説明

包装箱

【課題】 開封方法が分かり易く、再梱包も容易であり、使用後の廃棄処分に手間のかからない包装箱を提供する。
【解決手段】 包装箱10は、下トレイおよび上ケース50と、ジョイント70と、収納容器90とを備えている。上面部が開口した下トレイに、下面部が開口した上ケース50を被せて互いに係合させた後、上ケース50において対向位置にある側面部51にそれぞれ形成された複数のジョイント挿入穴52にジョイント70をそれぞれ差し込んで、下トレイと上ケース50とを結合することによって包装箱10が形成される。下トレイおよび上ケース50はそれぞれ1枚の段ボール材を折り曲げ加工することによって形成され、ジョイント70も段ボール材で形成された蓋片70aと係合片70dとの間に複数の接合片を挟持して互いに積層状に接着することによって形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生洗浄装置や洗面台などの住宅設備機器製品や家電製品の包装用資材として使用される包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生洗浄装置などの住宅設備機器製品は、段ボール製の包装箱に緩衝材とともに製品を入れて、包装箱の外側にPP(ポリプロピレン)製のバンドを巻き付けた状態で運搬、出荷されている(例えば、特許文献1参照。)。このため、これらの製品が設置される施工現場においては、空になった段ボール製の包装箱と使用済みのPP製バンドという、素材の異なる廃棄物が生じることとなり、これらの廃棄物の処理に手間を要している。
【0003】
このような問題を解決するため、本出願人は包装技術に関する研究を行い、PP製バンドを使用しない包装箱を開発するに至った。この包装箱は、図16に示すように、側壁100の上部を外側下方へ折り畳んで形成された折り畳み片101を有する段ボール製の下トレイ102と、側壁103の下部を内側上方へ折り畳んで形成された折り畳み片104を有する段ボール製の上ケース105とで構成されている。この包装箱においては、下トレイ102の上面を覆うように上ケース105を被せ、図17に示すように、両者の折り畳み片101,104の端面同士を互いに係合させることによって下トレイ102と上ケース105とを結合することができる。
【0004】
また、図16に示す包装箱の場合、下トレイ102と上ケース105とが接合状態にあるとき、下トレイ102の側壁100の一部をコ字状に切断して外側に180度折り畳むことによって形成された複数の凸面部108と、上ケース105の折り畳み片104の下縁部に形成された複数の切欠部109とが互いに係合するため、より安定した接合状態を得ることができる。このようにすることで、下トレイ102に製品を載置した状態で上ケース105を持ち上げた時、折り畳み片101,104の端面同士が当接して、下トレイ102の製品荷重を折り畳み片104で受けることになるので、上ケース105を持ち上げると下トレイ102も確実に持ち上げることができ、PP製バンドは不要である。
【0005】
なお、図16に示す包装箱の場合、図18に示すように、下トレイ102aと上ケース105aとの結合構造として、側壁100aの上部および側壁103aに折り畳み片101a,104aを設け、これらの折り畳み片101a,104aを他方の折り畳み片の折曲部にそれぞれ当接させる構造とすることもできる。
【0006】
さらに、図19に示すように、下トレイ102bと上ケース105bとの結合構造として、下トレイ102bの側壁100bの外側面全体に渡って折り畳み片101bを設け、上ケース105bの側壁103bの下方の一部をコ字状に切断して形成した係合片106bを内側に折込んで、その上縁部を折り畳み片101bの下縁部に係合させる構造とすることもできる。
【0007】
一方、図20に示すように、下トレイ102cと上ケース105cとの結合構造として、下トレイ102cの側壁100cの外側面全体に渡って形成された折り畳み片101cと、上ケース105cの側壁103cの下部を内側上方へ折り畳んで形成された折り畳み片104cと、を係合させる構造とすることもできる。この場合、上ケース105cの側壁103cの下部において、折り畳み片101cの外側に位置する部分の一部をコ字状に切断して傾動片107を設ければ、開封時、この傾動片107を押し込むように手を挿入すれば、折り畳み片101cが少し内側に変形して折り畳み片101c,104c同士の係合を容易に解除することができ、上ケース105cと下トレイ102cを分離し開封することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2004−17978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図16〜図20に示すような結合構造を備えた包装箱を用いれば、製品の包装は容易に行うことができ、廃棄物が段ボール材のみとなるため処理に手間が掛からないなどの利点があるが、開封方法が分かり難い。また、製品出荷前に行う製品の再検査において、包装箱を開封して再び梱包する場合、所定の治具が必要となるなどの問題があるため、実際の製造工程に採用することができない状況である。