縮尺通りではなく、特定の要素の比率は説明のために誇張され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、ロボットに取り付けられたサブマージ溶接システムの1つの実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されたサブマージ溶接システムの溶接トーチの1つの実施形態の側面図である。
【図3】図3は、サブマージ溶接システムの溶接トーチ用フラックスマフラのベント室の1つの実施形態の部分断面図である。
【図4】図4は、サブマージ溶接システムの溶接トーチ用バルブの1つの実施形態の部分断面図である。
【図5】図5は、サブマージ溶接システムの溶接トーチの代替実施形態の側面図である。
【図6】図6は、サブマージ溶接システムの溶接トーチ用フラックスマフラのベント室の代替実施形態の部分断面図である。
【図7】図7は、サブマージ溶接システムの溶接トーチ用フラックスマフラのベント室の別の代替実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、ロボットRとともに使用されるサブマージ溶接システム100の斜視図である。図示された実施形態では、ロボットRはベースB、第1アームA1、および第2アームA2を有する。第1アームA1はベースBに回転可能に接続されるとともに第1軸X1および第2軸X2周りに回転するように構成される。第2アームA2は第1アームA1に回転可能に接続されるとともに第3軸X3および第4軸X4周りに回転するように構成される。図示された実施形態では、ロボットRはさらに、第2アームA2に接続されたトーチ取付けブラケットMを有する。このトーチ取付けブラケットMは第5軸X5および第6軸X6周りに関節接合される。1つの既知の実施形態では、ロボットRはFANUC ROBOTICSにより製造されたARC MATE 120iBeである。しかし、図示されたロボットRは単に例示であることおよびサブマージアーク溶接システム100は如何なるロボットまたはロボットアームにも用いられ得ることが理解されるべきである。
【0009】
図示された実施形態では、サブマージアーク溶接システム100は、パワーブロック110を有する溶接トーチ105、溶接トーチケーブル115、およびノズル120を含む。溶接トーチケーブル115は、オプションのライナを含み得る。代替実施形態(図示せず)では、溶接トーチは、第1パワーブロックと、第2パワーブロックと、電線導管および第2パワーブロックに接続され必要なアンペア数を扱うために構成された溶接ケーブルとを含む。1つの既知の実施形態では、溶接トーチ105は20kg未満である。溶接トーチ105は、トーチ取付けブラケットMによりロボットRの第2アームA2に接続される。代替実施形態では、溶接トーチ105は第2アームA2に直接接続される。
【0010】
ワイヤ供給部125は、溶接ワイヤ130をワイヤモータ135に供給する。このワイヤモータ135は、溶接ワイヤ130を溶接トーチ105の溶接トーチケーブル115を通って送給しその後ノズル120を通って送給する。言い換えると、ワイヤモータ135は、溶接ワイヤ130をワイヤ供給部125からワイヤ経路に沿って溶接トーチ105のノズル120を通って動かし、ワイヤ経路はワイヤモータ135および溶接トーチケーブル115を含む。ワイヤ供給部125は、溶接ワイヤの単一のスプールとして示されているが、ワイヤ供給部125は、溶接ワイヤの第1のスプールおよび溶接ワイヤの第2のスプール等、2つ以上のワイヤ供給部を含み得ることが理解されるべきである。2つ以上のワイヤ供給部が用いられる場合には、対応する数のワイヤモータおよび溶接トーチケーブルが用いられる。他の代替実施形態(図示せず)では、ワイヤ供給部125はリール、スプール、ドラム、または箱型容器の形態を取り得る。
【0011】
図示された実施形態では、ワイヤ供給部125はロボットRに直接取り付けられていない。その代わりに、ワイヤ供給部125はロボットRから遠位に配置される。ワイヤ供給部125は、特定の環境に適している位置に配置され得るように、ロボットRから任意の距離に配置され得る。最も知られた溶接環境では、ワイヤ供給部125はロボットRから約1mから約50mの間に配置される。
【0012】
ワイヤモータ135は、ロボットRの第1アームA1に、第3および第4軸の後ろに取付けられて示される。代替実施形態(図示せず)では、ワイヤモータ135は、ロボットRの第2アームA2に取り付けられ得る、または、ロボットRに接続されていない場所に設置され得る。
【0013】
さらに、サブマージアーク溶接システム100は、フラックス管145を通ってフラックスを溶接トーチ105に供給するフラックス供給部140を含む。フラックスは粒状の可融性のフラックス粒子を含む。フラックス粒子は、石灰、シリカ、酸化マンガン、フッ化カルシウム、またはこれらの組み合わせを含み得る。フラックスはまた、フラックス微粒子(すなわち、小さい粒子)および同じもののダストまたはフラックス粒子と類似の組成のダストを含み得る。
