説明

動作補償されたフレームレートアップコンバージョンのための方法および装置

【課題】現在のビデオフレーム、少なくとも1つの前のビデオフレーム、および送信された1セットの動作ベクトルを用いたビデオフレーム補間のための方法及び装置を提供する。
【解決手段】第1のセットの動作ベクトルは、送信された1セットの動作ベクトルの関数として生成される。複数個のオーバーラップしないブロックを持つ中間のビデオフレームが識別される。オーバーラップしないブロックはそれぞれ、第1のセットの動作ベクトルから選択された少なくとも1つの動作ベクトルが割り当てられ、割り当てられた1セットの動作ベクトルが生成される。その後、第2のセットの動作ベクトルが、割り当てられた1セットの動作ベクトルの関数として作成される。ビデオフレームが、第2のセットの動作ベクトルを使用して生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、一般に、ビデオ圧縮に関し、特に、ブロックベースの低ビットレートビデオのためのフレームレートアップコンバージョン用の方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低ビットレートビデオ圧縮は、制限された帯域幅リソース、および利用可能帯域幅の変動により、例えば無線ビデオストリーミングおよびビデオ電話通信のような多くのマルチメディアアプリケーションにおいて非常に重要である。低ビットレートにおける帯域幅適応ビデオ符号化は、一時的な分解能を低減することにより達成される。言い換えれば、30フレーム/秒(fps)のビットストリームを圧縮して送信する代わりに、この一時的な分解能は、半分の15fpsにされ、送信ビットレートが低減される。しかしながら、一時的に分解能を低減した結果、復号されたビデオの視覚品質を著しく低下させるモーションジャーキー(jerkiness)のような一時的な領域副作用(artifact)が生じる。
【0003】
受信機側で十分なフレームレートを表示するために、スキップされたフレームを再生成し、一時的な副作用を低減するフレームレートアップコンバージョン(FRUC)と呼ばれる復元メカニズムが必要とされる。
【0004】
多くのFRUCアルゴリズムが提案されている。それは2つのカテゴリーに分類することができる。第1のカテゴリーは、対象の動作を考慮せずに、受信されたビデオフレームのコンビネーションを使用することにより、失われたフレームを補間する。フレーム反復およびフレーム平均化方法が、この部類に入る。これら方法の欠点は、動きがある場合における動作対象のぼけ、「ゴースト」イメージ、及びモーションジャーキーの発生を含む。第1のカテゴリーと比較して、第2のカテゴリーはより高度であり、送信された動作情報を利用する。これは、動作補償(フレーム)補間(MCI:motion compensated interpolation)と呼ばれている。
【0005】
従来技術の図1に例示されるように、MCIでは、失われたフレーム108が、再構築された現在のフレーム102、格納されている前のフレーム104、および送信された1セットの動作ベクトル106に基づいて補間される。再構築された現在のフレーム102は、格納されている前のフレーム104における対応するブロックを示し、送信された1セットの動作ベクトル106に関連付けられているオーバーラップしない1セットのブロック150,152,154,156からなる。補間されるフレーム108は、現在のフレームと、前のフレームとの対応するピクセルの線形結合か、例えばメジアン演算のような非線形演算かのいずれかで構築される。
【0006】
ブロックベースのMCIは、補間されるフレーム内に、オーバーラップした(複数の動作軌道が通過する)領域と、ホール(動作軌道が通過しない)領域とをもたらす。図3に示すように、補間されるフレーム302は、オーバーラップ領域306とホール領域304とを含んでいる。これら2つのタイプの望まれない領域が生成される主な理由は次の通りである。
【0007】
1.動作対象が、厳密な並進運動モデルの下にない。
【0008】
2.MCIで使用され、送信される動作ベクトルは、エンコーダ側で利用されるブロックベースの高速動作探索アルゴリズムによって、真の動作軌道を示さないかもしれない。
【0009】
3.現在のフレーム及び前のフレームにおけるカバーされた背景及びカバーされていない背景。
【0010】
オーバーラップ領域及びホール領域の補間は、従来のブロックベースの動作補償アプローチにおける主な技術的チャレンジである。これらオーバーラップ領域及びホール領域を埋めるために、中間ぼかし(Median blurring)及び空間補間技術が提案された。しかしながら、これらの方法の欠点は、ぼかし及びブロッキングによる副作用の発生に加え、補間演算の複雑さが増加することである。
【発明の概要】
【0011】
本特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、ここに参照によって明確に組み込まれている2004年5月4日に出願され、"METHOD AND APPARATUS FOR MOTION COMPENSATED FRAME RATE UP CONVERSION FOR BLOCK-BASED LOW BIT-RATE VIDEO APPLICATION"と題された仮出願番号60/568,328、及び2005年3月22日に出願され、"METHOD AND APPARATUS FOR MOTION COMPENSATED FRAME RATE UP CONVERSION FOR BLOCK-BASED LOW BIT-RATE VIDEO"と題された仮出願番号60/664,679の優先権を主張する。
【0012】
本実施例は、現在のビデオフレーム、少なくとも1つの前のビデオフレーム、および送信された1セットの動作ベクトルを使用して、補間されるビデオフレームを生成する方法及び装置を提供する。
【0013】
1つの実施例では、この方法は、送信された1セットの動作ベクトルを平滑化することと、補間されるビデオフレーム内においてオーバーラップしないブロックのそれぞれの中心点について動作ベクトルを決めることと、現在のビデオフレームおよび前のビデオフレーム内における各ブロックについて中心点を決めることと、出力される1セットの動作ベクトルを生成することと、出力される1セットの動作ベクトルを平滑化することと、出力される1セットの動作ベクトルを用いて、補間されるビデオフレームを生成することとの各ステップを含む。
【0014】
別の実施例では、本装置は、プロセッサによって実行されると、このプロセッサに対して、補間されるビデオフレームを生成する方法を実行させる命令を格納しているコンピュータ読取可能媒体を含んでいる。この方法は、送信された1セットの動作ベクトルを平滑化することと、補間されるビデオフレーム内におけるオーバーラップしないブロックのそれぞれの中心点について動作ベクトルを決めることと、現在のビデオフレームおよび前のビデオフレーム内におけるブロックのそれぞれについて中心点を決めることと、出力される1セットの動作ベクトルを生成することと、出力される1セットの動作ベクトルを平滑化することと、出力される1セットの動作ベクトルを用いて、補間されるビデオフレームを生成することとの各ステップを含む。
【0015】
