説明

加熱調理器

【課題】不安感を抱かせないで安全な加熱調理器を提供する。
【解決手段】食品を収納する加熱室28を備え、加熱室28の底面に載置するテーブルプレート24を備え、前記食品を載置する角皿101を備え、テーブルプレート24は、平坦部24dと、平坦部24dの周囲を立ち上げる縁部24aと、平坦部24dと縁部24aとを繋ぐ傾斜部24cと、を設け、角皿101は、左右の裏側に開閉自在な脚部101bと、四隅の裏側に固定脚部101gと、を設け、角皿101の脚部101bを開いて脚部101bでテーブルプレート24に載置したとき、また、脚部101bを閉じて固定脚部101gで前記テーブルプレート24に載置したときに、脚部101bと固定脚部101gがテーブルプレート24の傾斜部24c内に定まるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波やヒータによって食品を加熱する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の加熱調理器においては、加熱室内において調理物を支持するための付属品がいろいろと提案されてきている。
【0003】
特許文献1に示すものは、加熱室内に調理物を支持するための付属品として、角皿と焼き網とを備え、加熱室の皿受け棚に角皿を載せ、その角皿に焼き網を載せて使用するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−217912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示された加熱調理器においては、角皿と焼き網とを備えたオーブンレンジにおいて、加熱室の皿受け棚に角皿を載せ、その角皿に焼き網を載せて使用するものであるため、角皿と焼き網は角皿に対して位置が定まらない。そのため、角皿上で焼き網がガタガタと移動量が大きく、調理終了時に取り出しに注意して作業する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の欠点を解決するためになされたものであり、請求項1では、食品を収納する加熱室と、前記加熱室の底面に載置するテーブルプレートと、前記食品を載置する角皿とを備え、前記テーブルプレートは、平坦部と、該平坦部の周囲を立ち上げる縁部と、前記平坦部と前記縁部とを繋ぐ傾斜部と、を有し、前記角皿は、左右の裏側に開閉自在な脚部と、四隅の裏側に固定脚部と、を有し、前記角皿の前記脚部を開いて該脚部で前記テーブルプレートに載置したとき、前記脚部の位置が前記テーブルプレートの前記傾斜部内に定まり、前記脚部を閉じて前記固定脚部で前記テーブルプレートに載置したとき、前記固定脚部の位置が前記テーブルプレートの前記傾斜部内に定まるものである。
【0007】
請求項2では、前記脚部を開いた状態の前記脚部の接地部の左右の距離は、前記テーブルプレートの左右縁部間の距離より大きく、前記角皿を前記脚部で前記テーブルプレートに載置すると、前記縁部の内側の傾斜部によって前記脚部が内側に寄せられて、前記テーブルプレートの前記縁部内側の四隅角部に位置が定まるものである。
【0008】
請求項3では、前記固定脚部は、前記角皿の四隅の角Rと略同一のR形状の接地部を設け、1本の前記固定脚部の接地部のR形状の端部ともう一方の端部の2箇所が、テーブルプレートの隣接する2辺と接触し、4本の前記固定脚部で前記テーブルプレートの前記縁部内側の四隅角部に位置が定まるものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1によれば、加熱室から加熱された角皿を載置したテーブルプレートを引き出す時、角皿が脚部または固定脚部でテーブルプレートの上で左右前後に動かなくなるように固定されるので、引き出すときの振動などで角皿の不意な動きがなく、不安感を抱くことなく安心してテーブルプレートを引き出すことができる。
【0010】
請求項2によれば、金属線材の脚部においても、脚部を開いた状態の脚部の接地部の左右の距離は、テーブルプレートの左右縁部間の距離より大きく、角皿を脚部でテーブルプレートに載置すると、縁部の内側の傾斜部によって脚部が内側に寄せられて、テーブルプレートの前記縁部内側の四隅角部に位置が定まる。
【0011】
請求項3によれば、意匠を統一できるだけでなく、磁器等の材料で成形されているテーブルプレートで製作上または清掃性の点で優れたR形状の角部においても、固定脚部は、角皿の四隅の角Rと略同一のR形状の接地部を設け、1本の固定脚部の接地部のR形状の端部ともう一方の端部の2箇所が、テーブルプレートの隣接する2辺と接触し、4本の固定脚部でテーブルプレートの前記縁部内側の四隅角部に位置が定まる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施例の加熱調理器の本体を前面側から見た斜視図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】一実施例の加熱調理器の本体の外枠を取り外し、ドアを開けて本体内部が見える状態の斜視図。
