説明

効率的なデータ記憶のためのシステムおよび方法

【課題】本発明のさまざまな実施形態により、スーパセクタ・データセットを作成し、それにアクセスするためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】例として、記憶媒体を含むデータ記憶システムが開示される。記憶媒体は、ユーザデータ領域によって分離された、第1のサーボデータ領域と、第2のサーボデータ領域とを含む。ユーザデータ領域は、共通ヘッダデータに一緒に関連付けられた、第1の符号語の部分と、第2の符号語の部分とを少なくとも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを記憶することに関し、より詳細には、データを記憶媒体に記憶するためのフォーマット、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
読み取りチャネル集積回路は、磁気記憶デバイスのコンポーネントである。動作では、読み取りチャネル・コンポーネントがデータを変換し、符号化して、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリがディスクにデータを書き込むこと、および引き続きデータを読み返すことを可能にする。たとえば、ハードディスク・ドライバでは、ディスクは、放射状のパターンでディスク面に広がる、符号化されたデータを収容した多くのトラックを典型的に含む。各トラックは、1つまたは複数のユーザデータ領域、ならびにその間に入るサーボデータ領域を含む。ユーザデータ領域に記憶された情報を正確に取り出すことができるように、サーボデータ領域の情報は、ディスクに対して読み取り/書き込みヘッド・アセンブリを位置決めするのに使用される。
【0003】
図1は、点線で示される2つの例示的なトラック150、155を備えた記憶媒体100を示す。トラックは、ウェッジ160、165内に書き込まれたサーボデータによって隔てられている。これらのウェッジは、記憶媒体100での所望の位置に対する読み取り/書き込みヘッド・アセンブリの制御および同期のために使用される、データおよびサポートするビットパターン110を含む。特に、これらのウェッジは、セクタ・アドレス・マーク154(SAM)が後に続く、プリアンブル・パターン152を一般的に含む。セクタ・アドレス・マーク154の後には、グレイ・コード156が続き、グレイ・コード156の後には、バースト情報158が続く。2つのトラック、および2つのウェッジが示されているが、所与の記憶媒体には、典型的に、これらがそれぞれ何百個と含まれることに留意されたい。さらに、サーボデータセットは、2つ以上のバースト情報のフィールドを有することができることにも留意されたい。ビットパターン110の間には、ユーザデータ領域184が提供される。そのようなユーザデータ領域184は、実質的なオーバヘッドエリアおよび無駄なエリアを含み、ユーザデータ領域184に保持されるデータの密度の減少をもたらす。
【0004】
したがって、少なくとも上述した理由により、当技術分野において、記憶媒体上でデータを保持するための、高度なシステムおよび方法の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第12/114462号
【特許文献2】米国特許出願第12/430927号
【特許文献3】米国特許出願第11/341963号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、データを記憶することに関し、より詳細には、データを記憶媒体に記憶するためのフォーマット、システム、および方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のさまざまな実施形態が、記憶媒体を含むデータ記憶システムを提供する。記憶媒体は、ユーザデータ領域によって分離された、第1のサーボデータ領域と、第2のサーボデータ領域とを含む。ユーザデータ領域は、共通ヘッダデータに一緒に関連付けられた、第1の符号語の部分と、第2の符号語の部分とを少なくとも含む。いくつかの例では、第1の符号語および第2の符号語が、低密度パリティ・チェック符号化による符号語である。上述した実施形態のさまざまな例では、第1の符号語の部分が、第1の符号語のすべてであり、第2の符号語の部分が、第2の符号語のすべてよりも少ない。そのようなケースでは、第2の符号語の残りの部分が、別のユーザデータ領域に含まれる。
【0008】
いくつかのケースでは、データ記憶システムは、書き込みデータを受信するように、書き込みデータを第1の符号語および第2の符号語に符号化するように、かつ第1の符号語の部分を、第2の符号語の部分および共通ヘッダデータと組み合わせて、スーパセクタ・データセット(super sector data set)を形成するように、動作可能な符号器回路をさらに含む。そのようないくつかのケースでは、符号器回路が、低密度パリティ・チェック符号器を含み、第1の符号語および第2の符号語が、低密度パリティ・チェック符号化による符号語である。そのような1つまたは複数のケースでは、符号器回路が、ユーザデータ領域整合回路をさらに含み、ユーザデータ領域整合回路は、第1の符号語の部分を、第2の符号語の部分および共通ヘッダデータと組み合わせて、スーパセクタ・データセットにするように、動作可能である。特定のケースでは、スーパセクタ・データセットが、第1の符号語におけるビット周期の数の2倍よりも多く、ユーザデータ領域のビット周期の数よりも少ないビット周期の数を含む。
【0009】
1つまたは複数のケースでは、第1の符号語の部分、第2の符号語の部分、および共通ヘッダデータが、スーパセクタ・データセットにアセンブルされる。システムは、スーパセクタ・データセットを受信するように、共通ヘッダデータを使用してスーパセクタ・データセットに同期するように、スーパセクタ・データセットを分割して、第1の符号語の部分および第2の符号語の部分を生じるように、かつ第1の符号語および第2の符号語を復号化して、書き込みデータを生じるように、動作可能な復号器回路をさらに含む。そのようないくつかのケースでは、復号器回路が、低密度パリティ・チェック復号器を含み、第1の符号語および第2の符号語が、低密度パリティ・チェック符号化による符号語である。
【0010】
本発明の他の実施形態は、符号語境界整合回路と、データ処理回路とを有するデータ復号器回路を提供する。符号語境界整合回路は、第1の符号語、第2の符号語、および共通ヘッダデータを有するスーパセクタ・データセットを受信するように、かつスーパセクタ・データセットを分割して第1の符号語および第2の符号語を生じるように、動作可能である。データ処理回路は、第1の符号語に復号化アルゴリズムを適用して第1のデータセットを生じるように、かつ第2の符号語に復号化アルゴリズムを適用して第2のデータセットを生じるように、動作可能である。いくつかのケースでは、第1の符号語および第2の符号語が、低密度パリティ・チェック符号化によるデータであり、データ処理回路が、低密度パリティ・チェック復号器回路を含む。