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、開封方法が分かり易く、再梱包も容易であり、使用後の廃棄処分に手間のかからない包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の包装箱は、上面部が開口した下トレイに、下面部が開口した上ケースを被せて互いに係合させることによって包装対象物を包装する包装箱において、1枚の段ボール材を折り曲げ加工して形成された底面部および前記底面部の外周から垂直方向に立設された側面部を有する下トレイと、1枚の段ボール材を折り曲げ加工して形成された上面部および前記上面部の外周から垂直方向に垂下して形成された側面部を有する上ケースと、前記上ケースを前記下トレイに被せてそれぞれの前記側面部同士の少なくとも一部を対向させた状態で前記側面部同士を着脱可能に結合するジョイントと、を備え、対向した前記側面部のうちの外側に位置する前記側面部に前記ジョイントの一部が通過可能なジョイント挿入穴を設け、内側に位置する前記側面部に前記ジョイントの一部が係脱可能なジョイント係止穴を設け、前記ジョイントを、前記ジョイント挿入穴を閉塞可能な蓋片と、前記ジョイント係止穴に係脱可能に係合する係合片と、前記蓋片と前記係合片との間に挟持される接合片とで構成し、前記蓋片、前記係合片および前記接合片を段ボール材で形成するとともに、前記蓋片と前記係合片との間に前記接合片を挟持して互いに積層状に接着することによって前記ジョイントを形成したことを特徴とする。
【0012】
このような構成とすれば、下トレイに上ケースを被せ、それぞれの側面部同士の少なくとも一部を対向させた状態に組み立て、外側に位置する側面部のジョイント挿入穴から内側に位置するジョイント係止穴に向かってジョイントを挿入した後、ジョイントの係合片をジョイント係止穴に係合させるとともに、ジョイントの蓋片でジョイント挿入穴を閉塞すれば、これらの側面部同士がジョイントで結合されるため、これによって、上ケースと下トレイとを容易に結合することができる。また、前述と逆の操作を行って、ジョイントをジョイント係止穴およびジョイント結合穴から離脱させれば、上ケース、下トレイあるいはジョイントなどを破壊したり、一部切断したりすることなく、下トレイと上ケースとを容易に分離することができる。
【0013】
このように、下トレイと上ケースとの結合・分離はジョイントの挿入離脱によって行うことができるので、結合・分離作業は容易であり、開封方法も分かり易い。また、下トレイに対する上ケースの着脱、およびジョイントの挿入・離脱は、包装箱に損傷を与えることなく、繰り返すことができるので、再梱包も容易である。さらに、下トレイ、上ケースおよびジョイントは全て段ボール材で形成されているため、使用後の廃棄処分にも手間がかからない。なお、段ボール材は、紙製、合成樹脂製のいずれであってもよい。
【0014】
ここで、前記下トレイの側面部の上縁に、当該側面部内面に重なる方向に折り返した第1折り返し片を設け、
前記ジョイント係止穴を、前記下トレイの側面部に形成され周囲に前記ジョイントの係合片との係止部を有する貫通穴と、前記第1折り返し片に形成された保持穴とで構成し、 前記ジョイントの回転操作により前記係合片を前記保持穴の内周部で保持して前記係止部に係合させることができる。
【0015】
このような構成とすれば、ジョイントをジョイント係止穴に差し込んだ状態で当該ジョイントを回転させるだけで、ジョイントの係止片を保持穴の内周部に保持したり、保持解除したりすることが可能となるので、簡単な操作でジョイントの係合・離脱を行うことができるようになる。また、下トレイの側面部に重なる第1折り返し片を設けたことにより、ジョイント係止穴付近を含む側面部全体の強度を向上させることができる。
【0016】
また、前記上ケースの側面部の下縁に、当該側面部内面に重なる方向に折り返した第2折り返し片を設け、
前記ジョイント挿入穴を、前記第2折り返し片に形成され周囲に前記ジョイントの蓋片の受け面を有する貫通穴と、前記ジョイントの蓋片を回転可能に保持するために前記上ケースの側面部に設けられた蓋片ガイド穴とで構成することもできる。
【0017】
このような構成とすれば、ジョイントを上ケースのジョイント挿入穴に差し込んだとき、ジョイントの蓋片を、上ケースの側面部の蓋片ガイド穴内に収容可能となるため、上ケースの側面部外面を突出部分のない平面形状とすることができる。これにより、搬送中などに、蓋片が他の物体に接触して、ジョイントが損傷したり、ジョイントが回転して離脱したりするのを防止することができる。
【0018】
一方、前記蓋片に、指掛け部を設ければ、これらの指掛け部に手指を掛けて蓋片を回転させることが可能となるため、ジョイントの回転操作が容易となり、係合・離脱時の作業性が向上する。
【0019】
この場合、前記蓋片の表面に、回転位置を示す表示を設ければ、ジョイントの蓋片の回転位置を容易に目視確認することが可能となるため、ジョイントの回転角度を外部から確実に把握することができるようになる。
【0020】
