説明

効果顔料を含有する顔料ペースト、その製造方法およびその使用

少なくとも以下の成分:(A)少なくとも1の効果顔料10〜65質量%、(B)分散相として疎水核および親水シェル型コーティングからなる10〜500nmの平均粒径の粒子を含有する、15〜40質量%の固体含有率の少なくとも1の水性で中和後に構造粘性で、単峰性の一次分散液1〜20質量%、その際、該粒子は少なくとも1の、30〜100℃のガラス転移温度および10〜50mgKOH/gの酸価の(メタ)アクリラートコポリマーから構成されており、(C)少なくとも1の有機アミンおよび/またはアンモニア0.01〜2質量%、(D)少なくとも1の非イオン界面活性剤0.1〜3.0質量%および(E)有機溶剤少なくとも10質量%、から製造可能である効果顔料を含有する顔料ペースト、この際、質量%記載はそのつど顔料ペーストの全量に対してのものである;該顔料ペーストの製造方法、および着色混合物、とりわけ水性および非水性被覆材料の製造のための該顔料ペーストの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効果顔料を含有する新規の顔料ペーストに関する。さらに本発明は効果顔料を含有する顔料ペーストの新規の製造方法に関する。そのほかに本発明は効果顔料を含有する新規の顔料ペーストの使用および、とりわけ、水性または非水性の、とりわけ水性被覆材料の製造のために新規の方法を用いて製造された効果顔料を含有する顔料ペーストの使用に関する。
【0002】
水系ベースコートのような水性被覆材料、および非水性被覆材料における効果顔料の使用は、従来公知である。
【0003】
効果顔料はその機械的作用に対する比較的高い感度に基づき、水性被覆材料、とりわけ水系ベースコートへの混合に際して問題を引き起こす。例えば水系メタリックベースコートの製造に際して、効果顔料をペーストまたは懸濁液の形で液体有機相中において水系ベースコートのその他の成分と混合する必要がある。
【0004】
通常、そのために効果顔料を有機溶剤中で分散樹脂を用いてまたは用いずにペースト化するかまたは分散させる。通常、溶剤として効果顔料を良好に濡らす有機溶剤または溶剤混合物を使用する。通常、そのほかにポリエステルを分散樹脂として使用する(例えばAkzo Nobel Resins社の2001年2月23日刊行の冊子「Starting Point Formulation based on Setalux(R)6802AQ−24」を参照のこと)。これらのペーストの種類は、当該被覆材料を用いて製造される被覆の効果の品質に重要な影響を与える。
【0005】
ところが効果顔料を含有する非水性の従来公知の顔料ペーストは、最大で数日の非常に限定された貯蔵性を有するにすぎないという欠点を有する。その後に効果顔料は沈殿しかつまだら(不均質部分(Stippen))の形成および凝固につながる。これらの顔料ペーストを用いて製造される水性被覆材料、とりわけ水系ベースコートおよび非水性被覆材料は、より光学的品質の劣った被覆を供給するにすぎない。
【0006】
自動車製造者におけるラインでの大工業的なコーティングにおいても、効果顔料を含有する公知の非水性顔料ペーストの貯蔵性が不十分であることは大きな問題である。経済的な理由から望ましいものの、例えばこれらの顔料ペーストを比較的大量に製造して貯蔵することはできない。またこれらの輸送性もなお強く所望される。それゆえこれらを最適な製造条件を有する製造場所において製造しかつ顧客に輸送することもできない。そのほかに、例えば水系ベースコート、とりわけ水系メタリックベースコートの後着色のためにこれらを毎回新たに製造しなければならない。
【0007】
Akzo Nobel Resins社の2000年1月刊行の冊子「Setalux(R)6802AQ−24」から、(メタ)アクリラートコポリマーの水性一次分散液が公知である。一次分散液は22〜26質量%の固体および3.5〜5.2mgKOH/gの酸価(それ自体)を有する。(メタ)アクリラートコポリマー粒子の粒径は、180〜255nmである。一次分散液はその中和後に構造粘性となる。これは水系ベースコートにおいてアルミニウム効果顔料の良好な配向をもたらす。これは非常に安定しており、有機溶剤中で不溶性であり、かつ良好に噴霧することができる。Akzo Nobel Resins社の2001年2月23日刊行の冊子「Starting Point Formulation based on Setalux(R)6802AQ−24」によると、この一次分散液もしくは該一次分散液中に含有される(メタ)アクリラートコポリマーをバインダーとして水系メタリックベースコートにおいて使用する。水系メタリックベースコートは、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の溶液、アルミニウム効果顔料、ブチルグリコール、ポリエステルおよびジメチルエタノールアミンからなる通常かつ公知の顔料ペースト、ブチルグリコールおよびジメチルエタノールアミン中のポリエステルの溶液を、大量の一次分散液および水と混合して製造される。このため、アルミニウム効果顔料を含有する顔料ペーストを製造するための一次分散液の使用は記載されない。
【0008】
本発明の課題は、従来技術の欠点をもはや有しないだけでなく、安定で、貯蔵性、輸送性があり効果顔料を損傷させることなくより容易な方法で製造可能な効果顔料を含有する新規の顔料ペーストを提供することである。有利に、効果顔料を含有する新規の顔料ペーストは、長期間(例えば3ヶ月まで)沈殿せずかつまだらの形成および凝固につながらず貯蔵性があるべきである。