【0011】
本概要は、本発明のいくつかの実施形態の一般的な概略のみを提供する。本発明の多くの他の目的、特徴、効果、および他の実施形態が、下記の詳細な説明、付属の特許請求の範囲、および添付の図面より、より十分に明らかになるであろう。
【0012】
本発明のさまざまな実施形態のさらなる理解は、本明細書の残りの部分において描写される図面を参照することにより、実現することができる。図面では、同様の参照番号が、類似したコンポーネントを指すために、いくつかの図面全体にわたって使用される。いくつかの例では、複数の類似したコンポーネントのうちの1つを表すために、小文字からなるサブ・ラベルが、参照番号に関連付けられている。既存のサブ・ラベルに指定されない参照番号が参照される場合、そのような複数の類似したコンポーネントすべてを指すことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】サーボデータを含む、既存の記憶媒体を表す図である。
【図2】本発明の1つまたは複数の実施形態に従った、連結されたユーザデータセットを読み取り、書き込むことができる読み取りチャネルを含む、記憶デバイスを表す図である。
【図3a】本発明のさまざまな実施形態に従った、連結されたユーザデータセットを読み取り、書き込むように動作可能な読み取りチャネル回路を表す図である。
【図3b】本発明の他の実施形態に従った、連結されたユーザデータセットを読み取り、書き込むように動作可能な別の読み取りチャネル回路を表す図である。
【図4a】本発明のいくつかの実施形態に従った、図3の読み取りチャネルの例示的な書き込み動作を表すタイミング図である。
【図4b】本発明のいくつかの実施形態に従った、図3の読み取りチャネルの例示的な読み取り動作を表すタイミング図である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態に従った、連結されたユーザデータセットを使用して記憶媒体にアクセスするための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、データを記憶することに関し、より詳細には、データを記憶媒体に記憶するためのフォーマット、システム、および方法に関する。
【0015】
本発明のさまざまな実施形態が、記憶媒体に保持されるユーザデータのための、改善されたフォーマット効率性を提供する。そのような実施形態は、符号語を連結して、記憶媒体に記憶されるスーパセクタ・データセットにする。本明細書で使用されるとき、語句「スーパセクタ・データセット」は、共通ヘッダデータと一緒にアセンブルされる2つ以上の符号語を含むデータセットを意味するように、広義において使用される。そのような連結は、とりわけ、記憶媒体上でデータを保持することに関連付けられたオーバヘッドの量を減少させる。上述した実施形態のさまざまな例は、記憶媒体の孤立したデータの領域の利用を考慮する分けられた符号語をサポートする。上述した実施形態の特定の一例では、ユーザデータ領域において保持されるデータに同期するために、単一のプリアンブル・フィールドおよび同期パターンが、各ユーザデータ領域に含まれる。したがって、ユーザデータ領域内で複数の符号語に同期するのに、単一のプリアンブルおよび同期パターンのみが使用されてよい。ユーザデータ領域から受信されたデータは、読み取りチャネル回路による処理のために、符号語に再アセンブルされる。
【0016】
図2を見てみると、本発明のさまざまな実施形態に従った、連結されたユーザデータのためのサポートを備える読み取りチャネル210を含む記憶システム200が表されている。記憶システム200は、たとえば、ハードディスク・ドライブであってよい。読み取りチャネル210は、図3に関連して以下で論じられる読み取りチャネルと一致して連結されたユーザデータ(すなわちスーパセクタ・データセット)のためのサポートを含むことができる、および/または図4〜5の1つまたは複数と一致して動作することができる。さらに、読み取りチャネル210は、データ検出器、たとえば、ビタビ・アルゴリズム・データ検出器などを含む。読み取りチャネル210に加えて、記憶システム200は、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276から受信される微小電気信号を増幅する前置増幅器270を含む。読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276は、ディスク・プラッタ278に対して配置される。記憶システム200はまた、インターフェース制御装置220と、ハードディスク制御装置266と、モータ制御装置268と、スピンドル・モータ272とを含む。インターフェース制御装置220は、ディスク・プラッタ278への/ディスク・プラッタ278からのデータの、アドレス指定およびタイミングを制御する。ディスク・プラッタ278上のデータは、アセンブリがディスク・プラッタ278上に適切に位置決めされているときに、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276によって検出可能な磁気信号のグループからなる。一実施形態では、ディスク・プラッタ278は、垂直記録方式に従って記録された磁気信号を含む。本発明の他の実施形態では、ディスク・プラッタ278は、水平記録方式に従って記録された磁気信号を含む。
【0017】
典型的な読み取り動作において、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276は、モータ制御装置268によって、ディスク・プラッタ278の所望のデータトラック上に正確に位置決めされる。モータ制御装置268は、ハードディスク制御装置266の指示の下でディスク・プラッタ278の適切なデータトラックに読み取り/書き込みヘッド・アセンブリを移動することによって、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276をディスク・プラッタ278に対して位置決めすること、およびスピンドル・モータ272を駆動することの両方を行う。スピンドル・モータ272は、決定されたスピン・レート(RPM)において、ディスク・プラッタ278をスピンさせる。読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ278が適切なデータトラックに隣接して位置決めされると、ディスク・プラッタ278がスピンドル・モータ272によって回転する際に、ディスク・プラッタ278上でデータを表す磁気信号が、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276によって感知される。感知された磁気信号は、ディスク・プラッタ278上で磁気データを表す、連続的な微小アナログ信号として提供される。この微小アナログ信号は、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリ276から、前置増幅器270を介して、読み取りチャネル210へと転送される。前置増幅器270は、ディスク・プラッタ278からアクセスされた微小アナログ信号を増幅するように動作可能である。次いで、読み取りチャネル210は、受信されたアナログ信号を復号化し、デジタル化して、ディスク・プラッタ278に最初に書き込まれた情報を再現する。このデータは、読み取りデータ203として受信回路に提供される。書き込み動作は、書き込みデータ201が読み取りチャネル・モジュール210に提供されている状態において、先行する読み取り動作の実質的に反対の動作である。このデータは次いで、符号化され、ディスク・プラッタ278に書き込まれる。
