説明

動き補償を含む、連続的に移動する対象物のMRI

磁気共鳴検査システムが、検査される対象物を撮像野に対して動かす対象物担体14
を持つ。監視システム33が、磁気共鳴信号が撮像野内の対象物から取得される検査環境を監視する。特に、監視システムは、検査される患者における生理運動の程度を監視する。速度制御システム32は、撮像野に対する対象物の動きの速度を制御し、監視される検査環境、即ち生理運動の程度に基づきその速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に移動する対象物を検査する機能を持つ磁気共鳴励起システムに関する。磁気共鳴検査は、検査される対象物から磁気共鳴技術に基づきデータを収集することを含み、磁気共鳴イメージング及び空間的に分解される磁気共鳴分光法を含む。これらの用途において、その対象物は特に、検査される人間又は動物の患者である。これらの磁気共鳴検査は例えば、生体構造組織の形態学に関するか又は検査される患者の体の生理的機能に関する利用可能な情報を作り出す。磁気共鳴イメージングシステムの利用可能撮像野より大きな対象物に対して磁気共鳴イメージングを実行することの一般的な必要性が存在する。更に、多数のステーションへ小刻みなステップで(in large steps)対象物を動かしたり、対象物が休息中にデータを取得したり、対象物の画像を形成するのに個別のステーションで得られる画像を結合したりするよりは、対象物を連続的に動かしながらイメージングを実行する方が、特に取得速度と患者の快適性に関してはより有利であると考えられる。
【背景技術】
【0002】
連続的に移動する対象物のイメージングに関する磁気共鳴検査は、国際公開第WO2005/111649号より知られる。
【0003】
その文書は、磁気共鳴イメージングシステムに対して可変速度で対象物が動く間、対象物から画像データが取得されるような磁気共鳴イメージングシステムを開示する。取得された画像データから、対象物の画像が再構成される。既知の磁気共鳴イメージングシステムは、その対象物が低速度で撮像野を通り移動されるとき、k空間の中央部分に関する画像データを取得する。一方、k空間の周辺領域に関する画像データは、対象物が高速で動くとき取得される。こうして、効率的なデータ取得が実現される。なぜなら、既知の磁気共鳴イメージングシステムは、対象物の高速移動期間の間、画像データを取得し続けるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他方、既知の磁気共鳴イメージングシステムは、低い程度の画像アーチファクトを持つ磁気共鳴画像を生成する。なぜなら、動きアーチファクトからの影響をより受け易いk空間の中央領域からの画像データが、対象物の最も低速の移動期間の間に取得されるからである。
【0005】
本発明の目的は、磁気共鳴検査システムに対して動く対象物からの磁気共鳴データ取得に関する高い効率性を持ち、更に取得された磁気共鳴データにおける摂動が回避されるような磁気共鳴検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明の磁気共鳴励起システムにより達成され、その磁気共鳴励起システムは、
撮像野と、
検査される対象物を上記撮像野に対して動かす対象物担体と、
検査環境を監視する監視システムであって、上記検査環境の下、上記撮像野内の対象物から磁気共鳴信号が取得される、監視システムと、
上記撮像野に対する前記対象物の動きの速度を制御し、上記監視される検査環境に基づき前記速度を制御する速度制御システムとを有する。
【0007】
本発明の磁気共鳴励起システムは、検査領域を通る静磁場を印加する主磁石システムを持つ。更に、磁気共鳴励起システムは、検査される対象物における(核又は電子)スピンを励起するため、その検査領域にRF励起場を送信するRF励起システムを持つ。励起されたスピンは、磁気共鳴信号の放出をもたらす。検査される対象物を支持し、対象物が検査領域を通過するよう対象物担体が与えられる。特に、対象物担体は、磁気共鳴信号取得の間、撮像野を通るよう対象物を動かす。更に、磁気共鳴信号の空間エンコーディングをもたらす傾斜磁場を適用するための傾斜システムが与えられる。特に、読み出し傾斜及び/又は位相エンコーディング傾斜が、空間エンコーディングのために利用される。磁気共鳴データの取得は、k空間において磁気共鳴データをサンプリングすることにより実行される。そのk空間では、時間的な読み出し傾斜及び/又は位相エンコーディング傾斜の適用により(即ち対応するエンコーディング波形又はパルスの適用により)磁気共鳴信号の波形ベクトル(kベクトル)が変化するような場所で、磁気共鳴信号が取得される。磁気共鳴信号は、撮像野から取得される。kベクトルの最高の大きさは、取得された磁気共鳴信号の最小波長を決定し、こうして、例えば再構成される磁気共鳴画像の分解能を決定する。最大波長は、k空間における最小のサンプリングステップに対応し、折り重なりアーチファクトを避けるため、問題時の(at issue)読み出し方向と位相エンコーディング方向とにおける撮像野に基づきセットされる。こうして、k空間がサンプリングされる方向は、受容可能な低レベルの畳み込みアーチファクトを実現するため撮像野に基づきセットされるエンコーディング傾斜磁場の印加により決定される。撮像野は、検査領域内に配置される。通常、検査領域は、静磁場及びRF送信場に関して非常に高い程度の空間一様性及び時間的安定性を持つ。更に、検査領域においては、傾斜磁場が、高い程度の線形性を持つ。
