説明

加工装置および加工方法

【課題】より複雑な形状を、より精度良く、かつより速く成形する。
【解決手段】射出成形部21は、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出することによって、半製品を成形する。可動金型に設けられた入れ子は、射出成形された半製品を可動金型から離型させることなく可動金型に保持する。NC加工部23は、入れ子によって可動金型に保持されている半製品に第2次加工を施す。搬送部22は、入れ子によって半製品が保持されている可動金型を、射出成形部21からNC加工部23に搬送する。本発明は、例えば、樹脂の成形に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加工装置および加工方法に関し、特に、樹脂などの成形物を加工できるようにした加工装置および加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂の加工方式の代表として、射出成形加工と切削加工とがあげられる。射出成形加工のサイクルタイム、すなわち製品1個あたりの加工時間は、比較的短く、その加工速度は速いと言える。一方、切削加工の加工精度は、比較的良い。
【0003】
従来の加工装置には、ブロー成形により形成された合成樹脂の中空成形体の口部を切削加工するものもある。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−54603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、射出成形加工の加工精度は、比較的悪く、特に、微細な形状や薄板状の形状の成形は困難である。一方、切削加工のサイクルタイムは、比較的長く、特に、複雑な形状の成形には、長い加工時間が必要となる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より複雑な形状を、より精度良く、かつより速く成形できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の加工装置は、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出することによって、半製品を成形する射出成形手段と、射出成形された前記半製品を前記可動金型から離型させることなく前記可動金型に保持する保持手段と、前記保持手段によって前記可動金型に保持されている前記半製品に第2次加工を施す加工手段と、前記保持手段によって前記半製品が保持されている前記可動金型を、前記射出成形手段から前記加工手段に搬送する搬送手段とを備える。
【0008】
前記可動金型には、前記第2次加工において前記可動金型の位置を決める位置決め手段を設けることができる。
【0009】
前記位置決め手段には、前記第1次加工において前記可動金型の位置を決めさせることができる。
【0010】
前記第2次加工の方式は、前記第1次加工としての射出成形加工である方式と異なる方式とすることができる。
【0011】
前記第2次加工の方式を、切削加工または研削加工とすることができる。
【0012】
前記可動金型を、前記第2次加工において取り外し可能な部分を含む分割金型とすることができる。
【0013】
本発明の一側面の加工方法は、射出成形手段によって、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出して、半製品を成形し、保持手段によって、射出成形された前記半製品を前記可動金型から離型させることなく前記可動金型に保持し、前記保持手段によって前記半製品が保持されている前記可動金型を、前記射出成形手段から、前記半製品に第2次加工を施す加工手段に搬送手段によって搬送し、前記保持手段によって前記可動金型に保持されている前記半製品に前記加工手段によって前記第2次加工を施すステップを含む。
【0014】
本発明の一側面においては、射出成形手段によって、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂が射出されて、半製品が成形され、保持手段によって、射出成形された前記半製品が前記可動金型から離型することなく前記可動金型に保持され、前記保持手段によって前記半製品が保持されている前記可動金型が、前記射出成形手段から、前記半製品に第2次加工を施す加工手段に搬送手段によって搬送され、前記保持手段によって前記可動金型に保持されている前記半製品に前記加工手段によって前記第2次加工が施される。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の一側面によれば、所望の形状を成形することができる。
【0016】
また、本発明の一側面によれば、より複雑な形状を、より精度良く、かつより速く成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0018】
本発明の一側面の加工装置は、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出することによって、半製品を成形する射出成形手段(例えば、図1の射出成形部21)と、射出成形された前記半製品を前記可動金型から離型させることなく前記可動金型に保持する保持手段(例えば、図3の入れ子87)と、前記保持手段によって前記可動金型に保持されている前記半製品に第2次加工を施す加工手段(例えば、図1のNC加工部23)と、前記保持手段によって前記半製品が保持されている前記可動金型を、前記射出成形手段から前記加工手段に搬送する搬送手段(例えば、図1の搬送部22)とを備える。