また、前記上ケースの前記ジョイント挿入穴の周囲に、前記ジョイントの係合状態を示す表示を設ければ、ジョイントの係合・離脱状態を外部から確実に把握することができるようになるため、係合不良を回避することができるだけでなく、開封方法も分かりやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、開封方法が分かり易く、再梱包も容易であって、使用後の廃棄処分に手間のかからない包装箱を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態である包装箱を構成する下トレイの展開図、図2は本発明の実施の形態である包装箱を構成する上ケースの展開図、図3は本発明の実施の形態である包装箱を構成するジョイントを係合片側から見た斜視図、図4は前記ジョイントを蓋片側から見た斜視図、図5〜図7は本発明の実施の形態である包装箱の組み立て工程を示す斜視図である。
【0023】
図7に示す本実施形態の包装箱10は、図5に示す下トレイ30および上ケース50と、図3および図4に示すジョイント70と、図6に示す収納容器90とを備えている。図5に示すように、上面部が開口した下トレイ30に、下面部が開口した上ケース50を被せて互いに係合させた後、図7に示すように、上ケース50において対向位置にある側面部51にそれぞれ形成された複数のジョイント挿入穴52にジョイント70をそれぞれ装着し、下トレイ30と上ケース50とを結合することによって包装箱10が形成される。
【0024】
下トレイ30は、図1に示す形状に加工された1枚の段ボール材30aを折り曲げ加工することによって形成される底面部31(図9参照)と、この底面部31の外周から垂直方向に立設される側面部32,33とを有している。下トレイ30の側面部32の上縁32aには内面側方向に折り返されて当該側面部32に重なる第1折り返し片34が設けられている。側面部32には、中央部が円弧状に膨出した長方形であって、ジョイント70の係合片70d(図3参照)との係止部35aを周囲に有する貫通穴35が設けられている。
【0025】
また、第1折り返し片34には、ジョイント70の係合片70dが回動可能な円弧部36aと、係合片70dの回動を阻止するストッパ部36bと、係合片70dを保持する保持部36cを有する保持穴36が設けられている。そして、第1折り返し片34を側面部32の内面側に折り返して、貫通穴35と保持穴36とが同軸上で重なり合うことによってジョイント係止穴37が形成される。
【0026】
なお、第1折り返し片34の先端に差込み片38を形成すると共に底面部31の縁部に切欠開口39を形成している。また、下トレイ30の側面部32の左右側方には、差込み片41を有する折り曲げ片40が設けられている。さらに、下トレイ30の側面部33の上縁33aには、内面側方向に折り返されて側面部33に重なる折り返し片43が設けられ、その折り返し片43の先端に差込み片44が設けられている。
【0027】
また、側面部32には手を挿入可能な挿入口45を設け、さらに、側面部32の上縁32aには挿入口45に合致するように且つ前述した第1折り返し片34と重ならない位置に小折り返し片46を設けている。
【0028】
上ケース50は、図2に示す形状に加工され、下トレイ30と同じ厚さの1枚の段ボール材50aを折り曲げ加工することによって形成される上面部54(図7(b)参照)と、この上面部54の外周から垂直方向に垂下して形成される側面部51,55とを有している。上ケース50の側面部51の下縁51aには、側面部51に重なる方向に折り返す第2折り返し片58が設けられている。
【0029】
第2折り返し片58には、ジョイント70(図3参照)の蓋片70aの受け面53aを周囲に有する貫通穴53が設けられている。側面部51には、ジョイント70の蓋片70aを回動可能にするための蓋片ガイド穴59が設けられている。第2折り返し片58が側面部51の内面側に折り曲げられ、蓋片ガイド穴59と貫通穴53とが同軸上で重なり合うことによってジョイント挿入穴52が形成される。
【0030】
上ケース50の側面部51のジョイント挿入穴52の周囲には、後述するジョイント70の係合状態を示す三角形の表示52fおよびジョイント70の回転方向を示す矢印表示52gが設けられている。また、上ケース50の側面部55の下縁には、内面側に折り返して側面部55に重なる折り返し片60が設けられている。
【0031】
さらに、側面部55の上縁には外フラップ56が、側面部51の上縁には切り込み57a付きのフラップ57がそれぞれ設けられている。フラップ57の切り込み57aより内側の部分は補助フラップ57cである。なお、側面部51の上部には手挿入用切り込み61が設けられ、段ボール材50aの一端部には他端部に貼り付ける糊代62が設けられている。
【0032】
ジョイント70は、図3,図4に示すように、上ケース50の側面部51に設けられたジョイント挿入穴52(図5参照)を閉塞可能な略円形の蓋片70aと、下トレイ30の側面部32に設けられたジョイント係止穴37(図5参照)に係脱可能に係合する略長方形の係合片70dと、蓋片70aと係合片70dとの間に挟持される2枚の円形の接合片70b,70cとで構成されている。ジョイント70は、下トレイ30や上ケース50と同じ厚さの段ボール材で形成された蓋片70aと係合片70dとの間に複数の接合片70b,70cを挟持して互いに中心軸を合せた状態で積層状に接着剤で固着することによって形成されている。
【0033】
ジョイント70を構成する接合片70b,70cの外径は同一であって、蓋片70aの外径よりも小さく、係合片70dの短辺の長さより大で長辺の長さより小となっている。また、係合片70dの対角線の長さは、接合片70b,70cの外径より大で、蓋片70aの外径より小で、且つ保持穴36の円弧部36aの径よりわずかに小となっている。
