説明

包装袋、包装食品および包装用品

【課題】包装袋に包装された食品の一部のみを切り分けて、残りを保存する場合に、食品用フィルム、ポリ袋などの他の包装材を別途使用しなくても、残りの食品を乾燥を防ぎつつ保存することのできる、低コストな包装袋と、該包装袋に食品が収納された包装食品と、該包装袋を備えた包装用品を提供する。
【解決手段】長手方向の一端が閉塞し、正面部11と、該正面部11に対向して形成された背面部12と、一対の側面部13、14とを備えた横断面四角形の筒部15を有し、内容物を収納する包装袋10であって、背面部12と側面部13、14との両境界部分には、背面部12と側面部13、14とが外方に延出してシールされた長手方向に沿う延出シール部17a、17bが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羊羹などの食品の包装に好適に使用される包装袋、該包装袋に食品が収納された包装食品、該包装袋を備えた包装用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、羊羹、チーズなどの食品を包装するための包装袋が種々提案されている。例えば、易開封性を付与するための包装袋として、開封テープを備えたガセット袋(例えば特許文献1参照。)、テープ状の引き裂き片を備えた包装袋(例えば特許文献2参照。)、所望の位置を周方向に沿って開封可能な積層フィルム(イージーピールフィルム)を用いた包装袋(例えば特許文献3参照。)などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−137309号公報
【特許文献2】特表2006−508868号公報
【特許文献3】特開2008−1372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、包装対象の食品が羊羹、チーズなどである場合に、これら従来の包装袋に包装された食品の一部のみを切り分けて食べ、残りを保存しようとすると、残りの食品が切断面などから乾燥しやすいという問題があった。そのため、このように残りの食品を保存する場合には、例えば食品用フィルムを用意して切断面を覆ったり、ポリ袋を用意してその中で保存したりする必要があり、別途包装材を用意しなければならなかった。また、このような従来の包装袋は、袋を構成する積層フィルムの他に、易開封性を付与するためのいわゆるテアテープなどと呼ばれる開封テープが用いられていたり、積層フィルムに切り裂きの方向性を付与するための延伸処理が施されていたりして、高コストなものであった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、包装袋に包装された食品の一部のみを切り分けて、残りを保存する場合に、食品用フィルム、ポリ袋などの他の包装材を別途使用しなくても、残りの食品を乾燥を防ぎつつ保存することのできる、低コストな包装袋と、該包装袋に食品が収納された包装食品と、該包装袋を備えた包装用品の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装袋は、長手方向の一端が閉塞し、正面部と、該正面部に対向して形成された背面部と、一対の側面部とを備えた横断面四角形の筒部を有し、内容物を収納する包装袋であって、前記背面部と前記側面部との両境界部分には、前記背面部と前記側面部とが外方に延出してシールされた長手方向に沿う延出シール部が形成されていることを特徴とする。
前記一対の側面部の外表面には、前記延出シール部に沿う開封案内部がそれぞれ形成されていることが好ましい。
本発明の包装食品は、前記包装袋に食品が収納されたことを特徴とする。
前記食品としては羊羹が好適である。
本発明の包装用品は、前記包装袋と、該包装袋を収容する外箱とを備え、前記外箱には、一端が開口し他端が閉塞した蓋体を前記外箱から切り出す分断手段が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、包装袋に包装された食品の一部のみを切り分けて、残りを保存する場合に、食品用フィルム、ポリ袋などの包装材を別途使用しなくても、残りの食品を乾燥を防ぎつつ保存することのできる、低コストな包装袋、包装食品および包装用品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の包装袋の一例を示す(a)斜視図と、(b)I−I’線に沿う断面図である。
【図2】図1の包装袋の(a)要部拡大斜視図と、(b)要部拡大断面図である。
