説明

動的イメージのモーション遷移処理方法とそのシステム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】動的イメージのモーション遷移処理方法を提供する。
【解決手段】本方法は、事前記録されたモーションデータがクラスタ化されて、グラフィック構造を生成する。グラフィック構造の経路情報が、経路探索操作により得られる。二モーションクリップの要求されたモーション遷移データは、経路情報に基づいて読み取られ、調整される。モーションクリップは、リアルモーションデータにより融合される。これにより、動作の変化性を増やし、互換性を増加させ、不自然な表示を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理に関するものであって、特に、動的イメージ(動きのあるイメージ)のモーション(動き)遷移処理方法とそのシステム、及び、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータアニメーションやゲームにおいて、登場人物の動作を更にリアルにするため、登場人物の動作を直接捕捉するモーションキャプチャ(motion capture)技術が幅広く用いられている。しかし、モーションキャプチャ技術を直接、相互作用システム(ロールプレイングゲーム)に適用するには、大量の各種角度や反応の動作を記録する必要があり、表現される動的効果は抽出した動作に限られる。
【0003】
動作の変化性を拡充するため、モーションブレンディング法(Motion Blending )とモーション遷移(Motion Transition)を使用することができる。モーションブレンディング技術は、補間(Interpolation )法と異なる重み付けを利用し、多段のアニメーションクリップを処理することにより新しい動作を生成し、運動変動性を豊富にする。モーション遷移技術は、異なるモーションクリップを融合(併合)してイメージバッファに追加して、補間法により融合するモーションクリップ間の融合部分の動きを円滑にする。
【0004】
図1で示されるように、データ遷移技術は、モーションクリップAとモーションクリップBが、リアルタイム生成器を有するモーションクリップCにより融合され、モーションクリップAからモーションクリップBのデータ遷移を円滑にする。しかし、従来のモーション遷移は、数学アルゴリズム(例えば、補間)により、直接、2モーションクリップ間のモーション遷移データ(対象(登場人物)の節点回転の値)を生成するので、不自然な表示が生成され、生成されたモーション遷移データは変化性がない。
よって、動的イメージの改善されたモーション遷移処理方法とそのシステムが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、動的イメージのモーション遷移処理方法を提供し、上述の問題を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る動的イメージのモーション遷移処理方法の具体例は、以下のようである。複数のイメージフレームからなる少なくとも1つのモーションデータを事前記録する。イメージフレームがクラスタ化されて、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成する。第1モーションクリップと第3モーションクリップを融合する少なくとも1つの第2モーションクリップのグラフィック構造中に所在するモーションクラスタが決定される。経路探索操作が実行されて、グラフィック構造に、第2モーションクリップに対応する少なくとも1つのモーション経路があるかを判断する。モーション経路があった場合、モーション経路に沿った複数のモーションクラスタから少なくとも1つの第2モーションクリップを各々選択し、選択された複数の第2モーションクリップをモーション遷移データとして読み出す。第2モーションクリップは調整され、第1モーションクリップと第3モーションクリップは、第2モーションクリップにより融合される。
【0007】
また本発明によれば、動的イメージのモーション遷移処理システムが提供される。動的イメージのモーション遷移処理システムの具体例は、データベース、データクラスタとグラフィックモジュール、決定モジュール、及び、モーション調整と融合モジュールを有する。データベースは、複数のイメージフレームからなる少なくとも1つの事前記録モーションデータを記録する。データクラスタとグラフィックモジュールはイメージフレームをクラスタ化して、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成する。決定モジュールは、第1モーションクリップと第3モーションクリップを融合する少なくとも1つの第2モーションクリップのグラフィック構造中に所在するモーションクラスタを決定し、経路探索操作が実行されて、グラフィック構造で、第2モーションクリップに対応する少なくとも1つのモーション経路があるか判断する。モーション経路がある場合、モーション調整と融合モジュールが、モーション経路に沿った複数のモーションクラスタから、少なくとも1つの第2モーションクリップを各々選択し、選択された複数の第2モーションクリップをモーション遷移データとして読み出し、第2モーションクリップを調整し、第1モーションクリップと第3モーションクリップを第2モーションクリップにより融合する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、不自然な表示が生成され、生成されたモーション遷移データは変化性がないという欠点が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の目的、特徴、長所を分かりやすくするため、以下、好ましい実施例を図2〜図11により説明する。以下の開示は、本発明の種々の特徴を適用した種々の異なる実施形態が提供されることを説明するもので、本実施形態の例のみに限定されるものではない。実施例中の各素子の配置は説明のための一例であって、これに限定するものではない。また、実施例中の符号の一部が重複しているのは、説明を簡潔にするためであり、異なる実施例間の関連性を意味するものではない。
