説明

加熱調理器

【課題】調理皿や扉体など着脱自在な部材が非正規な載置箇所に配置された際に当該部材の再配置を確実に促すことができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器1は、開口2aを有する調理庫2と、開口2aを通じて調理庫2内に収容自在な調理皿3と、調理庫2に設けられて調理皿3を調理庫2の内外に移動させる伸縮自在なスライドレール5と、スライドレール5に設けられて調理皿3を載置自在な保持枠体6と、調理皿3に設けられて調理皿3が保持枠体6の非正規載置箇所に配置された場合、保持枠体6に当接して調理皿3と保持枠体6との接近を阻止する誤載置防止リブ56と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
開口を有する調理庫と、この調理庫内に引き出し状に構成された調理皿および扉体と、を備えた加熱調理器、所謂ロースターが知られている。この加熱調理器は、調理庫内から調理皿および扉体を円滑に引き出せるように、調理皿を調理庫の内外に案内する伸縮自在なスライドレールと、スライドレールに設けられて調理皿を載置自在な保持枠体と、を備える。
【0003】
ところで、少なくとも調理皿あるいは調理皿および扉体は、これらの清掃や被加熱物の取り扱いが容易になるよう保持枠体から取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−281679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加熱調理器は、引き出し状に構成された調理皿および扉体を保持枠体(あるいは、スライドレール)から取り外すことができる。
【0006】
他方、被加熱物を加熱する際、取り外された調理皿および扉体は、保持枠体に再度取り付けられる。この際、加熱調理器は、保持枠体の正規の載置箇所なり正規の取付箇所に調理皿(および扉体)を再度配置されることによって、被加熱物の適切な加熱を行うことができる。換言すれば、加熱調理器は、保持枠体(あるいは、スライドレール)の非正規な載置箇所なり非正規な取付箇所に調理皿(および扉体)がズレて取り付けられてしまうと、被加熱物を適切に加熱できなくなる(過加熱や加熱不足を生じる)虞がある。
【0007】
例えば、調理皿が非正規な載置箇所に配置されると、熱源と被加熱物との相対的な配置が遠すぎたり近すぎたりして、適切な加熱ができなくなる。また、扉体が非正規な取付箇所に配置されると、調理庫の開口をぴったりと閉めることができずに、調理庫内の温度を保てず適切な加熱ができなくなる。
【0008】
ところで、このような調理皿の載置箇所のズレや扉体の取付箇所のズレは、そのズレ量が大きければ(例えば、5mm以上)使用者に容易に認知されて調理皿や扉体の再取付を促す機会となるものの、ズレ量が小さければ使用者に認知されにくくなる。
【0009】
そこで、本発明は、調理皿や扉体など着脱自在な部材が非正規な載置箇所に配置された場合、そのことを使用者に容易に認知させて当該部材の再配置を確実に促すことができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る加熱調理器は、開口を有する調理庫と、前記開口を通じて前記調理庫内に収容自在な調理皿と、前記調理庫に設けられて前記調理皿を前記調理庫の内外に移動させる伸縮自在なスライドレールと、前記スライドレールに設けられて前記調理皿を載置自在な保持枠体と、前記調理皿に設けられて前記調理皿が前記保持枠体の非正規載置箇所に配置された場合、前記保持枠体に当接して前記調理皿と前記保持枠体との接近を阻止する誤載置防止リブと、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る加熱調理器が組み込まれたIHクッキングヒータを示した斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した縦断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した平断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した部分的な横断面図。
【図6】本発明の実施形態に係る加熱調理器の引き出し部を示した分解斜視図。
【図7】本発明の実施形態に係る加熱調理器の引き出し部を部分的に示した分解斜視図。
【図8】本発明の実施形態に係る加熱調理器の調理皿が正規な載置箇所に配置された状態を示した図。