また別の実施例では、本装置は、複数のビデオフレームを含む到来ビットストリームを受信するビデオフレームプロセッサを含んでいる。このビデオフレームプロセッサは、少なくとも1つの前のフレームと、現在のフレームとを格納するフレームバッファと、前のフレームに関連付けられている少なくとも1セットの動作ベクトルと、現在のフレームのために送信された複数の動作ベクトルとを格納する動作ベクトルバッファと、動作ベクトルバッファおよびフレームバッファに結合され、送信された複数の動作ベクトルを受信し、出力される第1の複数の動作ベクトルを生成する第1の動作ベクトルプロセッサと、第1の動作ベクトルプロセッサに結合された動作予測モジュールと、モード決定モジュールと、フレームレートアップコンバータとを含んでいる。
【0016】
その他の目的、特徴、および長所は、以下に示す詳細記述から、当該技術分野における熟練者に明らかになるであろう。しかしながら、この詳細記述及び具体例は、典型的な実施例を示す一方、例示のためであって、限定のためではないことが理解されるべきである。以下に示す記載の範囲内の多くの変更および変形が、本発明の精神から逸脱することなくなされ、本記載は、そのような全ての変形を含むと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、動作補償フレーム補間処理を利用する補間フレームの構築を示す図である。
【図2】図2は、ビデオフレーム内のピクセルに割り当てられた様々なクラスを示す図である。
【図3】図3は、補間されるフレームにおけるオーバーラップ領域およびホール領域を示す図である。
【図4】図4は、FRUCシステムのブロック図である。
【図5】図5は、FRUCシステムにおける動作ベクトルプロセッサのブロック図である。
【図6】図6は、図4のFRUCシステムによって実行されるシード(seeded)双方向動作探索を示す図である。
【図7】図7は、FRUCシステムの動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、添付図面の参照により、より容易に理解されうる。
【0019】
同一符番は、幾つかの図面にわたって同一の部分を示している。
【0020】
本発明の実施例は、復号器に動作予測を用いることにより、補間されるフレーム内に、オーバーラップ領域及びホール領域が生成されることを回避する方法を提供する。1つの実施例では、補間されるフレームを、オーバーラップしないブロックへ分割し、オーバーラップしないブロックのそれぞれに、動作ベクトルのペアを割り当てることによって、補間されるフレームにおける望まれないオーバーラップ領域及びホール領域の存在が縮小されうる。これらの動作ベクトルは、復号器内の動作予測モジュールを用いることにより予測される。
【0021】
既に述べたように、動作補償フレーム補間アルゴリズムの性能は、エンコーダから送信される動作ベクトルの精度に大いに依存する。送信された動作ベクトルは、次の理由により、関連する動作対象の真の動作軌道を示さないかもしれない。
【0022】
1.ブロックベースの動作予測アルゴリズムの全てにおいて、並進のみの厳密形状動作モデルを使用すると仮定することは、自然に動いている物体を表すのに十分ではない。
【0023】
2.動作予測は、計算上非常に労力のかかる処理である。ほとんどのビデオエンコーダは、結果として得られる動作ベクトルの精度を犠牲にして、動作予測速度を改善するために、高速動作予測アルゴリズムを使用している。
【0024】
3.現在のフレーム又は前のフレームに、カバーされた領域又はカバーされない領域が存在する場合、動作予測は、信頼性の低いベクトル(すなわち、ブロックの動作を正確に記述しない動作ベクトル)が得られる結果となる。
【0025】
4.多くの動作予測技術は、歪み尺度として、絶対差の合計値(SAD:sum of absolute differences values)/二乗差の合計値(SSD:sum of squared differences values)を用いるピクセルマッチング処理を実行する。しかしながら、SAD/SSDは統計的指標であり、人間の視覚感覚において歪みを表わさないかもしれない。従って、そのような動作予測は、真の動作方向を表わさないかもしれない。
【0026】
5.多くの動作予測アルゴリズムは、レート最小化の観点から最適化されており、視覚品質の観点から最適化されていない。
【0027】
補間されるフレームにおける誤差は、動作ベクトル誤差分散に直接関連するので、ブロックベースのMCIは、圧縮後の動作ベクトルの不確定さの問題の解決を試みる。動作ベクトル平滑化技術の適用によって、アウトライアー(outlier)な動作ベクトルによって引き起こされる、補間されるフレーム内のブロッキング副作用は減るであろう。1つの実施例では、ここに記述されたシステムは更に、ピクセルレベルの代わりに、動作ベクトルレベル上でメジアン演算を実行することにより、ぼかしを低減する。
【0028】
図4は、到来するビットストリーム402を受信し、バイナリ復号器406を使用して(1)格納されている動作ベクトルバッファ416内に配置された1セットの動作ベクトル408と、(2)残り(residue)とを得るFRUCシステム400のブロック図である。残り410は、逆量子化/逆変換モジュール412によって演算される。その結果は、格納されている前のフレームバッファ418に格納されている前のフレームと結合され、現在のフレームが生成される。この現在のフレームは、現在のフレームバッファ420内に格納される。格納されている動作ベクトルバッファ416、格納されているフレームバッファ418、および現在のフレームバッファ420を含む、FRUCアーキテクチャ400のサブ部分450は、1つの実施例の実現に関連する具体的な機能モジュールを含んでいる。具体的には、サブ部分450は、動作ベクトルプロセッサ422、シード双方向動作予測モジュール424、第2の動作ベクトルプロセッサ426、モード決定モジュール428、フレームレートアップコンバータ(FRUC)モジュール430、および後処理ユニット432を含んでいる。サブ部分450のモジュールの動作を、図5〜図7の記載を参照して以下に述べる。
【0029】
図7は、1つの実施例に従ったFRUCアーキテクチャ400の動作のフロー図である。ステップ702で始まり、動作ベクトルプロセッサ422が、格納されている動作ベクトルバッファ416に格納されている現在のフレーム及び前のフレームから送信される動作ベクトルの動作ベクトル平滑化処理を行なう。動作ベクトルプロセッサ422が詳述された図5に示すように、動作ベクトルプロセッサ422は、入力として、格納されている動作ベクトルバッファ416から、動作ベクトルを受け取る。1つの実施例では、この入力される動作ベクトルは、復号された現在のフレームの動作ベクトルである。別の実施例では、この入力される動作ベクトルは、現在のフレーム、および復号された前の任意のフレームの両方からの動作ベクトルを含んでいる。これは、動作予測に対してより現実的でより柔軟なモデルを提供する。この平滑化処理は、後で詳しく説明するように、送信された1セットの動作ベクトルにおけるアウトライアーな動作ベクトルを規格化することを含んでいる。1つの実施例では、後で詳しく説明するように、第1のセットの動作ベクトルが、送信された1セットの動作ベクトルの関数に基づいて生成される、ここでは、送信された1セットの動作ベクトルがまず2つの部分へ分割される。そして、この動作ベクトルの第1の部分は、例えばメジアン演算に基づいて、動作ベクトルの第2の部分に基づいて修正される。
【0030】