【図3】図1の包装袋で包装された羊羹を切り分ける様子を説明する説明図である。
【図4】羊羹を切り分けた後、切り分け済み羊羹を覆っている部分の側面部と背面部との間を切り離す様子を説明する説明図である。
【図5】包装袋の背面部を短手方向に切断した様子を示す説明図である。
【図6】延出した部分の背面部をめくり上げて、保存用羊羹の切断面に被せる様子を説明する説明図である。
【図7】従来の包装袋で包装された羊羹を切り分けた後、切り分け済み羊羹を覆っている部分の側面部を背面部から切り離そうとする様子を説明する説明図である。
【図8】本発明の包装用品の一例を示す斜視図である。
【図9】図8の包装用品を用いて、羊羹を保存する様子を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の包装袋の一例を示す(a)斜視図および(b)断面図、図2は、図1の包装袋の(a)要部拡大斜視図および(b)要部拡大断面図である。
この例の包装袋10は、内容物として羊羹を収納するためのガセット袋であって、正面部11と、この正面部11に対向して形成された背面部12と、正面部11と背面部12との間に形成され、内側に折り込まれた一対の側面部13、14とを備えた横断面四角形の筒部15を有している。筒部15の長手方向の一端は閉塞して底部15aとされ、他端は開口して、この包装袋10内に羊羹を入れるための開口部15bとされている。
また、この例の包装袋10は、積層フィルムの幅方向の両端部、すなわち、両側端部が互いにシールされて筒状に形成されたものであって、このようなシールにより形成された耳部16が背面部12の中央に長手方向に沿って形成されている。
【0010】
包装袋10を構成する積層フィルムとしては、この例では、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなり、包装袋10の外表面を構成する基材層と、基材層の内側に形成されたアルミニウム箔からなるバリア層と、バリア層の内側に形成された低密度ポリエチレンからなるシーラント層とが、低密度ポリエチレンからなる接着層を介して順次積層したフィルムが使用されている。
【0011】
そして、この包装袋10においては、背面部12と側面部13、14との両境界部分には、背面部12と側面部13、14とが外方に延出して互いにシールされた長手方向に沿う延出シール部17a、17bが形成されている。
具体的には、背面部12の短手方向の両端部である両側端部のうち、一方の側端部12aと側面部13のうちの背面部12側の側端部13aとは、ともに延出して互いにヒートシールされ、1つの延出シール部17aを構成している。また、背面部12の他方の側端部12bと側面部14のうちの背面部12側の側端部14aとは、ともに延出して互いにヒートシールされ、別のもう1つの延出シール部17bを構成している。
【0012】
また、この例では、図2に示すように、一対の側面部13、14の外表面には、延出シール部17a、17bの近傍でこれに沿う溝状の開封案内部18a、18bがレーザー加工によりそれぞれ直線状に形成されている。
具体的には、この開封案内部18a、18bは、それぞれ延出シール部17a、17bの基端部からの距離L1が2mm以下の範囲内で、この基端部よりも側面部13、14にややずれた位置に形成されている。
【0013】
図1の包装袋10は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる基材層と、アルミニウム箔からなるバリア層と、低密度ポリエチレンからなるシーラント層とが、低密度ポリエチレンからなる接着層を介して順次積層した積層フィルムを用意し、この積層フィルムの所定の位置に、レーザー加工により溝状の開封案内部18a、18bを形成する。
ついで、センターシール型製袋機を用いて、この積層フィルムの両側端部を互いにシールして耳部16を形成し、筒状とした後、この筒状フィルムの所定の箇所を長手方向に沿って折り込んで、正面部11、背面部12、側面部13、14を形成する。ついで、背面部12の側端部12a、12bと側面部13、14の側端部13a、14aとをシーラント層同士が接するように外方に延出させてヒートシールし、延出シール部17a、17bを形成する。
そして、このように形成された筒状の積層フィルムの一端を閉塞した後に、所定の長さに切断し、底部15aを形成することで筒部15が形成される。
このようにして図1の包装袋10を製造することができる。
【0014】
