説明

包装袋供給装置

【課題】包装袋が連続してつながってロール状に巻かれた状態で供給される包装袋シートを、包装袋毎に切り分けて順次包装機に供給する包装袋供給装置において、ロール切れの際に包装袋の供給を停止することなく包装袋シートの切り替えを自動的に確実に行う。
【解決手段】本実施形態に係る包装袋供給装置1は、第一包装袋シート5を供給する第一包装袋シート供給ライン10と、第二包装袋シート7を供給する第二包装袋シート供給ライン20と、第一包装袋シート5又は第二包装袋シート7とを接合して、連結した包装袋シート9を形成する接合装置30と、この連結した包装袋シート9を搬送する包装袋シート搬送ライン40と、包装袋シート9をカットして一つ一つの包装袋に切り分ける包装袋切り分け部50と、包装袋供給装置1の動作を制御するための制御装置60を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機に包装袋を供給する包装袋供給装置に関し、特に、包装袋が連続してつながってロール状に巻かれた状態で供給される包装袋シートを、包装袋毎に切り分けて順次包装機に供給する包装袋供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造機で製造された紙おむつや生理用ナプキン等の製品を所定の個数単位で包装袋に詰める包装機に順次包装袋を供給する包装袋供給装置が従来から提供されている。このような包装袋供給装置は、包装袋が連続してつながってロール状に巻かれた状態で供給される包装袋シートを切り分けて、順次包装機に包装袋を供給している。
【0003】
ところで、ロール状に巻かれた状態で供給される包装袋シートは、長さが有限であるため、ロールが切れると新しいロールに交換する必要がある。しかし、包装機への包装袋の提供が停止すると、システム全体が停止することになってしまうため、ロール交換時にも包装袋の供給を停止しないようにする必要がある。
【0004】
そこで、従来の包装袋供給装置では、包装袋シートのロールを予め二つセットしておいて、一方のロールが切れたときには、人の手により切れた包装袋シートの終端に他方のロールの包装袋シートの始端をテープで貼り付ける等して二つの包装袋シートをつなぐことで、連続して包装袋シートを供給することが行われている。
【0005】
しかし、手動で包装袋をつなぐためには、作業者が常に装置に張り付いておく必要があり、また、人為的なミスによりロール切れを見逃してしまった場合には、システム全体の停止につながってしまうことが多々あった。
【0006】
他方、包装袋シートではないがロール状に巻かれた単層のシートを連続して供給するために、二つのシートのつなぎを自動的に行う装置が、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−298162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の二つのシートを自動的に接合してつなぐ装置は、単層のシートの始端と終端をテープによる貼り付けや熱溶着シールにより自動でつなぐといっただけで、本発明に係る多層フィルムからなる包装袋シートにそのまま適用することは困難である。
【0009】
例えば、包装袋の外表面には文字や図柄が印刷されているケースが多く、このような場合には、熱溶着シールによって印刷の塗料が溶けるといった不具合や、印刷のコーティング処理が施されているために熱溶着が不十分になり、包装袋の供給が停止してしまうことにもつながりかねない。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、包装袋が連続してつながってロール状に巻かれた状態で供給される包装袋シートを、包装袋毎に切り分けて順次包装機に供給する包装袋供給装置において、ロール切れの際に包装袋の供給を停止することなく包装袋シートの切り替えを自動的に確実に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る包装袋供給装置は、包装袋が連続してつながっている包装袋シートを切り分けて、各包装袋を順次包装機に供給するための包装袋供給装置において、第一ロールから第一包装袋シートを供給する第一包装袋シート供給ラインであって、前記第一ロールが切れたことを検出するための第一ロール切れ検出器と、前記第一包装袋シートの表面を撮影する第一カメラとを有する第一包装袋シート供給ラインと、第二ロールから第二包装袋シートを供給する第二包装袋シート供給ラインであって、前記第二ロールが切れたことを検出するための第二ロール切れ検出器と、前記第二包装袋シートの表面を撮影する第二カメラとを有する第二包装袋シート供給ラインと、前記第一包装袋シート及び前記第二包装袋シートを交互に連結した包装袋シートを下流側に連続して供給するために、前記第一包装袋シートと第二包装袋シートとを一部重畳させた状態で接合する接合装置と、前記連結した包装袋シートを前記接合部の下流側で搬送する包装袋シート搬送ラインと、前記包装袋シート搬送ラインから送られてきた前記連結した包装袋シートを各包装袋に切り分ける包装袋切り分け部と、前記第一ロール切れ検出器及び前記第二ロール切れ検出器の出力から前記第一ロール又は前記第二ロールが切れたことを検出したときに、前記第一カメラ又は第二カメラの撮影画像に基づき、切れた方の第一包装袋シート又は第二包装袋シートを接合用定位置まで搬送して、前記第一包装袋シートと前記第二包装袋シートを前記接合装置により接合させるように制御する制御手段と、を備え、包装袋シートの切り替えを自動で行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、包装袋が連続してつながってロール状に巻かれた状態で供給される包装袋シートを、包装袋毎に切り分けて順次包装機に供給する包装袋供給装置において、ロール切れの際に包装袋の供給を停止することなく包装袋シートの切り替えを自動的に確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る包装袋供給装置の構成を概略的に示す模式図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るメモリに記録されている登録画像を説明するための図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るロールを切り替える際の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る包装袋供給装置について説明する。図1は、本実施形態に係る包装袋供給装置の構成を概略的に示す模式図である。同図に示すように、包装袋供給装置1は、第一包装袋シート5を供給する第一包装袋シート供給ライン10と、第二包装袋シート7を供給する第二包装袋シート供給ライン20と、第一包装袋シート5又は第二包装袋シート7とを接合して、連結した包装袋シート9を形成するための接合装置30と、この連結した包装袋シート9を接合装置30の下流側で搬送する包装袋シート搬送ライン40と、包装袋シート搬送ライン40から搬送されてきた包装袋シート9をカットして一つ一つの包装袋に切り分ける包装袋切り分け部50と、包装袋供給装置1の動作を制御するための制御装置60を有している。
【0015】
なお、本実施形態に係る包装袋シート5,7は、紙おむつ、生理ナプキン、ペットシート等の製品を所定の個数単位で包装するためのフィルム製の包装袋が連続してつながったシートであり、ロール状に巻かれたロール6,8として供給される。包装袋供給装置1は、この包装袋シート5,7を隣接する包装袋の境界部分で切断して切り分け、各包装袋を順次包装機へと供給する。
【0016】
第一包装袋シート供給ライン10は、第一包装袋シート5がロール状に巻かれた第一ロール6を支持しておく第一ロールハンガー11、第一ロール6が切れたことを検出するための第一エンドセンサー12、第一包装袋シート5を支持搬送するための第一駆動ローラー13を含む複数のローラー、接合装置30手前に位置する第一包装袋シート5の一方の外表面(図中上面)を撮影する第一カメラ15、第一包装袋シート5を切断するための第一シートカッター16を備えている。
【0017】
ロール切れ検出器としての第一エンドセンサー12は、当該光電センサーが設置された位置における第一包装袋シート5の有無を光学的に検出することで、第一ロール6が全て巻出されて無くなったことを検出することができる。第一カメラ15は、レール18に移動可能に設置されており、第一包装袋シート5の搬送方向(図中横方向)において移動可能である。
【0018】
第二包装袋シート供給ライン20は、第二包装袋シート7がロール状に巻かれた第二ロール8を支持しておく第二ロールハンガー21、第二ロール8が切れたことを検出するための第二エンドセンサー22、第二包装袋シート7を支持搬送するための第二駆動ローラー23を含む複数のローラー、接合装置30手前に位置する第二包装袋シート7の一方の外表面(図中上面)を撮影する第二カメラ25、第二包装袋シート7を切断するための第二シートカッター26を備えている。
【0019】
ロール切れ検出器としての第二エンドセンサー22は、当該光電センサーが設置された位置における第二包装袋シート7の有無を光学的に検出することで、第二ロール8が全て巻出されて無くなったことを検出することができる。第二カメラ25は、レール28に移動可能に設置されており、第二包装袋シート7の搬送方向(図中横方向)において移動可能である。
【0020】
