説明

包装用容器

【課題】ピロー包装体の大きさが包装用容器と食品とを合わせた大きさと同程度の大きさに設定されている場合であっても、そのピロー包装体から容易に取り出すことのできる包装用容器を提供する。
【解決手段】内部に食品Fを収容した状態でピロー包装体Pに包装される合成樹脂製の包装用容器1は、上方に開口を有する有底箱状の容器本体10を備えている。容器本体10の開口には、その周縁に沿って断面逆U字状のつまみ体20が延設されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に食品を収容した状態でピロー包装体に包装される合成樹脂製の包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、生洋菓子等の食品を包装する場合には、食品を箱状の包装用容器に収容した後に、食品と包装用容器とを共にピロー包装体によって包装する方法が採用されている。その際、ピロー包装体の内部に酸素が存在することは食品を日持ちさせるという観点から好ましくなく、窒素等の不活性ガスによってピロー包装体の内部のガス置換が行なわれることもある。
【0003】
この種の包装用容器としては、特許文献1に開示されるような技術が知られている。特許文献1に開示される包装用容器は、長方形状の底部の四辺に側壁が一体に立設された、開口を有する有底箱状に形成されている。そして、その側壁に対して凹部や孔といった流路を形成することにより、ピロー包装体内部のガス置換を行なう際における置換効率を向上させている。
【特許文献1】特開平11−278538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、ピロー包装体内部のガス置換を行なう方法の他にも、ピロー包装体の大きさを調節して、包装後のピロー包装体内に存在する酸素量を減少させる方法が採用されることもある。これは、ピロー包装体の内域の大きさを、包装用容器と食品とを合わせた大きさよりも僅かに大きくなるように設定することにより、ピロー包装体と包装用容器或いは食品との間に存在する空間そのものを小さくして内在し得る酸素量を減少させるものである。
【0005】
ところで、ピロー包装体に包装された包装用容器及び食品は、ピロー包装体を開封して形成される開口部分からスライドさせるようにして取り出される。このとき、上記のように、ピロー包装体の大きさが包装用容器と食品とを合わせた大きさと同程度の大きさに設定されていると、ピロー包装体と包装用容器との間の空間が狭いために、その空間に指を挿入して包装用容器を把持して取り出すことが困難であった。そのため、ピロー包装体を傾けて包装用容器及び食品を振り落とすようにして取り出す等、ピロー包装体からの包装用容器及び食品の取出しが非常に煩雑なものとなっていた。
【0006】
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピロー包装体の大きさが包装用容器と食品とを合わせた大きさと同程度の大きさに設定されている場合にも、そのピロー包装体から容易に取り出すことのできる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の包装用容器は、内部に食品を収容した状態でピロー包装体に包装される合成樹脂製の包装用容器であって、上方に開口を有する有底箱状の容器本体を備え、該容器本体の開口には、その周縁に沿って断面逆U字状のつまみ体が延設されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、断面逆U字状のつまみ体を形成する内側の壁と外側の壁との間に下方から指を挿入して、上記外側の壁に指を掛けて包装用容器を操作することができる。これにより、ピロー包装体とそれに包装された包装用容器との間に、包装用容器を把持するための十分な空間が存在しない場合であっても、つまみ体を介して包装用容器を操作することで、ピロー包装体から包装用容器を容易に取り出すことができる。
【0009】
また、断面逆U字状のつまみ体は、包装用容器に対して、その側方から作用する力を吸収する緩衝部としても機能する。そのため、包装用容器に収容された食品に外部からの衝撃が伝わり難くなり、食品をより確実に保護することができる。
【0010】
請求項2に記載の包装用容器は、請求項1に記載の発明において、前記つまみ体の頂部には、前記容器本体の内域を挟んで互いに対向する凹部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