【0008】
本発明の見識は、取得された磁気共鳴データの摂動がしばしば、磁気共鳴データが取得される検査環境に関連するということに基づかれる。磁気共鳴画像の摂動は、生理運動又は他の信号変化現象によりもたらされる可能性がある。特に、これらの検査環境は、検査される患者の体の特定の領域に局所化される動きである生理運動、又は検査領域を通る対象物の変位(しばしば「テーブル移動」と呼ばれる)とは区別される対象物の一部での動きである対象物内での内部運動を含む。対象物の一部での動きの特定の例は、検査される患者の肢(腕又は脚)の変位、又は患者の頭の動きである。内部運動は、例えば、検査される患者の呼吸によりもたらされる呼吸運動、又は患者の心拍によりもたらされる心臓運動である。監視システムは、検査環境、例えば局所運動の量を監視する。撮像野を通る対象物の変位の速度は、監視される検査環境に基づき調整される。こうして、変位の速度は、一般的な(prevailing)検査環境に基づき最適化される。とくに、速度の大きさが、監視される動きの程度に基づき調整される。例えば、動きの程度は、器官といった生体構造が動かされる速度及び/又はその器官が動いた距離を含む。動きの程度が大きい場所では、速度が低下される。その結果、例えば動きアーチファクトによりコラプトしそう、又は実際にコラプトしている磁気共鳴信号を捨てて、より好適な品質の磁気共鳴信号を再取得し、従って、プリセットされた空間分解能を備える磁気共鳴画像が再構成されることができるデータを取得するため、しばしば「フルk空間」と呼ばれる十分な領域のk空間をサンプリングする十分な機会が作成される。パラレルイメージング技術が使用されるとき、k空間のサンプリング密度は、(逆)フーリエ変換によって、プリセットされた空間分解能を実現するのに必要とされる密度より低くてもよいことに留意されたい。実際には、動きの程度が閾値を越えるとき低い変位速度が利用される。この閾値は柔軟なものとすることができ、オペレータにより設定されることができるか、又は以前の経験に基づきセットされることができる。更に、この閾値は、生体構造の個別の部分に対して、又はサンプリングされるk空間の一部に対して異なる値に調整されることができる。閾値のこの調整は、問題時の生体構造の一部における動きの予想量に基づき実行されることができる。従って、本発明は、撮像野を通る検査される患者の変位による動きとは別の、患者内の動き又は患者の動きによる磁気共鳴画像におけるアーチファクトを回避/削減する。
【0009】
例えば、監視システムは、運動量を監視するためいわゆるナビゲータ信号を利用する。これは、EDG、膨張測定ベルト、超音波センサ又はMRI手段等の外部センサにより決定されることができる。局所的、例えばペンシルビーム形状のRF励起を行い、この局所励起による位相エンコードされていない磁気共鳴信号を受信することにより、特殊なナビゲータ信号が生成されることができる。斯かるナビゲータが、患者の横隔膜での呼吸運動を感知するのに利用されることができる。実際、斯かる呼吸ナビゲータは、肝臓と肺組織との間の変わり目を監視しており、これは、呼吸(及び心臓)運動に伴う患者の横隔膜の動きを正確に表現する。本発明の追加的な側面によれば、ナビゲータ処理のペンシルビーム励起は、撮像野を通る検査される患者の変位と共に動かされる。その結果、患者の生体構造に対して、又はテーブル位置に対して、ペンシルビーム励起の位置は、一定に保たれる。
【0010】
本発明のこれら及び他の側面が、従属項に規定される実施形態を参照して更に詳細に説明されることになる。
【0011】
本発明の特定の側面によれば、撮像野に対する対象物の速度は、撮像野に対する対象物の速度が変化するとき加速又は減速が有限であることを考慮して調整される。なぜなら加速及び減速は有限であるので、励起される領域は、速度が高い値と低い値との間で変化するとき経過する時間で変位される。特に、低い速度は、より長期の必要信号取得時間(即ち検査環境が劣化するとき)を考慮するだけでなく、加速及び/又は減速の間の変位も考慮するのに必要とされる速度より更に低くセットされる。加速及び/又は減速の間の変位を考慮に入れることは実際は、撮像野を通る対象物担体を駆動するモータドライブから容易に利用可能なデータから決定される動力学から簡単に計算される加速及び/又は減速に基づき実行される。
【0012】
更に、対象物の変位の速度の変化、即ち減速及び加速は、その変位の間検査される患者の体が、予想される動きの程度が高い生体構造領域に届く又はその生体構造領域から去るときそれぞれ実現されることができる。例えば、胸部又は腹部が撮像野に到達するとき、動きの程度が閾値を超えると予想される。高い程度の動きが起こりそうな生体構造領域が撮像野に届く又はその領域から去るかどうかを決定する様々な方法が存在する。例えば、事前に取得される「スカウトスキャン」が採用されることができる。スカウトスキャンは、生体構造の様々な部分の粗い概要を与え、低い空間分解能のみを必要とする。代替案として、エッジを検出するのに1つ又は複数のペンシルビーム取得が利用されることができる。こうして検出されたエッジは、生体構造モデルからのエッジ情報と関連付けられる。動きの程度は例えば、局所運動の速度及び/又は斯かる動きが起こる距離を表す。
【0013】
