説明

包装機の包装処理装置

【課題】水平面内における円形移送経路に沿って間欠移送される袋Wに同調して所定範囲を移動し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動する充填ノズルについて、復帰移動の経路(復路)として適宜の経路を選択できるようにする。
【解決手段】テーブル2の中央部に立設して往復回動する往復回動支点軸12と、基部が往復回動支点軸12に固定されて水平面内で往復揺動し、自由端側が長手方向に伸縮可能とされた水平揺動アーム(第1アーム13と第2アーム14)と、水平揺動アームの自由端側に設置された充填ノズル17,18を備える。往復回動支点軸12を回動させる第1駆動源と、水平揺動アームを伸縮させる第2駆動源を制御し、充填ノズル17,18の復帰移動の経路として、往路28,29とは異なる適宜の経路を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機の一部として設置される包装処理装置に関わり、特に水平面内における所定の移送経路に沿って移送される容器に同調して所定範囲を移動し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動する包装処理部材を備えた包装処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された包装処理装置は、水平な円形の移送経路に沿って一定間隔で間欠移送される容器(びんA)に対し液体を充填する液体充填装置である。この液体充填装置において、複数個のノズル21が各容器の上方位置に配置され、ノズル21は初期位置で下降して下端が容器の口に入り、そのまま前記移送経路に沿って移送される容器に同調して所定範囲を移動し、終点位置に到達後上昇して容器の口から抜け出し、初期位置に復帰移動し、これを繰り返す。復帰移動の経路(復路)は、同調移動の経路(往路)と平面視で同じ(方向は逆)である。
【0003】
特許文献2には、レーストラック形の移送経路に沿って一定間隔で連続移送される容器(袋W)に対し液体を充填する液体充填装置が記載されている。この液体充填装置は容器の移送経路のうち円弧状の部分に配置され、円弧状の移送経路を移送される容器に液体を充填するものである。複数個のノズル25が各容器の上方位置に配置され、ノズル25は初期位置から前記移送経路に沿って移送される容器に同調して所定範囲を移動し、その過程で下降(下端が容器の口に入る)及び上昇(容器から抜け出る)し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動し、これを繰り返す。復帰移動の経路(復路)は、同調移動の経路(往路)と平面視で同じ(方向は逆)である。
【0004】
特許文献3には、略4角形の移送経路に沿って一定間隔で連続移送される容器5に対し液体を充填する液体充填装置が記載されている。この液体充填装置は容器の移送経路のうち直線状の部分に配置され、直線状の移送経路を移送される容器に液体を充填するもので、複数個のノズル60が各容器の上方位置に配置され、ノズル60は初期位置から前記移送経路に沿って移送される容器に同調して所定範囲を移動し、その過程で下降(下端が容器の口に入る)及び上昇(容器から抜け出る)し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動し、これを繰り返す。復帰移動の経路(復路)は、同調移動の経路(往路)と平面視で同じ(方向は逆)である。
【0005】
特許文献4には、包装処理装置ではなくスパウトと袋の仮シール装置であるが、円形の移送経路に沿って一定間隔で連続移送される袋WとスパウトS(スパウトSに袋Wが被嵌したもの)を、シールローラ148により仮シールすることが記載されている。シールローラ148が袋WとスパウトSの側方に配置され、シールローラ148は初期位置から前記移送経路に沿って移送される袋WとスパウトSに同調して所定範囲を移動し、その過程で前進(袋WとスパウトSに対する押し付け)及び後退(押し付け解除)し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動し、これを繰り返す。シールローラ148は後退してから復帰移動するので、復路は往路と平面視で異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭59−46874号公報