【0034】
また、蓋片70aの外周部には、半円状に切り欠いた2つの指掛け部70eが180度間隔で設けられ、蓋片70aの表面には、回転位置を示す三角形の表示70fが設けられている。なお、蓋片70aから係合片70dに至る貫通穴70iを形成し、この貫通穴70i内に、強固な紙製若しくは樹脂製の芯材70hを嵌め込むことにより、ジョイント70の剪断強度を確保している。
【0035】
ここで、前述した図5〜図7および図8〜図11を参照しながら、包装箱10の組み立て工程および包装工程について説明する。図8は本発明の実施の形態である包装箱の組み立て工程におけるジョイント操作を示す図、図9は図7に示す包装箱におけるジョイントと下トレイとの係合関係を示す斜視図、図10(a)は図7に示す包装箱においてジョイントと下トレイとが係脱可能な状態を示す図、図10(b)は前記ジョイントと前記下トレイとが係合した状態を示す図であり、図11はジョイントと下トレイが係合した状態を示す断面図である。
【0036】
まず、下トレイ30の側面部32を垂直方向に折り曲げ、折り曲げ片40を90度内側に折り曲げた状態で、差し込み片41を切欠開口42に差込み、さらに第1折り返し片34を内面側方向に折り返して差込み片38を切欠開口39に差込む。そして、側面部33を垂直方向に折り曲げ、折り曲げ片40を挟むようにして、折り返し片43を折り返して差込み片44を切欠開口42に差し込む。最後に、小折り返し片46を外面側から挿入口45内に折り込ませて、下トレイ30を組み立てる。
【0037】
このように、差込み片38,41,44を切欠開口に差し込むことにより、側面部32と第1折り返し片34の重合状態を保持している。一方、糊代62を他端に貼り付けることによって上ケース50が四角筒状に形成され、第2折り返し片58および折り返し片60を内面側に折り返して上ケース50を組み立てる。
【0038】
次に、図5に示すように、段ボール材30a(図1参照)を折り曲げ加工することによって形成された下トレイ30上に、段ボール材を折り曲げ加工して形成した緩衝材Kと包装対象物Tとを載置し、この上から、段ボール材50a(図2参照)を折り曲げ加工して形成された上ケース50を被せる。このとき、下トレイ30の側面部32の外側に上ケース50の側面部51の下方部分が対向するように配置するとともに、上ケース50のジョイント挿入穴52と、下トレイ30のジョイント係止穴37とが同軸上に位置するようにする。これによって、ジョイント挿入穴52の貫通穴53と、ジョイント係止穴37の貫通穴35とが同じ位相で重なり合う。
【0039】
この後、図7(a)に示すように、ジョイント70をそれぞれ上ケース50のジョイント挿入穴52から内部に向かって水平に挿入する。このとき、ジョイント70の係合片70dの位相が、貫通穴53の位相と同じとなるように、ジョイント70の姿勢に保ちながら挿入すると、図9に示すように、ジョイント70の係合片70dの位相は、下トレイ30の貫通穴35の位相と一致するので、スムーズに挿入することができる。
【0040】
そして、ジョイント70の蓋片70aの内面が、上ケース50のジョイント挿入穴52を構成する貫通穴53の周囲の受け面53aに接触するまで挿入したら、図8に示すように、ジョイント70の指掛け部70eに指を差し込んでジョイント70を時計回りに90度回転させる。これによって、ジョイント70の係合片70dは、図10(a)に示す姿勢から90度回転して、図10(b)に示す姿勢となる。この過程において、ジョイント70の係合片70dの外周部分は、保持穴36の円弧部36aの内周に沿って回転し、90度回転すると係合片70dの短辺が保持部36cに保持される。また、係合片70dの角部70gがストッパ部36bに当接することにより、それ以上回転できないようになっている。
【0041】
これによって、図11に示すように、下トレイ30の側面部32の係止部35aと、上ケース50の第2折り返し片58の受け面53aが、ジョイント70の蓋片70aと係合片70dとの間に挟持され、下トレイ30と上ケース50とがジョイント70によって互いに連結され、包装対象物Tの梱包が完了する。前述した梱包作業において、ジョイント70の回転角度は、図8に示すように、ジョイント70の表示70fと、上ケース50の側面部51の表示52fとの位置関係を見ることによって容易に確認することができる。
【0042】
なお、本実施形態においては、図6,図7に示すように、上ケース50の上面開口部54aを閉塞する2枚の外フラップ56およびフラップ57のうちの相対する2枚のフラップ57の一部に設けた切り込み57aの外側部分を側面部51内面に沿う方向に折り返すことによって、対向する開口段部57bが形成される。この対向する開口段部57bの間に、これらの開口段部57bに係脱可能な係止部材91を有する収納容器90を保持することができる。従って、図7(a)に示すように、上面開口部54aから上ケース50内に収納容器90を収納した後、開口段部57bを設けることによって形成された補助フラップ57cおよび外フラップ56を内側に折り曲げて、上面開口部54aを閉塞すれば、梱包作業が完了する。
【0043】