こうして得られた包装袋10には、加熱されて流動状態にある羊羹を開口部15bから充填した後、開口部15bをインパルスシーラーなどでシールして閉塞する。包装袋10に充填された羊羹Yは、冷却により固化する。
【0015】
こうして包装袋10で包装された羊羹の一部のみを切り分けて食べ、残りを保存する場合には、次のようにする。以下、切り分けて食べる分の羊羹を「切り分け済み羊羹」といい、保存する分の羊羹を「保存用羊羹」という。
まず、図3に示すように、包装済みの羊羹Yを図示略のまな板などの平面上に置く。この際、包装袋10の背面部12がまな板などの平面と接触し、正面部11が上方を向くように載置する。また、延出シール部17a、17bは、背面部12とまな板などの平面との間に位置するように、内側に折り込んでおく。
ついで、包丁Kなどの切断具を包装袋10の短手方向に沿うように入刀して、包装袋10ごと羊羹Yを切断する。ただし、この際、包装袋10については、正面部11と一対の側面部13、14のみを切断し、まな板などの平面と接触している背面部12と、延出シール部17a、17bは切断せずに残しておく。
【0016】
ついで、図4に示すように、切り分けられた切り分け済み羊羹Y1を、この切り分け済み羊羹Y1を覆う包装袋10の正面部11および側面部13、14ごと把持し、背面部12から引き離すように上方に持ち上げる。
すると、切り分け済み羊羹Y1を覆っている部分の包装袋10において、側面部13、14と背面部12との間が開封案内部18a、18bに沿って直線的に切り離される。すなわち、切り分け済み羊羹Y1を覆っている部分の正面部11と側面部13、14とは、切り分け済み羊羹Y1の側に同伴されるが、背面部12は同伴されることなく、保存用羊羹Y2を覆っている包装袋10側に残る。
【0017】
ついで、元々は切り分け済み羊羹Y1を覆っていた背面部12を、図示略のハサミなどの切断治具を使用して図5のように短手方向に切断する。その際、背面部12は、保存用羊羹Y2よりも長さL2だけ延出するように残して切断しておく。ここで長さL2は、少なくとも羊羹の切断面の高さHよりも大きく設定しておく。
ついで、図6に示すように、この延出した部分の背面部12をめくり上げて、保存用羊羹Y2の切断面に被せる。そして、必要に応じて、図示略の輪ゴムなどの留め具を用いて、めくり上げた部分が元に戻らないようにして、これを保存する。
このようにすると、切断面が背面部12により覆われるため、保存中の切断面の乾燥を防ぐことができる。
【0018】
このように図示例の包装袋10では、背面部12と側面部13、14との境界部分には、背面部12と側面部13、14とが外方に延出して互いにシールされた長手方向に沿う延出シール部17a、17bが形成されているとともに、各延出シール部17a、17bに沿う開封案内部18a、18bがレーザー加工により形成されている。そのため、図4に示すようにして、切り分け済み羊羹Y1を上方に持ち上げた場合には、包装袋10は、側面部13、14と背面部12との間で、開封案内部18a、18bに沿って直線的に切断される。
この例の包装袋10は、このように側面部13、14と背面部12との間をよりシャープに切り離すために、延出シール部17a、17bに加えて、延出シール部17a、17bに沿う開封案内部18a、18bをも具備しているが、開封案内部18a、18bが形成されていなくても、延出シール部17a、17bさえ形成されていれば、この延出シール部17a、17bが切断方向のガイドとして作用し、切り分け済み羊羹Y1を覆っている部分の側面部13、14と背面部12との間を直線的に切断することができる。
また、この例では、側面部13、14と背面部12との間をよりシャープに切り離すために、包装済みの羊羹Yをまな板などの平面上に置く際には、各延出シール部17a、17bを内側に折り込んでおいたが、必ずしも折り込んでおかなくても、側面部13、14と背面部12との間を直線的に切断することは可能である。
【0019】
ここで、背面部と側面部との境界部分に延出シール部が形成されていない従来の包装袋の場合には、本発明のように側面部と背面部との間で切り離すことは困難である。
すなわち、図7に示すように、延出シール部が形成されていない従来の包装袋10’で包装された羊羹Y’について、図3〜4と同様にして切り分け、切り分け済み羊羹Y1’を包装袋の正面部11’および側面部13’、14’ごと把持し、背面部12’から引き離すように上方に持ち上げると、切り分け済み羊羹Y1’を覆っている側面部13’,14’に、背面部12’の一部が同伴されてしまい、側面部13’、14’と背面部12’との間ではなく、背面部12’の途中で分断されてしまう。
