説明

包装装置

【課題】 被包装品の上包み包装において、皺や捲れが生じることなく折り込むことができる包装装置を提供する。
【解決手段】 包材シートが胴巻きされた胴巻き包装品100の包材延出部101を後方折り込み部20及び前方折り込み部30によって折り込む。これら各折り込み部20、30には、包材延出部101を折り込むための小口折りガイド22、33が設けてある。後方折り込み部20の後方小口折りガイド22には斜め前方のエッジ部23が、前方折り込み部30の前方小口折りガイド32には斜め後方のエッジ部33が、それぞれ包材延出部101より突き出るように形成してある。これらエッジ部23、33が包材延出部101の外端縁から接触することにより、包材延出部101は安定して折り込まれていく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、箱形の被包装品を包装紙等の包材シートによって包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、菓子折り包装に代表されるような上包み包装と称される包装形態を形成する包装装置は、特許文献1に示すごとく、従来から周知である。
この種の包装装置は、箱形の被包装品に包材シートを筒状に巻いて胴巻き包装品を形成する胴巻き工程と、胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を前後方向から折り込み、当該包材延出部を上下のフラップに形成する小口折り工程と、上下の各フラップを順次上下方向から折り込んで上包み包装品を形成するフラップ折り工程を経て、上包み包装形態が形成されていく。
【特許文献1】特公昭58−48407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、上記上包み包装形態が形成されるまでの工程のうち、小口折り工程では、小口折りガイドと称する部品が胴巻き包装品の包材延出部に前後方向から接触することによって、当該包材延出部が内側へ折り込まれていく。
ここで、従来の包装装置は、小口折りガイドが短尺に形成されており、胴巻き包装品の包材延出部に対し、その外端縁よりも内側に接触して折りはじめていく構成となっていた。このため、小口折りガイドが接触する部位よりも外側の包材延出部は、小口折りガイドの折進み動作に追従するようにして折り込まれていくものの、何ら折込まれるべき方向に支持案内されているわけではないため、皺や捲れなど生じやすく、包装品質が安定しないとう問題があった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特に、胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を、皺や捲れが生じることなく折り込むことができ、包装品質の安定化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、箱形の被包装品に包材シートを筒状に巻いて胴巻き包装品を形成する胴巻き手段と、当該胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を前後方向から折り込み、当該包材延出部を上下のフラップに形成する小口折り手段と、上下の各フラップを順次上下方向から折り込んで上包み包装品を形成するフラップ折り手段とを含む包装装置であって、
小口折り手段は、胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を折り込む小口折りガイドを含み、かつ当該小口折りガイドの先端が包材延出部よりも外側に突き出す構成としたことを特徴とする。
【0006】
このように、小口折りガイドの先端が包材延出部よりも外側に突き出す構成としたことにより、小口折りガイドが包材延出部の外端縁に接触し、当該包材延出部を折込まれるべき方向に支持案内しながら安定して折り込んでいくことができるので、包装品質が安定する。
【0007】
ここで、小口折りガイドは、包材延出部を後方から折り込む後方小口折りガイドと、同包材延出部を前方から折り込む前方小口折りガイドとを含み、各小口折りガイドの先端が、包材延出部よりも外側に突き出す構成である。
【0008】
さらに、小口折りガイドは、長さ方向に伸縮自在な構成とすることもできる。
このように構成すれば、被包装品の大きさが変わっても、そのサイズ変更に対応して小口折りガイドを伸縮するだけで、その先端が包材延出部よりも外側に突き出す構成とすることができる。
【0009】
