説明

加工物の並列加工装置

【課題】処理時間を改善するために加工物の並列加工を行うことができる加工物取扱いロボットを提供する。
【解決手段】本発明は、複数の加工物を同時に支持することができる加工物トランスファロボットに関する。本発明による加工物トランスファロボット(100)は、ベース(102)と、ベースに関して回転可能な第1リンク(104)と、第1リンクに関して回転可能な第2リンク(106)と、第2リンクに関して回転可能なエンドエフェクター(108)を有する。エンドエフェクターは、複数の加工物のうちの第1加工物を支持することができる第1パドル(250)と、複数の加工物のうちの第2加工物を支持することができる第2パドル(252)を含む。第1パドルは、前記第2パドルに対して回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本発明の所有者に譲渡され且つ全体がここに援用されている下記の特許/出願、すなわち、バッブスらによって2000年4月12日に出願され、出願が現在係属中である「モジュラーソーター」と題する米国特許出願第09/547,829号と、1999年11月30日に出願され、出願が現在係属中である「ウェーハ配向及び読取機構」と題する米国特許第09/452,059号に関する。
【0002】
本発明は、加工物移送仕分け装置に関し、特に、加工物の並列加工に作用することのできる複式パドルエフェクターを有するロボットを含む移送仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0003】
加工物取扱いロボットを半導体二次加工工程に導入することにより、半導体ウェーハのような加工物を種々の加工ツール間及び又は加工物貯蔵箇所間に移動させるための手動で初期の移送装置に比べて自動化が著しい進歩を示している。加工物を第1位置から迅速且つ正確に獲得し、それをデカルト空間の異なるX、Y及びZ座標を有する新たな位置に配送し、加工物の損傷の危険なしに加工物を置くことができることが、在来の加工物取扱いロボットの重要な特徴である。
【0004】
このことを行うために、代表的なロボットは、ベースに垂直方向の軸線に沿って移動可能に取り付けられた中央マストを含む。近位方向のアーム又はリンクがマストの上端に回転可能に取り付けられ、遠位方向のアーム又はリンクが近位リンクの反対側の端部に回転的に取付けられる。ウェーハ取扱いロボットは、遠位方向のリンクに取り付けられた加工物支持用エンドエフェクターをさらに含む。遠位及び近位リンクと同期動作が可能なエンドエフェクターは、遠位リンクに回動可能に取り付けられている。さらに、在来、ベースに取り付けられる種々のモータが、エンドエフェクターを3次元空間で制御可能に操作するように、中央マストを移動させ、近位及び遠位リンクを回転させるために設けられている。
【0005】
加工物取扱いロボットは、集積回路をウェーハに形成するための加工ツールの使用のほかに、例えばウェーハソーターのような単独の加工ツールに使用される。ウェーハソーターは、例えば1つ又は2つ以上のウェーハをウェーハソーターに位置する種々のカセット間で移送するような二次加工装置の種々の目的に使用される。この加工中、多数のカセットからのウェーハを1つのカセットの中に組み込むことができ、1つのカセットからのウェーハを多数のカセットの間で交互に分配することができる。ウェーハを同じ注文でカセット間で移送することもできるし、或いは希望通りに注文し直すこともできる。ウェーハソーターの他の機能はカセット内のウェーハの位置をマップすることと、カセット内のウェーハの誤った位置決めを検出することである。
【0006】
さらに、ウェーハソーターはアライナを含むのがよい。在来のアライナはウェーハを支持し、且つ回転させるためのチャックと、典型的には2つのカメラ、すなわち、半径方向の振れ(すなわち、加工物がチャックの期待された中心位置から外れる大きさ及び方向)を識別するためのカメラと、ウェーハの周囲に沿って配置したノッチの位置を識別するためのカメラと、を有する。アライナは、典型的には加工物を識別する光学文字読取(OCR)マークを読み取るための補助カメラを含む。在来のウェーハソーターでは、ウェーハはアライナのチャックに1度に1つだけ移送され、次いでアライナはウェーハを回転させて半径方向の振れを決定し、ノッチの位置を識別し、OCRマークを読み取る。次いでウェーハは1度に1つだけウェーハカセットに戻される。加工物を1度に1つだけ加工物カセットとアライナとの間で移送する在来のアライナ/ロボット装置は、時間当たり約200〜250個程度の比較的少ない処理量を有する。この少ない処理量は、指示マークの読取を必要とする各加工ステーションについてアライメント作業を行わなければならず、且つこれらのステーションのぞれぞれのところで各個々のウェーハについてアライメント作業を行わなければならないときに著しい。
【0007】
処理量を増やすために、別々の2組のロボットアーム又はリンクを有するロボットを提供することが知られている。このような多アーム式ロボットはGenovらの米国特許第5,789,890号(特許文献1)に開示されている。そこに開示されているように、このようなロボットは典型的には、第1加工物をカセットから得て、回り、次いで第2加工物を獲得することができるように互いにオフセットしたエンドエフェクターを含む。このようなロボットはソーター内に著しい量の空間をとり、その空間はソーターを超清浄な空気で維持する費用により貴重である。さらに、典型的な2アーム式ロボットは高価であり、複雑な制御を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,789,890号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の利点は処理時間を改善するために加工物の並列加工を行うことができる加工物取扱いロボットを提供することである。
【0010】
本発明の他の利点は、在来の加工物取扱いロボットの比較的少ない変更で加工物の並列加工を行うことである。
【0011】
本発明のさらなる利点は、複式又は単式のパドルロボットとして作動できる多角的な加工物取扱いロボットを提供することである。
【0012】
本発明の他の利点は、ロボットがウェーハをアライナに移送し、ウェーハをアライナから移送する間はアライナが遊んでいないことである。
【0013】
さらに本発明のさらなる利点は、アライナが作業を行っている間はロボットが遊んでいないことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これら及び他の利点は、好ましい実施形態において、加工物の並列加工を行うことができる複式パドルエンドエフェクターロボットに関する本発明によって行われる。ロボットは、好ましくは、ロボットベースに出入りするように垂直移動の可能なマストと、マストに固定して取り付けられた近位リンクと、近位リンクに回転可能に連結された遠位リンクと、を含む。ロボットはさらに、近位リンクに回転可能に連結されたエンドエフェクターをさらに含み、エンドエフェクターは互いに回転可能な一対の加工物支持パドルを含む。
【0015】
特に、エンドエフェクターは、遠位リンクの端部に回転可能に連結された下パドルと、下パドルに回転可能に連結された上パドルと、を含む。下パドルは、上パドルを下パドルに関して回転させることができるドライブアセンブリーを支持する。上下パドルは、好ましくは、本発明によるロボットが作業しているカセット内の加工物のピッチに等しい距離互いに間隔を隔てている。
【0016】
かくして、上下パドルは1組の加工物を加工物カセット内の棚から同時に引き出すことができる。
【0017】
本発明の一実施形態では、複式パドルエンドエフェクターロボットは、ソーター内の一対のアライナで加工物の並列加工を行うためにウェーハソーター内で使用される。このような実施形態では、ロボットはまず、1組の加工物を加工物カセット内の隣接した棚から獲得する。カセットから引っ込んだ後、エンドエフェクターのそれぞれのパドルは扇形に広がり、ウェーハをそれぞれのアライナのチャックに移送する。アライナでの加工物の加工が完了した後、扇形に広がったエンドエフェクターパドルは加工物を再び獲得し、上パドルは下パドルの真上に位置するホーム位置まで戻り、次いで加工した加工物を元のカセット或いは新しいカセットに戻す。この方法における加工物の並列加工は、在来のウェーハソーター装置よりも著しく多い処理量をもたらす。処理量は、それぞれのアライナのところに加工物用の緩衝場所を設けることによってさらに改善される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による複式パドルエンドエフェクターを含むロボットの斜視図である。
【図2】ロボットのベースの斜視切取図である。
【図3】ロボットマスト及びエルボドライブアセンブリーの横断面図である。
【図4】回転ドライブアセンブリーが含まれるロボット近位リンク及び遠位リンクの正面図である。