【0009】
効果顔料を含有する新規の顔料ペーストは、最適な条件を提供する製造場所において製造されかつ顧客に、とりわけ自動車製造者に輸送されることができるべきである。こうして貯蔵維持のための費用は著しく減らされるべきである。そのほかに、該顔料ペーストを損傷させることなく塗装装置の循環配管中において、効果顔料を含有する新規の顔料ペーストを問題なくせん断することができるべきである。
【0010】
効果顔料を含有する新規の顔料ペーストは、貯蔵性、輸送性、色彩安定性、効果安定性でかつ容易に適用可能な水性被覆材料、とりわけ水系ベースコート、および非水性被覆材料の製造を実現させるべきであり、該効果顔料はきわめて優れた色彩を付与しかつ/または効果を付与するコーティング、とりわけ自動車品質の多層コーティング(これに関して、ヨーロッパ特許EP0352298B1、第15頁第42行〜第17頁第40行も参照のこと)を供給する。
【0011】
とりわけ、効果顔料を含有する新規の顔料ペーストは比較的大きな組成変化を行う必要なく可能な限り大きい顔料のスペクトルと相容性であるべきである。
【0012】
これに応じて、少なくとも以下の成分:
(A)少なくとも1の効果顔料10〜65質量%、
(B)分散相として疎水核および親水シェル型コーティングからなる10〜500nmの平均粒径の粒子を含有する、15〜40質量%の固体含有率の少なくとも1の水性で中和後に構造粘性で、単峰性の一次分散液1〜20質量%、その際、該粒子は少なくとも1の、30〜100℃のガラス転移温度および10〜50mgKOH/gの酸価の(メタ)アクリラートコポリマーから構成されている、
(C)少なくとも1の有機アミンおよび/またはアンモニア0.01〜2質量%、
(D)少なくとも1の非イオン界面活性剤0.1〜3.0質量%および
(E)有機溶剤少なくとも10質量%、
から製造可能な、効果顔料を含有する新規の顔料ペーストが判明し、この際、質量%記載はそのつど顔料ペーストの全量に対する。
【0013】
以下では、効果顔料を含有する新規の顔料ペーストを「本発明による顔料ペースト」として記載する。
【0014】
そのほかに、効果顔料を含有する顔料ペーストの新規の製造方法が判明し、この際、少なくとも
(A)少なくとも1の効果顔料10〜65質量%、
(B)分散相として疎水核および親水シェル型コーティングからなる10〜500nmの平均粒径の粒子を含有する、15〜40質量%の固体含有率の少なくとも1の水性で中和後に構造粘性で、単峰性の一次分散液1〜20質量%、その際、該粒子は少なくとも1の、30〜100℃のガラス転移温度および10〜50mgKOH/gの酸価の(メタ)アクリラートコポリマーから構成されている、
(C)少なくとも1の有機アミンおよび/またはアンモニア0.01〜2質量%、
(D)少なくとも1の非イオン界面活性剤0.1〜3.0質量%および
(E)有機溶剤少なくとも10質量%、
を互いに混合しかつその結果として生じる混合物を均質化するが、その際、質量%記載はそのつど顔料ペーストの全量に対する。
【0015】
以下では、効果顔料を含有する顔料ペーストの新規の製造方法を「本発明による方法」と記載する。
【0016】
そのほかに、水性および非水性被覆材料の製造のための本発明による顔料ペーストの新規の使用が判明し、この使用を以下で「本発明による使用」として記載する。
【0017】
冒頭に記述した従来技術の欠点が現れることなく、本発明の根底にあった課題を本発明による顔料ペースト、本発明による方法、および本発明による使用により解決できたことは、従来技術を顧慮すると意想外でありかつ当業者にとって予測できないことであった。
【0018】
本発明による顔料ペーストは、顔料を損傷させることなくより容易な方法で製造可能であった。また、ただ比較的少量の添加剤を添加する必要があるだけであった。それでもなお、本発明による顔料ペーストは意想外にも安定で、輸送性および貯蔵性があった。とりわけ意想外だったのは、本発明による顔料ペーストは、数ヶ月沈殿せずかつまだらの形成および凝固につながらず貯蔵性があったことであった。
【0019】
それゆえ、本発明による顔料ペーストを、最適な条件を提供する製造場所において製造しかつ顧客に、とりわけ自動車製造者に輸送することができた。このようにして貯蔵維持のための費用を著しく減らすことができた。そのほかに、該顔料を損傷させることなく塗装装置の循環配管中において、本発明による顔料ペーストを問題なくせん断することができた。
【0020】
意想外にも、本発明による顔料ペーストは、貯蔵性、輸送性があり、色彩安定性、効果安定性でかつ容易に適用可能な水性被覆材料、とりわけ水系ベースコートおよび非水性被覆材料を供給した。
【0021】
水系ベースコートは、きわめて優れた効果を付与するかまたは色彩および効果を付与する自動車品質の多層コーティングを可能にした。ヨーロッパ特許EP0352298B1、第15頁第42行〜第17頁第14行によると、これは当該多層コーティングが
(1)高い光沢
(2)高い鮮鋭性(distinctiveness of image)
(3)高いかつ均質な隠ぺい力
(4)均一な乾燥膜厚
(5)高い耐ガソリン性
(6)高い耐溶剤性
(7)高い耐酸性
(8)高い硬度
(9)高い耐摩耗性
(10)高い耐引掻性
(11)高い耐衝撃性
(12)高い中間層付着および支持体への付着および
(13)高い耐候性および耐UV性
を有することを意味する。
