説明

包装材

【課題】懸賞への応募のキーとなる番号等の情報を改竄することができず、正規の購入者以外には不正な行為で懸賞への応募のキーとなる番号等の情報を視認することができない、透明な積層体から形成される包装袋等の包装材を提供する。
【解決手段】基材フィルム層10と内層に熱接着性樹脂層40を備えた透明な積層体からなり、基材フィルム層10の熱接着性樹脂層40側の面に印刷インキにより隠蔽層21を設けて隠蔽領域が形成されると共に隠蔽領域上に網点模様印刷層25と絵柄印刷層22と白系ベタ印刷層23とを順次設けた印刷層23が形成され、隠蔽領域の白系ベタ印刷層23上にインクジェットプリンターで識別文字列24を印字し、基材フィルム層10上に接着層30を介して熱接着性樹脂層40を設けてなる包装材で、識別文字列24を隠蔽層21と網点模様印刷層25及び絵柄印刷層22とにより隠蔽することを特徴とする包装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の内容物を包装するために用いられる包装材に関し、さらに詳しくは、懸賞の抽選番号等として景品提供を行なうことで販売促進に用いることができると共に、外面側からの非視認性の保持と、内面側からの視認性を有する識別文字列を備えた包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等の内容物の販売促進を目的に、食品等を包装する包装材等に懸賞機能を付与する手段が用いられている。この手段としては、例えば、包装材の表面に当たり外れ等の情報を印刷し、その表層に隠蔽するための隠蔽印刷を施したり、粘着シールを貼着して、購入者が、包装材の情報印刷部分に施された遮蔽印刷部分を擦り取ったり、シールを剥がし取ることによって、当たり外れ等の情報を確認し、懸賞への応募を行なう等の方法が行なわれている。
【0003】
通常、前記のような目的に用いられる包装材は、板紙等から形成される紙箱類、プラスチックフィルム等から形成される、ピロータイプ、三方シールタイプ、四方シールタイプ、ガセットタイプ、スタンディングタイプ等の包装袋類、ブリスターパックやカップ状容器等の蓋材などが用いられ、一般に、食品等の内容物が前記包装材内に個別包装された状態で販売され、「当たり」の場合には、購入者が包装材の全体、或いは、「当たり」等の表示情報部分のみを切り取るなどし、一枚もしくは所定の枚数を宛先に送付して応募する方法が採られている。
【0004】
上記方法は、販売者等が指定した宛先に送付されない限りにおいて懸賞には応募できないし、包装材もしくは包装材の一部を指定された宛先に送付した人のみが、懸賞への応募者となり、第三者が不正な手段で懸賞に応募することが防止できる方法である。
【0005】
しかしながら、この種従来の懸賞応募方法は、食品等の内容物が個別に包装された包装材であるため、一部商品或いは包装材の形式によっては、包装材の洗浄が必要となったり、所定枚数が必要な場合はストック(保存)する必要があったり、切り取りが必要な場合など、購入者にとっては比較的煩雑で手間が掛かり、敬遠されるというデメリットも存在している。
【0006】
近年、インターネットや携帯電話の急速な普及により、インターネットや携帯電話を利用した懸賞応募方式も採用されており、例えば、懸賞への応募のキーとなる番号を、識別文字列(例えば12桁の乱数など)とし、この識別文字列を前述した食品等を包装する包装材の表面に印刷し、その表層に隠蔽するための隠蔽印刷を施したり、粘着シールを貼着して、購入者が、包装材の情報印刷部分に施された遮蔽印刷部分を擦り取ったり、シールを剥がし取ることによって、識別文字列等の情報を確認して応募するという方式であるが、従来の、購入者が包装材もしくは包装材の一部を指定された宛先に送付する方式とは異なり、例えば、商品を購入することなく遮蔽印刷部分を擦り取ったり、シールを剥がし取る等の不正な手段で識別文字列等の情報を入手して、応募することができるため、このような不正な行為を行なえない包装材が望まれている。
【0007】
包装材のフィルム層内面に隠蔽層を設けて、包装体表面側からは識別文字列等の情報が視認できず、購入者が商品購入後の開封により、包装体内面側を視認することにより、識別文字列等の情報を確認入手して、応募することができる包装材が提案されている(特許文献1参照)。
