説明

包装袋

【課題】 簡単な構造で、端部の引き裂きによって、開口部が漏斗状となり、使用の際にこぼすことが少ない、液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋を提供する。
【解決手段】 周縁がシールされた二等辺三角形の中空部を有する袋単体1を、隣接する袋単体1の二等辺三角形の底辺が対向するように配置して帯状に接合する。袋単体1の接合部3にはミシン目などの分離手段を付与する。また、シール部2における二等辺三角形の頂点近傍に、ノッチやスリットなどの引き裂き補助手段を形成し、袋を引き裂いた際に、必要以上に開口部が大きくならないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、粉体または顆粒からなる食品や医薬品を包装するための袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に飲み薬と称される医薬品は、体内で溶解する材料で構成されたカプセルに封入された状態や、錠剤で提供される他、粉末または顆粒状のものを、1回の使用量分量を袋に封入した状態で提供される。また、顆粒状のインスタントコーヒー、グラニュー糖、液状のソースやマヨネーズなどの食品も、1回の使用分毎に小型の袋に封入された状態で提供されることがある。
【0003】
図3は、従来の、液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋の一例を示す図である。図3において、6は袋単体、7はシール部、8は接合部である。このような袋の材質は、パラフィン紙やプラスチック製のフィルムであり、シール部の接合はパラフィン紙にあっては接着剤、プラスチックフィルムにおいては、熱融着などが用いられる。また、通常は、袋単体6の分離の便宜のために、接合部8には、ミシン目などで構成される分離手段が設けられている。また、前記の食品類についても同様である。
【0004】
このような包装袋において、問題となる事項として、医薬品の場合では、袋の形状が四角形であるため、袋の端部を引き裂いて、内容物の医薬品を経口服用する場合に、口腔の外部に医薬品をこぼしてしまうことが挙げられる。これは、普通に手指を用いて包装袋の端部を引き裂くと、開口部の長さが袋の一辺とほぼ同じ長さとなってしまい、開口部が必要以上に広くなってしまうためである。
【0005】
このような問題の対策として、特許文献1には、開口の補助手段として打ち抜き部とノッチを有する包装袋が開示されている。この包装袋においては、開口部が従来の包装袋より狭くなり、服用の際にこぼすことが少なくなる。しかしながら、ここに開示されている包装袋は打ち抜き部を構成するために材料に無駄が生じ、構造が従来よりも複雑になるため、製造コストの増加などの改善の余地がある。
【0006】
【特許文献1】 特開平09−254996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、簡単な構造で、端部の引き裂きによって、開口部が漏斗状となり、使用や服用の際にこぼすことが少ない、液体、粉体または顆粒からなる食品や医薬品を包装するための袋を提供することにある。
【課題を解決する手段】
【0008】
本発明は、前記の課題に鑑み、袋の形状を再検討した結果なされたもので、周縁がシールされてなる二等辺三角形の中空部を有する、液体、粉体または顆粒からなる食品や医薬品を包装するための包装袋であり、当該二等辺三角形の底辺が対向する側に配置され、分離手段を有する接合部を介して、帯状に接合されてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の包装袋においては、二等辺三角形を構成するシール部の少なくとも一箇所に、前記中空部を開口するための引き裂き補助手段を設け、開口部が過度に大きくならないようにすることも可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包装袋においては、内容物を封入する部分が二等辺三角形となっていて、その端部、つまり二等辺三角形の頂点近傍を引き裂くことにより、漏斗状の狭い開口部が形成されるので、内容物を使用したり、経口服用したりする際に、外部にこぼれたり、必要以上に拡がったりすることが極めて少なくなる。
【0011】
また、二等辺三角形の頂点近傍のシール部に、予めノッチやスリットなどからなる引き裂き補助手段を設けておくことにより、所要に位置以外の部分が引き裂かれることが殆どなくなり、必要以上に開口部が広くなることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明の実施の形態について、図を参照しながら具体的に説明する。
【0013】
図1は本発明の包装袋の一例を示す図である。図1において、1は袋単体、2はシール部、3は接合部である。また、図2は袋単体の一例を示す図で、内容物が顆粒状の医薬品である例を示した。図2において、4は引き裂き補助手段、5は粉末状または顆粒状の医薬品である。
【0014】
図1に示したように、本実施の形態の包装袋は、全体の形状が二等辺三角形であり、隣接する袋単体1の底辺が対向する位置となるように配置され接合されている。従って材料の無駄がなく、包装工程は、従来の装置に少々の改造を加えれば、従来と同様に行える。
【0015】
シール部2の形成には、従来と同様に、袋の材質が紙であれば接着などが、プラスチックフィルムであれば熱融着などが用いられ、また、接合部3には、やはり従来と同様にミシン目などの分離補助手段を形成することができる。
【0016】
また、本実施の形態では、引き裂き補助手段4として、頂点近傍の対向する位置にスリットが設けられているので、ここを起点にして引き裂けば、漏斗状の開口部が形成されるので、内容物の医薬品をこぼすことなく、経口服用できる。
【0017】
以上に説明したように、本発明によれば服用の利便性が極めて向上した、液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋を提供することができる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更、たとえば前記実施の形態に記載した引き裂き手段を1箇所にするなどの変更があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明の包装袋の一例を示す図
【図2】 袋単体の一例を示す図
【図3】 従来の、液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋の一例を示す図
【符号の説明】
【0019】
1,6 袋単体
2,7 シール部
3,8 接合部
4 引き裂き補助手段
5 粉末状または顆粒状の医薬品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁がシールされてなる二等辺三角形の中空部を有する、液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋。
【請求項2】
二等辺三角形の底辺が対向する側に配置され、分離手段を有する接合部を介して、帯状に接合されてなることを特徴とする、請求項1に記載の粉末状または液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋。
【請求項3】
二等辺三角形を構成するシール部の少なくとも一箇所に、前記中空部を開口するための引き裂き補助手段を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液体、粉体、顆粒のいずれかの包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−137916(P2010−137916A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336041(P2008−336041)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(509015246)
【Fターム(参考)】