現在のフレームと前のフレームとの動作ベクトルの大きさの差が比較され、動作加速度が導出されるので、現在のフレームの動作ベクトルと、前のフレームの動作ベクトルとを組み合わせることによって、不変の動作モデルを、動作加速度を含むように拡張することができる。より柔軟な動作モデルは、補間されるフレームについてより正確な動作軌道を与える。前のフレームの動作ベクトルが逆にされた場合(外挿された動作ベクトルとも称される)、この逆にされた動作ベクトルは、前のフレームから現在のフレームを指し、逆方向の動作ベクトルとして使用されうる。1つの実施例では、この動作が一定の場合、逆方向の動作ベクトル、および正方向の動作ベクトル(現在のフレームの動作ベクトル)は、互いに一列に並び、反対方向を指している。正方向の動作ベクトルと逆方向の動作ベクトルとが一列に並ばない場合、この相違は、動作加速度によって引き起こされると仮定されよう。動作ベクトル平滑化処理が完了した後、処理はステップ704に続く。
【0031】
動作ベクトルプロセッサ422は、動作ベクトルスケーリングモジュール502を含む。動作ベクトルスケーリングモジュール502は、現在のフレームと前のフレームとの間として補間されるフレームの距離に基づいて、入力された動作ベクトルのスケーリングを実行し、計算された動作加速度を考慮する。さらに、動作ベクトルプロセッサ422は、可変ブロックサイズ動作ベクトルをサポートするビデオコーデックのためにマージ関数を提供する。そのような1つの規格は、16×16,16×8,8×16,8×8,8×4,4×8,および4×4シェープの動作ベクトルをサポートする国際電気通信連合、電気通信標準化部門(ITU−T:International Telecommunications Union, Telecommunications Standardization Sector)によって発行されているH.264規格である。このマージ関数は、幾つかの小さなブロックサイズの動作ベクトルを、より大きなブロックサイズの動作ベクトルへマージする。このマージ関数によって得られる好適なサイズのシェープは、コンテンツに依存するが、1つの実施例では、このマージ関数に、8×8のブロックサイズが使用される。1つの実施例では、マージ関数は、平均関数として実施される。線形動作(等速)モデルの場合、スケールされた動作ベクトルの大きさは、現在のフレームに対する補間されるフレームと、前のフレームに対する現在のフレームとの間の距離比に関して、現在の動作ベクトルの大きさに比例している。一方、その方向は、現在のフレームの動作ベクトルの方向と同じである。非線形動作(動作加速度)モデルの場合、スケールされた動作ベクトルの大きさ及び方向は、現在のフレームと前のフレームとの間の補間されるフレームの距離と、計算された動作加速度との両方に依存する。別の実施例では、マージ関数が、メジアン関数として実施される。また別の実施例では、マージ関数が、重み付けられた合計関数として実施される。また、別の実施例では、異なる関数が組み合わされてマージ関数を実現する。本発明の実施例はまた、エンコーダが、復号器内のFRUCモジュールを支援するために追加情報を送るように構成されたエンコーダ支援FRUC(EA−FRUC)技術に適用可能であることが注目されるべきである。例えば、エンコーダは、FRUC動作に関して「困難」であるマクロブロックのためのFRUC命令、残り係数(coefficient residues)、又は動作ベクトルを送ることができる。
【0032】
動作ベクトルラベリングモジュール504は、動作ベクトルスケーリングモジュール502からのスケールされた入力動作ベクトルを処理して、このスケールされた入力動作ベクトルを分類する。1つの実施例では、この分類は、動作ベクトルプロセッサ422への他の入力から得られたデータである復号されたフレームデータからの補足情報522に基づく。限定される訳ではないが、補足情報522によって提供される分類情報は、ピクセル分類、興味領域、テクスチャ情報の変動、輝度背景値の変動等を含む。動作ベクトル分類に使用されることに加えて、この情報は、適応性のある平滑化アルゴリズムのためのガイダンスを提供しうる。
【0033】
1つの実施例では、動作ベクトルの大きさおよび方向によって、入力動作ベクトルは、特定の動作ベクトルクラスでラベルされる。例えば、動作ベクトルが、予め定められたしきい値に対して小さな動作ベクトルであり、この動作ベクトルが、北を指している場合、この動作ベクトルは、小さな北のクラスとしてラベルされる。1つの実施例では、このクラスは、大、中、小といった大きさに関するのみならず、北、南、西、東(あるいはこれらの組み合わせ)といった方向を含んでいる。他の実施例では、その他の適切なクラスが使用されてもよい。
【0034】
コンテンツ適応動作ベクトル分類モジュール506は、動作ベクトルラベリングモジュール504からのラベル情報と、復号されたデータからのコンテンツ情報とに基づいて、動作ベクトルが、アウトライアーベクトルであるかを判定する。1つの実施例では、現在の動作ベクトルの大きさおよび方向は、現在のベクトルを囲む他の動作ベクトルの大きさおよび方向と比較される。例えば、近隣の動作ベクトルが、大きな動作ベクトル(大きな大きさ)としてラベルされ、北を指している一方、現在の動作ベクトルが、小さな動作ベクトル(小さな大きさ)としてラベルされ、南を指している場合、現在の動作ベクトルは、アウトライアー動作ベクトルとして印付けられる。別の実施例では、現在の動作ベクトルが指しているピクセルのクラスタイプが分析される。図2は、移動オブジェクト(MO)208、カバーされていない背景(UB)204、カバーされた背景(CB)210、静止背景(SB)202、及びMCIのためのエッジ206の各クラスを含む異なるピクセルクラスの例示を与えている。ここで、矢印212のセットは、3つの例示されたフレームF(t−1),F(t),及びF(t+1)におけるピクセルの動作軌道を示す。具体的には、MCIの文脈では、ビデオフレーム内部のピクセルはそれぞれ、上記リストされた5つのクラスのうちの1つに分類することができる。このクラスタイプ情報を使用して、現在の動作ベクトルが、現在のフレームの動作オブジェクトから、前の参照フレーム内の静止背景へと向けられている場合、現在の動作ベクトルは、アウトライアーとして印付けられる。
【0035】
復号されたデータからのコンテンツ情報と、処理された入力動作ベクトルのラベリングとは、コンテンツ適応平滑化フィルタ508内の適応ウィンドウサイズ選択アルゴリズムに必要とされる入力を提供する。前の処理からのアウトライアー動作ベクトルの除去と、ローパスフィルタ全体の動作とは、選択された処理ウィンドウに基づいて行なわれる。1つの実施例では、図5のコンテンツ適応平滑化フィルタ508内で実施される平滑法は、メジアン演算である。他の実施例では、このメジアン演算は、中間(平均)又はガウシアンタイプフィルタに置き換えることができる。更に、他のタイプの規格化/線形/非線形フィルタが使用されてもよい。
【0036】
更に以下に述べられるように、出力される動作ベクトルは、シード双方向動作予測処理における動作ベクトルの中心を予測するために使用される。このステップの重要な点は、補間されるフレームを、オーバーラップしないブロックへ分割することである。既に述べたように、次のステップは、前のフレーム及び現在のフレームにおける対応する中心ピクセルと、それらをつなげており、補間されるフレームの各ブロックの中心点が通る動作軌道とを決定する。補間されるブロックのものと同じサイズのブロックが、前のフレーム及び現在のフレーム内で見い出されるピクセルの中心の周りに構築される。1つの実施例では、この構築されたブロックは、オーバーラップするかもしれない。別の実施例では、この構築されたブロックは、オーバーラップしないかもしれない。更に別の実施例では、この構築されたブロックは、オーバーラップするかもしれないし、オーバーラップしないかもしれない。