一方、梱包後の包装箱10を開封したいときは、図8に示すように、ジョイント70を反時計回り(矢印表示52gの方向)に回転させれば、ジョイント70の係合片70dと、貫通穴35の周囲の係止部35aとの係合が解除されるため、この後、ジョイント70をジョイント係止穴37およびジョイント挿入穴52から引き出せば、下トレイ30から上ケース50を離脱させることができる。
【0044】
包装対象物Tを手で掴み難い場合や包装箱全体を現場に搬入できない場合には、下トレイ30に包装対象物Tを載せたまま挿入口45を持って移動させてから包装対象物Tを下トレイ30から取り出せばよい。ここで、便器とセットされた衛生洗浄装置を包装した場合を例にとり、その作業を説明する。まず据付現場の玄関先でジョイント70を外して下トレイ30と上ケース50を分離する。次に、衛生洗浄装置を載せたまま下トレイ30の挿入口45を把持して持ち上げるか床上を滑らせてトイレ内に搬入し、そこで衛生洗浄装置を下トレイ30から取り出してトイレに設置する。ここで、挿入口45に小折り返し片46が折り込まれているので、手が挿入口45のエッジを直接持ち上げないようにしている。
【0045】
このように、現場によっては上ケース50を分離させて下トレイ30のみで包装対象物Tを運搬することで、設置作業を楽に行うことができる。なお、収納容器90は、上ケース50の上面を封緘しているテープを剥いで、外フラップ56および補助フラップ57を開け、上ケース50から取り出して持ち運べばよい。
【0046】
このように、包装箱10の場合、上ケース50、下トレイ30あるいはジョイント70を破壊することなく、容易に開梱して包装対象物Tを取り出すことが可能であるため、包装対象物Tを再検査する場合の再梱包も比較的容易に行うことができる。
【0047】
また、このような構造を採用することにより、上ケース、下トレイ、ジョイント、緩衝材など包装材の全てが段ボールによるものとなり、従来の上ケースおよび下トレイで構成された包装箱の一般的な封緘手段であるPP製バンドなどが不要となるので、全てが段ボール材による包装が可能となり、使用後の廃棄処分にも手間がかからない。また、下トレイ30と上ケース50との結合・分離はジョイント70の挿入離脱によって行うことができるので、結合・分離作業は容易であり、開封方法も分かりやすい。本実施形態では、段ボール材は紙製であるが、これに限定するものではないので、合成樹脂製の段ボール材を使用することもできる。
【0048】
また、下トレイ30の側面部32に重なる第1折り返し片34および上ケース50の側面部51に重なる第2折り返し片58を設けているため、ジョイント係止穴37およびジョイント挿入穴52付近を含む側面部32,51全体の強度を向上させることができる。また、ジョイント挿入穴52は貫通穴53と蓋片ガイド穴59とで構成されているため、ジョイント70をジョイント挿入穴52に差し込んだとき、その蓋片70aは蓋片ガイド穴59内に収容され、上ケース50の側面部51外面は突出部分のない平面形状となる。従って、搬送中などに、蓋片70aが他の物体に接触して、ジョイント70が損傷したり、ジョイント70が回転して離脱したりするのを防止することができる。
【0049】
一方、ジョイント70の蓋片70aには2つの指掛け部70eが設けられているため、これらの指掛け部70eに手指を掛けて蓋片70aを回転させることが可能であり、回転操作は容易であり、係合・離脱時の作業性は極めて良好である。また、ジョイント70の表示70fと、上ケース50の側面部51の表示52fとが設けられているため、ジョイント70の回転角度を容易に目視確認することができ、これによって、ジョイント70の係合・離脱状態を外部から確実に把握することができる。従って、係合不良などの発生を回避することができるだけでなく、開封方法も分かりやすくなる。
【0050】
さらに、図7(a)で示したように、補助フラップ57を側面部51内面に沿う方向に折り曲げ、対向する開口段部57bの間に、これらの開口段部57bに係止部材91を係合させて収納容器90を保持しているため、収納容器90およびその収納物の荷重は上ケース50によって支持されている。従って、収納容器90および収納物の荷重が、その下方にある包装対象物Tに加わることがなく、荷重に起因するトラブルを回避することができる。
【0051】
次に、図12〜図15に基づいて、本発明の参考例について説明する。図12は本発明の参考例である包装箱を構成するジョイントを蓋部側から見た斜視図、図13は図12に示すジョイントを展開状態で示す斜視図、図14(a)は図13に示す展開状態のジョイントの側面図、図14(b)は前記ジョイントの平面図、図14(c)は前記ジョイントの正面図、図15は図12におけるX−X線断面図である。なお、前述した実施の形態と同じ構成部分については、その説明を省略する。
【0052】
図12に示すように、本参考例の包装箱を構成するジョイント170は、廃段ボールを利用して製作されたパルプモールド成形品であり、中空の半割体170’,170”をヒンジ171で折り曲げて互いに接合して形成したものである。実際にジョイント170として使用するときは、図13,図14に示す展開状態からヒンジ171で折り曲げて半割体170’,170”を重ね合わせて接合することによって図12に示す状態とする。このジョイント170は、円筒形の接合部170bの軸方向の片端に、上ケース50の側面部51に設けられたジョイント挿入穴52(図5参照)を閉塞可能な略円形の蓋部170aを有し、他端に下トレイ30の側面部32に設けられたジョイント係止穴37(図5参照)に係脱可能に係合する略長方形の係合部170dを有している。
