説明

加熱器温度検出手段の配置構造及び加熱器温度検出手段

【課題】アイドルストップ機能を備えた車両に搭載され且つ座席ごとに独立して空調可能な車両の空調装置において、加熱器よりも下流側に配置される加熱器温度検出手段の数を1つとしても早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する分流路側での加熱器温度を適切に検出することを可能とする。
【解決手段】車両用空調装置1の空気流路4内に収納された加熱器6の下流側に加熱器温度センサ33の感熱部33aが配置され,感熱部33aの空気流路4の下流側に空気流受け部34が設けられている。空気流受け部34は空気流路4の下流側から上流側に向けて延びる延伸部36を有して構成され、延伸部36により空気流路4の上流側に開放されるかたちで窪んだ壁面36aが形成され、延伸部36の先端を連通孔32の空気流路4の上流側開口端まで延ばして連通孔32をその軸方向から見ても隠れるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両、特にエンジン自動始動停止機能を備えた車両に備えられて、座席ごとに独立して制御可能な空調装置に用いられるもので、特に空調装置内に収納された加熱器の温度を検出する加熱器温度検出手段の当該空調装置内への配置構造及びその加熱器温度検出手段の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置として、乗員の快適性の向上のために、運転手席側に吹き出される空気の温調と助手席側に吹き出される空気の温調とを独立して行うことが可能な左右独立温調(ゾーン空調、パーソナル空調とも称する。)の機能を備えたものが既に公知となっている(例えば特許文献1を参照。)。この左右独立温調は、例えば車両用空調装置内の空気流路の一部を仕切り部によって複数の分流路に分け、温風と冷風との混合率を可変するためのエアミックスドアの開度を一の分流路と他の分流路とで独立して制御することで行われる。
【0003】
また、近年において、地球環境負荷問題への対応から、信号待ちで停止する等の車両走行停止時に、所定条件下でエンジンを停止させるエンジン自動始動停止機能(アイドルストップ機能とも称される。)を有する車両(例えば特許文献2を参照。)が開発されている。
【0004】
そして、車両用空調装置による車室内の暖房は、車両がエンジンを搭載している場合には、このエンジンの排熱で温められた温水を、温水循環ポンプを利用して車両用空調装置の加熱器に供給し、加熱器内を流れる温水と加熱器を通過する空気との熱交換を行って加熱器を通過する空気を加熱した後、この加熱された空気を吹出口から車室内に吹き出させることで行われる(例えは特許文献3を参照。)。
【0005】
これに伴い、温水循環ポンプは一般的にエンジンと連動しているため、エンジン自動始動停止機能を備える車両にあっては、アイドルストップ時には温水循環ポンプも停止し、エンジンと加熱器との間の温水の循環も停止することとなるところ、アイドルストップ時に車両用空調装置の暖房運転も停止させると乗員の快適性が著しく損なわれるので、アイドルストップ時でも車両用空調装置の暖房運転は継続可能となっている。
【0006】
もっとも、アイドルストップ時に暖房運転が継続された状態では、車両用空調装置の空気流路に空気を送り込むための送風機が稼動しつつ温水循環ポンプは停止してしまうので、加熱器内部に滞留した温水の熱により、加熱器を通過する空気との熱交換を行って当該通過空気を加熱することとなる。このとき、エンジン自動始動停止機能を備えた車両が左右独立温調機能を有する車両用空調装置を搭載する場合には、一の分流路と他の分流路とではエアミックスドアの開度が異なる場合があり、加熱器を通過する空気の流量に差異が生じ、これにより分流路ごとに加熱器の内部に滞留した温水の温度の低下速度が異なる。より具体的には、空気の流量が相対的に多い分流路側では加熱器に滞留する温水は早期に温度が低下し、空気の流量が相対的に少ない分流路側では加熱器に滞留する温水は温度が低下するのに時間がかかる。
【0007】
従って、早期に温水温度が低下する側の加熱器に滞留した温水温度を検出し、これにより検出された温水温度に基づいてアイドルストップからの復帰の制御を実施することで、エンジンの再始動ひいては温水循環ポンプの再始動を行わせて加熱器への温水供給を再開し、吹出口から吹出される空気が著しく低温化して乗員が不快感を感ずることがないようにすることが必要である。
【0008】
この場合、分流路の各々で加熱器温度を検出するにあたって、加熱器温度検出手段を分流路ごとに配置することが考えられるが、加熱器温度検出手段の数が複数となり、部品点数の増加、各加熱器温度検出手段を設置するための工数の増加、これらに伴う車両用空調装置の製造コストの増加を生ずるので好ましくない。
【0009】
このことから、図1に示される車両用空調装置1において、図3に示されるように、隣接する2つの分流路10、11を仕切る仕切り部9に双方の分流路10、11を連通する連通孔32を設け、この連通孔32内に加熱器温度検出手段(以下、この加熱器温度検出手段の1つである加熱器温度センサ33で説明する。)を配置することにより、1つの加熱器温度センサ33で隣接する2つの分流路10、11を流れる空気の温度を検出することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−186688号公報