本発明の更なる側面によれば、対象物の速度の大きさが、必要とされる信号取得時間と励起領域の大きさとに基づきセットされる。特に、撮像野に対する対象物の運動方向における励起領域の幅が使用される。対象物と撮像野との間の相対速度は、必要とされる信号取得時間の間、対象物が、運動方向における励起領域の幅にわたり最大限移動するよう、セットされる。必要とされる信号取得時間は、事前要件的な(pre-required)磁気共鳴画像の空間分解能に対応するk空間領域と、撮像野、即ち問題時のフルk空間とを覆う磁気共鳴信号を取得するのに必要な時間である。対象物からの磁気共鳴信号の効率的な取得は、必要とされる信号取得時間の間、対象物が励起領域の幅にわたり正確に移動するとき達成される。本発明のこの実現において、移動する励起領域の連続スキャンに対して取得される磁気共鳴信号は、対象物が撮像野に対して動く場合とシームレスに適合する。一方では、速度が幾分低めにセットされ、残余時間が追加的な磁気共鳴信号を取得するのに利用可能であるとき、再構成される磁気共鳴画像の画像品質を改善するために、安定冗長性(ensuring redundancy)が利用される。例えば、既存のアーチファクトが訂正されることができるか、又はノイズが何らかの平均化により低減されることができる。他方、速度が幾分高めにセットされ、励起領域が撮像野を余りに高速で移動するため、いくつかの磁気共鳴信号が欠損する(missing)とき、その欠損データは、正確に取得されるデータからの計算、例えば内挿又は外挿により回復されることができる。
【0014】
本発明の更なる側面によれば、RF励起システムは、励起領域を対象物の動きに同期的に動かす。特に、励起領域は、RF励起場の搬送波周波数を調整することにより動かされる。その結果、励起領域は、核スピン又は電子スピンといった励起スピンが、傾斜磁場と共にRF励起場と共鳴状態にあるような状態になる(move in)。本発明のこの側面によれば、対象物が撮像野を通過するとき、例えばk空間における線又はk空間における螺旋アームの部分といったk空間における軌跡の複数の部分が、その対象物における本質的に同じ物理位置から磁気共鳴信号を取得するようスキャンされる。しばしば、励起領域は、撮像野を通過するスラブの形状を持ち、スラブが開始位置から終了位置に移動するとき、全体のスラブに対してk空間が一回スキャンされる。こうして、対象物が撮像野を連続的に移動しつつ、撮像野のサイズより大きな対象物を画像化することが可能である。
【0015】
本発明の別の側面によれば、検査環境が監視される。検査環境の特定の例は、対象物の動きの程度及び/又は対象物に生じる移動である。検査環境は、良好な品質の磁気共鳴信号が取得されると予想されることができるかどうかを表す。特に、高いレベルの動きがある場合、磁気共鳴信号は、より多くのアーチファクトを含むという点でコラプトしやすい。好ましくは、検査環境が悪くなるほど、例えば、より高い程度の運動が生じるほど、撮像野に対する対象物の速度が低くされる。磁気共鳴信号の取得が中断されることができる、及び/又はひどくコラプトする磁気共鳴信号が排除される。別の実現では、MR取得パルスシーケンスが継続するが、検査環境が劣化するとき、信号読み出しが存在しないか、又は信号読み出しが受け入れられないダミーサイクルが適用されることができる。MR取得パルスシーケンスの継続は、対象物の磁化状態を維持する。その結果、特にバランスFFEといった定常シーケンスにおいて、定常磁化は、ほとんど又はまったく影響を受けない。速度が比較的遅いので、移動する励起領域の連続スキャンに対して取得される磁気共鳴信号が、対象物が撮像野に対して動く場合とシームレスに適合することが更に実現される。
【0016】
一般に、本発明は、患者テーブルが動くとき、k空間データが直接取得される磁気共鳴イメージング方法に関する。患者の生理運動、例えば呼吸が、例えば患者モーションセンサにより検出され、k空間データが特定の運動状態に対してだけ受け入れられるよう、MRシーケンスがゲート化される。ゲート化されたMRシーケンスとの適合が常に維持されるよう、テーブル速度は、スキャンの間変化される。患者テーブルの正確な位置は、テーブル位置センサにより測定される。その出力情報は、生体構造をサンプル化されたデータに正確にマッチさせるため、元のデータ(data origin)を再現するのに再構成ユニットで使用される。ゲーティングによる過度のスキャン時間要件は、生理運動がはっきりしている領域に限定される。一方、他の領域(頭、身体低部位)は通常のテーブル速度でスキャンされることができる。特に、呼吸又は心臓運動がそれぞれ、プリセットされたゲーティングウィンドウ内にあるときにのみ、磁気共鳴信号を受け入れるために、呼吸及び/又は心臓ゲーティングが利用されることができる。k空間の中央領域からの磁気共鳴信号に対して、ゲーティングウィンドウが狭い範囲にセットされ、k空間の周辺領域からの磁気共鳴信号に対して、ゲーティングウィンドウが広い範囲にセットされるという態様で、ゲーティングウィンドウが、スキャンされるk空間の領域に適合されることができる点に留意されたい。更に、受容ウィンドウは、検査領域における患者の体、即ち実際にスキャンされる生体構造の一部の位置に基づきセットされることができる。本発明は、その主な利点として、腹部領域における画像品質の損失(例えば、ぼかし)を伴うことなく、全身イメージング、例えば癌スクリーニングが可能になるということを実現する。
【0017】
本発明は、請求項9に記載される磁気共鳴イメージング方法にも関する。本発明の方法は、連続的に移動する対象物の磁気共鳴イメージングに関する低い(運動)アーチファクトレベルと共に効率的なデータ取得を実現する。