さらに、小口折りガイドは、包材延出部に対する折込み角度を調節可能な角度調節機構を備えることもできる。小口折りガイドは、包材延出部の高さ方向中央部付近にまず接触して、ここから折込みをはじめる構成であることが好ましい。このように構成すれば、包材延出部が上下均等に折り込まれて、ほぼ同じ寸法形状のフラップを形成することができる。小口折りガイドに、上記角度調節機構を備えれば、被包装品の大きさが変わっても、そのサイズ変更に対応して小口折りガイドの折込角度を調整するだけで、小口折りガイドを包材延出部の高さ方向中央部付近に接触させて折込みをはじめる構成とすることが可能である。
【0010】
さらに、小口折り手段は、小口折りガイドによって形成された上側のフラップの垂れ下がりを防止する垂れ下がり防止ガイドや、小口折りガイドによって成形された下側のフラップの浮き上がりを防止する浮き上がり防止ガイドを備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を、皺や捲れが生じることなく折り込むことができ、包装品質の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1乃至図13は、本発明の第1の実施形態に係る包装装置を説明するための図である。
まず、図1を参照して包装装置の概要を説明する。包装装置は、被包装品Aの搬送経路に沿って、上流側から胴巻き部1、小口折り部2、フラップ折り部3を備えている。
【0013】
箱形の被包装品Aは、一つ一つ搬送経路に供給され、胴巻き部1において図示しないエレベータによって持ち上げられる。その途中には、包装紙などの包材シートSが一枚一枚供給配置されており、エレベータによって持ち上げられてきた被包装品Aに、包材シートSが上面から逆U字状に巻き付く。被包装品Aの上昇端には図示しない底部折込みガイドが設けてあり、この底部折込ガイドにより、被包装品Aの底面側に包材シートSを折り込む。これにより、被包装品Aに包材シートSを筒状に巻いた胴巻き包装品100ができあがる。この胴巻き部1には、上記エレベータ、包材シート供給機構、底部折込みガイド(いずれも図示せず)を含む胴巻き手段が設けられている。
なお、胴巻き手段は、上述したような構成に限定されるものではなく、種々の方法があることはもちろんである。
図2(a)は胴巻き包装品を拡大して示す図である。同図(a)に示すように、胴巻き包装品100には、その両端面から幅方向に筒状の包材延出部101が延出している。
【0014】
小口折り部2では、胴巻き包装品100の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部101を前後方向から折り込み、当該包材延出部を上下のフラップ102、103に形成する。この小口折り部2には、後述する小口折りガイドを含む小口折り機構(小口折り手段)が設けられている。本実施形態に係る包装装置は、この小口折り機構部分に特徴を有している。よって、その詳細構造は後述する。
図2(b)は、小口折り部2において、包材延出部を上下のフラップに形成された胴巻き包装品を示す図である。胴巻き包装品100の包材延出部101が、前後方向から折り込まれ、同図(b)に示すように、当該包材延出部101の上下部分がフラップ102、103を形成している。
【0015】
フラップ折り部3では、胴巻き包装品100が水平に搬送される過程で、下側フラップ103が胴巻き包装品100の端面側に折り込まれる。次いで、図示しないエレベータによって胴巻き包装品100が持ち上げられる過程で、上側フラップ102が胴巻き包装品100の端面側に折り込まれる。その途中で、上側フラップ102の裏面に糊が塗布され、この糊を介して上側フラップ102が先に折り込まれた下側フラップ103に貼り付けられる。
このフラップ折り部3には、下側フラップ折込みガイド、エレベータ、糊噴射ノズル、上側フラップ折込みガイド(いずれも図示せず)を含むフラップ折り手段が設けられている。
【0016】
図3は、小口折り機構の全体構成を示す平面図であり、図4は、同じく側面図である。
図3に示すように、小口折り機構は、移動機構10と、後方小口折り部20と、前方小口折り部30とを含んでいる。なお、後方小口折り部20及び前方小口折り部30は、胴巻き包装品100の両端面から幅方向にそれぞれ延出した筒状の包材延出部101を折り込むため、左右対称に一対設けられる。
【0017】
図5は、移動機構及び後方折り部の左半分を示す正面図である。
図3乃至図5に示すように、移動機構10は、さらに搬送台11と、ガイドレール12と、ブラケット13と、シャフト14と、移動ベルト15と、第1,第2プッシャ16、17と、を備えている。
搬送台11は、搬送経路に沿って水平配置されており、この搬送台11の上面に胴巻き包装品100が配置される。