【特許文献2】特開2006−342719号公報
【特許文献3】特開平10−203141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図3に示されるような加熱器温度センサ33の配置構造では、隣接する2つの分流路10、11のうち早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する側の分流路(本説明では便宜上、分流路11とする。)の加熱器温度を適切に検出することができないという問題を有する。
【0012】
すなわち、アイドルストップ時にエアミックスドア7、8の開度が独立して制御され、且つ空調運転が継続された場合、図3に示されるように、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する分流路11側に位置するエアミックスドア8は、加熱器内滞留温水の温度低下が遅い分流路10側に位置するエアミックスドア7と比べて、加熱器6より空気上流側において、相対的に加熱器6を通過する空気の流量が大きくなる開度に位置されることがある。
【0013】
ここで、図1に示される送風機29より送風された空気は、図3に示されるように、仕切り部9により空気a1と空気b1とに分けられて分流路10、11をそれぞれ流れると共に、分流路10を流れる空気a1は、吹出空気の温度調整をするために、エアミックスドア7により加熱器6をバイパスする空気a2と加熱器6を通過する空気a3とに一端分けられる。同様に、分流路11を流れる空気b1も、吹出空気の温度調整をするために、エアミックスドア8により加熱器6をバイパスする空気b2と加熱器6を通過する空気b3とに一端分けられる。そして空気a1の空気量と空気b1の空気量とを比較すると、空気a1と空気b1とで同じ空気量となるように設定しても、図3に示される状態では、通気抵抗体のひとつである加熱器6をバイパスする空気a2の空気量が相対的に多く(空気a2の空気量は空気b2の空気量より多く)、かつ加熱器6を通過する空気a3の空気量が相対的に少ない(空気a3の空気量は空気b3の空気量より少ない)ことから、加熱器6の上流側から空気a2と空気a3又は空気b2と空気b3とが混合する域に至るまでの通気抵抗が異なることになり、空気a1は空気b1よりも流量が多くなる。
【0014】
そして、エアミックスドア7を有する分流路10の静圧は、図3に示されるように、エアミックスドア8を有する分流路11の静圧よりも高くなるため、図4に示されるように、仕切り部9に設けた連通孔32において、分流路10側から分流路11側に空気が流れてしまうので、温度センサ33は、加熱器内滞留温水の温度が低下するのに時間がかかる側(分流路10側)の空気の温度を検出してしまい、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する側(分流路11)における加熱器温度を適切に検出することができない。
【0015】
すなわち、図5に示されるように、エンジンがアイドルストップ状態から復帰する時点では、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する側の実際の加熱器温度t1は、もはやアイドル復帰温度設定値Tよりも大幅に低いものとなり、乗員の快適性が損なわれるおそれがある。
【0016】
また、図3の分流路11に示されるように、加熱器6を通過する空気の流量を相対的に多くするのは、分流路11側の乗員が分流路11の吹出口から吹出される空気の温度をより高温とするよう要求するためであり、それにも関わらず図5に示されるように分流路11側の加熱器温度t1がアイドル復帰温度設定値Tよりも低くなるので、当該分流路11側の乗員の快適性は著しく損なわれるおそれがある。

【0017】
そこで、この発明は、エンジン自動始動停止機能を備えた車両に搭載され且つ座席ごとに独立して空調可能な車両の空調装置に用いられ、隣接する分流路における加熱器よりも下流側に配置される加熱器温度検出手段の数を1つとしても、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する分流路側での加熱器温度を適切に検出することが可能な加熱器温度検出手段の配置構造及びその加熱器温度検出手段の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明に係る加熱器温度検出手段の配置構造は、 エンジンを自動的に始動及び停止することができるエンジン自動始動停止機能を備えた車両の空調装置の空気流路内に収納されて前記空気流路を流れる空気を加熱する加熱器に対し、前記空気流路の下流側に前記加熱器又は前記加熱器を通過した空気の温度を検出する加熱器温度検出手段が配置される加熱器温度検出手段の配置構造であって、前記空気流路は仕切り部により複数の分流路に分かれ、各分流路で調和される空気の温度は異ならせることができると共に、前記仕切り部の前記加熱器の下流側に前記複数の分流路を連通する連通孔が設けられており、前記加熱器温度検出手段は感熱部を備え、前記連通孔は内側に前記感熱部が配置されていると共に、前記感熱部の空気流路の下流側に空気流受け部が設けられていることを特徴としている(請求項1)。