説明

包装用容器

【課題】 熱成形法による成形後の蓋体の収縮に影響を受けることなく、容器本体に対して蓋体を円滑に着脱することのできる包装用容器を提供する。
【解決手段】 上端に開口が形成された容器本体と、開口を閉塞可能に形成された蓋体とを備え、容器本体は、底部と、底部の外周から起立して前記開口を画定する周壁と、周壁の上端から外方に向けて延出した鍔部とを備え、蓋体は、開口と対向する蓋本体部と、蓋本体部の外周から外方に向けて延出し、鍔部上に載置可能な延出部と、延出部の外周から垂下する垂下部とを備え、垂下部には、内側に突出した係合凸部が周方向に間隔をあけて二つ以上形成され、延出部を鍔部上に配置する際に、係合凸部が鍔部を乗り越えて係合凸部と鍔部とが互いに係合するように構成され、蓋体は、垂下部における少なくとも何れかの一つの係合凸部間に周方向で拡張可能な拡張部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、惣菜等の食品を包装するための包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、惣菜等の食品を包装するための包装用容器として、種々のものが提供されている。その一つとして、図9に示す如く、上端に食品を収容するための開口500が形成された容器本体50と、熱成形法により成形されて前記開口500を閉塞可能に形成された蓋体60とを備え、蓋体60と容器本体50とが係合することで、蓋体60が容器本体50から不用意に外れないように構成されたものが提供されている。
【0003】
具体的には、前記容器本体50は、底部501と、該底部501の外周から起立して前記開口500を画定する周壁502と、該周壁502の上端から外方に向けて延出した鍔部503とを備えている。
【0004】
また、蓋体60は、前記開口500と対向する蓋本体部600と、蓋本体部600の外周から外方に向けて延出し、前記鍔部503上に載置可能な延出部601と、延出部601の外周から垂下する垂下部602とを備えている。そして、前記垂下部602には、内側に突出した係合凸部603…が周方向に間隔をあけて二つ以上形成されている。
【0005】
このような容器本体50や蓋体60は、熱成形法によって作製される。すなわち、合成樹脂シートを加熱しつつ真空や圧空、或いはこれらの組み合わせで金型に押し付け、該合成樹脂シートを一方の面側に所定の形状に膨出させた後、その膨出させた周囲を切断(打ち抜く)ことで作製される。
【0006】
上記構成の包装用容器5は、図10、図11(a)及び図11(b)に示す如く、容器本体50の開口500を蓋体60で閉塞するときに、延出部601を鍔部503に重ねるように蓋体60を容器本体50上に配置することで、係合凸部603…が鍔部503の外周端を乗り越えて該係合凸部603…と鍔部503とが互いに係合し、これとは逆に、容器本体50から蓋体60を取り外すときに、蓋体60を持ち上げることで、係合凸部603…が鍔部503の外周端を乗り越えて該係合凸部603…と鍔部503との係合が解除されるようになっている。
【0007】
すなわち、上記構成の包装用容器5は、蓋体60が熱成形法によって薄肉に形成されることにより、蓋体60の微小な変形で蓋体60の着脱時における鍔部503に対する係合凸部603…の乗り越えが許容されている。
【0008】
これにより、上記構成の包装用容器5は、蓋体60の着脱を可能としつつも、蓋体60が容器本体50から不用意に外れないようになっており、衛生上良好な状態を維持しつつ食品を包装できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
そして、上記構成の包装用容器5は、食品に対する加熱処理(電子レンジによる暖め)の有無や食品の油分の有無等が考慮され、蓋体60に耐熱性や耐油性等が要求される場合には、蓋体60を成形するための合成樹脂シートに耐熱性や耐油性に優れた材質(合成樹脂)が選択される。
【0010】
これにより、前記包装用容器5は、加熱処理や食品の油分に影響を受けることなく、食品を適正な状態で包装できるようになっている。
【特許文献1】登録実用新案第3023311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、熱成形法に用いられる合成樹脂(シート)には、成型条件(延伸条件、加熱・冷却条件等)や、成形後の保管条件等の諸条件によって、成形後、経時的に収縮してしまうものがある。特に、耐熱性や耐湯性に優れるとされる結晶性の合成樹脂は、他の合成樹脂に比して収縮が顕著である。
【0012】
そのため、予め設定した正規の設計寸法で蓋体60が成形されたとしても、成形後に蓋体60が経時的に収縮してしまい、蓋体60を容器本体50に取り付けることが困難になる場合がある。
【0013】