【図5】回転ドライブアセンブリーが含まれる近位リンク及び遠位リンクの分解斜視図である。
【図6】本発明による複式パドルエンドエフェクターの拡大斜視図である。
【図7】本発明による複式パドルエンドエフェクターの分解斜視図である。
【図8】本発明によるロボットが使用されるウェーハソーターの正面斜視図である。
【図9】図8に示すウェーハソーターの背面切取斜視図である。
【図10】ソーターに位置決めされた加工物カセットから1組の加工物を取り出した本発明によるロボットを示すウェーハソーターの平面図である。
【図11】エンドエフェクターのパドルを外方に広げた場合の本発明によるロボットを含むウェーハソーターの平面図である。
【図12】加工物を1組の加工用アライナに配置のために前進させた場合の本発明によるウェーハソーターの平面図である。
【図13】本発明の変形実施形態による2つのパドルの平面図である。
【図14】図13の実施形態に示すパドルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
今、一般に、加工物を加工物貯蔵場所と加工ツールとの間で並行に移送するための加工物取扱いロボットに関係する図1乃至図14を参照して本発明を説明する。本発明によって搬送されるべき加工物は半導体ウェーハ、十字線、平らなパネルディスプレイを含む種々の平面の平らな物体を含むことが理解される。本発明による装置及びロボットは、例えば、集積回路をウェーハに形成するツール及び、ウェーハソーターのような、ウェーハを識別し、再編成し、且つ移送するツールを含む、ウェーハ二次加工装置内の種々の加工ツールと一緒に作動するのがよい。本発明による装置及びロボットは、あらゆるあてはまる半導体製造装置材料協会規格に従うことがさらに理解される。
【0020】
今、図1及び図2を参照すると、本発明に従って、ベース102と、近位リンク104と、遠位リンク106と、エンドエフェクター108と、を含む本発明によるロボット100を示す。ベース102内のマスト116(図1にではなく図2に示す)は垂直方向のZ軸線に沿う移動が可能で、ベース102に出入りし、近位リンク、遠位リンク、及びエンドエフェクターはすべて、Z軸線と垂直なX−Y平面のそれぞれの回転軸線を中心に回動可能である。このように、エンドエフェクターはロボット100の付近で3次元空間で操作される。
【0021】
ベース102、リンク104,106並びにそれらの構成要素は、在来の設計のものであってもよいことが理解される。一実施形態では、これらの構成要素(エンドエフェクター108を含む)は、「加工物取扱いロボット」と題した米国特許出願09/483,625号に記載されている。しかしながら、エンドエフェクター108を支持し、且つ操作するロボット構成要素の形態は、変形実施形態では、変化してもよいことが理解される。
【0022】
図1及び図2を参照すると、ベース102は、ベース内の構成要素を囲み且つ保護する円筒状のハウジング112(図2に部分的に示す)を含む。さらに、ベース102は、ハウジング112の上部分と一致してこれに固定された上プレート114を含む。上プレート114は中央孔115を含み、マスト116がこの孔を貫いて延び且つ孔の中を移動する。マスト116は、好ましくは、外径約100mm、長さ20インチのステンレス鋼管で形成された中空円筒体であり、そして約0.08インチの厚さを有する。マスト116について上述した材料及び寸法が変形実施形態では変わってもよいことが理解される。
【0023】
図2を参照すると、マストは、ショルダードライブ120(以下に説明する)の回転部分に着座し、且つこれに固定され、ドライブ120は、ドライブ120及びマスト116をZ軸線に沿って直線的に移動させるためのリニアドライブ122に支持される。特に、リニアドライブ122は、ショルダードライブ120を支持するキャリッジ124と、キャリッジ124を垂直方向に移動させるためのボールねじ126と、ボールねじ126を回転させるためのモータアセンブリー128と、を含む。追加的に、一対のレール127がハウジング112内に取り付けられ、キャリッジはローラー(図示せず)を介してレール127に移動可能に取り付けられている。今、図2及び図3を参照すると、ショルダードライブ120は、マスト116と、マストに固定して取り付けられている近位リンク104と、を回転させるために設けられている。好ましい実施形態では、ショルダードライブ120は、ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置138に結合されたブラシレスモータ137からなる。ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置の内部ウェーブジェネレーター139は、モータ137の出力軸143に結合されている。ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置138は、ほぼ140:1から変形実施形態においてほぼ40:1に、最も好ましくは約50:1に変動する比でモータ137の角速度を減じ、トルク出力を増大させることが考えられる。
【0024】
マスト116は、好ましい実施形態ではショルダードライブの最外部分である、ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置138の出力スプライン145に連結される。ショルダードライブは、キャリッジ124とモータ137を収容する定置モーターハウジング149との両方に固定して取りつけられた環状のアダプタープレート147を介してキャリッジ124によって支持されている。好ましい実施形態では、ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置138の回転出力スプライン145は、出力スプライン145を取り囲み、出力スプライン145とキャリッジ124との間に取り付けられた大きなクロスローラー軸受(図示せず)によってキャリッジ124内に回転支持されている。
【0025】
今、図4及び図5を参照すると、エルボドライブ150が、リンク104の取付ハブ144の内部に取り付けられ、且つマスト116の内部の中へぶら下がる。特に、モータ支持プレート152が、エルボドライブ150を取り付ける取付ハブ144の底部分に取り付けられる。エルボドライブ150は、ショルダードライブ120と構造上及び作動上類似しており、上で論じた各々の付随した利点を含む。特に、エルボドライブ150は、好ましくはハーモニックドライブ(登録商標)減速装置156に結合されたブラシレスモータ154を含む。ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置の内部ウェーブジェネレーターは、モータ154の出力に結合されている。ドライブ150の速度及びトルク減少は、変形実施形態では、約140:1から約40:1に変化し、最も好ましくは約50:1であり、それによって、大変力強く、滑らかで正確な出力回転を生ずる。
【0026】
ハーモニックドライブ(登録商標)減速装置156からの出力スプラインは、モータ支持プレート152の孔を貫いて上方に延びる駆動ボス161に固定されている。プーリー162が駆動ボス161に固定されている。プーリー162がストラップ198,200を介して遠位リンク106に結合されているので、エルボドライブ150によるプーリー162の回転によって望み通りに遠位リンク106を回転させる。
【0027】
近位及び遠位のリンクを互いに回転的に取り付けるための種々の形態が考えられることがわかる。図4及び図5を参照すると、好ましい実施形態では、近位リンク104の取付ハブ146が、取付ハブ146の底に固定して取り付けられ且つそこから上方に延びる環状のボス177を含むのがよい。下プーリー179が、ボス177と下プーリー179との間に取り付けられた大きなクロスローラー軸受184によってボス177のまわりに回転自在に取り付けられるのがよい。下プーリー179は、遠位リンク106に固定して取り付けられているので、エルボドライブ150による下プーリー179の回転によって遠位リンク106の回転を生じさせる。クロスローラー軸受184は半径方向及び軸線方向の安定性をもたらし、近位リンクに関して遠位リンクの回転軸線のいかなる傾きをも防止する。好ましくは、環状シール186が、ガス或いは液体が外部環境から近位リンクと遠位リンクとの間に侵入するのを防ぐように近位リンクと遠位リンクとの間に設けられている。
【0028】