【0018】
図3aを見てみると、本発明のさまざまな実施形態に従った、連結されたユーザデータセット(すなわちスーパセクタ・データセット)を読み取り、書き込むように動作可能な、読み取りチャネル回路205が示されている。読み取りチャネル回路205は、符号器回路233と、復号器回路273とを含む。符号器回路233は、データ符号化回路213と、符号化データ・バッファ219と、ユーザデータ領域整合回路223とを含む。書き込みデータ201が、データ符号化回路213に提供される。書き込みデータ201は、当技術分野で知られている任意のデータソースから受信されてよく、当技術分野で知られているようなパラレル・データ・バス、またはシリアル・データ・バスのいずれかを介して受信されてよい。本発明の特定の一実施形態では、書き込みデータ201は、アップストリーム・プロセッサ(図示せず)から受信される。書き込みデータ201は、データ符号化回路213によって、符号化データ・バッファ219に提供される符号語にアセンブルされる。特定の一実施形態では、データ符号化回路213は、当技術分野で知られているような低密度パリティ・チェック(LDPC)符号器回路である。そのような実施形態では、データ符号化回路213は、一連のLDPC符号語を符号化データ・バッファ219に提供する。そのようなLDPC符号語は、書き込みデータ201の部分を、当技術分野で知られているようなさまざまな符号化情報と共に含む。特定の例として、符号語は、それぞれ4096ユーザビットに加えたいくつかの符号化ビット(たとえばパリティ・ビット)であってよい。いくつかのケースでは、符号化ビットの数は、実行される符号化の堅牢性に応じて、40から400の間であってよい。
【0019】
符号化データ・バッファ219は、符号語が処理されて、記憶媒体に書き込まれることができるまで、データ符号化回路213から生成された符号語を記憶することができる、任意のデータ記憶デバイスであってよい。例として、符号化データ・バッファ219は、要求信号228のアサート(assert)に応じて、記憶された符号語の部分を、符号語インターフェース227を介してユーザデータ領域整合回路223に提供する、ファーストイン・ファーストアウト・メモリであってよい。
【0020】
ユーザデータ領域整合回路223は、2つ以上の符号語を、符号化データ出力293として記憶媒体に提供されるスーパセクタ・データセットにアセンブルするように動作可能である。符号化データ出力293は、書き込みゲート信号287が、記憶媒体に書き込まれることになるヘッダデータ288のために十分な時間アサートされた後に、提供される。ヘッダデータ挿入回路241は、符号化データ出力293の書き込みに直接先行するヘッダ周期の間、ヘッダデータ288を一度に1ビットずつ、記憶媒体に提供する。ヘッダデータ288は、当技術分野で知られている任意のヘッダデータであってよい。符号化データ出力293に直接先行するヘッダデータ288の提供は、書き込みゲート信号287のアサーションに基づいて制御される。ヘッダデータ288は、記憶媒体に書き込まれるスーパセクタ・データセットの一部となる。本発明の特定の一実施形態では、ヘッダデータ288は、記憶媒体からの読み返し時に、ユーザデータの始まりを識別し、スーパセクタ・データセットに同期するのに使用されてよい、プリアンブルおよび同期フィールドを含む。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、本発明の異なる実施形態に関連して使用されてよい、さまざまなヘッダデータを理解するであろう。
【0021】
スーパセクタ・データセットにアセンブルされる符号語の数、および符号語の部分は、記憶媒体のユーザデータ領域のサイズに合わせることができる。以下の式は、スーパセクタ・データセットに組み込まれるデータの量を表す。

符号語の数
=((ユーザデータ領域のサイズ)−(ヘッダデータのサイズ))/(符号語のサイズ)

例として、最後のユーザデータ領域についてスーパセクタ・データセットが符号語境界で終わっており、ユーザデータ領域のサイズが10750ビット、ヘッダデータのサイズが100ビット、および符号語のサイズが4096ビットである場合、先の式で計算される符号語の数は2.6である。このケースでは、後続のスーパセクタ・データセットは、ヘッダデータから始まり、符号化データ・バッファ219から利用可能な次の2つのすべて揃った符号語、および符号語の0.6に相当する符号化データ・バッファ219からの次の符号語の部分が続く。部分符号語の残りの部分(すなわち最後の0.4符号語)は、後続のスーパセクタ・データセットにおけるヘッダデータの後に書き込まれる。
【0022】
ユーザデータ領域整合回路223は、間に入るサーボデータ領域に対するユーザデータ領域の位置を示すサーボゲート信号251を、サーボデータ処理回路(図示せず)から受信する。上で説明したように、スーパセクタ・データセットがアセンブルされて、サーボゲート信号251がユーザデータ領域の始まりを示すと、ユーザデータ領域整合回路223が、書き込みゲート信号287をアサートし、符号化データ出力293を介して、アセンブルされたスーパセクタ・データセットを、一度に1ビットずつ連続して提供する。この情報は、組み込まれた記憶媒体にデータを書き込むことに関与する書き込み回路(図示せず)に提供される。
【0023】
復号器回路273は、ヘッダ同期回路252と、符号語境界整合回路253と、復号化データ・バッファ256と、データ処理回路263とを含む。ヘッダ同期回路252は、記憶媒体から得られた読み取りデータ入力296を受信し、受信されたデータに関連付けられたヘッダデータに含まれるプリアンブルおよび同期情報を使用して、受信されたデータストリームの周波数および位相に同期する。同期するためのこの試みは、サーボゲート信号251が、サーボデータ領域が終わってユーザデータ領域が始まったことを示すときに開始される。受信されたデータストリームに同期すると、ヘッダ同期回路252は、読み取りデータ入力296を介して受信されたデータが有効なユーザデータであることを示す同期発見信号254をアサートする。ヘッダ同期回路252は、記憶媒体のユーザデータ領域から得られるデータセットに同期して、データ利用可能インジケータ信号をアサートすることができる、当技術分野で知られている任意の回路であってよい。