すなわち、上記構成の包装用容器5は、容器本体50との嵌め合いを考慮して蓋体60における延出部601及び垂下部602の寸法や形状が設定されているため、蓋体60の垂下部602が周方向に収縮してしまうと、鍔部503と垂下部602とが干渉したり、鍔部503に対する係合凸部603…の乗り越えが困難になったりしてしまう結果、蓋体60の着脱(容器本体50と蓋体60との嵌合)が困難になるといった問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、熱成形法による成形後の蓋体の収縮に影響を受けることなく、容器本体に対して蓋体を円滑に着脱することのできる包装用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る包装用容器は、上端に食品を収容するための開口が形成された容器本体と、熱成形法により成形されて前記開口を閉塞可能に形成された蓋体とを備え、容器本体は、底部と、該底部の外周から起立して前記開口を画定する周壁と、該周壁の上端から外方に向けて延出した鍔部とを備え、蓋体は、前記開口と対向する蓋本体部と、蓋本体部の外周から外方に向けて延出し、前記鍔部上に載置可能な延出部と、延出部の外周から垂下する垂下部とを備え、前記垂下部には、内側に突出した係合凸部が周方向に間隔をあけて二つ以上形成され、前記延出部を鍔部上に配置する際に、係合凸部が鍔部を乗り越えて該係合凸部と鍔部とが互いに係合するように構成された包装用容器において、前記蓋体は、垂下部における少なくとも何れかの一つの係合凸部間に周方向で拡張可能な拡張部が設けられていることを特徴とする。なお、ここで「熱成形法」とは、熱可塑性樹脂シートを加熱して軟化させた状態で、所定形状に形状を整えて冷却することで成形品を形成する製法であり、例えば、真空成形や圧空成形、真空圧空成形等を含む概念である。
【0016】
上記構成の包装用容器によれば、容器本体の開口を蓋体で閉塞するときに、延出部を鍔部に重ねるように蓋体を容器本体上に配置することで、係合凸部が鍔部の外周端を乗り越えて該係合凸部と鍔部とが互いに係合し、これとは逆に、容器本体から蓋体を取り外すときに、蓋体を持ち上げることで、係合凸部が鍔部の外周端を乗り越えて該係合凸部と鍔部との係合が解除される。これにより、上記構成の包装用容器は、蓋体の着脱を可能としつつも、蓋体が容器本体から不用意に外れなることなく、衛生上良好な状態を維持しつつ食品を包装できる。
【0017】
そして、前記蓋体は、垂下部における少なくとも何れかの一つの係合凸部間に周方向で拡張可能な拡張部が設けられているので、拡張部が周方向に拡張することで、垂下部を周方向に拡げることができる。これにより、成形後に蓋体の垂下部が周方向に収縮しても、拡張部の拡張によって垂下部が周方向に拡がる(延びる)ことで、鍔部と垂下部との干渉が防止され、また、鍔部に対する係合凸部の乗り越えが許容される。従って、蓋体における成型後の収縮に影響を受けることなく、該蓋体を容器本体に対して着脱することができる。
【0018】
本発明の一態様として、前記拡張部は、外方へ膨出するように形成されてもよい。このようにすれば、拡張部には外方に向けて延出した部位が形成されることになるので、周方向に引っ張り力が作用することで、その外方に向けて延出した部位が内側に倒れることになる。これにより、拡張部が周方向に延びて垂下部が周方向に拡がった状態になり、容器本体の鍔部と蓋体の垂下部との干渉が防止され、また、係合凸部の鍔部に対する乗り越えが許容されることになる。
【0019】
本発明の他態様として、前記拡張部は、少なくとも垂下部と延出部とに跨るように形成されてもよい。このようにすれば、拡張部には外方に延出した部位が垂下部と延出部とに跨った状態で形成されることになるので、周方向に引っ張り力が作用することで外方に延出した部位が周方向に容易に倒れることになる。これにより、垂下部を周方向に拡がった状態にし易くなり、容器本体の鍔部と蓋体の垂下部との干渉が防止され、また、係合凸部の鍔部に対する乗り越えが許容されることになる。
【0020】
本発明の別の態様として、前記容器本体は、周壁が角筒状に形成されるとともに、前記鍔部が周壁の上端全周に亘って連続的に形成され、前記蓋体は、少なくとも前記周壁の各角部と対応する位置に係合凸部が形成されてもよい。このようにすれば、容器本体に対する蓋体の位置決めを確実にすることができる。また、拡張部が垂下部の真っ直ぐ又は略真っ直ぐに延びる部位に形成されることになるので、周方向に拡がり易い態様となる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係る包装用容器によれば、熱成形法による成形後の蓋体の収縮に影響を受けることなく、容器本体に対して蓋体を円滑に着脱することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る包装用容器について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
本実施形態に係る包装用容器は、図1及び図2に示す如く、上端に食品を収容するための開口100(図1参照)が形成された容器本体10と、容器本体10の開口100を閉塞可能に形成された蓋体20とを備えている。
【0024】
本実施形態に係る容器本体10は、合成樹脂シートを用いた熱成型法によって成形されたものである。ここで、熱成形法とは、熱可塑性樹脂シートを加熱して軟化させた状態で、所定形状に形状を整えて冷却することで成形品を形成する製法で、例えば、真空成形や圧空成形、真空圧空成形等を含む概念である。従って、容器本体10は、合成樹脂シートを加熱しつつ真空や圧空、或いはこれらの組み合わせで金型に押し付け、該合成樹脂シートを一方の面側に所定の形状に膨出させた後、冷却して膨出させた周囲を切断(打ち抜く)ことで作製される。
