説明

動物監視支援装置、及び動物監視支援方法、監視支援サーバ、監視支援端末、プログラム

【課題】コンパニオンアニマルの異常行動の検出に適した汎用性の高い動物監視支援装置等を提供する。
【解決手段】動物監視支援装置をコンパニオンアニマル1に装着したセンサ端末2と、携帯電話端末4と、インターネット100上の監視支援サーバ5とにより構成する。センサ端末2によりコンパニオンアニマル1の動作を継続的に検出し、当該動物の行動を表す行動データを取得する。取得した行動データを近距離無線通信により携帯電話端末4へ転送し、携帯電話端末4から監視支援サーバ5に転送させる。監視支援サーバ5に、動物病院6等において行動データと同様の方法でコンパニオンアニマル1と同種の個体から予め取得した、異常行動を表す異常行動データを記憶しておき、行動データと異常行動データとを比較して異常行動の有無を判定させる。判定結果を携帯電話端末4において受信し、ユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパニオンアニマルにおける異常行動の有無を確認するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、単に飼育の対象となるペット(愛玩動物)とは異なり、より人に身近な家族の一員として共生する犬や猫等の動物、すなわち人生の伴侶となっている動物の呼び方として、飼い主の感情に配慮したコンパニオンアニマル(或いは伴侶動物)という呼び方が定着してきている。ところで、コンパニオンアニマルの飼い主は、例えば仕事等で一日の大半を留守にしていることが多いが、その間には、他の家族がいなければコンパニオンアニマルの健康状態等に異変があっても、それを知ることができない。
【0003】
これを解決可能とする技術として、例えば下記特許文献1には、カメラで撮影した映像を用いて人間などの異常行動を検知し、異常行動が発生している場合にはその旨を外部装置に通知する監視支援技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−266052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の監視支援技術は、映像の中から抽出した動きがある部分の特徴量を取得し、予め用意されている学習データに基づき異常行動を検出するものであり、異常行動を検知するためには、コンパニオンアニマルとカメラとの位置関係がある程度固定されていることが必要となる。すなわち位置関係が固定されていなければ、撮影角度が異なる映像に対応した膨大な学習データが必要となり、かつ異常行動を検出するための処理が複雑化する。
【0006】
他方、飼い主が留守中であるとき、コンパニオンアニマルは室内や屋内を自由に行動できる場合が多いため、異常行動の検出に必要な映像を得るためにはカメラを複数ヶ所に設置する必要がある。しかも、仮に屋内の複数ヶ所にカメラを設置したとしても、コンパニオンアニマルとカメラとの位置関係を固定することは現実的には不可能である。
【0007】
そのため、上記の監視支援技術は、一般家庭においてコンパニオンアニマルの異常行動に使用するものとしては不向きであるという問題があった。すなわち例えば一日の大半をケージ内で過ごしているような、ごく一部のコンパニオンアニマルにしか適用することができず、汎用性に欠けるという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、コンパニオンアニマルの異常行動の検出に適した汎用性の高い動物監視支援装置、及び動物監視支援方法、監視支援サーバ、監視支援端末、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、監視対象の動物に装着された状態で当該動物の動作を継続的に検出することにより、当該動物の行動を表す行動データを取得する行動データ取得手段と、前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを記憶する異常行動データ記憶手段と、前記行動データ取得手段により取得された行動データを、前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を使用者に対して出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記行動データ取得手段は、前記監視対象の動物の動作を3軸方向の波形データとして検出するモーションセンサ部を含み、当該モーションセンサ部により検出した3軸方向の波形データを前記行動データとして取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記行動データ取得手段は、前記行動データとして、前記モーションセンサ部により検出した3軸方向の波形データから抽出した、前記監視対象の動物の動作の特徴を表す特徴データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記行動データ取得手段は、前記行動データとして、複数種類の前記特徴データを取得することを特徴とする請求項3記載の動物監視支援装置。
【0013】
また、請求項5記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記異常行動データ記憶手段は、前記異常行動データとして、前記監視対象と同種の個体の異常行動の特徴を表す、前記行動データ取得手段により取得される複数の特徴データと同種の複数の特徴データの組み合わせパターンを記憶し、前記判定手段は、前記行動データ取得手段より取得された複数の特徴データの組み合わせパターンを、前記異常行動データ記憶手段に異常行動データとして記憶されている複数の特徴データの組み合わせパターンと比較することによって、前記異常行動の有無を判定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記行動データ取得手段により取得された行動データを記憶する記憶手段を備え、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されているある時間内における前記動物の行動を表す行動データを、前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記監視対象の動物に装着されるとともに、前記行動データ取得手段を備えたセンサ端末と、ネットワーク上に設けられるとともに、前記異常行動データ記憶手段、及び前記判定手段を備えた監視支