接合装置30は、第一包装袋シート5と第二包装袋シート7とが重なった部分を両側から挟んで熱溶着シールするシール装置31を備えており、第一包装袋シート5又は第二包装袋シート7の一方の終端部と他方の始端部とを接合して両者を連結することで、第一ロール6又は第二ロール8が切れて無くなった場合でも途切れることなく連結した包装袋シート5,7を下流側に供給することができる。包装袋シート5,7は、ポリエチレンやポリプロピレンのフィルムで形成されており、シール装置31は、熱溶着シールにより第一包装袋シート5と第二包装袋シート7とを熱溶着シールして接合する。
【0021】
包装袋シート5,7は熱溶着シールされるシール領域(接合領域)が定められており、シール装置31は、包装袋シート5,7のシール領域において両者を熱溶着シールする。すなわち、第一包装袋シート5及び第二包装袋シート7の双方のシール領域がシール装置31の所に位置した状態で両者が熱溶着シールされる。
【0022】
ここで、包装袋シート5,7のシール領域は、連続してつながっている包装袋の境界部分である。一般に、フィルム製の包装袋の表側及び裏側の外表面には、文字や図柄が印刷されていると共に印刷が剥げないようにコーティングがされている。したがって、この部分を熱溶着させようとすると、コーティングのために熱溶着しづらく、しっかり接合できなかったり、接合に時間がかかったりしてしまう。また、印刷の塗料が溶け出してしまってシール装置31に付着し、動作不良につながるおそれもある。
【0023】
このような不具合を避けるため、本実施形態では、印刷やコーティングのされていない包装袋の境界部分をシール領域としている。一般に、包装袋の境界部分は、包装機において包装袋内に製品が入れられて袋が熱溶着シールされた後に、余分な部分として廃棄される部分であり、印刷やコーティングされていないため、シール領域に適している。
【0024】
なお、包装袋シート5,7の接合は、熱溶着に限らず、接着剤による接着や粘着テープを貼ること等により行っても良い。但し、包装袋シート5,7は、二層のフィルムから構成されるため、向かい合う一方の面だけを接着したのでは、搬送中にずれたり外れたりしてしまう可能性もある。したがって、本実施形態では、熱溶着により全ての層を強固に接合することが望ましい。
【0025】
包装袋シート搬送ライン40は、段差ローラー41、搬送袋シート9を支持搬送するための複数のローラーを備え、包装袋シート9を包装袋切り分け部50へと搬送する。段差ローラー41では、複数の下段ローラー42,43と複数の上段ローラー44が段差を付けて設置されており、搬送袋シート9は上下方向にジグザグに蛇行しながら搬送される。段差ローラー41の中央寄りの下段ローラー43は、上下動可能に構成されており、両端の下段ローラー42と同じ高さの定位置から上方へ移動することが可能である。
【0026】
このように、下段ローラー43が上下動することで、段差ローラー41内の包装袋シート9の経路長を変更することができ、段差ローラー41の上流側から包装袋シート9の供給がストップしたとしても、下段ローラー43が上方へ移動して段差ローラー41内の経路長が短くなることで、継続して下流側に包装袋シート9を搬送することが可能となる。
【0027】
包装袋切り分け部50は、重畳検知センサー51、包装袋シート9を支持搬送する為の第三駆動ローラー52を含む複数のローラー、包装袋シート9を各包装袋に切り分ける第三シートカッター53、包装袋シート9の重畳した部分が排出される排出部55、第三シートカッター53により切り出されたシートを包装機又は排出部55へと搬送するための搬送ベルト54を有している。
【0028】
重畳検知センサー51は、搬送されてきた包装袋シート9の光透過率を検出するセンサーである。接合装置30における第一包装袋シート5と第二包装袋シート7との接合により重畳した部分は包装袋としては供給できないため、除去する必要がある。重畳してシートが二重になった部分は光の透過率が低くなるため、重畳検知センサー51により光透過率を検出することで、重畳部分を検知することができる。もちろん、カメラで撮影することによる画像認識等、他の方法で包装袋シート9の重畳部分を検出しても良い。
【0029】
第三シートカッター53は、搬送されてきた包装袋シート9を各包装袋の境界部分で切断する。切り出された包装袋は、搬送ベルト54によって包装機へと送られる。また、重畳検知センサー51によって重畳部分であると認識された場合には、第三シートカッター53は、その包装袋と次の包装袋との境界部分は切断せず、二枚つながった状態で切り出し、この切り出された重畳部分の前後の包装袋は、搬送ベルト54によって排出部55へと搬送されて排出される。
【0030】
制御装置60は、エンドセンサー12,22、駆動ローラー13,23,52、カメラ15,25、シートカッター16,26,53、シール装置31、段差ローラー41、重畳検知センサー51、搬送ベルト54と接続されており、これらの部材の動作を制御したり、これらの部材からの出力信号を受信したりするように構成されている。
【0031】