【特許文献2】特開2002−326604号公報
【特許文献3】特許第4190067号公報
【特許文献4】特許第4497258号公報(段落0038〜0041及び図13,14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜3に記載された包装処理装置(液体充填装置)は、いずれも水平面内で揺動するアームに包装処理部材(充填ノズル)が設置されている。包装処理部材は、アームの揺動に伴い、往路では所定の移送経路に沿って移送される容器に同調して移動し、復路では平面視で往路と同じ経路を辿って初期位置に復帰移動する。包装処理部材の往路と復路が平面視で同じ経路であることにより、次のような問題が生じている。
【0008】
包装処理部材(充填ノズル)が、復路において容器の上方を通過するから、復帰移動する充填ノズルから液体が垂れ、容器や保持部材(特許文献2であればグリッパー)に付着する。これにより、容器や保持部材が汚れるほか、液体がグリッパーの挟持部に付着した場合はその挟持機能の低下をもたらし、挟持した袋の位置ずれによるシール位置のずれや袋の脱落等が生じ、正常な包装処理が行えなくなることがある。
【0009】
包装処理部材が往路を移動する時間は袋に対し包装処理を行う関係で比較的長い時間が設定される反面、復帰移動の時間は一般的に極めて短い時間に設定される。復路では同じ距離を短時間で復帰移動させることにより、装置に振動が発生しやすく、あるいは充填ノズルからの液垂れが誘発されることになり、これが包装機の生産性を向上させる上で障害となっている。
【0010】
本発明は、上記のような従来の包装処理装置の問題点に鑑みてなされたもので、水平揺動するアームに包装処理部材を設置するという基本構造を踏襲しつつ、包装処理部材の復帰移動の経路(復路)として適宜の経路を選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る包装機の包装処理装置は、水平面内における所定の移送経路に沿って移送される容器に同調して所定範囲を移動し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動する包装処理部材を備え、前記包装処理部材が前記容器に同調して移動する間、前記包装処理部材により前記容器に対し所定の包装処理を行うようにしたもので、所定位置に往復回動自在に立設した往復回動支点軸と、前記往復回動支点軸を所定角度範囲内で往復回動させる第1駆動源と、基部が前記往復回動支点軸に固定されて水平面内で往復揺動し、自由端側が長手方向に伸縮又は水平面内で屈曲可能とされた水平揺動アームと、前記水平揺動アームに設置され前記水平揺動アームの自由端側を伸縮又は屈曲させる第2駆動源と、前記水平揺動アームの伸縮又は屈曲する自由端側に設置された前記包装処理部材と、前記第1,第2駆動源を制御して前記包装処理部材を所定の往路及び復路に沿って移動させる制御装置を備えることを特徴とする。
【0012】
上記包装処理装置は例えば次のような具体的形態を取ることができる。
(1)前記包装処理部材が昇降可能に設置されている。具体的構造として、前記往復回動支点軸が昇降自在に設置され、かつ前記往復回動支点軸を所定のタイミングで昇降させる第3駆動源を備える。あるいは、前記包装処理部材が前記水平揺動アームに対し昇降自在に設置され、かつ前記水平揺動アームに前記包装処理部材を所定のタイミングで昇降させる第3駆動源を備える。
【0013】
(2)前記水平揺動アームが、基部が前記往復回動支点軸に固定されて水平面内で往復揺動する第1アームと、前記第1アームの自由端側に前記第1アームの長手方向に沿って伸縮移動可能又は水平面内で回動可能に設置された第2アームからなり、前記包装処理部材が前記第2アームに設置されている。
(3)前記包装処理装置が容器に液体を充填する液体充填装置であり、前記包装処理部材が下端部から液体を吐出する充填ノズルである。
【0014】
(4)前記包装機が袋を所定の移送経路(環状経路)に沿って移送し移送途中で1又は2以上の包装処理工程を施すロータリー型包装機であり、容器の移送経路として円弧状の経路を含み、前記往復回動支点軸が前記円弧状の移送経路の中心に設置され、前記包装処理装置が前記円弧状の移送経路を移送される容器に対し所定の包装処理を行うものであり、前記復路は平面視で直線状に設定されている。又は、前記復路は平面視で前記円弧状の移送経路の外側を通るように設定されている。なお、円弧状の経路を含む移送経路としては、典型的には円形(特許文献1参照)又はレーストラック形の移送経路(特許文献2参照)を挙げることができる。