また、親展書類等の情報を封筒方式で包装する場合には、封筒用紙を透過して内部情報が見えてしまい機密性が保持できないという問題点に対し、封筒用紙に砂目模様や木目模様などの不規則パターンや、多数個の黒丸の整列した模様いわゆる「網点」の規則パターンを施して、封筒用紙表面側から透視した際、施された模様が文字等の内部情報に被ってイメージが荒らされることにより、表面側からの視認性を低下させ、内部情報の機密性を保持する親展書類包装用紙が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−18058号公報
【特許文献2】特開平06−268878号公報
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の包装材では、内面側にインクジェットプリンターで形成される識別文字列が、インクジェットプリンターで用いられるインクが、印刷層に用いられる顔料タイプのインクに浸透し、印字部とその周辺で差が生じて、包装材の表面側から視認されることがあり、識別文字列等の情報を完全に隠蔽でき、包装体の表面側からは視認できない、透明な積層体から形成される包装袋等の包装材が求められている。
また、特許文献2の親展書類包装用紙の材料として、延伸ポリプロピレン等の透明材料を使用することも示されているが、本来的に親展書類となる情報記載部分は包装用紙の内面であり、隠蔽模様が施されるのは包装用紙の外面であって、上記の包装材のように、印字部と隠蔽するための模様部とが共に内面で、且つ印刷方法が異なる場合は想定されてはおらず、透明材料の外面側隠蔽模様が不正な手段により擦り取られたりした場合は、包装用紙の表面側から視認される惧れがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになしたものであって、製造から販売に至る間において、懸賞への応募のキーとなる番号等の情報を改竄することができず、また、販売時等においても正規の購入者以外には不正な行為で懸賞への応募のキーとなる番号等の情報を視認することができない、プラスチックフィルム等の透明な積層体から形成される、ピロータイプ、三方シールタイプ、四方シールタイプ、ガセットタイプ、スタンディングタイプ等の包装袋等の包装材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材フィルム層と内層に熱接着性樹脂層を備えた透明な積層体からなり、前記基材フィルム層の前記熱接着性樹脂層側の面に印刷インキにより隠蔽層を設けて隠蔽領域が形成されると共に該隠蔽領域上に網点模様印刷層と絵柄印刷層と白系ベタ印刷層とを順次設けて印刷層が形成され、前記隠蔽領域の前記白系ベタ印刷層上にインクジェットプリンターで識別文字列を印字し、前記印刷層と前記識別文字列を印字した基材フィルム層上に接着層を介して前記熱接着性樹脂層を設けてなる包装材で、前記識別文字列を前記隠蔽層と前記網点模様印刷層及び前記絵柄印刷層とにより隠蔽することを特徴とする包装材である。
【0011】
請求項2の発明は、前記隠蔽層上に設けられる前記網点模様印刷層が前記隠蔽層と同系色のインクで設けられることを特徴とする請求項1記載の包装材である。
【0012】
請求項3の発明は、前記印刷層を構成する前記網点模様印刷層が不規則模様により形成されることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の包装材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の包装材は、プラスチックフィルム等の透明な積層体から形成され、ピロータイプ、三方シールタイプ、四方シールタイプ、ガセットタイプ、スタンディングタイプ等の包装袋等の包装材であって、製造から販売に至る間において、懸賞への応募のキーとなる番号等の情報を改竄することができず、また、販売時等においても正規の購入者以外には不正な行為で懸賞への応募のキーとなる番号等の情報を視認することができないという優れた効果を奏するものである。
【0014】