【0010】
本発明は、動的イメージのモーション遷移処理方法とそのシステムを提供する。
動的イメージのモーション遷移処理方法とそのシステムの具体例は、事前記録したモーションデータをクラスタ化してグラフィック構造を生成し、経路探索メカニズムにより適切な経路情報を得て、経路情報から、2つのモーションクリップの融合(遷移)に必要な遷移データを読み取り、遷移データの細部を調整する。モーションクリップは、リアルモーションデータ(実際のモーションデータ)により融合されるので、動作多様性を増加し、相互作用を増加させ、不自然なイメージを減少させる。
【0011】
本発明は、事前記録されたモーションデータにより、モーション遷移データを生成する。クラスタ化とグラフィック構造化処理が事前記録モーションデータに実行され、最適なモーション遷移データが経路探索操作により生成されて、2つのモーションクリップ間の融合部分の動きを円滑にする。事前記録されたリアルモーションデータによりモーション遷移データを生成するので、不自然な表示を改善し、モーションの多様性を達成することができる。図2で示されるように、複数のイメージフレーム(P,P,…,P,…P…)の各モーション状態(動きの状態)を互いに比較し、類似のモーション状態であるイメージフレームは同一のイメージクリップにクラスタ化され、構造化処理がなされる。
【0012】
注意すべきことは、“モーション状態”は、イメージフレーム中の人物(対象)のモーション状態を示す。よって、モーション状態を記述(描写)することは、モーション状態に対応するイメージフレームを記述(描写)することを指し、故に、ここで詳述しない。
【0013】
図3は本発明の動的イメージのモーション遷移処理方法を示すフローチャートである。
複数のイメージフレームからなるモーションデータが事前記録される(工程31)。イメージフレームがクラスタ化されて、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成する(工程32)。モーションデータクラスタ化が実行される時、まず、イメージフレームの対象(人物、役割)の状態の類似性(相似性)を決定しなければならない。図4で示されるように、第1イメージフレーム(例えば、P1)のモーション状態は、第1モーションクラスタ(例えば、クラスタ1)の中央モーション状態(中央イメージフレーム)で、その中央モーション状態ともう1つのイメージフレーム(例えば、P2)のモーション状態との間の差異は、類似度計算方法により決定される。差異が所定のスレショルド値より小さい場合、P2のイメージフレームはクラスタ1に融合される。差異が所定のスレショルド値より大きい場合、新しいモーションクラスタ(例えば、クラスタ2)が生成され、P2のモーション状態はクラスタ2の中央モーション状態となる。上述の工程が繰り返され、各イメージフレームの各モーション状態と各クラスタの各中央モーション状態を比較し、クラスタに統合するか、新しいクラスタを生成する。これにより、自動的クラスタ工程を完成する。本具体例において、生成されたクラスタは、クラスタ1(C1)、クラスタ2(C2)、クラスタ3(C3)、及び、クラスタ4(C4)からなり、図4で示されるように、それぞれ、複数のモーションクリップを有する。
【0014】
モーション状態の類似度計算方法は以下のようである。あるモーション状態が他のモーション状態と類似しているか否かの判断は、両モーション状態の対応する各ジョイントノード間の空間中の距離ギャップに従って行う。図5で示されるように、P()は、モーション状態の全ジョイントノードの空間中の位置の集合として定義される。よって、P(v,v,…,v) とP(q,q,…,q) は、それぞれ、2つの各モーション状態の全ジョイントノード中の空間中の位置の集合を示す。両モーション状態間の差異は、D=P−T×W×Pとして定義される。Tは両モーション状態の原始配列の転換マトリクスを示し、Wは各ジョイントの重みづけを示す。差異は、所定のスレショルド値と比較されて、両モーション状態の類似度が充分か判定する。
【0015】
クラスタ化完了後、各クラスタ間の関係が形成されて、最終的に、グラフィック構造を形成する。類似するモーション状態は同一クラスタに分類されるので、同一のクラスタに併合され、且つ、同じイメージデータ(事前記録のモーションデータ)に存在する近接したモーション状態は、モーションクリップの部分を形成する。図6で示されるように、クラスタ1がモーションクリップa(図示しない)を含み、クラスタ2がモーションクリップb(図示しない)を含む時、モーションクリップaは、モーションデータ中で、モーションクリップbより前に位置し、クラスタ1からクラスタ2に導くモーション経路が決定される。上述の工程が繰り返され、各クラスタ間の関係の形成を完成する。
【0016】