そのため、保存用羊羹Y2’を覆っている包装袋10’の側には、背面部12’の一部が保存用羊羹Y2’よりも延出するように残りはするものの、その形状は図示のように、延出方向に漸次幅が狭くなる先細り形状となる。よって、たとえこの延出した部分を保存用羊羹Y2’の切断面に被せたとしても、切断面の一部しか覆うことはできず、その乾燥を防ぐことはできない。
【0020】
これに対して、本発明の図示例の包装袋10によれば、切り分け済み羊羹Y1を上方に持ち上げた場合には、包装袋10は、側面部13、14と背面部12との間で直線的に切断されるため、背面部12を利用して、切断面の乾燥を防ぐことができる。よって、包装袋10に包装された羊羹の一部のみを切り分けて、残りを保存する場合に、食品用フィルム、ポリ袋などの包装材を別途使用しなくても、保存用羊羹Y2の切断面からの乾燥を防ぎつつ保存することができる。また、このような包装袋10によれば、延出シール部17a、17bを形成するだけで側面部13、14と背面部12との間を直線的に切断でき、包装袋10を構成する積層フィルムの他に、易開封性を付与するための開封テープを使用したり、積層フィルムに切り裂きの方向性を付与するための延伸処理を施したりする必要がないため、非常に低コストである。
【0021】
以上の例では、内容物として羊羹を包装する羊羹包装用の包装袋10を例示して説明したが、内容物は羊羹には限定されない。
内容物としては、例えば、羊羹、外郎などの練り菓子、チーズ、ハム、カステラ、ゼリーなどの食品が好適に例示できる。また、食品以外には、乾燥を嫌う粘土などが例示できる。
【0022】
包装袋10を構成する積層フィルムとしては、内容物が羊羹などの食品である場合に好適な例として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる基材層と、アルミニウム箔からなるバリア層と、低密度ポリエチレンからなるシーラント層とが、低密度ポリエチレンからなる接着層を介して順次積層した積層フィルムを例示したが、各層の材質や層構成は内容物の種類などに応じて適宜設定できる。
例えば、基材層としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートの他、二軸延伸ポリアミド、二軸延伸ポリプロピレンなどからなるフィルムが挙げられる。なかでも好適なフィルムは、耐熱性、寸法安定性が優れる二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
バリア層としては、アルミニウム箔などの金属箔の他、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機物の蒸着薄膜層を備えた二軸延伸プラスチックフィルム、バリア性樹脂からなるガスバリア性被膜層を備えたプラスチックフィルムなどが挙げられる。なかでも好適なものは、バリア性、引き裂き性が優れるアルミニウム箔である。
シーラント層としては、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体などを使用可能であり、なかでも低温シール性、汎用性の優れる低密度ポリエチレンが好ましい。
このような積層フィルムは、接着層となる接着剤を介して各層が積層されるドライラミネート法や、接着層となる溶融樹脂を各層間に直接押出コーティングする押出しラミネート法により製造できる。
【0023】
また、以上の例では、1枚の積層フィルムの両側端部を互いにシールして耳部16を形成し、その耳部16が背面部12の中央に長手方向に沿って位置するようにしているが、例えば、積層フィルムの両側端部を互いにシールして、耳部16とするのではなく、延出シール部17a、17bの一方としてもよい。
また、幅の異なる積層フィルムを2枚用意し、幅の広い方の積層フィルムからは正面部および側面部を形成し、他方の積層フィルムからは背面部を形成するようにしてもよい。
また、開封案内部18a、18bとしては、レーザー加工により形成される溝状のものを例示したが、その他にも、表面を粗面化した金属ロールを転圧することなどで形成される帯状の脆弱部や、ミシン目状の切断線などであってもよい。
【0024】