今、エルボドライブ150による遠位リンク106の回転を図4及び図5に関して説明する。第1ストラップ198及び第2ストラップ200は、一端がエルボドライブ150のプーリー162に固定され、反対側の端が取付ハブ146の下プーリー179のまわりに固定されている。それぞれのストラップ198,200は、重ならない異なる水平平面内にあり、且つプーリーがストラップをプーリーのまわりから完全に巻きほどくことなくどちらの方向でも約160°回転することができるように、それぞれのプーリー162,179のまわりに巻かれる。プーリーがいずれの方向にも回転する角度は、その角度が180°にほぼ等しいか又はそれ以下であれば、変形実施形態では、160°より大きくても少なくてもよいことが理解される。さらに、好ましい実施形態では、ストラップは金属であるけれども、変形実施形態では他の材料で作られてもよい。このような材料は、ケブラー(登録商標)やナイロン(登録商標)のような合成ポリマーを含む。
【0029】
プーリー162の第1方向の回転によって、例えばストラップ198の一方に引張りが加えられて、下プーリー、その結果そのプーリーに固定された遠位リンクが第1方向に回転する。このことが起こるとき、ストラップ200は緊張状態のままであり、所望のリンク回転し過ぎを防ぎ、整定時間(すなわち、リンクの振動が安定するのにかかる時間)を、たとえかかったとしても、最小にする。同様に、駆動プーリーの反対方向の回転によって、例えばストラップ200に引張りが加えられ、下プーリー及び遠位リンクが反対方向に回転する。このことが起こるとき、再びストラップ198は緊張状態下にあり、所望のリンク回転し過ぎを防ぎ、整定時間を、たとえかかったとしても、最小にする。
【0030】
エンドエフェクター108は、近位リンクに取り付けられた端と反対側の遠位リンク106の端に回転的に取り付けられる。遠位リンクの近位リンクへの回転的に取付に関し、エンドエフェクター108を遠位リンク106に回転的に取り付けるための種々の形態が考えられることが理解される。好ましい実施形態では、以下に示すようなものは除き、エンドエフェクターは、遠位リンクが近位リンクに回転的に取り付けられる方法とほぼ同じ方法で遠位リンクに回転的に取り付けられる。遠位リンクを近位リンクに取り付けるための形態は、変形実施形態においてエンドエフェクターを遠位リンクに取り付けるための形態と異なってもよいことが理解される。
【0031】
好ましい実施形態では、エンドエフェクター108は、遠位リンク106の取付ハブ178に回転的に取付られたエンドエフェクター取付プレート206にエンドエフェクター108を固定することによって、遠位リンクに回転的に取付られるのがよい。プレート206を取付ハブ178に回転的に取付るために、遠位リンク106の取付ハブ178は、取付ハブ178の下部に固定して取り付けられ且つそこから上方に延びる環状のボス207を含むのがよい。プーリー208は、ボス207とプーリー208との間に取り付けられた大きなクロスローラー軸受209によってボス207のまわりに回転的に取付られるのがよい。エンドエフェクター取付プレートは、プーリー208と一緒に回転するようにプーリー208の上面に固定して取り付けられる。好ましくは、環状シール210が遠位リンク106とエンドエフェクター108との間に設けられ、外部環境からのガス又は液体がこれらの構成部品の間に侵入するのを防ぎ、且つロボットの動作によって生じた粒子がロボットを取り囲む環境に漏れ出るのを防ぐ。
【0032】
トルクを遠位リンクからエンドエフェクターに伝達するために、上プーリー214が近位リンク104の取付ハブ146のボス177に固定して取り付けられ、且つ遠位リンク106の取付ハブ176に位置するように上方に延びる。上プーリーはボスと一緒に回転するように拘束され、このボスは近位リンクの遠位端に固定して取り付けられる。
【0033】
エンドエフェクター取付プレート206とエンドエフェクター108を回転させるために、第1及び第2スチールストラップ216,218は、一端が上プーリー214に固定され、反対側の端がプーリー208のまわりに固定される。ストラップ216,218の端はプーリー214,208に固定され、上プーリー214の遠位リンク106に対する回転時にストラップがすべるのを防ぐ(前に指摘したように、プーリー214は近位リンク104に固定して取り付けられ、プーリー214は近位リンク104の回転時に回転する。)。それぞれのストラップ216,218は構造的に類似しており、上述したストラップ198,200と同様な方法で作動し、エンドエフェクター108は遠位リンク106の回転時に回転する。
【0034】
前に指摘したように、エンドエフェクターを操作するための上述した構成部品は、周知の構造のものでもよいし、変形実施形態では、種々の他の形態からなってもよい。
【0035】
今、図6及び図7を参照すると、本発明にしたがって、エンドエフェクター108は下パドル250と、上パドル252と、を含み、パドルは互いに回転することができる。下パドル250は、上述したような遠位リンクの回転時に取付プレート206と一緒に回転するように取付プレート206に固定して取り付けられる。ねじ249(1つのみ図示)が、パドル250をプレート206に固定するために、下パドルベース251の下面を貫き、プレート206の中に延びる。下パドル250は、さらに、ベース251から延びる後部延長部253をさらに含み、後述するように上パドルドライブアセンブリーを支持するための支持ポスト282がこの延長部に取り付けられる。
【0036】
さらに、下パドル250は、加工物を支持し且つ移送するための、ブラケット261の上面に取り付けられたほぼ平面のブレード260を含む。ブレード260は、搬送中加工物をブレード260でしっかりと支持するためにブレード260の表面に低圧力を連通させるための真空口268を含むのがよい。真空源(図示せず)からの真空ライン(図示せず)がロボットにねじ込まれ、且つブレード260の上面に低圧力を発生させるために真空口268に結合されるのがよい。
【0037】
ブレード260は、ほぼ「U」形端部264を構成する一対のフィンガー262をさらに含む。下ブレード260のフィンガー262の形態と配向によって、ブレードは、軸線が下パドル250の長手方向の主軸線とほぼ平行である軸線266に沿って移動しながら加工物を獲得する。さらに、フィンガー262により、パドル250で支持される加工物の重心をパドル端部から内方に位置決めさせてから、真空口268を通して発生させた低い圧力が止まった場合に、加工物がパドル250で定置的に支持されたままになる。
【0038】
カバープレート254が取付ねじ256及びジャッキねじ257によって下パドルベース251に固定される。カバープレート254の平面は、各ジャッキねじ257を回転させながら調整するのがよく、カバープレートの適当な平面が確立されるとき、取付ねじ256はカバープレート254をベース251に固定するために所望な位置に締め付けられる。さらに、カバープレート254は、クロスローラー軸受269の定置部分が固定して取り付けられる開口部を含む。上パドル252が軸受269の回転部分に固定して取り付けられ、かくして上パドル252が下パドル250に関して回転することができる。水準ねじ257は、カバープレート254、軸受269、及び上パドル252の平面の調節によって上下パドルが平行な水平平面内で回転するようにする。
【0039】
上パドル252が、加工物を支持し、且つ移送するための、ブラケット272の下面に取り付けられたほぼ平らなブレード270を含む。ブレード270は、移送中加工物をしっかりと支持するように低い圧力をブレード270の表面に連通させるための真空口282を含むのがよい。上で論じた真空ラインは、軸受269を貫いて延びる真空取付具271に結合されるのがよく、結合手段(図示せず)は、低い圧力をブレード270の表面に生じさせるように、低い圧力を真空口282に連通させる。
【0040】
さらに、ブレード270は、ほぼ「C」形の端部278を互いに構成する第1の細長いフィンガー274と、第2の短いフィンガー276と、を含む。ブレード270のフィンガー274,276の形態及び配向により、ブレードは上パドル252の長手方向主軸線と実質的に平行ではない軸線280に沿って移動しながら加工物を獲得することができる。さらに、フィンガー274,276によって、パドル252で支持された加工物の重心がパドルの端部から内方に位置し、加工物は、真空口282を通して生じさせた低い圧力が止まった場合に、パドル252上に定置的に支持されたままになる。
【0041】
加工物を支持するカセットは、予め定められた空間、又はピッチで加工物を互いに支持する棚を含む。このピッチはSEMIによって定められ、使用されるカセットの大きさに応じて変わる。ブラケット261及び272は、好ましくはロボット100が作動するカセット内の加工物のピッチに等しい上下支持部分260,270の間にスペースを構成する。かくして、以下により詳細に説明するように、上下パドルは一対の加工物を隣接した棚から加工物カセットに同時に抜き取るのがよい。
【0042】
上で指摘したように、取付ポスト282がベース251の後部分253に固定される。取付ポスト282が、開口部286に取り付けられた上パドルドライブアセンブリー284を支持するために設けられている。ドライブアセンブリー284は、開口部286に圧入されてもよいし、及び又はねじ又は他の締結具によって開口部286に固定されてもよい。取付ポスト282は、取付ポスト282及びドライブ284が下パドル250と一緒に回転するように、ねじ288によって下パドル250に固定して取り付けられる。
