説明

包装容器の部品を成形する装置

本発明は、それぞれ包装容器本体(12)の端部(20)と共同して熱可塑性パッケージ部品を成形する装置および方法に関する。装置は、その間にパッケージ部品毎にキャビティ(30)が形成された内型要素(24)および外型要素(26)を含む。型要素の少なくとも一方は、少なくとも部分的に自由に吊り下げられる。型要素で1つのパッケージ部品が成形される場合、装置は、プラスチック溶融体(32)がキャビティの第1の数≧1の点(42)に注入され、各点のプラスチック溶融体のアイランド(45)がキャビティの内側に形成され、点の分布が、圧縮力の方向(D)に直交する面(P)上にあるアイランドのそれぞれの平行投影図(45’,45”)によって画定される表面(92)を力の中心(F)が通るような、そして、第1の数が2以上の場合は、表面が最大になるように、第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線(90)によって画定される表面を力の中心(F)が通るような分布である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器の部品を成形する装置に関し、特に、紙積層体のスリーブの縁部で熱可塑性樹脂の頂部を成形する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、熱可塑性パッケージ部品を他のパッケージ部品上に直接成形する、例えば紙のコア層を含む包装ラミネートのスリーブ上に熱可塑性パッケージの頂部を成形する際に使用するために開発された。パッケージ頂部は、スリーブに当てて成形されるばかりでなく、ねじキャップなどのキャップの形態の開封器具に当てて成形することもできる。
【0003】
その結果、食品を包装できる包装容器になる。出願人は、例えばテトラ・トップ(登録商標)の名称で、類似のタイプのパッケージを販売している。
【0004】
このような包装容器は今日、包装ラミネートの平坦な管形のブランクを起こして、その一方端を密封し、熱可塑性樹脂の頂部をその端部に直接射出成形することにより製造されている。頂部は注ぎ口を含み、これは注ぎ口を密封するためにねじキャップの内ねじと係合する外ねじがある首部によって画定される。キャップは2つの方法で取り付けることができる。前述したように、頂部がスリーブに当てて成形されるばかりでなく、キャップに当てても成形されるように、キャップを成形用具内に配置することができる。このような場合、キャップは成形用具の一部である。あるいは、包装容器の形成準備が整ったら、キャップを取り付けることができる。すなわち成形用具の部品としてキャップを成形することがない。恐らく、包装および充填機の取り扱いを容易にするために、後者の場合は、首部の注ぎ口に頂部と同時に成形されるはぎ取り式の膜を形成することができる。
【0005】
この状況で現在使用されている成形技術は、射出圧縮として周知のものである。射出圧縮では、第1のステップで、部分的に閉じた射出成形用キャビティが溶融した熱可塑性材料で部分的に充填される。次に、キャビティが完全に閉じられ、これは溶融体に圧縮力を与え、これで溶融体がキャビティを満たすようになる。この技術は、出願人自身の特許公開US5,667,745号に記載されている。
【0006】
射出成形されるパッケージ部品の材料は薄肉であり、包装および充填機内で実行されるこのタイプの射出成形の生産サイクル時間は、通常の射出成形と比較すると極端に短い。通常、1つの頂部を製造する生産サイクル時間は1秒以下である。これは、機械の出力容量を高レベルに維持するために必要なことである。
【0007】
射出成形の後、パッケージは開放端を上向きにした状態で搬送され、その後の充填ステーションで充填される。場合によっては、パッケージは充填前に1つまたは複数の滅菌ステーションも通過する。充填後、パッケージの開放端が折り曲げられ、密封される。
【0008】
射出圧縮の1つの代替方法は、圧縮成形である。この操作では、適当な量の溶融した熱可塑性材料が、開いた成形用具のキャビティに注入され、その後に溶融体がキャビティを満たすように成形用具が共に圧縮される。
【0009】
薄肉パッケージ部品のこれら2つの成形タイプのいずれにおいても良好な結果を得るために、圧力を加える時にプラスチック溶融体がキャビティ内に迅速かつ均一に分配されることが極めて重要である。これは、パッケージ部品の構成が複雑である場合、および同一の成形用具で同時に複数のパッケージ部品を製造する意図がある場合に特に重要になる。
【0010】
従来の射出成形および圧縮成形では、成形用具の安定した吊り下げを使用し、成形されるこれらの物体の良好な品質を得るために、成形装置内の対称性が必要である。例えば、射出成形の射出ダクトを等しい長さとし、溶融体が1つまたは複数のキャビティに供給されるこれらの点に、同一の量の溶融体が注入され、その点が均一に分布するように、成形用具を(複数のキャビティを有する意図がある場合は)対称のパターンで配置する必要がある。しかし、対称にもかかわらず、成形装置の平衡を得る、すなわち、プラスチック溶融体が部分的に硬化する前に、プラスチック溶融体の流頭を至る所に均一に移動させることが困難な場合がある。外部の混乱が容易に不安定性を引き起こし得る。このような混乱とは、例えば成形用具の一様でない制御、または任意の点におけるプラスチック溶融体の量の変化または適切であるべきプラスチック溶融体の組成の変化などがある。
【0011】
より高い安定性および混乱を効果的に防ぐ1つの方法は、圧縮が開始したら、相互に対して一定の可動性を有する成形用具を使用することである。すなわち、成形装置内の安定性および力の平衡を達成できるように、少なくとも1つの成形用具が、多少「浮力がある」状態で吊り下げられ、一定の混乱を補償することができる。
【0012】
この解決方法自体が最適な成形を達成するには不十分であることが分かっている。しかし、金型の平衡に関しては改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許公開US5,667,745号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の1つの目的は、包装容器本体の端部に関連する熱可塑性パッケージ部品を成形する装置であって、成形装置の安定性が改良された結果、高度の精度でパッケージ部品を生産できる装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上の目的は、その間に型キャビティが形成された内型要素および外型要素を備え、キャビティは、キャビティと接触しているように包装容器本体の少なくとも上記端部を受けられるように配置され、上記型要素の少なくとも一方が少なくとも部分的に自由に吊り下げられ、さらに、キャビティ内にプラスチック溶融体を注入する手段と、キャビティが閉じるように上記型要素を接近させ、キャビティ内でプラスチック溶融体を押し出すために型要素に圧縮力を加える手段とを備え、型要素の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられている結果、圧縮力が力の中心に作用する装置によって達成される。この装置は、プラスチック溶融体が第1の数≧1の点にてキャビティに注入されて、各点のプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの内側に形成され、上記点の分布が、圧縮力の方向に直交する面上にある前記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって画定される表面を前記力の中心が通るように、そして、前記第1の数が2以上の場合は、前記表面が最大になるように、第3の数の前記平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される表面を前記力の中心(F)が通るような分布であることを特徴とする。
【0016】
型要素の少なくとも1つが部分的に自由に吊り下がることは、装置がより高い安定性を有し、混乱を効果的に防ぐことができる可能性があることを意味する。溶融体を幾つかの点にてキャビティに注入し、1つの点から入る溶融体が他の点よりわずかに多い場合であっても、上記力の中心を上述した方法で画定された表面に通すことができ、該表面が隣接して連続していると、本装置はこれを補償することができる。次に型要素を共に圧縮すると、最初は溶融体の大部分において圧力が高くなり、これに対応して可動型要素が移動する。しかし、キャビティは力の平衡をもたらし、圧縮力が引き起こされて、溶融体の量が少ない場合に比べて、より大きい面積にわたって溶融体が広がる。その結果、様々な溶融体の圧力差が最終的に実質的にゼロになり、可動型要素が相応して順応する。それにより、成形された熱可塑性パッケージ部品の材料厚さが、ほぼ均一になる。