【0015】
(5)前記水平揺動アームに複数個の包装処理部材が設置され、それぞれ異なる容器に対し所定の包装処理を行う。
(6)前記容器が袋であり、所定の移送経路に沿って連続又は間欠移送される。
(7)本発明に係る包装処理装置は、円弧状の移送経路だけでなく、直線状の移送経路にも適用できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、水平揺動するアームに包装処理部材を設置するという基本構造を踏襲しつつ、往路では前記包装処理部材を前記容器に同調して移動させ、一方、第1駆動源と第2駆動源をそれぞれ制御することにより、包装処理装置の種類や包装仕様に応じて、復路として往路とは平面視で同一又は異なる適宜の経路を選択することができる。
例えば、包装処理部材が充填ノズルの場合、復路として容器の上を避ける経路を選択することにより、復路において仮に充填ノズルからの液垂れがあっても、その液垂れに基づく容器や保持部材の汚れ、グリッパーの挟持機能の低下等が防止できる。
【0017】
また、包装処理部材の往路が例えば円弧状の場合、復路を直線状の経路とすれば、往路と同じ円弧状の経路に沿って復帰移動する場合に比べて復路の距離が短くなる。その際、包装処理部材の復路の移動速度をその分落とすことで、装置の振動や充填ノズルからの液垂れの発生を抑えることができる。あるいは移動速度を落とさないのであれば、液体の充填により多くの時間を割り当てることができ、又は復路に要する時間を短縮して生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る包装処理装置を搭載した包装機の斜視図である。
【図2】図1の包装機の主として包装処理装置の部分の平面図である。
【図3】その側面図である。
【図4】図1の包装処理装置の包装処理部材の往路及び復路を示す平面図である。
【図5】図1の包装処理装置の包装処理部材の往路及び別の復路を示す平面図である。
【図6】図1とは別の包装処理装置を搭載した包装機の主として包装処理装置の部分の平面図である。
【図7】さらに別の包装処理装置を搭載した包装機の主として包装処理装置の部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1〜図7を参照して、本発明に係る包装処理装置について説明する。
図1に示す包装機は間欠回転テーブル式のロータリー型包装機であり、袋の左右両側縁部を把持して吊り下げるグリッパー対1,1が間欠回転(図1において左回転)するテーブル2の周囲に複数対等間隔に配置されている。グリッパー対1,1の移動経路は円形であり、当然グリッパー対1,1に把持された袋の移送経路は円形である。包装機の機台3上に、テーブル2のほか、以下に述べる各種包装処理装置が設置されている。
【0020】
グリッパー対1,1が停止する各工程位置(A〜J)近傍に各種包装処理装置が設置され、位置Aではコンベアマガジン式給袋装置4によるグリッパー対1,1への袋の供給、及びグリッパー対1,1による袋の把持、位置Bでは印字装置(図示せず)による袋への日付の印字、位置Cでは印字検査装置(図示せず)による印字の検査、位置Dでは開口装置5による袋口の開口、位置E〜Gでは本発明に係る包装処理装置(液体充填装置6)による袋への液状物の充填、位置Hでは第1シール装置7による袋口のシール、位置Iでは第2シール装置8による袋口のシール、位置Jではシール部冷却装置9によるシール部の冷却及び製品袋の放出が行われる。なお、11はこれらの装置を制御する制御装置である。
【0021】
コンベアマガジン式給袋装置4は、位置Aに停止したグリッパー対1,1に袋を1個ずつ袋口を上に向けて供給する。印字装置は位置Bに停止した袋の表面に日付を印字する。印字検査装置は位置Cに停止した袋の印字を検査する。開口装置5は位置Dに停止した袋の袋口を一対の吸盤5a,5bにより開口する。第1シール装置7は位置Hに停止した袋の袋口を熱板7aで挟持して熱シールし、続いて第2シール装置8は位置Iに停止した袋の袋口を熱板8aで挟持して熱シールする。シール部冷却装置9は位置Jに停止した袋のシール部を冷却板9aで挟持して冷却し、続いて冷却板9aを開いてシール済みの製品袋を機外に放出する。これらの包装処理装置はいずれも周知である。