援サーバと、前記センサ端末から前記行動データを取得する取得手段、及び前記出力手段を備え、前記取得手段により取得した行動データを前記監視支援サーバへ送信するとともに、送信した行動データを対象とした前記判定手段による判定結果を前記監視支援サーバから受信し、受信した判定結果を前記出力手段により使用者に対して出力する監視支援端末とから構成されたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項8記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記監視対象の動物に装着されるとともに、前記行動データ取得手段を備えたセンサ端末と、ネットワーク上に設けられるとともに、前記異常行動データ記憶手段を備えた監視支援サーバと、前記センサ端末から前記行動データを取得する取得手段、及び前記監視支援サーバからネットワークを介して前記異常行動データを取得する第2の取得手段、前記判定手段、前記出力手段を備え、前記判定手段が、前記取得手段により取得した行動データを前記第2の取得手段により取得した異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する監視支援端末とから構成されことを特徴とする。
【0017】
また、請求項9記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記センサ端末は、前記行動データ取得手段により取得された行動データを記憶する記憶手段を備え、前記監視支援端末は、前記センサ端末から前記記憶手段に記憶されているある時間内における前記動物の行動を表す行動データを前記取得手段により取得することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記監視支援端末は、前記行動データを前記センサ端末から近距離通信によって転送される行動データを前記取得手段により取得することを特徴とする。
【0019】
また、請求項11記載の発明に係る動物監視支援装置にあっては、前記監視支援サーバは、ネットワークを介して外部から供給された異常行動データを前記異常行動データ記憶手段に随時記憶するデータ更新手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項12記載の発明に係る動物監視支援方法にあっては、監視対象の動物の動作を継続的に検出することにより、当該動物の行動を表す行動データを取得する工程と、取得した行動データを、前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する工程と前記判定の結果を使用者に対して出力する工程とからなることを特徴とする。
【0021】
また、請求項13記載の発明に係る監視支援サーバにあっては、監視対象の動物から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを記憶する異常行動データ記憶手段と、ネットワークを介して接続された監視支援端末から、前記監視対象と同種の個体に装着されたセンサ端末が当該個体の動作を継続的に検出することによって取得した当該個体の行動を表す行動データが送信されたことに応答し、送信された行動データを前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を前記行動データの送信元の前記監視支援端末にネットワークを介して供給する供給手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項14記載の発明に係るプログラムにあっては、監視対象の動物から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを記憶する異常行動データ記憶手段を備えた監視支援サーバが有するコンピュータに、ネットワークを介して接続された監視支援端末から、前記監視対象と同種の個体に装着されたセンサ端末が当該個体の動作を継続的に検出することによって取得した当該個体の行動を表す行動データが送信されたことに応答し、送信された行動データを前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する処理と、前記判定の結果を前記行動データの送信元の前記監視支援端末にネットワークを介して供給する処理とを実行させることを特徴とする。
【0023】
また、請求項15記載の発明に係る監視支援端末にあっては、監視対象の動物に装着されたセンサ端末から、前記動物の動作を継続的に検出することによって取得された前記動物の行動を表す行動データを取得する取得手段と、前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを、ネットワークを介して接続された監視支援サーバから取得する第2の取得手段と、前記取得手段により取得された行動データを前記第2の取得手段により取得された異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を使用者に対して出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項16記載の発明に係るプログラムにあっては、ネットワーク上に設けられた監視支援サーバに接続される監視支援端末が有するコンピュータに、監視対象の動物に装着されたセンサ端末から、前記動物の動作を継続的に検出することによって取得された前記動物の行動を表す行動データを取得する処理と、前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを、ネットワークを介して前記監視支援サーバから取得する処理と、前記センサ端末から取得した行動データを前記監視支援サーバから取得した異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する処理と、前記判定の結果を使用者に対して出力する処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、コンパニオンアニマルの異常行動の検出に適した汎用性の高い動物監視支援装置、及び動物監視支援方法、監視支援サーバ、監視支援端末、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る動物監視支援システムを示す構成図である。
【図2】センサ端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話端末の概略構成を示すブロック図である。
