説明

加熱調理機器

【課題】使用者が加熱室照明の光源を眩しく感じないように、不透明シートを適宜貼り付けながら、加熱室の奥も明るい使用性の高い加熱調理機器を提供する。
【解決手段】加熱装置本体1に具備された加熱室2の開閉扉3のドアスクリーン穴8と加熱室壁面の採光用小穴6と照明用光源ユニット7とが、幾何学的に一直線になるエリアに関しては、不透明シート9で使用者の眩しさを抑えながら、加熱室2内奥については、透明シートで明るさを確保する。上記構成から明らかなようにこの加熱調理機器では、加熱中に使用者が加熱室2を覗いても、眩しさを防ぐシートがあり、使用者の不快感なく操作することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータやマイクロ波等によって被加熱物を加熱する加熱調理機器に関し、加熱室を照明する際の照明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヒータやマイクロ波等によって被加熱物を加熱する加熱調理機器、例えば加熱調理機器は、機器の前面に加熱室に被加熱物を出し入れする回転自在の扉と加熱手段等の操作部が設けてある。また、加熱室壁面には、小穴部が設けられ、調理の進行状況が分かり易いように、加熱室内を照明するランプの光を取り入れるための小穴が形成されている。
【0003】
従来、この種の加熱調理機器は、加熱室の電波を外の漏らさないように、壁面の採光穴は小さく作られているため、光の入射量が少なく、加熱室が暗く感じられることが多くあったが、最近は、LEDによる発光体から採光穴のピッチに合わせて多点に光源を配置して採光量を増やす工夫が取られてきた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−139336号公報
【特許文献2】特開平5−26455号公報
【特許文献3】特開平4−295522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この種の加熱調理機器は加熱室の電波を外の漏らさないように、壁面の採光穴は小さく作られているため、光の入射量が少なく、加熱室が暗く感じられることが多くあったが、最近は、LEDによる発光体から採光穴のピッチに合わせて多点に光源を配置して採光量を増やす工夫が取られてきた半面、光源が強すぎるため、機器使用者の目に直接光が入り、眩しく感じられるという課題があった。
【0006】
本発明は前記従来の課題を解決したもので、使用者から、光源からの光が直接目に届かないよう、小穴部に不透明なシートを貼り付ける。この際、庫内の明るさが落ちるため、採光穴、光源位置、ドアスクリーンが直線状に並ぶエリアに限り、上記不透明シートを貼ることで、庫内に照射する光のうち、被加熱物は明るいままで、機器使用者には眩しさを与えない機器の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するため、加熱室と、前記加熱室内の被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室を開閉する扉と、前記加熱手段を制御する電装部と、加熱室を照明する光源と、光源からの光を加熱室内に照射する小穴を備えた加熱調理器のうち、加熱室壁面に備えられた小穴の一部を使用者の目に直接光が届かないよう、関連する小穴部分にのみ不透明シートを貼り、眩しさを抑える構成としている。
【0008】
これによって使用者は、機器使用中に機器内を覗いても、機器の光源からの光に眩しさを感じることを低減できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は使用者が機器使用中に加熱室を覗いても、機器の光源からの光を直接見ないよう、不透明シートが貼られている結果、眩しさを抑えられた状態で、被加熱物を見ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱調理機器の構成概略図
【図2】本発明の実施の形態1における加熱調理機器の加熱室内の照明概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、加熱室と、前記加熱室内の被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室を開閉する扉と、前記加熱手段を制御する電装部と、加熱室を照明する光源と、光源からの光を加熱室内に照射するよう構成した小穴部を備えた加熱調理器のうち、加熱室壁面に備えられた小穴部の一部を使用者の目に直接光が届かないよう、関連する小穴部にのみ不透明シートを貼り、眩しさを抑える構成としている。
【0012】
これによって使用者は、機器使用中に機器内を覗いても、機器の光源からの光に眩しさを感じることを低減できる。
【0013】
第2の発明は、加熱室と、前記加熱室内の被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室を開閉する扉と、前記加熱手段を制御する電装部と、加熱室を照明する光源と、光源からの光を加熱室内に照射するように構成した小穴部を備えた加熱調理器のうち、加熱室壁面に備えられた小穴部の一部に、加熱室奥から手前に向かって透明から不透明に変化するシートを貼り、奥の加熱室内で暗い部分の明るさを損なうことなく、手前側では使用者の眩しさを抑えながら、ドア側からの外光と相まって、加熱室内が暗くならない。
【0014】
第3の発明は、加熱室と、前記加熱室内の被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室を開閉する扉と、前記加熱手段を制御する電装部と、加熱室を照明する光源と、光源からの光を加熱室内に照射するように構成した小穴部を備えた加熱調理器のうち、加熱室を照明する光源に関し、光源の照射角と加熱室壁面に備えられた小穴部の直径との関係から、庫内に影が出来る部分のうち、影の影響を抑えたい影の中心に、隣の光源の光軸の中心が合うように、加熱室壁面の隣の小穴に配置することで、特定の場所の影を無くして、均一な明るさになる。