【0043】
好ましい実施形態では、ドライブ284は上述したショルダードライブ120及びエルボドライブ150と同一である。ドライブ284は、好ましくは、出力スプライン290を含むハーモニックドライブ(登録商標)に結合されたブラシレスモータを含む。ドライブ284の速度及びトルクの減少は、変形実施形態では約140:1から約40:1に変動し、最も好ましくは約50:1であり、出力スプラインのたいへん力強く、滑らかで、且つ精密な出力回転を生ずる。
【0044】
出力スプライン290は、上パドル252に固定して取り付けられたクランプ292に固定される。特に、出力スプライン290はクランプの開口部294に嵌まるのがよく、一対のセットねじ296は、上パドル252をドライブ284に固定するためにプレートを貫いてクランプに締め付けられるのがよい。電気コネクター298によってコントローラーから適当な信号を受信するとき、ドライブ284は上パドル252を下パドル250に関して広い動作範囲にわたって回転させることができる。本発明の一実施形態では、上パドルは下パドルの真上の位置から±145°だけ回転するのがよい。上パドルの下パドルに関する回転範囲は、変形実施形態では上述した範囲よりも少なくても多くてもよいことが理解される。
【0045】
好ましい実施形態では、取付ポスト282は在来の分解光センサーである光学センサー300をさらに含む。上パドル252は、直線の縁303を有する半円遮光板302をさらに含む。遮光板302は上パドル252に固定して取り付けられ、且つこれと一緒に回転し、センサー300の送信機と受信機との間のスペース内で送信機から受信機へ伝達される光線を遮断できるように回転する。
【0046】
上パドルの下パドルに関する回転中、センサーは下パドル上の上パドルの「ホーム」位置、すなわち、上パドルが下パドルの真上に並ぶ位置の決定を可能にするように、遮光板302の直線の縁303を検出する。特に、コントローラーは、光線が遮断されているかどうかに基づいて、上パドルを右回りに回転させるか左回りに回転させるかを初めに決定することができる。例えば、上パドルが図6に示す下パドルに関して右回りに回転した位置にある場合、光線は遮断され、コントローラーに、上パドルが右回りに回転した位置にあり、上パドルをホーム位置に位置決めするように上パドルは左回りの方向に回転しなければならないことを指示する。
【0047】
左回転中のある点では、遮光板302の直線の縁303はセンサー300の下を通過し、次いで光線はセンサー受信機で受信される。逆に、例えば、上パドルが図6に示す下パドルに関して左回りに回転した位置にある場合、光線は遮断されず、コントローラーに上パドルが左回りに回転した位置にあり、上パドルをホーム位置に位置決めするように上パドルは右回りの方向に回転しなければならないことを指示する。右回転中のある点では、遮光板302の直線の縁303はセンサー300の下を通過し、光線はセンサー受信機で受信されるのを遮断される。
【0048】
上述した装置によって、センサー300が(遮断されている状態から遮断されていない状態に進むか、その逆に進むかのいずれかの光線によって)状態を変化させるとき、コントローラーは下パドル上の上パドルのホーム位置を識別することができる。このホーム位置は、センサー300が状態を変化させるときの上パドルの位置であるか、センサー300が状態を変化させるときの上パドルの位置からの既知のオフセットであるかのいずれかである。この既知のオフセットは、センサー300が状態を変化させた後にドライブ284のモータを所定数のモータ回転数だけ駆動させることによって行われるのがよい。当業者によって明らかなように、種々の他の周知のセンサー及び装置を、変形実施形態において下パドル250に関する上パドル252のホーム位置を指示する上述した装置に代用してもよい。
【0049】
さらに、プリント回路基板283を取付ポスト282の上面に取り付けるのがよい。基板283は、ドライブ284とコントローラー108との間の電気接続用の接合部を提供するための電気端末を含むのがよい。さらに、基板283はセンサー300からの信号を制御し、及び又は伝達するのがよい。
【0050】
ドライブ284はカバー304内に収容され、カバー304は取付ポスト282の上面に取り付けられて、ドライブ284及びドライブ284によってカバー304内に生じた粒子を隔離する。図示していないけれども、連続的な真空源が、カバー304内の粒子が周囲環境に逃げ出すのを防ぐために、カバー304内に低い圧力を生じさせるようにカバー304に接続されるのがよい。
【0051】
複式パドルエンドエフェクター108は、例えば図8乃至図12に示すウェーハソーター内でのような、加工物の並列加工を可能とする。図8はソーターの正面斜視図であり、図9はソーターの一部分を明瞭にするために省略した背面斜視図であり、図10乃至図12は異なる位置のロボット100を示すソーターの内部の平面図である。本発明によるロボット100に加えて、ウェーハソーター350は、一対のアライナ352a,352bと、複数のロードポートアセンブリー354(図9で省略)と、コントローラー356と、グラフィカルユーザーインターフェイス(GDI)357と、を含む。ウェーハソーター350は、ロボット100が並列加工物加工を行うために使用される多くの可能な実施形態のうちの一つである。
【0052】
ロードポートアセンブリー354は、出願が本出願の所有者に譲渡され、ここにそっくりそのまま援用される、例えば「ロードポートオープナー」と題する米国特許出願第08/730,643号に開示されているような在来の設計のものであるのがよい。アセンブリー354は、一般的には、SMIFポッド又はバーカセットのようなコンテナを受け入れ、(コンテナが用意されるとき)カセットをコンテナから分離し、加工物のロボットによる移送のためロボット100にカセットを与えるために設けられている。それぞれが1つ又は2つ以上のロードポートアセンブリーを含むモジュール部分を、以前に援用された出願、「モジュールソーター」と題する米国特許出願に説明されているように一緒に接合してもよいことが理解される。
【0053】
アライナ352a及び352bは在来の設計のものでもよいし、例えば以前に援用された「ウェーハ配向及び読取機構」と題する米国特許出願第09/452,59号(「‘059号出願」)に開示されているような緩衝場所を含んでもよい。アライナ352は、好ましくは互いに同一であるが、一般に加工物の中心及び半径方向の振れを決定し、ノッチ又は他の基準マークの位置を加工物上に配置し、次いで各加工物上に設けられたOCRマーク、或いは他の識別用マークを読み取るために設けられている。アライナ352a,352bはそれぞれ、ベース360内に回転的に取付られたチャック358a,358bを含む。一旦加工物がチャック358に置かれると、チャックはそれぞれの加工物を回転させ、各加工物のノッチの位置を識別し、各加工物の半径方向の振れを決定する。ノッチ位置と半径方向の振れの両方を識別するための周知構造のセンサー362が、各アライナに設けられている。一旦ノッチの位置が加工物で識別されると、加工物を回転させてカメラがOCRマークを読み取ることができるようにOCRマークをビデオカメラ364の下に位置決めする。次いで、各加工物は、以下により詳細に説明するようにエンドエフェクターによって中心で再び獲得され、元のカセット或いは新たなカセットに戻される。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、各アライナ352は、好ましくは、一般にアライナ及び装置の処理量を増大させるために加工物の衝撃を防ぐ緩衝パドル365a,365bをさらに含む。各アライナの緩衝パドル365は、第1加工物が加工されている間、ロボットに第2加工物をアライナまで運ばせ、次いで第2加工物が加工されている間、ロボットに第1加工物をアライナから遠くに運ばせる。かくして、アライナは、ロボットが加工物をアライナに、又アライナから移送する間遊んでおらず、ロボットはアライナが作業を行っている間遊んでいない。アライナ352は変形実施形態において緩衝パドルを含まなくてもよいことが理解される。
【0055】
特に図10乃至図12を参照すると、好ましい実施形態では、複式パドルエンドエフェクター108は以下のような並列加工物処理を可能にする。コントローラー356は、適当な信号をロボットドライブに送信して、エンドエフェクター108をロードポートアセンブリー354の加工物カセットの中へ誘導し、下パドル250は第1加工物400aの下に位置決めされ、上パドルは加工物400aのすぐ上の第2加工物400bの下に位置決めされる。次いで、マスト116は上方に移動し、加工物400a,400bはカセット棚から持ち上げられ、パドル250,252でそれぞれ支持される。次いで、加工物はエンドエフェクター108のカセットから同時に引き出される。