【0037】
再び図7に示すように、ステップ704では、補間されるフレームにおけるオーバーラップしないブロックの各々について、シード双方向動作予測モジュール424によって、中心ピクセルの動作ベクトルが決定される。この中心ピクセルの動作ベクトルは、図6のシード動作ベクトル620によって示される。そして、処理は、ステップ706に続く。
【0038】
ステップ706では、双方向動作予測モジュール424が、前のフレーム及び現在のフレームのブロックの中心点を決定する。前のフレーム及び現在のフレームの各ブロックは、補間されるフレームにおけるオーバーラップしないブロックに相当する。補間されるブロックの中心点は、シード動作ベクトル620上にある。
【0039】
ステップ708では、双方向動作探索が行われ、シード動作ベクトル620を中心とする正方向動作ベクトル及び逆方向動作ベクトルが発見される。この探索処理を図6を参照して説明する。図6には、現在のフレーム602、前のフレーム604、および補間されるフレーム608が示されている。1つの実施例では、探索エンジン618,616が、現在のフレーム及び前のフレームそれぞれにおいて、構築された各ブロック614,612の周りに適応して割り当てられる。そして、構築された各ブロックを中心とする現在のフレームおよび前のフレームの間で、双方向動作推定が実行される。現在のフレームから前のフレームまでの結果として得られる動作ベクトルは、正方向動作ベクトルと呼ばれる。この動作ベクトルは、現在のフレーム及び前のフレームからの補間されるフレームの距離と、予測された動作加速度モデルとに基づいてスケールされる。このスケールされ、補間されるブロックに割り当てられた動作ベクトルは、正方向動作ベクトルとしてラベルされる。同様に、逆方向動作ベクトルも、前のフレームから現在のフレームへ示される補間されるブロックに割り当てられる。図6に示すように、正方向動作ベクトルは、正方向動作ベクトル622によって示され、逆方向動作ベクトルは、逆方向動作ベクトル624として示される。したがって、正方向動作ベクトル622は、ある歪み指標を最小化することに関連して、探索領域616内にブロック614を対応させることによって得られる。1つの実施例では、最小化される歪み指標は、絶対値の合計(SAD:sum of absolute value)かもしれない。別の実施例では、最小化される歪み指標は、二乗差の合計値(SSD:sum of squared differences value)である。他の実施例では、統計及び人間の視覚体系(HVS:human visual systems)ベースの指標のようなその他の歪み指標が使用される。同様に、探索領域618内にブロック612をマッチングさせることにより逆方向動作ベクトル624が得られる。1つの実施例では、この動作は、復号器における複雑さを低減し、必要な計算リソースを減らすために、補間されるフレーム中の「ホール」領域に限定されうる。
【0040】
ステップ710では、第2の動作ベクトルプロセッサ426によって、ステップ708から生成され出力された動作ベクトルについて第2の動作ベクトル平滑化処理が行われる。1つの実施例では、2つの個別の動作ベクトルプロセッサが使用される。なぜなら、これらによって実行される入力(動作ベクトル場)及び機能は異なるからである。例えば、第2の動作ベクトルプロセッサ426が、これらの機能を実行しない間、動作ベクトルプロセッサ422は、上述したような動作ベクトルスケーリング及びマージ機能を実行する。1つの実施例では、第2の動作ベクトルプロセッサ426は、入力された全ての動作ベクトルについて3×3メジアンフィルタリングを行なう。ここでは、現在のブロックの近隣にある8つのブロックの動作ベクトルが、メジアン演算によって、現在のブロックの動作ベクトルと結合される。別の実施例では、動作ベクトルプロセッサ422が、動作ベクトルプロセッサ426によって提供される機能を実行することができるので、第2の動作ベクトル処理ステップを提供するために、同じハードウェアが使用されうる。第2の動作ベクトル平滑化処理が行なわれた後、処理はステップ712に続く。
【0041】
動作ベクトル処理の第2段階は、例えば正方向動作ベクトル622及び逆方向動作ベクトル624のように、双方向動作予測モジュール424から得られる補間されるフレームの正方向動作ベクトル及び逆方向動作ベクトルの両方に適用される。平滑化された動作ベクトルは、動作補償補間ステップで使用される。歪み基準に基づいて、以下に示すように、補間されるブロックについてモードを決定することができる。双方向補償のために、適応フィルタを構築することができる。1つの実施例では、最も簡単なフィルタは、両線形フィルタである。他の実施例では、別のフィルタが使用されてもよい。
【0042】
ステップ712では、モード決定モジュール428が、次のステップの特定のブロックのためにどの動作ベクトルが使用されるべきかを決定する。1つの実施例では、正方向動作ベクトルのみが使用される。別の実施例では、逆方向動作ベクトルのみが使用される。また別の実施例では、正方向動作ベクトルと逆方向動作ベクトルとが使用される。一般に、モード決定モジュール428は、以下に示す個々の規則、又はそれらの組み合わせに基づいて、どの動作ベクトルが使用されるのかを決定する。
【0043】
1)各動作ベクトルに関連した歪み指標。例えば、各動作ベクトルがSAD値を持つ動作推定では、前述の歪み指標としてSAD値が使用されうる。この歪み指標を用いて、簡単な比較がなされ、どの動作ベクトルが使用されるのかが決定される。1つの実施例では、最小の歪み指標を持つ動作ベクトルが選択されるであろう。
【0044】
2)コンテンツ分類情報。特に、1つの動作ベクトルの開始点及び終了点が、異なるコンテンツに属する場合には、この動作ベクトルは信頼できず、最終的なFRUC補間処理のために用いられないであろう。
【0045】
3)2つの(正方向及び逆方向)動作ベクトルが一列になること。これら2つの動作ベクトルが一列にならない場合は、両動作ベクトル補間を選択しないが、代わりに、より小さな歪み指標を持つ動作ベクトルを用いる。
【0046】
ステップ714では、動作補償された補間(フレームレートアップコンバージョン)が、フレームレートアップコンバータユニット430によって行なわれる。1つの実施例では、この補間は、現在のフレームと前のフレームとの間に新しいフレームを生成する。別の実施例では、この補間は、N>2ベースの場合、FRUCで行われる。ここで、FRUCユニット430は、コンテキスト/コンテンツ及び/又は一時的冗長性に従い、2より多いフレームの間で補間されるであろう。一般に、例えば、動作フィールドが規則的であり、ほぼ一定の形状を維持するような近隣フレームの間で、一時的冗長性が高い場合、より多くのフレームがスキップされ、補間されるN>2個のフレームが、適切な知覚品質を保つことができる。通常、小さな動作(コンテキスト)、あるいは静止背景が支配的なシーケンス(例えばトークショークリップ)は、N>2 FRUCに対する良好な候補である。N>2 FRUCでは、N値は、エンコーダ側で適応して決定されるコンテンツでありうる。
【0047】
