説明

動画配信システム

【課題】テレビ機能を有する電話機に回線交換方式を用いて動画像を配信する動画配信システムを提供する。
【解決手段】テレビ電話機能を有する複数の電話機と、電話機と回線交換方式により接続して音声及び動画像を送受信する回線交換機と、回線交換機に接続されて音声及び動画像からなるコンテンツを提供するコンテンツ配信装置と、から構成され、回線交換機は、発呼要求した各電話機と一つの代表電話番号に対応した異なる電話番号の所定数の回線にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置とを接続し、コンテンツ配信装置は、回線交換機を介して接続された電話機に所定のコンテンツを配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画配信システムに関し、より詳細には、テレビ電話機能を有する電話機に動画像を配信する動画配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、音楽、音声、写真、ビデオ映像、アニメーション等のコンテンツを、デスクトップ型やノート型等のPC(パーソナルコンピュータ)、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末装置に向けて、Webブラウザや専用のアプリケーションを用いて配信するシステムが普及している。
【0003】
これらの配信システムの情報伝達手段には殆どパケット交換方式が用いられているが、携帯電話等のような無線通信資源に制限がある場合には、通信に要する費用が問題になっている。
【0004】
一方、PSTN(公衆交換電話)網を経由して受信したテレビ電話端末からのテレビ電話映像をインターネット上で動画として閲覧可能とする動画蓄積配信方法としては、特許文献1の例が挙げられるが、インターネット上に動画配信するため、携帯電話やPCでの閲覧はやはりパケット交換方式になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−88130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、テレビ機能を有する電話機に回線交換方式を用いて動画像を配信する動画配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の動画配信システムは、テレビ電話機能を有する複数の電話機と、前記電話機と回線交換方式により接続して音声及び動画像を送受信する回線交換機と、前記回線交換機に接続されて音声及び動画像からなるコンテンツを提供するコンテンツ配信装置と、から構成され、前記回線交換機は、発呼要求した各電話機と一つの代表電話番号に対応した異なる電話番号の所定数の回線に前記コンテンツを配信する前記コンテンツ配信装置とを接続し、前記コンテンツ配信装置は、前記回線交換機を介して接続された前記電話機に所定のコンテンツを配信することを特徴とする。
前記コンテンツ配信装置は、前記回線交換機を介して前記電話機と接続し、前記電話機からテレビ電話機能により送信された音声及び動画像を保存するコンテンツ保存手段と、前記コンテンツ保存手段で保存された音声及び動画像からなるコンテンツを前記電話機に配信するコンテンツ配信手段と、を有することが好ましい。
前記コンテンツ配信装置は、前記回線交換機を介して予め登録された電話機を所定の日時に呼び出し、自動着信設定された該電話機に所定のコンテンツを配信するスケジュール配信手段を有し得る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、テレビ電話機能を用いてビデオ映像等の動画を配信するように構成したので、特定の電話番号宛に電話をかけるという操作のみで動画を取得することができ、テレビ電話機能を有する帯電話の場合、複雑な操作を回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による動画配信システムの概略構成図である。
【図2】図1に示す動画配信システムの再生時の流れの一例を示す説明図である。
【図3】図1に示す動画配信システムの録画時の流れの一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す動画配信システムの録画時の流れの他の例を示す説明図である。
【図5】図1に示す動画配信システムの録画時の流れの更に他の例を示す説明図である。