【0019】
前記可動金型には、前記第2次加工において前記可動金型の位置を決める位置決め手段(例えば、図3の位置決め穴84−1および84−2)を設けることができる。
【0020】
図1は、本発明に係る加工装置の一実施の形態を示す図である。加工装置11は、射出成形部21、搬送部22、およびNC(Numerical Control)加工部23からなる。射出成形部21は、可動金型および固定金型からなる金型と、可動金型と固定金型とを近接させて型締めし、離間する型締め部と、可動金型および固定金型が型締めされている金型に樹脂を射出し、成形する射出部とからなる。すなわち、射出成形部21は、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出することによって、半製品を成形する。射出成形部21において、半製品が成形されると、図3を参照して後述する入れ子によって、射出成形された半製品が可動金型から離型させることなく可動金型に保持される。
【0021】
搬送部22は、スカラロボット、直交座標ロボット、若しくは自由関節型ロボットなどの産業用ロボット、または専用機などからなり、入れ子によって半製品が保持されている可動金型を、射出成形部21からNC加工部23に搬送する。NC加工部23は、NCフライス盤やマシニングセンタなどからなり、直交座標系などの所定の座標系の各軸における工具の位置を制御することで、ワーク(この場合、半製品)を加工する。すなわち、NC加工部23は、入れ子によって可動金型に保持されている半製品に第2次加工を施す。
【0022】
ここで加工とは、物理的または化学的な各種の手法により、形状、組成、または色などの対象物の属性を変えることを言う。加工の方式が異なるとは、対象物の属性を変える手法が異なることを言う。
【0023】
次に、図2以降を参照して、射出成形部21、搬送部22、およびNC加工部23のそれぞれの詳細の例を説明する。
【0024】
図2は、射出成形部21の構成の例を示す図である。射出成形部21は、金型41、型締め部42、および射出部43から構成される。金型41は、可動金型51と固定金型52とからなり、型締めされた可動金型51と固定金型52とによって形成されるキャビティに樹脂が射出されることにより、射出された樹脂が、半製品として、キャビティの形状に成形される。型締め部42は、可動盤53、固定盤54、および図示せぬ駆動部からなる。可動盤53には、可動金型51が装着され、固定盤54には固定金型52が装着される。駆動部は、可動金型51と固定金型52とを近接させて、型締めし、また離間するように、固定金型52が装着されている固定盤54に対して、可動金型51が装着されている可動盤53を駆動する(移動させる)。
【0025】
射出部43は、ホッパー61、射出シリンダ62、加熱シリンダ63、スクリュー64、およびバンドヒータ65からなる。ホッパー61は、熱可塑性樹脂の樹脂ペレットを格納し、格納されている樹脂ペレットを、スクリュー64に供給する。熱可塑性樹脂として、ポリカーボネートまたはポリアセタールなどのエンジニアリングプラスチックを用いることができる。射出シリンダ62は、スクリュー64を回転駆動する。スクリュー64は、螺旋状に形成され、加熱シリンダ63内を回転することにより、ホッパー61から供給された樹脂ペレットに加圧すると共に、金型41に樹脂を射出する射出口側に樹脂ペレットを移動させる。加熱シリンダ63の周囲には、バンドヒータ65が設けられ、バンドヒータ65によって、加熱シリンダ63は加熱される。
【0026】
加熱シリンダ63内の樹脂ペレットは、バンドヒータ65によって加熱シリンダ63を介して加熱されると共に、回転するスクリュー64と加熱シリンダ63とによって、加圧されることにより、溶融し、溶融した状態の樹脂が射出口から射出されることになる。すなわち、溶融した状態の樹脂が、射出口から、型締めされた可動金型51と固定金型52に射出される。
【0027】
図3は、可動金型51と固定金型52とからなる金型41、可動盤53、および固定盤54の詳細の例を示す図である。より詳細には、可動金型51は、可動側型板81および可動側取付板82からなる。可動側取付板82が、可動盤53に装着され、可動側取付板82に可動側型板81が装着されることで、可動金型51が可動盤53に装着される。可動側型板81は、可動側取付板82に着脱自在に装着される。
【0028】
可動側取付板82の側のうちの可動側型板81と接する側の四隅の近傍には、それぞれ円柱状の突起である、位置決めピン83−1、位置決めピン83−2、位置決めピン83−3(図示せず)、および位置決めピン83−4(図示せず)が設けられている。また、可動側型板81の側のうちの可動側取付板82と接する側には、位置決めピン83−1乃至位置決めピン83−4のそれぞれに対応する位置に、それぞれ対応する形状の穴である、位置決め穴84−1、位置決め穴84−2、位置決め穴84−3(図示せず)、および位置決め穴84−4(図示せず)が設けられている。すなわち、この場合、位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4は、それぞれ円柱状の穴とされる。
【0029】
可動側取付板82に可動側型板81が装着される場合、位置決めピン83−1乃至位置決めピン83−4のそれぞれが、位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4のそれぞれに挿入されることにより、可動側取付板82の位置に対する可動側型板81の位置が決められる。
【0030】