【0018】
本発明の方法は、特に検査される患者の中、又はその患者の内部運動による画像アーチファクトのレベルを低減させるという技術的課題を解決する点に留意されたい。結果の磁気共鳴画像は、検査される患者の物理状態を評価する医療実践者にとって有益である。即ち、結果として生じる磁気共鳴画像は、請求項に記載される方法ステップに続いて起こる知的な医療診断推定フェーズに従事する医療実践者にとっての開始点を形成する。更に、医療診断推定フェーズは、検査される患者との物理的対話を必要としない。
【0019】
本発明は、請求項10に記載されるコンピュータプログラムにも関する。本発明のコンピュータプログラムは、CD-ROMディスクといったデータ担体に提供されることができるか、又はワールドワイドウェブといったデータネットワークからダウンロードされることができる。磁気共鳴イメージングシステムに含まれるコンピュータにインストールされるとき、磁気共鳴イメージングシステムが、本発明に基づき動作することが可能にされ、連続的に移動する対象物の磁気共鳴イメージングに関する低い(運動)アーチファクトレベルと共に効率的なデータ取得を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のこれら及び他の側面が、以下に説明される実施形態及び対応する図面を参照して、詳細に説明されることになる。
【0021】
図5は、本発明が使用される磁気共鳴イメージングシステムを図式的に示す。磁気共鳴イメージングシステムは、主コイル10のセットを含む。これにより、安定した一様な磁場が生成される。主コイルは、例えば、トンネル形状の検査空間を囲うような態様で構築される。検査される患者は、このトンネル形状の検査空間内にスライドする患者担体の上に配置される。磁気共鳴イメージングシステムは、多数の傾斜コイル11、12も含む。これにより、特に、個別の方向における時間的な傾斜の形式で空間変動を示す磁場が、一様な磁場に重畳するよう生成される。傾斜コイル11、12は、1つ又は複数の傾斜アンプと制御可能な動力供給ユニットとを含む傾斜制御部21に接続される。傾斜コイル11、12は、動力供給ユニット21を用いて電流の印加によりエネルギー供給される。このため、動力供給ユニットは、適切な時間形状の傾斜パルス(「傾斜波形」とも呼ばれる)を生成するよう傾斜コイルに電流を印加する電気傾斜アンプ回路に適合される。傾斜の強度、方向及び持続時間は、動力供給ユニットの制御により制御される。磁気共鳴イメージングシステムは、RF励起パルスを生成し、磁気共鳴信号を捕捉する送信及び受信コイル13、16をそれぞれ含む。送信コイル13は好ましくは、検査される対象物(の一部)が囲まれることができるようなボディコイル13として構築される。ボディコイルは通常、検査される患者30が磁気共鳴イメージングシステムに配置されるとき、その人がそのボディコイル13により囲まれるという態様で磁気共鳴イメージングシステムに配置される。ボディコイル13は、RF励起パルスとRF再フォーカスパルスとの送信用の送信アンテナとして機能する。好ましくは、ボディコイル13は、空間的に一様な強度分布の送信RFパルス(RFS)を含む。送信コイル及び受信コイルの代わりとして、同じコイル又はアンテナが通常使用される。更に、送信及び受信コイルは通常、コイルとして形作られるが、送信及び受信コイルがRF電磁信号に対する送信及び受信アンテナとして機能するような他のジオメトリもまた実現可能である。送信及び受信コイル13は、電子的送信及び受信回路15に接続される。
【0022】
代替案として、分離した受信及び/又は送信コイル16を使用することも可能である点に留意されたい。例えば、受信及び/又は送信コイルとして表面コイル16が使用されることができる。斯かる表面コイルは、比較的小さなボリュームにおいて高い感度を持つ。例えば表面コイルといった受信コイルが、復調器24に接続され、受信された磁気共鳴信号(MS)が、復調器24を用いて復調される。復調された磁気共鳴信号(DMS)は、再構成ユニットに適用される。受信コイルは、プレアンプ23に接続される。プレアンプ23は、受信コイル16により受信されるRF共鳴信号(MS)を増幅し、増幅された共鳴信号は、復調器24に適用される。復調器24は、増幅されたRF共鳴信号を復調する。復調された共鳴信号は、画像化される対象物の部分における局所スピン密度に関する実際の情報を含む。更に、送信及び受信回路15が変調器22に接続される。変調器22並びに送信及び受信回路15は、RF励起及び再フォーカスパルスを送信するため送信回路13を起動する。特に、表面受信コイル16は、無線リンクを介して送信及び受信回路に結合される。表面コイル16により受信される磁気共鳴信号データが、送信及び受信回路15に送信され、(例えば表面コイルをチューン及びデチューンするための)制御信号が無線リンクを介して表面コイルに送信される。
【0023】
再構成ユニットは、復調された磁気共鳴信号(DMS)から1つ又は複数の画像信号を得る。この画像信号は、検査される対象物の画像化される部分の画像情報を表す。再構成ユニット25は実際は、復調された磁気共鳴信号から画像化される対象物の一部の画像情報を表す画像信号を得るようプログラムされるデジタル画像処理ユニット25として好ましくは構築される。信号は、再構成モニタ26の出力側にあり、その結果、モニタは磁気共鳴画像を表示することができる。また、更なる処理を待つ間、再構成ユニット25からの信号をバッファユニット27に格納することも可能である。