ステップ716では、後処理ユニット432が、ステップ714からの補間されるフレームについて後処理動作を実行し、あらゆるブロッキング副作用を低減する。FRUCアルゴリズムの最終段階は、ブロックベースの動作補償に関連付けられた潜在的なブロッキング副作用を削除するための、補間フレームの後処理である。1つの実施例では、オーバーラップしたブロック動作補償(OBMC:overlapped block motion compensation)が用いられる。別の実施例では、この目的のために、デブロッキングフィルタリングが使用される。補間されるフレームの生成は、このステップで完了する。
【0048】
現在、アプリケーションは、一般に、ある形式又は別の形式のコンテンツの利用可能性、あるいはネットワーク又はオペレータ要求、あるいは複数のビデオ符号化技術(標準ベース及び独自仕様)の共存によって、複数のコーデックに対するサポートを必要とする。特に、ハンドヘルドなビデオ電話通信、ビデオカメラ、およびカムコーダーアプリケーションのような二方式通信及び双方向ビデオ通信の到来は、マルチメディアプロセッサ上へのビデオエンコーダおよびデコーダの両方の実装のニーズを生み出した。
【0049】
ハードウェア技術の進歩により、ビデオ受信デバイスは、計算機能が強化されている。ハイエンドデバイスの中には、デコーダの内部に、動作予測ハードウェアモジュールを持っているものもある。これらの状況の下では、FRUC処理に動作予測を含むことによって、デコーダハードウェアリソースを最適利用し、補間されるフレームの視覚的品質を改良するだろう。
【0050】
様々な実施例で記載したFRUC処理の可能なアプリケーションは以下を含む。
【0051】
1.低ビットレートアプリケーション用の受信機デバイスについて、一時的に分解能を増加させることにより、視覚体験を改良すること。
【0052】
2.同じビデオ符号化規格の異なるレベル、又は異なる規格間のビデオフォーマットトランスコーディング。
【0053】
ここで開示された実施例に関連して記述された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアや、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールや、これらの組み合わせによって直接的に具現化される。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に収納されうる。好適な記憶媒体は、プロセッサがそこから情報を読み取り、またそこに情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。または、記憶媒体はプロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することもできる。あるいはこのプロセッサと記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在しうる。
【0054】
ここで説明した方法は、当該技術分野における通常の熟練者のうちの何れかによって知られた様々な通信ハードウェア、プロセッサ、及びシステム上で実施されうることが注目されるべきである。例えば、ここで説明したように、クライアントが動作するための一般的な要件は、クライアントが、コンテンツを表示するためのディスプレイと、クライアントの動作を制御するためのプロセッサと、クライアントの動作に関連するプログラム及びデータを格納するためのメモリとを持つことである。1つの実施例では、クライアントは携帯電話である。別の実施例では、クライアントは、通信機能を有するハンドヘルドコンピュータである。更に別の実施例では、クライアントは、通信機能を有するパーソナルコンピュータである。更に、ここで説明したような様々な実施例を実現するために、例えばGPS受信機のようなハードウェアが必要に応じてクライアント内に組み込まれうる。ここで開示された実施例に関連して記述された様々の説明的論理回路、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、アプリケーションに固有の集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。
【0055】
プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ以上のマイクロプロセッサ、またはこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0056】
ここで開示された実施例に関連して記述された様々の説明的論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、アプリケーションに固有の集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、 ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、 ディスクリートハードウェア部品、 又は上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを 用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。
【0057】
プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ以上のマイクロプロセッサ、またはこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0058】
ここで説明した実施例は、典型的な実施例である。当該技術分野における熟練者は、ここで開示した発明的概念から逸脱することなく、上述した実施例の、及び上述した実施例から発する多くを活用することができる。これらの実施例への様々な変形例もまた、当該技術分野における熟練者に対しては明らかであって、ここで定義された一般的な原理は、本発明の主旨または範囲を逸脱せずに、例えばインスタントメッセージングサービスや任意の一般的な無線データ通信アプリケーションにおける他の実施例にも適用されうる。このように、本発明の範囲は、ここで示された実施例に制限されるものではなく、ここで記載された原理と新規の特徴に一致した最も広い範囲に相当するものを意図している。用語「典型的」は、ここでは、「例、インスタンス、あるいは実例となる」ことを意味するために限定的に用いられる。ここで「典型的」と記載されたあらゆる実施例は、他の実施例よりも好適であるとか、有利であるとか必ずしも解釈される必要はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在のビデオフレーム、少なくとも1つの前のビデオフレーム、および送信された1セットの動作ベクトルを使用するビデオフレーム補間方法を実施するように構成された少なくとも1つのプロセッサであって、前記方法は、
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、第1のセットの動作ベクトルを生成することと、
複数のオーバーラップしないブロックを持つ中間ビデオフレームを識別することと、
オーバーラップしないブロックにそれぞれ、前記第1のセットの動作ベクトルから選択された少なくとも1つの動作ベクトルを割り当て、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルを生成することと、