【0017】
キャビティにプラスチック溶融体を注入する点の数は、1以上とすることができる。注入点が1つの(上記第1の数=1)場合、力の中心が通る表面は、投影図の面上にあるプラスチック溶融体の1つのアイランドの平行投影図によって画定される。この場合、本発明によると、力の中心はこの投影図を通る。
【0018】
注入点が2つの(上記第1の数=2)場合、力の中心が通る表面は、投影図の面上にある2つの平行投影図、すなわちプラスチック溶融体のアイランド毎に1つの平行投影図によって、且つ、上記表面が最大になるような方法で2つの平行投影図を相互接続する(上記第3の数=上記第2の数=2)2本の想像直線(上記第2の数=上記第1の数=2)によって画定される。この場合、本発明によると、力の中心は平行投影図の1つ、また平行投影図の間にあって想像線によって画定された区域を通る。
【0019】
注入点が3以上の場合、状況はこれよりわずかに複雑である。注入点の数が例えば3つ(上記第1の数=3)である場合、力の中心が通る表面は、投影図の面上にある3つの平行投影図、すなわちプラスチック溶融体のアイランド毎に1つの平行投影図によって、且つ、上記表面が最大になるような方法で第3の数の投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される。したがって、第2および第3の数は、これによって画定される表面が最大になるような方法で選択される。これを選択する方法は、少なくとも、注入点の相互に対する位置決め、およびプラスチック溶融体の対応するアイランドのサイズによって決定される。アイランドのサイズは少なくとも、対応する注入点に注入されるプラスチック溶融体の量、さらに注入点の区域にあるキャビティの形状によって決定される。さらに、第2の数の想像線は、それにより画定される表面が最大になるような方法で、第3の数の平行投影図の間に引かれる。
【0020】
非常に短い生産サイクル時間で薄肉パッケージ部品を高い精度で成形することが可能であると共に例えば型要素の案内および各点へのプラスチック溶融体の分布に関して許容性を持たせるために、圧縮力の印加点、型要素の少なくとも1つの少なくとも部分的に自由な吊り下げ、プラスチック溶融体の注入点の位置決め、さらにアイランドのサイズの間の関係は極めて重要である。それでも、キャビティ内の安定性および力の平衡を得ることができる。
【0021】
1つの現在好ましい実施形態では、本発明による装置は、プラスチック溶融体が注入される前にキャビティを部分的に閉じるように、型要素を接近させる手段を含み、プラスチック溶融体はダクトを通してキャビティに注入される。ダクトのそれぞれは一方端で押出機に連通し、プラスチック溶融体は他方端で上記点のうちの1つにてキャビティ内に放出される。この技術は、上述したように射出圧縮と称され、特に薄肉パッケージ頂部の成形に非常に良好な結果をもたらす。
【0022】
現在好ましい他の実施形態では、プラスチック溶融体の一部を、キャビティが実質的に開いている位置で上記点のそれぞれに注入する。この技術は、上述したように圧縮成形と称され、これもパッケージ頂部の成形において良好に機能する。
【0023】
本発明は、それぞれが包装容器本体の端部と関連する2つ以上の熱可塑性パッケージ部品を成形する装置も含む。装置は、その間にパッケージ毎に1つの射出成形キャビティが形成された内型要素および外型要素を備え、キャビティは、キャビティと接触しているように包装容器本体の少なくとも上記端部を受けられるように配置され、上記型要素の少なくとも一方が少なくとも部分的に自由に吊り下げられ、さらに、キャビティ内にプラスチック溶融体を注入する手段と、キャビティが閉じるように上記型要素を接近させ、キャビティ内でプラスチック溶融体を押し出すために型要素に圧縮力を加える手段とを備え、型要素の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられている結果、圧縮力が力の中心に作用する。この装置は、プラスチック溶融体がキャビティに分布する第1の数の点にて注入され、したがってキャビティのそれぞれ1つに少なくとも1つの点があり、各点のプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの内側に形成され、上記点の分布が、圧縮力の方向に直交する面上にある前記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって画定され、且つ、表面が最大になるような方法で第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される表面を上記力の中心が通るようにできるような分布であることを特徴とする。
【0024】
安定性および力の平衡を得るために、原則的に1つのみのパッケージ部品の成形の場合と同じ基準が当てはまる。
【0025】
本発明の1つの現在好ましい実施形態では、パッケージ部品は、紙のコア層を含む包装ラミネートのスリーブの形態で包装容器本体上に成形される。
【0026】
さらなる現在好ましい実施形態は、キャビティがその閉じた位置で、注ぎ口を含むパッケージ頂部の形態であることを特徴とする。
【0027】
本発明のさらなる現在好ましい実施形態では、キャビティは、また、キャップの形態の開封器具を受けることができるようにも配置され、キャップが内型要素の一部とともに、上記注ぎ口を画定する上記パッケージ頂部の首部を形成するように配置される。キャビティ内にキャップ、例えばねじキャップを位置決めすることにより、包装頂部をキャップに当てて成形することが可能であり、これにより消費者にとって取り扱いが極めて簡単であると共に開封前は極めて密で漏れない開封器具になる。
【0028】
本発明の1つの現在好ましい実施形態は、少なくとも部分的に自由に吊り下げることが、型要素の少なくとも1つが弾性要素を介して吊り下げられることを意味し、それにより圧縮力を少し制限できることを特徴とする。このような手段により、装置は、型要素で生じ得る斜め方向の移動、さらに個々の各注入点にわたって生じ得るプラスチック溶融体の不均一な分布を全て相殺することができる。
【0029】
本発明のさらなる現在好ましい実施形態では、少なくとも部分的に自由に吊り下げられた型要素の1つは、実質的に静的に吊り下げられる。この場合、その型要素は完全に自由に調節可能である。
【0030】
本発明は、包装容器本体の端部に関連する熱可塑性パッケージ部品を成形する方法にも関し、包装容器本体は、少なくとも内層に熱可塑性樹脂を含む。この方法は、その間に型キャビティが形成された内型要素および外型要素を提供するステップと、上記型要素の少なくとも一方が確実に少なくとも部分的に自由に吊り下げられるようにするステップと、キャビティと接触するように包装容器本体の上記端部を配置するステップと、キャビティ内にプラスチック溶融体を注入するステップと、キャビティが閉じるように上記型要素を接近させるステップと、キャビティ内でプラスチック溶融体を押し出すために型要素に圧縮力を加えるステップであって、型要素の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられている結果、圧縮力が力の中心に作用するステップとを含む。この方法は、キャビティの内側に各点のプラスチック溶融体のアイランドを形成するために、プラスチック溶融体を第1の数≧1の点にてキャビティに注入することと、上記点の分布が、確実に、圧縮力の方向に直交する面にある上記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって画定される表面であって該表面が上記第1の数>1の場合は最大になるような方法で第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される前記表面を上記力の中心が通るようにできるような分布であるようにすることとを特徴とする。装置に関して上述した利点は、本発明による方法にも当てはまる。
【0031】
