包装箱の紙材
【課題】紙材を節約できる包装箱の紙材を提供することを目的とする。
【解決手段】紙材20を第1の主板部21、第1の側板部22、第2の主板部23、第2の側板部24、のり代部25の順に第1の谷線V1、第2の谷線V2、第3の谷線V3、第4の谷線V4で区切り、第2の主板部23の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部30を形成する。切起し部30は、第2の谷線V2に沿う第1の切込線31、第1の切込線31の終端部から第1の側板部22へ進入する第2の切込線32、第2の谷線V2と平行な第3の切込線33、第1の側板部22と第2の主板部23と第2の側板部24を横切る第4の切込線34、第3の谷線V3に平行な第5の切込線35、第5の切込線35の終端部から第3の谷線V3へ伸びる第6の切込線36、第3の谷線V3に沿う第7の切込み線37から成る。
【解決手段】紙材20を第1の主板部21、第1の側板部22、第2の主板部23、第2の側板部24、のり代部25の順に第1の谷線V1、第2の谷線V2、第3の谷線V3、第4の谷線V4で区切り、第2の主板部23の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部30を形成する。切起し部30は、第2の谷線V2に沿う第1の切込線31、第1の切込線31の終端部から第1の側板部22へ進入する第2の切込線32、第2の谷線V2と平行な第3の切込線33、第1の側板部22と第2の主板部23と第2の側板部24を横切る第4の切込線34、第3の谷線V3に平行な第5の切込線35、第5の切込線35の終端部から第3の谷線V3へ伸びる第6の切込線36、第3の谷線V3に沿う第7の切込み線37から成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶、ビン等の被包装物を包装する包装箱の紙材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばビール缶は、一般に6本(半ダース)単位で紙製のパックで包装されており、また4パック(6本×4=24本)ずつ大型の包装箱に収納されて市場を流通する。
【0003】
図13は、従来の大型の包装箱の平面図(包装箱の紙材の展開図)、図14は同ビール缶6本入りの紙製のパックを4個収納した包装箱の組立状態の斜視図である。図13において、紙材10は段ボール紙やボール紙などの厚手の横長の紙から成っている。紙材10は、第1の主板部11、第1の側板部12、第2の主板部13、第2の側板部14、のり代部15から成っている。またそれぞれの両側部には、折り曲げ部11a、12a、13a、14aが設けられている。
【0004】
図13において、破線で示すV1〜V6は谷線であり、谷線V1〜V6に沿ってそれぞれ90°折り曲げることにより、図14に示す包装箱10が組み立てられる。包装箱10の内部には、上述したパック16が4個収納されている。図13において第1の主板部11の端部(影線を付している)は、のり代部15上に接着材により接着される。また各折り曲げ部11a、12a、13a、14aは内方へ90°折り曲げられて、包装箱10の側壁部となる。図13中の符号(1)、(2)、(3)、(4)については後述する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙資源は森林資源であり、紙材の節約の必要性はコスト面や環境面から広く認知されている。しかしながら上記従来の包装箱には無駄部分が多く、それだけ紙を無駄に消費し、コストアップにもなっていた。
【0006】
そこで本発明は、紙材を節約できる包装箱の紙材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の包装箱の紙材は、紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を設けた。
【0008】
請求項2に記載の包装箱の紙材は、紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を形成して成り、この切起し部は、第2の谷線に沿って形成された第1の切込線と、第1の切込線の終端部から第1の側板部へ進入する第2の切込線と、第2の谷線と平行な第3の切込線と、第1の側板部と第2の主板部と第2の側板部を横切る第4の切込線と、第3の谷線に平行な第5の切込線と、第5の切込線の終端部から第3の谷線へ伸びる第6の切込線と、第3の谷線に沿って形成された第7の切込み線とから成る。
【0009】
請求項3に記載の包装箱の紙材は、紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第1の主板部と第2の主板部の両側部に互いの先端部同士が結合されて側壁部となる切起し部を設けた。
【0010】