一般に、ケーキ、クレープ、ワッフル等の型崩れを起こしやすい食品を包装する場合、包装用容器は食品全体を覆うような深底の形状に形成されることもある。このような場合には、包装用容器に収容された食品の大部分が包装用容器によって覆われた状態となっているために、食品を手で掴んで包装用容器から取り出すことが困難であった。そのため、包装用容器を裏返して収容された食品を落とすようにして取り出されることもなされていた。しかしながら、上記構成によれば、つまみ体の頂部に設けられる凹部を通して食品を掴みやすくなっており、包装用容器に収容された食品をより容易に取り出すことが可能である。
【0012】
請求項3に記載の包装用容器は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、断面逆U字状をなす前記つまみ体の外側の壁には、該外側の壁に対する指の滑りを抑制する滑り抑制手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、つまみ体の外側の壁に滑り抑制手段が設けられていることにより、外側の壁に対する指の滑りが抑制される。これにより、ピロー包装体から包装用容器をそのつまみ体をつまんで取り出す際に生じる指の滑りが抑制されて、より容易かつ確実に包装用容器を取り出すことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の包装用容器によれば、ピロー包装体の大きさが包装用容器と食品とを合わせた大きさと同程度の大きさに設定されている場合にも、そのピロー包装体から容易に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した包装用容器1を図1〜図4に基づいて説明する。
図2に示すように、容器本体10は上方に開口を有する有底長四角箱状に形成されている。この容器本体10は、長四角板状をなす底壁11と、底壁11の対向する一側縁に沿って立設された一対の短側壁12と、底壁11の対向する他側縁に沿って立設された一対の長側壁13とを備えている。各短側壁12及び長側壁13は、上部側ほど僅かに広がるテーパ形状に形成されている。
【0016】
図2及び図3に示すように、各短側壁12及び長側壁13の上縁、すなわち容器本体10の開口には、その周縁に沿って水平方向に延びる第1フランジ14が形成されている。そして、第1フランジ14には、容器本体10の開口の周縁に沿って同開口の全周に断面逆U字状のつまみ体20が延設されている。図4に示すように、つまみ体20は、第1フランジ14の先端に接続される内側の壁としての内壁部21と、内壁部21の上縁から外方へ延びる略円弧状の連結部22と、連結部22から僅かに外方へ向かって垂下される外側の壁としての外壁部23と、外壁部23の先端に形成される第2フランジ24とから形成されている。
【0017】
外壁部23の幅方向の長さは、内壁部21の幅方向の長さよりも大きくなるように設定されている。つまり、外壁部23の下縁及び第2フランジ24は、内壁部21の下縁及び第1フランジ14よりも下方に位置している。そして、内壁部21及び各側壁と外壁部23との間には空間Sが形成されている(図4参照)。
【0018】
図3(b)及び図3(c)に示すように、つまみ体20の頂部には、側面視円弧状をなす凹部25が複数凹設されている。本実施形態においては、つまみ体20のうち、短側壁12側に位置する部位にそれぞれ1つの凹部25を設けるとともに、長側壁13側に位置する部位にそれぞれ2つの凹部25を設けている。これら各凹部25は容器本体10の内域を挟んで互いに対向するように配置されている(図2及び図3(a)参照)。なお、凹部25は互いに対向するように配置されていれば、全体として四角枠状に形成されるつまみ体20のどの位置に設けてもよいが、包装用容器1の剛性の確保及び収容された食品の保護の観点から、コーナー部分を避けて設けることが好ましい。
【0019】
また、図3(b)に示すように、長側壁13側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23の下縁は直線状に形成されており、凹部25が設けられている部位においては外壁部23の幅方向の長さは小さくなっている。これに対して、図3(c)に示すように、短側壁12側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23の下縁は、凹部25の形状に合わせて部分的に下方に湾曲する曲線状に形成されており、凹部25が設けられている部位においても外壁部23の幅方向の長さは略一定となっている。
【0020】
図2及び図3(c)に示すように、短側壁12側に位置するつまみ体20における外壁部23の中央部分には、凹凸状に形成された粗面部23aが設けられている。この粗面部23aは外壁部23の幅方向全体に形成されるとともに、外壁部23の外面及び内面に設けられている。なお、粗面部23aは滑り抑制手段として機能する。