また、可動側型板81の側のうちの固定金型52と接する側の四隅の近傍には、それぞれ円柱状の突起である、位置決めピン85−1、位置決めピン85−2、位置決めピン85−3、および位置決めピン85−4が設けられている。固定金型52の側のうちの可動側型板81と接する側には、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のそれぞれに対応する位置に、それぞれ対応する形状の穴である、位置決め穴86−1、位置決め穴86−2、位置決め穴86−3、および位置決め穴86−4が設けられている。すなわち、この場合、位置決め穴86−1乃至位置決め穴86−4は、それぞれ円柱状の穴とされる。
【0031】
可動金型51と固定金型52とが近接して、型締めされる場合、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のそれぞれが、位置決め穴86−1乃至位置決め穴86−4のそれぞれに挿入されることにより、固定金型52に位置に対する可動金型51の可動側型板81の位置(すなわち、可動金型51の位置)が決められる。
【0032】
また、可動側型板81の側のうちの固定金型52と接する側には、円柱状の入れ子87が設けられている。固定金型52の側のうちの可動側型板81と接する側には、入れ子87に対応する位置に、対応する形状の円柱状の穴である逃げ穴88が設けられている。可動金型51と固定金型52とが近接して、型締めされる場合、逃げ穴88に入れ子87が入り込み、入れ子87と固定金型52との干渉が防止される。
【0033】
入れ子87の部分のうち、可動金型51と固定金型52とが近接して、型締めされる位置において、可動金型51と固定金型52とで形成されるキャビティ内の部分には、他の部分に比較してより断面積の小さい凹部が形成されている。
【0034】
図3に示されるように、ゲート89から射出された、溶融している樹脂は、型締めされている可動金型51と固定金型52とで形成されるキャビティ内に充填されて、半製品である製品部90および非製品部91を形成する。製品部90は、最終的に製品として加工される部分である。非製品部91は、製品部90の加工のために形成される部分であり、最終的に製品とされない部分である。なお、製品部90には、後の加工において、切削などにより除去されたり、穴明けされたりする部分が含まれる。
【0035】
半製品の製品部90は、入れ子87の凹部を包むように形成され、入れ子87から半製品の製品部90を抜くのには抵抗が生じる。これにより、入れ子87は、半製品である製品部90および非製品部91を可動金型51に保持する。
【0036】
イジェクタピン92−1およびイジェクタピン92−2は、イジェクタプレート93により図中の左右方向に駆動される。イジェクタピン92−1およびイジェクタピン92−2は、半製品である製品部90および非製品部91が成形された後、可動金型51と固定金型52とが離間する場合、半製品のうちの非製品部91を可動金型51側に押圧する。
【0037】
すなわち、図4に示されるように、半製品である製品部90および非製品部91が成形された後、可動金型51と固定金型52とが離間する場合、イジェクタピン92−1およびイジェクタピン92−2は、イジェクタプレート93により図中の左側に移動させられて、半製品の非製品部91を可動金型51側に押圧する。また、イジェクタピン92−2は、この押圧する力で、ゲート89において半製品の非製品部91を切断する。
【0038】
この場合、上述のように、入れ子87が、半製品である製品部90および非製品部91を可動金型51に保持するので、半製品である製品部90および非製品部91は、可動金型51から離型されることなく可動金型51に保持される。
【0039】
すなわち、入れ子87は、射出成形された半製品を可動金型51から離型されることなく可動金型51に保持する。
【0040】
また、図4に示されるように、可動金型51と固定金型52とが離間する場合、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のそれぞれが、位置決め穴86−1乃至位置決め穴86−4のそれぞれから抜け、また、入れ子87が逃げ穴88から抜ける。
【0041】
なお、位置決めピン83−1乃至位置決めピン83−4、位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4、および位置決め穴86−1乃至位置決め穴86−4が円柱状であると説明したが、これに限らず、角柱状、円錐状、角錐状など、対応する形状が勘合することにより位置を規制できる形状であれば、いずれの形状であってもよい。
【0042】
また、入れ子87が円柱状であると説明したが、これに限らず、半製品である製品部90および非製品部91を可動金型51に保持できる形状であればよい。すなわち、入れ子87の形状は、角柱状など、入れ子87から半製品の製品部90を抜くのには抵抗が生じる形状であればよい。また、例えば、入れ子87の部分のうち、半製品に包まれる部分が十分長い場合など、入れ子87から半製品を抜くのに十分な抵抗が得られれば、必ずしも入れ子87に凹部を設ける必要はない。
【0043】
なお、可動金型51は、いわゆるカセット金型として、可動側型板81をカセットとするようにしてもよい。
【0044】
次に、図5を参照して、搬送部22について説明する。搬送部22は、横軸101、縦軸102、保持部103、および架台104からなる。横軸101および縦軸102は、それぞれ、リニアガイド、ボールネジ、および駆動モータなどからなり、相互に直交する軸である。すなわち、横軸101は、射出成形部21とNC加工部23を結ぶ横軸(以下、y軸と称する)方向に縦軸102を移動させる。縦軸102は、x軸と直交する、縦軸(以下、z軸と称する)方向、およびy軸とz軸と直交する横軸(以下、x軸と称する)方向に保持部103を移動させる。