【0015】
第4の発明は、加熱室と、前記加熱室内の被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室を開閉する扉と、前記加熱手段を制御する電装部と、加熱室を照明する光源と、光源からの光を加熱室内に照射するように構成した小穴部を備えた加熱調理器のうち、第2の発明の如く、加熱室奥から、手前方向に小穴部に貼られた透明から不透明に変化するシートの方向に対して直角に即ち、加熱室天面から底面に向かって列を持った光源を並べ、使用者の眩しさを抑えるエリアを明確にする。
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1において、1は加熱装置本体で、ヒータあるいは高周波あるいはスチーム等の加熱手段(図示せず)によって、被加熱物を加熱する加熱室2が設けてある。3は扉であり、加熱室2の前面開口に開閉自在に設けられている。扉3の中央上部には、ハンドル4が設けられ、使用者が開閉する際に使用できるようになっている。4は前記加熱手段を収めた電装部で、加熱装置本体1の適所に設けてある。5は加熱装置本体1の扉3上方に設けた操作部で、電装部4で加熱手段等を動作するものである。加熱室2壁面には、加熱室2底
面の被加熱物を照明するための採光部として小穴が複数個形成された小穴部6が設けられており、加熱室2外の機器内部には、光源ユニット7(図示せず)が設けられている。
【0018】
図2は加熱室2の平面図であり、壁面の採光用小穴部6と光源ユニット7、及びドアスクリーン上の穴8との関係を示し、使用者側(即ち運転状態での加熱室2から扉3を通して外面側)に光が漏れないように、小穴の特定のエリアに不透明なシート9を貼ることで、シート9が貼られない部分は明るく、貼られた部分は眩しくなくすることが出来る。
【0019】
図2の位置関係の場合、光源からの光は、Aのエリアでは外に光が直接漏れるが、Bのエリアでは、ドアスクリーンの材厚と、光の角度、穴の直径の関係により、光が漏れないため、加熱室2手前側から3列分の採光用小穴部6に不透明なシート9を貼るだけで、光が弱まり、使用者に光源の光が直接入らないし、加熱室2内の大部分は透明シートを通して明るく照らされる。
【0020】
さらに、小穴部6に貼るシートは、加熱室2奥から手前方向に向かって透明から不透明に連続的に変化するシートとすることで、加熱室2奥の従来暗いエリアは、前記シートの透明度が高い部分を通して明るく照らされ、手前側は前記シートの透明度が低い部分によって光源からの光量は少なくなっても、扉3外からの外光によって補われるため、加熱室2底面の明るさが均一になる効果がある。
【0021】
また、シートの透明から不透明になる方向(上記においては加熱室2奥から手前方向)に対し、光源ユニット7上の複数光源は、これとは直角に列を成して配置することで、使用者の光源への眩しさを低減する、不透明エリアを小さく出来、その結果、加熱室2を照らすシート9の透明エリアが広がることから、加熱室2内の明るさを維持できる効果がある。
【0022】
上記構成から明らかなようにこの加熱調理機器では、加熱中に使用者が加熱室を覗いても、眩しさを防ぐシートがあり、使用者の不快感なく操作することができる。
【0023】
これら実施例において、各機能を組み合わせて相乗的な効果がえられることは言うまでも無い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の加熱調理機器は、加熱室内を照明しながらも、加熱室外に光源をそのまま照射しないため、使用中ドアを閉め、且つ加熱室等のキャビンを照明するような機器、電子レンジや電気オーブン、リーチインショーケースなどの用途に利用できる。
【符号の説明】
【0025】
1 加熱装置本体
2 加熱室
3 扉
4 電装部
5 操作部
6 採光用小穴
7 照明用光源ユニット
8 ドアスクリーン穴
9 不透明シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱室と、前記加熱室壁面に形成され複数の小穴を設けた小穴部を有し、この小穴部を介して前記加熱室外から庫内照明を行う加熱調理機器において、
前記小穴部には、その一部に透明ではないシートを貼り、照射された光源の強い光が前記加熱室よりドアを通して機器使用者の目に直接入らないようにしたことを特徴とする加熱調理機器。
【請求項2】
小穴部に貼るシートは、加熱室内奥から手前に向かって透明から不透明に連続的に変化することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理機器。
【請求項3】
被加熱物を加熱する加熱室と、加熱室壁面に形成され複数の小穴を設けた小穴部を有し、この小穴部を通して加熱室外から、庫内照明を行う加熱調理機器において、
前記小穴部の外に配置される光源を複数個持ち、かつ、前記小穴部の小穴の大きさやピッチに関わらず、前記加熱室内の所定の範囲の影を無くすように光源を配置することを特徴とする加熱調理機器。
【請求項4】
小穴部に貼るシートは、加熱室内奥から手前に向かって透明から不透明に連続的に変化し、かつ光源の配置は、前記シートが透明から不透明に変化する方向に対し、直角に列を成して配置されることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−149608(P2011−149608A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10795(P2010−10795)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】