包帯製品、およびその製造方法
【課題】湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する湿潤硬化性樹脂を活用したロール状非パッド型包帯製品を提供する。
【解決手段】この包帯製品は所定の長さが排出されて利用される包帯材料10と、その包帯材料を収容する湿気非浸透性で再密封式の長形の包体25が含まれている。包帯材料は基体11と、基体に含浸あるいは塗布される反応性樹脂を含んでいる。反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な構造体を提供する。保護ライナー12が基体を包み、保管中の基体と包体の間のバリヤを提供する。保護ライナーは基体を包体から取り出した後に選択的に剥ぎ取り可能である。基体は基体と患者との間で保護パッドを介在させることができるようになっている。
【解決手段】この包帯製品は所定の長さが排出されて利用される包帯材料10と、その包帯材料を収容する湿気非浸透性で再密封式の長形の包体25が含まれている。包帯材料は基体11と、基体に含浸あるいは塗布される反応性樹脂を含んでいる。反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な構造体を提供する。保護ライナー12が基体を包み、保管中の基体と包体の間のバリヤを提供する。保護ライナーは基体を包体から取り出した後に選択的に剥ぎ取り可能である。基体は基体と患者との間で保護パッドを介在させることができるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は整形外科分野に関し、特には湿潤硬化性プラスチック材料で成る改良包帯製品及び包帯材料、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折等の身体部位の固定を必要とする怪我の治療に使用する包帯は一般的に四肢部位に巻き付けられた後に硬化して剛質構造体を提供する物質で含浸された布帯体状態で提供される。この硬化物質は一般的に石膏である。
【0003】
従来の方法は綿布等の保護カバーを四肢に巻き付けてから、使用直前に水中に浸された石膏含浸織布でギブスや副木を成型するものであった。この方法は現在も活用されているがいくつかの弱点がある。例えば、この方法は処置が面倒であり、時間もかかる。また、多くの部材と相当なる技術も要する。
【0004】
これら従来方法の弱点を軽減させるために一体型副木材料が考案されている。例えば米国特許第3900024号や4235228号で開示されたものである。これら特許は複数層の石膏含浸布によるパッド材料を解説する。このような一体型副木材料は利用がさほど面倒ではなく、手当ても迅速に行えるが石膏材料に特有な弱点は残る。全ての石膏副木は重量に比して強度が低く、副木を重くて嵩張らせる。石膏副木は硬化が遅く、最大強度に至るまでに24時間から72時間を要する。石膏は水中で容易に破壊されるので入浴及びシャワーは困難である。たとえ濡らすことが回避できたとしても、患者の長時間の発汗で石膏が脆くなり、悪臭や痒みの問題も引き起こす。
【0005】
ギブスや副木の大幅な技術進歩は米国特許第4411262号と第4502479号で紹介されている。これら特許で開示されたギブス材料は乾燥パッケージに収納された湿潤硬化性樹脂が含浸されたフレキシブルな布を含んだものである。石膏と較べてこれら製品は非常に軽量であり、重量に比して非常に頑丈で、比較的に多孔質とすることができ、ギブス材料内に空気を含ませる。従来の湿潤硬化製品はグラスファイバー布のごとき複数の布層を湿潤硬化性樹脂で含浸させた後に収納するパッケージを含んでいる。このパッケージは利用後に再密封できないため、パッケージから製品を取り出した後は全製品を迅速に利用しなければならない。なぜなら開封後にその湿潤硬化性樹脂は空中の湿気で比較的短時間に硬化するからである。
【0006】
米国特許第4770299号と第5003970号はロール形態の合成包帯製品を開示する。この製品は必要に応じて必要な長さの包帯を利用させ、残りを密封状態に保たせる。これら製品は両面にパッド材料を含んでいるため非常に有用であることが証明されており、迅速で簡単な適用を可能とする。同様な製品が1回用として湿気防止パッケージに収納されて販売されている。
【0007】
以上から、従来式石膏ギブス法と近年の湿潤硬化性樹脂ギブス法の両方とも利点と弱点を含んでいる。石膏ギブスは嵩張り、重く、適用が面倒であり、湿潤硬化性樹脂ギブスは軽量で耐久性があり、比較的に利用が容易である。一方、石膏は容易に保管でき、必要に応じて利用できる。なぜならその有効保管期限は完全に湿らない限り相当に長い。他方、湿潤硬化性樹脂は湿気に敏感である。よって、多様な形状とサイズでパッケージ化しなければならず、さらに未使用部分を廃棄しなければならない。その結果、大量の無駄が発生し、製品の価格を押し上げる。
【0008】
現在のパッド型合成ロール状製品は比較的に高価であり、利用部位に応じたパッド量の調整ができず、活用性が制限されている。
【0009】
本発明は石膏と湿潤硬化性樹脂の利点を利用し、弱点を回避する。すなわち改良された強度と利便性とを提供する一体型副木製品が提供される。この一体型副木製品は湿潤硬化性樹脂ギブス材料の使用で提供される。この材料は望む長さの材料が使用された後に再密封できる湿気防止パッケージに収納される。この再密封式パッケージによって包帯製品の硬化は防止され、コストパーフォーマンスが高まる。本発明製品は利用のフレキシビリティを増加させ、さらに製品からパッド部分を省略することで他の合成ギブス製品よりも安価に提供される。パッドは包帯の利用時に追加できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1目的は湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する湿潤硬化性樹脂を活用したロール状非パッド型包帯製品の提供である。
【0011】
本発明の別目的は望む長さで利用でき、残りの硬化を防止し、長期に保存する非パッド型包帯製品の提供である。
【0012】
本発明の別目的は製品の基体に残すことも、患者への適用前に剥ぎ取ることも選択できるライナー地を含んだ非パッド型包帯製品の提供である。
【0013】
本発明の別目的は類似製品よりも安価な包帯製品の提供である。
【0014】
本発明の別目的は適用時にパッドをフィットさせる様式の包帯製品の提供である。
【0015】
本発明の別目的は処置の形態に対応した多様なパッドの利用が可能な包帯製品の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のこれら及び他の目的は以下で解説する好適実施例のごとくに包帯製品をロール状に提供し、所望の長さで利用させることで達成される。この製品は防水材料で形成された長形包体と、包体と略同一の長さで提供される長形包帯材料とで提供される。包帯材料は基体と、基体に含浸または塗布された反応性樹脂とで成る。この反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する。保護ライナーが基体を包み、保管中に基体と包体との間でバリアを形成し、包体から基体を取り出した後にオプションで剥すこともできる。基体は基体と患者との間に保護パッド材料が利用できるように提供される。包体には再密封手段が提供され、包帯の一部を使用後に湿気の侵入を防止する。