【0056】
2つの加工物をカセットから獲得した後、ロボット100は2つの加工物400a,400bをアライナ252に移送する。特に、エンドエフェクター108は、パドル252をパドル250上のホーム位置にして下パドル250の軸線266が図10に示すようなチャック358aの中心に整列するまで回転する。その後、ドライブ300は、上パドルの軸線280が図11に示すようなチャック358bの中心を通るまで、下パドル250が静止したまま上パドル252を回転させ、すなわち、上パドル252を扇形に広げる。この時点で、軸線266,280は互いに平行又はほぼ平行である。本発明の一実施形態では、上パドル252は下パドルに関して約54°扇形に広がる。この角度は、チャック358a,358bの間のスペースとパドル250,252の長さによって決定される。それぞれのパドル250,252の間の扇形の角度は、チャック358間のスペースの変化及び又はパドル250,252の長さの変化によって変わることが理解される。
【0057】
その後、ロボットは、それぞれの加工物400a,400bが図12に示すようにそれぞれのチャック258a,258b上に配置されるまで、エンドエフェクター108を軸線266,280に沿ってアライナ352に向かって前進させる。軸線266,288が互いに平行、且つエンドエフェクター108の移動方向と平行であるから、パドル250の「U」形端部264とパドル252の「C」形端部278の両方は、それぞれのチャック358を部分的に取り囲むまで、アライナ352に向かって移動する。この相互連動は、パドル250,252とチャック258a,258bの間の加工物の移送を容易にする。
【0058】
好ましい実施形態では、チャック358a,358bは、例えば、チャック358bがチャック358aよりもやや高い位置にあるように、異なる水平平面に配置される。その水平平面間の間隔は、好ましくは、パドル250,252上の加工物間の間隔よりもわずかに小さい。一旦、加工物400a,400bがチャック358上に置かれたら、マスト116がハウジング112の中へ下がり、エンドエフェクター108を降下させる。チャック358a,358bの平面間の垂直方向の間隔がパドル間の間隔よりもわずかに小さいので、加工物400aは、加工物400bが上パドル250からチャック358bに渡される前に、下パドル252からチャック358aに渡される。
【0059】
チャック358a,358bは異なる高さに置かれているので、アライナが加工物の中心を識別し、加工物上のOCRマークを識別した後、それぞれのパドル250,252が両方の加工物を中心で再び獲得する。特に、両方の加工物の中心を知ると、まず、コントローラー356は、パドル252が上方に移動し、加工物400bを中心で再び獲得することができるように、エンドエフェクター108の位置を水平平面内で調節する。次に、加工物400bが上パドル252上にあるとき、コントローラーは、パドル250が上方に移動し、加工物400aを中心で再び獲得することができるように、エンドエフェクター108の位置を水平平面内で再び調節する。変形実施形態では、チャック358a,358bの水平平面間の間隔は、パドルの間隔よりも大きくてもよい。このような実施形態では、まず加工物400b、次いで加工物400aがそれぞれのチャックの上に落とされる。同様に、この変形実施形態では、まず加工物400a、次いで加工物400bがそれぞれのチャックから中心で獲得される。
【0060】
回転し且つ移動するチャックを含むアライナを提供することが知られている。このようなアライナでは、加工物の半径方向の振れが識別された後、チャックは、アライナ自身が加工物をチャック上で心出しするように加工物が独立に支持されながら移動する。このようなアライナは本発明による変形実施形態のロボットと一緒に使用される。このような変形実施形態では、チャック358は、ウェーハが同時にチャックに置かれ、且つチャックから再び獲得されるように、上述したように異なる水平平面に、或いは同じ水平平面に配置されることが理解される。
【0061】
アライナがOCRマークを識別し、パドル250,252が加工物400a,400bを中心で再び獲得した後、上パドル252はホーム位置まで逆回転し、加工物400a,400bは元のカセット又は新しいカセットまで戻される。
【0062】
上で指摘したように、アライナ352a,352bは、加工物がチャック358に着座される間、加工物を緩衝させるための緩衝パドル365a,365bを含むのがよい。加工物を加工物カセットとアライナとの間で移送するためのこのような実施形態の操作は、米国特許出願第09/452,059号に記載されている。しかしながら、米国特許出願第09/452,059号は、単一のエンドエフェクターと単一のアライナとの間で1度に1つの加工物を移送することを説明しているのに対し、本発明は、複式パドルエンドエフェクターと2つの別々のアライナとの間で1度に2つの加工物を移送しながら、米国特許出願第09/452,059号に記載されたステップを行うことができる。
【0063】
このような実施形態では、一組目の加工物400a,400bを上述したようにチャック358a,358bにまず着座させる。次いで、これらの加工物をアライナ352によって加工し、すなわち、加工物を回転させて、それぞれの加工物の半径方向の振れを決定し、且つ加工物上のOCRマークを識別する。最初の組の加工物をチャック358に置いた後、エンドエフェクターは引っ込み、上パドル252はそのホーム位置に戻り、ロボットは二組目の加工物400a,400bを加工物カセットから獲得する。次いで、エンドエフェクターは扇形に広がり、二組目の加工物400a,400bを緩衝パドル365a,365b上に置く。
【0064】
二組目の加工物が緩衝パドルに置かれるときまでに、チャック上の一組目の加工物の加工を完了する。二組目の加工物を緩衝パドルに置いた後、エンドエフェクターは、引っ込み、下がり、再び前進して、一組目の加工物をチャック358から中心で再び獲得する。次いで、エンドエフェクターは引っ込み、上パドル252はそのホーム位置に戻り、次いで、一組目の加工物が元のカセット又は新しいカセットに戻される。上パドルがホーム位置にあるとき、三組目の加工物400a,400bがロボット100によってカセットから獲得される。エンドエフェクターが三組目の加工物を獲得している間、緩衝パドル365は二組目の加工物を加工用のチャックに降ろし、加工が完了したとき、緩衝パドル365は上方に移動して、二組目の加工物をチャック358から持ち上げる。このことが完了するとほぼ同時に、ロボットは三組目の加工物と一緒に戻り、加工物を加工のためにチャック358に置き、引っ込み、上方に移動し、再び前進し、二組目の加工物を緩衝パドル365から中心で獲得する。次いで、エンドエフェクターは引っ込み、上パドル252はホーム位置に戻り、二組目の加工物はカセットに戻される。上パドルがホーム位置にある状態で、四組目の加工物400a,400bが獲得され、加工が再び始まる。
【0065】
複式パドルエンドエフェクターが一組の加工物をカセットから取り出し、2つの加工物を扇状に切り離し、次いでアライナ352に向かって移動することを上で説明した。しかしながら、変形実施形態では、ソーター300の構成部品は、エンドエフェクターが一対の加工物をカセットから取り出し、アライナ352の一方の上に前進し、次いでパドル250,252の加工物を扇状に切り離すように設けられていることが理解される。このような実施形態では、上パドル252の端部のフィンガー274,276が上述したように、直線的に前進するかわりに、一方のチャック258を中心に部分的に回転する。このように、フィンガー274,276は、回転後、チャックに関して加工物の適切な位置決めを可能にするように形成しなければならない。本実施形態により加工が完了した後、パドルは、加工物を緩衝パドル或いはチャックから獲得し、一緒に回転し、次いでアライナから遠ざかって加工物をカセットに戻す。
【0066】
図はアライナ352を互いに間隔を隔てているものとして示す。アライナは、互いに近く交互に置かれ、その結果、アライナで支持された加工物は、少なくとも加工物ノッチ及び各加工物のOCRマークが上から見えるほどに間隔を隔てて互いにほぼ重なり合ってもよいことが理解される。このような実施形態は、米国特許出願第09/452,059号に開示されている。複式パドルエンドエフェクター108は上述したような実施形態で作動するのがよいが、加工物を狭い間隔のアライナに位置決めするように上で開示したよりも小さい角度に扇形に広がってもよい。
【0067】
複式パドルエンドエフェクター108と緩衝パドル365の両方を使用した上述の工程では、2つの加工物は、これ以外の2つの加工物がアライナに、或いはアライナから移動中、4つの加工物について作業が同時に起こっているように加工されるのがよい。このような装置は、1時間当たり600個以上の加工物を加工することができる。これは、在来の設計のロボット及びアライナ装置の処理量の2倍以上である。上で指摘したように、本発明は、変形実施形態では緩衝パドル365なしに作動してもよいことが理解される。このような変形実施形態は、さらに、在来のウェーハソーター装置の場合よりも著しく大きい処理量をもたらす。