前記空気流受け部は、前記空気流路の下流側から上流側に向けて延びる延伸部を有して構成され、前記延伸部により前記空気流路の上流側に開放されるかたちで窪んだ壁面が形成され、前記連通孔をその軸方向から見た場合に前記延伸部の先端が前記連通孔の空気流路の上流側開口端に近接又は達していることを特徴としている(請求項2)。前記空調装置は、内部に前記空気流路が形成された空調ケースと、前記空気流路内に空気を送風する送風機と、前記加熱器よりも空気流路の上流側に収納されて、前記送風機を介して導入された空気を冷却する冷却器と、前記車両を走行させるためのエンジンを冷却する液体を熱源とした前記加熱器と、前記冷却器と前記加熱器との間に配置されて前記加熱器を通過する空気の流量と前記加熱器をバイパスする空気の流量との割合を調整するエアミックスドアと、前記空気流路の最下流側に設けられた吹出用開口部とを備え、前記空気流路の少なくとも前記冷却器よりも下流側部位が前記仕切り部により前記分流路に分かれ、前記エアミックスドアは前記分流路ごとに前記加熱器を通過する空気の流量と前記加熱器をバイパスする空気の流量との割合を調整可能であり、座席ごとに独立して前記吹出用開口部を介して温調された空気が吹き出されるものとなっている(請求項7)。エンジンと加熱器とは例えば配管接続されて加熱器の熱源となる液体が流れる液体循環回路が形成されており、この液体循環回路には循環ポンプが配置されている。加熱器の熱源となる液体は例えば温水やクーラントである。冷却器は、例えばエバポレータ等の冷却用熱交換器であり、加熱器は例えばヒータコア等の加熱用熱交換器である。エンジンの自動的な始動には、エンジンのアイドルストップ状態からの自動的な復帰も含まれる。
【0019】
これにより、エンジンのアイドルストップ時において加熱器を通過してきた空気流量が一の分流路と他の分流路とで異なっていても、空気流路の上流側に開放されるかたちで窪んだ壁面が形成された空気流受け部によって、連通孔において、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する側(静圧の低い分流路側)から加熱器内滞留温水温度が低下するのに時間がかかる側(静圧の高い分流路側)に向けて流れる逆行流が形成される。
【0020】
この発明に係る加熱器温度検出手段の配置構造では、前記感熱部を前記空気流受け部の窪んだ壁面の最も窪んだ部位上、又は前記空気流受け部の窪んだ壁面の最も窪んだ部位に近接した位置に配置したことを特徴としている(請求項3)。
【0021】
これにより、連通孔を静圧の高い側から静圧の低い側へと流れる空気流に対する逆行流が確実に形成される位置で温度の検出をすることが可能となり、早期に加熱器温度が低下する側の温度検出精度が相対的に高まる。
【0022】
また、この発明に係る加熱器温度検出手段の配置構造では、前記空気流受け部は、前記仕切り部と一体に形成されていることを特徴としている(請求項4)。これにより、部品点数が削減される。
【0023】
また、この発明に係る加熱器温度検出手段の配置構造では、前記空気流受け部は、前記仕切り部に装着されることを特徴としている(請求項5)。これにより、空調装置に対し空気流受け部を後付けすることができ、左右独立温調ではない仕様から左右独立温調仕様へと随時変更することができる。
【0024】
また、この発明に係る加熱器温度検出手段の配置構造では、前記加熱器温度検出手段は、前記空気流受け部と一体に形成されていることを特徴としている(請求項6)。これにより、部品点数が削減される。
【0025】
そして、この発明に係る加熱器温度検出手段は、請求項6に記載の加熱器温度検出手段であって、前記空気流受け部と、前記空気流受け部の窪んだ壁面に包まれるかたちで配置される前記感熱部とを備えることを特徴としている(請求項8)。
【0026】
更に、この発明に係る加熱器温度検出手段では、前記空気流受け部の窪んだ壁面を形成する前記延伸部は、前記連通孔の空気流路の上流側開口端を両側から挟むことができる切欠き部が形成されていても良い(請求項9)。これにより、連通孔をその軸方向から見た場合に延伸部の先端で連通孔の空気流路の上流側開口端を隠すことができるので、連通孔において、静圧の低い分流路側から静圧の高い分流路側に向けて流れる逆行流がより一層確実に得られる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、この発明によれば、エンジンのアイドルストップ時において加熱器を通過してきた空気流量が一の分流路と他の分流路とで異なっていても、空気流路の上流側に開放されるかたちで窪んだ壁面が形成された空気流受け部によって、連通孔において、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する側(静圧の低い分流路側)から加熱器内滞留温水温度が低下するのに時間がかかる側(静圧の高い分流路側)に向けて流れる逆行流が形成されるので、連通孔に1つの加熱器温度検出手段を配置しても、早期に加熱器温度が低下する側の分流路での加熱器温度に近い温度値を確実に検出することができる。このため、各分流路に加熱器温度検出手段を配置する場合に比し部品点数が削減され、車両の空調装置の製造コストが低減される。