注意すべきことは、図6で示されるように、クラスタ1の中央フレーム(中央モーション状態)は原始モーションデータの第1フレームで、クラスタ2の中央フレーム2は原始モーションデータの第5フレームで、クラスタ3の中央フレームは原始モーションデータの第iフレームで、クラスタ4の中央フレームは、原始モーションデータの第jフレームであるが、これに制限されない。
【0017】
次に、融合するためのモーションクリップを提供するグラフィック構造中に所在するモーションクラスタを決定する(工程33)。図7で示されるように、モーションクリップMとMを融合する場合、クラスタ中でモーションクリップMに接続するイメージフレームMPとモーションクリップMに接続するイメージフレームMPがどこにあるかを探す必要がある。よって、両イメージフレームの状態が、各々、異なるクラスタに存在するモーションクリップのモーション状態と比較され、融合するためのモーションクリップを提供するグラフィック構造中に所在するモーションクラスタが決定される。
【0018】
経路探索操作が実行されて、少なくとも1つのモーション経路があるか決定する(工程34)。異なるモーション経路は、モーション経路に沿ったモーションデータの異なる部分に基づいて、モーション遷移データの異なる部分が生成されることを示し、モーション遷移の高い弾力性を提供するものである。各クラスタから探し出したモーション経路は、イメージフレームMCとMCとを融合するモーションクリップの所在する各クラスタ位置を示す。全モーション経路は経路探索演算法(例えば、Greedy Search)により探される。図8で示されるように、モーション経路の起点はクラスタ1で、終点はクラスタ3で、モーション経路1(C→C→C)とモーション経路2(C→C→C→C)を有する。
【0019】
少なくとも1つのモーション経路がある時、モーション経路を経た各クラスタから、少なくとも1つのモーションクリップが選択されて、モーション遷移データとなる(工程35)。図9で示されるように、クラスタ1と2の全ての最適なモーションクリップは経路探索操作に基づいて探し出され、モーション状態類似性に基づいて、第1モーションクリップ群(MCG)、第2モーションクリップ群(MCG)、及び、第3モーションクリップ群(MCG)を生成する。各モーションクリップ群は複数のモーションクリップからなり、各モーションクリップは複数のイメージフレームからなる。第1モーションクリップクラスタの第1モーションクリップの第1モーション状態は、合成されたモーションクリップ(Syn_Mortion)の最後のモーション状態と比較されて、各モーション状態間の差異を得る。そのモーション状態の差異がスレショルド以下となる類似性を有し、所定のスレショルド値に対応するモーションクリップの長さを有するモーションクリップ群が選択され、選択されたモーションクリップ群のモーションクリップはモーション遷移データとなる。
【0020】
モーション経路が定められない場合、モーション遷移データは数学アルゴリズム(例えば、ベジエ補間法:Bezier interpolation)により生成される(工程36)。
要求されるモーション遷移データが得られた時、モーション遷移データが調整され、データ融合操作が実行される(工程37)。選択されたモーションクリップは、他の2つのモーションクリップと融合し、モーションクリップの定義された開始部分が他の終わり部分と混合されるために読み取られる。図10で示されるように、各モーションクリップ(例えば、モーションクリップMCとMC)の融合したいイメージ部分の長さがそれぞれ定義される。両イメージ部分は、動的時間偏移(Dynamic Time Wrapping )によりそれらの長さを等しくするように計算され、両者の関係が記録される。四元補間法(quaternion interpolation)により両モーションクリップのはじめと終わりを混合し、両モーションクリップの融合を完成する。
【0021】
図11は、本発明の実施例による動的イメージのモーション遷移処理システムを示す図である。
本発明の実施例による動的イメージのモーション遷移処理システムは、データベース100、データクラスタとグラフィックモジュール200、決定モジュール300、モーション調整と融合モジュール400を有する。データベース100は、複数のイメージフレームからなる少なくとも1つの事前記録モーションデータを記録する。データクラスタとグラフィックモジュール200はイメージフレームをクラスタ化して、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成する。決定モジュール300は、融合するモーションクリップのグラフィック構造中に所在するモーションクラスタを決定し、経路探索操作が実行されて、モーション経路があるか判断する。モーション経路がある場合、モーション調整と融合モジュール400が、複数のモーションクラスタから、少なくとも1つの第2モーションクリップを選択して、モーション遷移データとし、第2モーションクリップを調整して、第2モーションクリップにより、第1モーションクリップと第3モーションクリップを融合する。
【0022】
本発明の方法とシステム、或いは、具体例のある分野や部分は、フレキシブルディスク、CD−ROM、ハードドライバ、ファームウェア、或いは、その他のコンピュータが解読できる記憶媒体等の媒体に具体化されるプログラムコード(命令)の形式をとる。プログラムコードがロードされ、コンピュータなどの機械により実行される時、機械は本発明の実施例を実行する装置となる。本発明の方法と装置の公開は、光ファイバー、或いは、その他の形式の伝送手段により、電気配線、或いは、ケーブルなどの伝送媒体に伝送されるプログラムコードの形式で具体化される。プログラムコードが受信され、ロードされ、コンピュータなどの機械により実行される時、機械は、具体例を実行する装置となる。一般目的のプロセッサで実行する時、プログラムコードがプロセッサと結合されて、特定のロジック回路と同じように操作する特別な装置を提供する。