ガイドレール12は、搬送台11の両側部に設けられ、搬送経路に沿って延びている。左右の各ガイドレール12には、図5に示すように、それぞれブラケット13が係合しており、各ブラケット13はガイドレール12に案内されて搬送経路に沿って移動可能となっている。
左右のブラケット13は、シャフト14の両端を協働して支持している。また、左右のブラケット13にはそれぞれ移動ベルト15が取り付けてある。移動ベルト15は、ガイドレール12と平行に配設されており、図示しない駆動モータによって前後方向に移動する。そして、この移動ベルト15とともに、各ブラケット13が一体となってガイドレール12上を前後方向に摺動する。
第1プッシャ16は、上部がシャフト14に装着されるとともに、押圧部が搬送台11上の胴巻き包装品100と対向配置してある。シャフト14に装着された第1のプッシャ16は、ブラケット13の前方への移動にともない、胴巻き包装品100を後方から押圧して、同包装品を押し出す。
【0018】
また、第2のプッシャ17は、図4に示すように、シャフト14に基端部が連結された支持棒18の先端に設けてある。第2のプッシャ17は、後述する前方小口折り部20を通過した胴巻き包装品100を、さらに下流へと搬送するための構成要素である。第2のプッシャ17は、支持棒18に対して回動自在に設けられており、ブラケット13とともに後退するときは、上流側にある胴巻き包装品と干渉しない退避位置へ回動する。一方、ブラケット13とともに前進する際は、胴巻き包装品100を押圧する位置まで回動する。第2のプッシャ17の回動は、支持棒18の基部に設けられたシリンダー19によって実行される。
【0019】
後方小口折り部20は、後方支持体21と、後方小口折りガイド22と、後方折上げガイド24と、を備えている。
図3乃至図5に示すように、後方支持体21は上端部がシャフト14に装着してあり、この後方支持体21の外側面に後方小口折りガイド22と、後方折上げガイド24とが設けられている。なお、後方支持体21は、シャフト14に沿って移動可能であり、被包装品の幅に合わせてシャフト14の所定位置に位置決めすることができる。
【0020】
図6は、小口折り機構の後方小口折り部を示す斜視図である。
図6に示すように、後方小口折りガイド22は後方支持体21の下端部に装着してある。後方小口折りガイド22は、下端縁が搬送台11の上面すれすれの位置に配置してあり、この位置から前部が斜め前上に向かって突き出して折り込み用のエッジ部23を形成している。このエッジ部23が胴巻き包装品100の包材延出部101に後方から接触して、同包材延出部101を折り込んでいく。
ここで、エッジ部23の先端は、図7に示すように、包材延出部101よりも外側に突き出す構成としてある。
したがって、図8に示すように、後方小口折り部20を前方へ摺動させていくと、エッジ部23の上方が包材延出部101の外端縁101aに接触する。つづいて、エッジ部23の上方から下方に向かって包材延出部101に徐々に接触し、当該包材延出部101を折込まれるべき方向に支持案内しながら安定して滑らかに折り込んでいくことができる。
【0021】
後方折上げガイド24は、図6に示すように、前方に傾斜角がついた板形状である。後方折上げガイド24は、後方小口折りガイド22の上部に配設してある。この後方折上げガイド24は、後方小口折りガイド22のエッジ部23の基端箇所付近から上方向へ向かう傾斜部25を有している。
上述したように、後方小口折り部20を前方へ摺動させていくと、後方小口折りガイド22のエッジ部23によって、胴巻き包装品100の包材延出部101が折り込まれていく(図8参照)。このとき、胴巻き包装品100の包材延出部101が、上下にそれぞれ折り込まれて、半台形型のフラップ102a、103aが形成されていく。後方折上げガイド24は、上側に折り込まれる包材延出部101を案内支持し、フラップ102aを上方へ起立した状態に配置する(図9参照)。
なお、後方折上げガイド24及び後述する前方折上げガイド34は、被包装品Aの高さ寸法にかかわらず、フラップ102を常に起立させる。フラップ102を起立させることで、被包装品Aの際まで包材延出部101を折り込むことができる。このため、各小口折り部20、30は、被包装品Aの高さ寸法に応じてその構成を変える必要がなくなる。
【0022】
図10は、前方小口折り部を示す斜視図である。
図10に示すように、前方小口折り部30は、搬送台11の上面に固定して配設されている。この前方小口折り部30は、後方小口折り部20と対向して配置してある(図3参照)。
この前方小口折り部30は、前方支持体31と、前方小口折りガイド32と、前方折上げガイド34と、を備えている。前方支持体31は、搬送台31の上面に設置してあり、この前方支持体31に前方小口折りガイド32と、前方折上げガイド34とが装着してある。