また、制御装置60は、セットされる包装袋シートの製品別の設定情報を記録しておくメモリ61を備えている。製品別の設定情報には、包装袋供給装置1にセットされた各包装袋シートのシール領域がシール装置31の所に位置する時のカメラ15,25による撮影画像である第一及び第二登録画像と、この登録画像を撮影したときのカメラ15,25の位置である第一及び第二撮影位置が含まれる。
【0032】
ここで、この設定情報の設定方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係るメモリに記憶されている登録画像を説明するための図であり、図2(a)が第一登録画像、図2(b)が第二登録画像を示している。
【0033】
製品別の設定情報は、包装袋シート毎に登録されており、最初に設定しておけば、以後同じ製品については登録済みの設定情報を用いることができる。登録の際には、包装袋シートを第一包装袋シート供給ライン10に設置した場合と、第二包装袋シート供給ライン20に設置した場合の双方で設定情報を登録する必要がある。
【0034】
まず、包装袋シートを第一ロールハンガー11にセットした状態で、シートの始端をライン上に引き延ばしてシール装置31の所まで搬送する。次に、当該包装袋シートのシール領域(接合領域)がちょうどシール装置31の所に位置するように微調整する。シール領域がシール装置31の位置に合った状態で、第一カメラ15による撮影を行う。図2(a)は、第一カメラ15により撮影される場所に位置する包装袋シートの上面(表側の外表面)を示しており、四角の点線が第一登録画像として登録される領域を示している。
【0035】
第一登録画像としては、後で画像認識する際に認識し易い特徴的な図柄が望ましい。よって、撮影時には、第一カメラ15をレール18上で移動させ、特徴的な画像が四角い点線内に入るような位置で第一カメラ15を停止させ、撮影を行う。この撮影された画像が第一登録画像、撮影した際の第一カメラ15の位置が第一撮影位置として、メモリ61に登録される。
【0036】
引き続き、同じ包装袋シートを第二ロールハンガー21にセットし、同様に第二登録画像及び第二撮影位置の登録を行う。図2(b)は、第二カメラ25により撮影される場所に位置する包装袋シートの上面(裏側の外表面)を示しており、四角の点線が第二登録画像として登録される領域を示している。一般に、包装袋の表側と裏側では、図柄等が異なるため、第二登録画像として、裏側の外表面の図柄のなかで特徴的な部分を登録すれば良い。
【0037】
このように、各包装袋シートに対して、シール領域がちょうどシール装置31の位置に合った状態の設定情報を登録しておけば、同じ包装袋シートに対しては、後で撮影位置にカメラ15,25を位置させた状態でカメラ撮影画像を監視し、撮影画像が登録画像に一致したときに包装袋シートの搬送を停止させれば、各包装袋シートのシール領域をシール装置31の位置に自動で合わせることができる。
【0038】
以上、包装袋供給装置1の構成について詳細に説明したが、続いて、包装袋供給装置1において、ロールを切り替える際の処理の流れについて説明する。図3は、本実施形態に係るロールを切り替える際の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、第二ロール8が切れて、第一ロール6に切り替える際の流れについて説明する。なお、第一包装袋シート5は、第一ロール6をセットする際に、接合部分がシール装置31の所に位置する接合用定位置に予めセットされているものとする。また、各部材の動作は、メモリ61に記録されている各種制御プログラムを制御装置60が実行することで実現される。
【0039】
まず、第二ロール8に巻かれている第二包装袋シート7が全て巻出されると、S11において、第二エンドセンサー22の検出信号から第二ロール8が切れたことを制御装置60が検知する。ロール切れを検知した制御装置60は、S12において、第二カメラ25の撮影画像に基づいて第二包装袋シート7を接合用定位置まで搬送する。
【0040】
具体的には、S12において制御装置60は、まず第二駆動ローラー23に対して低速駆動するように制御信号を送る。また並行して、制御装置60は、第二カメラ25が第二撮影位置に居ない場合には、第二撮影位置へ移動させる。その後、制御装置60は、低速で搬送される第二包装袋シート7の第二カメラ25による撮影画像が第二登録画像と一致するか否かの監視を開始する。
【0041】
制御装置60が、第二カメラ25の撮影画像が第二登録画像と一致すると判定すると、第二包装袋シート7のシール領域がシール装置31の所まで、すなわち、接合用定位置まで搬送されたことになるので、第二駆動ローラー23の駆動を停止する。
【0042】