【0022】
そのうえ、顔料ペーストの配合を変更する必要なしに、本発明による顔料ペーストが相応する非水性被覆材料においても使用可能であるのはとりわけ意想外であった。
【0023】
多数の効果顔料を用いて本発明による顔料ペーストが製造可能であることも意想外であった。
【0024】
本発明による顔料ペーストは、少なくとも1の効果顔料(A)を、顔料ペーストに対して10〜65質量%、有利に15〜60質量%およびとりわけ20〜55質量%の量で含有する。
【0025】
そのためこれは、相応する顔料ペーストから製造される被覆材料中に通常存在するような顔料濃度よりさらに高い顔料の濃度である。この高い濃度は顔料ペーストの重要な特徴である。
【0026】
効果顔料(A)は、有利に有機および無機の、光学効果を付与する、色彩および光学効果を付与する、磁気遮断性、導電性、耐食性、蛍光性および発光性顔料からなる群から、有利に有機および無機の、光学効果を付与する、および色彩および光学効果を付与する顔料からなる群から、かつとりわけ金属効果顔料、金属と非金属とから調製された効果顔料および非金属効果顔料からなる群から選択される。
【0027】
とりわけ、金属効果顔料(A)はアルミニウム効果顔料、鉄効果顔料または銅効果顔料、例えば市販のアルミニウム青銅、DE3636183A1に記載のクロム酸塩処理したアルミニウム青銅、市販のステンレス鋼青銅および市販の銅粉である。
【0028】
とりわけ、例えばヨーロッパ特許出願EP0562329A2に記載されているような、酸化鉄により被覆された小板状のアルミニウム顔料を有する金属と非金属とから調製された効果顔料(A);金属、とりわけアルミニウムにより被覆されているガラス小板;または金属、とりわけアルミニウムからなる反射層を含有しかつ強いカラーフロップ(Farbflop)を有する干渉顔料であり、これらは例えばアメリカ合衆国特許US4434010A1、US4704356A1、US4779898A1、US4838648A1、US4930866A1、US5059245A1、US5135812A1、US5171363A1またはUS5214530A1に記載されている。
【0029】
とりわけ、非金属効果顔料(A)は、例えばMerck Kontakte、1992、第2号、第3頁〜第60頁に記載されているように、真珠箔顔料、とりわけマイカ顔料;例えば日本国特許出願JP5−311098Aに記載されているように、金属酸化物により被覆された小板状のグラファイト顔料;例えばアメリカ合衆国特許US4434010A1、US4704356A1、US4779898A1、US4838648A1、US4930866A1、US5059245A1、US5135812A1、US5171363A1またはUS5214530A1に記載されているように、金属からなる反射層を含有せずかつ強いカラーフロップを有する干渉顔料;例えば特許出願および特許DE3636156A1、DE3718446A1、DE3719804A1、DE3930601A1、EP0068311A1、EP0264843A1、EP0265820A1、EP0283852A1、EP0293746A1、EP0417567A1、US4828826AまたはUS5244649Aに記載されているように、ピンク色から赤褐色までの色相を有する酸化鉄を基礎とする小板状の効果顔料;または有機の液晶効果顔料である。
【0030】
補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998、第176頁「Effektpigmente」および第380頁〜第381頁「Metalloxid−Glimmer−Pigmente」から「Metallpigmente」を指摘する。
【0031】
蛍光性および発光性顔料(昼光蛍光顔料)のための例は、ビス(アゾメチン)−顔料である。
【0032】
適切な導電性顔料のための例は、二酸化チタン/酸化スズ−顔料および粉末状の金属顔料である。
【0033】
磁気遮断性顔料のための例は、酸化鉄または二酸化クロムを基礎とする顔料である。
【0034】
適切な耐食性顔料のための例は、亜鉛粉、ケイ酸鉛、リン酸亜鉛またはホウ酸亜鉛である。
【0035】
それゆえ、本発明による顔料ペーストは、多数の適切な効果顔料(A)に基づき汎用な使用領域を保証しかつ本発明による被覆材料の製造を可能にし、該被覆材料により種々の物理的効果を有するきわめて多様性に富んだ被覆を実現することができる。
【0036】
それに加えて、本発明による顔料ペーストは、有機および無機の、色彩を付与する体質顔料、少なくともこれらの特性の2つを有する顔料、並びにナノ粒子からなる群から選択される、金属顔料(A)とは異なる少なくとも1の顔料をなお含有するが、これはこうした付加的な顔料が本発明による顔料ペーストの適用技術的な特性に不利に影響を及ぼさない場合に限る。
【0037】
適切な無機の色彩を付与する顔料のための例は、白色顔料、例えば亜鉛白、硫化亜鉛またはリトポン;黒色顔料、例えばカーボンブラック、鉄−マンガン−ブラックまたはスピネルブラック;有彩顔料、例えば酸化クロム、酸化クロム水和物グリーン、コバルトグリーンまたはウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルーまたはマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレットまたはコバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、ベンガラ、硫セレン化カドミウム、モリブデン酸塩レッドまたはウルトラマリンレッド;酸化鉄ブラウン、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相またはクロムオレンジ;または酸化鉄イエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、硫化カドミウム、硫化亜鉛カドミウム、クロムイエローまたはバナジン酸ビスマスである。