本発明は、また、それぞれが包装容器本体の1つの端部に関連する2つ以上の熱可塑性パッケージ部品を成形する方法にも関し、包装容器本体は、少なくとも内層に熱可塑性樹脂を含む。この方法は、その間にパッケージ部品毎に1つの型キャビティが形成された内型要素および外型要素を提供するステップと、上記型要素の少なくとも一方が確実に少なくとも部分的に自由に吊り下げられるようにするステップと、キャビティと接触するように包装容器本体の上記端部を配置するステップと、キャビティ内にプラスチック溶融体を注入するステップと、キャビティが閉じるように上記型要素を接近させるステップと、キャビティ内でプラスチック溶融体を押し出すために型要素に圧縮力を加えるステップであって、型要素の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられている結果、圧縮力が力の中心に作用するステップとを含む。前記注入するステップにおいて、前記プラスチック溶融体を前記キャビティに分布する第1の数の点に注入し、該第1の数の点はそれぞれの点において各キャビティの内側にプラスチック溶融体のアイランドが形成されるように、各キャビティにつき少なくとも1つとなるような数であり、前記点の分布が、確実に、前記圧縮力の方向に直交する面上にある前記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって画定される表面を前記力の中心が通り、且つ、前記表面が最大になるように、第3の数の前記平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される表面を前記力の中心が通るような分布である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
次に、添付の略図に示された現在好ましい実施形態を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0033】
【図1】本発明を使用できる包装容器を概略的に示す。
【図2】ほぼ閉じた位置に配置された内型要素と外型要素の間のキャビティに材料溶融体が注入される状態の断面図を概略的に示す。
【図3】図2と一致するが、型要素が両方とも閉位置まで共に圧縮され、したがって材料溶融体がキャビティの全体に流れている図を概略的に示す。
【図4a】下の図は上から見たキャビティと注入されたプラスチック溶融下を、上の図は下の図の線A−Aを通る断面を概略的に図示する。
【図4b】下の図は上から見たキャビティと注入されたプラスチック溶融体を、上の図は下の図の線A−Aを通る断面を概略的に図示する。
【図4c】下の図は上から見たキャビティと注入されたプラスチック溶融体を、上の図は下の図の線A−Aを通る断面を概略的に図示する。
【図4d】下の図は上から見たキャビティと注入されたプラスチック溶融体を、上の図は下の図の線A−Aを通る断面を概略的に図示する。
【図5a】射出成形装置の一例に使用される型要素の断面図を概略的に示し、作業サイクルの1つのステップを図示する。
【図5b】射出成形装置の一例に使用される型要素の断面図を概略的に示し、作業サイクルの別のステップを図示する。
【図5c】射出成形装置の一例に使用される型要素の断面図を概略的に示し、作業サイクルのさらに別のステップを図示する。
【図6】キャビティを表す本体を上の斜視図で、4つの注入点によって生成される力が作用する表面を下の平面図で概略的に示す。
【図7】図6の下の図に対応し、1つの注入点によって生成される力が作用する表面を概略的に示す。
【図8】図6の下の図に対応し、2つの注入点によって生成される力が作用する表面を概略的に示す。
【図9】図6の下の図に対応し、3つの注入点によって生成される力が作用する表面を概略的に示す。
【図10】図6の下の図に対応し、3つの注入点によって生成される力が作用する表面を概略的に示す。
【図11】2つのキャビティおよび4つの注入点によって生成される力が作用する表面を概略的に示す。
【図12】4つのキャビティおよび12の注入点によって生成される力が作用する表面を概略的に示す。
【0034】
図面に示された各実施例の同一の物体または類似の物について、簡略化のために同じ参照番号が使用されていることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、例えば図1に示され、以降で参照番号10を付して説明される包装容器などの製造に適用可能である。上記包装容器10は、包装ラミネートのスリーブの形態の本体12と、薄肉頂部14の形態の熱可塑性パッケージ部品とを備える。頂部14には、注ぎ口がある首部が配置され(図示せず)、この注ぎ口にはキャップの形態の開封器具16が設けられ、キャップはこの例では、首部の外側にあるねじと係合する内側のねじがあるねじキャップで構成される。
【0036】
スリーブ12は、包装ラミネートのシートの2つの縦縁に、密封される重なり接合部18を形成させるように製造される。包装ラミネートは各種のタイプでよいが、通常は、紙または板紙のコア層および例えばプラスチックおよびアルミ箔の1つまたは複数のバリア層を備える。この例では、ラミネートは、少なくとも包装容器の中心に向かって内向きになるように折り返される面に熱可塑性樹脂の外層を備える。材料はポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)であることが好ましいが、他の熱可塑性樹脂またはそれらの組合せも当然可能である。
【0037】
当初においては、スリーブ12はその軸方向の両端部で開いている。本発明による装置および方法を使用して、両端部のうちの一方の端部20に直接、頂部14が射出成形される。
【0038】
射出成形中に、スリーブ12の他方の端部22は開いている。この端部22は、包装容器10を滅菌し、製品を充填した後、最終的に密封され、折り曲げられる。
【0039】
頂部14は、基部材料として少なくとも1つの材料、および場合によってはバリア材料(本明細書では説明しない)も含む。基部材料は熱可塑性樹脂であることが好ましい。適切な熱可塑性樹脂の例はポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)である。
【0040】
頂部14は、前述したように、射出圧縮または圧縮成形によって、原則的に2つの方法で適切成形することができる。
【0041】
以下では、射出圧縮の装置および方法により本発明を説明する。図2は、成形用具24、26の形態の内型要素および外型要素の一部を示す。内部用具24は、例えば包装および充填機のマンドレルホイール上にあるアーム28の端部でよく、一方、外部用具26は、内部用具24に向かってアーム28の長さだけ押下され、内部用具24を囲むことができるように配置される。
【0042】
さらに装置は、上記内部および外部用具24、26を接近させるために、以降で説明する手段を含む。接近させると、その間に型キャビティ30が形成され、その中で上述した頂部14が成形される。用具24、26は3つの主要な位置を有する。第1の開位置は図示されず、この開位置において、外部用具26は内部用具24を囲むように配置されていないが、包装ラミネートのスリーブ12をアーム28上に渡すことができる。このスリーブ12は、射出成形を実行した後、アーム28から外すことができる。スリーブ12は、用具24、26を接近させるとその端部20がキャビティ30内に位置するように、内部用具24上に配置される。図2は、ほぼ閉じた位置である第2の位置を示す。外部用具26は内部用具24を囲んでいるが、外部用具と内部用具24、26の間のキャビティ30は、射出成形される頂部14の容積より大きい第1の容積を有する。この位置で、プラスチック溶融体32をキャビティ30に注入するが、溶融体32の容積は、この位置ではキャビティ30の容積ほど大きくない。図3は第3の位置を示す。ここで、外部用具26は、注入された溶融体32がキャビティ30から押し出され、スリーブ12の端部20に接触するまで、内部用具24に向かって押し下げられる。圧縮すると、キャビティ30はより小さな第2の容積になり、この容積は、薄肉頂部14の容積に実質的に対応する。
【0043】
外部および内部用具24、26は、第3の位置で相互に接触しないように設計される。或いは、外部用具26は必要に応じて内部用具24にさらに押しつけることができる。この方法は、用具を開く前の硬化および冷却プロセス中に使用される。頂部は冷却されると収縮するが、外部用具26を引き続き頂部に押しつけることができ、外部用具26と接触し続ける結果、より効率的な冷却サイクルが得られる。
【0044】