【0025】
そして、本実施形態に係る容器本体10は、図1に示す如く、底部101と、該底部101の外周から起立して前記開口100を画定する周壁102と、該周壁102の上端から外方に向けて延出した鍔部103とを備えている。
【0026】
本実施形態に係る底部101は、平面視略矩形状に形成されている。これに伴い、周壁102は、底部101に対応して角筒状に形成されている。本実施形態に周壁102は、内部空間が下端から上端に向けて拡大するようにテーパー状に形成されている。すなわち、本実施形態に係る容器本体10の周壁102は、上下方向に延びる中心線(図示しない)に対して外側に所定角度で傾斜し、下端から上方に向けて内部空間を拡大させる第一拡大部102aと、該第一拡大部102aの上端と連続するように形成され、上下方向に延びる中心線に対して外側に前記所定角度よりも大きな角度で傾斜し、上方に向けて内部空間をさらに拡大させる第二拡大部102bとで構成されている。
【0027】
本実施形態に係る容器本体10は、図からも明らかなように、底部101と周壁102との接続部分や、周壁102が角筒状にされることによって形成される四つの角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4が丸みをもって形成されている。
【0028】
本実施形態に係る鍔部103は、図1及び図3に示す如く、周壁102の上端全周に亘って連続的に形成されている。なお、図3において、容器本体10は二点鎖線で示されている。これにより、鍔部103は、平面視環状に形成されている。本実施形態に係る鍔部103は、図1,図3、図4(a)及び図4(b)に示す如く、周壁102の上端から外方に延出した鍔本体104と、該鍔本体104の外周から垂下した鍔垂下部105とを備えている。そして、本実施形態に係る容器本体10は、上述の如く、合成樹脂シートを用いた熱成形法によって成形されたものであるので、鍔垂下部105の外周には成形後の打ち抜きの余裕代106が外方に向けて延出した状態で残っている。そのため、本実施形態の包装用容器1は、余裕代106の外周を容器本体10(鍔部103)の外周として扱い、これを基準に蓋体20(後述する垂下部202)のサイズが決定されている。
【0029】
本実施形態に係る蓋体20は、容器本体10と同様に熱成形法によって成形されたものである。従って、蓋体20についても、合成樹脂シートを加熱しつつ真空や圧空、或いはこれらの組み合わせで金型に押し付け、該合成樹脂シートを一方の面側に所定の形状(以下に説明する形態)に膨出させた後、冷却して膨出させた周囲を切断(打ち抜く)ことで作製される。
【0030】
ここで、蓋体20を成形するための合成樹脂シートとしては、厚みが0.15mm以上、2.0mm以下のもので、非発泡樹脂シートや、発泡倍率が20倍以下、好ましくは、5倍以下の発泡合成樹脂シート、さらには、これらのシートを積層した積層シートを採用することができる。また、シートの素材(合成樹脂)としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、等を単独、又は、任意比率で複数混合した熱可塑性樹脂を用いることができ、更に、樹脂特性を調整するためのゴム特性を賦与する配合原料素材を使用することも可能である。これらの合成樹脂原料には、充填材や相溶化剤、添加剤、着色料等を混合して使用することができる。
【0031】
そして、本実施形態に係る蓋体20は、上記熱成形法によって成形されることにより、外面側と内面側とが対応した形態となっている。すなわち、蓋体20は、外面側が突出した形状になる一方で、内面側が窪んだ形状に形成されている。
【0032】
具体的には、蓋体20は、図1〜図4に示す如く、容器本体10の開口100と対向する蓋本体部200と、蓋本体部200の外周から外方に向けて延出し、前記鍔部103上に載置可能な延出部201と、延出部201の外周から垂下する垂下部202とを備えている。
【0033】
前記蓋本体部200は、容器本体10の開口100の全域に対向可能(開口100を被って閉塞可能)に形成されれば、形状については特に限定されないが、本実施形態においては、容器本体10の開口100よりも小さなサイズで該開口100と略相似形に形成された天部200aと、該天部200aの外周から垂下する蓋壁部200bとで構成されている。前記天部200aは、上述の如く、容器本体10の開口100と略相似形に形成されるため、本実施形態においては平面視略矩形状に形成されている。そして、本実施形態においては、容器本体10の周壁102が角筒状に形成されているため、前記蓋壁部200bについても角筒状に形成されている。なお、本実施形態に係る蓋体20は、天部200aと蓋壁部200bとの境界近傍や、蓋壁部200bが角筒状とされることで周方向に間隔をあけて形成される四つの角部Cb1,Cb2,Cb3,Cb4が丸みをもった形状とされている。
【0034】