【図4】監視支援サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態における携帯電話端末と監視支援サーバとの動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における携帯電話端末と監視支援サーバとの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の動物監視支援装置を実現するシステム(以下、動物監視支援システムという。)を示す構成図であり、以下に述べる第1の実施形態、及び後述する第2の実施形態に共通する構成図である。
【0028】
図1に示したように動物監視支援システムは、主としてコンパニオンアニマル(図の例では犬)1に装着されたセンサ端末2と、無線基地局3を介してインターネット(WWW)100へ接続可能な携帯電話端末4と、インターネット100に接続されている監視支援サーバ5とから構成されている。
【0029】
なお、監視支援サーバ5には、インターネット100や図示しないADSL回線、光回線等の通信回線網を介して、動物病院6に設置されているパーソナルコンピュータ等から後述する異常行動データが随時送られる。また、携帯電話端末4は、音声通話機能、メールの送受信機能、ウェブ(インターネット)接続機能等を有する一般的なものである。
【0030】
図2は、センサ端末2の概略構成を示すブロック図である。センサ端末2は、主として加速度センサ21と、信号処理部22、データメモリ23、マイコン(マイクロコンピュータ)24、送信部25、スイッチ部26、時計部27から構成される。
【0031】
加速度センサ21は、センサ端末2における3軸方向の加速度を検出し、信号処理部22へ出力する。信号処理部22は、アンプ、及びA/D変換器を含み、加速度センサ21の出力信号を増幅し、デジタルの検出信号、すなわち3軸方向の移動量の変化を示す波形データに変換した後、マイコン24へ供給する。本実施形態では、加速度センサ21と信号処理部22とがコンパニオンアニマル1の動作を継続的に検出するモーションセンサ部である。
【0032】
時計部27は、現在時刻をカウントし、現在時刻を示す時刻データをマイコン24へ供給する。データメモリ23は、揮発性、又は不揮発性の任意のメモリであり、センサ端末2に固定的に設ける内蔵メモリでもよいし、センサ端末2に着脱自在な小型のフラッシュメモリ等でもよい。
【0033】
マイコン24は所謂ワンチップマイコンであり、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)22、作業用のRAM(Random Access Memory)、入出力回路等が含まれる構成である。
【0034】
マイコン24は、信号処理部22から供給された3軸方向の移動量の変化を示す波形データを、計時部24から取得した時刻データと関連付けて、コンパニオンアニマル1の行動を表す行動データとして所定のフォーマットでデータメモリ23へ記憶させる。
【0035】
送信部25は、マイコン24からの指示に応じて携帯電話端末4との間でデータ通信を行い、データメモリ23に記憶されている行動データを携帯電話端末4へ送信する。本実施形態において、送信部25と携帯電話端末4との間の通信は近距離無線通信であり、例えば1m以内でのデータ通信が可能なIrDA(Infrared Data Association)規格の赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)による無線通信等である。
【0036】
スイッチ部26は、電源スイッチや、コンパニオンアニマル1の飼い主であるユーザが、送信部25における携帯電話端末4との間の通信(但し、行動データの送信のみ)をマイコン24に指示するための送信スイッチ等の複数のスイッチである。
【0037】
なお、本実施形態においては、加速度センサ21と信号処理部22とマイコン24とによって本発明の行動データ取得手段が実現されている。
【0038】
そして、センサ端末2においては、電源がオンされている間、コンパニオンアニマル1の動作を加速度センサ21によって継続的に検出することにより、コンパニオンアニマル1の行動を表す行動データをデータメモリ23へ逐次記憶する。また、スイッチ部26の送信スイッチがユーザによって操作されたときには、データメモリ23に記憶されている行動データを携帯電話端末4へ送信する。
【0039】
なお、センサ端末2による行動データの検出開始/検出停止や、行動データの送信は、マイコン24が携帯電話端末4からの無線信号や、計時部27からの時刻データに基づいて制御するものとしてもよい。
【0040】
なお、図1においてセンサ端末2の形状や、コンパニオンアニマル1における装着位置は、あくまでも便宜的に示したものに過ぎない。
【0041】
図3は、携帯電話端末4の概略構成を示すブロック図である。携帯電話端末4は、無線通信部41と、音声処理部42、制御部43、キー入力部44、表示部45、ROM46、RAM47、内蔵メモリ48、近距離通信部49を有している。
【0042】
無線通信部41は、無線基地局3との間で所定の無線通信プロトコルに基づく通信制御シーケンスを実行し、制御信号及び音声信号を含む送信信号及び受信信号をアンテナ41aを介して送受信する。音声処理部42はマイクとスピーカ、及び音声変換回路等を含み音声信号の入出力を処理する。
【0043】
制御部43は、CPU及び入出力回路等の周辺回路から構成され、ROM46に記憶されているプログラムに従いRAM47をワークメモリとして上記各部を制御する。キー入力部44は、電源キーや文字入力キーを含み、キー操作に応じたキー入力信号を制御部43に出力する。
【0044】
表示部45は液晶表示パネル及びその駆動回路からなり、文字情報や画像情報を表示する。また、本実施形態において表示部45は、後述するようにコンパニオンアニマル1における異常行動の有無を表示することにより本発明の出力手段として機能する。
【0045】
内蔵メモリ48は不揮発性メモリであり、内蔵メモリ48には、アドレス帳データ、メールデータ(送信メール及び受信メール)等の各種データが記憶されている。なお、アドレス帳データには、ユーザにより登録された相手先の電話番号や、メールアドレスが含まれる。
【0046】