【0021】
また、図2に示すように、長側壁13側に位置するつまみ体20の頂部には、つまみ体20の内面側、すなわち空間S側に膨出する重なり防止部26が設けられている。本実施形態では、つまみ体20の頂部の一部を下方に凹ませることによって重なり防止部26を形成している。なお、この重なり防止部26は、凹部25と比較して十分に小さく形成されるとともに、凹部25上を含めてつまみ部20の頂部にランダムに複数形成されている。そして、重なり防止部26は、包装用容器1ごとにそれぞれ異なる位置に形成されている。
【0022】
なお、本実施形態の包装用容器1は、ポリ乳酸、ポリスチレン等の合成樹脂によって一体に成形されている。
次に、ピロー包装体Pから包装用容器1を取り出す態様について、図1に基づいて説明する。
【0023】
ピロー包装体Pに設けられる切込や切欠等の開封補助部に従ってピロー包装体Pを開封すると、包装用容器1の短側壁12側に開口部P1が形成される。そして、開口部P1からピロー包装体P内に親指と人差し指を挿入し、人差し指をつまみ体20の内壁部21と外壁部23との間の空間Sに下方から指を挿入するとともに、親指を外壁部23の外面(粗面部23a)に添えて外壁部23を把持する。この状態から、包装用容器1を開口部P1側に引き出すことによって、ピロー包装体Pから包装用容器1を取り出すことができる。また、包装用容器1に設けられる凹部25を通して、包装用容器1の内部領域に収容された食品Fを掴むことができ、包装用容器1から食品Fを容易に取り出すことができる。
【0024】
次に、本実施形態における作用効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態では、容器本体10の開口の周縁に沿って断面逆U字状のつまみ体20が延設されている。そして、つまみ体20は、内壁部21と、内壁部21の上縁から外方へ延びる略円弧状の連結部22と、連結部22から僅かに外方へ向かって垂下される外壁部23とを備えるとともに、その内側に空間Sを有するように形成されている。
【0025】
これにより、ピロー包装体Pから包装用容器1を取り出す際に、空間Sに指を挿入してつまみ部20の外壁部23をつまみ、包装用容器1を操作することができる。したがって、ピロー包装体Pとそれに包装された包装用容器1との間に、包装用容器1を把持するための十分な空間が存在しない場合であっても、ピロー包装体Pから包装用容器1を容易に取り出すことができる。
【0026】
また、つまみ体20を形成する外壁部23は、連結部22から僅かに外方へ向かって垂下されるように形成されている。そのため、内壁部21と外壁部23との間隔は下側ほど大きくなっており、空間S内への指の挿入をより容易に行なうことができる。
【0027】
さらに、つまみ体20は容器本体10の開口の全周にわたって形成されている。そのため、包装用容器1の側面側におけるどの位置にピロー包装体Pの開口部P1を形成した場合にも、その開口部P1からつまみ体20を把持して包装用容器1を取り出すことができる。
【0028】
(2)本実施形態の包装用容器1に設けられる断面逆U字状のつまみ体20は、包装用容器1に対して、その側方から作用する衝撃等の力を吸収する緩衝部としても機能する。包装用容器1に対して、その側方から衝撃が加わった際には、空間Sを小さくするようにつまみ体20が変形する、具体的には、外壁部23が内壁部21側に押し込まれるように変形することによって、その衝撃はつまみ体20に吸収される。これにより、容器本体10及びその内部領域に収容された食品Fに外部からの衝撃が伝わり難くなって食品Fをより確実に保護することができる。
【0029】
(3)本実施形態では、つまみ体20の頂部に複数の凹部25が設けられており、これら凹部25は容器本体10の内域を挟んで互いに対向するように設けられている。これにより、包装用容器1が食品F全体を覆うような深底の形状に形成されている場合であっても、凹部25を通して包装用容器1に収容された食品Fを掴むことができ、包装用容器1から食品Fを容易に取り出すことができる。
【0030】
(4)本実施形態では、外壁部23の幅方向の長さは、内壁部21の幅方向の長さよりも大きくなるように設定されている。これにより、空間Sをより大きく形成することができる。さらに、短側壁12側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23は、幅方向の長さが略一定となるように形成されている。これにより、短側壁12側に位置するつまみ体20に凹部25を設けた場合にも空間Sが極端に小さくなることはなく、つまみ部20を把持することが容易である。