【0024】
符号語境界整合回路253は、同期発見信号254、および読み取りデータ入力296を受信し、それらに基づいて、受信されたデータを完全な符号語にアセンブルする。これにより、たとえば、ユーザデータ領域の終わりが符号語の第1の部分を含む場合、符号語境界整合回路253は、後続のユーザデータ領域の始まりからの符号語の第2の部分を受信するのを待ってから、すべて揃った符号語を提供する。符号語境界整合回路253は、符号語連結テーブル回路283からインジケータ297を介して提供された情報を使用して、読み取りデータ入力296を介して提供されたデータ内での符号語の位置を識別する。いくつかの実装形態では、同期発見信号254に同期された1つまたは複数のカウンタが、所与のユーザデータ領域から得られる符号語のビットおよび符号語部分をカウントするのに使用される。
【0025】
符号語境界整合回路253は、符号語または符号語の部分を、符号語間の分離を示す符号語境界信号258、および任意の所与のクロック・サイクル上のデータが有効であることを示すのに使用されるデータ有効信号257と共に、復号化データ・バッファ256に提供する。これらの信号の組合せは、アセンブルされた符号語を、復号化データ・バッファ256に書き込むのに使用される。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、符号語境界整合回路253からデータを転送するのに使用されてよい他のインターフェースを理解するであろう。復号化データ・バッファ256は、符号語がデータ処理回路263によって処理され得るまで、符号語境界整合回路253からの符号語を記憶することができる、任意のデータ記憶デバイスであってよい。例として、復号化データ・バッファ256は、符号語を、符号語境界整合回路253からデータ処理回路263に提供する、ファーストイン・ファーストアウト・メモリであってよい。データ処理回路263は、受信されたデータを処理し、読み取りデータ203を提供する。処理エラーが発生しない場合、読み取りデータ203は、書き込みデータ201として最初に受信された情報に対応する。
【0026】
データ処理回路263は、符号化され記憶媒体に書き込まれたオリジナルデータセットを取り戻そうとして、記憶媒体から得られる符号化されたデータを処理するように動作可能な、当技術分野で知られている任意の回路であってよい。例として、データ処理回路263は、データ符号化回路213によって適用された符号化をリバースするように動作可能な、当技術分野で知られているような復号器回路を含んで実装されてよい。そのようなデータ復号器回路は、LDPC復号器回路であってよいが、これに限定されない。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、本発明の異なる実施形態に関連して使用されてよい、非常に多くのデータ処理回路を理解するであろう。
【0027】
図3bを見てみると、本発明のさまざまな実施形態に従った、連結されたユーザデータセット(すなわちスーパセクタ・データセット)を読み取り、書き込むように動作可能な、読み取りチャネル回路306が示されている。読み取りチャネル回路306は、符号器回路334と、復号器回路374とを含む。符号器回路334は、ユーザデータ領域整合回路324と、データ符号化回路314と、データ書き込み回路304とを含む。書き込みデータ301が、ユーザデータ領域整合回路324に提供される。書き込みデータ301は、当技術分野で知られている任意のデータソースから受信されてよく、当技術分野で知られているようなパラレル・データ・バス、またはシリアル・データ・バスのいずれかを介して受信されてよい。本発明の特定の一実施形態では、書き込みデータ301は、アップストリーム・プロセッサ(図示せず)から受信される。書き込みデータ301は、ユーザデータ領域整合回路324によってアセンブルされて、記憶媒体上で完全なユーザデータ領域を満たすのに十分なデータを含む。アセンブルされるユーザデータの量は、データに適用される符号化ビットの数と、記憶媒体上でそのデータに先行することになるヘッダデータの量とを引いた、ユーザデータ領域のサイズにほぼ等しい。さらに、いくつかのケースでは、アセンブルされるデータは、ユーザデータ領域整合回路324によってインターリーブされて(すなわち再編成されて)、後に取り戻されるデータセットのあらゆる局部雑音の影響を削減する。アセンブルされインターリーブされたユーザデータは、受信されたユーザデータにデータ符号化を行うデータ符号化回路314に提供される。データ符号化は、たとえば、当技術分野で知られているようなLDPC符号化であってよい。データ符号化回路314は、符号化されたデータを、スーパセクタ・データセットとしてデータ書き込み回路304に提供する。データ書き込み回路304は、間に入るサーボデータ領域に対するユーザデータ領域の位置を示すサーボゲート信号251を、サーボデータ処理回路(図示せず)から受信する。サーボゲート信号251がアサートされると、データ書き込み回路304は、書き込みゲート信号387をアサートする。
【0028】
書き込みゲート信号387のアサーションに基づいて、ヘッダデータ挿入回路341が、記憶媒体上でスーパセクタ・データセットの一部になることになるヘッダデータ388のスプールアウトを開始する。ヘッダデータがすべて揃うと、データ書き込み回路304は、符号化されたデータを、記憶媒体への符号化データ出力394として、詳しく書き込みし始める。ヘッダデータ388および符号化データ出力394は、組み込まれた記憶媒体にデータを書き込むことに関与するダウンストリーム書き込み回路(図示せず)に提供される。
【0029】
復号器回路374は、ヘッダ同期回路352と、検出/復号回路353と、ユーザデータ分離回路356とを含む。ヘッダ同期回路352は、記憶媒体から得られる読み取りデータ入力396を受信し、受信されたデータに関連付けられたヘッダデータに含まれるプリアンブルおよび同期情報を使用して、受信されたデータストリームの周波数および位相に同期する。同期するためのこの試みは、サーボゲート信号251が、サーボデータ領域が終わってユーザデータ領域が始まったことを示すときに開始される。受信されたデータストリームに同期すると、ヘッダ同期回路352は、読み取りデータ入力396を介して受信されたデータが有効なユーザデータであることを示す同期発見信号354をアサートする。ヘッダ同期回路352は、記憶媒体のユーザデータ領域から得られるデータセットに同期させて、データ利用可能インジケータ信号をアサートすることできる、当技術分野で知られている任意の回路であってよい。
【0030】