一方、第二駆動ローラー23の駆動が低速になったり、停止したりしても、駆動ローラー52は通常通り駆動されているため、S13において、段差ローラー41の下段ローラー43が上昇し始める。通常、下段ローラー43の上昇を検知すると、制御装置60は、駆動ローラー13,23の駆動を開始するが、ロール切り替え作業中には駆動を開始しないように設定されている。これにより、第二包装袋シート7が低速で搬送されるようになったり、搬送袋シート5,7の供給が停止したりした状態でも、後続の包装袋切り分け部50へは通常通りの速度で包装袋シート9を供給し続けることが可能となる。
【0043】
S12において、第二包装袋シート7が接合用定位置まで搬送されると、第一包装袋シート5及び第二包装袋シート7の双方のシール領域がシール装置31の所に位置することになる。したがって、S14に進み、制御装置60の制御によりシール装置31が駆動され、第一包装袋シート5と第二包装袋シート7とがシール領域において熱溶着シールされて連結される。なお、S14では、接合と同時に第二シートカッター26により第二包装袋シート7が切断され、余剰部分が切り離される。
【0044】
続いて、S15では、制御装置60の制御により、駆動ローラー13の駆動が開始され第一包装袋シート5の通常搬送が開始される。第一包装袋シート5の搬送が開始されると、段差ローラー41の下段ローラー43が下降し始め、定位置まで戻ることになる。
【0045】
S15において通常搬送が再開されると、第一包装袋シート5と第二包装袋シート7との接合部分が包装袋切り分け部50へと搬送される。この接合部分では、第二包装袋シート7の終端部分と第一包装袋シート5の始端部分とが重畳しているので、この接合部分を包装機へ供給することなく排出する必要がある。
【0046】
S16において、重畳検知センサー51の検出信号から接合部分(重畳部分)が搬送されてきたことを制御装置60が検知すると、S17に進み、制御装置60が第三駆動ローラー52、第三シートカッター53及び搬送ベルト54を制御して、接合部分を排出部55へと排出するように制御する。
【0047】
以上、包装袋供給装置1におけるロールの切り替え処理について説明したが、続いて、新しい第二ロール8を包装袋供給装置1に新たにセットする場合の手順について説明する。
【0048】
まず、新しい第二ロール8を第二ロールハンガー21にセットし、シートの始端をライン上に引き延ばしてシール装置31の手前まで持ってくる。続いて、作業者が「包装袋シートセット」の指令を制御装置60に出すと、制御装置60は、第二カメラ25を第二撮影位置に移動させると共に、第二カメラ25による撮影画像が第二登録画像に一致するか否かを監視させながら第二駆動ローラー23を低速駆動させて、第二包装袋シート7を搬送する。
【0049】
その後、制御装置60が、撮影画像が第二登録画像に一致したと判定したときに第二駆動ローラー23を停止させれば、第二包装袋シート7のシール領域がシール装置31の位置に合った状態となり、第二ロール8のセットが完了する。そして、供給中の第一ロール6が無くなれば、上記と同様に、制御装置60が第一ロール6(第一包装袋シート5)から第二ロール8(第二包装袋シート7)に自動的に切り替えるように制御する。
【0050】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態によれば、包装袋の供給を停止することなく、自動で包装袋シートの切り替えを行うことができる。また、カメラの撮影画像が登録画像に一致するか否かを監視しながら包装袋シートを搬送し、一致したときに搬送を停止すれば、包装袋シートのシール領域がちょうどシール装置の所に位置することになるので、包装袋シートの接合を確実に行うことが可能となる。また、本実施形態では、製品毎に登録画像及び撮影位置の設定情報を記録しており、包装袋シートが他の製品に交換される場合であっても確実に接合を行うことができる。
【0051】
また、本実施形態においては、包装袋シートが重畳して包装袋としては使用できない接合部分を、重畳検知センサーにより検出して自動的に排出するように構成しているので、人の手を介することなく、全自動で包装袋シートの切り替えが可能である。
【0052】
また、本実施形態においては、第一包装袋シート供給ラインにおける第一カメラでは包装袋シートの表側の外表面を登録画像として設定し、第二包装袋シート供給ラインにおける第二カメラでは包装袋シートの裏側の外表面を登録画像として別々に設定している。したがって、表裏で図柄の異なる包装袋シートであっても確実に接合領域を合わせることができる。
【0053】
なお、本発明の実施形態は上述した形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ロール切れ検出器として光電センサーを用いているが、CCDカメラを用いた画像認識によりロール切れを検出するようにしても良い。
【符号の説明】
【0054】
1 包装袋供給装置
5,7,9 包装袋シート
6,8 ロール