【0038】
適切な有機の色彩を付与する顔料のための例は、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料またはアニリンブラックである。
【0039】
補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998、第180頁〜第181頁「Eisenblau−Pigmente」から「Eisenoxidschwarz」、第451頁〜第453頁「Pigmente」から「Pigmentvolumenkonzentration」、第563頁「Thioindigo−Pigmente」、第567頁「Titandioxid−Pigmente」、第400頁〜第467頁「Natuerlich vorkommende Pigmente」、第459頁「Polycyclische Pigmente」、第52頁「Azomethin−Pigmente」、「Azopigmente」、および第379頁「Metallkomplex−Pigmente」を指摘する。
【0040】
適切な体質顔料または充填物の例は、白亜、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸塩、例えばタルクまたはカオリン、ケイ酸、酸化物、例えば水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム、または有機充填物、例えば紡織繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維またはポリマー粉末である;補足的に、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998、第250頁以下「Fuellstoffe」を指摘する。
【0041】
有利に、ナノ粒子は、主族および副族の金属、および該金属の化合物からなる群から選択される。有利に、元素の周期表の3〜5族の主族、3〜6族並びに1および2族の副族の金属、並びにランタン系列元素からの主族および副族の金属が選択される。とりわけ有利に、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、ヒ素、アンチモン、銀、亜鉛、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステンおよびセリウム、とりわけアルミニウム、ケイ素、銀、セリウム、チタンおよびジルコニウムが使用される。有利に、金属の化合物は酸化物、酸化水和物、硫酸塩またはリン酸塩である。有利に、銀、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム三水和物、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよびこれらの混合物、とりわけ有利に銀、酸化セリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム三水和物およびこれらの混合物、非常に有利に、酸化アルミニウム三水和物およびとりわけベーマイトが使用される。有利に、ナノ粒子は<50nm、有利に5〜50nm、とりわけ10〜30nmの一次粒径を有する。
【0042】
本発明によれば、本発明による顔料ペーストは、少なくとも1の、とりわけ1の水性で中和後に構造粘性で、単峰性の一次分散液(B)を本発明による顔料分散液に対して1〜20質量%、有利に2〜18質量%およびとりわけ5〜15質量%の量で使用して製造可能である。
【0043】
一次分散液(B)は、10〜40質量%、有利に10〜35質量%およびとりわけ15〜30質量%の固体含有率を有する。
【0044】
一次分散液(B)は、分散相として、10〜500nm、有利に50〜400nmおよびとりわけ100〜300nmの平均粒径の粒子を含有する。有利に、粒径は50〜450nm、有利に80〜400nmおよびとりわけ100〜300nmの範囲に存在する。
【0045】
粒子は疎水核および親水シェルを有する。疎水性という特性は、水に対して外親性に挙動する分子または官能基の構造的な特性と理解すべきである。つまり粒子は水中に浸透しないかさもなければ水相を出る傾向にある。逆に、親水性は非極性の疎水相に対して外親性に挙動する分子または官能基の構造的な特性を意味する。つまり粒子は水中に浸透するかさもなければ非極相を出る傾向にある(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998、「Hydrophilie」、「Hydrophobie」、第294頁〜第295頁も参照のこと)。
【0046】
粒子は本発明による分散液の固体の大部分を形成するか、有利にはそのつど固体に対して80質量%より多くまで、とりわけ90質量%より多くまで、または完全に本発明による分散液の固体を形成する。
【0047】