【0017】
本発明の1好適実施例によれば包体は外側保護層と、中間アルミフォイル層と、内側熱溶着プラスチック層とを有したアルミフォイル積層体である。
【0018】
本発明の別好適実施例によれば基体は複数のニット布層または織布層を含んでいる。
【0019】
本発明の別好適実施例によれば基体を包む保護ライナーは不織布材料で提供される。
【0020】
本発明の別好適実施例によれば保護ライナーは不織ポリプロピレン製であり、縦方向で半分に折り曲げられて基体を挟む。
【0021】
本発明の別好適実施例によれば反応性樹脂はポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドである。
【0022】
本発明の別好適実施例によれば包体の再密封手段はテープ、留具あるいはクリップである。
【0023】
本発明の別好適実施例によればロールは包帯材料を収納した包体を含んでおり、包体はコイル状に巻上げられている。
【0024】
好適には、本発明はコイル状の包帯材料を収納する排出具を含んでいる。
【0025】
本発明の別好適実施例によれば排出具はロールを収容する収容器を含んでいる。収容器はロールを引き出す排出口を有している。
【0026】
本発明の別好適実施例によれば所定の使用に適した所定の長さでパッケージされた包帯製品が提供される。この製品は防水材料で製造された包体と、包体に収納された包帯材料とを含んでいる。包帯材料は基体と、基体に含浸または塗布された反応性樹脂とを含んで成る。この反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れて硬化し、頑丈な構造体を提供する。保護ライナーが基体を包み、保管中に基体と包体との間にバリヤを形成し、使用時にはオプションで剥ぎ取り可能である。基体は基体と患者との間に保護パッドが挿入できるように提供されている。
【0027】
本発明の別好適実施例によれば、所定の長さの包帯製品は防水収納体を含んでいる。防水収納体は包帯材料を包んだ長形の再密封可能な包体を収納し、包帯の使用時にまで密封される。包帯材料は複数のニット布層または織布層と、それに含浸された反応性樹脂とで成る基体を含んでいる。反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する。反応性樹脂はポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドである。柔軟でフレキシブルな不織保護ライナーは基体を包み、基体と包体との間にバリヤを提供する。ライナーは包体から基体を取り出した後に剥ぎ取ることができる。包帯材料は収納体から望む長さで取り出されるように収納されている。包体は湿気の侵入を阻止する再密封式である。
【0028】
本発明の包帯製品の製造方法の1実施例によれば、長形の防水包体と長形の包帯材料の提供ステップは、基体に反応性樹脂を含浸させ、あるいは塗布するステップを含んでいる。この反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、濡れると硬化する樹脂である。さらに、包帯材料を長形包体内に収納するステップを含んでいる。包帯材料の長さは包体と略同一であり、一層で提供される。包体は使用時にまで湿気の侵入を防止するように密封されている。
【0029】
本発明の1好適実施例による製造方法では、湿気侵入防止包体と基体とを保護ライナーで包めるように提供するステップと、基体に反応性樹脂を含浸させ、あるいは塗布するステップとを含んでいる。樹脂が塗布または含浸された基体は保護ライナー内に配置され、包帯材料が形成される。包帯材料は長形包体内に収納される。包帯材料は包体と略同一長である。包体は使用時まで湿気の侵入を防止するために密封される。
【0030】
本発明の1好適実施例によれば製造方法は長形包体を包帯材料と共にロール状に巻上げるステップを含んでいる。
【0031】
本発明の別好適実施例によれば製造方法は巻上げられたロールを排出具に収納するステップを含んでいる。
【0032】
本発明の別好適実施例によれば排出具は所望の長さの包帯材料を提供するための排出口を有している。
【0033】
本発明のさらに別な実施例は包帯製品の利用方法を含んでいる。この利用方法は長形包体と長形包帯材料とを利用する。包帯材料は保護ライナーに包まれた反応性樹脂含浸または塗布基体を含んでいる。包帯材料は使用直前に包体から取り出される。保護ライナーはオプションで基体から剥され、基体は湿潤処理される。パッドが基体と患者との間に提供され、基体が患者に適用される。
【0034】
本発明の1好適実施例によればパッドを患者と基体との間に提供するステップは患者に基体を適用する前にパッドを患者に適用するステップを含んでいる。
【0035】
本発明の別好適実施例によればパッドを患者と基体との間に提供するステップはパッドを患者に適用する前の基体に提供するステップを含んでいる。
【0036】
本発明の別好適実施例によれば利用方法はパッドと基体を伸縮性包帯で包み、パッドと基体を患者の身体形状に合わせて維持するステップを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1から図10にかけて本発明の包帯材料10が図示されている。包帯材料10は薄いライナー12内に収容された基体11を含んでいる。図2、図3及び図4に示すように基体11は好適には7層の織布またはニット布11aから11gを含んでいる。好適基体材料はグラスファイバーであり、出願人のオートグラスパッド副木材料である。基体幅は適宜決定するが、通常の幅は25.4mmから152.4mmであり、25.4mm単位で増減する。
【0038】
他の基体材料も利用が可能である。例えば、グラスファイバーシート間に挟まれた積層低密度芯を有した第1及び第2グラスファイバー布シートで形成された芯が利用できる。
【0039】
芯に適した他の布は酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化硼素で提供される布であり、ネクステル440の商品名でサーモスタチックインダストリー社が販売しているものと、シリカ系布と、デュポンがケブラーの商品名で販売する高伸縮性布との組成布がある。
【0040】
適当な低密度芯はプラスチック微小孔を有した60体積%のスチレン溶解性バインダーを含有した非連続ポリエステル不織布である。この製品はバルテック社がフィレットコアマットXMの商品名で販売する。この製品は2mm、3mm及び4mm厚で販売されている。本発明には2mm厚が好適であり、2.7から3.2オンス/ヤード2であり、比重が31.0から37.0ポンド/フィート3であり、樹脂消費量3.1から3.3オンス/フィート3である。
【0041】
他のフィレットコアマット系であるフィレットコアマットXXとフィレットコアマットXWも適している。これらは50体積%までのプラスチック微小孔で満たされている。他の製品では低密度の不織連続ストランド布、例えばバルテックマットT−2000がある。この製品はフィレットコアマットに類似するが、少量では購入できない。
