説明

加圧流動焼却設備

【課題】タービン出口側から潤滑油が流出するおそれのない加圧流動焼却設備とする。
【解決手段】被処理物Sの加圧流動炉10と、排ガスによって駆動されるタービン41及びこのタービン41の駆動軸46によって駆動され加圧流動炉10内に供給する空気を加圧するコンプレッサー42を有する過給機40と、駆動軸46を含む軸部分を囲う仕切り材、これに供給される潤滑油を貯留するタンク91、このタンク91内の潤滑油を密閉容器内に導く上流経路92、この上流経路92を通して潤滑油タンク91内の潤滑油を仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ93、及び、仕切り材内の潤滑油を潤滑油タンク91に導く下流経路94を有する潤滑油の循環機構90と、を備え、下流経路94の内圧が上流経路92の内圧よりも低くなるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧流動焼却設備に関するものである。より詳しくは、被処理物を加圧下で流動燃焼し、この燃焼により発生した排ガスによってタービンを駆動し、このタービンの駆動軸の回転力によってコンプレッサーを駆動し、このコンプレッサーの駆動によって加圧された空気を加圧流動炉内に供給する構成とされた加圧流動焼却設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、石炭を燃料とする加圧流動床複合発電プラントが実用化されており、通常、プラントの立上げ時においては、タービンの過給機を電動機として使用して所定の圧力、温度まで起動している。もっとも、このように過給機を電動機として使用するシステムにおいては、過給機を起動用ブロワとして利用することができないため、大容量の起動用ブロワを別途備える場合が多い。
【0003】
ところで、タービンの排気を有効利用する方法として、本出願人は、特許文献1を開示した。しかしながら、特許文献1は、タービンの駆動軸の回転力によってコンプレッサーを駆動し、このコンプレッサーの駆動によって空気を加圧し、この加圧空気を有効利用することについては開示していない。
この点、このタービンの駆動によってコンプレッサーを駆動し、このコンプレッサーの駆動によって加圧された空気を利用する方法として、本出願人は、当該加圧空気を加圧流動炉内に供給する特許文献2を開示した。しかしながら、特許文献2は、タービンの駆動軸を含む軸部分にどのように潤滑油を供給(注油)するかについては開示していない。
この点、当業者の通常の発想によれば、駆動軸を含む軸部分を囲う仕切り材や、この仕切り材内に供給される潤滑油のタンク、この潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に導く上流経路、この上流経路を通して前記潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ、前記仕切り材内に供給された潤滑油を前記潤滑油タンクに導く下流経路、などが備わる潤滑油の循環機構を設けることになる。
しかしながら、被処理物を加圧下で流動燃焼する加圧流動焼却設備においては、タービンを駆動する排ガスが高圧であり、タービン入口側が高圧となり、またコンプレッサー内の空気も高圧となることから、仕切り材内も高圧となり、送液ポンプによって送られてくる潤滑油の循環が滞るおそれがある。そして、潤滑油の循環が滞ると、循環機構内の圧力は上昇し、低圧であるタービン出口側から潤滑油が流出するおそれがある。流出した潤滑油は、排ガスに同伴されて、大気中に放出されてしまう可能性もある。
【0004】
なお、仕切り材が軸部分を完全に密閉化(気密化)するように囲っており、仕切り材内とタービン入口側や出口側とが完全に遮断されていれば、以上のような問題は生じない。しかしながら、仕切り材は、回転駆動する駆動軸などを囲うものである以上、完全な密閉化は難しい。
【特許文献1】特開平9−89232号公報
【特許文献2】特開2007−170705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする主たる課題は、タービン出口側から潤滑油が流出するおそれのない加圧流動焼却設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、