【図9】本発明の実施形態に係る加熱調理器の調理皿が非正規な載置箇所に配置された状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る加熱調理器の実施の形態について、図1から図9を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る加熱調理器が組み込まれたIHクッキングヒータを示した斜視図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、IHクッキングヒータ100に組み込まれた所謂ロースターである。
【0015】
IHクッキングヒータ100は、システムキッチンKの凹部Pに組み込まれた所謂ビルトインタイプのものであり、被加熱物配置部103a、103b、104を有するトッププレート105と、トッププレート105に覆われてシステムキッチンKの凹部Pに収容された調理器本体108と、トッププレート105に覆われて被加熱物配置部103a、103b、104の下方に配置された誘導加熱コイル106A、106Bおよびヒータ107と、を備える。ヒータ107は、例えばラジエントヒータを用いて構成された熱源である。
【0016】
加熱調理器1は、システムキッチンKの前面側に配置されてIHクッキングヒータ100に収容される。
【0017】
なお、加熱調理器1の構造を説明するにあたり、システムキッチンKの前面側を正面、システムキッチンKの奥側を背面と定義する。また、システムキッチンKに向かう使用者から見て左手側を加熱調理器1の左方、その反対側を加熱調理器1の右方と定義する。また、加熱調理器1を構成する各部の方向については加熱調理器1に準じる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した斜視図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、開口2aを有する調理庫2と、開口2aを通じて調理庫2内に収容自在な調理皿3と、調理庫2に設けられて調理皿3を調理庫2の内外に移動させる伸縮自在なスライドレール5と、スライドレール5に設けられて調理皿3を載置自在な保持枠体6と、開口2aを開閉自在な扉体7と、を備える。調理皿3、スライドレール5、保持枠体6および扉体7は、調理庫2から引き出し自在に構成された引き出し部である。
【0020】
調理庫2は、比較的扁平な直方体の耐熱容器である。調理庫2は、前面に開口2aを有し、後部に排気ダクト8を有する。
【0021】
調理皿3は、調理庫2の内部に収納可能な大きさの矩形状を有する。
【0022】
スライドレール5は、調理庫2の外側であり、調理庫2の左右両側の下部に配置される。スライドレール5は、左右一対のインナーレール11と、左右一対のアウターレール12と、を備える。
【0023】
保持枠体6は、アウターレール12前端部に架設されて2本のアウターレール12を連結させる連結部13と、上方より見てコ字形状に形成された線材からなり連結部13に接合された前端部を有する皿受枠体15と、を備える。
【0024】
扉体7は、スライドレール5によって調理庫2の前後方向へ移動し開口2aを開閉する蓋である。扉体7は、下部前側に設けられた手掛部17と、手掛部17の上方に設けられた透視窓18と、を備える。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した縦断面図である。
【0026】
図3に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、調理庫2の内部上側に設けられた上ヒータ21と、調理庫2の内部下側に設けられた下ヒータ22と、を備える。
【0027】
加熱調理器1は、扉体7を閉じると調理庫2の内の最下部に調理皿3が配置され、調理皿3の直上に下ヒータ22が重なり、下ヒータ22のさらに上方に上ヒータ21が重なるよう構成される。調理皿3から適宜の高さに被加熱物(図示省略)を保持する焼網23を装着すれば、被加熱物を上ヒータ21と下ヒータ22とで挟み込んで炙り焼くことができる。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した平断面図である。
【0029】
図4に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1の調理庫2は、最外殻である遮熱壁25と、遮熱壁25に覆われた内箱26と、を備える。
【0030】
遮熱壁25は、調理庫2の上下左右の周囲全部を覆う壁であり、耐熱材(例えば鉄板)を用いて形成される。遮熱壁25は、内側の複数箇所に切起こし部27を有する。遮熱壁25は、切起こし部27の頂部を内箱26の外面に当てて内箱26を位置規制するとともに、内箱26との間に所要の隙間をあけて内箱26を保持する。