【0023】
図10に示すように、前方小口折りガイド32は前方支持体31の下端部に装着してある。前方小口折りガイド32は、下端縁が搬送台11の上面すれすれの位置に配置してあり、この位置から後部が斜め後ろ上方に向かって突き出し、エッジ部33を形成している。
図11に示すように、プッシャ16、17によって搬送されてきた胴巻き包装品100の包材延出部101に、前方から前方小口折りガイド32のエッジ部33が接触して、同包材延出部101が折り込まれていく。ここで、エッジ部33の先端は、後方小口折りガイド22と同様に、包材延出部101よりも外側に突き出す構成としてある。
したがって、胴巻き包装品101を搬送していくと、エッジ部33の上方が包材延出部101の外端縁101aに接触する。つづいて、エッジ部33の上方から下方に向かって包材延出部101に徐々に接触し、当該包材延出部101を折込まれるべき方向に支持案内しながら安定して滑らかに折り込んでいくことができる。
【0024】
前方折上げガイド34は、図10に示すように、後方に傾斜角がついた板形状である。前方折上げガイド34は、前方小口折りガイド32の上部に配設してある。この前方折上げガイド34は、前方小口折りガイド34のエッジ部33の基端箇所付近から上方向へ向かう傾斜部35を有している。
上述したように、胴巻き包装品100を搬送していくと、前方小口折りガイド32のエッジ部33によって、胴巻き包装品100の包材延出部101が折り込まれていく(図11参照)。このとき、胴巻き包装品100の包材延出部101が、上下にそれぞれ折り込まれて、半台形型のフラップ102b、103bが形成されていく。前方折上げガイド34は、上側に折り込まれる包材延出部101を案内支持し、フラップ102aを上方へ起立した状態に配置する(図12参照)。
【0025】
上述した後方小口折り部20と前方小口折り部30は互いに対向配置してあり、後方小口折り部20が前方へ移動して小口折り動作が進む過程で、後方小口折りガイド22が、前方小口折りガイド32の下方位置に入り込むとともに、後方折上げガイド24が前方折上げガイド34の内側に入り込むように、配置調整されている。これにより、後方小口折り部20と前方小口折り部30とが、干渉することなく、小口折り動作を行うことができる。
【0026】
図13は、前方小口折り部に併設した浮き上がり防止ガイド及び垂れ下がり防止ガイドを示す図である。
図13に示すように、前方支持体31には、浮き上がり防止ガイド36と、垂れ下がり防止ガイド37が設けられている。
浮き上がり防止ガイド36は、前方小口折りガイド32のエッジ部33後方に配置される(図3参照)。また、浮き上がり防止ガイド36は、前方支持体31の下部から前方小口折りガイド32の方向に一定の傾斜を付けて装着してある。このため、形成された下側のフラップ103は、浮き上がり防止ガイド36の傾斜面によって浮き上がりが規制される。
【0027】
垂れ下がり防止ガイド37は、前方折上げガイド34の側面で、かつ浮き上がり防止ガイド36の上部に配置してある。垂れ下がり防止ガイド37は、所定の位置から斜め下方向に屈折し、その先端が前方小口折りガイド32の基端箇所付近まで延びている。
被包装品Aを包装する包材シートSが柔軟素材の場合、前方小口折りガイド32で成形された上側のフラップ102は重力により垂れ下がりやすい。フラップ102が垂れ下がると前方折上げガイド34に絡まり、シワを作るおそれがある。垂れ下がり防止ガイド37は、フラップ102の垂れ下がりを阻止して、上述したような不具合を回避することができる。
【0028】
《第2の実施形態》
図14は、本発明の第2の実施形態に係る包装装置の小口折り機構を示す図である。
なお、本実施形態に係る小口折り機構において、先に示した第1の実施形態に係る小口折り機構と同一部分または相当する部分には、同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
本実施形態では、小口折り機構の後方小口折り部20が、後方小口折りガイド22の角度調節機構40と、伸縮機構50とを備えた構成としてある。同様に、前方小口折り部30が、前方小口折りガイド32の角度調節機構と、伸縮機構とを備えた構成としてある。なお、図14には後方小口折り部のみを示しており、以下、図14を参照して後方小口折りガイド22の角度調節機構40と、伸縮機構50とを説明する。
【0029】
角度調節機構40は、折上げガイド接続部材41と、角度調節部材42と、エッジ部接続部材43と、により構成される。また、後方小口折りガイド22とエッジ部23は、別体の部材として構成してある。