前記延出部201は、蓋壁部200bの下端から外方に延出している。該延出部201は、蓋壁部200bの下端全周に亘って連続するように形成されている。これにより、該延出部201は、平面視環状をなして容器本体10の鍔部103(鍔本体104)に載置可能に形成されている。そして、本実施形態に係る蓋体20は、蓋壁部200bと延出部201との境界部分が内側にやや突出して環状凸部(採番しない)が形成されている(図4(a)及び図4(b)参照)。これにより、延出部201を鍔部103に載置した状態で垂下部202と環状凸部との間に鍔部103が介在し、これによって容器本体10に対する蓋体20の位置決めを行えるようになっている。
【0035】
そして、前記垂下部202は、延出部201の外周から下方に向けて延出するように形成されている。該垂下部202は、延出部201の外周全周に亘って連続するように無端環状に形成されている。垂下部202は、後述する拡張部205及び係合凸部204…以外の部位が鍔部103の外周に対して僅かな隙間を形成した状態、或いは、鍔部103の外周に対して摺接した状態で、鍔部103に対して外嵌できるように設計寸法が設定されている。この設計寸法は、上述の如く熱成形法で成形された直後のもの、すなわち、金型寸法に対応した寸法である。
【0036】
なお、図3に示した一点鎖線CLは、垂下部202に係合凸部204や拡張部205を形成することなく、鍔部103を包囲可能に垂下部202が環状に形成されたときの該垂下部202の厚み方向の中心線を示している。すなわち、図3の一点鎖線CLは、垂下部202の内周面が容器本体10の鍔部103の外周全周に対して僅かな隙間を形成した状態、或いは、鍔部103の外周に対して摺接した状態で、鍔部103に対して外嵌できるように、垂下部202を内外に凹凸のない環状に形成したときの該垂下部202が通る中心線であり、本実施形態の垂下部202(係合凸部204の突出や拡張部205の膨出)の基準となる線(以下、基準線という)である。
【0037】
そして、前記垂下部202には、内側に突出した係合凸部204…が周方向に間隔をあけて二つ以上形成されている。これにより、本実施形態に係る包装用容器1は、前記延出部201を鍔部103上に配置する際に、係合凸部204…が鍔部103(余裕代106)を乗り越えて該係合凸部204…と鍔部103とが互いに係合するように構成されている。
【0038】
本実施形態に係る包装用容器1は、容器本体10の周壁102が角筒状に形成されるに伴って、蓋体20全体が平面視矩形状をなすため、前記係合凸部204…は、垂下部202の周方向に形成される四つの角部Cb1,Cb2,Cb3,Cb4(鍔部103の四つの角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4に対応する角部)に形成されている。これにより、蓋体20は、容器本体10の四つの角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4(対角位置にある二組の角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4)のそれぞれに対し、各係合凸部204…が係合できるようになっている。
【0039】
各係合凸部204…は、図5(a)に示す如く、当該係合凸部204の周囲の垂下部202の内面からの突出量Xが0.3mm以上、3.5mm以下、好ましくは、0.8mm以上、2.0mm以下に設定される。すなわち、係合凸部204…の突出量Xが3.5mmmよりも大きくなると、熱成型法によって成形する際の離型が困難となり、係合凸部204…の突出量Xが0.3mmよりも小さくなると、鍔部103との係合が確実なものとなりにくくなるといった理由から、各係合凸部204…は、上述のような寸法設定とされる。
【0040】
そして、本実施形態に係る蓋体20は、垂下部202における少なくとも何れか一つの係合凸部204…間に周方向で拡張可能な拡張部205…が設けられる。本実施形態においては、図3に示す如く、係合凸部204…間のそれぞれに拡張部205…が設けられている。すなわち、本実施形態に係る蓋体20は、平面視において矩形状を画定する各辺部に拡張部205…が設けられている。
【0041】
本実施形態に係る拡張部205…は、外方に向けて膨出するように形成されている。これにより、本実施形態に係る拡張部205…のそれぞれは、垂下部202の周方向に間隔をあけて外方に向けて延出した一対の拡張用延出部205a,205bと、一対の拡張用延出部205a,205bの先端同士を接続した拡張接続部205cとが形成されている。かかる拡張部205…は、垂下部202に対して周方向の力(引っ張り力)が作用したときに、一対の拡張用延出部205a,205bのそれぞれの先端側が内側に向けて倒れることにより、垂下部202が周方向に拡がる(長くなる)ようになっている。すなわち、拡張部205…は、一対の拡張用延出部205a,205bのそれぞれが相手方(一方の拡張用延出部205aに対しては他方の拡張用延出部205b、他方の拡張用延出部205bに対しては一方の拡張用延出部205a)に向けて倒れることで、各係合凸部204…間の距離が長くなって垂下部202全体が周方向に拡がる(垂下部202の内外の凹凸を無視した基準線CL上の周長が長くなる)ようになっている。
【0042】