データ処理回路353は、符号化され記憶媒体に書き込まれたオリジナルデータセットを取り戻そうとして、記憶媒体から得られる符号化されたデータを処理するように動作可能な、当技術分野で知られている任意の回路であってよい。例として、データ処理回路353は、当技術分野で知られているような、データ検出器回路およびデータ復号器回路を含んで実装されてよい。そのようなデータ検出器回路は、ビタビ・アルゴリズム検出器回路であってよいが、これに限定されない。復号器回路は、LDPC復号器回路であってよいが、これに限定されない。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、本発明の異なる実施形態に関連して使用されてよい、非常に多くのデータ処理回路を理解するであろう。例として、データ処理回路353は、「Systems and Methods for Queue Based Data Detection and Decoding」と題されて、Yangらによって2008年5月8日に出願された米国特許出願第12/114462号に開示されているデータ処理回路のうちの1つであってよい。上述した参考文献の全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込む。別の例として、データ処理回路263は、「Systems and Methods for Hard Decision Assisted Decording」と題されて、Zhongらによって2009年4月28日に出願された米国特許出願第12/430927号に開示されているデータ処理回路のうちの1つであってよい。上述した参考文献の全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込む。さらなる別の例として、データ処理回路263は、「Systems and Methods for Error Reduction Associated with Information Transfer」と題されて、Songらによって2006年1月26日に出願された米国特許出願第11/341963号に開示されているデータ処理回路のうちの1つであってよい。上述した参考文献の全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込む。
【0031】
データ処理回路353は、復号化されたデータセットを、ユーザデータ分離回路356に提供する。ユーザデータ分離回路356は、復号化されたデータを受信するように、かつ書き込みデータ301として最初に提供された形にデータをアセンブルするように要求されてよい、任意のデインターリーブを実行するように、動作可能である。いくつかのケースでは、そのようなインターリーブは、ユーザデータをインターリーブする、または混ぜ合わせることによって、データの中のあらゆる局部雑音の影響を制限するために、データ符号化回路314によって適用される。デインターリーブされたデータは次いで、読み取りデータ303として、ユーザデータ分離回路356によって提供される。
【0032】
図4aを見てみると、タイミング図400が、本発明のいくつかの実施形態に従った、図3の読み取りチャネル回路205の例示的な書き込み動作を表す。図にある通り、符号化データ出力293は、記憶媒体に書き込まれることになる異なる領域に対応する一連のデータビットである。詳細には、符号化データ出力293は、記憶媒体に対して読み取り/書き込みヘッド・アセンブリが存在する場所のための参照として記憶媒体上に配置されるサーボデータ領域403に対応する周期については、ヌルである。サーボデータ領域403の間、ユーザデータ領域整合回路223に対して、記憶媒体に書き込みできるデータはないことを示すサーボデータ信号251が、レベル425においてアサートされる。サーボデータ領域403が完成すると、サーボゲート信号251はデアサートされる。
【0033】
サーボゲート信号251がデアサートされると、ユーザデータ領域整合回路223は、同時にユーザデータ領域405に対応する一連のデータビットを提供しながら、レベル437において書き込みゲート信号287をアサートする。詳細には、ユーザデータ領域整合回路223は、ヘッダ415に対応するビットを提供する。ヘッダ415は、ユーザデータ領域405に書き込まれるデータに同期するのに使用されてよい。このヘッダは、たとえば、当技術分野で知られているような、同期パターンが後に続くプリアンブルを含むことができる。ユーザデータ領域整合回路223がヘッダ415の書き込みを完了すると、ユーザデータ領域整合回路223は、符号化データ・バッファ219から利用可能な次の符号語データを書き込む。たとえば、サーボデータ403に先立つユーザデータが符号語境界で終わった場合、ユーザデータ領域整合回路223は、次の符号語を書き込みし始める。あるいは、サーボデータ403に先立つユーザデータが符号語の途中で終わった場合、ユーザデータ領域整合回路223は、同じ符号語のその途中のポイントにおいて書き込みし始める。現在の符号語(すなわち符号語A)が完成すると、ユーザデータ領域整合回路223は、符号化データ・バッファ219から次の符号語(すなわち符号語B)にアクセスし、それを符号化データ出力293として順次提供する。この符号語(すなわち符号語B)が完成すると、ユーザデータ領域整合回路223は、符号化データ・バッファ219から次の符号語(すなわち符号語C)にアクセスし始め、符号語の部分を符号化データ出力293として提供する。ユーザデータ領域405の終わり前のある時点で、ユーザデータ領域整合回路223は、符号語の書き込みを中断し、引き続いてポストアンブル・パターン491を書き込む。そのようなポストアンブル・パターンは、ユーザデータ領域405に書き込まれた符号語の終わりを示す。ポストアンブル・パターン491が書き込まれると、ユーザデータ領域整合回路223は、書き込みゲート信号287をデアサートする。
【0034】
ユーザデータ領域405の終わりの後、サーボゲート信号251が、記憶媒体に対して読み取り/書き込みヘッド・アセンブリが存在する場所のための参照として記憶媒体上に配置されるサーボデータ領域407に対応して、再びアサートされる。レベル427におけるサーボゲート信号251のアサーションは、ユーザデータ領域整合回路223に対して、記憶媒体に書き込みできるデータがないことを示す。サーボデータ領域407が完成すると、サーボゲート信号251はデアサートされる。
【0035】