【0024】
本発明による磁気共鳴イメージングシステムは、例えば、(マイクロ)プロセッサを含むコンピュータの形式で制御ユニット20も具備する。制御ユニット20は、RF励起の実行及び時間的傾斜磁場の適用を制御する。このため、例えば、制御ユニット20及び再構成ユニット25に本発明によるコンピュータプログラムがロードされる。
【0025】
本発明によれば、磁気共鳴検査システムが、撮像野17を通る二重矢印により示される方向に沿って対象物担体14を駆動するモータドライブ31を具備する。モータドライブは、プロセッサ20に含まれる速度制御システム32により制御される。速度制御システムは、適切な速度で対象物担体を駆動するようモータドライブ31を調整する。更に検査環境を監視する監視システムが与えられる。例えば、監視システムは、検査される患者の胸の周りに縛られた呼吸ベルトからその患者の呼吸運動を検出することができる。また、一般に、取得された磁気共鳴信号又は再構成された画像情報に基づき、例えばナビゲータ技術に基づき、運動が検出されることができる。他の実現においては、ナビゲータ技術又はタグ付け(tagging)に基づき、又はECGを用いて、心臓運動が得られることができる。テーブル位置センサ34が、対象物担体14の実際の位置を評価するために与えられる。実際のテーブル位置は、撮像野における生体構造の部分に基づき、モータドライブ31が対象物担体を駆動する速度をセットするため、速度制御システム32に与えられる。特に、速度制御システム32及び監視システム33は実際には、ソフトウェアで実現される。連続的に移動するテーブルイメージングにおいて、患者テーブルの動きは、例えば参考文献1に記載されるような適切な計算法により補償されることができる。しかしながら、例えば呼吸(生理運動)といった患者の体の動きは、問題をもたらす。なぜなら、これは、結果として劣化した画像を生じさせるからである。(テーブル移動なしの)静的なMRIでは、患者の息止めの間、画像がときどき取得されることができる。しかしこの方法は通常、テーブルが移動する用途には適用されることができない。なぜなら、取得時間が通常、息止めのため余りに長くなるからである。こうして、MR画像データは、患者が呼吸している間取得されなければならない。生体構造の大部分が覆われるMR検査において、例えば、頭からつま先までの癌スクリーニングにおいて、呼吸問題は、総スキャンの特定の部分の間にのみ存在する。即ち、スキャナの有効FOVに腹部及び胸部領域が存在するときにのみ存在する。腹部及び胸部領域以外の身体部分が、スキャナの有効FOV内にある場合、その問題は、存在しないか、時にはあっても無視できるものである。
【0026】
静的MRIから、生理運動の効果の削減方法が既に知られている。例えば、モーションセンサ及びMRシーケンスのゲーティングに基づかれる方法である。この方法を用いれば、モーションセンサの出力信号が所定の受容ウィンドウ内にあるときだけデータが受け入れられる。斯かる技術が、連続的に移動するテーブルイメージングでも適用されることになるとき、必要なデータ取得の部分にのみゲーティングを限定することが重要である。そうしないと、総スキャン時間が不必要に長くされることになる。更に、ゲーティングを用いることでk空間をスキャンする時間が増加されるので、単一MRスキャンの間、2つ又は複数の異なったテーブル速度を可能し、それに従ってデータ取得処理を調整することが重要である。
【0027】
こうして、本発明の目的は、拡張された生体構造の連続的に移動するテーブルイメージング、可変テーブル速度を用いて患者の生理運動を補償すること、及び好ましくはスキャンの一部のみの間の信号ゲーティングを可能にすることである。
【0028】
本発明の方法の概要は、概略的な図1を参照して与えられる。それは、基本的な方法のみを説明する。ここでは、スキャンはゲーティング無しに開始及び終了し、ゲーティングは、1つの時間インターバルに限定されると仮定される。テーブル速度(図1a)は、時間t1までは、ν1 = 定数であるが、インターバルΔt1の間、値ν2まで減少し、インターバルΔt2の間に再度値ν1まで上昇する。加速又は減速に必要な時間は、テーブルモータの能力から容易に計算される。患者の生理運動が撮像野(FOV)の内側では起こらない時間の間は高い速度ν1が選択される。例えば、頭又は低四肢領域がFOVにある場合である。しかしながら、患者の生理運動が、FOV内で明らかとなるとき、例えば、腹部領域がFOVにあるとき、低い速度ν2が選択される。
【0029】
図1bは、患者の生理運動がデータ取得(感知時間インターバル)を乱す場合があるような時間の間、斯かる運動を監視するセンサの出力信号を図示する。速度の減速は、感知時間インターバルの開始(時間t1)に一致する。加速は、感知時間インターバルの終了(時間t2)付近で開始する。生理運動は、例えば呼吸ベルト、又はMRシーケンスにインターリーブされるナビゲータパルスといった1つ又は複数のセンサにより検出される。モーションセンサは、図1に示される広い範囲にわたりアクティブとすることができる。しかしながら、その出力は、FOV内で生理運動が生じるときのみデータ取得処理に影響を与える。
【0030】