折上げガイド接続部材41は、後方折上げガイド24にねじ止め固定してある。また、折上げガイド接続部材41の側面には、第1の角度調節用長孔44が設けてあり、この長孔44に第1の調節用ねじ45が挿入可能である。角度調節部材42には、第1の調節用ねじ45に螺合する第1の雌ねじ孔46及び第2の雌ねじ孔(図示せず)が設けてある。
エッジ部接続部材43は、後方小口折りガイド22のエッジ部23と角度調節部材42とを連結している。また、エッジ部接続部材43には、第2の角度調節用長孔47が設けてあり、この長孔47に第2の調節用ねじ48が挿入可能である。エッジ部接続部材43と角度調節部材42は、取付ねじ49によって締結される。
角度調節機構40は、折上げガイド接続部材41の第1の角度調節用長孔44から第1の調節用ねじ45を嵌め込み、角度調節部材42の雌ねじ孔46でねじ止めされている。また、角度調節機構40は、エッジ部接続部材43の第2の角度調節用長孔47から第2の調節用ねじ48を嵌め込み、角度調節部材42の第2の雌ねじ孔でねじ止めされている。
【0030】
エッジ部23の角度を調節する場合、先に第2の調節用ねじ48を弛めることで、取付ねじ49を支点とした角度調整を行う。この角度調整により、エッジ部23の基端部は後方小口折りガイド22の接点からズレが生じる。このズレを調節するために、次に第1の調節用ねじ45を弛めて、角度調節部材42を移動させる。このようにして、エッジ部23の角度を基端位置を変えずに調節することができる。
【0031】
既述したように、小口折りガイド22、32は、包材延出部101の高さ方向中央部付近にまず接触して、ここから折込みをはじめる構成であることが好ましい。このように構成すれば、包材延出部101が上下均等に折り込まれて、ほぼ同じ寸法形状のフラップ102、103を形成することができる。小口折りガイド22、32に、上記角度調節機構40を備えれば、被包装品Aの大きさが変わっても、そのサイズ変更に対応して小口折りガイド22、32の折込角度を調整するだけで、小口折りガイド22、32を包材延出部101の高さ方向中央部付近に接触させて折込みをはじめる構成とすることが可能である。
なお、角度調節機構40は、上述したような構成に限定されるものではなく、種々の方法があることはもちろんである。例えば、角度調節機構40は、角度調節部材42を除いて、折上げガイド接続部材41及びエッジ部接続部材43によって角度調整してもよい。この場合、角度調節機構40は、両接続部材41、43のどちらか一方にエッジ部23の基端部を支点とする角度調節用長孔を設けることで角度調節することができる。
【0032】
伸縮機構50は、固定部51と伸縮部52の二部品によってエッジ部23が形成されている。固定部51には、側面上部に伸縮用長孔53が設けられ、調節用ねじ54が挿入可能である。伸縮部52には、調節用ねじ54に螺合する雌ねじ孔55が設けてある。伸縮機構50は、固定部51の伸縮用長孔53から調節用ねじ54を嵌め込み、伸縮部52の雌ねじ孔55によってねじ止めしている。エッジ部23の寸法を変更したい場合、調節用ねじ54を弛めることで、伸縮部52はエッジの突き出している斜め前上方向に伸縮することができる。
【0033】
図15は、本発明の第2の実施形態の後方小口折りガイドを示す正面図であり、(a)及び(b)は形状が異なる被包装品である。
包装装置による包装品の成形は、包装装置の幅寸法との関係で被包装品Aの大きさに一定の制限がある。すなわち、図15に示すように、被包装品Aの幅寸法Lと左右対称の後方小口折りガイド22の幅寸法Eとの総和は、装置の幅寸法に応じて一定の最大幅領域が決定される。
【0034】
図15(a)に示すように、被包装品Aの高さ寸法Hが低い場合は、エッジ部23の幅寸法Eを短縮して、最大幅領域内で幅寸法Eが短縮する前の幅寸法Lより長い寸法の被包装品Aに対応することができる。また、図15(b)に示すように、被包装品Aの幅寸法Lが短い場合は、エッジ部23の幅寸法Eを伸張して、最大幅領域内で幅寸法Eが伸張する前の高さ寸法Hよりも高い寸法の被包装品Aに対応するすることができる。
したがって、伸縮機構50により、被包装品Aの対応可能なサイズ範囲をいっそう広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】包装装置の包装工程を示す概略図である。
【図2】胴巻き包装品を拡大して示す図であり、(a)はフラップ成形前、(b)はフラップ成形後である。
【図3】小口折り機構の全体構成を示す平面図である。
【図4】小口折り機構の全体構成を示す側面図である。
【図5】移動機構及び後方折り部の左半分を示す正面図である。
【図6】小口折り機構の後方小口折り部を示す斜視図である。