【0014】
1つの実施形態では、フラックス供給部140は、ノズル120に隣接して延びるホースを有する真空装置(図示せず)を含む。ホースおよび真空装置は、ノズル120を通過したおよび表面に残ったフラックス粒子を収集するために吸引力を使用するように構成される。
【0015】
1つの実施形態では、フラックス供給部140は、フラックス管145を通ってフラックスを押すまたは動かすために加圧された空気を利用する加圧フラックス供給システムを含み、フラックス管145は溶接トーチ105に直接接続される。フラックス供給部140は、加圧された供給タンク等、供給タンクとして示される。フラックス供給部140と溶接トーチ105との間に配置された介在する重力ホッパは無い。言い換えると、加圧フラックス供給システムは、フラックスを、フラック経路に沿ってフラックス供給部140から溶接トーチ105のノズル120に動かし、フラックス経路は重力ホッパを含んでいない。
【0016】
フラックス供給部140はロボットRに直接取り付けられていない。その代わりに、フラックス供給部140はロボットRから遠位に配置される。フラックス供給部140は、特定の環境に適している位置に配置され得るように、ロボットRから任意の距離に配置され得る。最も知られた溶接環境では、フラックス供給部140はロボットRから約1mから約20mの間に配置される。
【0017】
サブマージアーク溶接システム100はまた、ノズル120を通って排出されるフラックスをリサイクルするためのフラックスリサイクルシステム(図示せず)を含み得る。フラックスリサイクルシステムは、フラックス供給部140またはフラックス管145に戻る1つまたは複数の真空チューブを含むことができ、したがって排出されたフラックスが再使用されることを可能にする。
【0018】
溶接トーチ105およびサブマージアーク溶接システム100の他の構成部品のさらなる特徴が図2−4に見られ得る。図2は溶接トーチ105の1つの実施形態の側面図を示す。溶接トーチ105は、フラックス経路に沿って設置されるとともにフラックス管145に接続されるフラックスマフラ150を含む。図示された実施形態では、フラックスマフラ150は、溶接トーチ105に隣接するとともに接続される。代替実施形態では、フラックスマフラ150は溶接トーチ105と一体にされる。別の代替実施形態では、フラックスマフラ150は溶接トーチから離間される。
【0019】
図3は、フラックスマフラ150の部分断面図を示す。フラックスマフラ150はケーシング160内のベント室155を含む。ベント室155は、加圧された空気をフラックス経路から除去するように構成された少なくとも1つのベント165を有する。図示された実施形態では、ベント室155は、流入口170、流出口175、および複数の細長いベント165を有する環状導管である。代替実施形態では、ベント室は、正方向、長方形、または他の幾何学的断面を有し得る。
【0020】
図示された実施形態では、ベント室155の流入口170は、流入口170がフラックス管145に挿入され得るように、滑らかであるとともにフラックス管145の内径より小さい外径を有する。フラックス管145は、ベント室155との接続を保持するために弾性的特性を有し得る。代替実施形態(図示せず)では、フラックス管145はベント室155の流入口170に締め付けられ得る。他の代替実施形態では、ベント室155の流入口170はねじ山が付けられ得る、またはスナップフィットまたはフラックス管145に接続される他の構造を有し得る。
【0021】
図示された実施形態では、ベント室155の流出口175は、ねじ山が付けられた端部であり、フラックス管145の下流部分に接続されるように構成される。代替実施形態(図示せず)では、ベント室155の流出口175は、滑らかな端部、スナップフィットコネクタ、または他の既知のコネクタであり得る。
【0022】
ベント室155のベント165は、フラックス粒子が通過することを許すことなしに空気が通過することを可能にする寸法に形成され得る。図示された実施形態では、ケーシング160はベント室155を囲むとともに、ベント室155のベント165を通過した如何なるフラックス微粒子、ダスト、または他のフラックス粒子も捕獲するように構成される。ケーシング160は、空気が周囲に漏れることを可能にするように上部が開放されるとともに、フラックス微粒子およびダストを捕獲するためのフィルタFを含み、それらが開放された上部を通過することを防止する。例示的なフィルタは、スチールウール、または空気の移動を可能にするがフラックス微粒子を制限する他の繊維状の材料を含む。図示された実施形態では、フィルタFはケーシング160の上方部分のみに設置されている。代替実施形態(図示せず)では、フィルタFはケーシング160の底部に延びる。別の代替実施形態(図示せず)では、ケーシング160はフィルタを含まない。さらに別の代替実施形態(図示せず)では、ケーシング160は上部が閉じられる。