【0028】
特に請求項3に記載の発明によれば、連通孔において、静圧の高い側から静圧の低い側へと流れる空気流に対する逆行流が確実に形成される位置で温度の検出をするため、早期に加熱器温度が低下する側の温度検出精度を相対的に高めることができるので、アイドルストップの状態からの復帰の制御に対する精度も向上させることが可能となり、乗員が暖房運転中にもかかわらず想定外の低い温度の吹出空気を受けて不快感を感ずることがなくなる。
【0029】
特に請求項4及び請求項6に記載の発明によれば、部品点数が更に削減されるので、車両の空調装置の製造コストをより低減することが可能となる。
【0030】
特に請求項5に記載の発明によれば、空調装置に対し空気流受け部を後付けすることができ、左右独立温調ではない仕様から左右独立温調仕様へと随時変更することができるので、商品性を向上させることができる。
【0031】
特に請求項9に記載の発明によれば、連通孔をその軸方向から見た場合に延伸部の先端で連通孔の空気流路の上流側開口端を隠すことができるため、連通孔において、静圧の低い分流路側から静圧の高い分流路側に向けて流れる逆行流がより一層確実に得られるので、連通孔に1つの加熱器温度検出手段を配置した場合でも、早期に加熱器温度が低下する側の分流路における温度検出精度を高めることができる。よって、アイドルストップの状態からの復帰の制御に対する精度も更に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、この発明が用いられる車両用空調装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、加熱器温度検出手段たる加熱器温度センサが仕切り部に装着された状態を上面側から示す車両用空調装置の一部断面図である。
【図3】図3は、加熱器を通過する空気流量が相対的に少ない分流路の方が加熱器を通過する空気流量が相対的に多い分流路よりも加熱器より空気流路の下流側において静圧が高くなることを説明した概略図である。
【図4】図4は、図3の加熱器の下流側の一部を拡大したもので、隣接する2つの分流路間に設けた連通孔に空気流受け部を有しない状態で加熱器温度センサを配置した場合の空気の流れを示す説明図である。
【図5】図5は、図4に示される態様で加熱器温度センサを連通孔に配置した際に、早期に加熱器内滞留温水の温度が低下する側の分流路における加熱器温度値を適切に検出することが困難なことを示す特性線図である。
【図6】図6は、この発明に係る空気流受け部の実施例1として、当該空気流受け部が仕切り部に一体形成された状態を示す斜視図である。
【図7】図7(a)及び(b)は、同上の空気流受け部の延伸部の先端が連通孔の空気流路の上流側開口端に相対的に近い場合に、連通孔において、静圧の高い分流路側から静圧の低い分流路側に向けて流れようとするのに対し逆行流が生ずることを示す説明図である。
【図8】図8は、空気流受け部の延伸部の先端が連通孔の空気流路の上流側開口端から相対的に離れている場合に、連通孔において、静圧の高い分流路側から静圧の低い分流路側に向かう流れが発生し、静圧の低い分流路側から静圧の高い分流路側に向かう逆行流が形成されないことを示す説明図である。
【図9】図9は、この発明に係る空気流受け部の実施例2として、当該空気流受け部が加熱器温度センサに一体形成された状態を示す第1例の側面図である。
【図10】図10は、図9に示される加熱器温度センサに一体形成された空気流受け部が仕切り部の連通孔に配置された状態を示す斜視図である。
【図11】図11(a)及び(b)は、この発明に係る空気流受け部の実施例2として、当該空気流受け部が加熱器温度センサに一体形成された状態を示す第2例の側面図及び空気流受け部の上面図である。
【図12】図12(a)及び(b)は、この発明に係る空気流受け部の実施例2として、当該空気流受け部が加熱器温度センサに一体形成された状態を示す第3例の側面図及び空気流受け部の上面図である。
【図13】図13(a)及び(b)は、図12に示される空気流受け部が、切欠き部で連通孔の空気流路の上流側開口端を挟むかたちで当該仕切り部に配置された状態を示す説明図である。
【図14】図14は、連通孔の上流側開口端の上下方向中央部が、図11で示される空気流受け部の内部に入り込むかたちで配置された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1及び図2において、右ハンドル車の車両に搭載されて車室の運転手席側領域と助手席側領域とを独立に空調制御する空調装置1が示されている。この空調装置1は、ファイヤーボード40に近接して配置されるもので、車両の左右方向の略中央に配置された温調ユニット2と、この温調ユニット2に対してオフセットの状態で配置された送風ユニット27とから構成されている。
【0035】
温調ユニット2は、ケース3の内部に設けられた空気流路4内において、この空気流路4を流れる空気を冷却する冷却器として機能するエバポレータ5と、このエバポレータ5より空気流路4の下流側に配されて空気流路4を流れる空気を加熱する加熱器(ヒータコアとも称する。)6と、エバポレータ5と加熱器6との間で、加熱器6を通過する空気量と加熱器6をバイパスする空気量との割合を調節するエアミックスドア7,8とが配置されている。