【図7】後方小口折り部の動作を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】後方小口折り部の動作を示す斜視図であり、(a)は動作状態、(b)は胴巻き包装品の状態である。
【図9】後方小口折り部の動作を示す斜視図であり、(a)は動作状態、(b)は胴巻き包装品の状態である。
【図10】小口折り機構の前方小口折り部を示す斜視図である。
【図11】前方小口折り部の動作を示す斜視図であり、(a)は動作状態、(b)は胴巻き包装品の状態である。
【図12】前方小口折り部の動作を示す斜視図であり、(a)は動作状態、(b)は胴巻き包装品の状態である。
【図13】浮き上がり防止ガイド及び垂れ下がり防止ガイドを示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る包装装置の小口折り機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態の後方小口折りガイドを示す正面図であり、a)及び(b)は形状が異なる被包装品である。
【符号の説明】
【0036】
1:胴巻き部、2:小口折り部、3:フラップ折り部、
10:移動機構、11:搬送台、12:ガイドレール、13:ブラケット、
14:シャフト、15:移動ベルト、16:第1プッシャ、17:第2プッシャ、
18:支持棒、19:シリンダー、
20:後方小口折り部、21:後方支持体、22:後方小口折りガイド、
23:エッジ部、24:後方折上げガイド、25:傾斜部、
30:前方小口折り部、31:前方支持体、32:前方小口折りガイド、
33:エッジ部、34:前方折上げガイド、35:傾斜部、
36:浮き上がり防止ガイド、37:、垂れ下がり防止ガイド、
40:角度調整機構、41:折上げガイド接続部材、42:角度調節部材、
43:エッジ部接続部材、44:第1の角度調節用長孔、45:第1の調節用ねじ、
46:第1の雌ねじ孔、47:第2の角度調節用長孔、48:第2の調節用ねじ、
49:取付ねじ、
50:伸縮機構、51:固定部、52:伸縮部、53:伸縮用長孔、54:調節用ねじ、
55:雌ねじ孔、
100:胴巻き包装品、101:包材延出部、101a:外端縁、
102:フラップ(上側)、103:フラップ(下側)、
A:被包装品、D:突出部、E:幅寸法(エッジ部)、H:高さ(被包装品)、
L:幅寸法(被包装品)、S:包材シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形の被包装品に包材シートを筒状に巻いて胴巻き包装品を形成する胴巻き手段と、当該胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を搬送方向の前後方向から折り込み、当該包材延出部を上下のフラップに形成する小口折り手段と、前記上下の各フラップを順次上下方向から折り込んで上包み包装品を形成するフラップ折り手段とを含む包装装置であって、
前記小口折り手段は、前記胴巻き包装品の両端面から幅方向に延出した筒状の包材延出部を折り込む小口折りガイドを含み、かつ当該小口折りガイドの先端が前記包材延出部よりも外側に突き出す構成としたことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記小口折りガイドは、前記包材延出部を後方から折り込む後方小口折りガイドと、同包材延出部を前方から折り込む前方小口折りガイドとを含み、各小口折りガイドの先端が、前記包材延出部よりも外側に突き出す構成であることを特徴とする請求項1の包装装置。
【請求項3】
前記小口折りガイドは、延出する長さ方向に沿って伸縮自在であることを特徴とする請求項1又は2の包装装置。
【請求項4】
前記小口折りガイドは、前記包材延出部に対する折込み角度を調節可能な角度調節機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記小口折り手段は、前記小口折りガイドによって形成された上側のフラップの垂れ下がりを防止する垂れ下がり防止ガイドを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装装置。
【請求項6】
前記小口折り手段は、前記小口折りガイドによって成形された下側のフラップの浮き上がりを防止する浮き上がり防止ガイドを備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−327644(P2006−327644A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155321(P2005−155321)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】