該拡張部205…は、上述の如く、垂下部202の内周面(係合凸部204…及び拡張部205…以外の内周面)が容器本体10の鍔部103の外周に対して僅かな隙間を形成した状態、或いは、鍔部103の外周に対して摺接した状態で、鍔部103に対して外嵌できるように設計寸法が設定されることを前提に、垂下部202の標準の周長(設計寸法)に対して0.1〜1%拡張できるように設定することが好ましい。
【0043】
すなわち、成形後の蓋体20の収縮(垂下部202の周方向の収縮率)が非常に小さいことが経験則上判っているため、その収縮状態を前提に、拡張部205…の数×2×一つの拡張延用出部205a,205bの長さ(mm)が、垂下部202の標準の周長に対して0.1%〜1%となるように、図5(a)及び図5(b)に示す如く、各拡張部205…の拡張用延出部205a,205bの長さYが設定される。
【0044】
ここで拡張部205…(一対の拡張用延出部205a,205b)の一例について、具体的な寸法を挙げて説明する。蓋体20の垂下部202の内周が鍔部103の外周に略摺接させることを前提に、容器本体10の鍔部103を外寸が100mm×150mmの矩形状に形成して該容器本体10(鍔部103)の外周長を約500mm(=100mm×2辺+150mm×2辺)とし、蓋体20の垂下部202を内寸が100mm×150mmの矩形状に形成して垂下部202の内周長を約500mm(=100mm×2辺+150mm×2辺)とする。そして、蓋体20の垂下部202に拡張部205…を二箇所に設け、各拡張部205…の拡張用延出部201における延出量(周囲の垂下部202の外面からの延出量)Yを0.5mmとする。
【0045】
そうすると、図5(c)に示す如く、各拡張部205…が拡張したとき(拡張用延出部205a,205bが倒れたとき)、拡張部205…の設けられた係合凸部204…間が拡がって垂下部202の周長(基準線CL上の周長)が2mm(=0.5mm×4つ)長くなり、標準の垂下部202(内周長:500mm)に対して約0.4%拡張することになる。
【0046】
したがって、容器本体10(鍔部103)を外寸が100mm×150mmの矩形状に形成するとともに、蓋体20(垂下部202)を内寸が100mm×150mmの矩形状に形成し、本実施形態のように拡張部205…を四つ設けた場合には、500mm(=100mm×2+150mm×2)÷(4箇所×2つ)×0.1%〜1%から、一つの拡張用延出部205a,205bの長さYは、約0.06mm〜0.6mmに設定される。なお、各図において、容器本体10や蓋体20の各構成は、構成を明確に理解できるように実際のものに対して誇張して示されている。
【0047】
そして、本実施形態に係る蓋体20は、上述の如く、合成樹脂シートを用いた熱成形法によって成形されたものであるので、垂下部202の下端外周の全周には成形後の打ち抜きの余裕代206が外方に向けて延出した状態で残っている。本実施形態において、前記余裕代206は、対角位置にある二つの角部Cb1,Cb3と対応する部位が他の部分よりも外方に突出するように形成されており、当該部分が蓋体20を開け閉めする際に把持する把持片207とされている。そして、垂下部202の下端全周に余裕代206が形成されると、拡張部205…の拡張が阻害される虞があるが、蓋体20の余裕代206には、微小な凹凸(図示しない)が複数周方向に連続して形成されており、これによって余裕代206も拡張部205…として周方向に拡張できるようになっている。なお、余裕代206の凹凸は、合成樹脂シートを打ち抜く際の押さえ(プレス)によって形成される。
【0048】
本実施形態に係る包装用容器1は、以上の構成からなり、次に、該包装用容器1の使用態様について説明する。上記構成の包装用容器1は、図1及び図2に示す如く、容器本体10の開口100から該容器本体10内に食品(図示しない)を収容した後、蓋体20で容器本体10の開口100を閉塞することで食品が包装される。具体的には、図4(a)及び図4(b)に示す如く、食品を収容した容器本体10の鍔部103(鍔本体104)上に蓋体20の延出部201を載置するように蓋体20を配置する。すなわち、容器本体10の角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4と蓋体20の角部Cb1,Cb2,Cb3,Cb4とを対応させた上で鍔部103上に延出部201を配置する。
【0049】
このとき、蓋体20を上方から容器本体10に向けて押し込むことで、垂下部202が鍔部103の外周に対向しつつ下方に移動し、該垂下部202に形成された係合凸部204…が容器本体10の鍔部103の外周端縁を乗り越えることになる。これにより、係合凸部204…が鍔部103の下方側と係合することになり、食品を包装した状態で、蓋体20が容器本体10から不用意に外れない状態となる。
【0050】
そして、上記蓋体20は、熱成形法によって成形されているため、成形後に垂下部202やその他の部位が収縮し、容器本体10に対して取り付け(嵌め込み)が困難になる場合があるが、本実施形態に係る包装用容器1は、垂下部202にその周方向に拡張可能な拡張部205…が形成されているため、上述の如く、上方から容器本体10に向けて押し込んだときに、その力の作用で拡張部205…が拡張し、容器本体10の鍔部103外周を対向する(包囲する)ことになる垂下部202が周方向に拡がることになる。