【図6】図1に示す動画配信システムの一斉配信時の流れの一例を示す説明図である。
【図7】図1に示す動画配信システムの一斉配信時の流れの他の例を示す説明図である。
【図8】図1に示す動画配信システムの情報登録時の流れの一例を示す説明図である。
【図9】図1に示す動画配信システムの情報登録時の流れの他の例を示す説明図である。
【図10】図1に示す動画配信システムの情報登録時の流れの更に他の例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態による動画配信システムの再生時の一例の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の動画配信システムを実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による動画配信システムの概略構成図であり、以下、テレビ電話機能を備えた携帯電話を配信対象にした例を基に説明する。
【0012】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による動画配信システムにおいて、テレビ(TV)電話機能を有する複数の携帯電話2aは、基地局及び携帯電話通信網3aを介してISDN(サービス総合デジタル網)を含むPSTN(公衆交換電話網)4と接続される。PSTN4にはテレビ電話機として複数のISDN専用端末2cも接続される。本実施形態では、PSTN4と回線交換機11はISN1500で接続され23×n回線の通話を可能とする。
【0013】
本実施形態による動画配信システムにおけるコンテンツ配信システム(回線交換機及びコンテンツ配信装置)100にはテレビ電話機能を有する複数の携帯電話2a及び専用端末2cがPSTN4を介して接続され、各携帯電話2a及び専用端末2cと回線交換機11を介して回線接続される。コンテンツ配信システム100は、コンテンツ保存手段により、音声(音楽)及び動画(映像)を含むコンテンツをファイルサーバ(FTPサーバ)14に保存し、コンテンツ配信手段により、要求があった各携帯電話2a及び専用端末2cに回線交換機11を介して保存されたコンテンツを配信する。回線交換機11は、代表番号機能を有し、複数の異なる電話番号の回線を所定のコンテンツを配信するために割り当てることができ、利用状況に応じて同一のコンテンツをそれぞれの電話回線に割り当てることで、輻輳を避けるようにする。
【0014】
トランスコーダ12は、エンコード/デコード(符号化/復号化)やトランスコードにより音声及び動画のフォーマット変換を行うもので、ファイルサーバ14に動画ファイルを保存する際や、ファイルサーバ14から動画ファイルを取出しテレビ電話として送信する際に用い、主にリアルタイムトランスコードを担う。携帯電話2aと専用端末2cでは解像度、フレームレート、フォーマット等が異なり、例えば携帯電話2aでは、64kbpsの回線交換方式によりQCIFサイズ(176×144ピクセル)、15フレーム/秒で動画を扱い、専用端末2cでは、INS64の2Bチャンネルの64kbps×2chによりH.320プロトコル等を用いて最大704×408ピクセルの画像を扱う。音声符号化方式には、電話音声を対象としたG.711や広帯域音声のG.722を用いる。また、後述するインターネット配信の際にもH.323や高圧縮なAVC/H.264映像ストリーム等を用いたリアルタイム変換を行う。
【0015】
コンテンツ配信システム100は、テレビ電話機能を持たない携帯電話2bやスマートフォン等とWebブラウザや専用アプリケーションを用いて動画の授受ができるようにWebサーバ17と動画配信用のストリーミングサーバ13を備える。また無線LAN、ADSLやFTTH等によりインターネット接続可能なスマートフォンやPC(パーソナルコンピュータ)と音声及び画像の授受を行うSIP(Session Initiation Protocol)サーバ18を備える。
【0016】
テレビ電話機能を持たない複数の携帯電話2bは、基地局及び携帯電話通信網3bを介してインターネット5と接続され、コンテンツ配信システム100とインターネット5を介してパケット交換方式により接続される。インターネット5にはコンテンツ配信システム100の各種情報を遠隔処理するための管理PC6が接続される。
【0017】