【0022】
液体充填装置6は、位置Eに停止した袋が位置E〜位置Fを移動する間、及び位置Fに停止した袋が位置F〜位置Gを移動する間、これら2つの袋に同時に液体を充填する。図1〜3を参照すると、液体充填装置6は、機台3上に立設する往復回動支点軸12、往復回動支点軸12に基部が固定され水平面内で往復揺動する第1アーム13、第1アーム13の自由端側に該第1アーム13の長手方向に沿って伸縮移動可能に設置された第2アーム14、第2アーム14の先端部に昇降機構15を介して昇降自在に設置された充填ノズル16,17等を備える。第1アーム13と第2アーム14を合わせたものが本発明でいう水平揺動アームであり、この水平揺動アームは自由端側が伸縮可能なタイプである。
【0023】
前記昇降機構15は、第2アーム14の先端部に昇降自在に設置されたノズル昇降支持軸18、ノズル昇降支持軸18に中心部が固定されたノズル取付プレート19、及びノズル昇降支持軸18を昇降させる図示しない駆動源(第3駆動源)からなる。ノズル取付プレート19の両端に充填ノズル16,17が設置されている。
液体充填装置6の一部として、機台3上に液体貯留タンク21、液体貯留タンク21から充填ノズル16,17に計量した液体を供給する2組の流路切換弁22、23と容積計量式ポンプ24,25、及びこれらの間を接続する流路26等が設置されている。
【0024】
往復回動支点軸12は、図3に示すように、テーブル2を間欠回転させる中空の回転軸27内に回動自在に収容設置されている。従って、往復回動支点軸12は袋Wの移送経路(円形)の中心に位置している。
往復回動支点軸12には、該往復回動支点軸12を所定角度範囲内(360°/10)で往復回動させる第1駆動源(図示せず)が連結されている。また、第1アーム13に第2アーム14を第1アーム13の長手方向(テーブル2の半径方向)に伸縮させる第2駆動源(図示せず)が設置され、第2アーム14にノズル昇降支持軸18を昇降させる前記第3駆動源が設置されている。第1駆動源としてはサーボモータ、第2,第3駆動源としてはサーボモータ又はエアシリンダ等が望ましい。
【0025】
図2には、水平揺動の始点に位置する水平揺動アーム(第1アーム13と第2アーム14)等が実線で、水平揺動の終点に位置する水平揺動アーム等が2点鎖線で示されている。水平揺動の始点に位置する水平揺動アーム(第1アーム13と第2アーム14)に設置された充填ノズル16,17は初期位置(往路の開始位置)、すなわち位置E,Fに停止した袋W,Wの中心(袋口の中心)に位置する。水平揺動の終点に位置する水平揺動アーム(第1アーム13と第2アーム14)に設置された充填ノズル16,17は、終点位置(往路の終点位置)、すなわち位置F,Gに停止した袋W,Wの中心に位置する。
【0026】
袋W,Wが位置E,Fから位置F,Gに向かって所定の移送経路に沿って移送されるのに同調し、充填ノズル16,17は、一方が1点鎖線で示す平面視円弧状の往路28を辿って位置Eから位置Fへ、他方が同じく平面視円弧状の往路29を辿って位置Fから位置Gへと移動する。この例では、袋Wの移送経路と充填ノズル16,17の往路28,29が平面視で一致する。
また、図3には、充填ノズル16,17が上昇位置(下端が袋Wより上の位置)にあるときが実線で、下降位置(下端が袋W内に挿入された位置)にあるときが2点鎖線で示されている。
【0027】
図4には、充填ノズル16,17の平面視で示す復路31,32が1点鎖線で示され、復路31,32を辿って初期位置に復帰移動途中の充填ノズル16,17、及び第1,第2アーム13,14等が記載されている。この復路31,32は、平面視で袋Wの移送経路の半径方向外側を通るように設定され、袋2及びグリッパー対1,1を迂回する(避ける)経路となっている。従って、復路31,32において仮に充填ノズル16,17から液垂れが生じても、袋2及びグリッパー対1,1に付着することが防止され、グリッパー1,1の挟持機能が低下することも防止される。
【0028】