この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン、及び、このタービンの駆動軸と連結されこの駆動軸の回転力によって駆動され前記加圧流動炉内に供給する空気を加圧するコンプレッサー、を有する過給機と、
前記駆動軸を含む軸部分を囲う仕切り材、この仕切り材内に供給される潤滑油を貯留する潤滑油タンク、この潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に導く上流経路、この上流経路を通して前記潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ、及び、前記仕切り材内に供給された潤滑油を前記潤滑油タンクに導く下流経路、を有する前記潤滑油の循環機構と、
を備えた加圧流動焼却設備であって、
前記下流経路の内圧が前記上流経路の内圧よりも低くなるように構成した、
ことを特徴とする加圧流動焼却設備。
【0007】
<請求項2記載の発明>
被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、
この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン、及び、このタービンの駆動軸と連結されこの駆動軸の回転力によって駆動され前記加圧流動炉内に供給する空気を加圧するコンプレッサー、を有する過給機と、
前記駆動軸を含む軸部分を囲う仕切り材、この仕切り材内に供給される潤滑油を貯留する潤滑油タンク、この潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に導く上流経路、この上流経路を通して前記潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ、及び、前記仕切り材内に供給された潤滑油を前記潤滑油タンクに導く下流経路、を有する前記潤滑油の循環機構と、
を備えた加圧流動焼却設備であって、
前記潤滑油タンク及び前記タービン下流の排ガス経路を連通する経路を設けて、前記下流経路の内圧が前記上流経路の内圧よりも低くなるように構成した、
ことを特徴とする加圧流動焼却設備。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記潤滑油タンクを前記仕切り材よりも高所に配置して、前記潤滑油ポンプの稼働が停止した後に、前記潤滑油タンク内の潤滑油が前記上流経路を通して前記仕切り材内に自然流下するように構成した、請求項1又は請求項2記載の加圧流動焼却設備。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態の加圧流動焼却設備は、図1に示すように、被処理物Sを燃焼させる加圧流動炉10と、この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン41及びこのタービン41の駆動軸46と連結されこの駆動軸46の回転力によって駆動され、加圧流動炉10内に供給する空気を加圧するコンプレッサー42を有する過給機40と、を備えている。
【0010】
加圧流動炉10には、バイオマスや都市ゴミ、下水汚泥の脱水ケーキ等の被処理物Sが供給口から供給されるとともに、始動時において下部の始動用バーナー12から燃焼のための燃料及び燃焼用空気が供給されるようになっている。加圧流動炉10の下部からは、後述するように、加圧空気が吹き込まれ、その流動化エネルギーによって被処理物Sが流動されながら、燃焼焼却されるようになっている。
【0011】
この燃焼焼却により発生した排ガスは、流路71を通して空気予熱器20に送られ、その後に流路72を通してバグフィルタやセラミックフィルタなどの集塵機30を通った後に、流路73を通して過給機40のタービン41に導かれる。
【0012】
この過給機40では、排ガスによってタービン41が駆動され、このタービン41と駆動軸46を介して連結されたコンプレッサー42も駆動される。タービン41で膨張した排ガスは、流路74を通して白煙防止用予熱器50に導かれた後、流路75を通して排煙処理塔60に導かれ、この排煙処理塔60で清浄化された後に煙突62から大気中に放出される。
【0013】
ただし、タービン41で膨張した排ガスは、白煙防止用予熱器50に導くに先立って、例えば、図示しない蒸気ボイラなどに導くと好ましいものとなる。タービン41で膨張した排ガスは、例えば、400〜450℃、0.02〜0.05MPaの高温・高圧であり、したがって、熱回収して蒸気を生成することができる。そこで、蒸気ボイラで生成された蒸気を、タービン41上流の排ガス処理系に導き、当該蒸気を排ガスに混入する。これにより、タービン41に導かれる排ガスの量が増えるため、コンプレッサー42で加圧される空気の量も増え、本加圧流動焼却設備全体の熱効率向上となる。