コンテンツ配信システム100には、他に、電話機(携帯電話2a、2b及び専用端末2c)と連絡情報を授受するためのメールサーバ16、電話機2a〜2cとの音声自動応答機能を備えたCTI(Computer Telephony Integration)20、主に顧客情報を保存するデータベース(DB)サーバ15、顧客情報及びコンテンツ配信システム100内の装置等を管理するための管理サーバ21、上記コンテンツ配信システム100の機能を司り、所定日時に動画を自動配信するスケジュール配信手段等を機能させるアプリケーションサーバ19が含まれる。DBサーバ15には、顧客情報として発番、パスワード、着番等が保存される。
【0018】
上記各種サーバ、コンテンツ保存手段、コンテンツ配信手段等を備えたコンテンツ配信システム100は、ワークステーションや市販のPCを用いて構成でき、図示していないCPU、MPU等の中央処理装置、メモリ、ハードディスク等の記憶装置、キーボードやマウス等の入力装置、画像やテキスト等を表示する表示装置、及び通信手段や、これらを構成するMPU、メモリ、ハードディスク等の記憶装置、画像やテキスト等を表示する表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、及び通信に関する入出力装置等(通信手段)の説明及びその構成図面は省略する。また、各種装置、手段、サーバは必ずしもそれぞれが分離されて構成されたものではなく一つのPC等の装置内に複数の機能を実装して構成することもできる。
【0019】
図2〜図10は、図1に示す動画配信システムの再生、録画、一斉配信、情報登録のそれぞれの動作の流れの例を示す説明図である。
【0020】
図2は、図1に示す動画配信システムの再生時の流れの一例を示す説明図である。
【0021】
図2を参照すると、先ず、テレビ電話機能を備えた携帯電話2aは、ユーザが所望する動画を受信するために指定された電話番号に電話を架けることで、コンテンツ配信システム100に(1)動画閲覧要求を行う。コンテンツ配信システム100は、基地局及び携帯電話通信網3aとPSTN4及び回線交換機11を介して動画閲覧要求を受けると、発呼のあった電話機の電話番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されるとファイルサーバ14に保存された該当する動画ファイルを指定し、回線交換機11を介して動画を配信できるように(3)動画ファイル準備を行う。動画配信の準備が整うと、コンテンツ配信システム100の回線交換機11は、トランスコーダ12と連携して動画ファイルを対応する携帯電話2aの動画フォーマットに適合した形式に変換しながら携帯電話2aに(4)動画配信する。
【0022】
テレビ電話機能を持たない携帯電話2bは、ユーザが所望する動画を受信するために指定されたURLにアクセスしてWebブラウザを操作することで、コンテンツ配信システム100に(1)動画閲覧要求を行う。コンテンツ配信システム100は、基地局及び携帯電話通信網3bとインターネット5を介して動画閲覧要求を受けると、ファイルサーバ14に保存された該当する動画ファイルを指定し、インターネット5を介して動画を配信できるように(2)動画ファイル準備を行う。動画配信の準備が整うと、コンテンツ配信システム100のWebサーバは、ストリーミングサーバ13と連携して動画ファイルを対応する携帯電話2bの動画フォーマット、例えばAVC/H.264映像ストリームに変換しながら携帯電話2bに(3)動画配信する。
【0023】
図3〜図5は、図1に示す動画配信システムの録画時の流れの例を示す説明図であり、図3はテレビ電話機能を備えた携帯電話2aの場合、図4はテレビ電話機能を持たない携帯電話2bからWeb画面上で操作しアップロードする場合、図5はテレビ電話機能を持たない携帯電話2bからメールに添付して送付する場合又はPC7からWeb画面上で操作しアップロードする場合の一例である。
【0024】