図2および図3に示すように、頂部が成形される際、スリーブの端部20ばかりでなくキャップ34に向かっても射出される。キャップ34は内部用具24とともに、キャビティの端部内に端部領域を形成する。該端部領域は頂部14の首部36を形成する。該首部36は、上述した注ぎ口の縁部を構成する。この例では、注ぎ口はスリーブ12から最も遠位側に位置する頂部14の端部に形成される。したがって、キャップ34は内部用具24の外端に配置される。例えば図2では、首部36の所における内部用具24の直径がキャップ34の内径より小さく、首部36が内部用具24とキャップの内周表面の間に形成されることが分かる。外部用具26は、キャップ34の外周表面に、さらに部分的にキャップの円形上面に当接する。キャップ34は射出成形によって製造されるが、包装および充填機にて完成状態になる。キャップの材料はポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)であることが好ましい。他の熱可塑性樹脂またはそれらの組合せも当然可能である。
【0045】
スリーブ12の端部20を外部用具と内部用具24、26の間のキャビティ30内に位置させるために、端部20が延在することができる開口38が設けられている。開位置で、スリーブ12は、端部20がアーム28の端部において内部成形用具24上に延在するように、アーム28上に配置される。外部用具26が内部用具24を囲むと、スリーブ12が所定の位置にロックされ、その端部20がキャビティ30の内側に配置される。
【0046】
プラスチック溶融体32は、適切な手段によって準備されて、キャビティ30内に注入される。適切な手段は例えば従来の射出成形押出機(図示せず)を備え、さらに複数の点にてキャビティ30内に放出する供給ダクト40がこれに接続される。この複数の点は十字でマークされている。図2および図3は、外部用具26を通って延び、点42にてキャビティ30内に放出する1つの供給ダクト40を示す。
【0047】
供給ダクト40を囲んで加熱要素44が設けられ、この加熱要素は電気式であることが好ましく、ダクト40内の溶融体32が冷却によって硬化することを防ぎ、溶融状態を確実に維持する。
【0048】
内部および外部用具24、26には、用具を冷却し、それにより射出成形されたパッケージ部品を冷却する幾つかの冷却ダクト(図示せず)が設けられる。冷却水がダクト内に通され、この例では、冷却ダクトは、用具の温度がほぼ室温に、すなわち約20℃に確実に維持されるようにする。
【0049】
図2および図3には、1つの供給ダクト40のみが示されている。しかしこの例では、キャビティ30内に均一に分配された合計4つの供給ダクトが設けられている。したがって、プラスチック溶融体は頂部の4つの「ケーク部片」を形成するために、4つの点にてキャビティ内に同時に注入される。これは図4aから図4dに概略的に図示されている。これらの図ではキャビティ30が輪郭および注入点42(上述のように十字の形態で)が示されているだけである。プラスチック溶融体32はグレーの「スポット」として示されている。図4aは、射出操作の開始時点を示している。図4bでは、頂部の形成に必要な量のプラスチック溶融体32がキャビティ30内に注入されており、その中に注入点42毎にプラスチック溶融体のアイランド45が形成されている。図4cでは、成形用具24および26の圧縮が開始している。図4dは、成形用具24、26が相互に圧縮され、それによりプラスチック溶融体32がキャビティ30内に押し出されている第3の位置を図示している。
【0050】
本発明による装置は、キャビティ30が閉じられるように内部および外部成形用具24、26を接近させ、プラスチック溶融体32をキャビティ30内に押し出すために用具24、26に圧縮力を加える手段も含む。これらの手段は、以下で例を用いて説明されるが、成形用具24、26の少なくとも一方の部分的に自由な吊り下げを実現する目的も達成する。
【0051】
図5aは、内部および外部用具24、26、及びこれらの用具を接近させ、圧縮する手段を示す。図2および図3に関して上記に図示したように、外部用具26は、押し出されたプラスチック材料を受ける1つまたは複数のダクト40が設けられ、内部用具24に対して動作可能であるように配置される。内部用具24は、(上述したように)アーム28またはマンドレルの形態を有し、5つのマンドレルがあるマンドレルホイール46上に配置される。他の実施形態では、マンドレルホイール46上に異なる数のマンドレルを設けることができる。マンドレル28は、マンドレルホイール46から半径方向に突き出すように配置される。マンドレルホイール46は、マンドレルが外部用具26に位置合わせされた正確な位置に1ステップずつ位置決めされるような方法で、シャフト(図示せず)上で間欠的に回転するように配置される。
【0052】
この例では、紙積層体のスリーブ12がキャップ34とともにマンドレル28上に連続的なステップで配置され、次にマンドレルの一部が内部用具24を形成する。次に、内部用具24が外部用具26と整列するように位置決めされる。2つの用具が接近させると、その間に上述したキャビティが形成され、外部用具のダクト40がキャビティ内に放出する。
【0053】
外部用具26は、下板48および上板50を有する可動フレームに装着され、下板および上板48、50は複数の棒52によって一緒に保持されていることが分かる。板48、50は、射出成形機構の部品を配置するために、相互に離間して配置される。外部用具26は下板48に配置される。下板および上板48、50および棒52によって形成されるフレームは、レール54上を移動できるように配置される。これらのレール54は、ベースプレート56に固定された状態で張力が加えられる。上記ベースプレート56は、その中心がマンドレルホイール46と当接している。
【0054】
レール54はその他方端でスタンド58に固定され、スタンドは第1のサーボモータ60および第2のサーボモータ62を支持している。第1の旋回アーム64が、ディスク68の回転軸からある距離に位置決めされるように、該ディスク68上に偏心配置された第1の旋回シャフト66によってサーボモータに接続される。ディスク68は第1のサーボモータ60によって回転する。第1の旋回アーム64は、第2の旋回シャフト72によって第2の旋回アーム70に接続される。第2の旋回アーム70は、第3の旋回シャフト74によって外部用具26のフレームの上板50に接続される。
【0055】
第3の旋回アーム76が、一方端で第1および第2の旋回アーム64、70と同様に旋回シャフト72に接続される。第3の旋回アーム76の他方端は、第2のサーボモータ62内に収容される。
【0056】
第1のサーボモータ60の開始位置で、すなわち第1のサーボモータが回転する前に、第2の旋回アーム70は想像線78に対して傾斜している。想像線78はキャビティの中心を通って延び、第2の旋回アーム70とフレームの上板50の間で旋回シャフト74と交差し、シャフトと第2のサーボモータ62の偏心要素と交差して、マンドレルホイール46の中心を通る。第1のサーボモータ60が、キャビティが部分的に閉じた端位置まで回転すると(図5b参照)、第2の旋回アーム70は、第1、第2および第3の旋回アーム64、70、76、さらに第1、第2および第3の旋回シャフト66、72、74の構成により、想像線78と整列する位置まで移動する。第3の旋回アーム76は、第1のサーボモータ60が端位置に到達した時に、第2の旋回アーム70および想像線78と整列するように配置されている。
【0057】
第2のサーボモータ62には、第3の旋回アーム76に作用する偏心要素が設けられる。偏心要素は第2のサーボモータの回転シャフト上に形成され、第3の旋回アーム76はころ軸受けにより軸止される。第2のサーボモータ62は第1のサーボモータ60が端位置に到達しないと駆動されないので、第2のサーボモータの偏心要素は直線のリンク機構に作用する。
【0058】
したがって、第1のサーボモータ60はキャビティを部分的に閉じるために、第1、第2および第3の旋回アーム64、70、76の形態のエルボ継手機構と協働する。第2のサーボモータ62は、強いロック力でキャビティを閉じて、ロックし、それによりキャビティの内側のプラスチック材料を圧縮するために、偏心要素と、および第2および第3の旋回アーム70、76と協働する。
【0059】
押出機80が、射出圧縮の機構に配置される。管82が配置されて、プラスチック材料を押出機80から外部用具26内の1つまたは複数のダクト40を介して案内し、外部用具と内部用具24、26の間に形成されたキャビティ内に射出する。
【0060】