【0036】
そして、空気流路4は、エバポレータ5の風下面からデフロスト吹出口16、ベント吹出口17、18、フット吹出口19、20に至る領域が仕切り部9によって仕切られることで、運転手席側の分流路10と助手席側の分流路11とが画成されている。
【0037】
エバポレータ5は、運転手席側の分流路10と助手席側の分流路11との全通路断面を遮るように設けられ、加熱器6は、各分流路10,11の通路断面の一部を遮るように設けられている。そして、加熱器6は、ファイヤーボード40を境界として反対側に配置されたエンジン12とパイプ13を介して配管接続されることにより温水循環路14が形成されており、この温水循環路14上で且つファイヤーボード40を境界として反対側に配置された温水循環ポンプ15によりエンジン12の冷却用水が熱媒体として加熱器6に供給される。
【0038】
温水循環ポンプ15の稼動は、エンジン12の稼動と連動するようになっており、これに伴い、エンジン12のアイドルストップ時において暖房運転が継続される場合には、後述する送風機29が稼動し続ける一方、加熱器6とエンジン12との間で温水が流動せず、加熱器6内に温水が滞留し、この滞留温水の熱を利用して加熱器6は当該加熱器6を通過する空気を加熱することとなる。
【0039】
また、エアミックスドア7,8は、この実施例では、加熱器6の空気流路4の上流側に回転軸7a、8aを配置し、この回転軸7a、8aからドア本体7b、8bを当該回転軸7a、8aの径方向に延設させることにより、エバポレータ5を通過した全空気を加熱器6へ導くフルホット位置(開度100%)から、前記全空気を加熱器6をバイパスさせるフルクール位置(開度0%)の範囲にわたって回動するようになっている。
【0040】
温調ユニット2の加熱器6よりも下流側に位置する部分には、フロントガラスに沿って温調空気を吹出すデフロスト吹出口16と、乗員の上半身へ温調空気を吹出すベント吹出口17、18と、乗員の足元へ温調空気を吹出すフット吹出口19,20とが設けられている。ベント吹出口17,18とフット吹出口19,20とは、分流路10、11毎に設けられて、個別に動作するベントドア21,22とフットドア23,24とによって開口量が調節されるようになっている。これに対して、デフロスト吹出口16は、分流路10、11とで共通のデフロストドア25によって開口量が調節されるようになっている。
【0041】
送風ユニット27は、図示しないインテークボックスと一体に形成されたファン収納ケース28にシロッコファン等からなる送風機29が収納され、送風口30が温調ユニット2のエバポレータ5よりも空気流路4の上流側に位置する側部に設けられた接続口26に接続されている。したがって、送風機29の回転により、車両内外から導入された空気は、インテークボックスを介して空気流路4ひいては各分流路10,11に導かれる。
【0042】
このような構成において、加熱器6、各ドア21乃至ドア25、分流路10、11自体の構成が分流路10、11を流れる空気の通気抵抗体となるところ、エアミックスドア7,8の開度の変化による通気抵抗の変化をみると、エアミックスドア7,8の開度がフルクール側へ向かうほど加熱器6を通過する空気量が減って通気抵抗は相対的に小さくなり、逆に、エアミックスドア7,8の開度がフルホット側へ向かうほど加熱器6を通過する空気量が多くなるので、通気抵抗は相対的に大きくなる。そして、エアミックスドア7とエアミックスドア8とは、図示しないが異なるアクチュエータにより別個に開度制御されるので、分流路10での加熱器6を通過する空気流量と分流路11での加熱器6を通過する空気流量とに差が生じうる。これに伴い、エンジン12がアイドルストップしつつ空調装置1が暖房運転を継続すると、加熱器6のうち空気流量の多い分流路側に位置する部位の滞留温水は早期に温度が低下し、加熱器6のうち空気流量の少ない分流路側に位置する部位の滞留温水は温度の低下に時間がかかることとなる。よって、早期に滞留温水温度が低下する側の乗員が寒さを感じないようにするために、加熱器6のうち早期に滞留温水温度が低下する側の部分を通過した空気の温度を検出し、この温度値が一定以下の場合にエンジン12のアイドルストップからの復帰を図り、温水循環ポンプ15を稼動させて、加熱器6にエンジン12の冷却水を流す必要があるところ、分流路10、11のいずれが加熱器6のうち空気流量が相対的に多い分流路となるかは定まっていない。
【0043】