図5には、充填ノズル16,17の平面視で示す別の復路33,34が1点鎖線で記載されている。この復路33,34は、平面視で往路の終点位置と初期位置を最短距離で結ぶように設定されている。つまり、復路33,34は直線状である。従って、往路と同じく円弧状の経路を復帰移動する場合に比べて、復路33,34の距離が短く、充填ノズル16,17の復帰移動の速度を低下させて、装置の振動の発生を抑え、さらには充填ノズル16,17の液垂れの発生を抑えることができる。あるいは移動速度を低下させないのであれば、液体の充填により多くの時間を割り当てることができ、又は復路に要する時間を短縮して生産性を向上させることができる。
【0029】
図1〜5に示す液体充填装置6の作動の一例を説明する。なお、各部材の作動のタイミング等は以下の例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
(1)充填ノズル16,17が復路31,32(又は復路33,34)に沿って復帰移動して初期位置に停止し、それと前後してテーブル2が停止する。このとき充填ノズル16,17が上昇位置にあり、位置E,Fで停止した袋W,Wの直上に位置する。
(2)第3駆動源の作動により充填ノズル16,17が下降し、吐出口が位置E,Fで停止した袋W,Wの袋底付近に到達する(図3の2点鎖線で示す充填ノズル16参照)
(3)流路切換弁22,23と容積計量式ポンプ24,25が作動して、充填ノズル16,17から袋W,Wの袋内に液体の充填が開始される。
【0030】
(4)テーブル2の回転と同時に第1駆動源が作動し、袋W,Wが移送経路に沿って移送され、かつ水平揺動アーム(第1アーム13と第2アーム14)が揺動し、充填ノズル16,17が袋W,Wの移送に同調して往路28,29に沿って移動する。この間、第3駆動源が作動し、充填ノズル16,17が袋内の液位に対応して上昇する。
(5)袋W,Wが位置F,Gに停止し、同時に充填ノズル16,17も往路28,29の終点位置に達して停止する。停止したまま同位置で袋W,W内に所定量の液体を充填後、第3駆動源の作動により充填ノズル16,17が袋W,Wから抜け出し、上昇端に達する。
【0031】
(6)テーブル2が回転を開始する一方、第1駆動源が作動して水平揺動アーム(第1アーム13と第2アーム14)が逆方向に揺動し、その揺動の間、第2駆動源が作動して第2アーム14が第1アーム13に対し伸縮し、充填ノズル16,17において揺動と伸縮の動きが合成され、充填ノズル16,17は復路31,32(又は復路33,34)に沿って復帰移動する。
【0032】
図6には、別の形態の液体充填装置6A(主要部のみ)が示されている。図6において図1〜5の液体充填装置6と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。この液体充填装置6Aは、往復回動支点軸35が所定のタイミングで昇降し、これにより充填ノズル36が昇降する点、充填ノズル36が1つだけである点,及び水平揺動アーム(第1アーム37と第2アーム38)の自由端側が水平面内で屈曲可能なタイプである点で、図1〜図5に示す液体充填装置6と異なる。なお、充填ノズル36が1つであるから、流路切換弁22,23や容積計量式ポンプ24,25も1組でよい。図6に示すテーブル2及びグリッパー対1,1は、図1〜図5に示すものと同じである。
【0033】
往復回動支点軸35は図示しない駆動源(第3駆動源)により、所定のタイミングで昇降する。第2アーム38は第1アーム37の自由端側に屈曲支点軸39を介して水平面内で揺動自在に設置され、第1アーム37に設置された図示しない駆動源(第2駆動源)により、屈曲支点軸39を中心として所定範囲を往復揺動する。つまり、水平揺動アームの自由端側が水平面内で屈曲可能である。充填ノズル36は第2アーム38の自由端側に設置されている。前記第2,第3駆動源としてはサーボモータ又はエアシリンダ等が望ましい。
【0034】
図6には、充填ノズル36の平面視で示す往路41が一点鎖線で、復路42が実線で示され、往路41の終点位置に停止した第1アーム37、第2アーム38及び充填ノズル36が実線で、復路42を辿って初期位置に復帰移動途中のそれらが2点鎖線で示されている。往路41は袋Wが位置Eから位置Fに移送される移送経路と平面視で一致し、復路42は、平面視で袋Wの移送経路の外側を通るように設定され、袋W及びグリッパー対1,1を迂回する(避ける)経路となっている。
【0035】
図6に示す液体充填装置6Aの作動の一例を説明する。なお、各部材の作動のタイミング等は以下の例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