図3を参照すると、テレビ電話機能を備えた携帯電話2aは、ユーザが動画を保存するために指定された電話番号に電話を架けることで、コンテンツ配信システム100に(1)録画作業要求を行う。コンテンツ配信システム100は、基地局及び携帯電話通信網3aとPSTN4及び回線交換機11を介して録画作業要求を受けると、発呼のあった電話機の電話番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、回線交換機11を介してファイルサーバ14に保存する動画ファイルを受信及び保存できるように(3)ファイル準備を行う。ユーザが(4)ガイダンスに従って携帯電話2aにより(5)録画作業を行い、携帯電話2aから録画データが送信されると、コンテンツ配信システム100の回線交換機11は、トランスコーダ12と連携して録画データをファイルサーバ14に保存する動画フォーマットに適合した形式に変換しながらファイルサーバ14又は一時記憶領域(図示せず)に(6)一時的なファイルとして取り込む。コンテンツ配信システム100から録画保存の(7)確認メッセージ又は確認画面が携帯電話2aに送信され、ユーザが確認操作をすることで携帯電話2aから(8)保存指示が送信される。保存指示を受信したコンテンツ配信システム100は、一時的なファイルとして取り込まれた録画ファイルを恒久データとしてファイルサーバ14に(9)保存蓄積する。
【0025】
図4を参照すると、テレビ電話機能を持たない携帯電話2bは、ユーザが動画を保存するために指定されたURLにアクセスしてWebブラウザを操作することで、コンテンツ配信システム100に(1)録画作業要求を行う。コンテンツ配信システム100は、基地局及び携帯電話通信網3bとインターネット5を介して録画作業要求を受信すると、発呼のあった電話機の電話番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、Webサーバ17を介してファイルサーバ14に保存する動画ファイルを受信及び保存できるように(3)ファイル準備を行う。ユーザが(4)ガイダンスに従って携帯電話2bにより(5)録画作業を行い、携帯電話2bから録画データが送信されると、コンテンツ配信システム100のWebサーバ17は、録画データをファイルサーバ14又は一時記憶領域(図示せず)に(6)一時的なファイルとして取り込む。Webサーバ17から録画保存の(7)確認メッセージ又は確認画面が携帯電話2bに送信され、ユーザが確認操作をすることで携帯電話2bから(8)保存指示が送信される。保存指示を受信したコンテンツ配信システム100は、Webサーバ17を介して一時的なファイルとして取り込まれた録画ファイルを恒久データとしてファイルサーバ14に(9)保存蓄積する。
【0026】
図5を参照すると、PC7は、携帯電話2a、2bによるリアルタイム録画の代わりに予め録画した画像データをコンテンツ配信システム100に保存することができる。ユーザが動画を保存するために指定されたURLにアクセスしてWebブラウザを操作することで、コンテンツ配信システム100に(1)録画データの登録要求をする。その際、予め登録した対応する携帯電話2a、2bの発番号も入力し送信する。コンテンツ配信システム100は、インターネット5を介して録画データ登録要求及び発番号を受信し、電話機の発番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、Webサーバ17を介してPC7から録画データを受信し、ファイルサーバ14に(3)ファイル保存する。
【0027】
テレビ電話機能を持たない携帯電話2bからは、予め録画した画像データをメールの添付ファイルとしてコンテンツ配信システム100に保存することができる。ユーザが動画を保存するために指定されたメールアドレスに宛てて(1)録画データをメールに添付して送信する。コンテンツ配信システム100はメールサーバ16を介して受信した携帯電話2bの発番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、メールサーバ16を介して携帯電話2bから受信した録画データを、ファイルサーバ14に(3)ファイル保存する。
【0028】
図6、図7は、図1に示す動画配信システムの一斉配信時の流れの例を示す説明図であり、図6は携帯電話2a、2bにメールで電話番号及びURLを通知する場合、図7はテレビ電話機能を備えた携帯電話2aには直接動画を配信し、テレビ電話機能を持たない携帯電話2bにはメールで通知する場合の一例である。
【0029】