【0051】
すなわち、蓋体20に対して押し込み力が作用したときの容器本体10の外周(鍔部103外周)と蓋体20の垂下部202との当接力、或いは、鍔部103と係合凸部204…との当接力が、通常の嵌め込み状態よりも大きくなると、その当接力の分力が垂下部202の周方向に作用する結果、図5(b)及び図5(c)に示す如く、常態(蓋体20に対する押し込み作用がない状態)で外方に向けて延出していた拡張用延出部205a,205bが蓋体20中央側に向けて倒れ込むことになる。
【0052】
そうすると、拡張用延出部205a,205bの姿勢変更に伴って垂下部202が周方向に延びる結果、容器本体10の外周(鍔部103外周)と蓋体20の垂下部202との干渉や、鍔部103と係合凸部204…との干渉の状態が適正な状態と概ね同じ状態になる。従って、拡張部205…が拡張した状態で蓋体20を引き続き容器本体10に向けて押し込むことで、垂下部202に形成された係合凸部204…が容器本体10の鍔部103の外周端縁を乗り越えることになる。これにより、係合凸部204…が鍔部103の下方側と係合することになり、食品を包装した状態で、蓋体20が容器本体10から不用意に外れない状態となる。
【0053】
そして、蓋体20を取り外す際には、把持片207を把持して蓋体20を持ち上げる(引き上げる)ことで、鍔部103の下方にある係合凸部204…(鍔部103と係合する係合凸部204…)が鍔部103を乗り越える結果、蓋体20を取り外すことができる。
【0054】
そして、上述のように収縮した蓋体20である場合には、蓋体20が容器本体10に取り付けられた状態で、拡張部205…が元の状態に復元していることがあるが、本実施形態に係る包装用容器1は、垂下部202に拡張部205…が設けられているため、蓋体20を持ち上げるときの力の作用で拡張部205…が拡張し、容器本体10の鍔部103の外周と対向する(鍔部103を包囲する)垂下部202が周方向に拡がることになる。
【0055】
すなわち、本実施形態に係る包装用容器1は、蓋体20に対して力(持ち上げ力)が作用したときの容器本体10の外周(鍔部103外周)と蓋体20の垂下部202との当接力、或いは、鍔部103と係合凸部204…との当接力が、正常時の持ち上げ(取り外し)状態よりも大きくなると、その当接力の分力が垂下部202の周方向に作用する結果、常態(蓋体20に対する持ち上げ作用がない状態)で外方に向けて延出していた拡張用延出部205a,205bが蓋体20中央側に向けて倒れ込むことになる。
【0056】
そうすると、拡張用延出部205a,205bの姿勢変更に伴って垂下部202が周方向に延びる結果、容器本体10の外周(鍔部103外周)と蓋体20の垂下部202との干渉や、鍔部103と係合凸部204…との干渉の状態が適正な状態と概ね同じ状態になる。従って、拡張部205…が拡張した状態で蓋体20を引き続き上方に持ち上げることで、垂下部202に形成された係合凸部204…が容器本体10の鍔部103の外周端縁を乗り越えることになる。これにより、鍔部103に対する係合凸部204…の係合が解除される結果、当該包装用容器1を開封することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る包装用容器1によれば、有底筒状の容器本体10と、熱成形法により成形されて容器本体10の開口100を閉塞可能に形成された蓋体20とを備え、容器本体10は、前記開口100を画定する周壁102の上端に外方に向けて延出した鍔部103が形成される一方、蓋体20は、前記開口100と対向する蓋本体部200と、蓋本体部200の外周から外方に延出し、前記鍔部103上に載置可能な延出部201と、延出部201の外周から垂下する垂下部202とが形成され、前記垂下部202には、内側に突出した係合凸部204…が周方向に間隔をあけて二つ以上形成され、前記延出部201を鍔部103上に配置する際に、係合凸部204…が鍔部103を乗り越えて該係合凸部204…と鍔部103とが互いに係合するように構成された包装用容器1において、前記蓋体20は、少なくとも垂下部202の係合凸部204…間に周方向で拡張可能な拡張部205…が設けられているので、容器本体10の開口100と蓋体20で塞ぐときに、延出部201を鍔部103に重ねるように蓋体20を容器本体10上に配置することで、係合凸部204…が鍔部103の外周端を乗り越えて該係合凸部204…と鍔部103とが互いに係合し、これとは逆に、蓋体20から容器本体10から蓋体20を取り外すときに、蓋体20を持ち上げることで、係合凸部204…が鍔部103の外周端を乗り越えて該係合凸部204…と鍔部103との係合が解除される。
これにより、上記構成の包装用容器1は、蓋体20の着脱を可能としつつも、蓋体20が容器本体10から不用意に外れなることなく、包装した食品を衛生上良好な状態を維持しつつ食品を包装できる。
【0058】