【0042】
図2に示すようにグラスファイバー層11aから11gは一体化され、縫合される。
【0043】
基体11は乾燥状態では安定し、湿気に触れて硬化する反応性樹脂で含浸または塗布されている。典型的な反応性樹脂は次のようなものである。
【0044】
定型的組成
イソネート ↓ 143L または
モジュール ↓ CD ポリイソネート 50.0 %
ブルラコール↓ P1010 ポリオール 46.6 %
DC−200 シリコン 消泡剤 0.30%
塩化ベンゾイル 安定剤 0.10%
タンキャット↓ DM−70 触媒 3.0 %
100 %
反応性樹脂の完全な説明は米国特許第4411262号に記載されている。
【0045】
ライナー12は好適には低密度の薄い不織布素材であり、樹脂を基体11に保持させ、包体15の内面から基体11を隔絶しておく厚みと密度とがあれば十分である。1つの適した製品は白色ポリプロピレン不織布素材であり、4デニールの連続フィラメント繊維で、1オンス/ヤード2(31g/m2)である。ライナー12は好適には13.5ミル(3.4mm)厚である。ライナー12は縦方向に半分に折られて封筒状となり、基体11を収容する。これは図1、図2及び図4に図示されている。ライナー12は基体11の一方側から包帯材料10に沿って延び出て、両面テープ14で閉じられる。
【0046】
ライナー12は包体15の内面との間の低摩擦接触面をも提供する。これは製造時のパッケージ処理と包帯材料10の包体15からの排出を容易にする。
【0047】
図3と図4に示すように包帯材料10は包体15内に乾燥状態で収納される。包体15は2枚の積層フォイルシート15aと15bとで提供され、両側を熱溶着させて筒状に加工されている。フォイル包体内の包帯材料10で包帯製品20が形成される。
【0048】
積層包体の外側層は耐久性プラスチックフィルムである。中間層はアルミフォイルで湿気バリヤとして作用する。内側層はプラスチックフィルムで、包体15の内部に湿気が侵入しないように包体を密封させる熱可塑特性を有している。この包体15の1例はオーソグラス副木製品である。
【0049】
包帯材料製品20は、例えば24フィートのごとくの利用に便利な長さで販売される。製品20はコイル状に巻かれ、適当な排出具25に図5と図6に示すように収納される。排出具25には排出口26が下方に提供されており、包帯製品20を引き出させる。
【0050】
図7と図10に示すように包体36の開口端はクランプ40のごとき密封具で閉じられる。テープ、クリップ、ファスナー(図8)または他の密封手段も利用できる。包体36は包帯10を比較的にぴったりと収納し、排出後にバッグ30内に湿気を侵入させない。
【0051】
他のタイプの密封機構も可能である。例えば、スプリングが圧縮状態で装着されたソフトで快適なガスケット装置、てこ形クランプまたはネジ作用の手段等があり、包体15または36内への湿気の侵入を防止する。別タイプの装置は1対のスプリング式ローラーであり、押圧されると後退して包帯材料10を包体15または36内に押し戻して密封状態を向上させる。
【0052】
別な密封手段の例は包帯材料10を包体15または36内部に押し戻す(約25.4mm)装置であり、開口部を熱溶着させている。
【0053】
図11から図20では包帯材料10の準備と適用法とが図示されている。
【0054】
包帯材料10はパッドを含んでいないため、利用者はプラスチック手袋を着用しなければならない。
【0055】
怪我をした四肢部分を適当な厚さのパッド材料50で包む。異なる厚みのパッドでも異なる怪我部分に使用できる。怪我部分に応じて使用する長さが決定される。図12参照。包帯材料10はフォイル包体15から排出され、切断される。包体15を直ちに密閉することが重要である。図13参照。
【0056】
ライナー12は剥しても基体11に残しておいても構わない。好適には、ライナー12は基体11に残される。ライナー12を剥ぎ取る主たる理由はギブスの補強のためにギブスと包帯製品10との間の積層状態が望まれる特殊ケースであろう。包帯製品10はカスタムカットできる。基体11の1面がボトルの水や水道水で濡らされる。いずれの場合も冷水(75から85°F;24から30℃)の1インチ程度の幅の水量で使用すべきである。熱湯は硬化中の放熱を引き起こし、患者に不快感を与えよう。
【0057】
湿潤処理後に包帯材料10は絞られて余分な水が絞出される。タオルは使用すべきでない。これはオーソグラス製品の場合とは異なる。包帯材料10はオリジナル形状に戻され、皺が排除される。包帯材料10はフレキシブルなうちに身体の怪我部分にパッドの上から押し付けられ、皺が発生しないように身体に密着される。その後に伸縮性包帯60で巻き付けられ、少なくとも2分間から4分間その状態を維持される。あるいは包帯材料10が硬化するまでその状態が維持される。
【0058】
あるいは、パッド50が基体10上に予め形成される。異なる厚みやパッド層の数は適宜決定される。
【0059】
包帯材料10の使用はパッド層が介在しないため安価である。さらに、包帯材料10自体は使用中にパッドを再利用しながら取り換えることができる。
【0060】
以上、本発明による湿潤硬化性樹脂材料で成る包帯製品及び材料、その製造方法及び利用方法を解説した。本発明はそのスコープ内で適宜変更できる。さらに、以上の実施例は本発明の説明のみを目的としており、本発明の限定は意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明のいくつかの目的は前述した。本発明の他の目的と利点は図面を利用した以下の説明で理解されよう。
【図1】図1は本発明の1好適実施例による包帯材料の斜視図である。
【図2】図2は図1に示す実施例の内部構造を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の1好適実施例による包帯製品の斜視図である。
【図4】図4は図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】図5は排出具の1実施例を含む包帯製品の斜視図である。
【図6】図6は図5に示す包帯製品の斜視図であり、使用後の包体の密封方法を示している。
【図7】図7は排出具兼用包体である別例の湿気防止収納体を含んだ包帯製品の1実施例を示す斜視図である。
【図8】図8は別様式の密封具を備えた包帯製品の1実施例を示す斜視図である。
【図9】図9は図7に示す収納体の縦断面図である。
【図10】図10は排出具に収納された図7と図8に示す収納体の斜視図であり、好適な再密封具を図示する。