本発明の包装材は、基材フィルム層内面に網点模様印刷層を設けたので、包装体表面側すなわち基材フィルム層面の平滑性は損なわれることなく、且つ表面側からの視認に対しては、基材フィルム層内面側に形成される印刷層の最も表面側に施される網点模様印刷層によって、印字された識別文字列が網点模様に紛れることにより、包装材の隠蔽領域最内層面に形成される識別文字列等の情報の包装材表面側での視認性をより低下させ、機密性を保持することができる。
【0015】
また、本発明の包装材は、隠蔽層上に施される不規則模様印刷層もしくは所定比率の網点模様印刷層を、前記隠蔽層と同系色のインクで施されているので、模様のみが目立つことはなく、しかも隠蔽効果を向上させることができる。
【0016】
さらに、基材フィルム層内面に設けた網点模様印刷層を砂目模様、木目模様等の不規則模様により形成した場合には、網点模様層を設けたときに発生する、規則的パターン内に隠蔽されるべき印字部分が「不規則模様」として却って認識され易いという状態を発生し難くなり、視認性の低下を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。図1は本発明に係る包装材の一実施例を示す平面図。図2は図1の要部拡大裏面図。図3は図1のX−X線断面図。図4は図1に示す包装材を用いて作製した包装袋の一実施例を示す一部透視斜視図である。図中の1は包装材、1’は包装袋、2は背シール部、3は上・下端シール部、10は基材フィルム層、20は印刷層、21は隠蔽層、22は絵柄印刷層、23は白ベタ印刷層、24は識別文字列、25は網点模様印刷層、30は接着層、40は熱接着性樹脂層、Aは隠蔽領域をそれぞれ示す。
【0018】
図1は本発明に係る包装材の一実施例を示す平面図、図2は図1の要部拡大裏面図、図3は図1のX−X線断面図であって、図1に示すように、包装材1は基材フィルム層10の一方の面に墨色インキにより部分的に隠蔽層21を設けて隠蔽領域Aを形成すると共に、図3に示すように、前記隠蔽層21と同一部分に網点模様印刷層25と前記隠蔽層21を設けた面全面に絵柄印刷層22と白ベタ印刷層23を順次設けた印刷層20を形成し、前記隠蔽層21を設けた前記隠蔽領域Aの前記白ベタ印刷層23上にインクジェットプリンターで墨色インクを用いて識別文字列24を形成し、その面に接着層30を介して熱接着性樹脂層40を設けたものである。
【0019】
図4は図1に示す包装材を用いて作製した包装袋の一実施例を示す一部透視斜視図であって、包装袋1’は合掌貼りした背シール部2と上・下端シール部3、3により密封されたピロータイプ包装袋であって、この包装袋1’は表面側からは直接的には前記隠蔽層21で、また、間接的には前記網点模様印刷層25、前記絵柄印刷層22、前記白ベタ印刷層23、或いは内容物(図示せず)等により識別文字列24を認識できないように構成され、包装袋1’を開封することにより、初めて前記隠蔽層21を設けた隠蔽領域Aの前記白ベタ印刷層23上に印字された識別文字列24を確認することができるように構成されている。また、前記識別文字列24は前記基材フィルム層10と前記熱接着性樹脂層40との間に設けられているために、製造から販売に至る間においても改竄することができず、また、販売時においても正規の購入者以外に不正な行為で確認することができないようになっている。
【0020】
図5は隠蔽層21上に設けた網点模様印刷層25の網点模様の疎密度合により視認性が変化する状態の説明図であって、印字された識別文字列の文字のサイズや書体と、網点模様印刷層25を構成するドット(点)自体のサイズおよびドット(点)の粗密度によってそれぞれ視認性が変化する。
図5(a)は、図2に示されるインクジェットプリンターで印字されたアラビア数字からなる識別文字列24の部分拡大図で、図に示すように、インクジェットプリンターで使用されるアラビア数字やアルファベット文字は、ドット(点)の連続により構成される文字の場合である。
図5(b)は、印字されたアラビア数字に用いられたドット(点)と略同一サイズのドット(点)の網点模様が用いられた状態を示しており、網点模様のドット(点)と印字されたアラビア数字のドット(点)とが重なって紛れることにより、視認性が低下している。この場合も、ドット(点)の疎密度合が疎な場合すなわち規則的に配置されたドット(点)間の空隙が大きい場合には、印字された文字を視認できる場合があり、印字される文字のサイズや使用されているドット(点)のサイズ、ピッチ等によっても変化する。