【0031】
スライドレール5は、アウターレール12の後端部に設けられた可動側マグネット28と、遮熱壁25に取付板29を介して設けられた固定側マグネット31と、を備える。これらのマグネット28、31は、扉体7で開口2aを閉じるようにスライドレール5を縮めたときに対向して引かれ合い、この状態を維持する。
【0032】
インナーレール11は、調理庫2の前後方向に延びた長尺なレールである。インナーレール11は、調理庫2の開口2aよりも後方に位置された前端を有する。
【0033】
図5は、本発明の実施形態に係る加熱調理器を示した部分的な横断面図である。
【0034】
図5に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1の調理庫2は、左右両側の下部にスライドレール5が配置された凹部32を有する。凹部32は、遮熱壁25に形成された凹部32aと、凹部32aに対応させて内箱26に形成された凹部32bと、によって構成される。遮熱壁25は、凹部32aの前後二箇所に設けられた凸部33を備える。凸部33は、凹部32aの左右側方を指向する縦壁部35から側方外側へ突出させて形成される。
【0035】
スライドレール5は、遮熱壁25の外側(ひいては調理庫2の外側)に形成された凹部32aに配置されて固定される。また、スライドレール5は、インナーレール11およびアウターレール12の他に、インナーレール11とアウターレール12との間に介在して円滑にスライドさせるベアリングボール36、37と、ベアリングボールを保持するリテーナ38と、を備える。
【0036】
インナーレール11は、各々、調理庫2の全幅の内側に配置されるとともに、凸部33に主体部11aを当接させ、締結部材39の締結によって固定される。インナーレール11は、長手方向に直交する面において調理庫2の外側に開いたコ文字形状を有する。このコ文字形状のうちの中間部は主体部11aであり、上部11bは上向きに凹み、下部11cは下向きに凹む。
【0037】
アウターレール12は、インナーレール11と対称的に調理庫2の内側に開くとともにインナーレール11よりも大きなコ文字形状断面を有する。アウターレール12の主体部12aはインナーレール11を調理庫2の外側方より覆い、上部12bはインナーレール11の上部11bに重なり、下部12cはインナーレール11の下部11cに重なる。アウターレール12の上部12bは下向きに凹み、下部12cは上向きに凹む。
【0038】
ベアリングボール36は、インナーレール11の上部11bの凹みとアウターレール12の上部12bの凹みとの間に挟み込まれる。ベアリングボール37は、インナーレール11の下部11cの凹みとアウターレール12の下部12cの凹みとの間に挟み込まれる。
【0039】
リテーナ38は、レール11、12と同様にコ文字形状断面を有し、アウターレール12とインナーレール11との間に配置されてベアリングボール36、37を保持する。
【0040】
このように構成されたスライドレール5は、調理庫2に固定されたインナーレール11に対して調理庫2の前後方向へスライド自在なアウターレール12を保持する。アウターレール12は、リテーナ38を一体にともなってベアリングボール36、37を転動させつつ、インナーレール11に沿ってスライドする。
【0041】
図6は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の引き出し部を示した分解斜視図である。
【0042】
図6に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1の引き出し部は、調理皿3、スライドレール5、保持枠体6および扉体7を備え、調理庫2から引き出し自在に構成される。
【0043】
保持枠体6の連結部13は、左右のアウターレール12に架け渡された主体部13aと、主体部13aの両端部に形成されて連結部13をアウターレール12に固定させる継手部13bと、主体部13aの上縁に設けられた扉掛部41と、を備える。連結部13は、金属材料製の板材を曲げて成形される。
【0044】
主体部13aは、主面を調理庫2の前面に指向させるとともに、上縁に沿い後方に向かって折り曲げられたリブ状の補強部42を有する。
【0045】
扉掛部41は、主体部13aの主面に連続しつつ主体部13aの上縁から上方に向けて延びたリブであるとともに第二誤載置防止リブとしても機能する。扉掛部41は、主体部13aの左右の端部近傍にそれぞれ配置される。
【0046】
皿受枠体15は、前方に開放されたコ文字形状を有する。
【0047】
扉体7および調理皿3は、保持枠体6へ一体的に着脱できる。
【0048】
