説明

加湿装置

【課題】肌寒くなく身体に良い心地良い加湿装置を提供するものである。
【解決手段】送風機4の駆動により空気が通過する処理室7と、該処理室7の下部に設けられ給水タンク9から給水を一定水位で貯水する貯水室8と、この貯水室8の貯水に下部を水没させた筒状の回転体15と、この回転体15の外周に位置し、該回転体15と共に駆動モータ12の駆動で回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体18と、この多孔体18で水が破砕されることで生成するナノミストと負イオンを室内に放出するもので、前記貯水室8には、貯水中に水没し貯水を寒さを感じない所定温度まで加熱保温する加熱ヒータ20を備え、給水タンク9から供給される新鮮な給水を順次加熱しながら温かいナノミストと負イオンとして放出するので、肌寒くなく温かいナノミストと負イオンの放出が得られ、安全であり安心して使用出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、肌寒さを感じることがない温かいナノミストと負イオンを室内に放出する加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の加湿装置に於いては、回転羽根に給水タンクからの給水を滴下することで、ミストと負イオンを生成して室内に放出するものや、加熱ヒータを埋設したポット内の給水を蒸発させてミストを生成して室内に放出するものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2570632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来の前者のものでは、給水が常温であり生成されたミストは、送風機の送風で放出されるので、直接肌に触れた場合には、肌寒さを感じてしまい、冬季には使用できなかったり、人の傍には置けないと言う問題点を有し、又後者のものでは、加熱ヒータの熱を利用するので、肌寒く感じることはないが、給水を蒸発させているので、ポット内の給水は高温状態であり、カルキの発生や転倒時の火傷の危険等の問題点を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、送風機の駆動により空気が通過する処理室と、該処理室の下部に設けられ給水タンクから給水を一定水位で貯水する貯水室と、この貯水室の貯水に下部を水没させた筒状の回転体と、この回転体の外周に位置し、該回転体と共に駆動モータの駆動で回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、この多孔体で水が破砕されることで生成するナノミストと負イオンを室内に放出するものに於いて、前記貯水室には、貯水中に水没し貯水を寒さを感じない所定温度まで加熱保温する加熱ヒータを備え、給水タンクから供給される新鮮な給水を順次加熱しながら温かいナノミストと負イオンとして放出するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、貯水が加熱ヒータによって直接所定温度の40℃前後に加熱されるので、肌寒くなく温かいナノミストと負イオンの放出が得られ、直接肌で触れることができると共に冬季でも関係なく使用されるものであり、更に供給されるナノミストは、40℃前後の高温でも低温でもない丁度良い中間温度であるから、カルキの析出や器具転倒による火傷の危険もなく、安全であり安心して使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の一実施形態の加湿装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明の一実施形態の加湿装置について図面に基づいて説明する。
1は加湿器本体で、中央部には蓋体2に固定され吸引口3から吸引された室内空気を、中央で回転駆動するシロッコファンからなる送風機4まで案内する円筒状の案内筒5が備えられ、この案内筒5には送風機4を覆い該送風機4下方まで垂下した送風筒6が設けられている。
【0009】
7は前記案内筒5を覆った処理室で、該処理室7の下部には椀状の貯水室8が設けられており、この貯水室8には給水タンク9がセットされた定水位室10が通水路11を介して連通し、給水タンク9からの給水を落差方式で供給され、常時所定水位の給水を貯水しているものである。
【0010】
12は貯水室8下方で該貯水室8を支持する駆動モータで、全周をカバー体13で覆われ加湿器本体1の底部を構成する基板14に固定されている。
15は貯水室8の貯水に下部を水没させ、この貯水室8を貫通して送風機4を回転させる駆動軸16に軸支された円筒状の回転体で、この回転体15は中空状で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、回転体15は回転することによりこの回転の遠心力で水を吸い上げ、上端に形成された複数の飛散口17から外周に飛散させるものである。
【0011】
18は前記回転体15の上部外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体15と共に回転する円筒状の多孔体で、この回転による遠心力で水及び空気を飛散させ、そして全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等からなる多孔部19を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノミストを生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果で負イオンを発生させるものであり、又多孔部19を通過した水の粒子は、更に外周の送風筒6の内壁に衝突して微細化されるものである。
【0012】
20は貯水室8の貯水中に水没し該貯水を寒さを感じない所定温度、ここでは40℃前後まで加熱保温する加熱ヒータで、貯水全体を短時間に所定温度まで加熱するために貯水室8より小径の円径とし、貯水室8外壁に取り付けられた貯水の温度センサ21により、貯水温度が40℃に達すると制御回路を介して加熱ヒータ20をOFFしたり、通電ワット数を少なくしこれでも温度上昇した時に初めてOFFし、その後貯水温度が39℃に低下すると再びONさせるなどの制御を行い、貯水温度を40℃に保持するようにするものである。
【0013】