また、内蔵メモリ48には、携帯電話端末4に種々の拡張機能を確保するための複数のアプリケーションプログラムが記憶されている。複数のアプリケーションプログラムには、制御部43に後述する処理を行わせることによって、携帯電話端末4を本発明における監視支援端末として機能させるための端末用の監視支援プログラムが含まれている。なお、監視支援プログラムには監視支援サーバ5のURL(Uniform Resource Locator)が記述されている。
【0047】
近距離通信部49は、制御部43からの指示に応じてセンサ端末2(送信部25)との間で、先に述べたIrDA規格の赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)による無線通信等の近距離無線通信を行い、センサ端末2から行動データを受信する。近距離通信部49によって受信された行動データは内蔵メモリ48に記憶される。
【0048】
なお、本実施形態においては、近距離通信部49よって本発明の取得手段が実現されているとともに、近距離通信部49よって取得された行動データは監視支援サーバ5へ送信される。
【0049】
図4は、監視支援サーバ5の概略構成を示すブロック図である。監視支援サーバ5は、装置全体を制御する制御部51と、通信部52、プログラムファイル53、異常行動データベース54を有している。
【0050】
通信部52は、インターネット100を介して他の装置との間で各種のデータを送受信する。プログラムファイル53と異常行動データベース54とは、具体的には、ハードディスクや光磁気ディスク等の記憶手段、及び記憶手段に記憶されたデータ群である。すなわち、プログラムファイル53は制御部51に装置全体を制御させるために必要な各種のプログラムによって構成される。また、異常行動データベース54は多数の異常行動データによって構成される。本実施形態において異常行動データベース54を構成する上記記憶手段が、本発明の異常行動データ記憶手段を構成する。
【0051】
ここで、異常行動データは、例えば1又は複数の動物病院6において、センサ端末2が装着されているコンパニオンアニマル1と同種の複数の個体(以下、監視対象動物という。)から予め収集されたデータであり、監視対象動物の異常行動を表すデータである。
【0052】
具体的に説明すると、異常行動データは、例えば監視対象動物に異常行動が認められている間の動作を、先に説明したセンサ端末2、又は同様の機能を備えた任意の装置を用いて継続的に検出することにより取得された行動データである。
【0053】
ここで、異常行動としては、例えば監視対象動物が犬である場合には、同じ場所で旋回運動を繰り返す行動や、食事の時間や回数の異常等である。
【0054】
制御部51は、CPUや作業用のメモリ等から構成され、プログラムファイル33に従い上記各部を制御するとともにデータの転送、演算、一時記憶等の各種処理を行う。本実施形態においてプログラムファイル33には、制御部51に後述する処理を行わせることによって、制御部51を本発明における判定手段、データ更新手段として機能させるとともに、通信部52を本発明における供給手段として機能させるサーバ用の監視支援プログラムが含まれている。
【0055】
次に、携帯電話端末4と監視支援サーバ5との本発明に係る動作について説明する。なお、以下の説明においては、センサ端末2に、ある時間内(例えば朝から夕方までの時間)におけるコンパニオンアニマル1の行動を表す行動データが記憶されているものとする。
【0056】
図5は、携帯電話端末4における端末用の監視支援プログラムに基づいた制御部43の処理手順と、監視支援サーバ5におけるサーバ用の監視支援プログラムに基づいた制御部51の処理手順とを示したフローチャートである。
【0057】
携帯電話端末4においては、制御部43が、ユーザによる所定のキー操作によって端末用の監視支援プログラムが起動されることにより処理を開始し、まず、近距離通信部49によるセンサ端末2からの行動データの受信、及び行動データの記憶を開始する(ステップSA1)。なお、ステップSA1の処理に際して制御部43は、例えばユーザにセンサ端末2側における行動データの送信開始を促すメッセージを表示部45に表示させるか、または、センサ端末2に対して送信開始コマンドを無線送信することによって、センサ端末2側に行動データの送信を開始させる。
【0058】
その後、制御部43は、行動データの受信を完了するまでの間(ステップSA2:NO)、ステップSA1の行動データの受信、及び記憶を継続する。
【0059】
そして、制御部43は、行動データの受信が完了すると(ステップSA2:YES)、受信した行動データを監視支援サーバ5へ転送し(ステップSA3)、以後、監視支援サーバ5からの判定結果の受信待ちを行う(ステップSA4)。
【0060】
一方、監視支援サーバ5においては、その稼働中に制御部51が、動物病院6等からの異常行動データを受信すると(ステップSB1:YES)、受信した異常行動データを異常行動データベース54に新たに記憶して、異常行動データベース54を更新する(ステップSB2)。
【0061】
そして、制御部51は、携帯電話端末4から行動データを受信すると(ステップSB3:YES)、受信した行動データと、異常行動データベース54に記憶されている複数種の異常行動データの各々とを比較し、受信した行動データから異常行動パターンを検出する(ステップSB4)。
【0062】
ステップSB4の処理に際して制御部51は、行動データにより示される全期間の波形データに、何れかの異常行動データにより示される異常行動パターンと類似する波形データを示す区間が存在するか否かを確認する。なお、類似する波形区間とは、一定以上の類似度を有する波形区間である。
【0063】
しかる後、制御部51は、行動データから異常行動パターンが検出できた場合には(ステップSB5:YES)、行動データにより表される行動に異常行動が含まれると判断し、「異常行動あり」との判定結果を携帯電話端末4へ送信する(ステップSB6)。また、行動データから異常行動パターンが検出できなかった場合には(ステップSB5:NO)、行動データにより表される行動に異常行動が含まれないと判断し、「異常行動なし」との判定結果を携帯電話端末4へ送信する(ステップSB7)。以後、監視支援サーバ5の稼働中には制御部51が上述した処理を繰り返す。
【0064】
他方、携帯電話端末4においては、監視支援サーバ5から判定結果を受信すると(ステップSA4)、制御部43が、受信した判定結果(「異常行動あり」、又は「異常行動なし」)を表示部45に表示させる。これにより制御部43は処理を終了する。
【0065】