サーボゲート信号251がデアサートされると、ユーザデータ領域整合回路223は、同時にユーザデータ領域409に対応する一連のデータビットを提供しながら、レベル439において書き込みゲート信号287をアサートする。詳細には、ユーザデータ領域整合回路223は、ヘッダ417に対応するビットを提供する。ヘッダ417は、ユーザデータ領域409に書き込まれるデータに同期するのに使用されてよい。このヘッダは、たとえば、当技術分野で知られているような、同期パターンが後に続くプリアンブルを含むことができる。ユーザデータ領域整合回路223がヘッダ417の書き込みを完了すると、ユーザデータ領域整合回路223は、符号化データ・バッファ219からアクセスされた符号語Cの残りの部分を、符号化データ出力293として書き込む。ユーザデータ領域整合回路223は、この符号語が完成するまで、それを書き込むことを継続する。完成すると、ユーザデータ領域整合回路223は、符号化データ・バッファ219から次の符号語(すなわち符号語D)にアクセスし、記憶媒体に書き込まれることになる符号化データ出力293として、それを提供する。このプロセスは、別のポストアンブル・パターンが書き込まれ、ユーザデータ領域409が完成する、ユーザデータ領域409の終わりに近づくまで継続する。注目すべきことに、そのようなアプローチは、1つまたは複数の符号語を、記憶媒体のユーザデータ領域に書き込まれるスーパセクタ・データセットにアセンブルする。注目すべきことに、スーパセクタ・データセットに同期するための共通ヘッダの使用により、ユーザデータ領域の使用可能なビット密度が向上する。
【0036】
図4bを見てみると、タイミング図401が、本発明のいくつかの実施形態に従った、図3の読み取りチャネル回路205の例示的な読み取り動作を表す。図にある通り、読み取りデータ入力296は、図4aの例で記憶媒体に書き込まれる同じ一連のデータビットである。詳細には、読み取りデータ入力296は、記憶媒体から読み取られて、かつ記憶媒体に対する読み取り/書き込みヘッド・アセンブリの位置を決定するのに使用される、サーボデータ403を含む。サーボデータ領域403の間、ヘッダ同期回路252に対して、ユーザデータ領域405からのヘッダが間もなく続くことを示すサーボゲート信号251が、レベル425においてアサートされる。サーボゲート信号251がデアサートされるとき、ヘッダ同期回路252は、ヘッダ415のプリアンブル・パターンおよび同期パターンを識別するプロセスを開始する。ヘッダ415が識別されると、ヘッダ同期回路252は、同期発見信号254をレベル457においてアサートする。
【0037】
ヘッダ415に関連付けられたビットが受信されると、符号語境界整合回路253が、データ有効信号257をアサートする。データ有効信号257がアサートされた状態で、符号語出力259として提供されるデータビットが、復号化データ・バッファ256に記憶される。符号語境界整合回路253は、受信されている符号語のビット数のカウントを維持する。このカウントは、以下の式に従って、残りのビット数が受信されるまで継続される。

残りのビット数=符号語におけるビット数−受信された符号語のビット数

たとえば、符号語当たりの合計ビット数が4096ビットで、そのビットのうちの1000が先行するユーザデータ領域から受信された場合、残りのビット数は、3096ビットである。あるいは、先行するユーザデータ領域が符号語境界で終わった場合、受信された符号語のビット数はゼロであり、残りのビット数は4096ビットである。符号語Aの残りのビット数が受信されると、符号語境界整合回路253は、符号語Aの終わり、および次の符号語(すなわち符号語B)の始まりを示す符号語境界信号258(463として示される)をアサートする。符号語Bは次いで、符号語出力259として復号化データ・バッファ256に提供される。これは、符号語の終わり、および次の符号語(すなわち符号語C)の始まりを示す符号語境界信号258(465として示される)がアサートされる時点で、符号語Bの残りのビット数が受信されるまで、継続する。符号語Cは次いで、ポストアンブル491が識別されて、データ有効信号257が符号語境界整合回路253によってデアサートされるまで、符号語出力259として復号化データ・バッファ256に提供される。この時点で、受信された符号語のビット数(符号語Cの第1部におけるビット数)は、符号語におけるビット数よりも少ない。したがって、後続のユーザデータ領域409においてカウントが維持され、継続されることになる。
【0038】
読み取りデータ入力296は、記憶媒体から読み取られて、かつ記憶媒体に対する読み取り/書き込みヘッド・アセンブリの位置を決定するのに使用される、サーボデータ407を含む。サーボデータ領域407の間、ヘッダ同期回路252に対して、ユーザデータ領域409からのヘッダが間もなく続くことを示すサーボゲート信号251が、レベル427においてアサートされる。サーボゲート信号251がデアサートされるとき、ヘッダ同期回路252は、ヘッダ417のプリアンブル・パターンおよび同期パターンを識別するプロセスを開始する。ヘッダ417が識別されると、ヘッダ同期回路252は、同期発見信号254をレベル459においてアサートする。
【0039】
ヘッダ417に関連付けられたビットが受信されると、符号語境界整合回路253は、データ有効信号257をアサートする。データ有効信号257がアサートされた状態で、符号語出力259として提供されるデータビットが、復号化データ・バッファ256に記憶される。符号語境界整合回路253が、符号語Cの終わり、および次の符号語(すなわち符号語D)の始まりを示す符号語境界信号258(467として示される)をアサートするポイントにおいて、符号語境界整合回路253は、符号語C(すなわち符号語Cの第2部)の残りの部分をカウントする。このプロセスは、所望の読み取りデータが記憶媒体から取得されるまで継続する。
【0040】
図5を見てみると、流れ図500が、本発明のいくつかの実施形態に従った、連結されたユーザデータセットを使用して記憶媒体にアクセスするための方法を示す。流れ図500をたどると、読み取り要求が受信されるかどうか(ブロック505)、または書き込み要求が受信されるかどうか(ブロック510)が決定される。要求するデバイスまたはシステムは、プロセッサであってよいが、これに限定されない。読み取り要求は、要求するデバイスまたはシステムによって、データがそこから読み取られることになる記憶媒体上のアドレスおよび/またはデータ範囲を含むことができる。書き込み要求は、アドレスを示し、記憶媒体に書き込まれることになるデータセットを含むことができる。本明細書に提供される開示に基づいて、当業者は、本発明の異なる実施形態に関連して使用されてよい、さまざまな要求するデバイスまたはシステム、および/または、データが読み取られ、書き込まれることになる記憶媒体上の位置を識別するのに使用されてよい、さまざまなアドレスおよび/またはデータ範囲を理解するであろう。
【0041】