【図11】図11は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図12】図12は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図13】図13は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図14】図14は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図15】図15は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図16】図16は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図17】図17は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図18】図18は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図19】図19は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は整形外科分野に関し、特には湿潤硬化性プラスチック材料で成る改良包帯製品及び包帯材料、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折等の身体部位の固定を必要とする怪我の治療に使用する包帯は一般的に四肢部位に巻き付けられた後に硬化して剛質構造体を提供する物質で含浸された布帯体状態で提供される。この硬化物質は一般的に石膏である。
【0003】
従来の方法は綿布等の保護カバーを四肢に巻き付けてから、使用直前に水中に浸された石膏含浸織布でギブスや副木を成型するものであった。この方法は現在も活用されているがいくつかの弱点がある。例えば、この方法は処置が面倒であり、時間もかかる。また、多くの部材と相当なる技術も要する。
【0004】
これら従来方法の弱点を軽減させるために一体型副木材料が考案されている。例えば米国特許第3900024号や4235228号で開示されたものである。これら特許は複数層の石膏含浸布によるパッド材料を解説する。このような一体型副木材料は利用がさほど面倒ではなく、手当ても迅速に行えるが石膏材料に特有な弱点は残る。全ての石膏副木は重量に比して強度が低く、副木を重くて嵩張らせる。石膏副木は硬化が遅く、最大強度に至るまでに24時間から72時間を要する。石膏は水中で容易に破壊されるので入浴及びシャワーは困難である。たとえ濡らすことが回避できたとしても、患者の長時間の発汗で石膏が脆くなり、悪臭や痒みの問題も引き起こす。
【0005】
ギブスや副木の大幅な技術進歩は米国特許第4411262号と第4502479号で紹介されている。これら特許で開示されたギブス材料は乾燥パッケージに収納された湿潤硬化性樹脂が含浸されたフレキシブルな布を含んだものである。石膏と較べてこれら製品は非常に軽量であり、重量に比して非常に頑丈で、比較的に多孔質とすることができ、ギブス材料内に空気を含ませる。従来の湿潤硬化製品はグラスファイバー布のごとき複数の布層を湿潤硬化性樹脂で含浸させた後に収納するパッケージを含んでいる。このパッケージは利用後に再密封できないため、パッケージから製品を取り出した後は全製品を迅速に利用しなければならない。なぜなら開封後にその湿潤硬化性樹脂は空中の湿気で比較的短時間に硬化するからである。
【0006】
米国特許第4770299号と第5003970号はロール形態の合成包帯製品を開示する。この製品は必要に応じて必要な長さの包帯を利用させ、残りを密封状態に保たせる。これら製品は両面にパッド材料を含んでいるため非常に有用であることが証明されており、迅速で簡単な適用を可能とする。同様な製品が1回用として湿気防止パッケージに収納されて販売されている。
【0007】
以上から、従来式石膏ギブス法と近年の湿潤硬化性樹脂ギブス法の両方とも利点と弱点を含んでいる。石膏ギブスは嵩張り、重く、適用が面倒であり、湿潤硬化性樹脂ギブスは軽量で耐久性があり、比較的に利用が容易である。一方、石膏は容易に保管でき、必要に応じて利用できる。なぜならその有効保管期限は完全に湿らない限り相当に長い。他方、湿潤硬化性樹脂は湿気に敏感である。よって、多様な形状とサイズでパッケージ化しなければならず、さらに未使用部分を廃棄しなければならない。その結果、大量の無駄が発生し、製品の価格を押し上げる。
【0008】
現在のパッド型合成ロール状製品は比較的に高価であり、利用部位に応じたパッド量の調整ができず、活用性が制限されている。
【0009】
本発明は石膏と湿潤硬化性樹脂の利点を利用し、弱点を回避する。すなわち改良された強度と利便性とを提供する一体型副木製品が提供される。この一体型副木製品は湿潤硬化性樹脂ギブス材料の使用で提供される。この材料は望む長さの材料が使用された後に再密封できる湿気防止パッケージに収納される。この再密封式パッケージによって包帯製品の硬化は防止され、コストパーフォーマンスが高まる。本発明製品は利用のフレキシビリティを増加させ、さらに製品からパッド部分を省略することで他の合成ギブス製品よりも安価に提供される。パッドは包帯の利用時に追加できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1目的は湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する湿潤硬化性樹脂を活用したロール状非パッド型包帯製品の提供である。
【0011】
本発明の別目的は望む長さで利用でき、残りの硬化を防止し、長期に保存する非パッド型包帯製品の提供である。
【0012】
本発明の別目的は製品の基体に残すことも、患者への適用前に剥ぎ取ることも選択できるライナー地を含んだ非パッド型包帯製品の提供である。
【0013】
本発明の別目的は類似製品よりも安価な包帯製品の提供である。
【0014】
本発明の別目的は適用時にパッドをフィットさせる様式の包帯製品の提供である。
【0015】
本発明の別目的は処置の形態に対応した多様なパッドの利用が可能な包帯製品の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のこれら及び他の目的は以下で解説する好適実施例のごとくに包帯製品をロール状に提供し、所望の長さで利用させることで達成される。この製品は防水材料で形成された長形包体と、包体と略同一の長さで提供される長形包帯材料とで提供される。包帯材料は基体と、基体に含浸または塗布された反応性樹脂とで成る。この反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する。保護ライナーが基体を包み、保管中に基体と包体との間でバリアを形成し、包体から基体を取り出した後にオプションで剥すこともできる。基体は基体と患者との間に保護パッド材料が利用できるように提供される。包体には再密封手段が提供され、包帯の一部を使用後に湿気の侵入を防止する。
【0017】
本発明の1好適実施例によれば包体は外側保護層と、中間アルミフォイル層と、内側熱溶着プラスチック層とを有したアルミフォイル積層体である。
【0018】
本発明の別好適実施例によれば基体は複数のニット布層または織布層を含んでいる。
【0019】
本発明の別好適実施例によれば基体を包む保護ライナーは不織布材料で提供される。
【0020】
本発明の別好適実施例によれば保護ライナーは不織ポリプロピレン製であり、縦方向で半分に折り曲げられて基体を挟む。
【0021】
本発明の別好適実施例によれば反応性樹脂はポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドである。
【0022】
本発明の別好適実施例によれば包体の再密封手段はテープ、留具あるいはクリップである。