したがって、本実施形態の動物監視支援システムを用いれば、コンパニオンアニマル1の飼い主であるユーザは、例えば仕事で外出している間などの目の届かない時間帯にコンパニオンアニマル1に異常行動があったか否かを知ることができる。その結果、ユーザは、異常行動がある判定されたときには、コンパニオンアニマル1を動物病院へ連れて行くことにより、コンパニオンアニマル1に早期の診察や治療を受けさせることができる。
【0066】
ここで、本実施形態の動物監視支援システムにおいては、コンパニオンアニマル1の異常行動の有無を、センサ端末2によって取得した行動データに基づいて判定する。そのため汎用性が高く、仮にコンパニオンアニマル1が室内や屋内を自由に行動できるような場合であったとしても、ユーザはセンサ端末2をコンパニオンアニマル1に予め装着させておくだけで、留守中にコンパニオンアニマル1に異常行動があったか否かを容易に知ることができる。
【0067】
また、監視支援サーバ5が動物病院6等から異常行動データを受信する毎に異常行動データベース54を更新するため、より多くの異常行動データを用いて異常行動の有無が判定される。従って、ユーザにおいては、コンパニオンアニマル1に関する多様な異常行動を早期に知ることができる。
【0068】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、図1に示した動物監視支援システムにおいて、監視支援サーバ5の制御部51に確保されていた判定手段としての機能を携帯電話端末4の制御部43に確保したものである。すなわち携帯電話端末4の制御部43が監視支援プログラムに従い動作することにより判定手段として機能するとともに、無線通信部41が本発明の第2の取得手段として機能するものである。
【0069】
以下、本実施形態における携帯電話端末4と監視支援サーバ5との本発明に係る動作について説明する。図6は、携帯電話端末4における端末用の監視支援プログラムに基づいた制御部43の処理手順と、監視支援サーバ5におけるサーバ用の監視支援プログラムに基づいた制御部51の処理手順とを示したフローチャートである。
【0070】
本実施形態においても第1の実施形態と同様、携帯電話端末4の制御部43は、ユーザによる所定のキー操作によって端末用の監視支援プログラムが起動されることにより処理を開始し、まず、近距離通信部49によるセンサ端末2からの行動データの受信、及び行動データの記憶を開始する(ステップSA11)。ステップSA11の処理に際して制御部43は、例えばユーザにセンサ端末2側における行動データの送信開始を促すメッセージを表示部45に表示させる。
【0071】
その後、制御部43は、行動データの受信を完了するまでの間(ステップSA12:NO)、ステップSA11の行動データの受信、及び記憶を継続する。そして、制御部43は、行動データの受信が完了すると(ステップSA12:YES)、監視支援サーバ5に対して異常行動データの送信を要求する(ステップSA13)。
【0072】
一方、監視支援サーバ5においては、その稼働中に制御部51が、動物病院6等からの異常行動データを受信すると(ステップSB11:YES)、受信した異常行動データを異常行動データベース54に新たに記憶して、異常行動データベース54を更新する(ステップSB12)。
【0073】
そして、制御部51は、携帯電話端末4から異常行動データの送信要求があると(ステップSB13:YES)、異常行動データベース54から複数種の異常行動データを読み出し、携帯電話端末4へ送信する(ステップSB14)。以後、監視支援サーバ5の稼働中には制御部51が上述した処理を繰り返す。
【0074】
他方、携帯電話端末4においては、監視支援サーバ5に対して異常行動データの送信を要求した後には、直ちに内蔵メモリ48への異常行動データの記憶を開始し、受信した異常行動データを内蔵メモリ48に順に記憶する(ステップSA14)。
【0075】
その後、制御部43は、異常行動データの受信、記憶が完了すると(ステップSA15:YES)、センサ端末2から受信した行動データと、監視支援サーバ5から受信した複数種の異常行動データの各々とを比較し、行動データから異常行動パターンを検出する(ステップSA16)。
【0076】
ステップSA16の処理に際して制御部43は、行動データにより示される全期間の波形データに、何れかの異常行動データにより示される異常行動パターンと類似する波形データを示す区間が存在するか否かを確認する。なお、類似する波形区間とは、一定以上の類似度を有する波形区間である。
【0077】
しかる後、制御部43は、行動データから異常行動パターンが検出できた場合には(ステップSA17:YES)、行動データにより表される行動に異常行動が含まれると判断し、「異常行動あり」との判定結果を表示部45に表示させる(ステップSA18)。また、制御部43は、行動データから異常行動パターンが検出できなかった場合には(ステップSA17:NO)、行動データにより表される行動に異常行動が含まれないと判断し、「異常行動なし」との判定結果を表示部45に表示させる(ステップSA19)。これにより制御部43は処理を終了する。
【0078】
したがって、本実施形態の動物監視支援システムについても、それを用いれば、コンパニオンアニマル1の飼い主であるユーザは、例えば仕事で外出している間などの目の届かない時間帯にコンパニオンアニマル1に異常行動があったか否かを知ることができる。その結果、ユーザは、異常行動があると判定されたときには、コンパニオンアニマル1を動物病院へ連れて行くことにより、コンパニオンアニマル1を動物病院へ連れて行くことにより、コンパニオンアニマル1に早期の診察や治療を受けさせることができる。
【0079】
ここで、本実施形態の動物監視支援システムにおいても、第1の実施形態と同様、コンパニオンアニマル1の異常行動の有無を、センサ端末2によって取得した行動データに基づいて判定する。そのため、本実施形態の動物監視支援システムも汎用性が高く、仮にコンパニオンアニマル1が室内や屋内を自由に行動できるような場合であったとしても、ユーザはセンサ端末2をコンパニオンアニマル1に予め装着させておくだけで、留守中にコンパニオンアニマル1に異常行動があったか否かを容易に知ることができる。
【0080】
また、第1の実施形態と同様、監視支援サーバ5が動物病院6等から異常行動データを受信する毎に異常行動データベース54を更新するため、より多くの異常行動データを用いて異常行動の有無が判定される。従って、ユーザにおいては、コンパニオンアニマル1に関する多様な異常行動を早期に知ることができる。
【0081】