【0068】
ロボット100をソーター350内で操作するにあたって、コントローラー356は、ロボット100の動作を制御するために、いわゆる「パスプランニング」アルゴリズムを使用するのがよい。特に、いくつかの従来技術のロボット制御アルゴリズムは、まずロボットアームを所望な方向に回転させ、回転後、エンドエフェクターをロボットの回転軸線から所望の位置まで直線ラインに沿って半径方向に伸ばす。
【0069】
加工物400は(カセットの両側との接触を回避するために)加工物カセットからまっすぐに取り出され、そして、加工物カセットの中へまっすぐに挿入されなければならないので、直線ラインアルゴリズムを採用しているロボットを、ウェーハをカセットの外に、或いはカセットの中へまっすぐに移送するために、カセットの真正面で移動させなければならない。このことを行うためにロボットを水平ドライブトラックに取り付けることが知られている。
【0070】
しかしながら、ロボットがロードポートアセンブリーの真正面に置かれる場合、包囲体の側面をロードポートアセンブリー単独の幅に要求される量よりも大きい量外方に移動させなければならない。これは、ロボットリンク104,106が動くのに十分なクリアランスを必要とし、その必要とされるクリアランスは、ロードポートアセンブリー単独に必要とされるスペースよりも大きい。
【0071】
しかしながら、パスプランニングアルゴリズムの使用によって、ロボット100は、ロードポートアセンブリー354の真正面に置くことなく、X−Yデカルト平面内で、特にロードポートアセンブリー354の中へ及びその外にまっすぐ移動することができる。このことは、ロボットの半径R(すなわち、ロボットの回転軸線からのエンドエフェクターの距離)をロボットの角度θ(すなわち、基準軸線に関するエンドエフェクターの回転位置)と一緒に調整することによって行われる。特に、近位リンクが、エンドエフェクターが移動するのと同時に回転するようにロボット運動を調整することによって、エンドエフェクターの端部を、ロボットの回転軸線を通らない直線ラインで移動するように制御することができる。
【0072】
さらに、加工物カセットをロボット100に向かって支持する支持プレートの回動は、ロボットをカセットの真正面に位置決めする必要がなく、カセットとロボットエンドエフェクターとの間での加工物の移送を容易にする。このようなカセット支持プレートの回動は当業者には周知である。しかしながら、変形実施形態では、ロボット100は、エンドエフェクターの端部がロボットの中心から半径に沿ってのみ移動する場合、直線ラインロボット移動アルゴリズムにより作動してもよいことが理解される。
【0073】
ソーター350内でのロボット100の上述した使用は、本発明の多くの使用法のうちの1つである。さらなる変形実施形態では、本発明は、加工物を2つ又は3つ以上のカセットの間で、1度に1組の加工物を移送するようにソーター内で使用されてもよい。この実施形態では、エンドエフェクター108は上述のように1組の加工物を抜き取るために第1のカセットの中へ伸びる。次いで、エンドエフェクターは第2のカセットに移動し、そのカセットの中に入り、下方に下がり、2つの加工物を1組の隣接したカセット棚の上に置く。この実施形態では、上パドル252は完全移送作業中、ホーム位置にとどまっているのがよい。
【0074】
さらに、本発明によるロボットは、ウェーハソーター以外のツールに使用されてもよい。例えば、ロボット100はウェーハに集積回路を形成するための加工ツール内、或いは加工ツールの正面に取り付けられるのがよい。この実施形態では、ロボット100は、加工ツールに装入されたカセットと、加工中ウェーハを支持するための、加工ツール内のチャックとの間でウェーハを1度に1組移送するのがよい。
【0075】
上述のように、上パドルと下パドルとの間の間隔は、好ましくは、加工物をカセットから獲得し、ほぼ同時にカセットに逆移送するように、加工物カセット内の加工物間のピッチと等しい。しかしながら、変形実施形態では、エンドエフェクター108の上パドル250と下パドル252との間の間隔は、カセット内の棚同士のピッチよりもわずかに小さくてもよいことが理解される。この実施形態によって、加工物を加工物カセットから獲得し、及び又は加工物を異なるときに加工物カセットに逆移送する。この実施形態では、加工物獲得中、エンドエフェクターは、まず時間t1で上方に移動し加工物400aを下パドル250で獲得し、その後時間t2で上パドル252が第2加工物400bを獲得する。
【0076】
同様に、この実施形態によって加工物を元に戻しているとき、エンドエフェクターは下方に移動し、時間t1で加工物400bを上パドル252から預かり、その後時間t2で加工物400aを下パドル250から預かる。1度に2つの加工物をエンドエフェクターとカセットとの間で移送させる以外に、この実施形態により、2つの加工物をエンドエフェクターから2つの別々のカセットに、或いは2つの別々のカセットからエンドエフェクターに移送することが可能である。好ましい実施形態では、カセット内の加工物は、例えば当該技術で知られているようなロードポートアセンブリーによってマップされ、エンドエフェクター108及び又はそれで支持された加工物は、カセットの加工物とエンドエフェクター108又はそれで支持された加工物との間の偶発的な接触を回避する。
【0077】
本発明のさらなる変形実施形態では、エンドエフェクター108は在来の加工物取扱いロボットによって行われるように、単一の加工物をカセットから取り出し、加工物をアライナ、他のカセット、又は他の指定部に移送するように使用されるのがよい。本実施形態では、上パドル252は、ロボット100が加工物の所望の搬送を行うために運動範囲を超えて回転するときに、上パドル252がじゃまにならず、ぶつからない待機位置まで回転されるのがよい。例えば、半導体ウェーハカセットは一般的に25個のウェーハを含む。最初の24個が1グループ2つからなる12個のグループにして加工された後、25個目の最後のウェーハは、パドル252が待機位置まで回転した状態で、単一のパドル250によってアクセスされるのがよい。この待機位置は、変形実施形態では、ロボット100が使用される装置の特定の形態に応じて変わり、そして、その待機位置は、ロボットを装置内に形成する際に技術者によって経験的に決定されるのがよい。本発明のこの特徴は、本発明が複式パドルエンドエフェクターとして作動するばかりでなく、本発明が作動するのに、製造業者の特定の要求に応じて複式パドルか単一のパドルのいずれかのエンドエフェクターにも順応できるという重要な利点を提供している。
【0078】
これまで説明した実施形態では、エンドエフェクター108は互いに扇形に広がることのできる一組のパドルを含む。しかしながら、さらなる変形実施形態では、エンドエフェクター108が3つのパドルを含んでもよいことが考えられる。
【0079】
このような実施形態では、上述したパドル250のような、エンドエフェクターの定置パドルと、上述したパドル252のような、第1パドルに関して第1方向に扇形に広がることのできる1つのパドルと、第1パドルに関して第1方向と反対方向の第2方向に扇形に広がることのできる第3パドルと、がある。第3パドルは上述した上下パドル250,252と同一であるのがよい。第2の独立ドライブシステムは、パドル252を回転させるための上述したドライブシステム284以外に第3パドルを回転させるようにするのがよい。上述した2つのパドルの実施形態では、ドライブ284はパドル252の回転軸線と同軸である。3つのパドルの実施形態では、2つの独立のドライブを回転軸線が同軸となるように上下に取り付けてもよいし、ドライブを並べて取り付けて、ドライブからの出力トルクをギヤーやベルト機構のようなトルク伝達装置によって個々のパドルに伝達させてもよい。各パドルは、互いに所望の間隔を備えた3つのパドルのブレードを位置決めするための上述したようなブラケットを含むのがよい。好ましい実施形態ではこの間隔はウェーハカセットのウェーハ間のピッチ、或いはウェーハピッチよりもわずかに小さいピッチに等しいのがよい。3つのパドルを含む実施形態は、カセット間、或いはカセットと3つのアライナ352のような3つの別々の作業位置との間で一度に3個の加工物を移送するように作動するのがよい。
【0080】