【0053】
ジョイント170を構成する接合部170bの外径は、蓋部170aの外径よりも小さく、係合部170dの短辺の長さより大で長辺の長さより小となっている。また、係合部170dの対角線の長さは、接合部170bの外径より大であって、蓋部170aの外径より小であり、且つ、保持穴36の円弧部36aの内径よりわずかに小となっている。また、蓋部170aの外周部には、半円状に切り欠いた2つの指掛け部170eが180度間隔で設けられ、蓋部170aの表面には、回転位置を示す三角形の表示170fが設けられている。ここで、ジョイント170の蓋部170a,接合部170b,係合部170dは、それぞれ前述した実施の形態における、ジョイント70の蓋片70a,接合片70b,70c,係合片70dに相当する。
【0054】
ここで、前述した図5〜図7および図8〜図11を参照しながら、包装箱10の組み立て工程および包装工程について説明する。図8は包装箱の組み立て工程におけるジョイント操作を示す図、図9は図7に示す包装箱におけるジョイントと下トレイとの係合関係を示す斜視図、図10(a)は図7に示す包装箱においてジョイントと下トレイとが係脱可能な状態を示す図、図10(b)は前記ジョイントと前記下トレイとが係合した状態を示す図であり、図11はジョイントと下トレイが係合した状態を示す断面図である。
【0055】
前述した実施形態の場合と同様、下トレイ30及び上ケース50を組み立てた後、図7(a)に示すジョイント70の代わりに、ジョイント170を、それぞれ上ケース50のジョイント挿入穴52から内部に向かって水平に挿入する。このとき、ジョイント170の係合部170dの位相が、貫通穴53の位相と同じとなるように、ジョイント170の姿勢を保ちながら挿入すると、図9に示すように、ジョイント170の係合部170dの位相は、下トレイ30の貫通穴35の位相と一致するので、スムーズに挿入することができる。
【0056】
そして、ジョイント170の蓋部170aの内面が、上ケース50のジョイント挿入穴52を構成する貫通穴53の周囲の受け面53aに接触するまで挿入したら、図8に示すように、ジョイント170の指掛け部170eに指を差し込んでジョイント170を時計回りに90度回転させる。これによって、ジョイント170の係合部170dは、図10(a)に示す姿勢から90度回転して、図10(b)に示す姿勢となる。この過程において、ジョイント170の係合部170dの外周部分は、保持穴36の円弧部36aの内周に沿って回転し、90度回転すると係合部170dの短辺が保持部36cに保持される。また、係合部170dの角部170gがストッパ部36bに当接することにより、それ以上回転できないようになっている。ここで、ジョイント170の係合部170dは、図12〜図14に示すように、蓋部170aに相対する面の一端にテーパを設けているので、係合部170dのテーパが保持部36cを乗り越えるガイドの役目を果たしている。
【0057】
これによって、図11に示すように、下トレイ30の側面部32の係止部35aと、上ケース50の第2折り返し片58の受け面53aが、ジョイント170の蓋部170aと係合部170dとの間に挟持され、下トレイ30と上ケース50とがジョイント170によって互いに連結され、包装対象物Tの梱包が完了する。前述した梱包作業において、ジョイント170の回転角度は、図8に示すように、ジョイント170の表示170fと、上ケース50の側面部51の表示52fとの位置関係を見ることによって容易に確認することができる。
【0058】
梱包後の包装箱10を開封したいときは、図8に示すように、ジョイント170を反時計回り(矢印表示52gの方向)に回転させれば、ジョイント170の係合部170dと、貫通穴35の周囲の係止部35aとの係合が解除されるため、この後、ジョイント170をジョイント係止穴37およびジョイント挿入穴52から引き出せば、下トレイ30から上ケース50を離脱させることができる。
【0059】
また、包装対象物Tを手で掴み難い場合や包装箱全体を現場に搬入できない場合には、下トレイ30に包装対象物Tを載せたまま挿入口45を持って移動させてから包装対象物Tを下トレイ30から取り出せばよい。ここで、便器とセットされた衛生洗浄装置を包装した場合を例にとり、その作業を説明する。まず据付現場の玄関先でジョイント170を外して下トレイ30と上ケース50を分離する。次に、衛生洗浄装置を載せたまま下トレイ30の挿入口45を把持して持ち上げるか床上を滑らせてトイレ内に搬入し、そこで衛生洗浄装置を下トレイ30から取り出してトイレに設置する。ここで、挿入口45に小折り返し片46が折り込まれているので、手が挿入口45のエッジを直接持ち上げないようにしている。
【0060】
このように、現場によっては上ケース50を分離させて下トレイ30のみで包装対象物Tを運搬することで、設置作業を楽に行うことができる。なお、収納容器90は、上ケース50の上面を封緘しているテープを剥いで、外フラップ56および補助フラップ57を開け、上ケース50から取り出して持ち運べばよい。また、包装箱10の場合、上ケース50、下トレイ30あるいはジョイント170を破壊することなく、容易に開梱して包装対象物Tを取り出すことが可能であるため、包装対象物Tを再検査する場合の再梱包も比較的容易に行うことができる。