なお、本実施形態においては、携帯電話端末4が、センサ端末2から行動データを受信する毎に監視支援サーバ5から複数種の異常行動データを受信(ダウンロード)する構成について説明した。しかし、本発明の実施に際しては、例えば携帯電話端末4に複数種の異常行動データの受信動作を定期的に行わせたり、ユーザの指示に応じて適宜行わせたりしてもよい。
【0082】
異常行動データの受信動作を定期的に、又はユーザの指示に応じて適宜行ったりする場合には、監視支援サーバ5から直前に取得した異常行動データを内蔵メモリ48に保存しておき、係る異常行動データを使用して異常行動の有無を判定する構成とすればよい。
【0083】
(他の実施形態)
以上説明した第1及び第2の実施形態は以下のように変更しても構わない。すなわち、第1及び第2の実施形態においては、携帯電話端末4が近距離無線通信によってセンサ端末2から行動データを取得する構成とした。しかし、携帯電話端末4が行動データを取得する方法には、近距離無線通信に限らず以下の方法を採用することができる。
【0084】
例えば携帯電話端末4をセンサ端末2に必要に応じてケーブル接続し、行動データを任意の規格に従ったデータ通信によって取得する方法を採用することができる。また、センサ端末2が着脱自在な小型のフラッシュメモリ等に行動データを記憶する構成であり、かつ携帯電話端末4がフラッシュメモリ等を装着可能な構成であれば、センサ端末2から取り外したフラッシュメモリ等から行動データを直接読み取る方法を採用することもできる。
【0085】
また、第1及び第2の実施形態においては、コンパニオンアニマル1の異常行動の有無の判定に使用される行動データと異常行動データとが、加速度センサ21によって検出された3軸方向の移動量の変化を示す波形データである場合について説明した。しかし、行動データと異常行動データとは以下に述べるようなデータとしてもよい。
【0086】
すなわち、行動データと異常行動データとは、加速度センサ21により検出される波形データをそのまま記憶してもよいが、前述したように監視支援サーバ5や携帯電話端末4において異常行動を検出することができれば、加速度センサ21により検出される波形データから抽出可能なコンパニオンアニマル1等の動作の特徴を表す特徴データであっても構わない。
【0087】
ここで特徴データとしては、重力方向の加速度(平均値や最大値)、水平方向の加速度(平均値や最大値)、重力方向の加速度の変化周期、水平方向の加速度の変化周期、水平方向の移動速度(平均値や最大値)、最大移動距離、移動方向の変化周期、移動方向の変化回数等のデータである。
【0088】
また、波形データからの特徴データの抽出は、例えば、センサ端末2の向きを基準とする3軸方向の加速度ベクトルを、重力方向を基準とした加速度ベクトルに正規化し、正規化した加速度ベクトルを単位時間毎(例えば1秒毎)に集計することにより行えばよい。重力方向を基準とした加速度ベクトルへの正規化や、移動速度、移動距離、変化周期への変換処理そのものは公知技術なので詳細説明は省略する。また、特徴データとしては、上記以外にも様々な特徴データを適宜用いることが可能である。
【0089】
行動データを上記のような特徴データとすれば、加速度センサ21により検出される波形データ(3軸方向の波形データ)をそのまま記憶する場合に比べ、センサ端末2のデータメモリ23におけるメモリ容量を節約することが可能となる。
【0090】
また、上記とは別に、センサ端末2のデータメモリ23に記憶する行動データを加速度センサ21により検出される波形データのままとし、監視支援サーバ5の異常行動データベース54に記憶する異常行動データのみを上述した特徴データとしてもよい。行動データを波形データのままとする場合には、携帯電話端末4または監視支援サーバ5に、異常行動の有無を判定する処理に先立ち、センサ端末2において取得された行動データ(波形データ)から特徴データを抽出する処理を行わせればよい。
【0091】
センサ端末2のデータメモリ23に記憶する行動データを加速度センサ21により検出される波形データのままとする場合には、センサ端末2の処理負荷が軽くなり、センサ端末2には、より安価で小型のマイコンを用いることが可能となる。
【0092】
さらに、本発明の実施に際しては以下の構成を採用することができる。すなわち、センサ端末2には、行動データとして、各々が表すコンパニオンアニマル1の動作の特徴が互いに異なる複数種の特徴データを取得させる。他方、監視支援サーバ5の異常行動データベース54には、異常行動データとして、特定の異常行動との相関度の高い複数種の動作の特徴をそれぞれ表す複数種の特徴データの組み合わせパターンを、異常行動毎に記憶しておく。
【0093】
ここで、複数種の特徴データの組み合わせパターンとしては、例えば以下の組合せである。例えば監視対象動物が犬であり、対応する特定の異常行動が、同じ場所で旋回運動を繰り返す行動である場合には、例えば、所定時間の間(例えば10秒間)、最大移動距離が3m以内、水平方向の平均移動速度が1m/秒以上、移動方向の変化周期が3秒以内、移動方向の変化回数が4回以上、などの複数の特徴データの組み合わせである。
【0094】
また、例えば監視対象動物が犬であり、対応する特定の異常行動が、食事の時間や回数の異常である場合には、例えば、水平方向の移動速度がほとんど0、水平方向の加速度が小さく、重力方向の加速度が所定以上、重力方向の加速度の変化周期が0.2秒から0.5秒、など、食事のときの首の上げ下げの行動を示す複数の特徴データと、その検出時刻や検出回数との組み合わせである。
【0095】
なお、上記のような、特定の異常行動との相関度の高い複数の特徴データの組み合わせパターンは、複数の個体から特定の異常行動時に取得された複数の特徴データを人間が分析して、特定の異常行動との相関度の高い複数の特徴データの組み合わせパターンを発見して異常行動データとして登録(異常行動データベース54に記憶)してもよい。また、複数の個体から取得された複数の特徴データを統計的に自動解析し、異常行動があるときの組み合わせパターンと異常行動が無いときの組み合わせパターンとの違いを自動抽出して、異常行動があるときの組み合わせパターンを異常行動データとして自動登録(異常行動データベース54に記憶)するようにしてもよい。
【0096】
そして、携帯電話端末4または監視支援サーバ5が異常行動の有無を判定する際には、センサ端末2において取得された複数の特徴データの組み合わせパターンを、異常行動データベース54に記憶されている、異常行動毎の複数の特徴データの組み合わせパターンと比較することによって異常行動の有無を判定させる。つまり携帯電話端末4または監視支援サーバ5には、センサ端末2において取得された複数の特徴データの組み合わせパターンとの類似度が基準以上である任意の異常行動に対応する複数の特徴データの組み合わせパターンが異常行動データベース54に存在するか否かを確認させる。そして、類似度が基準以上である複数の特徴データの組み合わせパターンが存在する場合には異常行動があったと判定させる。