【図4】同加熱調理器の角皿を((a)脚部,(b)固定脚部)でテーブルプレートに載置した斜視図。
【図5】同加熱調理器の加熱室にテーブルプレートと角皿を載置した状態の加熱室水平断面図。
【図6】同加熱調理器の加熱室にテーブルプレートと角皿を((a)脚部,(b)固定脚部)で載置した状態の加熱室正面図。
【図7】図6のB−B断面図((a)脚部,(b)固定脚部)。
【図8】一実施例の加熱調理器の角皿の脚部を開いた状態の底面図。
【図9】(a)は図8のA部拡大図、(b)は(a)のP−P断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を上記した図1から図9に従って説明する。
【0014】
図1から図3において、加熱調理器の本体1は、加熱室28に加熱する食品を入れ、高周波やヒータの熱を使用して食品を加熱調理する。
【0015】
ドア2は、加熱室28に食品を出し入れするために開閉するもので、ドア2を閉めることで加熱室28を密閉状態にし、食品を加熱する時に使用する高周波の漏洩を防止し、ヒータの熱を封じ込め、効率良く加熱することを可能とする。
【0016】
取っ手9は、ドア2に取り付けられ、ドア2の開閉を容易にするもので、手で握りやすい形状になっている。
【0017】
ガラス窓3は、調理中の食品の状態が確認できるようにドア2に取り付けられ、ヒータ等の発熱による高温に耐えるガラスを使用している。
【0018】
入力手段71は、ドア2の前面下側の操作パネル4に設けられ、高周波加熱やヒータ加熱等の加熱手段や加熱強さである高周波出力や加熱時間等を入力するための操作部6と、操作部6から入力された内容や調理の進行状態を表示する表示部5とで構成されている。
【0019】
外枠7は、加熱調理器の本体1の上面と左右側面を覆うキャビネットである。
【0020】
後板10は、外枠7の後面を形成するものであり、上部に外部排気ダクト18が取り付けられ、該外部排気ダクト18の取り付けられる内側に、食品から排出した蒸気や本体1の内部の部品を冷却した後の冷却風(廃熱)39を排出する排気孔36が設けられている。
【0021】
また、外部排気ダクト18は、排気孔36を通過した冷却風39を本体1の外に排出するもので、排気は外部排気ダクト18の外部排気口8から排出し、排気の排出方向は本体1の上部方向で且つ前面側に排気する。
【0022】
排気の排出方向を上部方向で且つ前面側に向けることで、背面を壁面に寄せた時でも排気によって壁面を汚すことがない。
【0023】
機械室20は、加熱室底面28aと本体1の底板21との間の空間部に設けられ、底板21上には食品を加熱するためのマグネトロン33,マグネトロン33に接続された導波管47,加熱手段や加熱時間などを制御する制御手段が組み込まれた制御基板23、その他後述する各種部品、これらの各種部品を冷却するファン装置15等が取り付けられている。
【0024】
加熱室底面28aは、略中央部が凹状に窪んでおり、その中に回転アンテナ26が設置され、マグネトロン33より放射される高周波エネルギーは、導波管47,回転アンテナ駆動手段46の出力軸46aが貫通する開孔部47aを通して回転アンテナ26の下面に流入し、該回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射される。回転アンテナ26は回転アンテナ駆動手段46の出力軸46aに連結されている。
【0025】
ファン装置15は、底板21に取り付けた冷却モータに連結されており、このファン装置15によって発生する冷却風39は、機械室20内の自己発熱するマグネトロン33や該マグネトロン33の高周波出力を可変可能とする電源を作るインバータ電源を搭載したインバータ基板22,重量検出手段25等を冷却し、加熱室28の外側と外枠7の間および熱風ケース11aと後板10の間を流れ、外枠7と後板10を冷却しながら排気孔36を通り、外部排気ダクト18の外部排気口8より排出される。
【0026】
加熱室28の後部には、熱風ユニット11が取り付けられ、該熱風ユニット11内には加熱室28内の空気を効率良く循環させる熱風ファン32が取り付けられ、加熱室奥壁面28bには空気の通り道となる熱風吸気孔31と熱風吹出し孔30が設けられている。
【0027】
熱風ファン32は、熱風ケース11aの外側に取り付けられた熱風モータ13の駆動により回転し、熱風ヒータ14で循環する空気を加熱する。
【0028】