【0014】
タービン41上流の排ガス処理系としては、排ガスを集塵機30からタービン41に導く流路73や、排ガスを加圧流動炉10から空気予熱器20に導く流路71、排ガスを空気予熱器20から集塵機30に導く流路72、加圧流動炉10、空気予熱器20、集塵機30などを例示することができる。なお、空気予熱器20は、排ガスのもっている熱により、加圧流動炉10内に供給する加圧空気を予熱するためのものである。
【0015】
ところで、本形態においては、図1に示すように、コンプレッサー42に対して起動用ブロワ43が設けられている。この起動用ブロワ43からの空気は、切替え弁44を有する流路76を通してコンプレッサー42に送り、このコンプレッサー42で加圧して、加圧空気とする。この加圧空気は、流路77及び流路78を通して空気予熱器20に導き、更に流路79を通して加圧流動炉10内に供給する。また、流路77からは、加圧流動炉10の始動用バーナー12に連なる分岐経路80が分岐している。当該加圧空気は、加圧流動炉10のほか、この分岐経路80を通して始動用バーナー12に燃焼用空気として供給される。ここで、分岐経路80を設ける利点について、説明する。
すなわち、1年当たり1〜2回程度(多くとも数回)の立上げ運転だけのために、始動用バーナー12に燃焼用空気を送るための専用ブロワを設けることは、不経済であり、設備の高騰を招くだけである。特に、加圧流動炉10が所定の加圧状態の安定運転に達するまで容量的に大きい加圧流動炉10に対して燃焼用空気を送り込むためには、専用ブロワを大型化するほかない。加圧流動炉10の圧力は、立上げ当初は低圧であるが、時間の経過とともに高圧にする必要がある。したがって、専用ブロワは、立上げ当初の低吐出圧力・低送風量から時間経過後の高吐出圧力・高送風量まで対応可能な容量を備えている必要があり、専用ブロワが大型化するのである。しかるに、本形態の加圧流動焼却設備は、コンプレッサー42に対して設けられた起動用ブロワ43からの空気を、コンプレッサー43を通して加圧して加圧流動炉10に供給する経路(流路77〜79)のほか、この経路から分岐して加圧流動炉10の始動用バーナー12に連なる分岐経路(流路80)を有し、加圧流動炉10の立上げの際に、加圧空気を、加圧流動炉10のほか分岐経路を通して始動用バーナー12に燃焼用空気として供給するものである。その結果、時間の経過に伴う燃焼の進行によって昇温し、加圧流動炉10内の圧力が上昇すると、コンプレッサー42の圧縮比が高くなり、コンプレッサー42で加圧された空気の圧力は加圧流動炉10内の圧力よりも常に高くなる(加圧流動炉10内の流動部での圧力損失分を超える圧力分だけ高くなる)。そして、加圧流動炉10内の圧力上昇に伴って、コンプレッサー42出口側の風量も増加する。その結果、容量の小さい起動用ブロワ43であっても、時間経過後において高吐出圧力・高送風量を確保することができる。したがって、図1に符号43Aとして仮定的に図示した始動用バーナー12についての燃焼用空気を送るために専用ブロワを使用しないか、きわめて小型のもので足りるものとなり、設備コストやランニングコストを低減させることができる。また、加圧流動炉10内の圧力と、加圧流動炉10内へ燃焼用空気として吹き込む加圧空気の圧力が連動しているので、始動用バーナー12における燃焼用空気量制御が容易になる利点もある。
【0016】
一方、白煙防止用予熱器50は、従来の形態においては、符号52Aとして仮定的に図示した白煙防止ファンから送り込まれ大気中に放出する前の排ガスに混入する白煙防止用空気を、タービン41で膨張した排ガスから熱回収して予熱するものである。この予熱された白煙防止用空気によって、排煙処理塔60からの清浄空気が煙突62において加熱され、白煙が発生しないようになる。排煙処理塔60は、白煙防止用予熱器50を通った大気中に放出する前の排ガスの最終的な清浄化を図るものであり、湿式集塵方式などが採用される。
【0017】