【0097】
上述した構成によれば、携帯電話端末4または監視支援サーバ5において行われる異常行動の有無の判定結果の精度を向上させることができる。
【0098】
なお、上述した構成を採用する場合においても、センサ端末2のデータメモリ23には、加速度センサ21により検出される波形データのまま行動データとして記憶させる一方、異常行動の有無を判定する際、携帯電話端末4または監視支援サーバ5に、上記行動データ(波形データ)から複数種の特徴データを抽出する処理を行わせるようにしてもよい。
【0099】
また、第1及び第2の実施形態においては、センサ端末2に加速度センサ21を設けて行動データや異常行動データを取得する構成について説明した。しかし、本発明の実施に際しては、例えばセンサ端末2に、例えば加速度センサ21に代えて角速度センサを設け、角速度センサによって行動データや異常行動データを取得する構成とすることもできる。また、センサ端末2に、加速度センサ21に加えて角速度センサを設け、双方のセンサよって行動データや異常行動データを取得する構成とすることもできる。
【0100】
さらに、行動データと異常行動データとは、コンパニオンアニマル1に装着された状態で当該動物の動作を継続的に検出することより得られるものであればよく、センサ端末2には、加速度センサ21や角速度センサに限らず他の任意のセンサ等を用いたモーションセンサ部を設けても構わない。
【0101】
また、第1及び第2の実施形態で説明した携帯電話端末4は、例えばPDA(Personal Digital Assistants)等の他の携帯型の情報機器や、パーソナルコンピュータ等の他の機器に代えることができる。つまり携帯電話端末4以外の情報機器を本発明の監視支援端末として使用することができる。
【0102】
また、第1及び第2の実施形態においては、センサ端末2に記憶されているある時間内(例えはユーザが留守中の間)の行動データを用い、ある時間内にコンパニオンアニマル1に異常行動があったか否かを判定する構成、つまり異常行動の有無をユーザに事後的に知らせるものについて説明した。
【0103】
しかし、本発明の実施に際しては、例えば第2の実施形態で言及したように異常行動の有無を予め記憶してある異常行動データを用いて判定するものとし、センサ端末2により継続的に取得される行動データから異常行動の有無を逐次判定する構成を採用しても構わない。但し、その場合には、異常行動の有無の判定結果は、異常行動があると判定した場合(異常行動が生じたと判定した場合)のみユーザに知らせればよい。
【0104】
さらに、異常行動があると判定した場合における判定結果は、例えばパーソナルコンピュータを本発明の監視支援端末として使用する構成であれば、ユーザにより予め設定されている携帯電話端末にメールで知らせるようにしてもよい。つまり判定結果の出力をメール発信とする構成としてもよい。
【0105】
また、第1及び第2の実施形態においては、監視対象のコンパニオンアニマル1が特定の動物である場合を前提とした構成について説明した。しかし、例えば監視支援サーバ5の異常行動データベース54に、動物の種類毎に異常行動データを記憶させておき、異なる種類の動物について異常行動の有無を監視支援サーバ5、又は携帯電話端末4等の監視支援端末が判定できるように構成してもよい。
【0106】
さらに、異常行動データベース54に、同一の動物について複数種の異常行動データ、例えば同一の動物が犬であれば、大型犬用の異常行動データと小型犬用の異常行動データを記憶させておき、監視支援サーバ5、又は携帯電話端末4等の監視支援端末が、同一の動物であっても複数種のものについて異常行動の有無を判定できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 コンパニオンアニマル
2 センサ端末
21 加速度センサ
23 データメモリ
4 携帯電話端末
41 無線通信部
43 制御部
45 表示部
49 近距離通信部
5 監視支援サーバ
51 制御部
52 通信部
54 異常行動データベース
6 動物病院
100 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の動物に装着された状態で当該動物の動作を継続的に検出することにより、当該動物の行動を表す行動データを取得する行動データ取得手段と、
前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを記憶する異常行動データ記憶手段と、
前記行動データ取得手段により取得された行動データを、前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を使用者に対して出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする動物監視支援装置。
【請求項2】
前記行動データ取得手段は、前記監視対象の動物の動作を3軸方向の波形データとして検出するモーションセンサ部を含み、当該モーションセンサ部により検出した3軸方向の波形データを前記行動データとして取得することを特徴とする請求項1記載の動物監視支援装置。
【請求項3】
前記行動データ取得手段は、前記行動データとして、前記モーションセンサ部により検出した3軸方向の波形データから抽出した、前記監視対象の動物の動作の特徴を表す特徴データを取得することを特徴とする請求項2記載の動物監視支援装置。
【請求項4】
前記行動データ取得手段は、前記行動データとして、複数種類の前記特徴データを取得することを特徴とする請求項3記載の動物監視支援装置。
【請求項5】
前記異常行動データ記憶手段は、前記異常行動データとして、前記監視対象と同種の個体の異常行動の特徴を表す、前記行動データ取得手段により取得される複数の特徴データと同種の複数の特徴データの組み合わせパターンを記憶し、
前記判定手段は、前記行動データ取得手段より取得された複数の特徴データの組み合わせパターンを、前記異常行動データ記憶手段に異常行動データとして記憶されている複数の特徴データの組み合わせパターンと比較することによって、前記異常行動の有無を判定する
ことを特徴とする請求項4記載の動物監視支援装置。
【請求項6】