加熱室28の天面の裏側には、上ヒータ12が取り付けられている。上ヒータ12は、マイカ板にヒータ線を巻き付けて平面状に形成し、加熱室28の天面裏側に押し付けて固定し、加熱室28の天面を加熱して加熱室28内の食品を輻射熱によって焼くものである。
【0029】
次に、スチーム調理について説明する。スチーム調理は、テーブルプレート24上に載置した食品にスチームを与え、食品を水の皮膜で覆い食品を加熱する調理方法である。
【0030】
スチーム調理を行うためには、図1に示すように、加熱室28の下に着脱自在のタンク50を備え、タンク50の水をパイプ51を通して給水手段59で吸い上げてパイプ53で供給された水を加熱してスチームを発生させる蒸気発生手段52を備えている。蒸気発生手段52は加熱室側面28cの外側に設けられ加熱室2に蒸気噴出口52aを出している。
【0031】
この給水手段59と蒸気発生手段52は制御基板23により制御され、加熱室28に所望の温度のスチームを供給することで食品のスチーム調理を行うことができる。
【0032】
また、蒸気発生手段52でスチームを発生させ、電子レンジ加熱,グリル加熱、との組み合わせ動作でスチームにより調理を行うことができる。
【0033】
さらに、蒸気発生手段52でスチームを発生させ、熱風ユニット11の熱風ヒータ14と送風ファン32で、スチームが更に高温に熱せられて過熱水蒸気を生成して、過熱水蒸気により調理を行うことができる。
【0034】
また、加熱室28の左右内側面には、凸状に成型された複数段の棚27が相対向するように設けられ、該棚27に後述するテーブルプレート24を載置することができるようになっている。なお、棚27は、図3では上,中,下の三段設けられているが、上,下二段であってもよい。
【0035】
さらに、加熱室底面28aには、複数個の重量検出手段25、例えば前側左右に右側重量センサ25a,左側重量センサ25b,後側中央に奥側重量センサ25cが設けられている。該重量検出手段25の上にテーブルプレート24を載置している。
【0036】
テーブルプレート24は、食品を載置するためのもので、ヒータ加熱と高周波加熱の両方に使用できるように耐熱性を有し、かつ、高周波の透過性が良く、衛生面でも問題がない磁器等の材料で成形されている。
【0037】
また、テーブルプレート24は加熱室28の加熱室底面28aの幅寸法,奥行き寸法が略同じで、周囲に立ち上げる縁部24aを備える。図4に示すように食材などを載せる平坦部24dと縁部24aは傾斜部24cで繋がれている。更に、隣接する2辺の傾斜部24cが交わる角部はR形状になっており、この角部は四隅あり、四隅角部24bである。これは、テーブルプレート24は磁器製であるための製作上の点と清掃性を向上させるための形状である。
【0038】
また、グリル調理など加熱室が高温になる場合に、テーブルプレート24は調理終了時に加熱室28から開いたドア2の内側上面に引きずり出して、加熱した食品100を取出す操作をするものである。尚、テーブルプレート24は前記した重量検出手段25の上部に容易に着脱するものである。
【0039】
次に、図4から図9を用いて、角皿101について説明する。
【0040】
図4において、角皿101は、食品を載置する食品載置部101aと、食品載置部101aの周囲一体に形成される外周部101eとで構成される。
【0041】
図5,図6(a)(b)において、角皿101は加熱室28の加熱室底面28aより小さく、外周部101eの横幅は加熱室28の加熱室側面28cを突起させて左右に設けた棚27の距離よりも小さく、棚27に載置して使用するものではない。棚27には別の付属品の皿または、テーブルプレート24を載置して使用する。
【0042】
図4において、角皿101の食品載置部101aは、金属(例えばアルミ)で成形し、下面に発熱体101p(図8に示す)を貼り付けられている。マグネトロン33による高周波加熱で発熱体が加熱されて食品載置部101aを高温にして調理する方法と、上ヒータ12による加熱の両方、更に、前記したように、加熱室28に対して角皿101が小さいため、加熱室28の上方から角皿101の上面の食品載置部101aにマグネトロン33による高周波加熱の電波がまわりこみ、高周波加熱の使用可能としている。
【0043】
また、角皿101の左右の外周部101eの裏面には、脚取付部品101cによって角皿101を支える脚部101bが開閉自在となるように取り付けている。
【0044】
脚部101bは、左右の二脚で角皿101を支えることができるように、金属線材を略コ字形に加工し、該略コ字状の両端を耐熱温度の高い、例えばPPS樹脂(ポリフェニンサルファイド樹脂)よりなる脚取付部品101cによって角皿101の外周部101eの裏面より内側に開閉自在に固定している。
【0045】