さらに、以上の例では、図6に示すように、保存用羊羹Y2よりも延出した部分の背面部12をめくり上げて、保存用羊羹Y2の切断面に被せた後、輪ゴムなどの留め具を用いて、めくり上げた部分が元に戻らないようにしているが、図8に示すように、包装袋10と、この包装袋10に内容物を収納してから、この包装袋10を収納する外箱20とを備えた包装用品30を使用することによって、輪ゴムなどの留め具を別途用意しなくても、めくり上げた部分が元に戻らないようにすることができる。
【0025】
この外箱20は、羊羹の外形に沿った直方体からなる紙製のものであって、その長手方向の一箇所において、短手方向に沿って全周にわたるミシン目状の切断線21が分断手段として形成されている。そのため、この切断線21を利用して外箱20を長手方向に2つに分断することによって、この外箱20から、図9に示すように、一端が開口し他端が閉塞した蓋体22を切り出すことができるようになっている。よって、図6に示すように背面部12がめくり上げられて被せられた保存用羊羹Y2の切断面に、この蓋体22を被せることによって、輪ゴムなどの留め具を別途用いなくても、めくり上げた部分が元に戻らないようにすることができる。
なお、図8の例では、外箱に形成される分断手段として、ミシン目状の切断線21を例示したが、分断手段はこれに限定されず、一端が開口し他端が閉塞した蓋体を外箱から切り出せるように形成されたものであればよい。
【実施例】
【0026】
[実施例]
以下のようにして図1に示す包装袋10を製造した。
まず、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートからなる基材層と、厚さ9μmのアルミニウム箔からなるバリア層と、厚さ35μmの低密度ポリエチレンからなるシーラント層とが、厚さ15μmの低密度ポリエチレンからなる接着層を介して順次積層した積層フィルムを製造し、この積層フィルムの所定の位置に、レーザー加工により溝状の開封案内部18a、18bを直線状に形成した。
ついで、センターシール型製袋機を用いて、この積層フィルムの両側端部を互いにシールして耳部16を形成し、筒状とした後、この筒状フィルムの所定の箇所を長手方向に沿って折り込んで、正面部11、背面部12、側面部13、14を形成した。ついで、背面部12の側端部12a、12bと側面部13、14の側端部13a、14aとをシーラント層同士が接するように外方に延出させてヒートシールし、延出シール部17a、17bを形成した。
そして、このように形成された筒状の積層フィルムの一端を閉塞した後に、所定の長さに切断し、底部15aを形成した。
こうして得られた包装袋10に、加熱され流動状態にある羊羹を開口部15bから入れた後、開口部15bをインパルスシーラーでシールして閉塞した。
羊羹が固化した後、この包装済みの羊羹Yを図3〜6に示すようにして切り分け、保存したところ、保存用羊羹Y2の切断面を乾燥させることなく保存できた。
【符号の説明】
【0027】
10 包装袋
11 正面部
12 背面部
13、14 側面部
15 筒部
17a、17b 延出シール部
18a、18b 開封案内部
20 外箱
22 蓋体
30 包装用品
Y 羊羹

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の一端が閉塞し、正面部と、該正面部に対向して形成された背面部と、一対の側面部とを備えた横断面四角形の筒部を有し、内容物を収納する包装袋であって、
前記背面部と前記側面部との両境界部分には、前記背面部と前記側面部とが外方に延出してシールされた長手方向に沿う延出シール部が形成されていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記一対の側面部の外表面には、前記延出シール部に沿う開封案内部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装袋に、食品が収納されたことを特徴とする包装食品。
【請求項4】
前記食品が羊羹であることを特徴とする請求項3に記載の包装食品。
【請求項5】
請求項1または2に記載の包装袋と、該包装袋を収容する外箱とを備え、
前記外箱には、一端が開口し他端が閉塞した蓋体を前記外箱から切り出す分断手段が形成されていることを特徴とする包装用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−202195(P2010−202195A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46153(P2009−46153)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】