請求項4に記載の包装箱の紙材は、前記切起し部を形成する切込線が略U字形である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より小さい紙材によって包装箱を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における包装箱の紙材の平面図(b)同A−A断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における包装箱の紙材の平面図(b)同B−B断面図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における包装箱の紙材の平面図(b)同C−C断面図
【図4】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の部分斜視図
【図5】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の部分平断面図
【図6】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の部分断面図
【図7】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の側面図
【図8】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の斜視図
【図9】(a)本発明の実施の形態2における包装箱の紙材の平面図(b)同D−D断面図
【図10】(a)本発明の実施の形態2における包装箱の紙材の平面図(b)同E−E断面図
【図11】本発明の実施の形態2における包装箱の組立中の部分断面図
【図12】本発明の実施の形態2における包装箱の組立状態の斜視図
【図13】従来の包装箱の紙材の平面図
【図14】従来の包装箱の組立状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
図1〜図3は紙材の平面図を組立順に示している。図1(a)において、包装箱の紙材20は、横長(図1(a)では縦長)の矩形であって、段ボール紙やボール紙のような厚手の丈夫な紙から成っている。図中、(1)、(2)、(3)、(4)の位置は図13に示す従来の紙材10の(1)、(2)、(3)、(4)の位置に対応しており、したがってこの紙材20は、従来の紙材20の折り曲げ部11a、12a、13a、14aに相当する部分が不要であり、それだけ面積の小さい紙材で図14に示す従来の包装箱10と同体積の包装箱20(図8)を組立てることができる。
【0014】
図1(a)において、紙材20は、第1の谷線V1、第2の谷線V2、第3の谷線V3、第4の谷線V4により第1の主板部21、第1の側板部22、第2の主板部23、第2の側板部24、のり代部25に順に区切られている。第1の主板部21の縁部(ハッチングを付している)は、図7及び図8に示す組立状態において、のり代部25の上面に接着剤で接着される。
【0015】
図1(a)において、第2の主板部23の両側部には、点A、B、C、D、E、F、G、Hを結ぶ切込線31〜37が形成されており、これらの点A−B−C−D−E−F−G−H−Aで包囲された部分(網かけをしている部分)は切起し部30になっている。切込線の始点である点Aは、紙材20の側縁部近くの第2の谷線V2上にある。
【0016】
点A、Bを結ぶ第1の切込線31は第2の谷線V2に沿って形成されている。点B、Cを結ぶ第2の切込線32は、第1の切込線31の終端部である点Bから第1の側板部22へ進入している。点C、Dを結ぶ第3の切込線33は第2の谷線V2と平行である。点D、Eを結ぶ第4の切込線34は、第1の側板部22と第2の主板部23と第2の側板部24を横切っている。点E、Fを結ぶ第5の切込線35は第3の谷線V3と平行である。点F、Gを結ぶ第6の切込線36は、第5の切込線35の終端部である点Fから第3の谷線V3へ伸びている。第6の切込線36の終端部である点Gと点Hを結ぶ第7の切込線37は、第3の谷線V3に沿って形成されている。切込線の終点である点Hは、紙材20の側縁部近くの第3の谷線V3上にある。以下、図8に示す包装箱20の組立方法を説明する。
【0017】
図1(a)において、まず、点A、Hを結ぶ第5の谷線V5から切起し部(網かけをしている部分)30を外方へ180°折り曲げる(図1(b)の矢印N1及び鎖線で示す切起し部30を参照)。図2(a)(b)は、折り曲げた状態を示している。図中、30’は切起し部30を外方へ折り曲げたために第2の主板部23及び両側板部22、24の一部に生じた空所(穴)である。
【0018】
次に、紙材20の両側縁部よりも外方(側方)へ切起し部30が突出する部分(C−D−E−F−Cで包囲される部分であって、網かけをしている部分)を第6の谷線V6(紙材20の両側縁部上であって、点I、Jを結ぶ線)に沿って内方へ180°折り曲げる(図2(b)の矢印N2を参照)。図3(a)(b)は折り曲げた状態を示している。
【0019】
第6の谷線V6に沿って前述した折り曲げをしたことにより、図3(a)において、第2の主板部23の両側部には、切起し部30が下段部(図2(a)において、A−H−J−I−Aで包囲された部分)301と上段部(図2(a)において、C−D−E−F−Cで包囲された部分。網かけをしている部分)302の二重に折り曲げられて重なっている。図2(a)及び図3(a)において、点Iは第2の谷線V2の左右の終点であり、点Jは第3の谷線V3の左右の終点である。
【0020】