図8に角皿101の底面を示す。図9(a)は図8に示すA部拡大図であり、図9(b)は(a)のP−P断面図である。
【0046】
図8に示すように、角皿101の左右両端に対象に脚取付部品101cが備えられている。そこで、図9に示すように、脚部101bを開いた状態では、脚部101bの回転軸部101b1は、脚取付部品101cのホルダ部101c1に挟まれ、金属線材製である脚部101bのスプリングバックの性質によってホルダ部101c1の前後方向に広がる。
【0047】
そのため、脚取付部品101cのリブ101c2で、脚部101bの左右方向部101b2を前後方向に押さえつけ、且つ、リブ101c2の下端に設けた突起部101c3で脚部101bの左右方向部101b2を下から支える。更に、脚部101bの直線部101b3を内側のリブ101c5と外側のリブ101c4で挟んで固定する。
【0048】
該固定によって、脚部101bは左右2脚の4本の直線部101b3が全て同一の角度に保つことができる。よって、図4(a)に示すように、脚部101bの接地部101mがテーブルプレート24の縁部24aの内側の四隅角部24bにガタツキなく位置が定まる。
【0049】
そのため、角皿101の中心とテーブルプレート24の中心は合致する。
【0050】
図9に示すように、脚取付部品101cは、開いた状態でその位置で固定できるように、脚部101bの開閉時に移動する経路に凸状の突起部101c3を設け、脚部101bを閉じる時、若しくは、開く時に前記突起を乗り越えるように力を加えることで開閉が自由にできるように構成されている。
【0051】
図8に示すように、脚部101bを開いた状態の脚部101bの接地部101mの左右の距離は、テーブルプレートの左右縁部24a間の距離より大きいものである。しかし、図4(a)のように、角皿101を脚部101bでテーブルプレート24に載置すると、縁部24aの内側の傾斜部24cによって脚部101bが内側に寄せられて、テーブルプレート24の縁部24aの内側の四隅角部24bに位置が定まる。
【0052】
そして、図4(a),図7(a)に示すように、脚部101bを開いた状態で、接地部101mの4点で成す幅はテーブルプレート24の傾斜部24cの内側の幅,奥行き方向の距離はテーブルプレート24の傾斜部24cの奥行き寸法に略等しく、角皿101の脚部101bはテーブルプレート24の縁部24aの内側の四隅角部24bにガタツキなく位置が定まる。
【0053】
次に、図4(b)において、脚取付部品101cは、前後に2個の固定脚部101gを一体に形成している。固定脚部101gは、接地部101kを角皿101の外側へ向けて広げて傾斜した形状で、角皿101の左右に脚取付部品101cを設けることで、角皿101の四隅に固定脚部101gが配置される。
【0054】
また図8に示すように、角皿101の左右両端に対象に脚取付部品101cが備えられている。そのため、脚取付部品101cと一体で形成する固定脚部101gの接地部101kは、角皿101の左右に対象である。よって、固定脚部101gは左右4脚が全て同一の角度に保つことができる。
【0055】
また、脚取付部品101cの前後方向で対象に固定脚部101gを配置されている。角皿101の前後方向の中心と、脚取付部品101cの前後方向の中心を合致した位置に取付けている。そのため、角皿101の前後方向の中心と、固定脚部101gの接地部101k間の中心は合致する。
【0056】
よって、図4(b)のように、固定脚部101gの接地部101kがテーブルプレート24の傾斜部24cの内側の四隅角部24bにガタツキなく位置が定まる。
【0057】
そのため、固定脚部101gで角皿101をテーブルプレート24に載置した状態でも、角皿101の中心とテーブルプレート24の中心は合致する。
【0058】
図4(b),図7(b)において、左右の固定脚部101gの接地部101kの幅、前後の固定脚部101gの接地部101kの奥行き方向の距離は、テーブルプレート24の傾斜部24cの内側の幅,奥行き寸法に略等しく、角皿101の固定脚部101gはテーブルプレート24の縁部24aの四隅角部24bにガタツキなく位置が定まる。
【0059】
固定脚部101gは、角皿101の四隅の角Rと略同一のR形状の接地部101kを設け、1本の固定脚部101gの接地部101kのR形状の端部ともう一方の端部の2箇所が、テーブルプレート24の隣接する2辺と接触し、4本の固定脚部101gでテーブルプレート24の縁部24の内側の四隅角部24bに位置が定まる。
【0060】
図4(a),図6(a),図7(a)に示すように、角皿101の脚部101bを開いてテーブルプレート24に載せられ、図4(b),図6(b),図7(b)に示すように、角皿101の脚部101bを閉じて固定脚部101gでテーブルプレート24に載せられる。