【0023】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、公知のデータ遷移を示す図である。
【図2】図2は、本発明のイメージフレームにクラスタ化とグラフィック化を実行する具体例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の動的イメージのモーション遷移処理方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明のクラスタ化イメージフレームを示す図である。
【図5】図5は、本発明のモーション状態の類似度を計算する図である。
【図6】図6は、本発明のイメージフレームにグラフィック化を実行する具体例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施例による融合したいモーションデータのグラフィック構造中に所在するクラスタを示す図である。
【図8】図8は、本発明のモーション経路探索を示す図である。
【図9】図9は、本発明の適切に選択されたモーションクリップによりイメージフレームを融合することを示す図である。
【図10】図10は、本発明のモーションクリップの混接を示す図である。
【図11】図11は、本発明の動的イメージのモーション遷移を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
100…データベース
200…データクラスタとグラフィックモジュール
300…決定モジュール
400…モーション調整と融合モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的イメージのモーション遷移処理方法であって、
複数のイメージフレームからなる少なくとも1つのモーションデータを事前記録する工程と、
前記イメージフレームをクラスタ化して、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成する工程と、
第1モーションクリップと第3モーションクリップを融合する少なくとも1つの第2モーションクリップの前記グラフィック構造中に所在するモーションクラスタを決定する工程と、
経路探索操作が実行されて、前記グラフィック構造に、前記第2モーションクリップに対応する少なくとも1つのモーション経路があるかを判断する工程と、
モーション経路があった場合、複数のモーションクラスタから、少なくとも1つの第2モーションクリップをそれぞれ選択し、複数の第2モーションクリップをモーション遷移データとして読み出す工程と、
前記第2モーションクリップを調整し、前記第1モーションクリップと前記第3モーションクリップが、前記第2モーションクリップにより融合される工程と、
を有することを特徴とする動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項2】
前記モーション経路がない場合、前記モーション遷移データは、数学アルゴリズムにより生成されることを特徴とする請求項1に記載の動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項3】
前記クラスタ化工程は、更に、
第1イメージフレームの第1モーション状態を、第1モーションクラスタの中央モーション状態とする工程と、
第2イメージフレームの第2モーション状態と前記中央モーション状態間の差異を決定する工程と、
前記差異が所定のスレショルド値以下の場合、前記第2イメージフレームを前記第1モーションクラスタに融合する工程と、
前記差異が前記所定スレショルド値以上の場合、第2モーションクラスタを生成し、前記第2モーションクラスタを前記第2モーションクラスタの中央モーション状態とする工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項4】
前記クラスタ化工程は、更に、前記第1と第2モーション状態に関連する各ジョイントノード間の空間の距離ギャップに従って、前記第1と第2モーション状態間の差異を決定する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項5】
更に、
前記第1と第3モーション状態間の類似性に従って、少なくとも1つの第1モーションクリップと少なくとも1つの第2モーションクリップを生成する工程と、
前記第1モーションクリップクラスタの前記第1モーションクリップの前記第1モーション状態と、合成されたモーションクリップの最後のモーションクリップを比較し、前記モーション状態間の差異を得る工程と、
前記スレショルド値に対応する前記差異のモーション状態に基づいて、所定のスレショルド値に対応するモーションクリップの長さを有する充分なモーションクリップクラスタを選択して、前記選択されたモーションクリップクラスタのモーションクリップを前記モーション遷移データとする工程と、
からなり、各モーションクリップクラスタは複数のモーションクリップを含み、各モーションクリップは複数のイメージフレームを含むことを特徴とする請求項3に記載の動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項6】