図1cは、データ取得処理の過程を示す。テーブルが速度ν1で動く限り、データが連続的に取得される。なぜなら、この区間では生理運動は関連しないからである。速度ν2である間、データは、生理運動の振幅が所定の受容ウィンドウに含まれるときにのみ取得される。それ以外では、何らデータは取得されない。データ取得は、図1cに示されるように加速又は減速の期間の間、中断されることができるか、又はこうしたインターバルの間も継続することができる。速度が再度ν1に等しくなった後、通常の連続データ取得が再開される。
【0031】
図1において、簡単化のため速度ν2は一定であると仮定される。しかしながら、これは、必要な条件ではない。必要な条件は、基本的なアイデアの以下の2つの実施形態から明らかとなるであろう。実施形態1では、一定の速度ν2が仮定され、一方、実施形態2では、速度ν2が変化することができる。
【0032】
実施形態1
運動方向に沿って長さLのボリュームのスラブがRFパルスにより励起されるMRシーケンスが使用される。そのRF励起は、FOVにおいてスラブが開始位置から終了位置まで患者テーブルの動きと同期的に動かされるよう変化される。スラブが開始位置から終了位置まで動く間、k空間が一度スキャンされる。k空間の斯かる各スキャンの後、長さLの生体構造領域が既知の方法で再構成されることができる。その後、生体構造の所望の長さがスキャンされるまで、このサイクルが複数回繰り返される。MRシーケンスを用いてのスラブ運動のタイミングは、画像品質に重要であり、以下図2を参照して説明されることになる。
【0033】
シーケンスの開始から時間t1までは、連続的に移動するテーブルイメージングにおける一般的な手法としてデータ取得が進行する。即ち、k空間の複数回のスキャンが、一定の速度ν1で連続して実行される。最高速のデータ取得(平均化なし)が、
τ1 x ν1 = L (1)
と仮定されるよう、シーケンスパラメタが選択される。ここで、τ1は、正確に一度スキャンするための時間を表す。時間t1で、生理運動が重要になってくる。テーブル速度は、何らデータは取得されないまま、時間Δt1の間値ν2まで減らされる。その後、k空間の1つ又は複数のスキャン n = 1...Nが速度ν2で行われ、それぞれ時間t2を必要とする。時間t2-Δt2において、テーブル速度は再度ν1まで増加され、時間t1より前と同じようにスキャンが進行する。個別のスキャンn = 1...N-1の間の時間インターバルΔtwの間、何らデータ取得は行われない。こうしたインターバルは、MRシーケンスと患者テーブルの動きとの間の適合条件を保証するために役立つ。k空間データの割合f(ゲーティング効率)だけが、受容ウィンドウ(図1参照)により与えられるものとしてτ2の間受け入れられると仮定する。すると、
τ2 = τ1/f (2)
が成立する。速度ν2及び時間インターバルΔt1、Δt2、及びΔtwは、未知であり、シーケンスの適切な制御のために決定されなければならない。
【0034】
ν1からν2までの減速の間、テーブルは距離Δzを移動する。次のk空間のスキャンの間(持続時間τ2)、テーブルは、距離ν2 x τ2を移動する。シームレスな画像が取得されることを確実にするために、遷移時間を含むテーブル変位は、Lに等しいべきであり、即ち、以下の等式
Δz +ν2 x τ2 = L (3)
が満たされることになる。テーブルが減速されることになる長さΔzは、テーブルモータデータから計算されることができる。例えば、一定の減速

を仮定すると、

となり、更に式(4)から

となるので、結果、

となる。この式と式(2)とを式(3)で用いると、

が得られる。この式を解くと、速度ν2は、

として得られる。ここで、

である。
【0035】
速度ν2が式(9,10,11)を用いて計算された後、減速時間Δτ1が式(6)から得られる。その終わりには速度ν1に再度到達する加速時間Δτ2は、所望する場合異なるモータ加速を用いて式(6)と同じように計算されることができるか、Δτ1と同じにセットされるかことができるかのいずれかである。k空間スキャンn = 1...N-1の間の待ち時間(図2参照)は、待ち時間を含むk空間の各完全スキャンの後、スラブが距離L分移動したはずであるという条件から計算されることができる。即ち、
ν2 x (τ2 + Δτw) = L (12)
と表され、これから、
Δτw = L/ν2 - τ2 (13)
が得られる。上記式において、n > 2と仮定されている点に留意されたい。n = 1に対しては明らかな修正が得られる。時間インターバルΔt1、Δt2及びΔtwは通常、τ1及びτ2に比べて非常に小さい。
【0036】
上記式(2)に表される仮定は、ゲーティング効率fが既知であるという点である。実際には、ゲーティング効率は、例えば患者の呼吸リズムを含む複数の要素に依存する。
こうして、その値が適切に推定されないことも起こりうる。fに関して仮定された値が、あまりに小さい場合、k空間はτ2より短い時間期間で覆われる。すると、残りの時間が、例えば、追加のk空間データを取得するため、又は共鳴周波数といった他のデータを測定及び更新するため、又は定常状態を維持するためのダミーサイクルを単に適用するために使用されることができる。fに関して仮定された値があまりに高い場合、いくつかのk空間データがインターバルτ2の間に失われる。この場合、欠損データは、取得されたデータに基づく内挿又は外挿により計算されることができる。この状態を回避するために、ゲーティング情報を無視して、すべてのk空間データを最初のラン(run)で取得することができる。しかし、受容不可能なデータの再取得を後で実行するため無視されたゲーティングの決定は記録される(bookkeeping)。こうして、いずれの場合でも、たとえコラプトした場合であっても、再構成のためのデータが利用可能であり、外挿は必要ではない。再取得処理の間、画像品質を改善するため例えばk空間依存ゲーティングを実行するため、動き適合ゲーティング(参考文献7)が適用されることができる。