一方で、図3に示されるように、例えば、運転手席側の分流路10の加熱器6を通過する側の空気a3の流量と、助手席側の分流路11の加熱器6を通過する側の空気b3の流量との比率が2対5となるように、エアミックスドア7及びエアミックスドア8の開度を調節した場合に、分流路10、11のそれぞれの下流側に上述したように通気抵抗体が存在する一方で、エバポレータ5を通過して分流路10、分流路11に送られる空気a1、b1の流量が同じになるように配風を設定しても、通気抵抗となる加熱器6をバイパスする空気流量は空気a2の方が空気b2よりも多く、かつ加熱器6を通過する空気流量は空気a3の方が空気b3よりも少ないことから、空気a1の方が空気b1よりも流量が多くなる。そして、図3に示されるように、空調装置1の空気流路4の下流側には、吹出ダクト、レジスタ等の通気抵抗体が各分流路10、11に一様に存在している。このため、空気a3の方が空気b3より流量が少ないにも関わらず、静圧は空気a3の方が空気b3よりも高くなるため、仕切り部9に加熱器6よりも下流側にて分流路10、11間を連通する連通孔32を形成したのみの場合には、この連通孔32を通って図3の矢印Cに示されるように静圧が相対的に高い分流路10から静圧が相対的に低い分流路11に空気が流れる。
【0044】
これを受けて、本発明は、図6及び図10に示されるように、仕切り部9の加熱器6より空気流路4の下流側で且つ加熱器6に比較的近接した部位に、運転手席側の分流路10と助手席側の分流路11とを連通する連通孔32を形成し、この連通孔32内に加熱器6を通過した空気の温度を測定する加熱器温度センサ33の感熱部33aが配置されると共に、この感熱部33aより空気流路4の下流側に空気流受け部34を備えたものとなっている。以下、空気流受け部34について、実施例1、実施例2及び実施例3として説明する。
【実施例1】
【0045】
実施例1の空気流受け部34は、図6及び図7に示されるように、連通孔32の空気流路4の下流側から上流側に延びる支持部35により仕切り部9と一体に形成されているもので、空気流路4の下流側から上流側に向けて2方向に延びる延伸部36を有して構成されている。この延伸部36は、この実施例では、空気流路4の上流側に開放されるかたちで略U字状に湾曲して窪んだ壁面36aが形成されている。すなわち、延伸部36は、薄い板状の部材を略U字状に湾曲させた形態となっている。更に、連通孔32をその軸方向から見た場合に、空気流受け部34の延伸部36の先端が連通孔32の空気流路4の上流側開口端に近接した構成となっている。一方で、後述する図12及び図13に示されるように、空気流受け部34の延伸部36の先端が連通孔32の空気流路4の上流側開口端を空気流路4の上流側に向かって超えていても良い。
【0046】
図7(a)、(b)は、各分流路10、11に流れる空気流量がそれぞれ約100m/hとなるように設定し、且つ分流路10の加熱器6を通過する側の空気a3の流量と分流路11の加熱器6を通過する側の空気b3の流量との比率が2対5となるように、エアミックスドア7及びエアミックスドア8の開度を調節した場合を示したもので、分流路10の矢印に示される空気a3の流量よりも分流路11の矢印に示される空気b3の流量の方が多くなる。このとき、分流路10における矢印P1として示される静圧は、分流路11における矢印P2として示される静圧よりも高くなるところ、分流路10側から分流路11に向かうように(図7(a)において、図の右方から左方に向かうよう)に、空気が流れようとする。しかしながら、空気a3と空気b3のうち空気流受け部34に流入する空気は、空気流受け部34の窪んだ壁面36aに沿って連通孔32の方へと流れ方向が変更され、互いにぶつかり合う。そして流入空気量が多い空気b3からの流れが優勢となり、その結果、静圧の差による環境に打ち勝って逆行流Fが形成される。この逆行流Fが発生することは、温度分布を示す図7(b)において、相対的に空気温度の低い領域(点描を付した領域)が連通孔32内の分流路11側を満たし、また温度勾配が分流路10側に存在していることからも明らかである。
【0047】
更に、加熱器温度センサ33の感熱部33aについては、空気流受け部34の延伸部36の窪んだ壁面36aの面上、または近接させた位置として、分流路11から分流路10に向かって流れる逆行流F上に確実に配置したものとする。この場合に、加熱器温度センサ33は、図2に示されるように、ケース3の空気流路4と交差する側面から装着され、加熱器温度センサ33の先端は図6に示されるように空気流路4の上流側に向けて約90度の角度で曲がった構成とするのが好適である。
【0048】
以上の構成によれば、エンジン12のアイドルストップ時に加熱器6の滞留温水を利用して加熱器6を通過する空気の加熱を継続するにあたり、上記条件下では、分流路10側の空気a3の流量よりも分流路11側の空気b3の流量の方が多いため、分流路11側の方が分流路10側よりも加熱器6内の滞留温水の温度が早期に下がってしまうところ、連通孔32内に配置した加熱器温度センサ33の感熱部33aは、分流路11から分流路10に向かって流れる逆行流F上に配置されることにより、分流路11側の加熱器6を通過した空気の温度を検出することができる。
【0049】
よって、分流路11側における加熱器6内の滞留温水の温度が所定値以下に下がった場合に、図示しない制御部からエンジン12にアイドルストップからの復帰信号が送られ、これに伴い、温水循環ポンプ15も稼動して温水を加熱器6に供給するので、分流路11側の乗員は相対的に暖かい環境を所望しているにもかかわらず冷たい空気が吹き出され、寒く感ずるとの不具合を回避することができる。
【0050】