前記グラフィック構造は、少なくとも第1モーションクラスタと第2モーションクラスタを含み、前記クラスタ化工程は、更に、
前記第1と第2モーションクリップが同一のモーションデータに属する時、前記第1モーションクラスタから前記第2モーションクラスタにモーション経路を直接生成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項7】
前記第1モーションククリップと前記第3クリップを融合する工程は、更に、
前記第1モーションクリップの第1イメージ部分と前記第2モーションクリップの第2イメージ部分のイメージ長さを定義する工程と、
動的時間偏移方法により、前記第1と第2イメージ部分を計算し、前記イメージ部分の長さを等しくし、それらの相対関係を記録する工程と、
前記第1モーションクリップの前記第1イメージ部分と前記第2モーションクリップの前記第2イメージ部分を融合する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の動的イメージのモーション遷移処理方法。
【請求項8】
動的イメージのモーション遷移処理システムであって、
複数のイメージフレームからなる少なくとも1つの事前記録モーションデータを記録するデータベースと、
前記イメージフレームをクラスタ化して、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成するデータクラスタとグラフィックモジュールと、
第1モーションクリップと第3モーションクリップを融合する少なくとも1つの第2モーションクリップのグラフィック構造中に所在するモーションクラスタを決定し、経路探索操作が実行されて、グラフィック構造で、第2モーションクリップに対応する少なくとも1つのモーション経路があるか判断する決定モジュールと、
モーション経路がある場合、複数のモーションクラスタから、少なくとも1つの第2モーションクリップを選択し、複数の第2モーションクリップをモーション遷移データとして読み出し、前記第2モーションクリップを調整し、前記第1モーションクリップと前記第3モーションクリップを前記第2モーションクリップにより融合するモーション調整と融合モジュールと、
を有することを特徴とする動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項9】
前記モーションパスがない場合、前記モーション調整と融合モジュールは、数学アルゴリズムにより、前記モーション遷移データを生成することを特徴とする請求項8に記載の動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項10】
前記データクラスタとグラフィックモジュールは、第1イメージフレームの第1モーション状態を、第1モーションクラスタの中央モーション状態とし、第2イメージフレームの第2モーション状態と前記中央モーション状態間の差異を決定し、前記差異が所定のスレショルド値以下の場合、前記第2イメージフレームを前記第1モーションクラスタに融合し、前記差異が前記所定のスレショルド値より大きい場合、第2モーションクラスタを生成し、前記第2モーション状態を前記第2モーションクラスタの中央モーション状態とすることを特徴とする請求項8に記載の動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項11】
前記データクラスタとグラフィックモジュールは、前記第1と第2モーション状態に関連する各ジョイントノード間の空間の距離ギャップに従って、前記第1と第2モーション状態間の前記差異を決定することを特徴とする請求項10に記載の動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項12】
前記データクラスタとグラフィックモジュールは、前記第1と第3モーション状態間の類似性に従って、少なくとも1つの第1モーションクリップクラスタと少なくとも1つの第2モーションクリップクラスタを生成し、各モーションクリップは複数のイメージフレームからなり、前記第1モーションクリップの前記第1モーションクリップの前記第1モーション状態と、合成されたモーションクリップの最後のモーション状態を比較して、各モーション状態間の差異を得て、スレショルド値に対応する差異のモーション状態に基づいて、スレショルド値に対応するモーションクリップの長さを有する充分なモーションクリップクラスタを選択し、前記選択されたモーションクリップクラスタのモーションクリップを前記モーション遷移データとすることを特徴とする請求項10に記載の動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項13】
前記第1と第2モーションクリップが同一のモーションデータに属するが、それぞれ、前記グラフィック構造の第1と第2モーションクラスタに属する時、前記データクラスタとグラフィックモジュールは、前記第1モーションクラスタから前記第2モーションクラスタに直接モーション経路を生成することを特徴とする請求項8に記載の動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項14】