【0061】
図6,図7に示すように、脚部101bまたは固定脚部101gでテーブルプレート24に載置した場合にも、外周部101eは、加熱室28の棚27に接しないため、角皿101に載置した食品の重量が加熱室底面28aに設けた重量検出手段25に正確に伝わるようにしている。
【0062】
また、図4(b)に示すように、角皿101は、脚部101bを閉じると、脚部101bは食品載置部101aの裏側に倒れ、経路に設けた凸状の突起101c6(図9(a)に示す)によって脚部101bを閉じた状態に保持する。
【0063】
本実施例は、以上の構成からなる。
【0064】
次に動作について、角皿101の脚部101bを開いてテーブルプレート24に載せて使用する例を、鶏肉の付け焼きを例に図1から図3,図4(a),図6(a)を用いて説明する。
【0065】
初めに食品である鶏肉をつけ汁に付け、つけ汁の付いた鶏肉を図6(a)に示すように角皿101の食品載置部101aに載置し、脚部101bを開いてテーブルプレート24に載せる。
【0066】
ドア2を閉めた後、ドア2に設けられた操作パネル4の表示部5を見ながら操作部6を操作して自動調理である鶏肉の付け焼きを選択し、操作部6の加熱開始用スタートボタン(図示なし)を押して加熱調理を開始する。
【0067】
自動調理である鶏肉の付け焼きの動作は、加熱開始から加熱終了までの一連の動作で、上ヒータ12による加熱とマグネトロン33による高周波加熱で行う。
【0068】
加熱調理を開始させると、テーブルプレート24を支える重量検出手段25により食品の重量を測定し(角皿101,テーブルプレート24は制御手段で風袋引きする)、食品を加熱する加熱時間を算出する。
【0069】
加熱時間は、事前に重量との関係によって、その関係を制御手段に設定されており、重量検出手段25によって検出した重量に応じて加熱する食品の加熱時間が算出される。
【0070】
加熱が開始されると、上ヒータ12に通電され、上ヒータ12は発熱を開始し、食品を加熱する。
【0071】
食品は、上ヒータ12の加熱によってその表面が程よく焼けた後、マグネトロン33に通電を開始し、該マグネトロン33より放射される高周波エネルギーによって加熱される。
【0072】
マグネトロン33より放射される高周波エネルギーは、加熱室28の底面に設けられている回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射され、角皿101の周囲から電波がまわりこみ、角皿101の上面から食品の内部を加熱する。
【0073】
そして、食品の重量によって決定した加熱時間を加熱して調理を終了する。
【0074】
調理終了後に、テーブルプレート24を引き出して被加熱物である鶏肉を取り出す時でも、テーブルプレート24と角皿101とはガタツキが無く一体感があるので安心して加熱室28より引き出せる。
【0075】
次に、角皿101の脚部101bを閉じて固定脚部101gでテーブルプレート24に載せて使用する場合について、鯛の塩釜焼きを例に図1から図3,図4(b),図7(b)を用いて説明する。
【0076】
角皿101は、脚部101bを閉じると、脚部101bは食品載置部101aの裏側に倒れ、経路に設けた凸状の突起101c6(図9(a)に示す)によって脚部101bを閉じた状態に保持される。
【0077】
まず、卵白を混ぜた塩を食品載置部101aに敷き、食品である鯛を置き前記の卵白を混ぜた塩で鯛を覆い固める。
【0078】
ドア2を閉めた後、ドア2に設けられた操作パネル4の表示部5を見ながら操作部6を操作して自動調理である鯛の塩釜焼きを選択し、操作部6の加熱開始用スタートボタンを押して加熱調理を開始する。
【0079】
自動調理である鯛の塩釜焼きの動作は、加熱開始から加熱終了までの一連の動作で、蒸気噴出口52aからのスチームによる加熱とマグネトロン33による高周波加熱で行う。
【0080】
加熱調理を開始させると、テーブルプレート24を支える重量検出手段25により食品の重量を測定し(角皿101,テーブルプレート24は制御手段で風袋引きする)、食品を加熱する加熱時間を算出する。
【0081】
加熱時間は、事前に重量との関係によって、その関係を制御手段に設定されており、重量検出手段25によって検出した重量に応じて加熱する食品の加熱時間が算出される。
【0082】
加熱が開始されると、蒸気発生手段52に給水手段59で給水し蒸気噴出口52aからスチームを発生し、食品を加熱する。
【0083】
さらに、食品は、蒸気発生手段52のスチームの加熱によってその表面の塩が固まり鯛が蒸し焼きになった後、マグネトロン33に通電を開始し、該マグネトロン33より放射される高周波エネルギーによって加熱される。
【0084】