【0023】
図2および図3の両方に示されるように、ケーシング160は、漏出したフラックス微粒子、ダスト、および他のフラックス粒子の経路を形成する第2フラックス管180に接続される。この経路は、フラックス微粒子経路、フラックスリターン経路、またはフラックスリサイクル経路と称され得る。
【0024】
図示された実施形態では、第2フラックス管180はフラックス管145にフラックスマフラ150より下かつノズル120より上で再接続される。このように、漏出したフラックス微粒子、ダスト、および他のフラックス粒子はリサイクルされるとともに他のフラックス粒子に再び加わる。このプロセスは、フラックスがノズル120を通過する前に生じるのだが、リサイクルと呼ばれ得る。フラックス管145は、フラックスおよびリサイクルされたフラックス微粒子、ダスト、および他のフラックス粒子がフラックス管145を通って移動するとともにノズル120を通過するように、ノズル120に接続される。1つの実施形態(図示せず)では、ノズルはまた、残っている空気を周囲に排出するためのベントを含む。
【0025】
図2を続けて参照すると、フラックスバルブ185はフラックス管145に沿って配置され、フラックス経路から溶接トーチ105のノズル120へのフラックスの開放を制御するように構成される。図示された実施形態では、フラックスバルブ185は、フラックスマフラ150の真下にあるとともに溶接トーチ105のノズル120から離間される。代替実施形態では、フラックスバルブは、溶接トーチ105のノズル120に隣接し得る。
【0026】
1つの既知の実施形態では、フラックスバルブ185は、SPARTAN SCIENTIFIC SERIES APV−23バルブである。代替実施形態では、フラックスバルブ185は、ピンチバルブ、ゲートバルブ、またはバタフライ式バルブである。1つの実施形態では、フラックスバルブ185は通常、フラックスが偶発的にノズル120を通って排出されることを防ぐために、閉鎖位置に付勢される。
【0027】
図4はフラックスバルブ185の部分断面図を示す。フラックスバルブ185は、略円筒形であり、管195内に延びるとともに管195を密封するように構成されたピストン190を含む。ピストン190はさらに、管195から引っ込むように構成され、したがってフラックスが通過する開口を形成する。フラックスバルブ185は、ピストン190の伸長または格納を制御するために空気式オペレータに延ばされたばねを含み得る。
【0028】
図5は、ここに記載された違いを除いて溶接トーチ105と略同じである溶接トーチ200の代替実施形態の側面図を示す。代替溶接トーチ200は、代替フラックスマフラ205を含む。
【0029】
代替フラックスマフラ205の部分断面図が図6に示される。フラックスマフラ205は、ここに記載された違いを除いてフラックスマフラ150と略同じである。代替フラックスマフラ205は、ケーシング215内にベント室210を含む。しかし、ケーシング215は、溶接トーチのノズルへと導く第2フラックス管に接続されていない。その代わりに、ケーシング215は、ノズルから遠ざけるとともに漏出したフラックス微粒子、ダスト、および他のフラックス粒子のための経路を形成する真空チューブ220に接続される。
【0030】
1つの実施形態では、真空チューブ220はフラックス供給部に接続される。代替実施形態では、真空チューブ220はフラックス管に接続される。両方の実施形態において、漏出したフラックス微粒子、ダスト、および他のフラックス粒子は再使用される。このプロセスは、漏出したフラックス微粒子、ダスト、または他のフラックス粒子がノズルを通じて排出される前に生じるのだが、リサイクルとされ得る。
【0031】
図示された実施形態では、ケーシング215は、上部が開放されるとともに、フラックス微粒子およびダストを捕獲するための内部フィルタFを含み、それらがベントを通過することを防止する。例示的なフィルタは、スチールウール、または空気の移動を可能にするがフラックス微粒子を制限する他の繊維状の材料を含む。図示された実施形態では、フィルタFはケーシング215の上方部分のみに設置されている。代替実施形態(図示せず)では、フィルタFはケーシング215の底部に延びる。別の代替実施形態(図示せず)では、ケーシング215はフィルタを含まない。さらに別の代替実施形態(図示せず)では、ケーシング215は上部が閉じられる。
【0032】
図7はフラックスマフラ300の別の代替実施形態を示す。この実施形態では、フラックスマフラ300は、フラックスマフラ300が複数のベント310を有するケーシング305を含むことを除いて、フラックスマフラ150および代替フラックスマフラ205と略同じである。フラックスマフラ300は、第2フラックス管または真空チューブを含まない。その代わりに、単に加圧された空気がベントを通って周囲に排出される。
【0033】