【0061】
また、このような構造を採用することにより、上ケース50、下トレイ30、ジョイント170、緩衝材など、包装材の全てが段ボールによるものとなる。従って、従来の上ケースおよび下トレイで構成された包装箱の一般的な封緘手段であるPP製バンドなどが不要となり、全て段ボール材による包装が可能となるため、使用後の廃棄処分にも手間がかからない。また、下トレイ30と上ケース50との結合・分離はジョイント170の挿入離脱によって行うことができるので、結合・分離作業は容易であり、開封方法も分かりやすい。本参考例では、段ボール材は紙製であるが、これに限定するものではないので、合成樹脂製の段ボール材を使用することもできる。
【0062】
また、下トレイ30の側面部32に重なる第1折り返し片34および上ケース50の側面部51に重なる第2折り返し片58を設けているため、ジョイント係止穴37およびジョイント挿入穴52付近を含む側面部32,51全体の強度を向上させることができる。さらに、ジョイント挿入穴52は貫通穴53と蓋部ガイド穴59(前述した実施形態の蓋片ガイド穴に該当する)とで構成されているため、ジョイント170をジョイント挿入穴52に差し込んだとき、その蓋部170aは蓋片ガイド穴59内に収容され、上ケース50の側面部51外面は突出部分のない平面形状となる。従って、搬送中などに、蓋部170aが他の物体に接触して、ジョイント170が損傷したり、ジョイント170が回転して離脱したりするのを防止することができる。
【0063】
一方、ジョイント170の蓋部170aには2つの指掛け部170eが設けられているため、これらの指掛け部170eに手指を掛けて蓋部170aを回転させることが可能であり、回転操作は容易であり、係合・離脱時の作業性は極めて良好である。また、ジョイント170の表示170fと、上ケース50の側面部51の表示52fとが設けられているため、ジョイント170の回転角度を容易に目視確認することができ、これによって、ジョイント170の係合・離脱状態を外部から確実に把握することができる。従って、係合不良などの発生を回避することができるだけでなく、開封方法も分かりやすくなる。また、ジョイント170をパルプモールド成形品としたので、ジョイントとしての強度が高まる上、係合部170dの厚みを変えることで、ジョイント170の保持穴36への保持を極めて容易に行うことができる。
【0064】
なお、本発明は、上述した実施の形態に拘泥されるものではなく、別の形態で実施することができる。例えば、第2折り返し片58を設けずに、上ケース50の側面部51に蓋片ガイド穴59を設けるだけでもよい。また、第1,第2の折り返し片34、58に代えて、別の板状の段ボール材を側面部32、51に貼ってもよい。さらに、上ケース50の側面部51,52を、下トレイ30の側面部32,33の内側に対向するように配置してもよい。その場合は、下トレイ30にジョイント挿入穴52を、上ケース50にジョイント係止穴37を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の包装箱は、トイレ装置や洗面台などのような住宅設備機器製品を始めとし、家電製品や植栽など様々な物品の包装用資材として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態である包装箱を構成する下トレイの展開図である。
【図2】本発明の実施の形態である包装箱を構成する上ケースの展開図である。
【図3】本発明の実施の形態である包装箱を構成するジョイントを係合片側から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態である包装箱を構成するジョイントを蓋片側から見た斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態である包装箱の組み立て工程を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態である包装箱の組み立て工程を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態である包装箱の組み立て工程を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態である包装箱の組み立て工程におけるジョイント操作を示す図である。
【図9】図7に示す包装箱におけるジョイントと下トレイとの係合関係を示す斜視図である。
【図10】(a)は図7に示す包装箱においてジョイントと下トレイとが係脱可能な状態を示す図であり、(b)は前記ジョイントと前記下トレイとが係合した状態を示す図である。
【図11】ジョイントと下トレイの係合状態を示す断面図である。
【図12】本発明の参考例である包装箱を構成するジョイントを蓋部側から見た斜視図である。
【図13】図12に示すジョイントを展開状態で示す斜視図である。
【図14】(a)は図13に示す展開状態のジョイントの側面図、(b)は前記ジョイントの平面図、(c)は前記ジョイントの正面図である。
【図15】図12におけるX−X線断面図である。