【0037】
一般に、主にこれまで使用されてきた簡単な受容/拒絶ゲーティング手順が、連続的に移動するテーブルイメージングと組み合わせて、より進化したゲーティング概念により置き換えられることができる。
【0038】
実施形態2
その主な特徴は、感知時間インターバルの間患者テーブルの動きが、データ取得の進行により直接制御される点にある。開始点は、取得されるk空間の各ラインに関して、患者テーブルが距離

を動かなければならないという必要条件である。ここでPは、k空間におけるラインの総数を示す。これは、患者テーブルがk空間の各完全被覆のため距離Lを移動し、シームレスな画像が取得されることを確実にする。テーブルがぎくしゃくした(jerky)移動することを避けるため、患者テーブルの動きは、その必要な位置に対して遅延されることができる。その方法は、図3を参照してより詳細に説明されることになる。
【0039】
k空間のラインは、患者モーションセンサ及びゲーティングウィンドウの調整により決定されるものとして取得される。通常、k空間のラインは、複数のラインのブロックで取得されるが、これは必要な条件ではない。各取得されたk空間のラインに対して、テーブル位置の要求値は、式(14)に基づきΔL分増加される。テーブル位置センサは、患者テーブルの実際の位置を測定する。これは、要求値と異なっていてよい。テーブル位置の要求値及び実際の値は、モータ制御ユニットに送られ、それは、要求パスの最も近くに沿う滑らかな経路を計算し、それに従ってモータを駆動する。k空間の各取得されるラインに対する実際のテーブル位置も、テーブル位置センサから再構成ユニットに送信され、その結果、k空間の各ラインは、検査される生体構造の正確な位置に関連付けられることができる。
【0040】
滑らかなテーブル移動の例が図4に示される。テーブル位置z1で始まり、k空間のm本のラインのブロックが時間インターバルt1からt3の時間で取得されることがここでは仮定される。時間t3では、z1に対する要求テーブル位置が、k空間のm本のラインに対して式(14)により、

と与えられる。テーブルがt1とt3との間で速度

で動くことができる場合、要求位置は任意の時間で満足されることになる。しかし、これは、無限の加速を必要とすることになる。従って、加速及び減速インターバルが組み込まれ、滑らかなテーブル移動は、モータの制御により
ν = a x t t1からt2まで
ν = ν0 t2からt3まで (17)
ν = ν0 - a x (t - t3) t3からt4まで
として得られる。ここで、aは例えば一定の加速度である。実際のテーブル位置は、k空間のm本のラインの取得の終わりでのみ要求テーブル位置に一致する。にも関わらず、正確な再構成が保証される。なぜなら、実際のテーブル位置が測定され、その情報が再構成アルゴリズムにより使用されるからである。テーブル移動の平均速度に基づき、要求及び実際のテーブル位置の間の差は、非常に小さくすることができる。この場合、テーブル位置センサは必ずしも必要ではない。
【0041】
上記各実施形態は、考慮されるMRシーケンスの特定の必要条件を満足するよう変形されることができる。特に、実施形態1において、異なる速度を持つ複数のセクションが使用されることができる。また、加速及び減速時間は均等でなくてもよい。更に、上記式は、重要な(critical)時間インターバルが常に繰り返し時間(repetition time)の倍数であるよう修正されることができる。
【0042】
患者モーションセンサの1つの可能な実現は、局所ナビゲータビームを用いて、この局所励起による位相エンコードされていない磁気共鳴信号を受信することである。ここで、例えば横隔膜領域からの信号が、反復的に検出され、基準信号と比較される。しかしながら、この方法は、適切な修正が適用されない場合、移動テーブルイメージングに失敗するであろう。この目的のための1つの可能な修正は、スラブ追跡法と同じく、ナビゲータビームの位置をテーブルの位置と同期させることである。即ち、ナビゲータビームの位置が、テーブルの移動方向に先行し、その結果、ある時間期間で生体構造に固定され、その後、開始位置にリセットされることになる。また撮像野を通る患者の変位方向に沿って延在するナビゲータが利用されることもできる。変位方向に沿って延在する斯かるナビゲータは、検査領域に対して静止していることができる。このナビゲータは、検査の間における患者のいわゆる「リラックス」を説明するのに有益である。
【0043】
上記方法は、デカルトタイプのスキャンを特に参照して説明されてきた。しかしながら、これは、必要な条件ではない。明らかな修正により、その方法は、放射及び螺旋スキャンスキームにも適用されることができる。
【0044】
参考文献
[l] D. G. Kruger and S. J. Riederer, Method for acquiring MRI data from a large field of view using continuous table motion, US2002/010173715A1, Nov. 2 1, 2002.