【0023】
本発明の別好適実施例によればロールは包帯材料を収納した包体を含んでおり、包体はコイル状に巻上げられている。
【0024】
好適には、本発明はコイル状の包帯材料を収納する排出具を含んでいる。
【0025】
本発明の別好適実施例によれば排出具はロールを収容する収容器を含んでいる。収容器はロールを引き出す排出口を有している。
【0026】
本発明の別好適実施例によれば所定の使用に適した所定の長さでパッケージされた包帯製品が提供される。この製品は防水材料で製造された包体と、包体に収納された包帯材料とを含んでいる。包帯材料は基体と、基体に含浸または塗布された反応性樹脂とを含んで成る。この反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れて硬化し、頑丈な構造体を提供する。保護ライナーが基体を包み、保管中に基体と包体との間にバリヤを形成し、使用時にはオプションで剥ぎ取り可能である。基体は基体と患者との間に保護パッドが挿入できるように提供されている。
【0027】
本発明の別好適実施例によれば、所定の長さの包帯製品は防水収納体を含んでいる。防水収納体は包帯材料を包んだ長形の再密封可能な包体を収納し、包帯の使用時にまで密封される。包帯材料は複数のニット布層または織布層と、それに含浸された反応性樹脂とで成る基体を含んでいる。反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、頑丈な構造体を提供する。反応性樹脂はポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドである。柔軟でフレキシブルな不織保護ライナーは基体を包み、基体と包体との間にバリヤを提供する。ライナーは包体から基体を取り出した後に剥ぎ取ることができる。包帯材料は収納体から望む長さで取り出されるように収納されている。包体は湿気の侵入を阻止する再密封式である。
【0028】
本発明の包帯製品の製造方法の1実施例によれば、長形の防水包体と長形の包帯材料の提供ステップは、基体に反応性樹脂を含浸させ、あるいは塗布するステップを含んでいる。この反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、濡れると硬化する樹脂である。さらに、包帯材料を長形包体内に収納するステップを含んでいる。包帯材料の長さは包体と略同一であり、一層で提供される。包体は使用時にまで湿気の侵入を防止するように密封されている。
【0029】
本発明の1好適実施例による製造方法では、湿気侵入防止包体と基体とを保護ライナーで包めるように提供するステップと、基体に反応性樹脂を含浸させ、あるいは塗布するステップとを含んでいる。樹脂が塗布または含浸された基体は保護ライナー内に配置され、包帯材料が形成される。包帯材料は長形包体内に収納される。包帯材料は包体と略同一長である。包体は使用時まで湿気の侵入を防止するために密封される。
【0030】
本発明の1好適実施例によれば製造方法は長形包体を包帯材料と共にロール状に巻上げるステップを含んでいる。
【0031】
本発明の別好適実施例によれば製造方法は巻上げられたロールを排出具に収納するステップを含んでいる。
【0032】
本発明の別好適実施例によれば排出具は所望の長さの包帯材料を提供するための排出口を有している。
【0033】
本発明のさらに別な実施例は包帯製品の利用方法を含んでいる。この利用方法は長形包体と長形包帯材料とを利用する。包帯材料は保護ライナーに包まれた反応性樹脂含浸または塗布基体を含んでいる。包帯材料は使用直前に包体から取り出される。保護ライナーはオプションで基体から剥され、基体は湿潤処理される。パッドが基体と患者との間に提供され、基体が患者に適用される。
【0034】
本発明の1好適実施例によればパッドを患者と基体との間に提供するステップは患者に基体を適用する前にパッドを患者に適用するステップを含んでいる。
【0035】
本発明の別好適実施例によればパッドを患者と基体との間に提供するステップはパッドを患者に適用する前の基体に提供するステップを含んでいる。
【0036】
本発明の別好適実施例によれば利用方法はパッドと基体を伸縮性包帯で包み、パッドと基体を患者の身体形状に合わせて維持するステップを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1から図10にかけて本発明の包帯材料10が図示されている。包帯材料10は薄いライナー12内に収容された基体11を含んでいる。図2、図3及び図4に示すように基体11は好適には7層の織布またはニット布11aから11gを含んでいる。好適基体材料はグラスファイバーであり、出願人のオートグラスパッド副木材料である。基体幅は適宜決定するが、通常の幅は25.4mmから152.4mmであり、25.4mm単位で増減する。
【0038】
他の基体材料も利用が可能である。例えば、グラスファイバーシート間に挟まれた積層低密度芯を有した第1及び第2グラスファイバー布シートで形成された芯が利用できる。
【0039】
芯に適した他の布は酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化硼素で提供される布であり、ネクステル440の商品名でサーモスタチックインダストリー社が販売しているものと、シリカ系布と、デュポンがケブラーの商品名で販売する高伸縮性布との組成布がある。
【0040】
適当な低密度芯はプラスチック微小孔を有した60体積%のスチレン溶解性バインダーを含有した非連続ポリエステル不織布である。この製品はバルテック社がフィレットコアマットXMの商品名で販売する。この製品は2mm、3mm及び4mm厚で販売されている。本発明には2mm厚が好適であり、2.7から3.2オンス/ヤード2であり、比重が31.0から37.0ポンド/フィート3であり、樹脂消費量3.1から3.3オンス/フィート3である。
【0041】
他のフィレットコアマット系であるフィレットコアマットXXとフィレットコアマットXWも適している。これらは50体積%までのプラスチック微小孔で満たされている。他の製品では低密度の不織連続ストランド布、例えばバルテックマットT−2000がある。この製品はフィレットコアマットに類似するが、少量では購入できない。
【0042】
図2に示すようにグラスファイバー層11aから11gは一体化され、縫合される。
【0043】
基体11は乾燥状態では安定し、湿気に触れて硬化する反応性樹脂で含浸または塗布されている。典型的な反応性樹脂は次のようなものである。
【0044】
定型的組成
イソネート ↓ 143L または
モジュール ↓ CD ポリイソネート 50.0 %
ブルラコール↓ P1010 ポリオール 46.6 %
DC−200 シリコン 消泡剤 0.30%
塩化ベンゾイル 安定剤 0.10%
タンキャット↓ DM−70 触媒 3.0 %
100 %
反応性樹脂の完全な説明は米国特許第4411262号に記載されている。
【0045】
