説明

包装体

【課題】
板状食品をコンパクトに収納するとともに、片手が塞がっている場合でもその板状食品を容易に取り出して喫食することのできる包装容器の提供。
【解決手段】
包装紙2により包装したチューインガム,チョコレート等の板状食品1を包装器材に収納した包装体において、
上記包装紙2が、抜き取り部6と固着部7との間のミシン目5を切断し抜き取り部6を抜き取って開封可能にしてなること、および、各板状食品1が、包装器材8,31に対して、包装紙2の上記固着部7において固着されていることを特徴とする包装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガムやチョコレート等の板状の食品を収納した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガムやチョコレート等の板状の食品を収納する包装容器として、特許文献1,2に記載のものがある。
これらの文献の包装容器は、板状食品を立てた状態で、かつ、前列よりも後列側が高くなるよう段差を設けて2列に重ねてコンパクトに収納したものである。
これは、包装容器内の板状食品の高さが前列より後列側が高くなるので、その取出しが容易になっている。また、板状食品を包装容器内に仮着しているので、たとえば前列の板状食品を取り出したときに後列の内容物が揺動することが防止される。
取り出した個々の板状食品は、その包装紙を剥離して喫食される。
【特許文献1】特許3955355号公報
【特許文献2】特許3955356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、喫食の際には、取り出した個々の板状食品の包装紙を剥離しなければならないので、片手が塞がっている場合には事実上喫食することが難しい。
【0004】
そこで、本発明は、板状食品をコンパクトに収納するとともに、片手が塞がっている場合でもその板状食品を容易に取り出して喫食することのできる包装容器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明は、包装紙2により包装したチューインガム,チョコレート等の板状食品1を包装器材に収納した包装体において、上記包装紙2が、抜き取り部6と固着部7との間のミシン目5を切断し抜き取り部6を抜き取って開封可能にしてなり、各板状食品1が、包装器材8,31に対して、包装紙2の上記固着部7において固着されている包装体である。
【0006】
請求項2記載の本発明は、上記包装器材8が、主板9の下縁に底板10を介して枠板11を連設し、上記主板9の左縁に側板12を介して枠板13を、同じく上記主板9の右縁に側板14を介して枠板15を連設し、また、上記主板9の上縁に連結板16を介して蓋板17を連設した台紙を組み立てて、上記主板9,底板10,側板12,14,枠板11,13,15によって収納部20を形成してなり、その収納部20に収納された上記板状食品1が、その包装紙2の下部の固着部7を主板9の内面または枠板11の内面に固着している請求項1記載の包装体である。
【0007】
請求項3記載の本発明は、上記収納部20に2列に重ねられた状態で収納された上記板状食品1が、前列のものは、その包装紙2の下部の固着部7の前面7aを枠板11の内面に固着し、また、後列のものは、その包装紙2の下部の固着部7の後面7bを主板9の内面に固着している請求項2記載の包装体である。
【0008】
請求項4記載の本発明は、上記包装器材31が、主板32の下縁に底板33を介して枠板34、枠上面板35、押さえ板36を連設するとともに、主板32の上縁に連結板37を介して蓋板38を連設し、その蓋板38の遊端縁に押さえ板39が連設した台紙を、上記底板33,枠板34,枠上面板35,押さえ板36を折り曲げ、中空枠状のスペーサー42を形成し、また、蓋板38の押さえ板39を折り曲げて組み立ててなり、収納された上記板状食品1が、主板32側のものは、その包装紙2の固着部7の端部を、上記押さえ板36と主板32の間に挟んで該主板32に固着され、また、蓋板38側のものは、その包装紙2の固着部7の端部を、押さえ板39と蓋板38の間に挟んで該蓋板38に固着されている請求項1記載の包装体である。
【0009】
請求項5記載の本発明は、上記蓋板38の係合片40をスペーサー42の枠板34の係合孔41に係合させて閉蓋されたとき上記主板32の側と蓋板38の側に固着された板状食品1が2列に重なった状態となる請求項4記載の包装体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明包装体によれば、板状食品をコンパクトに収納するとともに、片手が塞がっている場合でもその板状食品を容易に取り出して喫食することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
包装紙2により包装したチューインガム,チョコレート等の板状食品1を包装器材に収納した包装体において、