【0045】
保持部103は、入れ子87によって半製品である製品部90および非製品部91が保持されている可動側型板81を挟持することで保持する。架台104は、横軸101の両端を支えることで、搬送部22全体を支える。
【0046】
搬送部22は、入れ子87によって半製品である製品部90および非製品部91が保持されている可動側型板81を、挟持して射出成形部21から取り外し、可動側型板81を挟持したまま、NC加工部23まで可動側型板81を搬送する。そして、搬送部22は、入れ子87によって半製品である製品部90および非製品部91が保持されている可動側型板81をNC加工部23に装着する。
【0047】
図6は、NC加工部23の構成の例を示す図である。NC加工部23は、テーブル121および加工部122とからなる。テーブル121には、保持治具131が設けられている。保持治具131は、入れ子87によって半製品である製品部90および非製品部91が保持されている可動側型板81が搬送部22によってテーブル121に装着されると、可動側型板81を挟持する。すなわち、保持治具131は、可動側型板81をテーブル121に着脱自在に保持する。
【0048】
加工部122には、アーム132、主軸133、工具134、および位置決め部135−1乃至位置決め部135−4が設けられている。アーム132は、テーブル121に可動側型板81が装着されると、図中の左方向に移動して、主軸133、工具134、および位置決め部135−1乃至位置決め部135−4を、可動側型板81に近接させる。また、アーム132は、x軸、y軸、およびz軸で示される所定の位置に主軸133を移動させる。
【0049】
主軸133は、工具134を保持すると共に、工具134を所定の回転数で回転させる。工具134は、スクエアエンドミルやボールエンドミルなどのミーリングカッタ、ドリル、リーマ、タップ、シェーパ、中ぐりバイト、または研削砥石などであり、可動側型板81に保持されている製品部90を加工する。すなわち、例えば、工具134は、可動側型板81に保持されている製品部90の形状を変更するように加工する。
【0050】
例えば、工具134がミーリングカッタである場合、図7Aに示されるように、工具134は、可動側型板81に保持されている製品部90を切削する。この場合、射出成形では困難な、細い溝や細い穴、薄肉の部分、または正確なエッジが形成されている形状などを形成することができる。また、金型41の抜きが困難な3次元形状を形成することができる。
【0051】
例えば、工具134が研削砥石である場合、図7Bに示されるように、工具134は、可動側型板81に保持されている製品部90を研削する。この場合、射出成形では困難な、より歪みの少ない平滑な面、薄肉の部分、または正確なエッジが形成されている形状などを形成することができる。
【0052】
半製品である製品部90および非製品部91が可動側型板81に保持されているので、半製品は可動側型板81に密着して保持されることになり、製品部90が切削または研削される場合であっても、製品部90のたわみや振動を防止することができる。従って、半製品を可動側型板81から取り外して、その半製品を治具で保持する場合に比較して、より精度良く加工することができるようになる。
【0053】
位置決め部135−1乃至位置決め部135−4は、それぞれ、可動側型板81に設けられている位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のそれぞれと勘合して、可動側型板81に対して主軸133の位置を決める。
【0054】
すなわち、図8に示されるように、位置決め部135−1乃至位置決め部135−4は、それぞれ、可動側型板81に設けられている位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のそれぞれと勘合する。これにより、可動側型板81に対する主軸133の位置が正確に決まり、製品部90の位置に対する工具134の位置が正確に得られることになる。従って、半製品としての製品部90をより精度良く加工することができるようになる。
【0055】
以上のように、射出成形部21は、可動金型51と固定金型52とを近接させて型締めし、可動金型51と固定金型52とが型締めされている金型41に第1次加工として樹脂を射出し、半製品を成形する。可動金型51と固定金型52とが離間する場合、入れ子87は、射出成形された半製品を可動金型51から離型させることなく可動金型51に保持する。
【0056】
そして、搬送部22は、入れ子87によって半製品が保持されている可動金型51を、射出成形部21から取り外して、射出成形部21からNC加工部23に搬送し、NC加工部23のテーブル121に装着する。NC加工部23は、テーブル121に装着された可動金型51の位置決めをして、入れ子87によって可動金型51に保持されている半製品に第2次加工を施す。
【0057】
第1次加工として射出成形された半製品を可動金型51から離型させることなく可動金型51に保持し、NC加工部23において、可動金型51に保持されている半製品に第2次加工を施すようにしたので、第1次加工において困難な加工を、第2次加工において施すことができる。言い換えれば、切削加工または研削加工などの第2次加工の方式を、射出成形加工である第1次加工の方式と異なる方式としたので、第1次加工の方式および第2次加工の方式のそれぞれの特徴を生かした加工を施すことができる。
【0058】