第2のセットの動作ベクトルを、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルの関数として生成することと、
前記第2のセットの動作ベクトルを用いてビデオフレームを生成することと
を含む少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項2】
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、前記第1のセットの動作ベクトルを生成することは、
前記送信された1セットの動作ベクトルを、第1の部分の動作ベクトルと、第2の部分の動作ベクトルとに分割することと、
前記第1の部分の動作ベクトルを、前記第2の部分のベクトルの関数として修正することと
を含む請求項1に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項3】
オーバーラップしないブロックにそれぞれ、少なくとも1つの動作ベクトルを割り当てることは、
シード動作ベクトルを決定することと、
前記シード動作ベクトルに基づいて、動作ベクトル探索を実行することと
を含む請求項1に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項4】
前記シード動作ベクトルを決定することは、前記オーバーラップしないブロックの中心を通る動作ベクトルを決めることを含む請求項3に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項5】
前記シード動作ベクトルに基づいて、前記動作ベクトル探索を実行することは、双方向動作ベクトル探索を実行することを含む請求項3に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項6】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、
少なくとも1つの前のビデオフレームにおいて前のビデオフレーム探索ブロックを構築することと、
第1の探索範囲を、前記現在のビデオフレームの一部に割り当てることと、
第1の予め定めた基準に基づいて、前記第1の探索範囲において、前記前のビデオフレーム探索ブロックに対する第1のマッチングブロックの探索を実行することと
を含む請求項5に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項7】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、
前記現在のビデオフレームにおいて現在のビデオフレーム探索ブロックを構築することと、
第2の探索範囲を、前記少なくとも1つの前のビデオフレームの一部に割り当てることと、
第2の予め定めた基準に基づいて、前記第2の探索範囲において、前記現在のビデオフレーム探索ブロックに対する第2のマッチングブロックの探索を実行することと
を含む請求項6に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項8】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、前記第1のマッチングブロックに基づいて第1の動作ベクトルを決定することを含む請求項6に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項9】
前記第1の予め定めた基準は、歪み指標に基づく請求項6に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項10】
前記第1の予め定めた基準は、前記歪み指標を最小化することに基づく請求項9に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項11】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの絶対差の合計に基づく請求項9に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項12】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの二乗差の合計に基づく請求項9に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項13】
前記歪み指標は、人間の視覚体系ベースの指標に基づく請求項9に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項14】
前記歪み指標は、統計に基づく請求項9に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項15】
前記送信された1セットの動作ベクトルは、複数の現在のフレーム動作ベクトルと、複数の前のフレーム動作ベクトルとを含む請求項1に記載の少なくとも1つのプロセッサ。
【請求項16】
現在のビデオフレーム、少なくとも1つの前のビデオフレーム、および送信された1セットの動作ベクトルを使用するビデオフレーム補間方法であって、
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、第1のセットの動作ベクトルを生成することと、
複数のオーバーラップしないブロックを持つ中間ビデオフレームを識別することと、
オーバーラップしないブロックにそれぞれ、前記第1のセットの動作ベクトルから選択された少なくとも1つの動作ベクトルを割り当て、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルを生成することと、
第2のセットの動作ベクトルを、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルの関数として生成することと、
前記第2のセットの動作ベクトルを用いてビデオフレームを生成することと
を含む方法。
【請求項17】
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、前記第1のセットの動作ベクトルを生成することは、
前記送信された1セットの動作ベクトルを、第1の部分の動作ベクトルと、第2の部分の動作ベクトルとに分割することと、
前記第1の部分の動作ベクトルを、前記第2の部分のベクトルの関数として修正することと
を含む請求項16に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項18】
オーバーラップしないブロックのそれぞれに、少なくとも1つの動作ベクトルを割り当てることは、
シード動作ベクトルを決定することと、
前記シード動作ベクトルに基づいて、動作ベクトル探索を実行することと
を含む請求項16に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項19】
前記シード動作ベクトルを決定することは、前記オーバーラップしないブロックの中心を通る動作ベクトルを決めることを含む請求項18に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項20】
前記シード動作ベクトルに基づいて、前記動作ベクトル探索を実行することは、双方向動作ベクトル探索を実行することを含む請求項18に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項21】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、