粒子は、少なくとも1の、とりわけ1の(メタ)アクリラートコポリマーから構成されている。つまり粒子は大部分、有利にはそのつど粒子に対して80質量%より多くまで、とりわけ90質量%より多くまで、または完全に1もしくは複数の(メタ)アクリラートコポリマーから成り立っている。
【0048】
(メタ)アクリラートコポリマーは30〜100℃、有利に35〜90℃およびとりわけ40〜80℃のガラス転移温度(示差走査熱量測定(DSC)により測定)および10〜50mgKOH/g、および有利に10〜40mgKOH/gの酸価を有する。
【0049】
有利に、(メタ)アクリラートコポリマーは、例えば概観的にドイツ国特許出願DE19930067A1、第7頁第25行〜第8頁第59行において記載されているように反応性官能基を含有する。とりわけ該コポリマーはヒドロキシル基を含有する。
【0050】
(メタ)アクリラートコポリマーは、通常かつ公知の(メタ)アクリラートおよび場合によりこれとは異なる通常かつ公知のオレフィン性不飽和モノマーを共重合して含有する。(メタ)アクリラートと、場合によりこれとは異なるオレフィン性不飽和モノマーの選択は、(メタ)アクリラートコポリマーの前記の特性側面が結果として生じるように行う。適切な(メタ)アクリラートおよび場合によりこれとは異なるオレフィン性不飽和モノマー並びにその選択規則の例は、ドイツ国特許出願DE19725188A1、第3頁第4行〜第4頁第38行から公知である。
【0051】
とりわけ、メチルメタクリラート、n−ブチルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、n−ブチルメタクリラート、アクリル酸およびメタクリル酸からなる基から選択される1または複数の(メタ)アクリラートが使用される。
【0052】
(メタ)アクリラートコポリマーは、通常かつ公知のラジカル乳化共重合方法により水相において製造され、それゆえ直接本発明により使用されうる一次分散液が結果として生じる。
【0053】
一次分散液(B)は構造粘性である。これは一次分散液が、そのせん断に依存して激しく変化する粘性を有することを意味している:激しくせん断される場合、粘性は低下する;もはやせん断されない場合、粘性は再び上昇する。
【0054】
有利に、一次分散液(B)は、100/sより小さいせん断速度で0.1〜0.13Pas、および約1000/sのせん断速度で0.07〜0.08Pasの粘性を有する(せん断速度制御式回転粘度計RFSIIにおいて23℃で測定;シリンダーの形状寸法:カップ直径34mm;シリンダー直径32mm;シリンダー長さ36.35mm;クエット型、DIN53018)。
【0055】
一次分散液(B)は、少なくとも1の有機アミンおよび/またはアンモニア(C)によりこの構造粘性をその中和後に構成する。
【0056】
非常に有利に、商標SETALUX(R)6802AQ24としてAkzo Nobel Resins社から販売されている一次分散液(B)を使用する。
【0057】
本発明による顔料ペーストは、その全量に対して少なくとも1の、とりわけ1の有機アミンおよび/またはアンモニアを成分(C)として0.01〜2質量%、有利に0.02〜1質量%およびとりわけ0.02〜0.5質量%含有する。有利に、アミン(C)は第3級アミン、有利に第3級アルキルアミンおよびとりわけ第3級ヒドロキシアルキルアミンの群から選択される。適切な第3級ヒドロキシアルキルアミンの例は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンおよびジメチルエタノールアミン、とりわけジメチルエタノールアミンである。
【0058】
さらに本発明による顔料ペーストは、その全量に対して少なくとも1の、とりわけ1の非イオン界面活性剤を0.1〜3質量%、有利に0.2〜2質量%およびとりわけ0.2〜1質量%含有する。発明によれば、非イオン界面活性剤またはニオテンシド(Niotenside)(Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998、第410頁「Niotenside」を参照のこと)として、その親水性がポリエーテル鎖、ヒドロキシル基、カルボン酸アミド基、ウレタン基および/またはエステル基により調整される界面活性剤が考慮に入れられる。ニオテンシドは市販製品であり、例えば商標Tegodispers(R)740としてTego社から、または商標Hydropalat(R)3037としてCognis社から販売されている。有利に、Tegodispers(R)740およびHydropalat(R)3037を使用する。Hydropalat(R)3037は、73〜83mgKOH/gおよびけん化数(DGF C−V 3)56〜62を有する水系のためのシリコーン不含の界面活性レベリング剤である。Tegodispers(R)740は、芳香族化合物不含、アミン不含およびノニルフェノールエトキシレート不含の非イオン性の変性した脂肪酸誘導体である。
【0059】
とりわけ本発明による顔料ペーストは、その全量に対して、通常、被覆材料分野で使用されるような有機溶剤を少なくとも10質量%、有利に少なくとも20質量%およびとりわけ少なくとも40質量%含有する。適切な溶剤の例は、Dieter StoyeおよびWerner Freitag(編)の著書「Paints、Coatings and Solvents」、第2改訂版、Wiley−VCH.、Weinheim、New York、1998、第327頁〜第373頁から公知である。
