説明

加湿器

【課題】加湿器がどのような方向に転倒しても、加湿手段から漏れた水が加湿器本体内の電動送風機を濡らしにくくすること。
【解決手段】本加湿器は、吸入口7及び吹出口10を有する加湿器本体1、加湿手段18及び電動送風機を備える。一次側湿風通路21の加湿手段18側である下部湿風通路45の第一の側壁部である一側端面45Aより、前記電動送風機側である上部湿風通路46の第二の側壁部である一側端面46Aが外側となるように形成したことで、加湿器本体1が倒れて前記加湿手段18の水Wが前記下部湿風通路45を通って前記上部湿風通路46に漏れたとしても、段部47によってその漏れた水Wを溜めることができ、この結果、水Wを二次側湿風通路22に流出させて前記電動送風機のモータ等を濡らしてしまう虞を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、吸込口と、吹出口と、水トレーと、加湿フィルタと、モータと、ファンとを有する加湿装置が知られている。そして、この加湿装置は、前記モータを作動させることで発生した気流が、前記吸込口から吸引される。そして、この吸込口から吸引された気流が、前記加湿フィルタを通過する際に、この加湿フィルタに保持される水が気化する。そして、前記加湿フィルタを通過して湿った気流は、前記ファンを経由して前記吹出口から前記加湿装置外に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−151365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記加湿装置には、前述した通り、モータが設けられている。そして、加湿器が転倒した際に、前記水トレーに溜まった水が漏れて、前記モータを濡らす虞がある。この点について詳述する。ファンの吸気口側が下方となるように前記加湿装置が転倒した場合、前記水トレーに溜められた水は、前記ファンの吸気口の下部空間に流れ込む。しかしながら、前記ファンの吸気口側は、気流を吸引するために十分な空間を有するので、流れ込んだ水が前記吸気口からモータ等に流れ込む虞は小さい。また、前記ファンの吸気口側が上方となるように前記加湿装置が転倒した場合、前記水トレーに溜められた水は、前記吸気口からモータ等に流れ込む虞も小さい。一方、前記ファンの吸気口が横を向くように前記加湿装置が転倒する場合も考えられる。この際、水タンク側が下方となるように前記加湿装置が転倒すると、前記水トレーに溜められた水は、前記水タンクを収容する空間内に流れ込むので、前記吸気口からモータ等に流れ込む虞は小さい。このため、これらの方向に前記加湿装置が転倒した場合、部品間の隙間から水がしみ出す前に加湿装置を速やかに起こせば、前記モータ等を濡らさないようにすることができる。これに対し、前記水タンク側が上方となるように前記加湿装置が転倒すると、前記ファンのレイアウトによっては、前記水トレーに溜められた水が前記吸気口から前記ファン側に流入してしまう虞がある。この場合、加湿装置を速やかに起こしたとしても、前記モータ等を濡らしてしまう虞がある。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、どのような方向に転倒しても、加湿手段から漏れた水が加湿器本体内の電動送風機を濡らしにくい加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の加湿器は、吸入口及び吹出口を有する加湿器本体と、この加湿器本体内の下部に設けられ前記吸入口から空気を導入して貯溜した水を気化させる加湿手段と、この加湿手段の上方に配置された電動送風機とを備え、前記加湿手段と電動送風機とが一次側湿風通路によって接続され、前記電動送風機と吹出口とが二次側湿風通路によって接続された加湿器において、前記一次側湿風通路の前記加湿手段側である下部湿風通路の第一の側壁部より、前記一次側湿風通路の前記電動送風機側である上部湿風通路の第二の側壁部が外側となるように形成したものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の加湿器は、請求項1において、前記加湿器本体の横又は奥行き方向の一側に前記一次側湿風通路を、他側に前記加湿手段に給水する水タンクを設けると共に、前記第一の側壁部及び前記第二の側壁部を、前記一次側湿風通路の一側に設けたものである。
【0008】