読み取り要求が受信された場合(ブロック505)、要求されたデータが記憶されている、記憶媒体上の1つまたは複数のセクタがアクセスされ(ブロック515)、対応するデータが、そのセクタから取り出される(ブロック520)。アクセスおよび取り出しのプロセスは、当技術分野において知られている任意のアクセスおよび取り出しのプロセスであってよい。受信されたデータは、受信されて個々の符号語に分割される(ブロック525)スーパセクタ・データセットを含む。個々の符号語へのそのような分割は、ヘッダデータを使用して同期すること、およびヘッダデータの終わりの後に受信されるビットをカウントすることを含む。符号語当たりのビット数まで数え上げるカウンタが維持される。符号語がセクタ境界にわたって広がる場合、カウンタは、ユーザデータ領域の終わりまで継続し、符号語に対応するビットが後続のユーザデータ領域において受信され始めると再開する。カウンタが符号語当たりのビット数に達するとき、符号語同士の間を分離する指示がアサートされ、次の符号語が、受信されたデータからアセンブルされ始める。このプロセスは、取り出されたデータからの符号語のすべてが個々の符号語に分離されるまで継続する。
【0042】
個々の符号語は、符号語を作るために最初に符号化されたデータを取り戻すように符号語が復号化される、データ処理回路に提供される(ブロック530)。この処理は、当技術分野で知られているようなデータ検出器回路、およびデータ復号器回路を通した1つまたは複数の繰り返しを含むことができるが、これに限定されない。特定の1つのケースでは、上述したデータ検出器回路は、ビタビ・アルゴリズム・データ検出器回路、およびデータ復号器回路は、LDPC復号器回路である。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、本発明の異なる実施形態に関連して使用されてよい、さまざまなデータ処理回路を理解するであろう。復号化された符号語は次いで、要求するデバイスまたはシステムに提供される(ブロック535)。
【0043】
あるいは、書き込み要求が受信された場合(ブロック510)、書き込み要求が以前に書き込まれたデータ(すなわち、読み取られて修正されている、記憶媒体からのデータ)であるかどうかが決定される(ブロック540)。データが以前に書き込まれたものではない場合(ブロック540)、書き込みデータを受信するための新たなセクタ(すなわち未使用セクタ)が選択される(ブロック575)。書き込みデータは、個々の符号語に符号化される(ブロック580)。たとえば、符号語が、追加の60符号化ビットを含む4096ビットである場合、書き込みデータの4030ビットが符号化されて、4096ビットの符号語を生じる。本発明のいくつかの実施形態では、適用される符号化はLDPC符号化であり、追加の符号化ビットは、当技術分野で知られているような、計算されて符号語に組み込まれるパリティ・ビットである。
【0044】
ヘッダデータが作成される(ブロック585)。このヘッダデータは、プリアンブル・パターンと、同期パターンとを含むことができる。このヘッダデータは、読み返し時に、記憶媒体に書き込まれたデータに同期するのに使用される。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、本発明の異なる実施形態に関連して使用されてよい、さまざまなヘッダデータを理解するであろう。
【0045】
個々の符号語の1つまたは複数が、ヘッダデータに連結されて、スーパセクタ・データセットを生じる(ブロック590)。書き込まれることになるデータの量が、単一のセクタに記憶され得るデータの量よりも多い場合、別のヘッダデータが生成され、書き込まれることになるデータの残りの部分は、次のヘッダデータに連結されて、別のスーパセクタ・データセットを生じる。スーパセクタ・データセットにアセンブルされるヘッダデータおよび符号語の数は、受信された書き込み要求の一部として書き込まれることになるデータの量に基づいて決定される。
【0046】
作成されたスーパセクタ・データセットが、選択されたセクタに書き込まれる(ブロック595)。これは、当技術分野で知られている任意の書き込みプロセスを使用して行われてよい。特定の1つのケースでは、これは、読み取り/書き込みヘッド・アセンブリが書き込みフィールドを記憶媒体の近傍で生成する時点において、記憶媒体のユーザデータ領域に対応する時間に、書き込みゲート信号をアサートすることにより行われて、記憶媒体に記憶されている磁気情報をもたらす。本明細書において提供される開示に基づいて、当業者は、記憶媒体にデータを記憶するのに使用されてよい、さまざまなアプローチを理解するであろう。各スーパセクタ・データセットの終わりに、ポストアンブル・パターンが、記憶媒体に書き込まれる(ブロック597)。このポストアンブル・パターンは、読み返し時に、ユーザデータの終わりを識別するために使用される。
【0047】
あるいは、書き込まれることになるデータが、記憶媒体に以前に記憶されていた(すなわち、この書き込みプロセスが、読み取り/修正プロセスの一部である)場合(ブロック540)、データが最初に書き込まれていたセクタがアクセスされ(ブロック545)、セクタからのデータが取り出される(ブロック550)。受信されたデータは、受信されて個々の符号語に分割されたスーパセクタ・データセットを含む(ブロック555)。個々の符号語へのそのような分割は、ヘッダデータを使用して同期すること、およびヘッダデータの終わりの後に受信されるビットをカウントすることを含む。符号語当たりのビット数まで数え上げるカウンタが維持される。符号語がセクタ境界にわたって広がる場合、カウンタは、ユーザデータ領域の終わりまで継続し、符号語に対応するビットが後続のユーザデータ領域において受信され始めると再開する。カウンタが符号語当たりのビット数に達するとき、符号語同士の間を分離する指示がアサートされ、次の符号語が、受信されたデータからアセンブルされ始める。このプロセスは、取り出されたデータからの符号語のすべてが個々の符号語に分離されるまで継続する。個々の符号語は、符号語を作るために最初に符号化されたデータを取り戻すように符号語が復号化される、データ処理回路に提供される(ブロック560)。この処理は、当技術分野で知られているようなデータ検出器回路、およびデータ復号器回路を通した1つまたは複数の繰り返しを含むことができるが、これに限定されない。
【0048】
オリジナルデータは次いで、書き込み要求に関連付けられた書き込みデータに整合するように上書きされる(ブロック565)。これは、たとえば、書き込み要求の一部として提供されたデータに整合するように読み返されたデータの修正部分を含むことができる。以前に書き込まれたセクタのうちの1つもしくは複数、または1つもしくは複数の新たなセクタが、作成されたデータセットを受信するために選択される(ブロック570)。書き込まれるべきセクタが選択されると(ブロック570)、上で論じられたブロック580からブロック597のプロセスが実行されて、修正されたデータを記憶媒体に書き戻す。
【0049】