【0060】
有利に、本発明による顔料ペーストは、0.5〜20質量%、有利に1〜15質量%およびとりわけ2〜10質量%の量の水を、そのつど本発明による顔料ペーストに対して含有する。
【0061】
それに加えて、本発明による顔料ペーストは、例えばJohan Bielemanの教科書「Lackadditive」、Wiley−VCH、Weinheim、New York、1998に記載されているような通常かつ公知の添加剤をなお含有してよい。その一方で、本発明による顔料ペーストが本発明による利点を達成するために別の添加剤を含有する必要がないのは特別な利点である。
【0062】
本発明による顔料ペーストの製造には方法上の特殊性は必要でなく、むしろ顔料ペーストまたは顔料調製物の製造の通常かつ公知の方法により、前記成分を攪拌槽、ディゾルバー、ウルトラツラックス、インラインディゾルバー、攪拌ミル、ビーズミルまたは押出機のような適切な混合装置中で混合することにより行う。この際、そのつど分散されうる効果顔料(A)を損傷させないように当業者は自らの一般的専門知識に基づいて方法および装置を選択してよい。
【0063】
本発明による顔料ペースト(A)、非常に多岐にわたる着色混合物の製造のために使用してよい。とりわけ、本発明による顔料ペーストは、効果を付与するかまたは色彩および効果を付与する水性または非水性被覆材料、有利に水性被覆材料とりわけ水系ベースコートの製造のために使用する。
【0064】
この場合、本発明による顔料ペーストを必要な量で、そのつどの着色混合物、有利に水性または非水性の被覆材料、有利に水性被覆材料およびとりわけ水系ベースコートの残りの成分と混合し、その後に結果として生じる混合物を均質化する。このために有利に前記の方法および装置を使用する。
【0065】
適切な成分の例は、水溶性および/または水分散可能の、並びに有機溶剤中で可溶性および/または分散可能であるポリマーおよびオリゴマーのバインダーである。有利に、バインダーはランダムに、交互に、およびブロック状に構成された、線状、分枝鎖状かつ櫛状に構成されたエチレン性不飽和モノマーの(コ)ポリマー、重付加樹脂および重縮合樹脂からなる群から選択される。この概念について、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、New York、1998、第457頁「Polyaddition」および「Polyadditionsharze(Polyaddukte)」、並びに第463頁〜第464頁「Polykondensate」、「Polykondensation」および「Polykondensationsharze」、並びに第73頁〜第74頁「Bindemittel」を参照されたい。
【0066】
有利に、(コ)ポリマーは、(メタ)アクリラート(コ)ポリマーおよび一部がけん化したポリビニルエステル、とりわけ(メタ)アクリラートコポリマーからなる群から、かつ重付加樹脂および重縮合樹脂はポリエステル、アルキド、ポリウレタン、ポリラクトン、ポリカーボナート、ポリエーテル、エポキシド樹脂−アミン−付加物、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタンまたはポリエステル−ポリエーテル−ポリウレタン、とりわけポリエステル−ポリウレタンからなる群から選択される。
【0067】
非常に有利に、通常かつ公知の水系ベースコートにおいて使用されるバインダーが使用される。この種のバインダーは、例えばドイツ国特許出願DE19652842A1、第2欄第53行目〜第3欄第46行目、およびドイツ国特許出願DE19914896A1、第5欄第34行目〜第11欄第5行目に記載されている。
【0068】
適切な成分の他の例は、例えばドイツ国特許出願DE19914896A1、第11欄第6行目〜第16欄第16行目に記載されているような通常かつ公知の架橋剤および添加剤である。
【0069】
適切な成分の他の例は、前記の色彩を付与する顔料である。
【0070】
結果として生じる着色混合物、有利に水性または非水性被覆材料、有利に水性被覆材料およびとりわけ水系ベースコートは、物理的に、熱により自己架橋性であるか、および/または外部架橋剤により架橋性であるか、化学線または熱および化学線により硬化性であってもよい。化学線とは、近赤外線(NIR)、可視光線、紫外線、X線またはガンマ線、とりわけ紫外線、並びにα線、β線、中性子線または電子線のような粒子線、とりわけ電子線と理解されうる。熱および化学線による同時の硬化は、専門領域ではデュアルキュア(Dual−Cure)と記載される。
【0071】
有利に、あらゆる支持体上に効果を付与するかまたは色彩および効果を付与する、装飾的、機械的損傷から保護された、耐食性、磁気遮断性、電気伝導性かつ/または信号を付与する被覆およびコーティング、とりわけ光学効果を付与する、および色彩および光学効果を付与する被覆およびコーティングを製造するための着色混合物、有利に水性または非水性被覆材料、有利に水性被覆材料およびとりわけ水系ベースコートが使用される。
【0072】
支持体として、その上に施与された被覆材料を熱または熱および化学線の使用下で硬化することにより損傷しない、被覆されうるかまたはコーティングされうる全ての表面が考慮に入れられる。適切な支持体は、例えば金属、プラスチック、木材、セラミックス、石材、テキスタイル、繊維複合材料、革、ガラス、ガラス繊維、ガラスウールおよび岩綿、プラスター板およびセメント板または屋根瓦のような無機物および樹脂と結合した建築材料、並びにこれらの材料の複合材からなる。これらの材料の表面はすでに前コーティングまたは前被覆されていてよい。