ここで、助手席側の分流路11側の空気b3の流量よりも運転手席側の分流路10側の空気a3の流量の方が多い場合には、上記と反対の状況となるところ、この場合にも、連通孔32内に配置した加熱器温度センサ33の感熱部33aは、分流路10から分流路11に向かって流れる逆行流F上に配置されることにより、分流路10側の加熱器6を通過した空気の温度を検出することができる。よって、加熱器温度センサ33の感熱部33aは1つで良いこととなる。
【0051】
なお、前記したように、逆行流Fは、空気a3と空気b3のうち空気流受け部34に流入する空気が窪んだ壁面36aに沿って流れ方向が変更され、互いにぶつかり合い、流入空気量の多少に従って形成されるものであるから、窪んだ壁面36aは、流れ方向を円滑に変更できる形状が望ましく、曲面形状や球面の一部分の形状であることが好ましい。
【0052】
ところで、図8のように、空気流受け部34の延伸部36の先端が連通孔32の空気流路の上流側開口端に達せず、しかも近接もしない形態では、連通孔32において、静圧P1が高い分流路10から静圧P2の低い分流路11に向かう空気流が主流となり、逆行流Fは発生しないため、分流路11側の空気の温度を適切に検出することができない。
【実施例2】
【0053】
(第1例)
実施例2の空気流受け部34は、図9及び図10に示されるように、加熱器温度センサ33の折れ曲がった先端部位に設けられている。そして、この空気流受け部34は、加熱器温度センサ33が仕切り部9の連通孔32内に装着された際に、空気流路4の下流側から上流側に向けて2方向に延びた配置となる延伸部36を有している。この延伸部36は、実施例1と同様に、加熱器温度センサ33が連通孔32内への装着時に、空気流路4の上流側に開放されるかたちで略U字状に湾曲して窪んだ壁面36aを有している。すなわち、空気流受け部34自体の構成は、実施例1の空気流受け部34と同様である。そして、加熱器温度センサ33の連通孔32内への装着は、連通孔32をその軸方向から見た場合に、空気流受け部34の延伸部36の先端が連通孔32の空気流路4の上流側開口端に近接、あるいは延伸部36の先端が連通孔32の空気流路4の上流側開口端よりも上流側に向かって越えるように行う。
【0054】
このような構成であっても、実施例1と同様に、図7(a)、(b)に示される説明図のように逆行流Fを形成させて、相対的に空気温度が低い分流路の空気の温度を検出することができる。
【0055】
連通孔32内に配置した加熱器温度センサ33の感熱部33aも、実施例1と同様に、空気流受け部34の延伸部36の窪んだ壁面36aの面上、または近接した位置に配置して、逆行流F上に確実に置かれるようにする。このように、早期に加熱器6内滞留温水が低下する側の加熱器6内の滞留温水の温度が所定値以下に下がった場合でも、エンジン12にアイドルストップからの復帰信号が図示しない制御部より送られ、これに伴い、温水循環ポンプ15も稼動して温水を加熱器6に供給するので、相対的に暖かい環境を所望する側の搭乗員に冷たい空気が吹き出されて、寒く感ずるのを回避することができる。
【0056】
(第2例)
図11(a)及び(b)において、空気流受け部34の延伸部36の形状の第2例が示されている。この延伸部36は、加熱器温度センサ33の感熱部33aを中心として360度の全域に広がりつつ湾曲させることにより円状の開口を有する外形が略半球状の構成となっている。この延伸部36の内側には、半球状に窪んだ壁面36aが形成されている。
【0057】
このような構成であっても、早期に加熱器6内の滞留温水が低下する側(静圧が相対的に低い側)の分流路から加熱器6内の滞留温水の低下に時間がかかる側(静圧が相対的に高い側)の分流路に向かって流れる、図7(a)に示される逆行流Fが形成される。そして、これらの第2例においても、連通孔32内に配置した加熱器温度センサ33の感熱部33aを逆行流F上に置くことにより、早期に加熱器6内の滞留温水が低下する側の加熱器6を通過した空気の温度を検出することができることから、これまでの実施例1、実施例2の第1例と同様の効果を得られる。
【0058】
(第3例)
図12及び図13において、空気流受け部34の延伸部36の形状の第3例が示されている。この第3例に示される空気流受け部34の延伸部36は、図11(a)及び(b)に示されるような、外形が略半球状で且つ半球状に窪んだ壁面36aが形成された構成を基本としつつ連通孔32の上流側開口端を両側から挟むことができる切欠き部38、38が形成されている。これにより、分流路ごとに異なる静圧の影響を受けにくくし、図7(a)に示される逆行流Fをより確実に形成させて、これまでの実施例1、実施例2の第1例、及び実施例2の第2例と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0059】
図14において、空気流受け部34の実施例3として、連通孔32の上流側開口端の変形例が示されている。この空気流受け部34は、実施例2のように加熱器温度センサ33と一体に形成されたものであっても、或いは、空気流受け部34が単独の部品で、仕切り部9に装着可能とされたものであってもよい。連通孔32の上流側開口端は、図14(c)に示されたように、上下方向中央部分Mが下流方向に延びているもので、図14(a)の平面図や図14(b)の上面図に示されるように、加熱器温度センサ33が温調ユニット2に配置されたとき、上下方向中央部分Mが空気流受け部34の内部(窪んだ部分)に入り込むかたちとなる。このように空気流受け部34の延伸部36の先端が、連通孔32の空気流路4の上流側開口端よりも上流側に向かって越えるよう構成することで、分流路ごとに異なる静圧の影響を受けにくくし、図7(a)に示される逆行流Fをより確実に形成させて、実施例1、実施例2と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 車両用空調装置