次に、図3(a)において、点C、D、I及び点E、F、Jで包囲された直角二等辺三角形の部分(網かけをしている部分)の上段部302の下面を第1の側板部22の上面に接着剤により接着する。
【0021】
次に、図3(a)において、第1の主板部21、第1の側板部22、第2の主板部23、第2の側板部24、のり代部25を第1〜第4の谷線V1〜V4に沿ってそれぞれ90°内方へ折り曲げる。この折り曲げ時において、図3(a)におけるD−Iを結ぶ線及びE−Jを結ぶ線を谷線V10とし、またI−I’を結ぶ線及びJ−J’を結ぶ線を山線M10として折り曲げ、且つ上述したように第1の主板部21の縁部をのり代部25に貼着すれば、図8に示す包装箱20が出来上る。図3(a)において、I’は、左右のI−Iを結ぶ線がD−Eを結ぶ線と交差する点である。またJ’は、左右のJ−Jを結ぶ線がD−Eを結ぶ線と交差する点である。
【0022】
図4、図5、図6は、上記のように谷線V10と山線M10に沿って折り曲げて包装箱20を組立てた状態での部分斜視図、部分平断面図、部分側断面図をそれぞれ示すものであり、図7は組立状態における包装箱20の側面図を示すものである。図7において、16は半ダースのビール缶が包装されたパックである。
【0023】
本実施の形態1では、図1(a)に示すように点A−B−C−D−E−F−G−Hを結ぶ第1〜第7の切込線31〜37を入れ、これにより形成された切起し部30を上述した手順により折り曲げて、図7及び図8に示す側壁部302を形成しており、これにより図13に示す従来例の折り曲げ部11a〜14aを不要にしている。
【0024】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2の紙材の平面図である。紙材50は横長(図9(a)では縦長)の矩形であって、第1〜4の谷線V1〜V4により第1の主板部51、第1の側板部52、第2の主板部53、第2の側板部54、のり代部55に順に区切られている。第1の主板部51の縁部(ハッチングを付している)は、図12に示す組立状態において、のり代部55の上面に接着剤で接着される。図中、(1)、(2)、(3)、(4)の位置は図13に示す従来の紙材10の(1)、(2)、(3)、(4)の位置に対応しており、したがってこの紙材50も、従来の紙材10の折り曲げ部11a、12a、13a、14aに相当する部分が不要である。
【0025】
第1の主板部51と第2の主板部53の両側部には、点A、B、C、D、E、Fを結ぶ切込線61、62、63、64、65が形成されており、点A−B−C−D−E−F−Aで包囲された部分(網かけをしている部分)は切起し部60になっている。図9(a)において、点A、Bを結ぶ第1の切込線61と点E、Fを結ぶ第5の切込線65は、紙材50の上縁部及び下縁部と平行であり、点C、Dを結ぶ第3の切込線63は両側縁部と平行であり、点B、C及び点D、Eを結ぶ第2の切込線62と第4の切込線64は斜方向となっている。したがって、切起し部60を形成する切込線61〜65は全体として略U字形となっている。次に、図12に示す包装箱50の組立方法を説明する。
【0026】
図9(a)において、点A−Fを結ぶ第5の谷線V5から切起し部60を下方へ180°折り曲げる(図9(b)の矢印N1及び鎖線で示す切起し部60を参照)。図10は、その状態を示すものであって、60’は、切起し部60をこのように折り曲げたことにより主板部51、53に生じた空所(穴)である。
【0027】
次に、切起し部60を紙材50の縁部から直立する方向へ90°折り曲げ(図10(b)及び図11の矢印N2を参照)、且つ第1の主板部51、第1の側板部52、第2の主板部53、第2の側板部54、のり代部55を90°内方へ折り曲げれば、図12に示す包装箱50は完成する。この包装箱50に上記パック16等を収納し、図11に示すように上側の切抜き部60と下側の切抜き部60の互いの先端部同士を接着剤aにより接着して結合し、切抜き部60を側壁部とする。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、より小さい紙材によって包装箱を組み立てることができるので、殊に缶、ビン等の被包装物を包装する包装箱の紙材として有用である。
【符号の説明】
【0029】
20、50 紙材
21、51 第1の主板部
22、52 第1の側板部
23、53 第2の主板部
24、54 第2の側板部
25、55 のり代部
30、60 切起し部
V1 第1の谷線
V2 第2の谷線
V3 第3の谷線
V4 第4の谷線
V5 第5の谷線
V6 第6の谷線
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶、ビン等の被包装物を包装する包装箱の紙材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばビール缶は、一般に6本(半ダース)単位で紙製のパックで包装されており、また4パック(6本×4=24本)ずつ大型の包装箱に収納されて市場を流通する。
【0003】
