説明

包装ケース

【課題】包装ケースの上面板部や底面板部に切取線を設け、切取線を破らないと開封できず、開封した際にはそれがはっきりと分かるようにする。
【解決手段】
プラスチック包装ケース50において、上面板部8内、又は底面板部9内、又はこれらの両方の板部内に切取線21を設け、該切取線21と差込み片10(11)とに挟まれた上面板部8又は底面板部9の側縁部に、前記側面板部5に接着された固着片22を備えるように構成することで、切取線21を破らないと開封できず、開封した際には開封されたことがはっきりと分かるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックシートや紙、段ボールなどからなる包装ケースであって、上面板部内又は底面板部内に切取線を備えた包装ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品や玩具等を包装する包装ケースは、商品を保護しつつ見栄えよく展示するため、透明度の高いプラスチックシートから形成されている。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、特にアモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)などによって成形されたシートを所望形状に打ち抜き、折り曲げ箇所に罫線を入れてケース組立用プラスチックシートを形成した後、これを自動製函機等によって組み立てて形成されたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
より具体的には、例えば特許文献2において、ケースの一側面となる板部端縁から開口面を塞ぐ開閉板部を連設し、その先端に折曲線を介して差込み片を延設し、上記板部と交差方向の面を有する他側面の板部端縁から折曲線を介して折込み片を連設し、閉蓋状態で差込み片を折込み片の一側辺に沿って差込むようにしたケース構成を有するプラスチックシートであって、差込み片と開閉板部との境界には両側から切込みを形成すると共に、折込み片の上記一側辺の付け根部に、上記切込み部分が係合可能な係止部を突設し、係止部の先端に形成された段違い部に折込み片の付け根方向への凹部を形成して包装用プラスチックシートを構成したことを特徴とするものが開示されている。
【0004】
近年、商品の流通過程で異物が混入される事件をきっかけとして、包装された商品であっても、その安全性を消費者が確認できるようにする必要が生じている。そこで本発明者は、包装ケースに関し、包装ケースの上面板部や底面板部に切取線を設け、この切取線を破らないと包装を開封できないようにすると共に、開封した際には開封されたことがはっきりと分かるようにすることを着想した。
【0005】
切取線を設けた包装ケースについて先行技術調査を行ったところ、例えば特許文献3において、段ボールケースに関してではあるが、段ボールに区画形成されたフラップに、ジッパー、ミシン目、テープ等の切断開封部と、再封緘用差し込み舌片と、該差し込み舌片を差し込むための差し込み口とを設けたことを特徴とする、カートリッジ用包装箱が開示されていた。
【0006】
また、紙製のケースに関してではあるが、特許文献4においては、缶等の物品を複数保持するためのカートンであって、上記カートンは、筒状構造を形成するための底壁パネル、側壁パネルおよび頂壁パネルを含む複数のパネルを備え、上記頂壁パネルは、上記カートンを開封する際に破断するジッパーによって両側を区切られた切り取りパネルを備え、上記ジッパーは、カートンの一方の表面からカートンの厚さ方向に打刻された半切れ線およびカートンの他方の表面からカートンの厚さ方向に打刻された半切れ線からなり、上記半切れ線は互いに離間して平行な方向へ向けて延在し、上記半切れ線のうち少なくとも一方は、連続した波形の半切れ線であることを特徴とするカートンが開示されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−139019号公報
【特許文献2】特開2001−171645号公報
【特許文献3】特開平5−124638号公報の請求項1
【特許文献4】特開2005−255210号公報の請求項1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、包装ケースの上面板部や底面板部に切取線を設け、この切取線を破らないと包装を開封できないようにすると共に、開封した際には開封されたことがはっきりと分かるようにせんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題に鑑みて、本発明は、正面板部、左右側面板部、背面板部、上面板部、底面板部、前記上面板部に折曲線を介して連設された差込み片、及び、前記底面板部に折曲線を介して連設された差込み片を有する包装ケースにおいて、上面板部内、又は底面板部内、又はこれらの両方の板部内に切取線を設け、該切取線と差込み片とに挟まれた上面板部又は底面板部の側縁部に、前記側面板部に接着する固着片を設けてなる構成を備えた包装ケースを提案する。