(1)テーブル2が停止している間、充填ノズル36が復路42に沿って復帰移動して初期位置に停止する。このとき充填ノズル36は上昇位置にあり、位置Eに停止している袋Wの直上に位置する。
(2)第3駆動源の作動により充填ノズル36が下降し、吐出口が位置Eで停止した袋Wの袋底付近に到達する。
【0036】
(3)流路切換弁と容積計量式ポンプが作動して、充填ノズル36から袋Wの袋内に液体の充填が開始され、同時にテーブル2が回転を開始して袋Wが移送経路に沿って移送され、かつ第1駆動源が作動して水平揺動アーム(第1アーム37と第2アーム38)が揺動し、充填ノズル36が袋Wの移送に同調して往路41に沿って移動する。この間、第3駆動源が作動し、充填ノズル36が袋内の液位に対応して上昇する。
(4)袋Wが位置Fに停止し、同時に充填ノズル36も往路41の終点位置に達して停止する。それとほぼ同時に充填ノズル36による液体の充填が停止し、続いて第3駆動源の作動により充填ノズル36が袋Wから抜け出して上昇端に達する。
【0037】
(5)第1駆動源が作動して水平揺動アーム(第1アーム37と第2アーム38)が逆方向に揺動を開始する。水平揺動アームの揺動の間、第2駆動源が作動して第2アーム38が屈曲支点軸39を中心として往復揺動し、充填ノズル36において第1アーム37と第2アーム38の揺動の動きが合成され、充填ノズル36は復路42に沿って復帰移動する。
【0038】
図7には、別の形態の液体充填装置6B(主要部のみ)が示されている。図7において図1〜5の液体充填装置6と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。この液体充填装置6Bは、往復回動支点軸43が所定のタイミングで昇降し、これにより充填ノズル44が昇降する点、及び充填ノズル44が1つだけである点で、図1〜5に示す液体充填装置6と異なる。なお、充填ノズル44が1つであるから、流路切換弁22,23や容積計量式ポンプ24,25も1組でよい。図7に示すテーブル2及びグリッパー対1,1は、図1〜5に示すものと同じである。
【0039】
第1アーム45の自由端側に第2アーム46が伸縮自在に設置され、充填ノズル44が第2アーム46の端部に設置されている。往復回動支点軸43は図示しない駆動源(第3駆動源)により、所定のタイミングで昇降する。前記第3駆動源としてはサーボモータ又はエアシリンダ等が望ましい。
【0040】
図7には、充填ノズル44の平面視で示す往路47が一点鎖線で、復路48が実線で示され、往路47の終点位置に停止した第1アーム45、第2アーム46及び充填ノズル44が実線で、復路48を辿って初期位置に復帰移動途中のそれらが2点鎖線で記載されている。往路47は袋Wが位置Eから位置Fに移送される移送経路と平面視で一致し、復路48は、平面視で袋Wの移送経路の外側を通るように設定され、袋W及びグリッパー対1,1を迂回する(避ける)経路となっている。
図7に示す液体充填装置6Bは、水平揺動アーム(第1アーム45と第2アーム46)が液体充填装置6のものと同じく伸縮タイプであることを除けば、液体充填装置6Aと同じように作動させることができる。
【0041】
なお、図面を参照した以上の説明では、包装機として容器(袋)の移送経路が円形の間欠回転式ロータリー型袋詰め包装機を例に挙げたが、本発明に係る包装処理装置は、袋の移送経路が円形に限らず、レーストラック形や直線形(移送経路が環状でない)など、他の移送形態を有する包装機に対しても適用できる。本発明に係る包装処理装置の包装機内での適用箇所についても、袋の移送経路が円弧状の部分に限らず、直線状の部分に対しても適用可能である。
【0042】
また、以上の説明では、包装処理装置はいずれも包装処理部材として充填ノズルを有する液体充填装置であったが、本発明は包装処理部材としてガス吹き込みノズルを有するガス置換装置、包装処理部材としてキャッピングヘッドを有するキャッピング装置など、他の包装処理装置に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 グリッパー
2 間欠回転テーブル
6,6A,6B 液体充填装置
12,35,43 往復回動支点軸
13,37,45 水平揺動アームの第1アーム
14,38,46 水平揺動アームの第2アーム
16,17,36,44 充填ノズル
28,29,41,47 充填ノズルの往路