ライナー12は好適には低密度の薄い不織布素材であり、樹脂を基体11に保持させ、包体15の内面から基体11を隔絶しておく厚みと密度とがあれば十分である。1つの適した製品は白色ポリプロピレン不織布素材であり、4デニールの連続フィラメント繊維で、1オンス/ヤード2(31g/m2)である。ライナー12は好適には13.5ミル(3.4mm)厚である。ライナー12は縦方向に半分に折られて封筒状となり、基体11を収容する。これは図1、図2及び図4に図示されている。ライナー12は基体11の一方側から包帯材料10に沿って延び出て、両面テープ14で閉じられる。
【0046】
ライナー12は包体15の内面との間の低摩擦接触面をも提供する。これは製造時のパッケージ処理と包帯材料10の包体15からの排出を容易にする。
【0047】
図3と図4に示すように包帯材料10は包体15内に乾燥状態で収納される。包体15は2枚の積層フォイルシート15aと15bとで提供され、両側を熱溶着させて筒状に加工されている。フォイル包体内の包帯材料10で包帯製品20が形成される。
【0048】
積層包体の外側層は耐久性プラスチックフィルムである。中間層はアルミフォイルで湿気バリヤとして作用する。内側層はプラスチックフィルムで、包体15の内部に湿気が侵入しないように包体を密封させる熱可塑特性を有している。この包体15の1例はオーソグラス副木製品である。
【0049】
包帯材料製品20は、例えば24フィートのごとくの利用に便利な長さで販売される。製品20はコイル状に巻かれ、適当な排出具25に図5と図6に示すように収納される。排出具25には排出口26が下方に提供されており、包帯製品20を引き出させる。
【0050】
図7と図10に示すように包体36の開口端はクランプ40のごとき密封具で閉じられる。テープ、クリップ、ファスナー(図8)または他の密封手段も利用できる。包体36は包帯10を比較的にぴったりと収納し、排出後にバッグ30内に湿気を侵入させない。
【0051】
他のタイプの密封機構も可能である。例えば、スプリングが圧縮状態で装着されたソフトで快適なガスケット装置、てこ形クランプまたはネジ作用の手段等があり、包体15または36内への湿気の侵入を防止する。別タイプの装置は1対のスプリング式ローラーであり、押圧されると後退して包帯材料10を包体15または36内に押し戻して密封状態を向上させる。
【0052】
別な密封手段の例は包帯材料10を包体15または36内部に押し戻す(約25.4mm)装置であり、開口部を熱溶着させている。
【0053】
図11から図20では包帯材料10の準備と適用法とが図示されている。
【0054】
包帯材料10はパッドを含んでいないため、利用者はプラスチック手袋を着用しなければならない。
【0055】
怪我をした四肢部分を適当な厚さのパッド材料50で包む。異なる厚みのパッドでも異なる怪我部分に使用できる。怪我部分に応じて使用する長さが決定される。図12参照。包帯材料10はフォイル包体15から排出され、切断される。包体15を直ちに密閉することが重要である。図13参照。
【0056】
ライナー12は剥しても基体11に残しておいても構わない。好適には、ライナー12は基体11に残される。ライナー12を剥ぎ取る主たる理由はギブスの補強のためにギブスと包帯製品10との間の積層状態が望まれる特殊ケースであろう。包帯製品10はカスタムカットできる。基体11の1面がボトルの水や水道水で濡らされる。いずれの場合も冷水(75から85°F;24から30℃)の1インチ程度の幅の水量で使用すべきである。熱湯は硬化中の放熱を引き起こし、患者に不快感を与えよう。
【0057】
湿潤処理後に包帯材料10は絞られて余分な水が絞出される。タオルは使用すべきでない。これはオーソグラス製品の場合とは異なる。包帯材料10はオリジナル形状に戻され、皺が排除される。包帯材料10はフレキシブルなうちに身体の怪我部分にパッドの上から押し付けられ、皺が発生しないように身体に密着される。その後に伸縮性包帯60で巻き付けられ、少なくとも2分間から4分間その状態を維持される。あるいは包帯材料10が硬化するまでその状態が維持される。
【0058】
あるいは、パッド50が基体10上に予め形成される。異なる厚みやパッド層の数は適宜決定される。
【0059】
包帯材料10の使用はパッド層が介在しないため安価である。さらに、包帯材料10自体は使用中にパッドを再利用しながら取り換えることができる。
【0060】
以上、本発明による湿潤硬化性樹脂材料で成る包帯製品及び材料、その製造方法及び利用方法を解説した。本発明はそのスコープ内で適宜変更できる。さらに、以上の実施例は本発明の説明のみを目的としており、本発明の限定は意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明のいくつかの目的は前述した。本発明の他の目的と利点は図面を利用した以下の説明で理解されよう。
【図1】図1は本発明の1好適実施例による包帯材料の斜視図である。
【図2】図2は図1に示す実施例の内部構造を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の1好適実施例による包帯製品の斜視図である。
【図4】図4は図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】図5は排出具の1実施例を含む包帯製品の斜視図である。
【図6】図6は図5に示す包帯製品の斜視図であり、使用後の包体の密封方法を示している。
【図7】図7は排出具兼用包体である別例の湿気防止収納体を含んだ包帯製品の1実施例を示す斜視図である。
【図8】図8は別様式の密封具を備えた包帯製品の1実施例を示す斜視図である。
【図9】図9は図7に示す収納体の縦断面図である。
【図10】図10は排出具に収納された図7と図8に示す収納体の斜視図であり、好適な再密封具を図示する。
【図11】図11は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図12】図12は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図13】図13は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図14】図14は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図15】図15は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図16】図16は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図17】図17は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図18】図18は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【図19】図19は本発明の包帯材料の利用法を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さが排出されるロール形態の包帯製品であって、
(a)湿気非浸透性材料で成り、湿気の侵入を阻止するように密封式である長形包体と、
(b)該包体と略同一長であり、該包体内に収容されており、使用時まで乾燥状態に置かれる非パッド式長形包帯材料であって、
(i)基体と、