10 第一包装袋シート供給ライン
11,21 ロールハンガー
12,22 エンドセンサー
13,23,52 駆動ローラー
15,25 カメラ
16,26,53 シートカッター
18,28 レール
20 第二包装袋シート供給ライン
30 接合装置
31 シール装置
40 包装袋シート搬送ライン
41 段差ローラー
50 包装袋切り分け部
51 重畳検知センサー
54 搬送ベルト
55 排出部
60 制御装置
61 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋が連続してつながっている包装袋シートを切り分けて、各包装袋を順次包装機に供給するための包装袋供給装置において、
第一ロールから第一包装袋シートを供給する第一包装袋シート供給ラインであって、前記第一ロールが切れたことを検出するための第一ロール切れ検出器と、前記第一包装袋シートの表面を撮影する第一カメラとを有する第一包装袋シート供給ラインと、
第二ロールから第二包装袋シートを供給する第二包装袋シート供給ラインであって、前記第二ロールが切れたことを検出するための第二ロール切れ検出器と、前記第二包装袋シートの表面を撮影する第二カメラとを有する第二包装袋シート供給ラインと、
前記第一包装袋シート及び前記第二包装袋シートを交互に連結した包装袋シートを下流側に連続して供給するために、前記第一包装袋シートと第二包装袋シートとを一部重畳させた状態で接合する接合装置と、
前記連結した包装袋シートを前記接合部の下流側で搬送する包装袋シート搬送ラインと、
前記包装袋シート搬送ラインから送られてきた前記連結した包装袋シートを各包装袋に切り分ける包装袋切り分け部と、
前記第一ロール切れ検出器及び前記第二ロール切れ検出器の出力から前記第一ロール又は前記第二ロールが切れたことを検出したときに、前記第一カメラ又は第二カメラの撮影画像に基づき、切れた方の第一包装袋シート又は第二包装袋シートを接合用定位置まで搬送して、前記第一包装袋シートと前記第二包装袋シートとを前記接合装置により接合させるように制御する制御手段と、
を備え、包装袋シートの切り替えを自動で行うことを特徴とする包装袋供給装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第一ロール又は前記第二ロールが切れたことを検出したときに、切れた方の第一包装袋シート又は第二包装袋シートの接合領域が前記接合装置の所に位置するまで搬送することを特徴とする請求項1記載の包装袋供給装置。
【請求項3】
前記第一包装袋シート及び前記第二包装袋シートの接合領域が前記接合装置の所に位置した状態で前記第一カメラ及び第二カメラにより撮影した第一登録画像及び第二登録画像を記録しているメモリをさらに備え、
前記制御手段は、前記第一ロール又は前記第二ロールが切れたことを検出したときに、前記第一カメラ又は前記第二カメラの撮影画像が前記第一登録画像又は第二登録画像に一致するまで前記第一包装袋シート又は前記第二包装袋シートを搬送することを特徴とする請求項1又は2記載の包装袋供給装置。
【請求項4】
前記メモリは、包装袋シートの種類毎に前記第一登録画像及び第二登録画像を記録していることを特徴とする請求項3記載の包装袋供給装置。
【請求項5】
前記第一カメラ及び前記第二カメラは、前記第一包装袋シート及び第二包装袋シートの搬送方向に移動可能に設置されており、前記メモリは、前記第一登録画像及び前記第二登録画像を撮影したときの前記第一カメラ及び前記第二カメラの第一撮影位置及び第二撮影位置をさらに記録しており、
前記制御手段は、前記第一ロール又は前記第二ロールが切れたことを検出したときに、前記第一カメラ又は前記第二カメラが前記第一撮影位置又は第二撮影位置に位置した状態で前記第一包装袋シート又は前記第二包装袋シートを搬送させるように前記第一カメラ又は前記第二カメラを移動制御することを特徴とする請求項3又は4記載の包装袋供給装置。
【請求項6】
前記包装袋切り分け部は、前記連結した包装袋シートの接合により重畳した部分を検知するための接合部分検出器を有し、
前記制御手段は、前記接合部分検出器が重畳部分を検出したときに、当該重畳部分の前後の包装袋を排出するように前記包装袋切り分け部を制御することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の包装袋供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−251728(P2011−251728A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125976(P2010−125976)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(300077582)株式会社三協システム (6)
【Fターム(参考)】