更に、本発明の請求項3に記載の加湿器は、請求項2において、前記下部湿風通路の一側・他側方向の幅よりも、前記上部湿風通路の同方向の幅を大きく形成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1は、以上のように構成することにより、前記加湿器本体が転倒して前記加湿手段の水が前記一次側湿風通路に流入したとしても、前記第一の側壁部と第二の側壁部との段差によって構成された空間に流入した水を溜めることで、この水を前記二次側湿風通路に流入させないようにして、電動送風機のモータ等が水に濡れにくくすることができる。
【0010】
また、前記加湿器本体の横又は奥行き方向の一側に前記一次側湿風通路を、他側に前記加湿手段に給水する水タンクを設けると共に、前記第一の側壁部及び前記第二の側壁部を、前記一次側湿風通路の一側に設けたことで、前記加湿器本体が一側に転倒した場合、この加湿器本体の一側に設けられた前記第一の側壁部と第二の側壁部との段差によって構成された空間に流入した水を溜めて、この水を前記二次側湿風通路に流入させないようにして、電動送風機のモータ等が水に濡れにくくすることができる。
【0011】
更に、前記下部湿風通路の一側・他側方向の幅よりも、前記上部湿風通路の同方向の幅を大きく形成したことで、前記一次側湿風通路が下側となるように転倒した際の上部湿風通路における水位を低くして、水面からファンまでの距離を大きくすることができるので、前記加湿手段から前記一次側湿風通路に流れ込んだ水を、前記二次側湿風通路に流入させにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】同、前面側の全体斜視図である。
【図3】同、断面図である。
【図4】同、分解斜視図である。
【図5】本発明の実施例2を示す一部切り欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の実施例1について、図1乃至図4に基づいて説明する。なお、本実施例では、正面視における左側を一側、右側を他側とする。1は加湿器の本体ケースを形成する加湿器本体である。この加湿器本体1は、横幅Aが奥行きBよりも長く形成された略直方体箱型形状である。そして、前記加湿器本体1は、前面パネル2、上面パネル3、左側面パネル4及び右側面パネル5、後面パネル6を備えている。そして、前記後面パネル6の一側寄りの上部には、空気吸入口7が設けられる。また、前記上面パネル3は段状に形成されており、その前部が後部よりも上方に突出している。そして、前記上面パネル3の突出した前部の一側寄りに、電源スイッチ等の操作部8が設けられる。そして、この操作部8に対応して、前記上面パネル3の裏側に、回路基板9が設けられる。また、前記上面パネル3の後部における一側寄りに、吹出口10が設けられる。また、前記上面パネル3の他側には、蓋部材11が開閉自在に設けられる。そして、この蓋部材11を開くことで、水タンク12が前記加湿器本体1に挿入できるようになっている。更に、前記加湿器本体1に挿入された水タンク12の上部の一側に、後述する空気路13の上流部を形成する本体側ダクト14が形成されている。
【0015】
前記水タンク12は、透明又は半透明の合成樹脂によって形成されている。また、前記水タンク12の下部の口部に対して、キャップ部15が着脱自在に取り付けられている。また、前記水タンク12の上部には、把持部(図示せず)が形成されている。尚、前記水タンク12に対応して、この水タンク12内の水量を目視できるように、水位窓16が前記右側面パネル5に形成されている。
【0016】
また、前記加湿器本体1の底部には、トレイ17が着脱可能に設けられている。このトレイ17は、上方が開口している。また、このトレイ17は、前記後面パネル6の下部に出し入れ可能に設けられている。そして、前記トレイ17の一側には、水を気化させる加湿手段18が設けられている。一方、前記トレイ17の他側には、前記水タンク12内の水を前記加湿手段18に導くための水路19が設けられている。そして、前記空気路13の一次側は前記空気吸入口7となり、前記空気路13の二次側は前記加湿手段18となっている。前記空気路13には、吸引された空気を加熱するためのヒータ20が設けられている。このヒータ20は、本実施例では前記空気吸入口7の近傍に装着されている。さらに、前記加湿手段18と吹出口10との間に、一次側湿風通路21とこれに続く二次側湿風通路22が設けられる。
【0017】
前記トレイ17内の底部の他側には、前記水タンク12のキャップ部15が挿入される凹部23が形成されている。この凹部23には、前記キャップ部15に設けられた図示しない止水弁機構を開くための突起部24が形成されている。そして、前記凹部23と加湿手段18との間には、仕切部25が設けられている。また、この仕切部25には、前記空気路13の下流部を形成するトレイ側ダクト26が一体に形成されている。更に、このトレイ側ダクト26の上部は、前記トレイ17を加湿器本体1に挿入してセットしたときに、前記本体側ダクト14の下部と連通するようになっている。なお、前記水路19は、前記仕切部25の下方を通過して形成されている。