上記包装紙2が、抜き取り部6と固着部7との間のミシン目5を切断し抜き取り部6を抜き取って開封可能にしてなること、および、各板状食品1が、包装器材8,31に対して、包装紙2の上記固着部7において固着されていることを特徴とする包装体。
【実施例1】
【0012】
1は、チューインガム,チョコレート等の板状食品、2は、紙,ポリプロピレン,アルミ等単品のあるいはこれらをラミネートした包装紙で、上記板状食品1の外周を横方向(幅方向)に包んで上下端部3,4を折り返すことにより包装するものである。
その包装紙2の上下方向の中央やや下寄りの位置には、上記ミシン目5が形成されており、このミシン目5を切断することで、上側の抜き取り部6と下側の固着部7とを切り離すことができるようになっている。
【0013】
8は包装器材で、その台紙は、主板9の下縁に底板10を介して枠板11を連設し、また、上記主板9の左縁に側板12を介して枠板13を、同じく上記主板9の右縁に側板14を介して枠板15を連設している。
また、上記主板9の上縁に連結板16を介して蓋板17を連設している。18は上記蓋板17の先端に設けた係合片、19は上記枠板11に開設された、蓋板17の閉蓋時にその係合片18を係合させる係合孔である。
【0014】
包装器材8は、上記の台紙を組立てて、すなわち、主板9、底板10,枠板11,側板12,14、枠板13,15を折り曲げ、枠板13,15の下部と枠板11の左右両端とを接着あるいは溶着等により固着することにより、主板9,底板10,側板12,14,枠板11,13,15によって収納部20を形成してなるものである。
【0015】
本実施例の包装体Aは、上記包装紙2により包装された上記板状食品1を、上記固着部7を包装器材8内に固着した状態で収納部20内に収納したものである。
この包装器材8の収納部20には、包装紙2に包装された上記板状食品1を前後2列に重ねた状態で収納できる。収納される板状食品1は、その包装紙2の固着部7において、該包装器材8に固着されている。
具体的には、前列の板状食品1は、その包装紙2の下部の固着部7の前面7aを枠板11の内面に固着し、また、後列の板状食品1は、その包装紙2の下部の固着部7の後面7bを主板9の内面に固着している。また、前列の板状食品1の包装紙2の固着部7の後面7bと後列の板状食品1の包装紙2の固着部7の前面7aも、必要に応じ適宜固着することができる。なお、その固着は、接着剤や粘着テープによる接着あるいは溶着等により行うことができる。
【0016】
なお、この包装器材8よりも厚さを薄く、すなわち、底板10,側板12,14,連結板16の幅を狭くすることで、板状食品1を1列だけ収納する包装器材とすることもできる。
この包装器材に1列に収納される板状食品1は、その包装紙2の下部の固着部7の前面を枠板11の内面に、あるいはその固着部7の後面を主板9の内面に固着できる。
【0017】
上記包装器材8(包装体A)は、蓋板17の係合片18を係合孔19に係合させることにより閉蓋され、板状食品1を2列に重ねて収納したコンパクトな薄板状となる(図5)。
【0018】
板状食品1を喫食する際には、蓋板17を開き、該板状食品1を包装している包装紙2の上部を摘んで引くことによりミシン目5を切断し抜き取り部6を抜脱する。
これにより、板状食品1は上方に取出し可能となるので、指で摘み上げるかあるいは直接口で咥えて取り出して、片手が塞がっている場合でも容易に取り出して喫食することができる。
【0019】
上記のように本包装体Aは、閉蓋状態でポケットやバッグにしまって携帯しやすい薄板状をなすもので、各板状食品1は包装器材8に固着され、しかも閉蓋されているから持ち運びの際にポケットやバッグの中でバラバラになることもない。また、板状食品1の取り出しも極めて行いやすいものである。
【実施例2】
【0020】
Bは上記実施例1の包装体Aと異なる形態の包装体である。
この包装体Bは、包装体Aとは包装器材の形態を異にするものである。
【0021】
その包装器材31の台紙は、主板32の下縁に底板33を介して枠板34、枠上面板35、押さえ板36を連設するとともに、主板32の上縁に連結板37を介して蓋板38を連設している。
蓋板38の遊端縁には押さえ板39が連設されている。
40はその押さえ板の中央に形成され蓋板38の遊端縁に位置する係合片、41は、上記枠板34に開設され、蓋板38の閉蓋時に上記係合片40を係合させる係合孔である。
【0022】
この包装器材31は、上記の台紙を組み立てて、すなわち、底板33,枠板34,枠上面板35,押さえ板36を折り曲げ、中空枠状のスペーサー42を形成し、また、蓋板38の押さえ板39を折り曲げて組み立てられる。
その組立ての際、上記実施例1と同様に包装紙2により包装された板状食品1を、その包装紙2の固着部7の端部を、上記押さえ板36と主板32の間に挟んで接着し、また、上記蓋板38と押さえ板39との間に挟んで接着することにより、板状食品を固着して収納する。
【0023】