【0073】
これに応じて、着色混合物、とりわけ被覆材料は、あらゆる種類の移動手段(自転車、馬車またはドライジーネのような、とりわけ筋力により動く移動手段、飛行機またはツェッペリン型飛行船のような航空機、船舶またはブイのような浮遊構造物、レール車両および2輪車、バス、トラックまたは乗用車のような自動車両)の車体またはこれらの部材;屋内領域および屋外領域にある建築物を;家具、窓および扉を;工業的小部品を、コイル、コンテナおよび包装を;白物家電品を;シートを;光学、電子技術的および機械的部品を、並びに中空ガラス物体を被覆するかまたはコーティングするために際立って適している。
【0074】
ただしそのなかでも、被覆材料およびとりわけ水系ベースコートは、自動車両の、とりわけ乗用車のオリジナルコーティング(OEM)および補修用コーティングの製造のために適している。この際、水系ベースコートは、とりわけ効果を付与するかまたは色彩および効果を付与する多層コーティングのベースコートの製造のために役立つ。
【0075】
多層コーティングは種々の方法で製造することができる。有利に、ドイツ国特許出願DE19930664A1、第15頁第36行目〜第58行目に、またはドイツ国特許出願DE19914896A1、第2欄第15行目〜第3欄第24行目、および第16欄第54行目〜第18欄第54行目に記載されているウェット・オン・ウェット法を使用する。この際、通常かつ公知の方法および装置を被覆材料、とりわけ水性被覆材料の施与および硬化のために適用する。
【0076】
本発明による顔料ペーストへの効果顔料(A)の際立った分散およびその際立った貯蔵安定性に基づき、最終的には際立った色彩安定性および光学効果の安定性をもつ被覆およびコーティング、とりわけ多層コーティングが結果として生じる。それゆえ、多層コーティングを高級車のオリジナルコーティングおよび補修用コーティングのために有利に使用することができる。
【0077】
実施例
製造例1
水系ベースコートの通常かつ公知の成分からの顔料不含の混合物の製造
通常、水系ベースコートの製造のために使用されるような水性ポリウレタン分散液57.4質量部を、通常、水系ベースコートの製造のために使用されるようなメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)12.3質量部と、通常、水系ベースコートの製造のために使用されるようなメタアクリラートコポリマー1.8質量部と混合した。この混合物に、通常かつ公知の水系ベースコート添加剤6質量部、市販のつや消しペースト1質量部およびタルクペースト3質量部を混合した。最後に、水4.5質量部および通常かつ公知のポリウレタン増粘剤0.5質量部を滴加し、その後に結果として生じる混合物を均質化した。
【0078】
実施例1
アルミニウム効果顔料を含有する顔料ペーストの製造
最初に、水52質量部を、Hydropalat(R)3037(Cognis社の市販の非イオン界面活性剤)0.5質量部と混合する。次いで、市販のアルミニウム効果顔料37.5質量部を添加した。引き続き、Setalux(R)6802AQ24(Akzo社の市販の水性一次分散液)10質量部を添加した。生じた混合物に、10%のジメチルエタノールアミン溶液0.5質量部を中和のためにさらに添加した。引き続き、全混合物を20分のあいだ均質化した。
【0079】
結果として生じる顔料ぺーストは、極めて良好に輸送可能でありかつ沈殿傾向を伴わず数ヶ月の貯蔵安定性を有していた。該ペーストは、より長期の貯蔵の場合にもガス発生またはメタリック効果の低下を示さなかった。
【0080】
実施例2
水系ベースコートの製造
製造例1による顔料不含の混合物86質量部に、実施例1による顔料ペースト12質量部を添加し、その後に両方の成分を水2質量部を混ぜながら注意深く混合した。
【0081】
結果として生じる水系ベースコートは、極めて良好に輸送可能でありかつ際立った貯蔵安定性を有していた。アルミニウム効果顔料の際立った配向に基づき、これから製造されたベースコートコーティングは、際立った、とりわけ特色のあるメタリック−効果を有していた。それゆえ、水系ベースコートは高級車用の効果を付与する多層コーティングの製造のためにとりわけ適していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の成分:
(A)少なくとも1の効果顔料10〜65質量%、
(B)分散相として疎水核および親水シェル型コーティングからなる10〜500nmの平均粒径の粒子を含有する、15〜40質量%の固体含有率の少なくとも1の水性で中和後に構造粘性で、単峰性の一次分散液1〜20質量%、その際、該粒子は少なくとも1の、30〜100℃のガラス転移温度および10〜50mgKOH/gの酸価の(メタ)アクリラートコポリマーから構成されている、
(C)少なくとも1の有機アミンおよび/またはアンモニア0.01〜2質量%、
(D)少なくとも1の非イオン界面活性剤0.1〜3.0質量%および
(E)有機溶剤少なくとも10質量%、
から製造可能であり、この際、質量%記載はそのつど顔料ペーストの全量に対するものである、効果顔料を含有する顔料ペースト。
【請求項2】
一次分散液(B)の(メタ)アクリラートコポリマーが40〜90℃のガラス転移温度Tgを有することを特徴とする、請求項1記載の顔料ペースト。