すなわち、例えば、精度の確保が困難な第1次加工の後に、精度の確保が容易な第2次加工を施すことができ、最終的に、より精度良く加工することができる。また、例えば、第1次加工において困難な3次元の複雑な形状の成形を、第2次加工において施すことができ、より複雑な形状を成形することができる。
【0059】
さらに、金型41を簡素にして、第1次加工において大まかに半製品を成形し、第2次加工において複雑な形状を成形することができるので、金型41をより安価に製造できる。金型41がより簡素になるので、より短いリードタイムで製品を加工することができるようになる。
【0060】
また、円柱状や直方体のブロックから切削または研削しなければならず、削りしろが大きくならざるを得ない、従来の切削加工や研削加工と比較すると、第1次加工において大まかに半製品を成形し、より少ない削りしろで最終的な形状を成形することができ、より速く成形することができるようになる。さらにまた、削りしろがより少なくなるので、材料の無駄をより少なくすることができる。従って、より安価に製品を製造することができるようになる。
【0061】
さらにまた、射出成形された半製品を治具に装着する必要がないので、より迅速に加工することができ、さらに、半製品を治具に装着することにより生じる歪みの発生を防止することができる。
【0062】
以上のように、より複雑な形状を、より精度良く、かつより速く成形することができる。
【0063】
また、図9に示されるように、テーブル121の側のうちの可動側型板81と接する側に、位置決めピン141−1、位置決めピン141−2、位置決めピン141−3(図示せず)、および位置決めピン141−4(図示せず)を設けるようにしてもよい。すなわち、位置決めピン141−1乃至位置決めピン141−4のそれぞれの位置は、位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4のそれぞれに対応する位置とされ、位置決めピン141−1乃至位置決めピン141−4のそれぞれの形状は、位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4のそれぞれに対応する円柱状の形状とされる。
【0064】
テーブル121に可動側型板81が装着される場合、テーブル121に設けられている位置決めピン141−1乃至位置決めピン141−4のそれぞれが、可動側型板81に設けられている位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4のそれぞれに挿入されることにより、テーブル121の位置に対する可動側型板81の位置(すなわち、可動金型51の位置)が決められる。これにより、可動側型板81および半製品に対する主軸133の位置がさらに正確に決まることになる。従って、製品部90の位置に対する工具134の位置が正確に得られ、さらに精度良く、半製品としての製品部90を加工することができる。
【0065】
さらに、NC加工部23に、テーブル121とアーム132とを機械的に結合する連結アーム142−1、連結アーム142−2、連結アーム142−3(図示せず)、および連結アーム142−4(図示せず)を設けるようにしてもよい。このようにすることで、テーブル121およびアーム132全体の剛性が向上し、テーブル121に対するアーム132の第2次加工中の不要な振動などを抑制することができるようになり、第2次加工中の実際の、テーブル121に対するアーム132の位置がより正確に決まる。これにより、可動側型板81(すなわち、可動金型51の位置)に対する主軸133の実際の位置がより正確に決まることになる。従って、製品部90の位置に対する工具134の位置が正確に得られ、より精度良く、半製品としての製品部90を加工することができる。
【0066】
さらにまた、図10に示されるように、アーム132に、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のいずれかの位置、または半製品としての製品部90の位置を検出する検出部151を設けるようにしてもよい。検出部151は、レーザー光などを用いた光学式のセンサ、超音波などを用いた音響式のセンサ、またはCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide
Semiconductor)イメージセンサなどを用いた撮像式のセンサである。検出部151が、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のいずれかの位置、または半製品としての製品部90の位置を非接触で検出し、検出された位置によって、NC加工部23の加工における、加工の基準となる座標空間上の工具134の位置を補正することにより、より精度良く、半製品としての製品部90を加工することができる。すなわち、この場合、置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4のいずれかの位置、または半製品としての製品部90の位置を検出し、その位置にずれが検出された場合には、そのずれを打ち消すように、NC加工部23の加工における座標空間上の工具134の位置が補正される。
【0067】
このようにすることで、製品部90の位置に対する工具134の位置が正確に得られ、さらに精度良く、半製品としての製品部90を加工することができる。特に、万一、テーブル121に対する可動側型板81の位置がずれてしまった場合でも、精度を保って、半製品としての製品部90を加工することができる。また、可動側型板81と工具134との干渉を防止することができる。
【0068】