【0018】
前記加湿手段18は、前記トレイ17の一側底部に設けられた上方開放の貯水槽27と、この貯水槽27に設置される回転ドラム28とを有して構成される。そして、前記加湿器本体1には、前記貯水槽27の一側端と前記左側面パネル4との間に、機械室31が設けられている。この機械室31は、前記回転ドラム28を回転駆動するためのドラム回転用モータ29、及びその回転軸に装着された駆動ギア30を収容するためのものである。そして前記水路19の一次側が前記凹部23に接続すると共に、二次側が前記貯水槽27に接続することで、前記貯水槽27には、前記水タンク12の水が、水面を常時一定に保つように供給されるようになっている。
【0019】
前記回転ドラム28は、その中心軸線33が、水平で且つ左右方向となるように、前記貯水槽27に配置される。そして、前記回転ドラム28の周面には、多数の窓孔34が形成されており、この窓孔34を経て空気が内側から外側へ流通可能となっている。更に、前記回転ドラム28の外周には、織布、不織布や帯状スポンジ等の通気性保水部材35が全面に装着されている。そして、前記回転ドラム28の閉塞した一側端面には、前記駆動ギア30が着脱自在に噛み合うことができる従動ギア36が設けられる。そして、前記加湿器本体1側の駆動ギア30が前記従動ギア36と噛み合うことで、前記ドラム回転用モータ29の駆動力によって、前記回転ドラム28は連続回転するようになっている。
【0020】
また、前記回転ドラム28の他側端は開口端面37となっており、この開口端面37に前記空気路13の二次側が接続している。本実施例では、前記トレイ側ダクト26の一側に設けた連通孔38が、前記開口端面37に連通するように設けられている。
【0021】
前記一次側湿風通路21とこれに続く二次側湿風通路22との境には、ファン39が設けられる。このファン39は、前記加湿手段18の上方に配置されるように、前記加湿器本体1の上部に装着されている。また、前記ファン39は、複数の羽根40を円環状に且つ断続状に円板部41の外周に沿って配列した、シロッコファン等の遠心ファンである。また、前記ファン39は、その円板部41の中心が送風用モータの回転軸42に接続される。即ち、前記送風用モータの回転軸42と前記円板部41は、同軸状である。そして、前記送風用モータとファン39とで、電動送風機が構成される。なお、前記電動送風機は、前記回転軸42と円板部41の中心軸線41Aが、水平で且つ前後方向となるように、前記加湿器本体1内に配置される。また、前記電動送風機のファン39の一次側である吸引部39Aは、前記前面パネル2に対向するようになっている。そして、前記前面パネル2の裏側と吸引部39Aとの間には、間隙Cによって形成される前記一次側湿風通路21が設けられている。また、前記電動送風機のファン39の二次側は、前記羽根40の上下左右の全周によって形成されている。
【0022】
そして、前記加湿手段18の上方において、前記ファン39の一次側と二次側を仕切るための仕切り部材43が、前記加湿器本体1に設けられる。前記仕切り部材43は、前記ファン39の前側に設けられた縦仕切り部材44と、この縦仕切り部材44の下部に接続されて後方へ水平に延長する横仕切り部材32とからなる。なお、前記縦仕切り部材44には、前記ファン39の吸引部39Aに対応する吸気口44Aが形成される。そして、前記縦仕切り部材44の下端縁、即ち前記横仕切り部材32の前端縁は、間隙Cによって開口されて、前記加湿手段18側に連通している。
【0023】
これによって、前記加湿手段18とファン39との間に、前記横仕切り部材32の下方から前記縦仕切り部材44の前方にかけて、前記一次側湿風通路21が形成される。一方、前記ファン39の二次側と吹出口10との間に、前記縦仕切り部材44の後方で且つ前記横仕切り部材32の上方に、前記二次側湿風通路22が形成される。
【0024】
さらに、前記一次側湿風通路21は、前記縦仕切り部材44の下縁、即ち前記横仕切り部材32の前端を境として、その下方に下部湿風通路45が形成されると共に、前記縦仕切り部材44の下縁よりも上方に、上部湿風通路46が形成される。そして、前記下部湿風通路45の第一の側壁部である一側端面45Aは、前記加湿器本体1の機械室31に臨み、前記下部湿風通路45の他側端面45Bは、前記トレイ17の仕切部25に臨んでいる。一方、前記上部湿風通路46の第二の側壁部である一側端面46Aは、前記機械室31の横幅Dのほぼ中間上に立設している。なお、前記上部湿風通路46の他側端面46Bは、前記本体側ダクト14側に臨むように設けられる。また、前記上部湿風通路46の上側端面46Cは、前記回路基板9側に臨むようになっている。そして、前記他側端面46Bと上側端面46Cは、円弧状に連続して接続される。