図示された例は、以下の作業サイクルを有する。マンドレルホイール46は、均一に離間して配置された5つのマンドレル28を有し、各マンドレルが内部用具24を形成する。マンドレルホイール46は、各作業サイクル中に1回転の1/5だけ回転する、または割り出される。その結果、各マンドレル28は5つの異なる位置に移動する。第1の位置で、スリーブ12がマンドレル28に配置される。第2の位置で、キャップ34がマンドレルに配置される。第3の位置で、プラスチック頂部14がスリーブ12とキャップ34の間に射出成形される。したがって第3の位置の後、スリーブ12、プラスチック頂部14およびキャップ34がユニットを形成する。マンドレル28の第4の位置で、このように形成されたユニットを冷却することができる。第5すなわち最終位置で、形成されたユニットがマンドレル28から外される。
【0061】
作業サイクルの開始時に、マンドレル28、すなわち内部用具24は外部用具26と整列するように配置される。内部用具24はスリーブ12およびキャップ34を担持している。第1のサーボモータ60がキャビティを閉じると、外部用具26が内部用具24に向かって下方向に変位し、キャビティが形成される。第1のサーボモータの動作により、第1の旋回アーム64が接続された旋回シャフト66を保持しているディスク68を回転する。第1の旋回アームが動作する結果、第2および第3の可動アーム70、76も動作する。第1のサーボモータ60は、第2および第3のアーム70、76を、上記アームが想像線78と整列する直線を形成する位置まで移動させる。この位置で、第1のサーボモータ60が停止し、これが第1のサーボモータの端位置になる(図5b参照)。これにより、上述した図2の部分的に閉じた第2の位置に到達する。
【0062】
作業サイクルの次のステップは、押出機80が、管82および外部用具の1つまたは複数のダクト40を介してプラスチック材料をキャビティに注入する。上述したように注入されたプラスチック材料は、キャビティを完全には充填しない。その後、第2のサーボモータ62が回転し、それにより第2のサーボモータ62に接続された偏心要素は、外部用具26が内部用具24に向かってさらに移動し、キャビティを閉じる(図5c参照)ように、第3の旋回アーム76に作用する。これで、上述した図3の閉じた第3の位置に到達する。第2のサーボモータ62は1回転の約1/3から1/2回転する。第2のサーボモータ62のこの比較的長い動作は、偏心要素によって外部用具26のわずか1〜2mmの動作に変換される。外部用具26のこのような追加的動作により、材料がキャビティを完全に充填するように、注入されたプラスチック材料を、圧縮する。サーボモータ60、62の両方がその端位置に位置すると、注入された材料が冷却される。このように冷却は圧力下で行なわれ、通常はキャビティの内側から行なわれる。
【0063】
冷却後、少なくとも第1のサーボモータ60によって外部用具26を内部用具24から引き上げて、キャビティを開く。通常、第1および第2のサーボモータ60、62は同時に動作する。サーボモータ60、62が両方とも開始位置に戻ると、マンドレルホイール46が1回転の1/5だけ割り送りされる。これで、新しい作業サイクルを開始することができる。
【0064】
前述したように、外部用具26は少なくとも部分的に自由に吊り下げられる。
【0065】
意図されるものの一例は、簡潔に説明すると、成形用具の少なくとも1つが弾性要素を介して吊り下げられ、それにより圧縮力を前提条件に応じて、すなわち例えば成形用具の位置(および場合によっては案内の傾き)およびキャビティ内のプラスチック溶融体の分布の歪みに応じて、少し制限されることがある。弾性要素として、例えばばね、ゴム要素などの幾つかの機械要素を使用することができる。
【0066】
図5aから図5cに関して説明した機構では、弾性要素は上述したレール54である。外部成形用具26を有するフレームがこれらのレール54上を移動するが、このレール54は比較的長く且つ細く、約100〜120センチメートルの長さで、わずかに伸張可能であるように配置される。上述したように、これらはスタンド58およびベースプレート56に固定状態で張力が加えられる。動作時に、エルボ継手機構からレール54にかかる力は、約50から100kNである。エルボ継手機構は、外部型要素26を有するフレームとスタンド58の間で作用し、外部成形用具を移動するように機構が延長すると、レール54は延長または伸張しようとし、それにより圧縮力を生成する。長く細いレール54は、その長さの約0.05から0.1パーセントだけ伸張できるように配置される。その伸張は、100センチメートルの長さのレールでは、約0.5から1ミリメートルになる。
【0067】
外部用具26は、レール54の長手方向の伸張によって与えられる縦方向に加えて、横方向にも少し動作可能である。この横方向の可動性、すなわち横変位は、レール54の外側への屈曲、およびレール54と特に下板48の間にあるわずかな遊びによって可能になる。横変位によって外部用具26は自動調整される。何故なら、外部用具26は、キャビティ内の力の平衡に適応するからである。射出圧縮時に、プラスチック溶融体が1つまたは複数の点にて、部分的に開いたキャビティに注入されると、キャビティの圧縮が力の平衡を生成し、その結果キャビティの複数の点に注入される材料の量が場合によっては異なるにもかかわらず、完成したプラスチック部品の材料厚さをほぼ均一にする。これは、外部用具26が縦方向と横方向の両方に移動できる場合に可能になる。一方、内部用具24は、ほぼ永久的に固定して保持することができる。
【0068】
射出圧縮の際に通常生じる力が機構に加えられた場合に、外部用具26の横方向における最大の移動量(可動性)は、0.5から1ミリメートルの大きさ程度(上述したレール54の長さの0.05から0.1パーセントに対応する)である。
【0069】
縦方向と横方向の両方の可動性は、特定の用途に適合しなければならない。以上の例で、可動性は第2の偏心要素が与える距離の約半分である。すなわち、偏心要素が縦方向に実行する動作が約1ミリメートルである場合、外部用具26の縦方向の可動性は約0.5ミリメートルである。
【0070】
この状況で、自由な吊り下げの理想的な状態は、用具24、26の一方が完全に静的に吊り下げられることであることを理解されたい。このような解決方法の例は図示されていないが、このような解決方法は当然、「少なくとも部分的に自由に吊り下げられる」という用語に含まれる。
【0071】
この外部用具26が少なくとも部分的に自由に吊り下げられることは、用具24、26を圧縮する圧縮力、またはこの圧縮力の合力が、力の中心で作用することを意味する。この力の中心は、図では簡略化のために記号Fを付した力として示されている。図示の機構では、力の中心Fが想像線78と一致している。すなわち力の中心Fがキャビティの中心で作用する。しかし、そうである必要はないことを理解されたい。
【0072】
成形用具24、26の一方を部分的に自由に吊り下げること、および注入点42の位置決めと力の中心Fの位置決めとの関係は、成形作業にて安定性および自動調整を達成する方法、およびそれにより達成可能な材料厚さの均一性の程度に決定的な役割を果たすことがわかっている。
【0073】
以下の開示では、注入点42の位置と力の中心Fの位置との関係を、図6から図12に関して説明する。
【0074】
製造するプラスチックの頂部は2次元または3次元とすることができる。通常、これは3次元であり、例えば図示されたような概観を有することができる。その形態は、首部を中心にした状態で回転対称とすることができるが、異なる構成、例えば非対称の構成とすることもできる。
【0075】
外部用具26は、1つまたはキャビティの表面全体に分布した複数の点42にプラスチック溶融体が注入されるように設計される。
【0076】
最初に、以下の理論的モデルを用いて、4つの注入点があるケースについて説明する。図6は、プラスチック頂部、このケースでは例えば図4aに示すタイプの首部がある回転対称の頂部を成形するためのキャビティ30を表す本体88を示す。図6の上の図は本体の斜視図を示し、下の図は上から見た本体の平面図を示す。本体88上には、プラスチック溶融体を注入する点42を示す幾つかの十字がある。この例には4つの注入点42があり(上記第1の数=4)、簡略化のために上の図ではそのうち3つしか示されていない。注入点42は、同じ高さに位置し、本体の周囲に沿って均一に分布している。
【0077】