図5(c)は、印字されたアラビア数字に用いられたドット(点)の略半分の直径からなるドット(点)による規則的に配置された網点模様が用いられた状態を示しており、網点模様の細かいドット(点)の中に、印字されたアラビア数字のドット(点)が紛れずに視認できる状態を示している。図示は省略したが、逆に大きなドット(点)の規則性網点模様の場合には、ドット(点)間の空白部から印字された数字が視認される場合もあり、印字された識別文字列の文字のサイズや書体と、網点模様層25を構成するドット(点)のサイズおよび疎密度を考慮する必要がある。
【0021】
実施例に示した隠蔽に用いる網点模様印刷層は、図示は省略するが、砂目模様、木目模様、その他の不規則模様により形成することができる。これにより規則的に配置された網点模様を設けたときに発生する、網点の規則的パターン内で隠蔽されるべき印字部分が「不規則模様」として却って認識され易いという状態を解消できるが、前記網点模様印刷層と同様に、印字された識別文字列の文字のサイズや書体と、不規則模様を構成する模様の形状や個別模様のサイズおよび疎密度を考慮する必要があり、前述の網点模様印刷層をも含め選択的に用いることが好ましい。
【0022】
前記基材フィルム層10としては、包装材1の基材となる層であり、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の樹脂からなる二軸方向に延伸した延伸フィルム、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルムのほか、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムなどの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などの二軸延伸ポリアミドフィルムなどを好適に使用することができる。また、これらの少なくとも一方の面に酸化珪素や酸化アルミニウム、あるいは、ポリ塩化ビニリデン等の透明な水蒸気や酸素ガスバリア層を設けたものを使用することができる。フィルムの厚さとしては基材層としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して選択決定される。
【0023】
また、前記熱接着性樹脂層40としては、熱により溶融し相互に溶着し得る熱接着性樹脂から形成された層であればよく、包装材に要求される物性により適宜選択して用いることができ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のオレフィン系樹脂の他、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしこれらをフィルム化した単層ないし多層化したものなどを挙げることができる。
【0024】
また、前記印刷層20としては、前記基材フィルム層10に用いる合成樹脂製フィルムの種類により適宜ビヒクル(展色剤−顔料を均質に分散展開させ、物体の表面に固着させる媒体)を選定し、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いて、グラビア印刷法等の周知の印刷法で印刷することにより形成することができる。
【0025】
また、前記識別文字列24としては、周知のインクジェットプリンターを用いてインクジェットプリンター用染料タイプないし顔料タイプのインクを用いて印字することにより形成されるものである。尚、実施例において、識別文字列24をアラビア数字としたが、これに限定されるものではなく、アルファベットであっても良いし、また、これらのミックスからなるものであっても良い。
【0026】
また、前記接着層30としては、前記基材フィルム層10の前記印刷層20および前記識別文字列24を形成した面と前記熱接着性樹脂層40とを周知のドライラミネーション法で積層する際の、例えば、ポリウレタン系等の周知の接着剤層がこれに当たり、また、前記基材フィルム層10の前記印刷層20および前記識別文字列24を形成した面と前記熱接着性樹脂層40とをTダイ押出機を用いて行なう周知のサンドイッチラミネーション法で積層する際の、アンカー剤層および加熱溶融押出しされたポリエチレン等の樹脂層がこれに当たる。また、前記基材フィルム層10の前記印刷層20および前記識別文字列24を形成した面にTダイ押出機を用いて溶融押出しされたポリエチレン等の樹脂により前記熱接着性樹脂層40を形成する際の、アンカー剤層がこれに当たる。尚、前記接着剤層およびアンカー剤層は、有機溶剤系からなる接着剤およびアンカー剤で形成してもよいが、水性接着剤および水性アンカー剤で形成する方がインクジェットプリンターで印字した識別文字列が滲む惧れが無いことから好ましい。