ここで、本実施の形態においては、白煙防止ファン52Aが備えられておらず、コンプレッサー42で加圧された空気を加圧流動炉10内に供給する流路77から分岐して白煙防止用予熱器50に連なる分岐経路たる流路52が備えられている。そして、この流路52を通して加圧空気が白煙防止用空気として白煙防止用予熱器50に導かれる。被処理物Sが、例えば高含水率である場合は、高圧流動炉10からの排ガスに水蒸気が含まれるため、コンプレッサー42の駆動によって加圧される空気の量も増え、この加圧空気を加圧流動炉10内に供給するのみでは余剰が生じる。なお、始動用バーナー12の燃焼用空気としての使用は、立上げ運転時におけるものである。しかしながら、以上の形態においては、当該余剰空気が白煙防止用空気として有効利用される。この白煙防止用空気としての利用は、加圧流動焼却設備系内での利用であり、また、白煙防止ファン52Aを使用しないか、きわめて小型のものとすることができるため、設備コストやランニングコストを低減させることができる。この余剰空気の利用に関しては、加圧空気が通る流路77に圧力計77Aを設け、この圧力計77Aで測定された圧力によって流路52に備わる調節弁47の開度を調節し、もって加圧流動炉10に導く加圧空気と白煙防止用予熱器50に導く加圧空気との割合を調節することができる。
【0018】
一方、本形態においては、本設備周りの外部空気Aをコンプレッサー42に導く切替え弁45を有する供給流路81が設けられている。立上げ運転時においては、起動用ブロワ43からコンプレッサー42に空気を送り込み、所定の温度・圧力、例えば、タービン41の入口温度が350℃以上、圧力が0.11〜0.15MPaの条件を指標とした安定運転になった時点で、切替え弁44を閉じ、その代わりに切替え弁45を開として供給流路81を通して外部空気Aをコンプレッサー42に送り込む。以後、この条件が続行される。
【0019】
従来、焼却に用いられている加圧を行わない気泡流動炉では、常時流動用ブロワを運転し続け、また、煙突62から強制的に排気するための誘引ファンの設置が必要であるのに対し、本形態に係る加圧流動焼却設備では、起動時に起動用ブロワ43を使用するのみで足りるのでランニングコストが低減し、誘引ファンの設置が不要となる利点がある。
加圧流動炉10の運転条件に限定はないが、0.1〜0.3MPa程度に加圧し、ダイオキシン発生防止の観点から800〜850℃程度の温度条件にすることが望ましい。
【0020】
ところで、本形態の加圧流動焼却設備においては、図2に示すように、タービン41の駆動軸46やこの駆動軸46の図示しない軸受けなどを含む軸部分を囲う図示しない仕切り材と、この仕切り材内に供給される潤滑油を貯留する潤滑油タンク91と、この潤滑油タンク91内の潤滑油を仕切り材内に導く上流経路92と、この上流経路92を通して潤滑油タンク91内の潤滑油を仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ93と、仕切り材内に供給された潤滑油を潤滑油タンク91に導く下流経路94と、を有する潤滑油の循環機構90が備えられている。これにより、潤滑油タンク91内の潤滑油は、上流経路92、仕切り材内及び下流経路94を通り、潤滑油タンク91内に戻る循環を繰り返す。
【0021】
ここで、単に以上の循環機構90が備えられているのみであると、前述したように、タービン41の入口側が高圧となるため、仕切り材内も高圧となり、送液ポンプ93によって送られてくる潤滑油の循環が滞るおそれがある。そして、潤滑油の循環が滞ると、循環機構90内の圧力は上昇し、低圧であるタービン41の出口側から潤滑油が流出するおそれがある。
【0022】
しかしながら、本形態の加圧流動焼却設備においては、潤滑油タンク91及びタービン41の下流の排ガス経路たる流路74を連通する圧調節経路95を設けている。この圧調節経路95を設けると、流路74などのタービン41の下流の排ガス経路は内圧が低いことから、潤滑油タンク91の内圧も低下する。結果、下流経路94の内圧も低下し、上流経路92の内圧よりも低くなる。そして、このような圧力差が生じると、仕切り材内の潤滑油は下流経路94内に吸引される状態になるため、仕切り材内での滞りが防止され、タービン41出口側からの流出が防止される。
下流経路94の内圧と上流経路92の内圧との(圧力)差は、例えば、圧調節経路95に仕切弁などを設け、この仕切弁の開度を調節するなどして、調節することができる。
【0023】
一方、以上のような潤滑油の循環機構90が備えられた加圧流動焼却設備においては、次のような問題が想定される。