2 温調ユニット
3 ケース
4 空気流路
6 加熱器
7 エアミックスドア
8 エアミックスドア
9 仕切り部
10 運転手席側の分流路
11 助手席側の分流路
12 エンジン
13 パイプ
14 温水循環路
15 温水循環ポンプ
16 デフロスト吹出口
17 ベント吹出口
18 ベント吹出口
19 フット吹出口
20 フット吹出口
21 ベントドア
22 ベントドア
23 フットドア
24 フットドア
25 デフロストドア
29 送風機
30 送風口
32 連通孔
33 加熱器温度センサ
34 空気流受け部
35 支持部
36 延伸部
36a 窪んだ壁面
37 凹部
38 切欠き部
F 逆行流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを自動的に始動及び停止することができるエンジン自動始動停止機能を備えた車両の空調装置の空気流路内に収納されて前記空気流路を流れる空気を加熱する加熱器に対し、前記空気流路の下流側に前記加熱器又は前記加熱器を通過した空気の温度を検出する加熱器温度検出手段が配置される加熱器温度検出手段の配置構造であって、
前記空気流路は仕切り部により複数の分流路に分かれ、各分流路で調和される空気の温度は異ならせることができると共に、前記仕切り部の前記加熱器の下流側に前記複数の分流路を連通する連通孔が設けられており、
前記加熱器温度検出手段は感熱部を備え、前記連通孔は内側に前記感熱部が配置されていると共に、前記感熱部の空気流路の下流側に空気流受け部が設けられていることを特徴とする加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項2】
前記空気流受け部は、前記空気流路の下流側から上流側に向けて延びる延伸部を有して構成され、前記延伸部により前記空気流路の上流側に開放されるかたちで窪んだ壁面が形成され、前記連通孔をその軸方向から見た場合に前記延伸部の先端が前記連通孔の空気流路の上流側開口端に近接又は達していることを特徴とする請求項1に記載の加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項3】
前記感熱部を前記空気流受け部の窪んだ壁面の最も窪んだ部位上、又は前記空気流受け部の窪んだ壁面の最も窪んだ部位に近接した位置に配置したことを特徴とする請求項2に記載の加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項4】
前記空気流受け部は、前記仕切り部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項5】
前記空気流受け部は、前記仕切り部に装着されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項6】
前記加熱器温度検出手段は、前記空気流受け部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項7】
前記空調装置は、内部に前記空気流路が形成された空調ケースと、前記空気流路内に空気を送風する送風機と、前記加熱器よりも空気流路の上流側に収納されて、前記送風機を介して導入された空気を冷却する冷却器と、前記車両を走行させるためのエンジンを冷却する液体を熱源とした前記加熱器と、前記冷却器と前記加熱器との間に配置されて前記加熱器を通過する空気の流量と前記加熱器をバイパスする空気の流量との割合を調整するエアミックスドアと、前記空気流路の最下流側に設けられた吹出用開口部とを備え、前記空気流路の少なくとも前記冷却器よりも下流側部位が前記仕切り部により前記分流路に分かれ、前記エアミックスドアは前記分流路ごとに前記加熱器を通過する空気の流量と前記加熱器をバイパスする空気の流量との割合を調整可能であり、座席ごとに独立して前記吹出用開口部を介して温調された空気が吹き出されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の加熱器温度検出手段の配置構造。
【請求項8】
請求項6に記載の加熱器温度検出手段であって、
前記空気流受け部と、前記空気流受け部の窪んだ壁面に包まれるかたちで配置される前記感熱部とを備えることを特徴とする加熱用温度検出手段。
【請求項9】
前記空気流受け部の窪んだ壁面を形成する前記延伸部は、前記連通孔の空気流路の上流側開口端を両側から挟むことができる切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の加熱器温度検出手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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