【0010】
このような構成を備えた包装ケースであれば、少なくとも切取線及び固着片を設けた上面板部又は底面板部に関しては、固着片によって側面板部に接着されているから、切取線を破らないと包装を開封することができない。
その一方、切取線に沿って上面板部又は底面板部を切断することで開封することができ、この際、少なくとも固着片とこれに連設された上面板部又は底面板部の一部は側面板部に固着された状態で残り、上面板部又は底面板部の他部が開放状態になるから、開封されたことを誰もがはっきりと確認することができる。
また、切取線に沿って上面板部又は底面板部を切断して開封した際、切断された両側の部位はケース本体から離脱することがないから、開封の際にゴミが出ない点も本発明の優れた効果である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一例としてのプラスチック包装ケースを組み立てるためのシートの展開状態の一例を示した平面図である。
【図2】切取線の一例を設ける部分を拡大して示した拡大平面図である。
【図3】切取線の他例を設ける部分を拡大して示した拡大平面図である。
【図4】切取線の他例を設ける部分を拡大して示した拡大平面図である。
【図5】切取線の一例を拡大して示した平面図である。
【図6】図5に示した切取線をさらに拡大して示した平面図である。
【図7】切取線の形状例を示した平面図である。
【図8】切取線において、非貫通部を設ける位置を説明するために、(A)は、切取線の一例を示した平面図であり、(B)は、それの切断後の状態を示した平面図である。
【図9】切取線の非貫通部の断面形状を説明するための断面図であり、(A)(B)はそれぞれ異なる例を示したものである。
【図10】切取線の端部に設ける非波状切取線を拡大して示した平面図である。
【図11】図1に示したシートを組み立てたプラスチック包装ケースの上部斜視図である。
【図12】図11の包装ケースの開封状態を示した上部斜視図である。
【図13】図1に示したシートを組み立てたプラスチック包装ケースの開封状態を示した底面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面によって説明する。但し、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。
なお、本実施形態では、主にプラスチックシートからなる包装ケースについて説明する。プラスチックシートからなる包装ケースは、強度面や加工性の面から好ましく、また不正開封防止の観点から中身が見える透明または半透明のプラスチックシートがより好ましいが、本発明の包装ケースがプラスチックシートからなる包装ケースに限定されるものではなく、プラスチックシートと同様に紙や段ボール等から形成することができる。
【0013】
図1に示すプラスチックシート1は、本発明の実施形態に係るプラスチック包装ケース(以下「本包装ケース」と称する)50を組み立てるためのシートの一例である。
【0014】
(プラスチックシート1)
プラスチックシート1は、図1に示すように、正面板部2の右側に順次、側面板部3、背面板部4及び側面板部5をそれぞれ折曲線(罫線など)6を介して連設すると共に、側面板部5の側端には折曲線6を介して糊代片7を連設し、正面板部2の上端縁及び下端縁にはそれぞれ折曲線6を介して上面板部8又は底面板部9を連設し、上面板部8及び底面板部9の先端側にそれぞれ折曲線6を介して差込み片10又は11を連設し、側面板部3及び側面板部4の上下端縁、並びに背面板部4の上端縁には、それぞれ折曲線6を介して折込み片12、13、14、15及び16を連設してなる構成を備えている。
【0015】
また、上面板部8内及び底面板部9内には切取線21(21A、21B)を設けると共に、上面板部8に設けた切取線21Aと差込み片10とに挟まれた上面板部8の側縁部に折曲線6を介して固着片22を設ける一方、底面板部9に設けた切取線21Bと差込み片11とに挟まれた底面板部9の側縁部に折曲線6を介して固着片23を設けてある。
【0016】
また、上面板部8又は底面板部9と、差込み片10又は11との境界には、左右両側縁から適宜長さの切込み17を形成してある。
この切込み17を設けることにより、差込み片10又は11を容器本体部51(図11参照)内に差し入れた際に、差込み片10又は11の端縁部(切込み17の部分)が上面板部8又は底面板部9に係合して上面板部8又は底面板部9の簡易ロック機構となる。よって、切込み17を設けるのが好ましい。