(ii)該基体に含浸され、あるいは塗布される反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な支持構造体を提供する反応性樹脂と、
(iii)該基体を包む保護ライナーであって、保存時に該基体と前記包体との間のバリアを形成しており、該包体から基体を取り出した後で患者に使用する前に選択的に剥ぎ取り可能である保護ライナーと、
を含んで構成されており、前記基体は該基体と患者との間に挿入する保護パッドが利用可能である包帯材料と、
(c)設定された長さの包帯製品が排出された後に湿気の侵入を阻止し、前記包体内の前記基体の硬化を阻止する再密封手段と、
を含んで構成されることを特徴とする包帯製品。
【請求項2】
包体はアルミフォイル積層体であり、該アルミフォイル積層体は外側保護層と、中間アルミフォイル層と、内側熱溶着性プラスチック層とで成ることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項3】
基体は複数のニット布層または織布層を含んでいることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項4】
基体を包む保護ライナーは不織布を含んでいることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項5】
基体を包む保護ライナーはポリプロピレン不織布であって、縦方向で折り曲げられて封筒状となり、該基体を包み込むことを特徴とする請求項4記載の包帯製品。
【請求項6】
反応性樹脂はポリイソシアネートと、ポリオールと、触媒と、安定剤とのブレンドであることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項7】
包体の再密封手段はテープ、クランプまたはクリップであることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項8】
ロールは包帯材料とコイル状の包体とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項9】
コイル状の包帯材料が収納されている排出具を含んでいることを特徴とする請求項8記載の包帯材料。
【請求項10】
排出具はロールを収納する容器を含んでおり、該容器はコイル状の包帯材料の先端を受領する排出口を有しており、必要な量の包帯材料を排出させることを特徴とする請求項9記載の包帯材料。
【請求項11】
所定の長さが排出されるロール形態の包帯製品であって、
(a)湿気非浸透性材料で成り、湿気の侵入を阻止するように密封式である包体と、
(b)該包体内に収容されており、使用時まで密封状態に置かれる非パッド式包帯材料であって、
(i)基体と、
(ii)該基体に含浸され、あるいは塗布される反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な支持構造体を提供する反応性樹脂と、
(iii)該基体を包む保護ライナーであって、保存時に該基体と前記包体との間のバリアを形成しており、該包体から基体を取り出した後で患者に使用する前に選択的に剥ぎ取り可能である保護ライナーと、
を含んだ包帯材料と、
を含んで構成されており、前記基体は該基体と患者との間に挿入する保護パッドが利用可能であることを特徴とする包帯製品。
【請求項12】
所定の長さが排出される包帯製品であって、
(a)湿気の侵入を防止するように密封式の湿気非浸透性材料で成る密封具であって、長形の再密封式排出包体を含んでいる密封具と、
(b) 該密封具内に収容されており、使用時まで密封状態に置かれる非パッド式包帯材料であって、
(i)複数のニット布層または織布層と、
(ii)該基体に含浸され、あるいは塗布される反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な支持構造体を提供する反応性樹脂であって、ポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドである反応性樹脂と、
(iii)該基体を包むソフトでフレキシブルな保護ライナーであって、保存時に該基体と前記包体との間のバリアを形成しており、該包体から基体を取り出した後で患者に使用する前に剥ぎ取り可能である保護ライナーと、
を含んだ包帯材料と、
を含んで構成されており、
(c)前記包帯材料は前記密封具内に収納されており、前記包体から望む長さで排出され、該包体は該密封具内に湿気が侵入しないように再密封式であることを特徴とする包帯製品。
【請求項13】
包帯製品の製造方法であって、
(a)長形の湿気非浸透性包体と、保護ライナー内に収容される基体を含んだ非パッド式長形包帯材料とを提供するステップと、
(b)該基体を、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な構造体を提供する反応性樹脂で含浸させ、あるいは塗布するステップと、
(c)前記包帯材料を前記包体内に収容させるステップと、
(d)該包体を密封するステップと、
を含んでいることを特徴とする製造方法。
【請求項14】
包帯製品の製造方法であって、
(a)長形の湿気非浸透性包体と、保護ライナー内に収容される基体とを提供するステップと、
(b)該基体を、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な構造体を提供する反応性樹脂で含浸させ、あるいは塗布するステップと、
(c)該基体を前記保護ライナー内に収容して包帯材料を提供するステップと、
(d)前記包帯材料を前記包体内に収容させるステップと、
(e)該包体を密封するステップと、
を含んでいることを特徴とする製造方法。
【請求項15】
包体内で基体が硬化しないように使用長の包帯製品が排出された後に該包体を密封するステップを含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項16】
包帯材料と共に包体をコイル状に巻上げるステップを含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項17】
コイル状の包帯材料を排出具内にパッケージするステップを含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項18】
排出具は、除く長さの包体を排出させる排出口を有した箱体を含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項1】
所定の長さが排出されるロール形態の包帯製品であって、
(a)湿気非浸透性材料で成り、湿気の侵入を阻止するように密封式である長形包体と、
(b)該包体と略同一長であり、該包体内に収容されており、使用時まで乾燥状態に置かれる非パッド式長形包帯材料であって、
(i)基体と、
(ii)該基体に含浸され、あるいは塗布される反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な支持構造体を提供する反応性樹脂と、
(iii)該基体を包む保護ライナーであって、保存時に該基体と前記包体との間のバリアを形成しており、該包体から基体を取り出した後で患者に使用する前に選択的に剥ぎ取り可能である保護ライナーと、