【0031】
(5)本実施形態では、短側壁12側に位置するつまみ体20における外壁部23の中央部分に、滑り抑制手段としての粗面部23aを形成している。これにより、ピロー包装体Pから包装用容器1を取り出す際に、つまみ体20(外壁部23)に対する指の滑りが抑制されて、より容易かつ確実に包装用容器1を取り出すことが可能となる。
【0032】
また、一般的に、有底長四角箱状の包装用容器1を包装するピロー包装体Pには、包装用容器1の短側壁側に開口部P1を形成するように開封補助部が設けられている。そのため、短側壁12側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23に粗面部23aを設けることにより、粗面部23aの位置と開口部P1の位置とをより確実に対応させることができる。
【0033】
(6)本実施形態では、長側壁13側に位置するつまみ体20の頂部に対して、空間S側に膨出する重なり防止部26が複数形成されている。そして、重なり防止部26はつまみ体20内において、包装用容器1ごとにそれぞれ異なる位置に形成されている。これにより、複数の包装用容器1を重ねた際に、下側に位置する包装用容器1のつまみ体20の頂部と上側に位置する包装用容器1のつまみ体20の重なり防止部26とが当接して包装用容器1同士が密着するように重なることが抑制される。そのため、複数の包装用容器1を多段に重ねた場合にも、重ねられた包装用容器1から1つの包装用容器1を選択的に分離させることができる。
【0034】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 本実施形態では、容器本体10を有底四角箱状に形成していたが、容器本体10の形状はこれに限られるものではなく、有底箱状であればどのような形状に形成されていてもよい。たとえば、図5に示す包装用容器2のように、有底円筒状の容器本体10に本発明を具体化してもよい。
【0035】
図5に示す包装用容器2を構成する容器本体10は、円板状をなす底壁15と、底壁15の周縁に沿って立設される周壁16とを備えている。そして、容器本体10の開口には、その周縁に沿って第1フランジ14が形成されるとともに、その第1フランジ14を介してつまみ体20が延設されている。つまみ体20は、第1フランジ14の先端に接続される内側の壁としての内壁部21と、内壁部21の上縁から外方へ延びる略円弧状の連結部22と、連結部22から僅かに外方へ向かって垂下される外側の壁としての外壁部23とから形成されており、第2フランジ24は省略されている。また、つまみ体20の頂部には、容器本体10の内域を挟んで互いに対向する二対の凹部25が設けられている。これら凹部25は、包装用容器2の剛性の確保及び収容された食品の保護等の観点から、それぞれ等間隔に設けられていることが好ましい。さらに、つまみ体20の頂部には、実施形態の包装用容器1と同様に重なり防止部26が設けられている。
【0036】
・ 本実施形態では、つまみ体20は内壁部21と、内壁部21の上縁から外方へ延びる略円弧状の連結部22と、連結部22から僅かに外方へ向かって垂下される外壁部23とによって断面逆U字状に形成していたが、つまみ体20の構成はこれに限られるものではない。たとえば、連結部22を設けることなく、内壁部21と外壁部23とを直接接続させて断面逆V字状に形成してもよいし、連結部22を平板状に形成して断面下向きコ字状に形成してもよい。また、容器本体10の短側壁12及び長側壁13の上端部をつまみ体20の内壁部21として構成するとすれば、その上端部に連結部22及び外壁部23を接続しても、上記実施形態と同様に断面逆U字状に形成されることになる。同様に、その上端部に外壁部23を接続しても、上述した断面逆V字状に形成されることになる。また、第2フランジ24を設けなくてもよい。なお、特許請求の範囲でいう「逆U字状」は、上述したすべての逆U字状、逆V字状、及び下向きコ字状が含まれることはもちろん、逆U字に類似するような形状をなして上記実施形態と同様に機能するような形状すべてを含む。
【0037】
・ 本実施形態では、外壁部23は、連結部22から僅かに外方へ向かって垂下されていたが、内壁部21との間に空間Sを形成し得る形状であれば、真下又は内方へ向かって垂下されていてもよい。また、外壁部23の幅方向の長さを、内壁部21の幅方向の長さよりも大きくなるように設定していたが、内壁部21の幅方向の長さと等しくなるように、或いはそれよりも小さくなるように設定してもよい。
【0038】