31,32,33,34,42,48 充填ノズルの復路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面内における所定の移送経路に沿って移送される容器に同調して所定範囲を移動し、終点位置に到達後初期位置に復帰移動する包装処理部材を備え、前記包装処理部材が前記容器に同調して移動する間、前記包装処理部材により前記容器に対し所定の包装処理を行うようにした包装機の包装処理装置において、所定位置に往復回動自在に立設した往復回動支点軸と、前記往復回動支点軸を所定角度範囲内で往復回動させる第1駆動源と、基部が前記往復回動支点軸に固定されて水平面内で往復揺動し、自由端側が長手方向に伸縮又は水平面内で屈曲可能とされた水平揺動アームと、前記水平揺動アームに設置され前記水平揺動アームの自由端側を伸縮又は屈曲させる第2駆動源と、前記水平揺動アームの伸縮又は屈曲する自由端側に設置された前記包装処理部材と、前記第1,第2駆動源を制御して前記包装処理部材を所定の往路及び復路に沿って移動させる制御装置を備えることを特徴とする包装処理装置。
【請求項2】
前記往復回動支点軸が昇降自在に設置され、前記往復回動支点軸を所定のタイミングで昇降させる第3駆動源が設置されていることを特徴とする請求項1に記載された包装処理装置。
【請求項3】
前記包装処理部材が前記水平揺動アームに対し昇降自在に設置され、前記水平揺動アームに前記包装処理部材を所定のタイミングで昇降させる第3駆動源が設置されていることを特徴とする請求項1に記載された包装処理装置。
【請求項4】
前記水平揺動アームが、基部が前記往復回動支点軸に固定されて水平面内で往復揺動する第1アームと、前記第1アームの自由端側に前記第1アームの長手方向に沿って伸縮移動可能又は水平面内で回動可能に設置された第2アームからなり、前記包装処理部材が前記第2アームに設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された包装機の包装処理装置。
【請求項5】
前記包装処理装置が容器に液体を充填する液体充填装置であり、前記包装処理部材が下端部から液体を吐出する充填ノズルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された包装処理装置。
【請求項6】
前記容器が袋であり、所定の移送経路に沿って間欠移送されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載された包装処理装置。
【請求項7】
前記包装機が袋を所定の移送経路に沿って移送し移送途中で1又は2以上の包装処理工程を施すロータリー型包装機であり、容器の移送経路として円弧状の経路を含み、前記往復回動支点軸が前記円弧状の移送経路の中心に設置され、前記包装処理装置が前記円弧状の移送経路を移送される容器に対し所定の包装処理を行うものであり、前記復路は平面視で直線状に設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された包装処理装置。
【請求項8】
前記包装機が袋を環状の移送経路に沿って移送し移送途中で1又は2以上の包装処理工程を施すロータリー型包装機であり、容器の移送経路として円弧状の移送経路を含み、前記往復回動支点軸が前記円弧状の移送経路の中心に設置され、前記包装処理装置が前記円弧状の移送経路を移送される容器に対し所定の包装処理を行うものであり、前記復路は平面視で前記円弧状の移送経路の外側を通るように設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された包装処理装置。
【請求項9】
前記水平揺動アームに複数個の包装処理部材が設置され、それぞれ異なる容器に対し所定の包装処理を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載された包装処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−111499(P2012−111499A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259604(P2010−259604)
【出願日】平成22年11月20日(2010.11.20)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】