先ず、調理皿3は、保持枠体6の皿受枠体15上に載置されて保持される。調理皿3は、外周縁部にフランジ部3aを備え、フランジ部3aを皿受枠体15に引っ掛けるようにして載置、保持される。また、調理皿3は、前縁両端部に設けられた一対の掛爪45と、前面中央下部に設けられて掛爪45間に配置された掛爪46と、を備える。
【0049】
扉体7は、背面(すなわち、調理庫2の内側の空間を仕切り開口2aを塞ぐ面)に設けられて調理庫2の底面に接する安定部47と、同じく背面に設けられて扉体7を開放させるときに使用者が手を添えるのに供される添え部48と、同じく背面に設けられて調理皿3の掛爪46が引っ掛けられる掛孔49を有する掛合片51と、を備える。
【0050】
扉体7の背面を構成する背板52は、調理皿3を組み合わせる際に調理皿3の掛爪45が引っ掛けられる掛孔53を有する。また、背板52は、扉体7を保持枠体6に組み合わせたときに保持枠体6の扉掛部41が差し込まれて引っ掛けられる掛孔55を有する。
【0051】
図7は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の引き出し部を部分的に示した分解斜視図である。
【0052】
図7に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、調理皿3に設けられて調理皿3が保持枠体6の非正規載置箇所に配置された場合、保持枠体6に当接して調理皿3と保持枠体6との接近を阻止する誤載置防止リブ56を備える。
【0053】
保持枠体6は、主体部13aの前面下部に扉受部57を備える。扉受部57は、扉体7を保持枠体6に組み合わせたときに扉体7の下縁に引っ掛かる。
【0054】
図8は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の調理皿が正規な載置箇所に配置された状態を示した図である。
【0055】
図9は、本発明の実施形態に係る加熱調理器の調理皿が非正規な載置箇所に配置された状態を示した図である。
【0056】
先ず、図8に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、調理皿3および扉体7が正規な載置箇所に配置されると、調理皿3のフランジ部3aが保持枠体6の皿受枠体15に引っ掛けられ、保持枠体6の扉掛部41が扉体7の掛孔55に差し込まれて引っ掛けられる。特に、フランジ部3aの後端部は、皿受枠体15の後端部に引っ掛かり、調理皿3および扉体7を正規な載置箇所に位置決めする基準位置になる。
【0057】
このように調理皿3および扉体7が正規な載置箇所に配置されれば、加熱調理器1は、引き出し部を円滑に開閉させることができる。
【0058】
他方、図9に示すように、本実施形態に係る加熱調理器1は、調理皿3および扉体7が非正規な載置箇所に配置されると、調理皿3の誤載置防止リブ56が保持枠体6(より詳しくは、扉掛部41)に当接して調理皿3と保持枠体6との接近を阻止する。すなわち、扉掛部41は、調理皿3が保持枠体6の非正規載置箇所に配置された場合、調理皿3と保持枠体6との接近にともない誤載置防止リブ56に当接するよう突出形成された第二誤載置防止リブである。
【0059】
ここで、調理皿3および扉体7の非正規な載置箇所とは、フランジ部3aの後端部が皿受枠体15の後端部に引っ掛かり損ない、正規な載置箇所に対して調理皿3および扉体7が前後左右に偏って配置された状態である。
【0060】
使用者が調理皿3および扉体7を保持枠体6に載置する場合、通常は調理皿3の奥側(フランジ部3aの後端部)を保持枠体6に引っ掛かり、次いで皿受枠体15の後端部に引っ掛かったフランジ部3aの後端部を中心に調理皿3および扉体7を回転させながら扉掛部41を掛孔55に差し込む。
【0061】
この一連の動作において、調理皿3の奥側が保持枠体6に適切に引っ掛からなかった場合(すなわち、調理皿3および扉体7が前側に偏って配置された場合)、誤載置防止リブ56は、第二誤載置防止リブである扉掛部41に当接して調理皿3および扉体7が非正規な載置箇所に配置されることを阻止する。このとき、調理皿3は、第二誤載置防止リブである扉掛部41および誤載置防止リブ56の合計高さ分だけ正規な載置箇所から離れることになるので、調理皿3が正規な載置箇所に載っていないことを使用者に確実に認知させることができる。このリブ41、56の合計高さは、例えば5mm以上、望ましくは10mm以上に設定される。また、この合計高さは、調理皿3および扉体7が非正規な載置箇所に配置されたままでは調理庫2内に収容できないように設定しても良い。
【0062】
つまり、誤載置防止リブ56は、調理皿3および扉体7が皿受枠体15の後端部を中心に回転した際は扉掛部41に当接することなく、回転中心が皿受枠体15の後端部から外れた際は扉掛部41に当接して調理皿3および扉体7の回転を妨げる。