プラスチック溶融体をキャビティに注入すると、注入点42のそれぞれに1つの溶融体のアイランド45が形成される。この例では、キャビティは注入点の周囲で類似の外観であり、各点に等しい量の溶融体が注入される結果、4つの類似のアイランドが形成される。力の中心Fを有する圧縮力の方向Dに直交する面P上におけるアイランドの投影図は、図6の下の図により示されるように、楕円45’となる。様々な方法で投影図の間に想像直線を引き、表面92を形成することができる。この表面のサイズは少なくとも、幾つの投影図が相互接続されるか、あるいはどの投影図が相互接続されるか、および何本の直線が相互接続に使用されるかによって決定される。表面の大きさは、これらの直線を引く方法によっても決定される。図から明白に分かるように、表面はこの場合、全ての楕円45’(上記第3の数=4)が、半径方向に可能な限り外側に引かれた4本の想像線(上記第2の数=4)によって相互接続される場合に最大になる。
【0078】
この状況で、上述した方法で形成された想像上の表面92は常に、注入点がキャビティ内で同じ高さに位置していない場合も、平面の形態を有することに留意されたい。これはプラスチック溶融体のアイランドではなく、表面92を画定するために使用されるこれらのアイランドの投影図であるので、当然のことである。
【0079】
次に、上記力の中心Fが作用すべき場所について見てみる。安定性を実現するために、力の中心Fが表面92内に作用する、すなわち何らかの方法で表面92を通過することが重要である。力の中心Fが表面92の外側で作用すると、キャビティおよび外部用具が上述した力の平衡を達成することができなくなる。この場合、外部用具が少なくとも部分的に自由に吊り下げられることから得られる自動調整が、プラスチック溶融体からの力を相殺することができず、外部成形用具がほぼ永久的に斜めに偏る危険がある。その結果、頂部の材料厚さが不均一になる。力の中心Fが表面92内に作用すると、キャビティおよび外部成形用具が圧縮力とプラスチック溶融体からの力の間で力の平衡を達成することができる。その結果、プラスチック溶融体が型内にほぼ均一に流出する。そして、プラスチック頂部の材料厚さが僅かであっても、プラスチック溶融体が、どの場所においても硬化する時間がないほど十分急速に流出する。この例では、力の中心Fは領域の中心に、すなわち本体88の対称軸上に示されている。
【0080】
図7は、図6の下の図に対応し、注入点42が1つ(上記第1の数=1)であるケースを概略的に示す。プラスチック溶融体がキャビティに注入されると、プラスチック溶融体のアイランドがキャビティの中に形成される。面P上にこのアイランドを投影すると、楕円45’となる。この構成は、力の中心が楕円45’の形態の表面92を通る場合に安定する。
【0081】
図8は、図6の下の図に対応し、少し異なる設計の頂部および2つの注入点42がある(上記第1の数=2)例を概略的に示す。プラスチック溶融体がキャビティに注入されると、注入点42のそれぞれについてプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの中に形成される。アイランドは等しいサイズである。面P上にこのアイランドを投影すると、楕円45’となる。2本の想像直線90(上記第2の数=2)が2つの楕円45’(上記第3の数=2)を、それによって形成される表面92が最大になるような方法で相互接続する。この構成は、力の中心が表面92を通る場合に安定する。
【0082】
図9は、図6の下の図に対応し、図8による設計の頂部および3つの注入点42がある(上記第1の数=3)例を概略的に示す。プラスチック溶融体がキャビティに注入されると、注入点42のそれぞれについてプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの中に形成される。最も中心のアイランドはその他のアイランドより小さい。面P上にこれらのアイランドを投影すると、2つの楕円45’および円45”となる。2本の想像直線90(上記第2の数=2)が2つの楕円45’(上記第3の数=2)を、それによって形成される表面92が最大になるような方法で相互接続する。この構成は、力の中心が表面92を通る場合に安定する。
【0083】
図10は、図6の下の図に対応し、図8および図9による設計の頂部および3つの注入点42がある(上記第1の数=3)例を概略的に示す。プラスチック溶融体がキャビティに注入されると、注入点42のそれぞれについてプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの中に形成される。最も中心のアイランドは、その他のアイランドより大きい。面P上にこれらのアイランドを投影すると、2つの楕円45’および円45”となる。4本の想像直線90(上記第2の数=4)が2つの楕円45’および円45”(上記第3の数=3)を、それによって形成される表面92が最大になるような方法で相互接続する。この構成は、力の中心が表面92を通る場合に安定する。
【0084】
したがって、パッケージ頂部などの薄肉プラスチック部品の成形において安定性および平衡を確保するために、装置は、圧縮力の方向Dに直交する面P上の上記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって画定される表面92、上記第1の数>1の場合は、表面92が最大になるような方法で第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線90によって画定される表面92に、上記力の中心Fを通すことができるような方法で、プラスチック溶融体をキャビティ上に分布する第1の数の点に注入できるように設計することが有効である。以上の例から明白であるように、上記第1、第2および第3の数は、相互に同じ、または異なってよい。
【0085】
図6に関して説明したものにかなり類似したモデルが、複数のプラスチック頂部を同時に成形する例に当てはまる。その例においては、外部および内部用具によって複数のキャビティが形成され、各キャビティがプラスチック頂部の形態を有し、スリーブの端部を受けられるように配置される。外部用具の吊り下げは、上述のように少なくとも部分的に自由なタイプである。すなわち内部用具に対して一定の可動性、自動調整が可能である。
【0086】
2次元での安定性を得るために、以下が適用される。個々のキャビティ毎にプラスチック溶融体を注入するために少なくとも1つの点、合計で第1の数の注入点がなければならず、注入点毎に溶融体の1つのアイランドがキャビティの内側に形成される。さらに、上記点は、圧縮力の方向に直交する面上で上記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって、且つ表面が最大になるような方法で第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定された表面を、上記力の中心が通れるように分布しなければならない。
【0087】
これを2つの非常に概略的な例で示すことができる。
【0088】
図11では、長方形が外部用具26を表す。2つの円は、既に図で示したタイプの2つの頂部を形成する2つのキャビティ30を示す。十字はプラスチック溶融体の注入点42を示す。このケースでは、キャビティ毎に2つの点がある(上記第1の数=2×2=4)。プラスチック溶融体がキャビティに注入されると、注入点42のそれぞれ1つについてプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの中に形成される。面P上でこれらのアイランドを投影すると、4つの楕円45’が生じる。4本の想像直線90(上記第2の数=4)が4つの楕円45’(上記第3の数=4)を、それによって形成される表面92が最大になるような方法で相互接続する。この構成は、力の中心が表面92を通る場合に安定する。
【0089】
図12では、正方形が外部用具26を表す。円はキャビティ30を示す。上記の図で示したタイプの4つの頂部を成形するために、数は4つである。十字は、上記のように注入点42を示す。このケースでは、キャビティ30毎に3つの注入点42がある(上記第1の数=4×3=12)。プラスチック溶融体がキャビティに注入されると、注入点42のそれぞれについてプラスチック溶融体のアイランドがキャビティの中に形成される。面P上でこれらのアイランドを投影すると、12の楕円45’となる。8本の想像直線90(上記第2の数=8)が8つの楕円45’(上記第3の数=8)を、それによって形成される表面92が最大になるような方法で相互接続する。この構成は、力の中心が表面92を通る場合に安定する。
【0090】
本発明による方法の簡単な説明を以下に提示する。
【0091】