図示された実施形態では、ケーシング内のベント室315もまた、複数のベント(図示せず)を有する。1つの実施形態では、フラックスマフラ300はさらに、フラックス微粒子およびダストを捕獲するためにベント室315とケーシング305との間に配置された内部フィルタを含み、それらが周囲に入り込むことを防止する。例示的なフィルタは、スチールウール、または空気の移動を可能にするがフラックス微粒子を制限する他の繊維状の材料を含む。
【0034】
本明細書または請求項において用語「含む(includes)」または「含んでいる(including)」が使用される限りでは、請求項において過渡的な用語として用いられると解釈される用語「有する(comprising)」と同様に包括的であることを意図している。さらに、用語「または(or)」(例えば、AまたはB(A or B))が使用されている限りでは、「AまたはBあるいは両方(A or B or both)」を意味することを意図している。出願人が「AまたはBのみで、両方ではない(only A or B but not both)」を示すことを意図する場合は、用語「AまたはBのみだが両方ではない(only A or B but not both)」が用いられる。したがって、ここでの用語「または(or)」の使用は、包含的使用であり、排他的使用ではない。Bryan A. Garner、 A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)参照。また、本明細書または請求項において用語「中に、中で(inまたはinto)」が使用される限りでは、付加的に「上に、上で(onまたはonto)」を意味することを意図している。さらにまた、本明細書または請求項において用語「接続する(connect)」が使用される限りでは、「直接的に接続する(directly connected to)」だけでなく、1つまたは複数の別の構成部品を介して接続するような、「間接的に接続する(indirectly connected to)」を意味することも意図している。
【0035】
本出願が様々な実施形態により説明され、これらの実施形態は詳細に説明されているが、添付の請求項の範囲をこのような詳細に制限すること、または、このような詳細に限定することは出願人の意図ではない。さらなる利点及び変更は当業者には容易に理解されるであろう。それゆえ、最も広範な態様における本発明は、図示及び説明された特定の詳細、代表的な装置および方法、並びに実例に限定されない。したがって、本出願人の概括的な発明概念の精神または範囲から離れることなく、そのような詳細から離れることができる。
【符号の説明】
【0036】
100 サブマージアーク溶接システム
105 溶接トーチ
110 パワーブロック
115 溶接トーチケーブル
120 ノズル
125 ワイヤ供給部
130 溶接ワイヤ
135 ワイヤモータ
140 フラックス供給部
145 フラックス管
150 フラックスマフラ
155 ベント室
160 ケーシング
165 ベント
170 流入口
175 流出口
180 第2フラックス管
185 フラックスバルブ
190 ピストン
195 管
200 溶接トーチ
205 フラックスマフラ
210 ベント室
215 ケーシング
220 真空チューブ
300 フラックスマフラ
305 ケーシング
310 ベント
315 ベント室
A1 第1アーム
A2 第2アーム
B ベース
F フィルタ
M トーチ取付けブラケット
R ロボット
X1 第1軸
X2 第2軸
X3 第3軸
X4 第4軸
X5 第5軸
X6 第6軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともベースと、前記ベースに回転可能に接続された第1アームと、前記第1アームに回転可能に接続された第2アームとを有するロボットとともに使用されるサブマージ溶接システムであって:
ノズルを有し、前記ロボットの前記第2アームに接続された溶接トーチと;
前記ロボットから遠位に配置されるように構成された少なくとも1つのワイヤ供給部と;
前記ワイヤ供給部を前記溶接トーチの前記ノズルに接続するワイヤ経路と;
加圧フラックス供給システムおよび真空装置を含むフラックス供給部であって、前記加圧フラックス供給システムはフラックスを前記フラックス供給部から、フラックス経路に沿って、前記溶接トーチに移動させるように構成され、前記ロボットから遠位に配置されるように構成された、フラックス供給部と;
前記フラックス供給部を前記溶接トーチの前記ノズルに接続する前記フラックス経路であって、重力ホッパを含まない、前記フラックス経路と;
前記フラックス経路に沿って配置され、前記溶接トーチに接続されたフラックスマフラであって、複数のベントを有する、フラックスマフラと;
前記フラックス経路に沿って配置されたフラックスバルブと、を有する、
サブマージ溶接システム。
【請求項2】