・ 本実施形態では、短側壁12側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23と、長側壁13側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23との間でその形状を異ならせていたが、一方の外壁部23の形状に合わせて両外壁部23の形状を統一させてもよい。また、短側壁12側ではなく、長側壁13側に位置するつまみ体20を形成する外壁部23を、その幅方向の長さが略一定となるように形成してもよい。
【0039】
・ 本実施形態では、つまみ体20は、容器本体10に対して、その開口に形成される第1フランジ14を介して延設されていたが、第1フランジ14を設けることなく容器本体10の各側壁の上縁につまみ体20を直接延設してもよい。
【0040】
・ 本実施形態では、容器本体10の開口の全周にわたってつまみ体20を形成していたが、たとえば、短側壁12側のみ、或いは長側壁13側の中央部のみというように容器本体10に対して、つまみ体20を部分的に形成してもよい。
【0041】
・ 本実施形態では、凹部25は側面視円弧状に形成されていたが、凹部25の形状はこれに限られるものではなく、たとえば側面視多角形状に形成してもよい。また、短側壁12及び長側壁13の各側壁に凹部25を設けたが、両側壁のうち一方の側壁のみに凹部25を設ける構成としてもよい。また、凹部25の数については本実施形態のものに限られるものではなく、凹部25をいくつ形成してもよい。なお、凹部25を設けない構成としてもよい。
【0042】
・ 本実施形態では、滑り抑制手段として凹凸状の粗面部23aを設けていたが、粗面部23aの形状はこれに限られるものではなく、その摩擦係数が高められるような形状であればどのような形状でもよい。たとえば、外壁部23を貫通する孔を複数形成し、その貫通孔を含めた周辺部分を粗面部23aとしてもよい。
【0043】
・ 本実施形態では、短側壁12側に位置するつまみ体20における外壁部23の中央部分に粗面部23aを形成したが、粗面部23aを設ける位置はこれに限られるものではなく、外壁部23のどの位置に形成してもよい。たとえば、全ての外壁部23に粗面部23aを設けてもよい。また、外壁部23の外面及び内面のいずれか一方のみに粗面部23aを設けてもよい。なお、粗面部23aを設けない構成としてもよい。
【0044】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
○ 前記滑り抑制手段は、前記外側の壁の内側の面に形成されていることを特徴とする包装用容器。
【0045】
○ 前記つまみ体には重なり防止手段が設けられていることを特徴とする包装用容器。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態の包装用容器をピロー包装体から取り出す状態を示す斜視図。
【図2】本実施形態の包装用容器を示す斜視図。
【図3】(a)は本実施形態の包装用容器を示す上面図、(b),(c)は本実施形態の包装用容器を示す側面図。
【図4】本実施形態の包装用容器を示す部分断面図。
【図5】別例の包装用容器を示す斜視図。
【符号の説明】
【0047】
F…食品、P…ピロー包装体、P1…開口部、S…空間、1,2…包装用容器、10…容器本体、11,15…底壁、12…短側壁、13…長側壁、14…第1フランジ、16…周壁、20…つまみ体、21…内側の壁としての内壁部、22…連結部、23…外側の壁としての外壁部、23a…滑り抑制部手段としての粗面部、24…第2フランジ、25…凹部、26…重なり防止部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に食品を収容した状態でピロー包装体に包装される合成樹脂製の包装用容器であって、
上方に開口を有する有底箱状の容器本体を備え、
該容器本体の開口には、その周縁に沿って断面逆U字状のつまみ体が延設されていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記つまみ体の頂部には、前記容器本体の内域を挟んで互いに対向する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
断面逆U字状をなす前記つまみ体の外側の壁には、該外側の壁に対する指の滑りを抑制する滑り抑制手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−179336(P2009−179336A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18171(P2008−18171)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(396000422)リスパック株式会社 (53)
【Fターム(参考)】