22は送風筒6や多孔体18の下端と対向して貯水室8上面を覆った水流阻止手段で、中央部には回転体15の挿通穴23が形成されており、この挿通穴23から外周に放射状に延びる複数の支持片24によって水面が複数に区画されることで、回転体15の回転で回転しょうとする水流を阻止し、該回転体15の回転による遠心力で容易に水流が回転体15内外周を上昇出来ようにしたものであり、又この水流阻止手段22は、上方の送風筒6や多孔体18にぶつかり微細化されなかった比較的大粒の水滴の受けることで、この水滴が直接貯水室8の水面に落下することで発生する落下音をも阻止することが出来るものである。
【0014】
25は回転体15と多孔体18の回転駆動により発生したナノミストと負イオンとを、送風機4の駆動で処理室7上部の吹出口26から放出させる流通路で、この流通路25は送風筒6と水流阻止手段22との隙間から、処理室7と案内筒5、送風筒6間を上昇して吹出口26に向かう流路から構成されている。
【0015】
27は貯水室8の底部に連通した排水管28からの排水を受ける排水トレーで、加湿器本体1内に出し入れ自在に備えられ、表面には手掛け部29が形成され、定期的に残水の排水が行われるものである。
【0016】
30は給水タンク9の給水口キャップで、内装した弁機構(図示せず)を固定された支持部31で押し上げられることで、落差式の定水位室10を形成するものである。
32は給水タンク9を出し入れするタンク蓋、33は蓋体2を着脱するための持ち手である。
【0017】
次にこの一実施形態を示す加湿装置の作動を説明する。
今運転スイッチ(図示せず)をONすることで、加熱ヒータ20がONされ貯水室8内の一定水位の貯水を直接加熱するものであり、そして貯水室8内の貯水が所定温度ここでは40℃に達したことを温度センサ21が検知し、制御回路を介して加熱ヒータ20の通電をOFFすると共に駆動モータ12を駆動開始させる。
【0018】
この駆動モータ12の駆動開始により駆動軸16に同軸で固定された送風ファン4及び回転体15が回転され、送風ファン4の回転では、吸引口3から吸引される室内空気を案内筒5を案内として吸引した後、処理室7下方に放出する。
【0019】
一方回転体15の回転では、所定温度に加熱された貯水室8内の貯水が、回転体15下端の回転による遠心力で該回転体15の外壁及び内壁を伝って上昇し、上端に形成された複数の飛散口17から外周に向けて飛散され、そして外周に飛散された貯水は、回転体15の上部外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体15と共に回転する多孔体18の多孔部19に、ぶつかって破砕したり、多孔部19を通過したものはこの外周の送風筒6の内壁に衝突して微細化される。
【0020】
この加熱された貯水の破砕と微細化により、ナノミストを生成すると共に、レナード効果で負イオンを発生させ、そしてこの発生したナノミストと負イオンを上記した送風フアン4の処理室7下方へ向かう送風で一旦水流阻止手段22にぶつけて、大きくて重いミストを水流阻止手段22に落下させて除去した後、微細なナノミストのみと負イオンを、流通路25を介して上部の吹出口26から放出して室内の加湿を行うものである。
【0021】
更にこの放出されるナノミストは、元々加熱された貯水から生成されているので、肌寒くなく温かいナノミストと負イオンの放出が得られ、直接肌で触れることができると共に冬季でも関係なく使用されるものであり、更に供給されるナノミストは、40℃前後の高温でも低温でもない丁度良い中間温度であるから、カルキの析出や器具転倒による火傷の危険もなく、安全であり安心して使用されるものである。
【0022】
又肺から吸引された負イオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することが出来ると考えられている。
【0023】
又負イオンにより、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、更にナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものであり、これらの効果が得られる負イオンとナノミストを大量に放出されると言うことは、これらの効果も増大するものである。
【0024】
次に貯水室8内の加熱された貯水が、回転体15と多孔体18によって次々とナノミストとして放出されて減少すると、貯水室8の水位が低下し、この低下した水位分の水が給水タンク9から自動的に補水されるものであり、そしてこの補水によって貯水温度が低下すれば、加熱ヒータ20がONされて貯水温度を常に所定温度に保温するものであり、常に肌に心地良い温度のナノミストを継続して供給出来るものである。
【0025】
更に給水タンク9内の給水が空になった場合は、タンク蓋33を開口して給水タンク9を加湿器本体1から取り出して、台所の蛇口から水道水を補給して元に戻せば、再び同じように使用出来るもので、極めて使用勝手が良いものである。
【符号の説明】
【0026】
1 加湿器本体
4 送風ファン
7 処理室
8 貯水室
9 給水タンク
12 駆動モータ
15 回転体
18 多孔体
20 加熱ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機の駆動により空気が通過する処理室と、該処理室の下部に設けられ給水タンクから給水を一定水位で貯水する貯水室と、この貯水室の貯水に下部を水没させた筒状の回転体と、この回転体の外周に位置し、該回転体と共に駆動モータの駆動で回転しこの回転による遠心力で飛散される水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体と、この多孔体で水が破砕されることで生成するナノミストと負イオンを室内に放出するものに於いて、前記貯水室には、貯水中に水没し貯水を寒さを感じない所定温度まで加熱保温する加熱ヒータを備え、給水タンクから供給される新鮮な給水を順次加熱しながら温かいナノミストと負イオンとして放出する事を特徴とする加湿装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−252692(P2011−252692A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128939(P2010−128939)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】