切込み17を設けると、不正に開封しようとした場合にケースが破損し易くなるため、特に固着片を設けない上面板部8又は底面板部9には、切込み17を設けるのが好ましい。
【0017】
上述の例では、切取線及び固着片を、上面板部8及び底面板部9の両方に設けているが、上面板部8及び底面板部9のいずれか一つに設けるようにしてもよい。すなわち、一方のみに、例えば上面板部8側のみに、切取線と固着片を設ける場合、反対側は接着剤等によって開封できないように封止しても、前述した本発明の効果を享受することができる。
なお、切取線及び固着片を、上面板部8及び底面板部9のいずれか一方に設ける場合には、上面板部8側に設けるのが好ましい。
また、切取線を、上面板部8及び底面板部9のいずれか一方に設け、固着片を両方に設けることもできる。
【0018】
プラスチックシートの材質は、特に限定するものではない。例えばアモルファスポリエチレンテレフタレート(A―PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびポリ乳酸のいずれか、或いはこれらのうちの2種類以上の組合わせからなるポリマーブレンドなど、透明性が良好で且つ剛性も高い合成樹脂を好ましく例示することができる。
【0019】
(切取線21)
切取線21(21A、21B)を上面板部8又は底面板部9内にどのように形成するかについては、上面板部8又は底面板部9を2つの領域に分断できればどのように形成してもよい。もっと言えば、固着片22又は23が連設された上面板部8又は底面板部9の部分を含む領域(8A又は9A)と、上面板部8又は底面板部9の残りの領域(8B又は9B)とを分断できればどのように形成してもよい。
【0020】
例えば図2に示す切取線21Aのように、上面板部8又は底面板部9の左右両側縁部に亘って横断するように形成してもよいし、また、図3に示す切取線21Bのように、上面板部8又は底面板部9の左右一側縁部の中間部から、上面板部8又は底面板部9の左右同一側の先端側端部の切込み17にかけて当該左右一側縁部を囲むように、より具体的には図3に示すように耳の輪郭の如き形状に形成してもよいし、また、図4に示す切取線21Cのように、上面板部8又は底面板部9の左右一側縁部の中間部から、上面板部8又は底面板部9の左右反対側の先端側端部の切込み17にかけて斜めに形成してもよい。
この際、例えば図4に示すように、固着片22(23)とは反対側の切込み17と切取線21が繋がっていると、不正に開封しようとした場合に、ケースの破損につながりやすいため好ましい。
いずれの形状の切取線21(例えば21A〜21C)を、上面板部8及び底面板部9のいずれに設けるようにしてもよい。
但し、切取線21の形状をここに例示した形状に限定するものではない。
【0021】
切取線21は、山部211aと谷部211bとを繰り返す波状切取線211として形成するのが好ましいが、波状切取線211に限定するものではない。
図2〜図3に示した例では、中間部を波状切取線211として形成し、一側端部又は両側端部を非波状切取線212として形成してある。
【0022】
波状切取線211は、図5及び図6に示すように、シートを平面視した際に、山部211aと谷部211bとを中腹部211cを介して交互に繰り返して連続し、且つシート厚さ方向に貫通してなる貫通線211Aを備えると共に、全ての各中腹部211c内に、或いは一定間隔をおいた一部の中腹部211c内に、シート厚さ方向に貫通しない非貫通部211Bを設けてなる構成とするのが好ましい。
【0023】
この波状切取線211において、山部211aは、切取線21で切り離した際に切り離される側の凹部を示し、谷部211bは、切り残される側の凹部を示し、中腹部211cは、山部211aと谷部211bの頂部間を示すものとする。
【0024】
波状切取線211の平面視形状は、図7(A)に示すように、丸く湾曲した山部211aと谷部211bとが交互に繰り返してなる波状を呈する形状であってもよいし、又、図7(B)に示すように、三角形状の山部211aと谷部211bとが交互に繰り返してなる形状であってもよいし、又、図7(C)に示すように、台形状の山部211aと谷部211bとが交互に繰り返してなる形状であってもよいし、又、図7(D)に示すように、矩形状の山部211aと谷部211bとが交互に繰り返してなる形状であってもよい。
プラスチックシートにおいては、開封したい時に容易に開封することができ、切り離した際にバリが生じ難いという観点から、図7(A)に示すように、丸く湾曲した山部211aと谷部211bとが交互に繰り返してなる波状を呈する形状が好ましい。例えば、円弧状の山部211aと谷部211bとが交互に繰り返してなる波状に形成するのが好ましい。このように波状に形成することで、開封した切り口で手を切るなどの危険性を減少させることができる。
【0025】