前記少なくとも1つの前のビデオフレームにおいて前のビデオフレーム探索ブロックを構築することと、
第1の探索範囲を、前記現在のビデオフレームの一部に割り当てることと、
第1の予め定めた基準に基づいて、前記第1の探索範囲において、前記前のビデオフレーム探索ブロックに対する第1のマッチングブロックの探索を実行することと
を含む請求項20に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項22】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、
前記現在のビデオフレームにおいて現在のビデオフレーム探索ブロックを構築することと、
第2の探索範囲を、前記少なくとも1つの前のビデオフレームの一部に割り当てることと、
第2の予め定めた基準に基づいて、前記第2の探索範囲において、前記現在のビデオフレーム探索ブロックに対する第2のマッチングブロックの探索を実行することと
を含む請求項21に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項23】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、前記第1のマッチングブロックに基づいて第1の動作ベクトルを決定することを含む請求項21に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項24】
前記第1の予め定めた基準は、歪み指標に基づく請求項21に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項25】
前記第1の予め定めた基準は、前記歪み指標を最小化することに基づく請求項24に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項26】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの絶対差の合計に基づく請求項24に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項27】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの二乗差の合計に基づく請求項24に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項28】
前記歪み指標は、人間の視覚体系ベースの指標に基づく請求項24に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項29】
前記歪み指標は、統計に基づく請求項24に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項30】
前記送信された1セットの動作ベクトルは、複数の現在のフレーム動作ベクトルと、複数の前のフレーム動作ベクトルとを含む請求項16に記載のビデオフレーム補間方法。
【請求項31】
プロセッサによって実行された場合、現在のビデオフレーム、少なくとも1つの前のビデオフレーム、および送信された1セットの動作ベクトルを使用するビデオフレーム補間方法を前記プロセッサに実施させる格納済命令を有するコンピュータ読取可能媒体であって、前記方法は、
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、第1のセットの動作ベクトルを生成することと、
複数のオーバーラップしないブロックを持つ中間ビデオフレームを識別することと、
オーバーラップしないブロックにそれぞれ、前記第1のセットの動作ベクトルから選択された少なくとも1つの動作ベクトルを割り当て、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルを生成することと、
第2のセットの動作ベクトルを、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルの関数として生成することと、
前記第2のセットの動作ベクトルを用いてビデオフレームを生成することと
を含むコンピュータ読取可能媒体。
【請求項32】
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、前記第1のセットの動作ベクトルを生成することは、
前記送信された1セットの動作ベクトルを、第1の部分の動作ベクトルと、第2の部分の動作ベクトルとに分割することと、
前記第1の部分の動作ベクトルを、前記第2の部分のベクトルの関数として修正することと
を含む請求項31に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項33】
オーバーラップしないブロックにそれぞれ、少なくとも1つの動作ベクトルを割り当てることは、
シード動作ベクトルを決定することと、
前記シード動作ベクトルに基づいて、動作ベクトル探索を実行することと
を含む請求項31に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項34】
前記シード動作ベクトルを決定することは、前記オーバーラップしないブロックの中心を通る動作ベクトルを決めることを含む請求項33に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項35】
前記シード動作ベクトルに基づいて、前記動作ベクトル探索を実行することは、双方向動作ベクトル探索を実行することを含む請求項33に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項36】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、
前記少なくとも1つの前のビデオフレームにおいて前のビデオフレーム探索ブロックを構築することと、
第1の探索範囲を、前記現在のビデオフレームの一部に割り当てることと、
第1の予め定めた基準に基づいて、前記第1の探索範囲において、前記前のビデオフレーム探索ブロックに対する第1のマッチングブロックの探索を実行することと
を含む請求項35に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項37】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、
前記現在のビデオフレームにおいて現在のビデオフレーム探索ブロックを構築することと、
第2の探索範囲を、前記少なくとも1つの前のビデオフレームの一部に割り当てることと、
第2の予め定めた基準に基づいて、前記第2の探索範囲において、前記現在のビデオフレーム探索ブロックに対する第2のマッチングブロックの探索を実行することと
を含む請求項36に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項38】
前記双方向動作ベクトル探索を実行することは、 前記第1のマッチングブロックに基づいて第1の動作ベクトルを決定することを含む請求項36に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項39】