図6を参照すると、コンテンツ配信システム100は、スケジュール配信手段により定期的にDBサーバ15を参照して対象となる登録者の配信先を検索し、予め設定された配信指定日時になると回線交換機11を介した動画一斉配信の(1)日時指定配信先を確認する。また、併せてメールサーバ16に動画受信のための電話番号及びWeb参照のためのURLを掲載した(2)配信メールの準備をさせる。メールサーバ16は、メール配信準備が整うと対象となる登録者の携帯電話2a、2bに電話番号及びURLを通知する(3)メールを一斉配信する。携帯電話2a、2bは、メールを受信し、ユーザが指定された電話番号に電話を架けるか又はWebブラウザより指定されたURLを入力すると、コンテンツ配信システム100に回線交換機11又はWebサーバ17を介して(4)動画閲覧要求を行う。コンテンツ配信システム100は、回線交換機11又はWebサーバ17を介して要求された携帯電話2a、2bの電話番号をDBサーバ15に照会して(5)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されるとファイルサーバ14に保存された一斉配信用の動画ファイルを指定し、回線交換機11又はWebサーバ17を介して動画を配信できるように(6)動画ファイル準備を行う。動画配信の準備が整うと、コンテンツ配信システム100は、回線交換機11の場合、トランスコーダ12と連携して動画ファイルを対応する携帯電話2aの動画フォーマットに適合した形式に変換しながら携帯電話2aに(7)動画配信し、Webサーバ17の場合、ストリーミングサーバ13と連携して動画ファイルを対応する携帯電話2bの動画フォーマットに変換しながら携帯電話2bに(7)動画配信する。
する。
【0030】
図6では、テレビ機能を備えた携帯電話2aを、Webブラウザを備えた携帯電話2bとして機能させ、PSTN4又はインターネット5のどちらかをユーザが選択できるようにした例について説明したが、図7は、テレビ機能を備えた携帯電話2aとテレビ電話機能を持たない携帯電話2bとを区別して配信する例を示している。図7を参照すると、コンテンツ配信システム100は、スケジュール配信手段により定期的にDBサーバ15を参照して対象となる登録者の配信先を検索し、予め設定された配信指定日時になると、テレビ機能を備えた携帯電話2aに対しては回線交換機11を介した動画一斉配信の(1)日時指定配信先を確認する。また、テレビ機能を持たない携帯電話2bに対してはメールサーバ16にWeb参照のためのURLを掲載した(2)配信メールの準備をさせる。テレビ機能を持たない携帯電話2bの場合、メールサーバ16は、メール配信準備が整うと対象となる登録者の携帯電話2bにURLを通知する(3)メールを一斉配信する。携帯電話2bは、メールを受信し、ユーザがWebブラウザより指定されたURLを入力すると、コンテンツ配信システム100にWebサーバ17を介して(4)動画閲覧要求を行う。一方、回線交換機11は、ファイルサーバ14に保存された一斉配信用の動画ファイルを指定し、回線交換機11を介して動画を配信できるように(2)動画ファイル準備を行う。動画配信の準備が整うと、コンテンツ配信システム100は、回線交換機11の場合、トランスコーダ12と連携して動画ファイルを対応する携帯電話2aの動画フォーマットに適合した形式に変換しながら携帯電話2aに(3)動画配信し、Webサーバ17の場合、ストリーミングサーバ13と連携して動画ファイルを対応する携帯電話2bの動画フォーマットに変換しながら携帯電話2bに(5)動画配信する。
【0031】
図8〜図10は、図1に示す動画配信システムの情報登録時の流れの例を示す説明図であり、図8は一般の電話機による場合、図9は、テレビ電話機能による場合、図10はWebブラウザによる場合の一例である。
【0032】
図8を参照すると、携帯電話2a、2b又は一般の電話機2dは、PSTN4を介してユーザが情報を登録、変更するために指定された電話番号に電話を架けることで、コンテンツ配信システム100に(1)編集作業要求を行う。コンテンツ配信システム100は、回線交換機11を介して編集作業要求を受けると、発呼のあった電話機の電話番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、回線交換機11とCTI20とを接続して(3)音声ラインに切り替え、音声自動応答処理をさせる。CTI20は、携帯電話2a又は一般電話2dと会話をして(4)音声認識による登録情報の変更処理を行い、DBサーバ15又はファイルサーバ14の該当する情報又はファイルの更新、登録処理を行う。処理される内容としては、契約者情報、登録者情報の変更、登録、削除、一斉配信日時の指定等が挙げられる。本実施形態においてこれらの登録は発番号、パスワード、着番号の組み合わせで可能になる。
【0033】