前記複数のベントを通って漏出するフラックス粒子を捕獲するように構成された前記フラックスマフラに接続されたフラックス微粒子経路をさらに有する、
請求項1に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項3】
前記フラックス微粒子経路は、前記フラックスマフラを、前記溶接トーチの前記ノズルに隣接する場所において前記フラックス経路に接続する、
請求項2に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項4】
前記フラックス微粒子経路は、前記フラックスマフラを、前記溶接トーチから遠位の場所において前記フラックス経路に接続する、
請求項2に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項5】
前記フラックスバルブは、前記溶接トーチの前記ノズルに隣接する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項6】
ロボットと;
前記ロボットから遠位のフラックス供給部と;
前記ロボットから遠位の少なくとも1つのワイヤ供給部と;
前記ロボットに接続された溶接トーチと;
前記ワイヤ供給部を前記溶接トーチに接続するワイヤ経路と;
前記フラックス供給部を前記溶接トーチに接続するフラックス経路と;
前記フラックスを前記フラックス供給部から前記溶接トーチに移動させるように構成されたフラックス供給システムと;
前記フラックス経路上で前記溶接トーチに隣接し、前記フラックス経路から空気を排出するように構成された、少なくとも1つのベントと、を有する、
サブマージアーク溶接システム。
【請求項7】
前記溶接トーチは、ノズルおよび前記ノズルに隣接したフラックスバルブを含み、
前記フラックスバルブは閉鎖位置に付勢される、
請求項6に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのベントを前記フラックス経路に接続するフラックスリターン経路をさらに有する、
請求項6または7に記載のサブマージアーク溶接システム。
【請求項9】
ノズルを有する溶接トーチと;
フラックス供給部から直接前記溶接トーチにフラックスを輸送する手段と;
前記フラックスを輸送する手段から空気を放出する手段と;
前記フラックスの前記溶接トーチの前記ノズルへの開放を制御する手段と;
ワイヤ供給部から前記溶接トーチにワイヤを輸送する手段と、を有する、
自動サブマージアーク溶接システム。
【請求項10】
前記フラックスをリサイクルする手段をさらに有する、
請求項9に記載の自動サブマージアーク溶接システム。
【請求項11】
前記フラックスをリサイクルする手段は、前記溶接トーチの前記ノズルを通過していないフラックス粒子をリサイクルするように構成される、
請求項10に記載の自動サブマージアーク溶接システム。
【請求項12】
ノズルと;
前記ノズルに接続されたワイヤ経路と;
前記ノズルに接続されたフラックス経路と;
前記フラックス経路に沿って配置され、複数のベントを有する、フラックスマフラと;
前記フラックス経路に沿って配置されたフラックスバルブと、を有する、
溶接トーチ。
【請求項13】
前記フラックスマフラに接続されたフラックス微粒子経路をさらに有し、前記フラックス微粒子経路は、前記複数のベントを通って漏出するフラックス粒子を捕獲するように構成される、
請求項12に記載の溶接トーチ。
【請求項14】
フラックス流入口、フラックス流出口、および(第1の)複数のベントを有するベント室と;
前記ベント室を囲み、開放上部を有するケーシングと;
フラックス微粒子およびダストを捕獲するとともに、前記フラックス微粒子およびダストが前記ケーシングの前記開放上部を通過することを防止するように構成されたフィルタと、を有する、
フラックスマフラ。
【請求項15】
前記ケーシングは第2の複数のベントを含む、
請求項14に記載のフラックスマフラ。
【請求項16】
前記ケーシングに接続されるとともに前記ベント室の前記複数のベントを通って漏出するフラックス粒子を捕獲するように構成されたフラックス微粒子経路をさらに有する、
請求項14または15に記載のフラックスマフラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−532761(P2012−532761A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520119(P2012−520119)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001739
【国際公開番号】WO2011/007245
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(510202156)リンカーン グローバル,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】