なお、検出部151は、アーム132に設けると説明したが、これに限らず、NC加工部23のいずれかの部位、または、NC加工部23の外部に設けるようにしてもよい。
【0069】
また、図11に示されるように、テーブル121の側のうちの可動側型板81と接する側に、位置決め部161、位置決め部162、および位置決め部163を設けるようにしてもよい。すなわち、テーブル121に装着された可動側型板81の所定の部位が、位置決め部161、位置決め部162、および位置決め部163に当接することにより、NC加工部23の加工における座標空間上の可動側型板81の位置が決められる。位置決め部161、位置決め部162、および位置決め部163の形状は、それぞれ、可動側型板81の所定の部位の位置を決められるものであれば良く、例えば、直方体状または円柱状などとすることができる。
【0070】
これにより、可動側型板81に対する主軸133の位置が正確に決まることになる。従って、製品部90の位置に対する工具134の位置が正確に得られ、より精度良く、半製品としての製品部90を加工することができる。
【0071】
なお、位置決め部161、位置決め部162、および位置決め部163の3つが設けられると説明したが、これに限らず、NC加工部23の加工における座標空間のx軸、y軸、およびz軸上の可動側型板81の位置が決まれば足り、2つまたは4つ以上の位置決め部を設けるようにしてもよい。
【0072】
さらに、テーブル121の可動側型板81と接する側に、可動側型板81の形状に対応した凹状の位置決め部を設けるようにしてもよい。
【0073】
また、可動金型51を分割金型とすることができる。図12は、分割金型である可動金型51の例を示す図である。図12に示される例において、可動金型51は、第2次加工において取り外し可能な部分を含む分割金型である。すなわち、可動側型板81は、取り外し可能な分割部171を含むように構成される。分割部171は、分割部171に対応した形状の穴である装着部172に装着される。
【0074】
分割部171を含む可動側型板81がテーブル121に装着された状態において、半製品としての製品部90の表側(製品部90の図12A中の右側)がNC加工部23によって加工される。そして、図12Aに示されるように、可動側型板81がテーブル121に装着されたまま、分割部171が可動側型板81から取り外される。例えば、分割部171は、搬送部22によって取り外されるか、または、NC加工部23の図示せぬ補助機能によって取り外される。分割部171が可動側型板81から取り外されると、図12Bに示されるように、分割部171に対応した形状の穴である装着部172から、分割部171によって形成された製品部90の部分に、NC加工部23は、工具134を到達させることができるようになる。
【0075】
分割部171が可動側型板81から取り外されると、可動側型板81がテーブル121に装着された状態において、半製品としての製品部90の裏側(製品部90の図12Bに示される部分)がNC加工部23によって、加工される。
【0076】
分割部171が装着部172に装着されたままで、半製品としての製品部90が加工されるので、製品部90の変形を防ぐことができ、これにより、より精度良く、半製品である製品部90を加工することができる。また、装着部172から分割部171が取り外されることにより、製品部90の部分のうち、可動金型51によって成形された部分を加工することができるようになる。
【0077】
また、射出成形は、1度の射出成形により複数の物品を成形する、いわゆる多個取りの加工とすることができる。
【0078】
図13は、多個取りの場合の、金型41、可動盤53、および固定盤54の詳細の例を示す図である。可動側型板81、可動側取付板82、位置決めピン83−1乃至位置決めピン83−4、位置決め穴84−1乃至位置決め穴84−4、位置決めピン85−1乃至位置決めピン85−4、および位置決め穴86−1乃至位置決め穴86−4は、図3に示す場合と同様なので、その説明は省略する。
【0079】
可動側型板81の側のうちの固定金型52と接する側には、それぞれ円柱状の入れ子87−1および入れ子87−2が設けられている。固定金型52の可動側型板81と接する側には、入れ子87−1および入れ子87−2のそれぞれに対応する位置に、それぞれ、対応する形状の円柱状の穴である逃げ穴88−1および逃げ穴88−2が設けられている。可動金型51と固定金型52とが近接して、型締めされる場合、逃げ穴88−1に入れ子87−1が入り込み、逃げ穴88−2に入れ子87−2が入り込み、入れ子87−1および入れ子87−2と固定金型52との干渉が防止される。
【0080】
入れ子87−1および入れ子87−2のそれぞれの部分のうち、可動金型51と固定金型52とが近接して、型締めされる位置において、可動金型51と固定金型52とで形成されるキャビティ内の部分には、他の部分に比較してより断面積の小さい凹部が形成されている。
【0081】
図13に示されるように、ゲート89から射出された、溶融している樹脂は、型締めされている可動金型51と固定金型52とで形成されるキャビティ内に充填されて、製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91を形成する。製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91は、半製品の一例である。製品部90−1および製品部90−2は、個々に、最終的に1つの製品として加工される部分である。
【0082】