蓋板38を閉じ、その係合片40を係合孔41に係合させることにより、包装器材31(包装体B)は、主板32の側と蓋板38の側に固着された板状食品1を2列に重ねた状態で収納したコンパクトな薄板状となる(図10)。
【0024】
板状食品を喫食する際には、蓋板38を開き、該板状食品1を包装している包装紙2の上部を摘んで引くことによりミシン目5を切断し抜き取り部6を抜脱する。
これにより、板状食品1は上方に取出し可能となるので、指で摘み上げるかあるいは直接口で咥えて取り出して、片手が塞がっている場合でも容易に取り出して喫食することができる。
【0025】
このように、本包装体Bは、包装体Aと同様に、閉蓋状態でポケットやバッグにしまって携帯しやすい薄板状をなすもので、各板状食品1は包装器材31に固着され、しかも閉蓋されているから持ち運びの際にポケットやバッグの中でバラバラになることもない。また、板状食品1の取り出しも極めて行いやすいものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1に係る包装体の開蓋状態の斜視図である。
【図2】上記包装体の開蓋状態の正面図である。
【図3】板状食品を包装している包装紙の抜き取り部を抜き取って、上記包装体に収納された板状食品を取り出した状態の斜視図である。
【図4】上記包装体の開蓋状態の縦断面図である。
【図5】上記包装体の閉蓋状態の縦断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る包装体の開蓋状態の斜視図である。
【図7】上記包装体の開蓋状態の正面図である。
【図8】板状食品を包装している包装紙の抜き取り部を抜き取って、上記包装体に収納された板状食品を取りだした状態の斜視図である。
【図9】上記包装体の開蓋状態の縦断面図である。
【図10】上記包装体の閉蓋状態の縦断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 板状食品
2 包装紙
3 上端部
4 下端部
5 ミシン目
6 抜き取り部
7 固着部
7a 前面
7b 後面
8 包装器材
9 主板
10 底板
11 枠板
12 側板
13 枠板
14 側板
15 枠板
16 連結板
17 蓋板
18 係合片
19 係合孔
20 収納部
31 包装器材
32 主板
33 底板
34 枠板
35 枠上面板
36 押さえ板
37 連結板
38 蓋板
39 押さえ板
40 係合片
41 係合孔
42 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装紙により包装したチューインガム,チョコレート等の板状食品を包装器材に収納した包装体において、
上記包装紙が、抜き取り部と固着部との間のミシン目を切断し抜き取り部を抜き取って開封可能にしてなること、および、各板状食品が、包装器材に対して、包装紙の上記固着部において固着されていることを特徴とする包装体。
【請求項2】
上記包装器材が、主板の下縁に底板を介して枠板を連設し、上記主板の左縁に側板を介して枠板を、同じく上記主板の右縁に側板を介して枠板を連設し、また、上記主板の上縁に連結板を介して蓋板を連設した台紙を組み立てて、上記主板,底板,側板,枠板によって収納部を形成してなり、その収納部に収納された上記板状食品が、その包装紙の下部の固着部を主板の内面または枠板の内面に固着していることを特徴とする請求項1記載の包装体。
【請求項3】
上記収納部に2列に重ねられた状態で収納された上記板状食品が、前列のものは、その包装紙の下部の固着部の前面を枠板の内面に固着し、また、後列のものは、その包装紙の下部の固着部の後面を主板の内面に固着していることを特徴とする請求項2記載の包装体。
【請求項4】
上記包装器材が、主板の下縁に底板を介して枠板、枠上面板、押さえ板を連設するとともに、主板の上縁に連結板を介して蓋板を連設し、その蓋板の遊端縁に押さえ板が連設した台紙を、上記底板,枠板,枠上面板,押さえ板を折り曲げ、中空枠状のスペーサーを形成し、また、蓋板の押さえ板を折り曲げて組み立ててなり、収納された上記板状食品が、主板側のものは、その包装紙の固着部の端部を、上記押さえ板と主板の間に挟んで該主板に固着され、また、蓋板側のものは、その包装紙の固着部の端部を、押さえ板と蓋板の間に挟んで該蓋板に固着されていることを特徴とする請求項1記載の包装体。
【請求項5】
上記蓋板の係合片をスペーサーの枠板の係合孔に係合させて閉蓋されたとき上記主板の側と蓋板の側に固着された板状食品が2列に重なった状態となることを特徴とする請求項4記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−173322(P2009−173322A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15908(P2008−15908)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(307013857)株式会社ロッテ (101)
【Fターム(参考)】