を含んで構成されており、前記基体は該基体と患者との間に挿入する保護パッドが利用可能である包帯材料と、
(c)設定された長さの包帯製品が排出された後に湿気の侵入を阻止し、前記包体内の前記基体の硬化を阻止する再密封手段と、
を含んで構成されることを特徴とする包帯製品。
【請求項2】
包体はアルミフォイル積層体であり、該アルミフォイル積層体は外側保護層と、中間アルミフォイル層と、内側熱溶着性プラスチック層とで成ることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項3】
基体は複数のニット布層または織布層を含んでいることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項4】
基体を包む保護ライナーは不織布を含んでいることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項5】
基体を包む保護ライナーはポリプロピレン不織布であって、縦方向で折り曲げられて封筒状となり、該基体を包み込むことを特徴とする請求項4記載の包帯製品。
【請求項6】
反応性樹脂はポリイソシアネートと、ポリオールと、触媒と、安定剤とのブレンドであることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項7】
包体の再密封手段はテープ、クランプまたはクリップであることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項8】
ロールは包帯材料とコイル状の包体とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の包帯製品。
【請求項9】
コイル状の包帯材料が収納されている排出具を含んでいることを特徴とする請求項8記載の包帯材料。
【請求項10】
排出具はロールを収納する容器を含んでおり、該容器はコイル状の包帯材料の先端を受領する排出口を有しており、必要な量の包帯材料を排出させることを特徴とする請求項9記載の包帯材料。
【請求項11】
所定の長さが排出されるロール形態の包帯製品であって、
(a)湿気非浸透性材料で成り、湿気の侵入を阻止するように密封式である包体と、
(b)該包体内に収容されており、使用時まで密封状態に置かれる非パッド式包帯材料であって、
(i)基体と、
(ii)該基体に含浸され、あるいは塗布される反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な支持構造体を提供する反応性樹脂と、
(iii)該基体を包む保護ライナーであって、保存時に該基体と前記包体との間のバリアを形成しており、該包体から基体を取り出した後で患者に使用する前に選択的に剥ぎ取り可能である保護ライナーと、
を含んだ包帯材料と、
を含んで構成されており、前記基体は該基体と患者との間に挿入する保護パッドが利用可能であることを特徴とする包帯製品。
【請求項12】
所定の長さが排出される包帯製品であって、
(a)湿気の侵入を防止するように密封式の湿気非浸透性材料で成る密封具であって、長形の再密封式排出包体を含んでいる密封具と、
(b) 該密封具内に収容されており、使用時まで密封状態に置かれる非パッド式包帯材料であって、
(i)複数のニット布層または織布層と、
(ii)該基体に含浸され、あるいは塗布される反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な支持構造体を提供する反応性樹脂であって、ポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドである反応性樹脂と、
(iii)該基体を包むソフトでフレキシブルな保護ライナーであって、保存時に該基体と前記包体との間のバリアを形成しており、該包体から基体を取り出した後で患者に使用する前に剥ぎ取り可能である保護ライナーと、
を含んだ包帯材料と、
を含んで構成されており、
(c)前記包帯材料は前記密封具内に収納されており、前記包体から望む長さで排出され、該包体は該密封具内に湿気が侵入しないように再密封式であることを特徴とする包帯製品。
【請求項13】
包帯製品の製造方法であって、
(a)長形の湿気非浸透性包体と、保護ライナー内に収容される基体を含んだ非パッド式長形包帯材料とを提供するステップと、
(b)該基体を、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な構造体を提供する反応性樹脂で含浸させ、あるいは塗布するステップと、
(c)前記包帯材料を前記包体内に収容させるステップと、
(d)該包体を密封するステップと、
を含んでいることを特徴とする製造方法。
【請求項14】
包帯製品の製造方法であって、
(a)長形の湿気非浸透性包体と、保護ライナー内に収容される基体とを提供するステップと、
(b)該基体を、乾燥状態では安定しており、湿気に触れると硬化して頑丈な構造体を提供する反応性樹脂で含浸させ、あるいは塗布するステップと、
(c)該基体を前記保護ライナー内に収容して包帯材料を提供するステップと、
(d)前記包帯材料を前記包体内に収容させるステップと、
(e)該包体を密封するステップと、
を含んでいることを特徴とする製造方法。
【請求項15】
包体内で基体が硬化しないように使用長の包帯製品が排出された後に該包体を密封するステップを含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項16】
包帯材料と共に包体をコイル状に巻上げるステップを含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項17】
コイル状の包帯材料を排出具内にパッケージするステップを含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【請求項18】
排出具は、除く長さの包体を排出させる排出口を有した箱体を含んでいることを特徴とする請求項14記載の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−289897(P2008−289897A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159081(P2008−159081)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【分割の表示】特願2002−555722(P2002−555722)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(501356226)ビーエスエヌ メディカル,インク. (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【分割の表示】特願2002−555722(P2002−555722)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(501356226)ビーエスエヌ メディカル,インク. (17)
【Fターム(参考)】
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