すなわち、何らかの原因によって設備が緊急停止すると、循環機構90を構成する送液ポンプ93の稼動も停止し、結果、潤滑油タンク91内から仕切り材内への潤滑油の供給も止まる。しかしながら、設備が緊急停止しても、しばらくの間は排ガスが発生し続けるため、タービン41は駆動され、駆動軸46は回転駆動する。したがって、設備が緊急停止するのと同時に送液ポンプ93が停止し、潤滑油の供給が止まると、回転駆動し続ける駆動軸46を含む駆動部が故障するおそれがある。
そこで、図3に示すように、潤滑油タンク91は、仕切り材よりも高所に配置するのが好ましい。この形態によると、潤滑油ポンプ93の稼働が停止した後においても、潤滑油タンク91内の潤滑油が上流経路92を通して仕切り材内に自然流下するため、駆動軸46を含む駆動部の故障が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】加圧流動焼却設備の構成例の説明図である。
【図2】潤滑油の循環機構の構成例の説明図である。
【図3】潤滑油の循環機構の変形構成例の説明図である。
【符号の説明】
【0025】
10…加圧流動炉、12…始動用バーナー、20…空気予熱器、30…集塵機、40…過給機、41…タービン、42…コンプレッサー、43…起動用ブロワ、50…白煙防止用予熱器、60…排煙処理塔、90…循環機構、91…潤滑油タンク、92…上流経路、93…送液ポンプ、94…下流経路、95…圧調節経路、S…被処理物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、
この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン、及び、このタービンの駆動軸と連結されこの駆動軸の回転力によって駆動され前記加圧流動炉内に供給する空気を加圧するコンプレッサー、を有する過給機と、
前記駆動軸を含む軸部分を囲う仕切り材、この仕切り材内に供給される潤滑油を貯留する潤滑油タンク、この潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に導く上流経路、この上流経路を通して前記潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ、及び、前記仕切り材内に供給された潤滑油を前記潤滑油タンクに導く下流経路、を有する前記潤滑油の循環機構と、
を備えた加圧流動焼却設備であって、
前記下流経路の内圧が前記上流経路の内圧よりも低くなるように構成した、
ことを特徴とする加圧流動焼却設備。
【請求項2】
被処理物を加圧下で流動燃焼させる加圧流動炉と、
この燃焼により発生した排ガスによって駆動されるタービン、及び、このタービンの駆動軸と連結されこの駆動軸の回転力によって駆動され前記加圧流動炉内に供給する空気を加圧するコンプレッサー、を有する過給機と、
前記駆動軸を含む軸部分を囲う仕切り材、この仕切り材内に供給される潤滑油を貯留する潤滑油タンク、この潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に導く上流経路、この上流経路を通して前記潤滑油タンク内の潤滑油を前記仕切り材内に強制的に送る送液ポンプ、及び、前記仕切り材内に供給された潤滑油を前記潤滑油タンクに導く下流経路、を有する前記潤滑油の循環機構と、
を備えた加圧流動焼却設備であって、
前記潤滑油タンク及び前記タービン下流の排ガス経路を連通する経路を設けて、前記下流経路の内圧が前記上流経路の内圧よりも低くなるように構成した、
ことを特徴とする加圧流動焼却設備。
【請求項3】
前記潤滑油タンクを前記仕切り材よりも高所に配置して、前記潤滑油ポンプの稼働が停止した後に、前記潤滑油タンク内の潤滑油が前記上流経路を通して前記仕切り材内に自然流下するように構成した、請求項1又は請求項2記載の加圧流動焼却設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−121779(P2009−121779A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297885(P2007−297885)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(301031392)独立行政法人土木研究所 (107)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【出願人】(000165273)月島機械株式会社 (253)
【Fターム(参考)】