図9を参照すると、テレビ電話機能を備えた携帯電話2aは、ユーザが情報を登録、変更するために指定された電話番号に電話を架け、テレビ電話機能を活用してコンテンツ配信システム100に(1)編集作業要求を行う。コンテンツ配信システム100は、回線交換機11を介して編集作業要求を受けると、発呼のあった電話機の電話番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、コンテンツ配信システム100は、回線交換機11を介してテレビ電話機能を活用し、アプリケーションサーバ19によりユーザにDBサーバ15又はファイルサーバ14の該当する情報又はファイルの(3)編集作業を行わせ、契約者情報、登録者情報の変更、登録、削除、一斉配信日時の指定等を行う。
【0034】
図10を参照すると、PC7又はテレビ電話機能を持たない携帯電話2bは、ユーザが情報を登録、変更するために指定されたURLにアクセスしてWebブラウザを操作することで、コンテンツ配信システム100に(1)編集作業要求を行う。PC7の場合は予め登録した対応する携帯電話2a、2bの発番号も入力し送信する。コンテンツ配信システム100は、Webサーバ17を介して編集作業要求及び発番号を受信し、電話機の発番号をDBサーバ15に照会して(2)発番チェックを行う。発番号が登録済みの電話番号であることが確認されると、コンテンツ配信システム100は、Webサーバ17を介してユーザにDBサーバ15又はファイルサーバ14の該当する情報又はファイルの(3)編集作業を行わせ、契約者情報、登録者情報の変更、登録、削除、一斉配信日時の指定等を行う。
【0035】
図11は、本発明の一実施形態による動画配信システムの再生時の一例の処理フロー図であり、テレビ電話機能を有する電話機を対象にした再生時の処理の一例である。
【0036】
図11を参照すると、先ず、ユーザが電話機を操作して所望する動画を受信するために指定された電話番号に電話を架けると、コンテンツ配信システム100は、受信した電話番号がテレビ電話機能を有するか否かを判断する(ステップS101)。一般電話の場合は切断終了し、テレビ電話の場合は非通知設定がなされているか否かを判断する(ステップS102)。非通知設定がなされていた場合は切断終了し、通知設定の場合は着信処理をする。
【0037】
コンテンツ配信システム100は、着信後、アプリケーションサーバ19により、テレビ電話機能を作動させ、冒頭ガイダンス(ステップS103)及び操作ガイダンス(S104)をテレビ電話機に送信する。ユーザが操作ガイダンスに従って電話機の操作ボタン(1)を押下すると、さらにガイダンスが表示されて(ステップS106)具体的なテレビ電話による動画配信についての説明がなされる。ガイダンス表示を10秒以上放置すると自動的に切断終了する(ステップS106)。ステップS104の操作ガイダンス表示中にユーザが操作ボタン(2)を押下すると動画1が配信され(ステップS107)、操作ボタン(3)を押下すると動画2が配信される(ステップS108)。本実施例では、動画1及び2の配信は各1回ずつ可能であり、2回続けて受信しようとすると(ステップS109)、制限回数オーバーのガイダンスが表示されて切断終了する(ステップS110)。動画1又は2を1回再生した後に動画2又は1を1回再生することが可能である。また、動画の種類数は2に限らず適宜増加することが可能である。
【0038】
最後に、本発明による動画配信システムの応用(アプリケーション)例について説明する。動画配信システムの応用例としては、タイムサービス、在宅介護者安否確認サービス、ビデオレターサービス等の例が挙げられる。
【0039】
タイムサービスは、飲食店、スーパーマーケット等の各種店舗で、主に客の入りが減る時間帯や商品割引を行う時間帯に登録会員に通知して動画配信する。テレビ電話番号は、店舗に入らなくても見えるように、看板やポスター、チラシ等に掲載する。飲食店、スーパーマーケット等の各種店舗は、配信する動画をコンテンツ配信システム100にテレビ電話機能又はWebブラウザを利用して予めファイルサーバ14に録画しておく。録画されるとメールサーバ16を介して録画確認メールが登録会員に通知される。ユーザは掲載された電話番号にテレビ電話を架けて動画を受信する。店舗は、店舗の広告と共にテレビ電話の電話番号に自動発信するリンクを埋め込んだメールを予め登録した日時にユーザに配信することもできる。自動発信するリンクとして3次元コードを用いてもよい。
【0040】