【請求項3】
一次分散液の粒子が100〜300nmの粒径を有することを特徴とする、請求項1または2記載の顔料ペースト。
【請求項4】
一次分散液(B)の(メタ)アクリラートコポリマーが、メチルメタクリラート、n−ブチルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、n−ブチルメタクリラート、アクリル酸、メタクリル酸からなる群から選択される(メタ)アクリラートを共重合して含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の顔料ペースト。
【請求項5】
効果顔料(A)が、有機および無機の、光学効果を付与する、色彩および光学効果を付与する、磁気遮断性、導電性、耐食性、蛍光性および発光性顔料からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の顔料ペースト。
【請求項6】
効果顔料(A)が、有機および無機の、光学効果を付与する、色彩および光学効果を付与する顔料の群から選択されていることを特徴とする、請求項5記載の顔料ペースト。
【請求項7】
効果顔料(A)が、金属効果顔料、金属と非金属とから調製された効果顔料および非金属効果顔料からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項6記載の顔料ペースト。
【請求項8】
金属効果顔料(A)が、アルミニウム効果顔料、鉄効果顔料および銅効果顔料からなる群から、金属と非金属とから調製された効果顔料(A)が、酸化鉄により被覆された小板状のアルミニウム顔料、金属により被覆されているガラス小板、および金属からなる反射層を含有しかつ強いカラーフロップを有する干渉顔料からなる群から、かつ非金属効果顔料(A)が、真珠箔顔料、金属酸化物により被覆された小板状のグラファイト顔料、金属からなる反射層を含有せずかつ強いカラーフロップを有する干渉顔料、ピンク色から赤褐色までの色相を有する酸化鉄を基礎とする小板状の効果顔料、および有機の液晶効果顔料からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項7記載の顔料ペースト。
【請求項9】
顔料ペーストが、有機および無機の、色彩を付与する顔料、充填剤およびナノ粒子からなる群から選択される、少なくとも1の顔料を含有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の顔料ペースト。
【請求項10】
顔料ペーストが、水0.5〜20質量%を含有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の顔料ペースト。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の効果顔料を含有する顔料ペーストの製造方法において、この際、少なくとも
(A)少なくとも1の効果顔料10〜65質量%、
(B)分散相として疎水核および親水シェル型コーティングからなる10〜500nmの平均粒径の粒子を含有する、15〜40質量%の固体含有率の少なくとも1の水性で中和後に構造粘性で、単峰性の一次分散液1〜20質量%、その際、該粒子は少なくとも1の、30〜100℃のガラス転移温度および10〜50mgKOH/gの酸価の(メタ)アクリラートコポリマーから構成されている、
(C)少なくとも1の有機アミンおよび/またはアンモニア0.01〜2質量%、
(D)少なくとも1の非イオン界面活性剤0.1〜3.0質量%および
(E)有機溶剤少なくとも10質量%、
を互いに混合し、かつ結果として生じる混合物を均質化し、その際、質量%記載はそのつど顔料ペーストの全量に対するものである、請求項1から10までのいずれか1項記載の効果顔料を含有する顔料ペーストの製造方法。
【請求項12】
請求項1から10までのいずれか1項記載の効果顔料を含有する顔料ペースト、および請求項11記載の方法により製造された効果顔料を含有する顔料ペーストの、着色混合物の製造のための使用。
【請求項13】
着色混合物が、水性または非水性被覆材料であることを特徴とする、請求項12記載の使用。
【請求項14】
水性被覆材料が、水系ベースコートであることを特徴とする、請求項13記載の使用。
【請求項15】
着色混合物を、効果を付与するかまたは色彩および効果を付与する被覆およびコーティングの製造に使用することを特徴とする、請求項12から14までのいずれか1項記載の使用。
【請求項16】
着色混合物を、あらゆる種類の支持体上へ装飾的、機械的損傷から保護された、耐食性、磁気遮断性、電気伝導性かつ/または信号を付与する被覆およびコーティングの製造に使用することを特徴とする、請求項15記載の使用。
【請求項17】
コーティングが、多層コーティングの光学効果を付与する、および色彩および光学効果を付与するベースコーティングであることを特徴とする、請求項13記載の使用。

【公表番号】特表2007−510030(P2007−510030A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537320(P2006−537320)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052814
【国際公開番号】WO2005/042656
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】