前記モーション調整と融合モジュールは、それぞれ、前記第1モーションクリップの第1イメージ部分と選択された前記第2モーションクリップの第2モーションクリップの第2イメージ部分の長さを定義し、動的時間偏移法により、前記第1と第2イメージ部分を計算して、前記イメージ部分を等しくし、関連性を記録して、前記第1モーションクリップの前記第1イメージ部分と前記第2モーションクリップの前記第2イメージ部分を融合することを特徴とする請求項8に記載の動的イメージのモーション遷移処理システム。
【請求項15】
動的イメージのモーション遷移処理方法を提供するコンピュータプログラムを記録するコンピュータが解読できる記憶媒体であって、コンピュータにより、
複数のイメージフレームからなる少なくとも1つのモーションデータを事前記録する工程と、
前記イメージフレームをクラスタ化して、複数のモーションクラスタからなるグラフィック構造を生成する工程と、
第1モーションクリップと第3モーションクリップを融合する少なくとも1つの第2モーションクリップの前記グラフィック構造中に所在するモーションクラスタを決定する工程と、
経路探索操作が実行されて、前記グラフィック構造に、前記第2モーションクリップに対応する少なくとも1つのモーション経路があるかを判断する工程と、
モーション経路があった場合、複数のモーションクラスタから、少なくとも1つの第2モーションクリップをそれぞれ選択し、複数の第2モーションクリップをモーション遷移データとして読み出す工程と、
前記第2モーションクリップを調整し、前記第1モーションクリップと前記第3モーションクリップが、前記第2モーションクリップにより融合される工程と、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記モーション経路がない時、前記モーション遷移データは、数学アルゴリズムにより生成されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
前記クラスタ化工程は、更に、
第1イメージフレームの第1モーション状態を、第1モーションクラスタの中央モーション状態とする工程と、
第2イメージフレームの第2モーション状態と前記中央モーション状態間の差異を決定する工程と、
前記差異が所定のスレショルド値以下の場合、前記第2イメージフレームを前記第1モーションクラスタに融合する工程と、
前記差異が前記所定スレショルド値以上の場合、第2モーションクラスタを生成し、前記第2モーションクラスタを前記第2モーションクラスタの中央モーション状態とする工程と、
を有することを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
前記クラスタ化工程は、前記第1と第2モーション状態に関連する各ジョイントノード間の空間の距離ギャップに従って、前記第1と第2モーション状態間の差異を決定する工程を含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項19】
更に、
前記第1と第3モーション状態間の類似性に従って、少なくとも1つの第1モーションクリップと少なくとも1つの第2モーションクリップを生成する工程と、
前記第1モーションクリップクラスタの前記第1モーションクリップの前記第1モーション状態と合成されたモーションクリップの最後のモーション状態を比較し、各モーション状態間の差異を得る工程と、
スレショルド値に対応する前記差異のモーション状態に基づいて、スレショルド値に対応するモーションクリップの長さを有する充分なモーションクリップクラスタを選択し、前記選択されたモーションクリップクラスタを前記モーション遷移データとする工程と、
からなり、
各モーションクリップクラスタは複数のモーションクリップを含み、各モーションクリップは複数のイメージフレームを含むことを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
前記グラフィック構造は、第1モーションクラスタと第2モーションクラスタとからなり、前記クラスタ化工程は、更に、
前記第1と第2モーションクリップが同一のモーションデータに属する時、前記第1モーションクラスタから直接、前記第2モーションクラスタにモーション経路を形成する工程を含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項21】
前記第1モーションクリップと前記第3モーションクリップを融合する工程は、更に、
前記第1モーションクリップの第1イメージ部分と前記選択された第2モーションクリップの第2モーションクリップの第2イメージ部分のイメージ長さをそれぞれ定義する工程と、
動的時間偏移法により、前記第1と第2イメージ部分を計算し、前記イメージ部分を等しくして、それらの関係を記録する工程と、
前記第1モーションクリップの前記第1イメージ部分と前記第2モーションクリップの前記第2イメージ部分を融合する工程と、
を有することを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−140464(P2009−140464A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47885(P2008−47885)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(599064731)インスティチュート フォー インフォメイション インダストリ (24)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE FOR INFORMATION INDUSTRY
【Fターム(参考)】