外型要素と内型要素の組毎に1つのパッケージ頂部を製造する際に、本発明による方法は、上記内および外型要素24、26を用いて型キャビティ30を設けること以外に、上記型要素24、26の少なくとも一方が確実に少なくとも部分的に自由に吊り下げられるようにすることを含む。スリーブ12の上記端部20は、キャビティ30と接触するように配置される。さらに、プラスチック溶融体32がキャビティ30に注入され、キャビティ30が閉じるように上記型要素24、26を接近させる。その後、プラスチック溶融体32をキャビティ30内に押し出すために、型要素24、26に圧縮力を加え、圧縮力は、型要素24、26の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられる結果、力の中心Fに作用する。
【0092】
この方法は、キャビティの内側に各点のプラスチック溶融体のアイランドを形成するために、キャビティ30内の1つまたは複数である第1の数の点42にプラスチック溶融体32を注入するステップ、および上記点42の分布が、確実に、圧縮力の方向に直交する面にある上記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって、且つ上記第1の数>1の場合は、表面92が最大になるような方法で第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される表面92を上記力の中心Fが通るようにできるような分布であるようにするステップも含む。
【0093】
外型要素と内型要素の1組毎に2つ以上のパッケージ頂部を製造することも、類似の方法で実行される。これは、上記型要素24、26の少なくとも一方が確実に少なくとも部分的に自由に吊り下げられるようにするステップと、キャビティ30と接触するようにスリーブ12の端部20を配置するステップと、キャビティ30内にプラスチック溶融体32を注入するステップと、キャビティ30が閉じるように上記型要素24、26を接近させるステップと、キャビティ30内でプラスチック溶融体32を押し出すように型要素24、26に圧縮力を加えるステップを含む。この圧縮力を加えるステップにおいては、型要素24、26の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられている結果、圧縮力が力の中心Fに作用する。この方法は、キャビティの内側の各点にプラスチック溶融体のアイランドを形成するように、複数のキャビティのそれぞれに少なくとも1つの点があるように、プラスチック溶融体32をキャビティ30全体に分布した第1の数の点42に注入するステップと、上記点42の分布が、確実に、圧縮力の方向に直交する面にある上記第1の数のアイランドのそれぞれの平行投影図によって、および表面92が最大になるような方法で第3の数の平行投影図を相互接続する第2の数の想像直線によって画定される表面92を上記力の中心Fが通るようにできるような分布であるようにするステップとを特徴とする。
【0094】
本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲から逸脱することなく複数の変形および変更が考えられることが当業者には明白であろう。
【0095】
例えば、ねじキャップの形態の開封器具16について説明してきた。しかし、複数の異なる開封器具が考えられることを理解されたい。例えば、本発明は折り畳み式の開口と一緒に使用することができる。
【0096】
本明細書で説明してきたパッケージ部品は、1つのパッケージ頂部の形態である。しかし、頂部は別のタイプのパッケージ部品、例えば包装容器の側板、平坦な頂部部分、蓋、底部などで構成できることを理解されたい。パッケージ部品が少なくとも部分的に平坦な頂部部分の形態である場合、射出成形キャビティに蓋を設けることができ、ここで蓋の一部は射出成形の結果、パッケージ部品内にしっかり成形され、蝶番を形成する。蓋を持ち上げると、平坦な頂部部分に注ぎ口が形成される。この実施形態は、上述した折り畳み式の開口との大きな類似点を共有する。
【0097】
また、本体は紙のコア層を備える包装ラミネートのスリーブの形態であると説明してきた。本体は当然、スリーブ以外でもよく、熱可塑性樹脂のパッケージ部品を射出成形できる端部を含む限り、任意の構成を有してもよい。同様に、包装ラミネートは当然、上記の説明とは異なる構造を有することができる。例えば、ラミネートは1つまたは複数の熱可塑性樹脂層から、すなわち紙またはアルミ箔を含まない構成とすることができる。
【0098】
必要な注入点の数も、当然キャビティ内に望ましいプラスチック溶融体の量に、さらにキャビティの幾何学的外観に関連させなければならないことを理解されたい。幾何学的に複雑な構成は、単純な幾何形状より多くの注入点を必要とする。
【0099】
図では、主に回転対称が示されている。しかし、頂部は回転対称である必要がないことを理解されたい。例えば、鏡面対称または非対称とすることができる。
【0100】
外部型要素が部分的に自由に吊り下げられることの一例を説明してきたが、本発明はそれに限定されず、多くの他の解決方法も当然考えられることを指摘しておかねばならない。この状況で、サーボモータ、リンクシステムおよび外部型部品を支持する部品の正確な構成および設計は、意図された機能を果たす限り、変更できることが本明細書の当業者の読者には理解されることにさらに言及することができる。
【0101】
射出圧縮について説明してきた。しかし、本発明は圧縮成形にも十分適している。この場合、プラスチック溶融体をスポットの形態で、型要素の一方の上記点に導入する。次に、2つの型要素を相互に押しつける。プラスチック溶融体が注入される点および圧縮力の印加の原理は同じであり、型要素の少なくとも一方が少なくとも部分的に自由に吊り下げる場合の利点も同様である。
【0102】
上記の例では、パッケージ頂部をねじキャップの形態のキャップに当てて形成または成形する方法が示されている。しかし、本発明はキャップに当てて成形することに限定されない。後にキャップを適用してもよい。頂部をキャップに当てて成形するのではない幾つかのケースでは、代わりに剥ぎ取り式の膜を用いて注ぎ口を製造することができる。この頂部も成形作業後に閉じられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器本体(12)の端部(20)と共同して熱可塑性パッケージ部品(14)を成形する装置であって、前記包装容器本体(12)は少なくとも内層に熱可塑性樹脂を含み、
内型要素(24)および外型要素(26)を備え、これら内型要素と外型要素の間にキャビテイ(30)が形成され、該キャビティ(30)が、前記包装容器本体(12)の少なくとも前記端部(20)を、該端部が前記キャビティ(30)と接触するように受けられるように配置され、前記型要素(24,26)の少なくとも一方が少なくとも部分的に自由に吊り下げられ、さらに、
前記キャビティ(30)内にプラスチック溶融体(32)を注入する手段と、
前記キャビティ(30)が閉じるように前記型要素(24,26)を接近させ、且つ前記キャビティ(30)内に前記プラスチック溶融体(32)を押し出すために前記型要素(24,26)に圧縮力を加える手段とを備え、前記型要素(24,26)の少なくとも一方が部分的に自由に吊り下げられている結果、前記圧縮力が力の中心(F)に作用する装置であって、
前記プラスチック溶融体(32)が1以上の第1の数の点(42)にて前記キャビティ(30)に注入されて、各点のプラスチック溶融体のアイランド(45)が前記キャビティの内側に形成され、
前記点(42)の分布が、前記圧縮力の方向(D)に直交する面(P)上にある前記第1の数のアイランド(45)のそれぞれの平行投影図(45’,45”)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような、且つ、前記第1の数が2以上の場合は、前記表面(92)が最大になるように、第3の数の前記平行投影図(45’,45”)を相互接続する第2の数の想像直線(90)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような分布であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記プラスチック溶融体(32)が注入される前に前記キャビティ(30)が部分的に閉じるように、前記型要素(24,26)を接近させる手段を含み、