この実施形態では、1つ又は2つのいずれかのパドルが所定の移送作業中、上述したような待機位置に移動されるのがよいことが考えられる。本発明のさらなる変形実施形態では、エンドエフェクター108は、それぞれがエンドエフェクターに回転可能に取り付けられている2つのパドルを含む。このような実施形態では、2つの独立したドライブを、3つのパドルを含む実施形態の上述したようなエンドエフェクター108に取り付けるのがよい。変形例として、それぞれのパドルを独立に回転させるために単一のモータを使用してもよい。この実施形態は、例えば図13及び図14に示される。図13及び図14に示す実施形態によれば、パドル370,372は、各パドルの近位端(すなわち、加工物を支持する端部と反対側のパドルの端部)の付近にそれぞれ形成された弓形のスロット374,376を含むのがよい。スロット374,376は、好ましくは、回転軸線から共通な半径rに沿って設けられ、そして、スロット374,376は、スロット374の端部380に、又スロット376の端部382に位置するわずかな重なり部分378でのみパドルを整合させたとき、遠近法で上から重なり合うように互いに曲げられている。
【0081】
図13及び図14に示す実施形態は、上述したドライブアセンブリー284のようなドライブアセンブリーの出力スプラインに取り付けられたカム384をさらに含む。カムはドライブアセンブリー284及びカム384の回転軸線から半径rのところに設けられた偏心ピン386を含む。偏心ピン386は下方に延び、パドルが互いに整合するときに各スロット374,376及び重複部分378に嵌まる。
【0082】
電流が第1方向のドライブアセンブリーのモータに流れるとき、出力スプラインはカム384を第1方向、例えば右回りに回転させる。カム384の右回転時に、偏心ピンはスロット374の端部380に係合してパドル370を右回りに駆動する。しかしながら、カムの右回りの回転により偏心ピンがスロット376内で単に自由に動き、パドル372は待機位置に留まる。一方、電流が第1方向と反対の第2方向にドライブアセンブリーのモータに流れるとき、出力スプラインはカム384を第2方向、例えば、上の例で左回りに回転させる。カム384の左回転時に、偏心ピンはスロット376の端部382に係合してパドル372を左回りに駆動する。しかしながら、カムの左回転により偏心ピンをスロット374内で単に自由に動かし、パドル370は待機位置に留まる。両方のパドルは、カム384によって作動されないとき待機位置に留まるようにそれぞれのばね(図示せず)によって付勢されるのがよい。さらに、パドルがばねの付勢力により待機位置を通過して移動するのを防ぐためにそれぞれのパドルに係合する停止体が設けられている。
【0083】
さらに、この実施形態により、どちらかのパドルは、一方のパドルが加工物にアクセスするように使用されている間、待機位置に移動されてもよいという点で、本発明によって行われる自由度が増す。かくして、下パドルの加工物にアクセスしたいが、上パドルを加工物カセットの中に挿入する場所がない場合、上パドルを待機位置まで回転させるのがよい。同様に、上パドルの加工物にアクセスしたいが、下パドルを加工物カセットの中に挿入する場所がない場合、下パドルを待機位置まで回転させるのがよい。
【0084】
さらに、多数の加工物を支持するための多数の叉を有するエンドエフェクターを提供することが知られている。このようなエンドエフェクターは、特許権がPRIオートメーション株式会社に譲渡され、この特許がそっくりそのまま援用された「直線ラインウェーハ移送装置」と題する米国特許第5,647,718号に開示されている。本発明のさらなる変形実施形態では、2つのパドル形態や3つのパドル形態のいずれのパドルも、加工物を支持することができる複数の叉を含む。各パドルの叉及び異なるパドルの隣接した叉は、好ましくはそれぞれが互いに同じ量だけ間隔を隔てている。この間隔は、好ましくは、加工物カセット内の加工物のピッチに等しいか、又は加工物のピッチよりもわずかに小さい。
【0085】
この実施形態によれば、エンドエフェクター108は複数の加工物をカセット間で一度に移送するように作動するのがよい。組み合されたパドルの叉の数は、カセット内の加工物スロットの数、例えば25個がよく、エンドエフェクターは1つのカセットのすべての中身を(受け入れ用のカセットが、加工物を受け入れる位置で加工物がないようにするために、適当なマッピング作業が行われる)他のカセットに移送できる。変形例として、複数の加工物を上述したようなカセットから移送してもよく、次いでパドルは、複数の加工物のサブグループを2つ又は3つの別々のカセット又は作業位置同士の間で移送するように扇形に広がる。(2つ又は3つのパドル形態)のうちの1つのパドル又は(3つのパドル形態)のうちの2つのパドルを、所定の移送作業中、上述したような待機位置に移動するのがよいことが理解される。
【0086】
本発明をここに詳細に説明してきたけれども、本発明はここに開示した実施形態に限定されないことを理解すべきである。種々の変更、代用、及び修正が、添付した特許請求の範囲によって記載され、且つ定められたような発明の精神又は範囲から逸脱することなく当業者によってなされる。
【符号の説明】
【0087】
100 ロボット
102 ベース
104 近位リンク
106 遠位リンク
108 エンドエフェクター
250 下パドル
252 上パドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加工物を同時に支持することができる加工物トランスファロボットであって、
ベースと、
該ベースに関して回転可能な第1リンクと、
該第1リンクに関して回転可能な第2リンクと、
該第2リンクに関して回転可能なエンドエフェクターと、
を有し、該エンドエフェクターは複数の加工物のうちの第1加工物を支持することができる第1パドルと、複数の加工物のうちの第2加工物を支持することができる第2パドルと、を含み、前記第1パドルは前記第2パドルに関して回転可能であることを特徴とする加工物トランスファロボット。
【請求項2】
前記第1及び第2パドルは共通の回転軸線を有する、請求項1に記載の加工物トランスファロボット。
【請求項3】
前記第1パドルは前記エンドエフェクターに固定して取り付けられ、前記第2パドルは回転可能である、請求項1に記載の加工物トランスファロボット。
【請求項4】
前記第1パドルは回転可能であり、前記第2パドルは回転可能である、請求項1に記載の加工物トランスファロボット。
【請求項5】
前記第1パドル及び第2パドルのうちの少なくとも1つに関して回転可能な、前記エンドエフェクターに取り付けられた第3パドルをさらに有する、請求項1に記載の加工物トランスファロボット。
【請求項6】
複数の加工物を同時に支持することができる加工物トランスファロボット用エンドエフェクターであって、
ベースを含む第1加工物支持パドルと、
前記ベースに回転可能に取り付けられた第2加工物支持パドルと、
前記ベースで支持され、前記第2加工物支持パドルを前記第1加工物支持パドルに関して回転させるための、前記第2加工物支持パドルに固定された出力軸を含むドライブアセンブリーと、を有するエンドエフェクター。
【請求項7】
前記ベースはカバープレートを含み、前記第2加工物支持パドルは前記カバープレートに回転可能に取り付けられている、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項8】
前記カバープレートを前記ベースに固定するための締結具をさらに有し、該締結具は前記カバープレート及び前記第2加工物支持パドルの前記ベース及び前記第1加工物支持パドルに関する平面度を調節することができる、請求項7に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項9】
前記第1加工物支持パドルと前記第2加工物支持パドルとの間の間隔が、エンドエフェクターが第1及び第2加工物を獲得するカセットの第1加工物と第2加工物との間の間隔にほぼ等しい、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項10】
前記第2加工物支持パドルが前記第1加工物支持パドルの真上に整列するとき、前記ベースに関して固定して取り付けられた検出用センサーをさらに有する、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項11】
前記第1加工物の搬送中、第1加工物を前記第1加工物支持台に固定するための、前記第1加工物支持台の表面に通じた低圧力をさらに有する、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項12】
前記第2加工物の搬送中、第2加工物を前記第2加工物支持台に固定するための、前記第2加工物支持台の表面に通じた低圧力をさらに有する、請求項11に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項13】
前記ドライブアセンブリーは第1ドライブアセンブリーからなり、さらに、前記エンドエフェクターは、前記第1加工物支持パドルを前記第2加工物支持パドルに関して回転させるための第2ドライブアセンブリーからなる、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項14】