[2] J. V. Hajnal, Magnetic resonance imaging apparatus, EP1024371A2, 1999.
[3] J. H. Brittain, Moving table MRI with frequency encoding in the z-direction, US2002/0140423Al, Oct. 3,2002.
[4] C. A. Mistretta, Magnetic resonance angiography using floating table projection imaging, US6,671,536B2, Dec. 30,2003.
[5] D. G. Kruger, et al, A dual-velocity acquisition method for continuously-moving-table contrast-enhanced MRA, Proc ISMRM 2004, Tokyo, p. 233.
[6] J. Ma, Whole body MRI at 3 Tesla using a moving tabletop and a fast spin-echo Dixon technique, Proc ISMRM 2005, Miami, p. 1965.
[7] R. Sinkus, P. Bornert P. Motion pattern adapted real-time respiratory gating. Magn Reson Med. 1999;41: 148-55.
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】概略的な図として本発明の方法の概要を示す図である。
【図2】画像品質にとって重要なMRシーケンスを伴うスラブ運動のタイミングを示す図である。
【図3】本発明の実現を示す図である。
【図4】滑らかなテーブル移動に対する例を示す図である。
【図5】本発明が使用される磁気共鳴イメージングシステムを図式的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像野を持つ磁気共鳴励起システムであって、
検査される対象物を前記撮像野に対して動かす対象物担体と、
検査環境を監視する監視システムであって、前記検査環境の下、前記撮像野内の対象物から磁気共鳴信号が取得される、監視システムと、
前記撮像野に対する前記対象物の動きの速度を制御し、前記監視される検査環境に基づき前記速度を制御する速度制御システムとを有する、磁気共鳴励起システム。
【請求項2】
前記監視システムが、
前記監視される検査環境に基づき取得される磁気共鳴信号の受容又は拒絶を決定し、
前記速度制御システムに受容効率性を提供するよう構成され、
前記対象物の動きの速度の調整に関して前記受容効率性を考慮するよう前記速度制御システムが構成される、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項3】
励起領域が前記対象物の動きと同期して前記撮像野に対して動かされる態様で、前記励起領域におけるRF励起を実行するよう構成されるRF励起システムを有する、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項4】
前記速度制御システムが、前記励起領域の大きさと、前記対象物の励起領域が再構成されることができる磁気共鳴信号を取得するためk空間をスキャンするのに必要な信号取得時間とに基づき、前記対象物の動きの速度を調整するよう構成される、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項5】
前記速度制御システムが、前記対象物の動きの速度の調整のため、前記対象物の動きを変化させることに関する有限加速を考慮するよう構成される、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項6】
前記検査環境が、前記対象物の少なくとも一部における動きの程度を含む、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項7】
前記速度制御システムが、高い速度で動く対象物を低い程度の動きでドライブし、低い速度で動く対象物を高い程度の動きでドライブするよう構成される、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項8】
前記監視システムが、前記検査される対象物における動きを監視するため1つ又は複数のナビゲータを適用するよう構成され、前記ナビゲータ励起の位置は、前記対象物に対して維持される、請求項1に記載の磁気共鳴励起システム。
【請求項9】
撮像野を含む磁気共鳴励起方法において、
検査される対象物を前記撮像野に対して変位させるステップと、
検査環境を監視するステップであって、前記検査環境の下、前記撮像野内の対象物から磁気共鳴信号が取得される、ステップと、
前記撮像野に対する前記対象物の動きの速度を制御し、前記監視される検査環境に基づき前記速度を制御するステップとを有する、方法。
【請求項10】
磁気共鳴励起システムの撮像野に対して、検査される対象物を変位させるステップと、
検査環境を監視するステップであって、前記検査環境の下、前記撮像野内の対象物から磁気共鳴信号が取得される、ステップと、
前記撮像野に対する前記対象物の動きの速度を制御し、前記監視される検査環境に基づき前記速度を制御するステップとを実行させる命令を有する、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−533128(P2009−533128A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504878(P2009−504878)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051227
【国際公開番号】WO2007/119192
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】