前記プラスチック溶融体(32)が複数のダクト(40)を通して前記キャビティ(30)に注入され、ダクト(40)のそれぞれが一方端で押出機(80)に連通し、他方端で前記点(42)の1つにて前記キャビティ(30)内に放出することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プラスチック溶融体(32)の一部分が、前記キャビティ(30)が実質的に開いている位置で、前記点(42)のそれぞれに注入されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
2つ以上の熱可塑性パッケージ部品(14)を、それぞれが包装容器本体(12)の端部(20)と共同して成形する装置で、前記包装容器本体(12)が、少なくとも内層に熱可塑性樹脂を含み、
その間にパッケージ部品毎(14)に1つの射出成形キャビティ(30)が形成される内型要素(24)および外型要素(26)を含み、前記キャビティ(30)が、前記キャビティ(30)と接触するように前記包装容器本体(12)の少なくとも前記端部(20)を受けられるように配置され、前記型要素(24,26)の少なくとも一方が少なくとも部分的に自由に吊り下げられ、さらに、
前記キャビティ(30)内にプラスチック溶融体(32)を注入する手段と、
前記キャビティ(30)が閉じるように前記型要素(24,26)を接近させ、前記キャビティ(30)内で前記プラスチック溶融体(32)を押し出すために前記型要素(24,26)に圧縮力を加える手段とを含み、前記型要素(24,26)の少なくとも一方が前記部分的に自由に吊り下げられている結果、前記圧縮力が力の中心(F)に作用する装置であって、
前記プラスチック溶融体(32)が、前記キャビティ(30)に分布する第1の数の点(42)に注入され、前記キャビティのそれぞれ1つに少なくとも1つの点があり、各点のプラスチック溶融体のアイランド(45)が前記キャビティの内部に形成され、
前記点(42)の分布が、前記圧縮力の方向(D)に直交する面(P)上にある前記第1の数のアイランド(45)のそれぞれの平行投影図(45’,45”)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような、そして、前記第1の数が2以上の場合は、前記表面(92)が最大になるように、第3の数の前記平行投影図(45’,45”)を相互接続する第2の数の想像直線(90)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような分布であることを特徴とする装置。
【請求項5】
前記パッケージ部品(14)が、紙のコア層を備える包装ラミネートのスリーブの形態で包装容器本体(12)上に成形されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記キャビティ(30)がその閉じた位置で、注ぎ口を含むパッケージ頂部(14)の形態を有することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記キャビティ(30)が、キャップ(34)の形態の開封器具を受けることができるようにも配置され、前記キャップ(34)が前記内型要素(24)の一部とともに、前記注ぎ口を画定する前記パッケージ頂部(14)の首部(36)を形成するように配置されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも部分的に自由に吊り下げることが、前記型要素の少なくとも1つが弾性要素を介して吊り下げられることを意味し、それにより前記圧縮力を少し制限できることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
少なくとも部分的に自由に吊り下げられた前記型要素(24,26)の一方が、実質的に静的に吊り下げられることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
包装容器本体(12)の端部(20)と共同して熱可塑性パッケージ部品(14)を成形する方法であって、前記包装容器本体(12)が、少なくとも内層に熱可塑性樹脂を含み、前記方法が、
その間に型キャビティ(30)が形成される内型要素(24)および外型要素(26)を提供するステップと、
前記型要素(24,26)の少なくとも一方が、確実に少なくとも部分的に自由に吊り下げられるようにするステップと、
前記キャビティ(30)と接触するように前記包装容器本体(12)の前記端部(20)を配置するステップと、
前記キャビティ(30)内にプラスチック溶融体(32)を注入するステップと、
前記キャビティ(30)が閉じるように前記型要素(24,26)を接近させるステップと、
前記キャビティ(30)内で前記プラスチック溶融体(32)を押し出すために前記型要素(24,26)に圧縮力を加えるステップであって、前記型要素(24,26)の少なくとも一方が前記部分的に自由に吊り下げられている結果、前記圧縮力が力の中心(F)に作用するステップとを含み、
前記注入するステップにおいて、前記プラスチック溶融体(32)を1以上の第1の数にて前記キャビティ(30)に注入して前記キャビティの内側に各点のプラスチック溶融体のアイランド(45)を形成し、
前記点(42)の分布が、確実に、前記圧縮力の方向(D)に直交する面(P)上にある前記第1の数のアイランド(45)のそれぞれの平行投影図(45’,45”)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような、そして、前記第1の数が2以上の場合は、前記表面(92)が最大になるように、第3の数の前記平行投影図(45’,45”)を相互接続する第2の数の想像直線(90)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような分布であるようにするステップと含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
2つ以上の熱可塑性パッケージ部品(14)を、各包装容器本体(12)の端部(20)と共同して成形する方法であって、前記包装容器本体(12)が、少なくとも内層に熱可塑性樹脂を含み、
その間にパッケージ部品毎に1つの型キャビティ(30)が形成される内型要素(24)および外型要素(26)を提供するステップと、
前記型要素(24,26)の少なくとも一方が確実に少なくとも部分的に自由に吊り下げられるようにするステップと、
前記キャビティ(30)と接触するように前記包装容器本体(12)の前記端部(20)を配置するステップと、
前記キャビティ(30)内にプラスチック溶融体(32)を注入するステップと、
前記キャビティ(30)が閉じるように前記型要素(24,26)を接近させるステップと、
前記キャビティ(30)内で前記プラスチック溶融体(32)を押し出すために前記型要素(24,26)に圧縮力を加えるステップであって、前記型要素(24,26)の少なくとも一方が前記部分的に自由に吊り下げられている結果、前記圧縮力が力の中心(F)に作用するステップとを含み、
前記注入するステップにおいて、前記プラスチック溶融体(32)を前記キャビティ(30)に分布する第1の数の点に注入し、該第1の数の点はそれぞれの点において各キャビティの内側にプラスチック溶融体のアイランド(45)が形成されるように、各キャビティにつき少なくとも1つとなるような数であり、
前記点(42)の分布が、確実に、前記圧縮力の方向(D)に直交する面(P)上にある前記第1の数のアイランド(45)のそれぞれの平行投影図(45’,45”)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通り、且つ、前記表面(92)が最大になるように、第3の数の前記平行投影図(45’,45”)を相互接続する第2の数の想像直線(90)によって画定される表面(92)を前記力の中心(F)が通るような分布であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−506153(P2011−506153A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539361(P2010−539361)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000656
【国際公開番号】WO2009/078778
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】