【0025】
なお、前記下部湿風通路45の他側端面45Bと、前記上部湿風通路46の他側端面46Bは、面一に形成されている。即ち、前記他側端面45Bと46Bとの間には、段差が存在しない。これに対し、前記下部湿風通路45の一側端面45Aと前記上部湿風通路46の一側端面46Aとの間には、段部47が形成されている。この段部47の段差は、前記下部湿風通路45の横幅をF、上部湿風通路46の横幅をEとした場合、“E−F”となる。そして、この段差は、前記機械室31の幅の半分(D/2)にほぼ等しい。これによって、前記上部湿風通路46の一側には、C×(E−F)×G(≒C×D×G÷2)の容積の空間が形成される。なお、Gは前記上部加湿空間46の高さである。
【0026】
次に、前記構成についてその作用を説明する。まず、使用者は、前記トレイ17の貯水槽27に、前記通気性保水部材35が取り付けられた回転ドラム28を取り付けた後、前記トレイ17を前記加湿器本体1に装着する。そして、前記水タンク12に水を入れて、前記キャップ部15で口部を塞いだ後、前記蓋部材11を開いて前記加湿器本体1内に前記水タンク12を挿入し、再び前記蓋部材11を閉じる。これによって、前記キャップ15内の図示しない止水弁機構が前記突起部24によって開かれ、前記水タンク12内の水が前記凹部23に流出する。そして、この凹部23に流出した水は、前記水路19を経て前記貯水槽27に流れる。なお、前述した通り、前記貯水槽27の水位はほぼ一定に保たれる。そして、このように前記貯水槽27に水が流入することで、この貯水槽27に取り付けられた前記回転ドラム28の通気性保水部材35は、浸漬状態となり、吸水する。
【0027】
そして、使用者が前記操作部8の電源スイッチを操作することで、前記ヒータ20、ドラム回転用モータ29及び送風用モータが通電する。前記ヒータ20が通電することによって、このヒータ20は発熱する。また、前記ドラム回転用モータ29及び送風用モータが通電することによって、これらのモータは回転駆動する。そして、前記ドラム回転用モータ29の回転駆動により、前記駆動ギア30、従動ギア36を介して、前記回転ドラム28が回転する。そして、前記回転ドラム28が回転することで、この回転ドラム28に保持された通気性保水部材35も、含水状態で回転する。
【0028】
さらに、前記送風用モータが回転することで、この回転軸42に取り付けられたファン39も回転する。そして、前記ファン39が回転することで、前記一次側湿風通路21が負圧になる。この負圧によって、加湿器が設置されている室内の空気は、前記空気吸入口7から吸引される。そして、前記空気吸入口7から吸引された空気は、前記ヒータ20によって加熱されて温風となる。そして、この温風は、前記本体側ダクト14、トレイ側ダクト26を通って、前記仕切部25の連通孔38、及び前記開口端面37を経て、前記回転ドラム28の内側に導かれる。そして、前記回転ドラム28内に流入した温風は、前記通気性保水部材35を通過する際に、この通気性保水部材35に含まれる水を気化させて湿風となる。この湿風は、前記一次側湿風通路21の下部湿風通路45、上部湿風通路46を通って、前記吸引部39Aから前記ファン39に吸引される。更に、前記ファン39に吸引された湿風は、前記二次側湿風通路22を通って前記吹出口10から室内に放出されるようになっている。
【0029】
そして、使用者が誤って蹴飛ばす等して、前記加湿器が、前記左側面パネル4側が床に触れるように万一転倒した場合、図1に示すように、前記貯水槽27の水Wが漏れて、前記下部湿風通路45から上部湿風通路46に流れ込む。この水Wが前記吸気口44Aから前記二次湿風通路22に流出すると、この二次湿風通路22内に設けられた前記電動送風機のモータが濡れる虞がある。しかしながら、前記水Wは、前記段部47に形成された上述した体積の空間に溜められる。これによって、前記水Wは、前記吸気口44Aから前記二次湿風通路22に流出しにくくなっている。このため、前記電動送風機のモータを濡れにくくすることで、前記加湿器を故障させにくくすることができる。
【0030】