前記ドライブアセンブリーは前記第2加工物支持パドルを回転させることができる、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項15】
前記ドライブアセンブリーは、前記第1加工物支持パドル及び前記第2加工物支持パドルを回転させることができる、請求項6に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項16】
ロボットが加工物を1組の支持面と2組の支持面との間で移送することができ、エンドエフェクターが、
少なくとも第1加工物を1組の支持面のうちの1つの支持面と2組の支持面のうちの1つの支持面との間で移送するための少なくとも第1加工物支持パドルと、少なくとも第2加工物を1組の支持面のうちの1つの支持面と2組の支持面のうちの1つの支持面との間で移送するための少なくとも第2加工物支持パドルと、を有し、前記少なくとも第2加工物支持パドルは前記少なくとも第1加工物支持パドルに関して移動可能である、加工物トランスファロボット用のエンドエフェクターにおいて、
前記少なくとも第1支持パドル及び前記少なくとも第2支持パドルは、前記少なくとも第1加工物及び前記少なくとも第2加工物を前記1組の支持面からほぼ同時に移送可能である、加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項17】
ロボットが加工物を1組の支持面と2組の支持面との間で移送することができ、エンドエフェクターが
少なくとも第1加工物を1組の支持面のうちの1つの支持面と2組の支持面のうちの1つの支持面との間で移送するための少なくとも第1加工物支持パドルと、
少なくとも第2加工物を1組の支持面のうちの1つの支持面と前記2組の支持面のうちの1つの支持面との間で移送するための少なくとも第2加工物支持パドルと、を有し、前記少なくとも第2加工物支持パドルは前記少なくとも第1加工物支持パドルに関して移動可能である、加工物トランスファロボット用エンドエフェクターにおいて、
前記少なくとも第1支持パドル及び前記少なくとも第2支持パドルは、前記少なくとも第1加工物及び前記少なくとも第2加工物を前記2組の支持面にほぼ同時に移送可能である、加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項18】
前記少なくとも第1加工物支持パドル及び前記少なくとも第2加工物支持パドルは互いに扇形に広がることができる、請求項17に記載の加工物トランスファロボット用エンドエフェクター。
【請求項19】
互いに回転可能な第1及び第2加工物支持パドルを含む加工物トランスファロボットで加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法であって、
(a)第1加工物を第1支持パドルで獲得し、第1及び第2パドルをほぼ上下に整列させる工程と、
(b)第2加工物を第2支持パドルで獲得し、第1及び第2パドルをほぼ上下に整列させる工程と、
(c)第1及び第2支持パドルを互いに扇形に広げる工程と、
(d)第1加工物を第1支持面に移送する工程と、
(e)第2加工物を第2支持面に移送する工程と、を有する方法。
【請求項20】
第1加工物を獲得する前記工程(a)と第2加工物を獲得する前記工程(b)はほぼ同時に行われる、請求項19に記載の加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法。
【請求項21】
第1及び第2支持パドルは、第2加工物を第2支持パドルで獲得する前記工程(b)と第2加工物を第2支持面に移送する前記工程(e)との間ほぼ上下に整列している、請求項19に記載の加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法。
【請求項22】
第1加工物を第1支持パドルで第1支持面から再び獲得し、第1及び第2支持パドルを互いに扇形に開く工程(f)と、第2加工物を第2支持パドルで第2支持面から再び獲得し、第1及び第2支持パドルを互いに扇形に開く工程(g)と、をさらに有する、請求項19に記載の加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法。
【請求項23】
第1加工物を第1支持パドルで再び獲得する前記工程(f)は、第2加工物を第2支持パドルで再び獲得する前記工程(g)と異なるときに行われる、請求項22に記載の加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法。
【請求項24】
前記工程(f)で第1加工物を第1支持パドルの中心で再び獲得し、前記工程(g)で第2加工物を第2支持パドルの中心で再び獲得する、請求項22に記載の加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法。
【請求項25】
第2加工物を第2支持パドルで再び獲得する前記工程(g)の後、第1及び第2支持パドルを第1及び第2支持パドルがほぼ上下に整列するまで回転させる工程(h)をさらに有する、請求項22に記載の加工物をコンテナと1組の加工物用支持面との間で移送する方法。
【請求項26】
第1及び第2加工物支持パドルを含むエンドエフェクターで加工物を加工ツール内のコンテナと第1及び第2支持面との間で移送する工程を含み、第1支持面は第1緩衝場所を有し、第2支持面は第2緩衝場所を有する、加工物を加工するための方法であって、
(a)第1及び第2加工物を第1及び第2加工物支持パドルのコンテナから獲得し、第1及び第2加工物支持パドルをほぼ上下に整列させる工程と、
(b)第1及び第2加工物支持パドルの第1及び第2加工物を第1及び第2支持面に移送する工程と、
(c)前記第1及び第2加工物を加工する工程と、
(d)前記加工工程(c)中、第3及び第4加工物を第1及び第2加工物支持パドルのコンテナから獲得し、第1及び第2加工物支持パドルをほぼ上下に整列させる工程と、
(e)第1及び第2加工物支持パドルの第3及び第4加工物を第1及び第2緩衝場所に移送する工程と、
(f)第1及び第2加工物を第1及び第2支持面から前記第1及び第2加工物支持パドルで獲得する工程と、
(g)第3及び第4加工物を第1及び第2支持面に移送する工程と、
(h)第3及び第4加工物を加工する工程と、
(i)前記加工工程(h)中、第1及び第2加工物を第1及び第2加工物支持パドルのコンテナに再び移送する工程と、を有する加工物を加工するための方法。
【請求項27】
前記加工工程(h)の後、前記第3及び第4加工物を前記第1及び第2緩衝場所に移送する工程(j)をさらに有する、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。
【請求項28】
前記工程(a)で第1及び第2加工物を前記第1及び第2加工物支持パドルで獲得することをほぼ同時に行う、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。
【請求項29】
前記工程(b)で第1及び第2加工物を第1及び第2支持台に移送することはほぼ同時に起こる、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。
【請求項30】
前記工程(d)で第3及び第4加工物を前記第1及び第2加工物支持パドルで獲得することはほぼ同時に起こる、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。
【請求項31】
前記工程(e)で第3及び第4加工物を第1及び第2緩衝場所に移送することはほぼ同時に起こる、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。
【請求項32】
前記工程(f)で第1及び第2加工物を前記第1及び第2加工物支持パドルで獲得することはほぼ同時に起こる、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。
【請求項33】
前記工程(g)で第1及び第2加工物を前記第1及び第2加工物支持パドルに移送することはほぼ同時に起こる、請求項26に記載の加工物を加工するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−235177(P2012−235177A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197718(P2012−197718)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2001−576362(P2001−576362)の分割
【原出願日】平成13年4月10日(2001.4.10)
【出願人】(510242325)クロッシング オートメーション インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】