【図16】従来の包装箱を開封状態で示す斜視図である。
【図17】図16に示す包装箱の接合構造を示す部分断面図である。
【図18】従来の包装箱におけるその他の接合構造を示す部分断面図である。
【図19】(a)は従来の包装箱を開封状態で示す斜視図であり、(b)は前記包装箱の接合構造を示す部分断面図である。
【図20】(a)は従来の包装箱を開封状態で示す斜視図であり、(b)は前記包装箱の接合構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0067】
10 包装箱
30 下トレイ
30a,50a 段ボール材
31 底面部
32,33,51,55 側面部
32a 上縁
33a 上縁
34 第1折り返し片
35 貫通穴
35a 係止部
36 保持穴
36a 円弧部
36b ストッパ部
36c 保持部
37 ジョイント係止穴
38 差込み片
39,42 切欠開口
40 折り曲げ片
41,44 差込み片
43,60 折り返し片
45 挿入口
46 小折り返し片
50 上ケース
51a 下縁
52 ジョイント挿入穴
52f,70f,170f 表示
52g 矢印表示
53 貫通穴
53a 受け面
54 上面部
54a 上面開口部
56,57 フラップ
57a 切り込み
57b 開口段部
57c 補助フラップ
58 第2折り返し片
59 蓋片ガイド穴
61 手挿入用切り込み
62 糊代
70,170 ジョイント
70a 蓋片
70b,70c 接合片
70d 係合片
70e 指掛け部
70g 角部
70h 芯材
70i 貫通穴
90 収納容器
91 係止部材
170’,170” 半割体
170a 蓋部
170b 接合部
170d 係合部
170e 指掛け部
170g 角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部が開口した下トレイに、下面部が開口した上ケースを被せて互いに係合させることによって包装対象物を包装する包装箱において、
1枚の段ボール材を折り曲げ加工して形成された底面部および前記底面部の外周から垂直方向に立設された側面部を有する下トレイと、
1枚の段ボール材を折り曲げ加工して形成された上面部および前記上面部の外周から垂直方向に垂下して形成された側面部を有する上ケースと、
前記上ケースを前記下トレイに被せてそれぞれの前記側面部同士の少なくとも一部を対向させた状態で前記側面部同士を着脱可能に結合するジョイントと、を備え、
対向した前記側面部のうちの外側に位置する前記側面部に前記ジョイントの一部が通過可能なジョイント挿入穴を設け、内側に位置する前記側面部に前記ジョイントの一部が係脱可能なジョイント係止穴を設け、
前記ジョイントを、前記ジョイント挿入穴を閉塞可能な蓋片と、前記ジョイント係止穴に係脱可能に係合する係合片と、前記蓋片と前記係合片との間に挟持される接合片とで構成し、
前記蓋片、前記係合片および前記接合片を段ボール材で形成するとともに、
前記蓋片と前記係合片との間に前記接合片を挟持して互いに積層状に接着することによって前記ジョイントを形成したことを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記下トレイの側面部の上縁に、当該側面部内面に重なる方向に折り返した第1折り返し片を設け、
前記ジョイント係止穴を、前記下トレイの側面部に形成され周囲に前記ジョイントの係合片との係止部を有する貫通穴と、前記第1折り返し片に形成された保持穴とで構成し、
前記ジョイントの回転操作により前記係合片を前記保持穴の内周部で保持して前記係止部に係合させることを特徴とする請求項1記載の包装箱。
【請求項3】
前記上ケースの側面部の下縁に、当該側面部内面に重なる方向に折り返した第2折り返し片を設け、
前記ジョイント挿入穴を、前記第2折り返し片に形成され周囲に前記ジョイントの蓋片の受け面を有する貫通穴と、前記ジョイントの蓋片を回転可能に保持するために前記上ケースの側面部に設けられた蓋片ガイド穴とで構成したことを特徴とする請求項2記載の包装箱。
【請求項4】
前記蓋片に、指掛け部を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の包装箱。
【請求項5】
前記蓋片の表面に、回転位置を示す表示を設けたことを特徴とする請求項4記載の包装箱。
【請求項6】
前記上ケースの前記ジョイント挿入穴の周囲に、前記ジョイントの係合状態を示す表示を設けたことを特徴とする請求項5記載の包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−18870(P2009−18870A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247479(P2008−247479)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【分割の表示】特願2005−240309(P2005−240309)の分割
【原出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【出願人】(301068491)TOTOウォシュレットテクノ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】