在宅介護者安否確認サービスは、コンテンツ配信システム100からテレビ電話機能を備えた携帯電話2aに宛てて自動発信され、携帯電話2aが着信すると所定時間、例えば数十秒程度の動画ガイダンスが流れる。被介護者が切断処理するか又は所定時間経過後にコンテンツ配信システム100側からタイムアウトによる切断処理をする。テレビ電話による被介護者側の映像はファイルサーバ14に録画ファイルとして自動保存され、保存後、指定された介護者の電話番号にコンテンツ配信システム100から1回呼び出しを行う。介護者は、呼び出しを受けた電話機に残された着信履歴を電話帳に登録することができる。携帯電話2aからリダイヤルすることで、録画された動画を見ることができる。被介護者の携帯電話2aを自動着信設定しておき、カメラを被介護者に向けておくことで、被介護者の介入なしにその様子を確認することができる。このサービスは、例えばペットの留守時確認サービスとしても使用できる。
【0041】
ビデオレターサービスは、動画メッセージを録画しておくことで、家族、親族、友人が好きな時間にその動画を閲覧することができる。携帯電話2aから指定先電話番号に宛ててテレビ電話を架けると、コンテンツ配信システム100は着信後にガイダンスを携帯電話2aに送出して録画番号をプッシュボタンでユーザに入力させ、プッシュボタンの押下により録画が開始され、所定時間後、例えば数十秒後に切断される。テレビ電話の映像はファイルサーバ14に録画ファイルとして自動保存され、保存後、指定された配信先の電話番号にコンテンツ配信システム100から1回呼び出しを行う。閲覧者は、呼び出しを受けた電話機に残された着信履歴を電話帳に登録することができる。携帯電話2aからリダイヤルすることで、録画された動画を見ることができる。このサービスは、例えば注文住宅の現場状況録画等にも利用できる。録画された画像の再生は、呼び出しを受けた電話機だけではなく、許可された登録者がテレビ電話画面から選択できるようにしてもよい。
【0042】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
2a〜2d 電話機(携帯電話)
3a、3b 携帯電話通信網
4 PSTN(公衆交換電話網)
5 インターネット
6 管理PC
7 PC
11 回線交換機
12 トランスコーダ
13 ストリーミングサーバ
14 ファイルサーバ
15 DBサーバ
16 メールサーバ
17 Webサーバ
18 SIPサーバ
19 アプリケーションサーバ
20 CTI
21 管理サーバ
100 コンテンツ配信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ電話機能を有する複数の電話機と、
前記電話機と回線交換方式により接続して音声及び動画像を送受信する回線交換機と、
前記回線交換機に接続されて音声及び動画像からなるコンテンツを提供するコンテンツ配信装置と、から構成され、
前記回線交換機は、発呼要求した各電話機と一つの代表電話番号に対応した異なる電話番号の所定数の回線に前記コンテンツを配信する前記コンテンツ配信装置とを接続し、
前記コンテンツ配信装置は、前記回線交換機を介して接続された前記電話機に所定のコンテンツを配信することを特徴とする動画配信システム。
【請求項2】
前記コンテンツ配信装置は、前記回線交換機を介して前記電話機と接続し、
前記電話機からテレビ電話機能により送信された音声及び動画像を保存するコンテンツ保存手段と、
前記コンテンツ保存手段で保存された音声及び動画像からなるコンテンツを前記電話機に配信するコンテンツ配信手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の動画配信システム。
【請求項3】
前記コンテンツ配信装置は、前記回線交換機を介して予め登録された電話機を所定の日時に呼び出し、自動着信設定された該電話機に所定のコンテンツを配信するスケジュール配信手段を有することを特徴とする請求項1に記載の動画配信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−23568(P2012−23568A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160039(P2010−160039)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.INS
【出願人】(510194404)株式会社ちょこモ (1)
【Fターム(参考)】