そして、前記蓋体20は、少なくとも垂下部202の係合凸部204…間に周方向で拡張可能な拡張部205…が設けられているので、拡張部205…が周方向に拡張することで、垂下部202を周方向に拡げることができる。これにより、成形後に蓋体20の垂下部202が周方向に収縮しても、拡張部205…の拡張によって垂下部202が周方向に拡がる(延びる)ことで、容器本体10の鍔部103と蓋体20の垂下部202との干渉が防止され、また、係合凸部204…の鍔部103に対する乗り越えが許容される。従って、蓋体20における成型後の収縮に影響を受けることなく、該蓋体20を容器本体10に対して着脱することができる。
【0059】
そして、前記拡張部205…は、外方に向けて膨出するように形成されているので、拡張部205…には外方に延出した部位が形成されることになり、垂下部202に対して周方向の引っ張り力が作用することで外方に延出した部位が周方向に倒れることになる。これにより、係合凸部204…間の距離が長くなる結果、垂下部202が周方向に拡がった状態になり、容器本体10の鍔部103と蓋体20の垂下部202との干渉が防止され、また、係合凸部204…の鍔部103に対する乗り越えが許容されることになる。
【0060】
さらに、前記容器本体10は、周壁102が角筒状に形成されるとともに、前記鍔部103が周壁102の上端全周に亘って連続的に形成され、前記蓋体20は、少なくとも前記周壁102の各角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4と対応する位置に係合凸部204…が形成されているので、容器本体10に対する蓋体20の位置決めを確実なしたものにすることができる。また、拡張部205…が垂下部202の真っ直ぐ又は略真っ直ぐに延びる部位に形成されることになるので、周方向に拡がり易い態様にすることができる。
【0061】
尚、本発明の包装用容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0062】
上記実施形態において、拡張部205…を垂下部202のみに形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記拡張部205…は、図6に示す如く、垂下部202と延出部201とに跨るように形成したり、図7に示す如く、延出部201を介して蓋本体部200と垂下部202とに跨るように形成したりしてもよい。このようにすれば、拡張部205…には外方に延出した部位(拡張用延出部205a,205b)が垂下部202と延出部201とに跨った状態で形成されることになるので、周方向に引っ張り力が作用することで外方に延出した部位が周方向に容易に倒れることになる。これにより、垂下部202を周方向に拡がった状態にし易くなり、容器本体10の鍔部103と蓋体20の垂下部202との干渉が防止され、また、係合凸部204…の鍔部103に対する乗り越えが許容されることになる。
【0063】
上記実施形態において、垂下部202を外方に向けて膨出させるようにして拡張部205…を形成したが、例えば、拡張部205…を外方に向けて突出させた単一な山折り形状に形成したり、山折り形状の連続(山谷の連続)した形状に形成したりしてもよい。このようにしても、周方向に引っ張り力が作用したときに山折り形状の稜線を境に形成される一対の斜面が倒れていくことになり、収縮してしまった垂下部202を周方向に拡げる(周長を伸ばす)ことができる。従って、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0064】
また、上記実施形態において、容器本体10の周壁102を角筒状に形成しるとともに、蓋体20を周壁102の形状に対応させて形成し、それぞれの角部Ca1,Ca2,Ca3,Ca4(四隅)で鍔部103と係合凸部204…を係合させるようにし、各係合凸部204…間に拡張部205…を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図8に示す如く、上記実施形態のように容器本体10の周壁102を角筒状に形成するとともに、蓋体20を周壁102の形状に対応させて形成する場合には、係合凸部204…を角部Cb1,Cb2,Cb3,Cb4以外に角部Cb1,Cb2,Cb3,Cb4間にも設けてもよい。この場合においても、各係合凸部204…間に拡張部205…を設けることは言うまでもない。
【0065】
上記実施形態において、容器本体10の周壁102を角筒状に形成するとともに、蓋体20を周壁102の形状に対応させて形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、容器本体10の周壁102を略真円筒形状やテーパー円筒形状に形成し、蓋体20を周壁102の形状に対応させて平面視円形状に形成してもよい。但し、蓋体20には、延出部201及び垂下部202が形成されていることは勿論のこと、係合凸部204…を周方向に間隔をあけて二つ以上設けるとともに、各係合凸部204…間に拡張部205…を設けることも勿論のことである。
【0066】
上記実施形態において、拡張部205…を一対の拡張用延出部205a,205bと、一対の拡張用延出部205a,205bの先端同士を接続した拡張接続部205cとで構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、拡張部205…を周方向に円弧状に膨出させるように形成してもよい。すなわち、拡張部205…の外面が外方に突出(膨出)した円弧面状になるように形成してもよい。また、係合凸部204…間に一つの拡張部205…を設けたものに限定されるものではなく、係合凸部204…間に拡張部205…を周方向に並べて二つ以上設けるようにしてもよい。