図13は、従来の大型の包装箱の平面図(包装箱の紙材の展開図)、図14は同ビール缶6本入りの紙製のパックを4個収納した包装箱の組立状態の斜視図である。図13において、紙材10は段ボール紙やボール紙などの厚手の横長の紙から成っている。紙材10は、第1の主板部11、第1の側板部12、第2の主板部13、第2の側板部14、のり代部15から成っている。またそれぞれの両側部には、折り曲げ部11a、12a、13a、14aが設けられている。
【0004】
図13において、破線で示すV1〜V6は谷線であり、谷線V1〜V6に沿ってそれぞれ90°折り曲げることにより、図14に示す包装箱10が組み立てられる。包装箱10の内部には、上述したパック16が4個収納されている。図13において第1の主板部11の端部(影線を付している)は、のり代部15上に接着材により接着される。また各折り曲げ部11a、12a、13a、14aは内方へ90°折り曲げられて、包装箱10の側壁部となる。図13中の符号(1)、(2)、(3)、(4)については後述する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙資源は森林資源であり、紙材の節約の必要性はコスト面や環境面から広く認知されている。しかしながら上記従来の包装箱には無駄部分が多く、それだけ紙を無駄に消費し、コストアップにもなっていた。
【0006】
そこで本発明は、紙材を節約できる包装箱の紙材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の包装箱の紙材は、紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を設けた。
【0008】
請求項2に記載の包装箱の紙材は、紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を形成して成り、この切起し部は、第2の谷線に沿って形成された第1の切込線と、第1の切込線の終端部から第1の側板部へ進入する第2の切込線と、第2の谷線と平行な第3の切込線と、第1の側板部と第2の主板部と第2の側板部を横切る第4の切込線と、第3の谷線に平行な第5の切込線と、第5の切込線の終端部から第3の谷線へ伸びる第6の切込線と、第3の谷線に沿って形成された第7の切込み線とから成る。
【0009】
請求項3に記載の包装箱の紙材は、紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第1の主板部と第2の主板部の両側部に互いの先端部同士が結合されて側壁部となる切起し部を設けた。
【0010】
請求項4に記載の包装箱の紙材は、前記切起し部を形成する切込線が略U字形である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より小さい紙材によって包装箱を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における包装箱の紙材の平面図(b)同A−A断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における包装箱の紙材の平面図(b)同B−B断面図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における包装箱の紙材の平面図(b)同C−C断面図
【図4】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の部分斜視図
【図5】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の部分平断面図
【図6】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の部分断面図
【図7】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の側面図
【図8】本発明の実施の形態1における包装箱の組立状態の斜視図
【図9】(a)本発明の実施の形態2における包装箱の紙材の平面図(b)同D−D断面図
【図10】(a)本発明の実施の形態2における包装箱の紙材の平面図(b)同E−E断面図
【図11】本発明の実施の形態2における包装箱の組立中の部分断面図
【図12】本発明の実施の形態2における包装箱の組立状態の斜視図
【図13】従来の包装箱の紙材の平面図
【図14】従来の包装箱の組立状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
図1〜図3は紙材の平面図を組立順に示している。図1(a)において、包装箱の紙材20は、横長(図1(a)では縦長)の矩形であって、段ボール紙やボール紙のような厚手の丈夫な紙から成っている。図中、(1)、(2)、(3)、(4)の位置は図13に示す従来の紙材10の(1)、(2)、(3)、(4)の位置に対応しており、したがってこの紙材20は、従来の紙材20の折り曲げ部11a、12a、13a、14aに相当する部分が不要であり、それだけ面積の小さい紙材で図14に示す従来の包装箱10と同体積の包装箱20(図8)を組立てることができる。
【0014】
図1(a)において、紙材20は、第1の谷線V1、第2の谷線V2、第3の谷線V3、第4の谷線V4により第1の主板部21、第1の側板部22、第2の主板部23、第2の側板部24、のり代部25に順に区切られている。第1の主板部21の縁部(ハッチングを付している)は、図7及び図8に示す組立状態において、のり代部25の上面に接着剤で接着される。