半製品の製品部90−1は、入れ子87−1の凹部を包むように形成され、また、半製品の製品部90−2は、入れ子87−2の凹部を包むように形成される。従って、入れ子87−1および入れ子87−2から半製品の製品部90−1および製品部90−2を抜くのには抵抗が生じる。これにより、入れ子87−1および入れ子87−2は、半製品である、製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91を可動金型51に保持する。
【0083】
イジェクタピン92−1、イジェクタピン92−2、およびイジェクタピン92−3は、イジェクタプレート93により駆動され、製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91が成形された後、可動金型51と固定金型52とが離間する場合、半製品のうちの非製品部91を可動金型51側に押圧する。また、図13に示す場合、イジェクタピン92−3は、この押圧する力で、ゲート89において半製品の非製品部91を切断する。
【0084】
従って、半製品である、製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91が成形された後、可動金型51と固定金型52とが離間する場合、イジェクタピン92−1、イジェクタピン92−2、およびイジェクタピン92−3は、イジェクタプレート93により図13中の左側に移動させられて、半製品のうちの非製品部91を可動金型51側に押圧する。また、この場合、上述のように、入れ子87−1および入れ子87−2が、製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91を可動金型51に保持するので、半製品である、製品部90−1、製品部90−2、および非製品部91は、可動金型51から離型されることなく可動金型51に保持される。
【0085】
すなわち、入れ子87−1および入れ子87−2は、射出成形において多個取りされた半製品を可動金型51から離型されることなく可動金型51に保持する。
【0086】
また、可動金型51の外側から非製品部91を押圧することにより、半製品を可動金型51から離型されることなく可動金型51に保持するようにしてもよい。
【0087】
図14は、非製品部91を押圧することにより、半製品を可動金型51から離型されることなく可動金型51に保持する場合の、可動金型51の構成の他の例を示す図である。型締めされている可動金型51と固定金型52に樹脂が射出される場合において、押さえ駆動部181−1は、その内部に押さえ182−1を格納し、押さえ駆動部181−2は、その内部に押さえ182−2を格納する。
【0088】
例えば、図14に示すように、半製品である製品部90および非製品部91が成形された後、可動金型51と固定金型52とが離間する場合、イジェクタピン92−1およびイジェクタピン92−2は、イジェクタプレート93により図14中の左側に移動させられて、半製品のうちの非製品部91を可動金型51側に押圧する。
【0089】
その後、またはこれと同時に、押さえ駆動部181−1から押さえ182−1が、非製品部91の所定の一部を、固定金型52によって成形された側から可動金型51側に押圧するように突出すると共に、押さえ駆動部181−2から押さえ182−2が、非製品部91の他の一部を、固定金型52によって成形された側から可動金型51側に押圧するように突出する。
【0090】
例えば、押さえ駆動部181−1および押さえ駆動部181−2は、それぞれ、内蔵されているバネ若しくはモータ、または外部から供給される駆動力により、押さえ182−1および押さえ182−2を突出させる。
【0091】
この場合、押さえ182−1および押さえ182−2が、半製品である製品部90および非製品部91を可動金型51から離型させることなく可動金型51に保持する。
【0092】
なお、入れ子87、若しくは入れ子87−1および入れ子87−2、または押さえ182−1および押さえ182−2によって、半製品を可動金型51から離型させることなく可動金型51に保持すると説明したが、これに限らず、可動金型51に対する半製品の位置が保持できればよい。例えば、可動金型51と半製品との間の空気を吸引することにより半製品を可動金型51に吸着させることで、半製品を可動金型51に保持したり、半製品が射出成形される場合に、非製品部91に包み込まれる入れ子であって、可動金型51と固定金型52とが離間するか近接する方向対して直角方向に移動可能な入れ子によって、半製品を可動金型51に保持したりするようにしてもよい。さらに、可動金型51に、射出成形された半製品の抜きを妨げる向きのテーパーを設けることによって、可動金型51から半製品を抜くのに抵抗を生じさせることで、半製品を可動金型51に保持するようにしてもよい。
【0093】
また、NC加工部23は、それぞれ立型または横型の、ひざ型、コラム移動型、またはベッド型のNCフライス盤またはマシニングセンタとしたり、ワイヤ放電加工機やレーザー加工機などであってもよい。さらに、NC加工部23の軸数は、本発明を限定するものではない。
【0094】
なお、第2次加工の方式は、切削または研削であると説明したがこれに限らず、可動金型51に保持されている半製品に加工を施すことのできる方式であれば良く、例えば、プレス、塗装、またはメッキなどであってもよい。さらに、第2次加工の方式は、射出成形であってもよい。
【0095】
なお、第1次加工において、シリコン樹脂などの縮重合型樹脂またはエポキシ樹脂などの付加重合型樹脂などである熱硬化樹脂の射出成形を行うようにしてもよい。
【0096】
さらにまた、第1次加工として、樹脂を射出成形すると説明したが、金属粉末射出成形、チクソモールディング、または金属粉末冶金などにより、金属を成形するようにしてもよいし、ガラスまたはゴムを成形するようにしてもよい。