隣接する山部211a、211a間、若しくは隣接する谷部211b、211bの距離(ピッチ)Hは、0.5mm〜20mmであるのが好ましい。0.5mm以上であれば加工が困難であることもなく、20mm以下であれば、山部211a、211a間或いは谷部211b、211b間に指が入り難いため、指がバリに触れるのを効果的に防止することができる。
よって、かかる観点から、距離Hは0.5mm〜20mmであるのがより好ましく、特に1mm〜10mmであるのがさらに好ましい。
【0026】
山部211a、谷部211bの振幅幅hは、0.5mm〜20mmであるのが好ましい。0.5mm以上であれば、指がバリに触れるのを効果的に防止することができ、20mm以下であれば加工が困難であることもない。よって、かかる観点から、振幅幅hは0.5mm〜15mmであるのがより好ましく、特に1mm〜10mmであるのがさらに好ましい。
また、隣接する山部211a、211a間、若しくは隣接する谷部211b、211bの距離(ピッチ)Hと山部211a、谷部211bの振幅幅hの比(h/H)が1以上であることが好ましい。
【0027】
非貫通部211Bは、全ての各中腹部211c内に設けてもよいし、一定間隔をおいた一部の中腹部211c内、例えば一つ飛ばし毎の中腹部211c内に設けてもよい。
また、各中腹部211c内の一カ所に設けてもよいし、二カ所以上に設けてもよいが、開封し易さを考慮すると、各中腹部211c内の一カ所或いは二カ所に設けるのが好ましい。
非貫通部211Bの長さlは、0.1mm〜1mmであるのが好ましい。1mm以内であれば切り取り難いことはなく、0.1mm以上であれば、通常の使用時に切れてしまうこともない。よって、かかる観点から、非貫通部211Bの長さlは0.1mm〜1mmであるのがより好ましく、特に0.2mm〜0.5mmであるのがさらに好ましい。
【0028】
なお、非貫通部211Bは、図8(A)に示すように、谷部211bから見て振幅幅hの3/4の位置或いはそれより手前側の位置に設けるのが好ましい。切取線211に沿ってプラスチックシートを切断した際、図8(B)に示すように、非貫通部211Bが鋭利な突起部(“バリ”)211cとなるから、前記のような位置に非貫通部211Bを設けることにより、バリ211Cが手(指を含めて)に触れるのをより一層防ぐことができる。
かかる観点から、非貫通部211Bは、谷部211bから見て振幅幅hの2/3の位置或いはそれより手前側の位置に設けるのがさらに好ましく、中でも谷部211bから見て振幅幅hの1/2の位置或いはそれより手前側の位置に設けるのがさらに好ましい。
【0029】
非貫通部211Bは、シート面の厚さと同じにしてもよいが、図9(A)(B)に示すように、シート面より厚さの薄い薄肉部として形成することもできる。
【0030】
上記のような波状切取線211は、例えば所定の平面視形状を備えた切断刃の適宜箇所に、非切断部を設けてなる切取線形成刃を使用して、プラスチックシートに設けることができる。但し、この方法に限定されるものではない。
【0031】
他方、非波状切取線212は、例えば図10に示すように、シート厚さ方向に貫通してなる貫通線212B内の適宜箇所に、シート厚さ方向に貫通しない非貫通部212Bを設けてなる構成とするのが好ましい。
この際、非波状切取線212を切取線21の端部に設ける場合には、より切断し易いように、貫通線212B内に1か所又は2か所の非貫通部212Bを設けるのが好ましい。
【0032】
(切込み24)
切取線21の少なくとも一端には切込み24を設けて、この切込み24を設けた部分に指を掛けたりするなどして、切断のきっかけとし易いようにするのが好ましい。
この切込み24の形状及び深さは任意であり、例えば図2に示すように、V字状に切除して設けてもよいし、また、図3に示すように、猛禽類の爪の如き形状に切除して掴み易いように設けてもよい。
但し、必ずしも切込み24を設けなくてもよい。
また、切込み24の固着片22(23)側部位を掴み易いように、図3に示すように、本来の外形部分、すなわち上面板部8又は底面板部9の側縁部からはみ出すように、言い換えれば上面板部8又は底面板部9の側縁部から外側に膨らむように(図3では、切込み24の固着片22(23)側が丸く円弧状にはみ出している)、掴み部位25を形成するのが好ましい。
【0033】
(固着片22、23)
固着片22,23は、側面板部3又は側面板部5に接着するための部位であり、切取線21A又は21Bと差込み片10又は11とに挟まれた上面板部8又は底面板部9の側縁部に折曲線6を介して連設してある。
すなわち、固着片22又は23を連設された上面板部8又は底面板部9の部分を含む領域(8A又は9A)と、上面板部8又は底面板部9の残りの領域(8B又は9B)とが、切取線21によって分断されるように、固着片22又は23を上面板部8又は底面板部9に連設すればよい。