【0015】
図1(a)において、第2の主板部23の両側部には、点A、B、C、D、E、F、G、Hを結ぶ切込線31〜37が形成されており、これらの点A−B−C−D−E−F−G−H−Aで包囲された部分(網かけをしている部分)は切起し部30になっている。切込線の始点である点Aは、紙材20の側縁部近くの第2の谷線V2上にある。
【0016】
点A、Bを結ぶ第1の切込線31は第2の谷線V2に沿って形成されている。点B、Cを結ぶ第2の切込線32は、第1の切込線31の終端部である点Bから第1の側板部22へ進入している。点C、Dを結ぶ第3の切込線33は第2の谷線V2と平行である。点D、Eを結ぶ第4の切込線34は、第1の側板部22と第2の主板部23と第2の側板部24を横切っている。点E、Fを結ぶ第5の切込線35は第3の谷線V3と平行である。点F、Gを結ぶ第6の切込線36は、第5の切込線35の終端部である点Fから第3の谷線V3へ伸びている。第6の切込線36の終端部である点Gと点Hを結ぶ第7の切込線37は、第3の谷線V3に沿って形成されている。切込線の終点である点Hは、紙材20の側縁部近くの第3の谷線V3上にある。以下、図8に示す包装箱20の組立方法を説明する。
【0017】
図1(a)において、まず、点A、Hを結ぶ第5の谷線V5から切起し部(網かけをしている部分)30を外方へ180°折り曲げる(図1(b)の矢印N1及び鎖線で示す切起し部30を参照)。図2(a)(b)は、折り曲げた状態を示している。図中、30’は切起し部30を外方へ折り曲げたために第2の主板部23及び両側板部22、24の一部に生じた空所(穴)である。
【0018】
次に、紙材20の両側縁部よりも外方(側方)へ切起し部30が突出する部分(C−D−E−F−Cで包囲される部分であって、網かけをしている部分)を第6の谷線V6(紙材20の両側縁部上であって、点I、Jを結ぶ線)に沿って内方へ180°折り曲げる(図2(b)の矢印N2を参照)。図3(a)(b)は折り曲げた状態を示している。
【0019】
第6の谷線V6に沿って前述した折り曲げをしたことにより、図3(a)において、第2の主板部23の両側部には、切起し部30が下段部(図2(a)において、A−H−J−I−Aで包囲された部分)301と上段部(図2(a)において、C−D−E−F−Cで包囲された部分。網かけをしている部分)302の二重に折り曲げられて重なっている。図2(a)及び図3(a)において、点Iは第2の谷線V2の左右の終点であり、点Jは第3の谷線V3の左右の終点である。
【0020】
次に、図3(a)において、点C、D、I及び点E、F、Jで包囲された直角二等辺三角形の部分(網かけをしている部分)の上段部302の下面を第1の側板部22の上面に接着剤により接着する。
【0021】
次に、図3(a)において、第1の主板部21、第1の側板部22、第2の主板部23、第2の側板部24、のり代部25を第1〜第4の谷線V1〜V4に沿ってそれぞれ90°内方へ折り曲げる。この折り曲げ時において、図3(a)におけるD−Iを結ぶ線及びE−Jを結ぶ線を谷線V10とし、またI−I’を結ぶ線及びJ−J’を結ぶ線を山線M10として折り曲げ、且つ上述したように第1の主板部21の縁部をのり代部25に貼着すれば、図8に示す包装箱20が出来上る。図3(a)において、I’は、左右のI−Iを結ぶ線がD−Eを結ぶ線と交差する点である。またJ’は、左右のJ−Jを結ぶ線がD−Eを結ぶ線と交差する点である。
【0022】
図4、図5、図6は、上記のように谷線V10と山線M10に沿って折り曲げて包装箱20を組立てた状態での部分斜視図、部分平断面図、部分側断面図をそれぞれ示すものであり、図7は組立状態における包装箱20の側面図を示すものである。図7において、16は半ダースのビール缶が包装されたパックである。
【0023】
本実施の形態1では、図1(a)に示すように点A−B−C−D−E−F−G−Hを結ぶ第1〜第7の切込線31〜37を入れ、これにより形成された切起し部30を上述した手順により折り曲げて、図7及び図8に示す側壁部302を形成しており、これにより図13に示す従来例の折り曲げ部11a〜14aを不要にしている。
【0024】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2の紙材の平面図である。紙材50は横長(図9(a)では縦長)の矩形であって、第1〜4の谷線V1〜V4により第1の主板部51、第1の側板部52、第2の主板部53、第2の側板部54、のり代部55に順に区切られている。第1の主板部51の縁部(ハッチングを付している)は、図12に示す組立状態において、のり代部55の上面に接着剤で接着される。図中、(1)、(2)、(3)、(4)の位置は図13に示す従来の紙材10の(1)、(2)、(3)、(4)の位置に対応しており、したがってこの紙材50も、従来の紙材10の折り曲げ部11a、12a、13a、14aに相当する部分が不要である。
【0025】