前記第1の予め定めた基準は、歪み指標に基づく請求項36に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項40】
前記第1の予め定めた基準は、前記歪み指標を最小化することに基づく請求項39に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項41】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの絶対差の合計に基づく請求項39に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項42】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの二乗差の合計に基づく請求項39に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項43】
前記歪み指標は、人間の視覚体系ベースの指標に基づく請求項39に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項44】
前記歪み指標は、統計に基づく請求項39に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項45】
前記送信された1セットの動作ベクトルは、複数の現在のフレーム動作ベクトルと、複数の前のフレーム動作ベクトルとを含む請求項31に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項46】
現在のビデオフレーム、少なくとも1つの前のビデオフレーム、および送信された1セットの動作ベクトルを使用するビデオフレーム補間のための装置であって、
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、第1のセットの動作ベクトルを生成する手段と、
複数のオーバーラップしないブロックを持つ中間ビデオフレームを識別する手段と、
オーバーラップしないブロックにそれぞれ、前記第1のセットの動作ベクトルから選択された少なくとも1つの動作ベクトルを割り当て、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルを生成する手段と、
第2のセットの動作ベクトルを、前記割り当てられた1セットの動作ベクトルの関数として生成する手段と、
前記第2のセットの動作ベクトルを用いてビデオフレームを生成する手段と
を備えた装置。
【請求項47】
前記送信された1セットの動作ベクトルの関数として、前記第1のセットの動作ベクトルを生成する手段は、
前記送信された1セットの動作ベクトルを、第1の部分の動作ベクトルと、第2の部分の動作ベクトルとに分割する手段と、
前記第1の部分の動作ベクトルを、前記第2の部分のベクトルの関数として修正する手段と
を備えた請求項46に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項48】
オーバーラップしないブロックにそれぞれに、少なくとも1つの動作ベクトルを割り当てる手段は、
シード動作ベクトルを決定する手段と、
前記シード動作ベクトルに基づいて、動作ベクトル探索を実行する手段と
を備えた請求項46に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項49】
前記シード動作ベクトルを決定する手段は、前記オーバーラップしないブロックの中心を通る動作ベクトルを決める手段を備えた請求項48に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項50】
前記シード動作ベクトルに基づいて、前記動作ベクトル探索を実行する手段は、双方向動作ベクトル探索を実行する手段を備えた請求項48に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項51】
前記双方向動作ベクトル探索を実行する手段は、
前記少なくとも1つの前のビデオフレームにおいて前のビデオフレーム探索ブロックを構築する手段と、
第1の探索範囲を、前記現在のビデオフレームの一部に割り当てる手段と、
第1の予め定めた基準に基づいて、前記第1の探索範囲において、前記前のビデオフレーム探索ブロックに対する第1のマッチングブロックの探索を実行する手段と
を備えた請求項50に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項52】
前記双方向動作ベクトル探索を実行する手段は、
前記現在のビデオフレームにおいて現在のビデオフレーム探索ブロックを構築する手段と、
第2の探索範囲を、前記少なくとも1つの前のビデオフレームの一部に割り当てる手段と、
第2の予め定めた基準に基づいて、前記第2の探索範囲において、前記現在のビデオフレーム探索ブロックに対する第2のマッチングブロックの探索を実行する手段と
を備えた請求項51に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項53】
前記双方向動作ベクトル探索を実行する手段は、 前記第1のマッチングブロックに基づいて第1の動作ベクトルを決定する手段を備えた請求項51に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項54】
前記第1の予め定めた基準は、歪み指標に基づく請求項51に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項55】
前記第1の予め定めた基準は、前記歪み指標を最小化することに基づく請求項54に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項56】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの絶対差の合計に基づく請求項54に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項57】
前記歪み指標は、前記第1のマッチングブロックと前記前のビデオフレーム探索ブロックとの二乗差の合計に基づく請求項54に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項58】
前記歪み指標は、人間の視覚体系ベースの指標に基づく請求項54に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項59】
前記歪み指標は、統計に基づく請求項54に記載のビデオフレーム補間のための装置。
【請求項60】
前記送信された1セットの動作ベクトルは、複数の現在のフレーム動作ベクトルと、複数の前のフレーム動作ベクトルとを含む請求項46に記載のビデオフレーム補間のための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−75121(P2012−75121A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−231771(P2011−231771)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【分割の表示】特願2010−228530(P2010−228530)の分割
【原出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】