【0097】
このように、第1次加工により成形された半製品に第2次加工を施すようにした場合には、所望の形状に成形することができる。また、射出成形手段によって、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出して、半製品を成形し、保持手段によって、射出成形された半製品を可動金型から離型させることなく可動金型に保持し、保持手段によって半製品が保持されている可動金型を、射出成形手段から、半製品に第2次加工を施す加工手段に搬送手段によって搬送し、保持手段によって可動金型に保持されている半製品に加工手段によって第2次加工を施すようにした場合には、より複雑な形状を、より精度良く、かつより速く成形することができる。
【0098】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る加工装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】射出成形部21の構成の例を示す図である。
【図3】金型41、可動盤53、および固定盤54の詳細の例を示す図である。
【図4】離間した金型41の例を示す図である。
【図5】搬送部22の構成の例を示す図である。
【図6】NC加工部23の構成の例を示す図である。
【図7】切削加工および研削加工の例を示す図である。
【図8】可動側型板81の位置決めの例を示す図である。
【図9】可動側型板81の位置決めの例を示す図である。
【図10】可動側型板81の位置決めの例を示す図である。
【図11】可動側型板81の位置決めの例を示す図である。
【図12】分割金型である可動金型51の例を示す図である。
【図13】多個取りの場合の、金型41、可動盤53、および固定盤54の詳細の例を示す図である。
【図14】可動金型51の構成の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
11 加工装置, 21 射出成形部, 22 搬送部, 23 NC加工部, 41 金型, 42 型締め部, 43 射出部, 51 可動金型, 52 固定金型, 53 可動盤, 54 固定盤, 81 可動側型板, 82 可動側取付板, 83−1乃至83−4 位置決めピン, 84−1乃至84−4 位置決め穴, 85−1乃至85−4 位置決めピン, 86−1乃至86−4 位置決め穴, 87,87−1,および87−2 入れ子, 88,88−1,および88−2 逃げ穴, 90,90−1,および90−2 製品部, 91 非製品部, 92−1,92−2,および92−3 イジェクタピン, 93 イジェクタプレート, 101 横軸, 102 縦軸, 103 保持部, 104 架台, 121 テーブル, 122 加工部, 131 保持治具, 132 アーム, 133 主軸, 134 工具, 135−1乃至135−4 位置決め部, 141−1乃至141−4 位置決めピン, 142−1乃至142−4 連結アーム, 151 検出部, 161,162,および163 位置決め部, 171 分割部, 172 装着部, 181−1および181−2 押さえ駆動部, 182−1および182−2 押さえ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出することによって、半製品を成形する射出成形手段と、
射出成形された前記半製品を前記可動金型から離型させることなく前記可動金型に保持する保持手段と、
前記保持手段によって前記可動金型に保持されている前記半製品に第2次加工を施す加工手段と、
前記保持手段によって前記半製品が保持されている前記可動金型を、前記射出成形手段から前記加工手段に搬送する搬送手段と
を備える加工装置。
【請求項2】
前記可動金型は、前記第2次加工において前記可動金型の位置を決める位置決め手段を備える請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記位置決め手段は、前記第1次加工において前記可動金型の位置を決める
請求項2に記載の加工装置。
【請求項4】
前記第2次加工の方式は、前記第1次加工としての射出成形加工である方式と異なる方式である
請求項1に記載の加工装置。
【請求項5】
前記第2次加工の方式は、切削加工または研削加工である
請求項4に記載の加工装置。
【請求項6】
前記可動金型は、前記第2次加工において取り外し可能な部分を含む分割金型である
請求項1に記載の加工装置。
【請求項7】
射出成形手段によって、可動金型と固定金型とからなる金型に第1次加工として樹脂を射出して、半製品を成形し、
保持手段によって、射出成形された前記半製品を前記可動金型から離型させることなく前記可動金型に保持し、
前記保持手段によって前記半製品が保持されている前記可動金型を、前記射出成形手段から、前記半製品に第2次加工を施す加工手段に搬送手段によって搬送し、
前記保持手段によって前記可動金型に保持されている前記半製品に前記加工手段によって前記第2次加工を施す
ステップを含む加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−89296(P2010−89296A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259153(P2008−259153)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(596018218)株式会社入曽精密 (6)
【Fターム(参考)】