前記行動データ取得手段により取得された行動データを記憶する記憶手段を備え、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されているある時間内における前記動物の行動を表す行動データを、前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の動物監視支援装置。
【請求項7】
前記監視対象の動物に装着されるとともに、前記行動データ取得手段を備えたセンサ端末と、
ネットワーク上に設けられるとともに、前記異常行動データ記憶手段、及び前記判定手段を備えた監視支援サーバと、
前記センサ端末から前記行動データを取得する取得手段、及び前記出力手段を備え、前記取得手段により取得した行動データを前記監視支援サーバへ送信するとともに、送信した行動データを対象とした前記判定手段による判定結果を前記監視支援サーバから受信し、受信した判定結果を前記出力手段により使用者に対して出力する監視支援端末と
から構成されたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の動物監視支援装置。
【請求項8】
前記監視対象の動物に装着されるとともに、前記行動データ取得手段を備えたセンサ端末と、
ネットワーク上に設けられるとともに、前記異常行動データ記憶手段を備えた監視支援サーバと、
前記センサ端末から前記行動データを取得する取得手段、及び前記監視支援サーバからネットワークを介して前記異常行動データを取得する第2の取得手段、前記判定手段、前記出力手段を備え、前記判定手段が、前記取得手段により取得した行動データを前記第2の取得手段により取得した異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する監視支援端末と
から構成されことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の動物監視支援装置。
【請求項9】
前記センサ端末は、前記行動データ取得手段により取得された行動データを記憶する記憶手段を備え、
前記監視支援端末は、前記センサ端末から前記記憶手段に記憶されているある時間内における前記動物の行動を表す行動データを前記取得手段により取得する
ことを特徴とする請求項7又は8記載の動物監視支援装置。
【請求項10】
前記監視支援端末は、前記行動データを前記センサ端末から近距離通信によって転送される行動データを前記取得手段により取得することを特徴とする請求項7又は8,9記載の動物監視支援装置。
【請求項11】
前記監視支援サーバは、ネットワークを介して外部から供給された異常行動データを前記異常行動データ記憶手段に随時記憶するデータ更新手段を備えたことを特徴とする請求項7乃至10いずれか記載の動物監視支援装置。
【請求項12】
監視対象の動物の動作を継続的に検出することにより、当該動物の行動を表す行動データを取得する工程と、
取得した行動データを、前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する工程と
前記判定の結果を使用者に対して出力する工程と
からなることを特徴とする動物監視支援方法。
【請求項13】
監視対象の動物から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを記憶する異常行動データ記憶手段と、
ネットワークを介して接続された監視支援端末から、前記監視対象と同種の個体に装着されたセンサ端末が当該個体の動作を継続的に検出することによって取得した当該個体の行動を表す行動データが送信されたことに応答し、送信された行動データを前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を前記行動データの送信元の前記監視支援端末にネットワークを介して供給する供給手段と
を備えたことを特徴とする監視支援サーバ。
【請求項14】
監視対象の動物から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを記憶する異常行動データ記憶手段を備えた監視支援サーバが有するコンピュータに、
ネットワークを介して接続された監視支援端末から、前記監視対象と同種の個体に装着されたセンサ端末が当該個体の動作を継続的に検出することによって取得した当該個体の行動を表す行動データが送信されたことに応答し、送信された行動データを前記異常行動データ記憶手段に記憶されている異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する処理と、
前記判定の結果を前記行動データの送信元の前記監視支援端末にネットワークを介して供給する処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
監視対象の動物に装着されたセンサ端末から、前記動物の動作を継続的に検出することによって取得された前記動物の行動を表す行動データを取得する取得手段と、
前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを、
ネットワークを介して接続された監視支援サーバから取得する第2の取得手段と、
前記取得手段により取得された行動データを前記第2の取得手段により取得された異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を使用者に対して出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする監視支援端末。
【請求項16】
ネットワーク上に設けられた監視支援サーバに接続される監視支援端末が有するコンピュータに、
監視対象の動物に装着されたセンサ端末から、前記動物の動作を継続的に検出することによって取得された前記動物の行動を表す行動データを取得する処理と、
前記監視対象と同種の個体から、異常行動が認められている間の動作を継続的に検出することにより予め取得された異常行動を表す異常行動データを、ネットワークを介して前記監視支援サーバから取得する処理と、
前記センサ端末から取得した行動データを前記監視支援サーバから取得した異常行動データと比較することによって、前記監視対象の動物における異常行動の有無を判定する処理と、
前記判定の結果を使用者に対して出力する処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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