マグネトロン33より放射される高周波エネルギーは、加熱室28の底面に設けられている回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射され、角皿101の周囲から電波がまわりこみ、角皿101の上面から食品の内部を加熱する。
【0085】
更に、角皿101の食品載置部101aの下面の発熱体により食品載置部101aが発熱して食品の内部を加熱する。
【0086】
そして、食品の重量によって決定した加熱時間を加熱して調理を終了する。
【0087】
調理終了後に、テーブルプレート24を引き出して被加熱物である鯛の塩釜焼きを取り出す時でも、テーブルプレート24と角皿101とはガタツキが無く一体感があるので安心して加熱室28より引き出せる。
【0088】
以上説明したように、本実施例によれば、調理が終わり、加熱室28から加熱された角皿101を載置したテーブルプレート24を引き出す時、角皿101が脚部101bまたは固定脚部101gでテーブルプレート24の上で左右前後に動かなくなるように固定されるので、引き出すときの振動などで角皿の不意な動きがなく、不安感を抱くことなく安心してテーブルプレート24を引き出すことができる。
【0089】
また、レンジ加熱時に、加熱室底面28aから発した電波が角皿101の周囲を通り、食品の上にも回り込む十分な通路を確保できる。
【0090】
また、角皿101と加熱室28間で接触する部分がないため、レンジ加熱時にスパークが発生しないため、安心して角皿101を使用できる。
【0091】
また、金属線材の脚部においても、脚部101bを開いた状態の脚部101bの接地部101mの左右の距離は、テーブルプレートの左右縁部24a間の距離より大きく、角皿101を脚部101bでテーブルプレート24に載置すると、縁部24aの内側の傾斜部24cによって脚部101bが内側に寄せられて、テーブルプレート24の縁部24a内側の四隅角部24bに位置が定まる。
【0092】
さらに、意匠を統一できるだけでなく、磁器等の材料で成形されているテーブルプレート24で製作上または清掃性の点で優れたR形状の四隅角部24bにおいても、固定脚部101gは、角皿101の四隅の角Rと略同一のR形状の接地部101kを設け、1本の固定脚部101gの接地部101kのR形状の端部ともう一方の端部の2箇所が、テーブルプレート24の隣接する2辺と接触し、4本の固定脚部101gでテーブルプレート24の縁部24a内側の四隅角部24bに位置が定まる。
【符号の説明】
【0093】
24 テーブルプレート
24a 縁部
24b 四隅角部
24c 傾斜部
24d 平坦部
25 重量検出手段
28 加熱室
100 食品
101 角皿
101b 脚部
101g 固定脚部
101m 接地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収納する加熱室と、前記加熱室の底面に載置するテーブルプレートと、前記食品を載置する角皿とを備え、
前記テーブルプレートは、平坦部と、該平坦部の周囲を立ち上げる縁部と、前記平坦部と前記縁部とを繋ぐ傾斜部と、を有し、
前記角皿は、左右の裏側に開閉自在な脚部と、四隅の裏側に固定脚部と、を有し、
前記角皿の前記脚部を開いて該脚部で前記テーブルプレートに載置したとき、前記脚部の位置が前記テーブルプレートの前記傾斜部内に定まり、
前記脚部を閉じて前記固定脚部で前記テーブルプレートに載置したとき、前記固定脚部の位置が前記テーブルプレートの前記傾斜部内に定まることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記脚部を開いた状態の前記脚部の接地部の左右の距離は、前記テーブルプレートの左右縁部間の距離より大きく、
前記角皿を前記脚部で前記テーブルプレートに載置すると、前記縁部の内側の傾斜部によって前記脚部が内側に寄せられて、前記テーブルプレートの前記縁部内側の四隅角部に位置が定まることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記固定脚部は、前記角皿の四隅の角Rと略同一のR形状の接地部を有し、
1本の前記固定脚部の接地部のR形状の端部ともう一方の端部の2箇所が、テーブルプレートの隣接する2辺と接触し、4本の前記固定脚部で前記テーブルプレートの前記縁部内側の四隅角部に位置が定まることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−241986(P2011−241986A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111613(P2010−111613)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】