【0027】
また、本発明に係る包装材1は、前記基材フィルム層10と前記熱接着性樹脂層40との間に包装材1に要求される物性により、必要に応じて前述の基材フィルム層10で説明したプレーンな合成樹脂製フィルムや、水蒸気や酸素ガスバリア層を有する合成樹脂製フィルム、あるいは、エチレン−酢酸共重合体ケン化物等を設けて包装材1の機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性、バリア性等の機能を付与ないし向上させることができるものである。
【0028】
また、本発明に係る包装材1は、実施形態においては隠蔽層21を墨色インキにより絵柄印刷層22とは別に設けることとした。図示は省略するが、例えば、絵柄印刷層22に識別文字列24を印字することができる程度の領域(面積)を有する隠蔽性のあるベタ柄が存在する場合には、このベタ柄を隠蔽層として利用し、このベタ柄の色と同系色のインクジェットプリンター用インクを用いて印字しても良い。このように構成することにより、絵柄印刷層22と比較して奇異に写る隠蔽層21を設ける必要がなくなると共に、包装材全体意匠において隠蔽層のみが目立つことなく、意匠性に優れた包装材とすることができる。
【0029】
また、本発明に係る包装材1は、図4の実施例においてピロータイプ包装体で表したが、これに限るものではなく、図示は省略するが、三方シールタイプ、四方シールタイプ、ガセットタイプ、スタンディングタイプ等の周知の包装袋に適用することができ、ブリスターパックやカップ状容器等の蓋材等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る包装材の一実施例を示す平面図。
【図2】同じく図1の要部拡大裏面図。
【図3】同じく図1のX−X線断面図。
【図4】同じく図1に示す包装材を用いて作製した包装袋の一実施例を示す一部透視斜視図。
【図5】網点模様印刷層を構成する網点模様の変化による識別文字列の視認性変化の説明図。
【符号の説明】
【0031】
1 包装材
1’ 包装袋
2 背シール部
3 上・下シール部
10 基材フィルム層
20 印刷層
21 隠蔽層
22 絵柄印刷層
23 白ベタ印刷層
24 識別文字列
25 網点模様印刷層
30 接着層
40 熱接着性樹脂層
A 隠蔽領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルム層と内層に熱接着性樹脂層を備えた透明な積層体からなり、前記基材フィルム層の前記熱接着性樹脂層側の面に印刷インキにより隠蔽層を設けて隠蔽領域が形成されると共に該隠蔽領域上に網点模様印刷層と絵柄印刷層と白系ベタ印刷層とを順次設けて印刷層が形成され、前記隠蔽領域の前記白系ベタ印刷層上にインクジェットプリンターで識別文字列を印字し、前記印刷層と前記識別文字列を印字した基材フィルム層上に接着層を介して前記熱接着性樹脂層を設けてなる包装材で、前記識別文字列を前記隠蔽層と前記網点模様印刷層及び前記絵柄印刷層とにより隠蔽することを特徴とする包装材。
【請求項2】
前記隠蔽層上に設けられる前記網点模様印刷層が前記隠蔽層と同系色のインクで設けられることを特徴とする請求項1記載の包装材。
【請求項3】
前記印刷層を構成する前記網点模様印刷層が不規則模様により形成されることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の包装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−107678(P2009−107678A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282636(P2007−282636)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】