【0034】
固着片22,23は、側面板部3又は側面板部5に接着できれば、その大きさや形状は任意である。
【0035】
(本包装ケース50)
本包装ケース50は、上記の如き構成を備えたプラスチックシート1を、次のようにして組み立てることで形成することができる。
【0036】
先ず、正面板部2、側面板部3、背面板部4及び側面板部5をそれぞれ折曲線6を介して折り曲げて、糊代片7を正面板部2の裏面に固着させて容器本体部51を組み立てる。次に、折込み片15及び16を底面内に折り込み、底面板部9を底面内に折り込み、さらに差込み片11を容器本体部51内に差し入れて係合させた後、固着片23を側面板部5に接着剤等を用いて固着させて底面52を形成する。
次に、容器本体部51内に商品等を収納した後、折込み片12、13及び14を上面内に折り込み、上面板部8を上面内に折り込み、さらに差込み片10を容器本体部51内に差し入れて係合させた後、固着片22を側面板部5に接着剤等を用いて固着させて上面53を形成するようにして、包装ケース50を組み立てることができる(図11参照)。
【0037】
包装ケース50は、図11に示すように、上面板部8及び底面板部9が、固着片22、23を介して側面板部5に固着(固定)されているから、切取線21(21A、21B)に沿って上面板部8及び底面板部9を切断する以外、開封する方法はない。
その一方、図12及び図13に示すように、切取線21(21A、21B)に沿って上面板部8及び底面板部9を切断することにより、容易に開封することができる。
そして、一度切取線21(21A、21B)を切り離したら元通りに接続することは不可能であるし、また、開封すると、上面においては、図12に示すように、切取線21Aによって分断された固着片22、上面板部8の一部8A及び差込み片10が側面板部5に固着(固定)された状態で残され、上面板部8の他部8Bが開いた状態となるし、底面においては、図13に示すように、切取線21Bによって分断された固着片23及び底面板部9の一部9Aが側面板部5に固着(固定)された状態で残され、底面板部9の他部9B及び差込み片11が開いた状態となるから、開封されたことを誰もが明確に確認することができる。
【0038】
[用語の説明]
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り、「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り、「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
【符号の説明】
【0039】
1 プラスチックシート
2 正面板部
3 側面板部
4 背面板部
5 側面板部
6 折曲線
7 糊代片
8 上面板部
9 底面板部
10,11 差込み片
12、13、14、15及び16 折込み片
21(21A、21B、21C) 切取線
211 波状切取線
212 非波状切取線
211a 山部
211b 谷部
211c 中腹部
211A 貫通線
211B 非貫通部
211C バリ
212A 貫通線
212B 非貫通部
22,23 固着片
24 切込み
25 掴み部位
50 本包装ケース
51 容器本体部
52 底面
53 上面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板部、左右側面板部、背面板部、上面板部、底面板部、前記上面板部に折曲線を介して連設された差込み片、及び、前記底面板部に折曲線を介して連設された差込み片を有する、包装ケースにおいて、
上面板部内、又は底面板部内、又はこれらの両方の板部内に切取線を設け、該切取線と差込み片とに挟まれた上面板部又は底面板部の側縁部に、前記側面板部に接着する固着片を設けてなる構成を備えた包装ケース。
【請求項2】
請求項1の切取線は、平面視した際に、山部と谷部とを中腹部を介して交互に繰り返し、且つ厚さ方向に貫通してなる貫通線を備えると共に、全ての各中腹部内に、或いは一定間隔をおいた一部の中腹部内に、厚さ方向に貫通しない非貫通部を設けてなる構成を備えた切取線であることを特徴とする、請求項1記載の包装ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−247885(P2010−247885A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101613(P2009−101613)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(591123252)菱江産業株式会社 (18)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】