結論として、本発明は、データ記憶のための新規なシステム、デバイス、方法、フォーマット、および構成を提供する。本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明が以上で与えられたが、当業者には、本発明の精神から逸脱せずに、さまざまな代替形態、修正形態、および均等形態が明らかであろう。したがって、以上の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデータ領域によって分離された、第1のサーボデータ領域と第2のサーボデータ領域とを含む記憶媒体を含むデータ記憶システムであって、
前記ユーザデータ領域が第1の符号語の部分と第2の符号語の部分とを少なくとも含み、前記第1の符号語および前記第2の符号語が共通ヘッダデータに関連付けられている、データ記憶システム。
【請求項2】
前記第1の符号語および前記第2の符号語が低密度パリティ・チェック符号化による符号語である、請求項1に記載のデータ記憶システム。
【請求項3】
前記第1の符号語の前記部分が前記第1の符号語のすべてであり、前記第2の符号語の前記部分が前記第2の符号語のすべてよりも少ない、請求項1に記載のデータ記憶システム。
【請求項4】
書き込みデータを受信するように、前記書き込みデータを前記第1の符号語および前記第2の符号語に符号化するように、かつ、前記第1の符号語の前記部分を前記第2の符号語の前記部分および前記共通ヘッダデータと組み合わせてスーパセクタ・データセットを形成するように、動作可能な符号器回路をさらに含む、請求項1に記載のデータ記憶システム。
【請求項5】
前記符号器回路が低密度パリティ・チェック符号器を含み、前記第1の符号語および前記第2の符号語が低密度パリティ・チェック符号化による符号語である、請求項4に記載のデータ記憶システム。
【請求項6】
前記符号器回路がユーザデータ領域整合回路をさらに含み、前記ユーザデータ領域整合回路が、前記第1の符号語の前記部分を前記第2の符号語の前記部分および前記共通ヘッダデータと組み合わせて前記スーパセクタ・データセットにするように動作可能である、請求項4に記載のデータ記憶システム。
【請求項7】
前記スーパセクタ・データセットが、前記第1の符号語におけるビット周期の数の2倍よりも多く、前記ユーザデータ領域のビット周期の数よりも少ないビット周期の数を含む、請求項4に記載のデータ記憶システム。
【請求項8】
前記第1の符号語の前記部分と前記第2の符号語の前記部分と前記共通ヘッダデータとがスーパセクタ・データセットにアセンブルされており、前記データ記憶システムが、
前記スーパセクタ・データセットを受信するように、前記共通ヘッダデータを使用して前記スーパセクタ・データセットに同期するように、前記スーパセクタ・データセットを分割して、前記第1の符号語の前記部分および前記第2の符号語の前記部分を生じるように、そして、前記第1の符号語および前記第2の符号語を復号化して、最初に書き込まれたデータセットを生じるように、動作可能な復号器回路をさらに含む、請求項1に記載のデータ記憶システム。
【請求項9】
前記復号器回路が低密度パリティ・チェック復号器を含み、前記第1の符号語および前記第2の符号語が低密度パリティ・チェック符号化による符号語である、請求項8に記載のデータ記憶システム。
【請求項10】
前記ユーザデータ領域が第1のユーザデータ領域であり、前記記憶媒体が、第2のユーザデータ領域によって前記第2のサーボデータ領域から分離された第3のサーボデータ領域をさらに含み、前記第2の符号語の前記部分が前記第2の符号語の第1の部分であり、前記第2の符号語の第2の部分が前記第2のユーザデータ領域に含まれる、請求項1に記載のデータ記憶システム。
【請求項11】
第1の符号語と第2の符号語と共通ヘッダデータとを有するスーパセクタ・データセットを受信するように、そして、前記スーパセクタ・データセットを分割して前記第1の符号語および前記第2の符号語を生じるように、動作可能な符号語境界整合回路と、
前記第1の符号語に復号化アルゴリズムを適用して第1のデータセットを生じるように、そして、前記第2の符号語に前記復号化アルゴリズムを適用して第2のデータセットを生じるように、動作可能なデータ処理回路とを含む、データ復号器回路。
【請求項12】
前記第1のデータセットおよび前記第2のデータセットが、記憶媒体に最初に書き込まれたデータに対応する、請求項11に記載のデータ復号器回路。
【請求項13】
前記第1の符号語と前記第2の符号語とが低密度パリティ・チェック符号化によるデータであり、前記データ処理回路が低密度パリティ・チェック復号器回路を含む、請求項11に記載のデータ復号器回路。
【請求項14】
前記符号語境界整合回路が、前記スーパセクタ・データセットにおけるビット周期の数をカウントするように、そして、すべて揃った符号語の受信を示すように、動作可能なカウンタを含む、請求項11に記載のデータ復号器回路。
【請求項15】
前記スーパセクタ・データセットを受信するように、そして、前記共通ヘッダデータを利用して前記スーパセクタ・データセットに同期するように、動作可能なヘッダ同期回路をさらに含む、請求項11に記載のデータ復号器回路。
【請求項16】
書き込みデータを受信するように、そして、前記書き込みデータを第1の符号語および第2の符号語に符号化するように、動作可能なデータ符号化回路と、
前記第1の符号語と前記第2の符号語とヘッダデータとをスーパセクタ・データセットにアセンブルするように動作可能なユーザデータ回路とを含む、データ符号器回路。
【請求項17】
前記データ符号化回路が低密度パリティ・チェック符号化回路であり、前記第1の符号語が第1の低密度パリティ・チェック符号化による符号語であり、前記第2の符号語が第2の低密度パリティ・チェック符号化による符号語である、請求項16に記載のデータ符号器回路。
【請求項18】
前記ヘッダデータがプリアンブル・フィールドと同期フィールドとを含む、請求項16に記載のデータ符号器回路。
【請求項19】
前記スーパセクタ・データセットが第1のスーパセクタ・データセットであり、前記データ符号化回路が、前記書き込みデータを第3の符号語に符号化するようにさらに動作可能であり、前記ユーザデータ回路が、前記第3の符号語の少なくとも第1の部分を前記第1のスーパセクタ・データセットに含むようにさらに動作可能であり、前記ユーザデータ回路が、前記第3の符号語の第2の部分を第2のスーパセクタ・データセットの中に含むようにさらに動作可能である、請求項16に記載のデータ符号器回路。
【請求項20】
前記スーパセクタ・データセットが、前記第1の符号語におけるビット周期の数の2倍よりも多く、記憶媒体のユーザデータ領域のビット周期の数よりも少ないビット周期の数を含む、請求項16に記載のデータ符号器回路。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−210353(P2011−210353A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28453(P2011−28453)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)
【Fターム(参考)】