なお、前記前面パネル2が床に触れるように前記加湿器が転倒した場合は、前記段部47の分、前記上部湿風通路46の横幅が広くなっているので、転倒状態における水位が、その分低くなる。このため、転倒時における水面から前記吸気口44A迄の距離を大きくすることができるので、前記加湿手段18から前記一次側湿風通路21に流れ込んだ水を、前記二次側湿風通路22に流入させにくくすることができる。
【0031】
なお、前記加湿器が後方或いは前記水タンク12側に転倒した場合に、水Wが前記一次側湿風通路21から吸気口44Aを経て二次側湿風通路22に流れにくくなっていることは、上述した通りである。
【0032】
以上のように、前記実施例では、一次側湿風通路21の加湿手段18側である下部湿通通路45の第一の側壁部である一側端面45Aより、電動送風機側である上部湿風通路46の第二の側壁部である一側端面46Aが外側となるように形成したことで、加湿器本体1が倒れて前記加湿手段18の水が前記下部湿風通路45を通って前記上部湿風通路46に漏れたとしても、段部47によってその漏れた水Wを溜めることができ、この結果、水Wを二次側湿風通路22に流出させて前記電動送風機のモータ等を濡らしてしまう虞を抑制することができる。
【0033】
また、前記加湿器本体1の横又は奥行き方向の一側に前記一次側湿風通路21を、他側に前記加湿手段18に給水する水タンク12を設けると共に、前記各一側端面45A、46Aを、前記一次側湿風通路21の一側に設けたことで、前記加湿器本体1が一側に転倒した場合、この加湿器本体1の一側に設けられた前記各一側端面45A、46Aの段差によって構成された段部47の空間に流入した水Wを溜めて、この水Wを前記二次側湿風通路22に流入させないようにして、前記電動送風機のモータ等が水Wに濡れにくい構造とすることができる。
【0034】
更に、前記下部湿風通路45の一側・他側方向の幅Fよりも、前記上部湿風通路46の同方向の幅Eを大きく形成したことで、前記一次側湿風通路21が下側となるように転倒した際の上部湿風通路46における水位を低くして、水面から前記ファン39までの距離を大きくすることができるので、前記加湿手段18から前記一次側湿風通路に流れ込んだ水Wを、前記二次側湿風通路22に流入させにくくすることができる。
【実施例2】
【0035】
図5は実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2では、第一の側壁部である一側端面45Aと第二の側壁部である一側端面46Aとを、正面視で円弧状の段部47´によって接続しているものであり、実施例1と同様な作用効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように本発明に係る加湿器は、各種の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 加湿器本体
7 吸入口
10 吹出口
12 水タンク
18 加湿手段
21 一次側湿風通路
22 二次側湿風通路
39 ファン
45A 一側端面(第一の側壁部)
46A 一側端面(第二の側壁部)
E 上部横幅
F 下部横幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口及び吹出口を有する加湿器本体と、この加湿器本体内の下部に設けられ前記吸入口から空気を導入して貯溜した水を気化させる加湿手段と、この加湿手段の上方に配置された電動送風機とを備え、前記加湿手段と電動送風機とが一次側湿風通路によって接続され、前記電動送風機と吹出口とが二次側湿風通路によって接続された加湿器において、
前記一次側湿風通路の前記加湿手段側である下部蒸気通路の第一の側壁部より、前記一次側湿風通路の前記電動送風機側である上部湿風通路の第二の側壁部が外側となるように形成したことを特徴とする加湿器。
【請求項2】
前記加湿器本体の横又は奥行き方向の一側に前記一次側湿風通路を、他側に前記加湿手段に給水する水タンクを設けると共に、前記第一の側壁部及び前記第二の側壁部を、前記一次側湿風通路の一側に設けたことを特徴とする請求項1記載の加湿器。
【請求項3】
前記下部湿風通路の一側・他側方向の幅よりも、前記上部湿風通路の同方向の幅を大きく形成したことを特徴とする請求項2記載の加湿器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−67961(P2012−67961A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212676(P2010−212676)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】