第1の主板部51と第2の主板部53の両側部には、点A、B、C、D、E、Fを結ぶ切込線61、62、63、64、65が形成されており、点A−B−C−D−E−F−Aで包囲された部分(網かけをしている部分)は切起し部60になっている。図9(a)において、点A、Bを結ぶ第1の切込線61と点E、Fを結ぶ第5の切込線65は、紙材50の上縁部及び下縁部と平行であり、点C、Dを結ぶ第3の切込線63は両側縁部と平行であり、点B、C及び点D、Eを結ぶ第2の切込線62と第4の切込線64は斜方向となっている。したがって、切起し部60を形成する切込線61〜65は全体として略U字形となっている。次に、図12に示す包装箱50の組立方法を説明する。
【0026】
図9(a)において、点A−Fを結ぶ第5の谷線V5から切起し部60を下方へ180°折り曲げる(図9(b)の矢印N1及び鎖線で示す切起し部60を参照)。図10は、その状態を示すものであって、60’は、切起し部60をこのように折り曲げたことにより主板部51、53に生じた空所(穴)である。
【0027】
次に、切起し部60を紙材50の縁部から直立する方向へ90°折り曲げ(図10(b)及び図11の矢印N2を参照)、且つ第1の主板部51、第1の側板部52、第2の主板部53、第2の側板部54、のり代部55を90°内方へ折り曲げれば、図12に示す包装箱50は完成する。この包装箱50に上記パック16等を収納し、図11に示すように上側の切抜き部60と下側の切抜き部60の互いの先端部同士を接着剤aにより接着して結合し、切抜き部60を側壁部とする。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、より小さい紙材によって包装箱を組み立てることができるので、殊に缶、ビン等の被包装物を包装する包装箱の紙材として有用である。
【符号の説明】
【0029】
20、50 紙材
21、51 第1の主板部
22、52 第1の側板部
23、53 第2の主板部
24、54 第2の側板部
25、55 のり代部
30、60 切起し部
V1 第1の谷線
V2 第2の谷線
V3 第3の谷線
V4 第4の谷線
V5 第5の谷線
V6 第6の谷線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を設けたことを特徴とする包装箱の紙材。
【請求項2】
紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を形成して成り、この切起し部は、第2の谷線に沿って形成された第1の切込線と、第1の切込線の終端部から第1の側板部へ進入する第2の切込線と、第2の谷線と平行な第3の切込線と、第1の側板部と第2の主板部と第2の側板部を横切る第4の切込線と、第3の谷線に平行な第5の切込線と、第5の切込線の終端部から第3の谷線へ伸びる第6の切込線と、第3の谷線に沿って形成された第7の切込み線とから成ることを特徴とする包装箱の紙材。
【請求項3】
紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第1の主板部と第2の主板部の両側部に互いの先端部同士が結合されて側壁部となる切起し部を設けたことを特徴とする包装箱の紙材。
【請求項4】
前記切起し部を形成する切込線が略U字形であることを特徴とする請求項3記載の包装箱の紙材。
【請求項1】
紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を設けたことを特徴とする包装箱の紙材。
【請求項2】
紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第2の主板部の両側部に包装箱の側壁部となる切起し部を形成して成り、この切起し部は、第2の谷線に沿って形成された第1の切込線と、第1の切込線の終端部から第1の側板部へ進入する第2の切込線と、第2の谷線と平行な第3の切込線と、第1の側板部と第2の主板部と第2の側板部を横切る第4の切込線と、第3の谷線に平行な第5の切込線と、第5の切込線の終端部から第3の谷線へ伸びる第6の切込線と、第3の谷線に沿って形成された第7の切込み線とから成ることを特徴とする包装箱の紙材。
【請求項3】
紙材を第1の主板部、第1の側板部、第2の主板部、第2の側板部、のり代部の順に第1の谷線、第2の谷線、第3の谷線、第4の谷線で区切り、且つ第1の主板部と第2の主板部の両側部に互いの先端部同士が結合されて側壁部となる切起し部を設けたことを特徴とする包装箱の紙材。
【請求項4】
前記切起し部を形成する切込線が略U字形であることを特徴とする請求項3記載の包装箱の紙材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−35855(P2012−35855A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175357(P2010−175357)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(510212926)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(510212926)
【Fターム(参考)】
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