【0063】
なお、調理皿3および扉体7が後側に偏って配置された場合は、扉掛部41が扉体7の下端部に当接して調理皿3および扉体7の接近を妨げる。また、調理皿3および扉体7が左右に偏って配置された場合は、調理皿3と皿受枠体15とが干渉し、または扉掛部41が扉体7の掛孔55に差し込まれずに調理皿3および扉体7の接近を妨げる。
【0064】
なお、本実施形態に係る加熱調理器1は、調理皿3および扉体7を一体的に保持枠体6へ着脱自在な構成を有する例について説明したが、調理皿3と扉体7とを別々に保持枠体6に着脱自在な構成を有するものであっても良く、保持枠体6に扉体7が固定されて調理皿3のみ着脱自在な構成を有するものであっても良い。いずれの構成であっても、調理皿3が非正規な載置箇所に配置されると、誤載置防止リブ56が保持枠体6(より詳しくは、扉掛部41またはこれに類する突出部(図示省略))に当接して調理皿3と保持枠体6との接近を阻止するよう構成できる。
【0065】
このように構成された本実施形態に係る加熱調理器1によれば、調理皿3および扉体7が非正規な載置箇所に配置されていない場合、保持枠体6と調理皿3との接近を阻止して調理皿3および扉体7を正規な載置箇所に再度配置するよう使用者に促すことができる。
【0066】
また、加熱調理器1は、調理皿3を確実に正規な載置箇所に配置させることができ、被加熱物の不適切な加熱を未然かつ確実に予防し、被加熱物の適切な加熱を確実に遂行できる。また、加熱調理器1は、扉体7によって調理庫2の開口2aを確実に塞ぎ、調理庫2内の温度を適切に保つことができる。
【0067】
したがって、本実施形態に係る加熱調理器1によれば、調理皿3や扉体7など着脱自在な部材が非正規な載置箇所に配置された場合、そのことを使用者に容易に認知させて当該部材の再配置を確実に促すことができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1 加熱調理器
2 調理庫
2a 開口
3 調理皿
3a フランジ部
5 スライドレール
6 保持枠体
7 扉体
8 排気ダクト
11 インナーレール
11a 主体部
11b 上部
11c 下部
12 アウターレール
12a 主体部
12b 上部
12c 下部
13 連結部
13a 主体部
13b 継手部
15 皿受枠体
17 手掛部
18 透視窓
21 上ヒータ
22 下ヒータ
23 焼網
25 遮熱壁
26 内箱
27 切起こし部
28 可動側マグネット
29 取付板
31 固定側マグネット
32、32a、32b 凹部
33 凸部
35 縦壁部
36、37 ベアリングボール
38 リテーナ
39 締結部材
41 扉掛部
42 補強部
45、46 掛爪
47 安定部
48 添え部
49 掛孔
51 掛合片
52 背板
53、55 掛孔
56 誤載置防止リブ
57 扉受部
100 IHクッキングヒータ
103a 被加熱物配置部
105 トッププレート
106A 誘導加熱コイル
107 ヒータ
108 調理器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する調理庫と、
前記開口を通じて前記調理庫内に収容自在な調理皿と、
前記調理庫に設けられて前記調理皿を前記調理庫の内外に移動させる伸縮自在なスライドレールと、
前記スライドレールに設けられて前記調理皿を載置自在な保持枠体と、
前記調理皿に設けられて前記調理皿が前記保持枠体の非正規載置箇所に配置された場合、前記保持枠体に当接して前記調理皿と前記保持枠体との接近を阻止する誤載置防止リブと、を備えたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記保持枠体は、前記調理皿が前記保持枠体の非正規載置箇所に配置された場合、前記調理皿と前記保持枠体との接近にともない前記誤載置防止リブに当接するよう突出形成された第二誤載置防止リブを有することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第二誤載置防止リブに引っ掛けられて前記保持枠体に着脱自在に固定され、前記開口を開閉自在な扉体を備えたことを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−77954(P2012−77954A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221503(P2010−221503)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】