【0067】
上記実施形態において、係合凸部204…間のそれぞれに拡張部205…を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、複数在る係合凸部204…間の少なくとも何れか一つの間(係合凸部204間)に拡張部205…を設ければよい。但し、一つの係合凸部204…間に拡張部205…を設けると、その突出量が大きくなって意匠的に不具合が生じるような場合があるため、拡張部205…の配置や数は蓋体20のデザイン等を考慮して適宜決定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器の斜視図であって、容器本体から蓋体を取り外した状態を示す。
【図2】同実施形態に係る包装用容器の斜視図であって、容器本体に蓋体を取り付けた状態を示す。
【図3】同実施形態に係る包装用容器の説明図であって、容器本体を二点鎖線で現した蓋体の横断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る包装用容器の容器本体に蓋体を取り付けた状態の部分縦断面図であって、(a)は、図3のI−I断面を示し、(b)は、図3のII−II断面を示す。
【図5】同実施形態に係る包装用容器の説明図であって、(a)は、一つの角部の部分拡大横断面図を示し、(b)は、(a)のA部拡大図を示し、(c)は、拡張部が拡張した状態の(a)のA部拡大図を示す。
【図6】本発明の他実施形態に係る包装用容器の斜視図であって、容器本体に蓋体を取り付けた状態を示す。
【図7】本発明の別の実施形態に係る包装用容器の斜視図であって、容器本体に蓋体を取り付けた状態を示す。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に係る包装用容器の斜視図であって、容器本体に蓋体を取り付けた状態を示す。
【図9】従来の包装用容器の斜視図であって、容器本体から蓋体を取り外した状態を示す。
【図10】従来の包装用容器の斜視図であって、容器本体に蓋体を取り付けた状態を示す。
【図11】従来の包装用容器の容器本体に蓋体を取り付けた状態の部分縦断面図であって、(a)は、垂下部における係合凸部の形成された部位を示し、(b)は、垂下部における係合凸部の形成された部位以外を示す。
【符号の説明】
【0069】
1…包装用容器、10…容器本体、20…蓋体、100…開口、101…底部、102…周壁、102a…第一拡大部、102b…第二拡大部、103…鍔部、104…鍔本体、105…鍔垂下部、106…余裕代、200b…蓋壁部、200…蓋本体部、200a…天部、201…延出部、202…垂下部、204…係合凸部、205…拡張部、205a,205b…拡張用延出部、206…余裕代、207…把持片、Ca1,Ca2,Ca3,Ca4,Cb1,Cb2,Cb3,Cb4…角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に食品を収容するための開口が形成された容器本体と、熱成形法により成形されて前記開口を閉塞可能に形成された蓋体とを備え、容器本体は、底部と、該底部の外周から起立して前記開口を画定する周壁と、該周壁の上端から外方に向けて延出した鍔部とを備え、蓋体は、前記開口と対向する蓋本体部と、蓋本体部の外周から外方に向けて延出し、前記鍔部上に載置可能な延出部と、延出部の外周から垂下する垂下部とを備え、前記垂下部には、内側に突出した係合凸部が周方向に間隔をあけて二つ以上形成され、前記延出部を鍔部上に配置する際に、係合凸部が鍔部を乗り越えて該係合凸部と鍔部とが互いに係合するように構成された包装用容器において、前記蓋体は、垂下部における少なくとも何れかの一つの係合凸部間に周方向で拡張可能な拡張部が設けられていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記拡張部は、外方へ膨出するように形成されている請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記拡張部は、少なくとも垂下部と延出部とに跨るように形成されている請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記容器本体は、周壁が角筒状に形成されるとともに、前記鍔部が周壁の上端全周に亘って連続的に形成され、前記蓋体は、少なくとも前記周壁の各角部と対応する位置に係合凸部が形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−286449(P2009−286449A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142297(P2008−142297)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000239138)株式会社エフピコ (98)
【Fターム(参考)】