説明

化合物および標識抗体

【課題】発光量の大きい化合物を提供する。
【解決手段】本発明にかかる化合物は、下記一般式(1)で表される。
【化1】


(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは、炭素数6〜12のアリール基の置換または未置換のものを表し、Rは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Rは、窒素を含み、カルボニル結合またはチオエーテル結合によってスクシンイミド基に結合する有機基を表し、Xは、対イオンを表し、nは、1〜7の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物および標識抗体に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査において、イムノアッセイ(IA)が普及している。IAの種類としては、発光検出器を用いる化学発光免疫測定法(CLIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、蛍光検出器を用いる蛍光免疫測定法(FIA)、分光光度計を用いる酵素免疫測定法(EIA)、ラテックス免疫測定法(LATA)、免疫比濁測定法(TIA)、放射性同位元素を用いるラジオイムノアッセイ(RIA)などがある。
【0003】
近年EIAやCLIAなどのRI(放射性同位体)を使用しない手法が進展したことにより、RI専用施設を有さない医療機関でも比較的容易にIAを行うことが可能になってきた。これにより、例えば、腫瘍マーカーを用いる検査やC型肝炎の抗体価の検査などは、専用施設のない病院や医院において実施できるようになってきた。また、CLIAは、分光光度計や蛍光検出器を用いるEIAやFIAに比較して、光源や励起光を必要とせず、また、よりシンプルな発光検出器を用いる。そのため、CLIAは、EIAやFIAに比較して、検出信号のS/N比が大きく、高感度な測定が可能となっている。
【0004】
一方、イムノアッセイには、診断薬等と称する試薬が用いられる。このような試薬は、検査項目ごとにそれぞれ特定の機能を果たし、例えば、抗体と標識物質を結合させたものなど、これまでに多くの種類の診断薬が開発されてきた。このような診断薬のうち、CLIAには、化学発光物質を標識物質とした診断薬が用いられる。化学発光物質からの発光は、蛍光物質からの蛍光に比較して強度が大きい。したがって、CLIAと化学発光物質を標識物質との組合せは、CLIAの検出感度と、化学発光物質の発光強度とが相乗し、より高感度のIAが可能となる等の理由で関連学会等における評価が高い。そして、このような組合せは、腫瘍マーカー、甲状腺等のホルモン、感染症、アレルギー等の診断に好適に用いられている。
【0005】
さらに、CLIAでは、比較的低分子量の化学発光物質を抗体に結合させた試薬を使用することが多い。これに対して例えば、EIAの場合は、酵素のような比較的高分子量の物質を抗体に結合させた試薬を使用することが多い。そのため、CLIAは、EIAに比較して、検査対象を薬物のような低分子からホルモンなどの高分子(タンパク質、核酸、抗体、細胞、ウイルスなど)まで広げうる点でも有利であるとされている。
【0006】
従来から使用されてきた化学発光物質としては、ルミノール、過シュウ酸エステル、アクリジニウムエステル、アダマンチルエステルなどが知られている。これらの化学発光物質の量子収率は、アダマンチルエステルの一種である3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3”−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン・2ナトリウム塩(AMPPD:商標)が0.0019、ルミノールが0.017、アクリジニウムエステルが0.12といわれている。そのため、これらのうちでもアクリジニウムエステルを用いたCLIAは、他の化学発光物質を用いたCLIAよりもより高感度化できるものと期待されている。
【0007】
このようなアクリジニウムエステルとしては、例えば、10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウム塩や、この化合物のフェニル基に置換基を導入した化合物、あるいは窒素に結合しているメチル基に置換基を導入した化合物などのアクリジニウムエステル誘導体が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2009, 47, 2453.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、イムノアッセイの感度は高いほど望ましく、さらに高感度なイムノアッセイの開発が求められている。そのため、より大きい発光量を示す化学発光物質の開発が望まれている。
【0010】
上述した従来のアクリジニウムエステル誘導体は、アダマンチルエステルやルミノール等と比較すれば発光量が大きいものの、前記要求に応えるには、未だ十分とはいえない段階である。
【0011】
また従来提案されているアクリジニウムエステル誘導体を標識物質として抗体を結合させた試薬を製造する場合において、抗体を結合させる反応を行うときに、抗体の活性に作用するアミノ基に影響を及ぼすことがあった。そのため、抗体が失活して試薬としての機能を損なうことや、反応における再現性が確保できないといった問題もあった。
【0012】
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、発光量の大きい化合物、および標識抗体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0014】
[適用例1]
本発明にかかる化合物の一態様は、
下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは、炭素数6〜12のアリール基の置換または未置換のものを表し、Rは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Rは、窒素を含み、カルボニル結合またはチオエーテル結合によってスクシンイミド基に結合する有機基を表し、Xは、対イオンを表し、nは、1〜7の整数を表す。)
本適用例の化合物は、発光量が大きく、例えば、イムノアッセイに用いる試薬として好適である。
【0017】
[適用例2]
適用例1において、
前記一般式(1)中、前記Rは、下記式(2)で表される基であることができる。
【0018】
【化2】

【0019】
[適用例3]
適用例1において、
前記一般式(1)中、前記Rは、下記式(3)で表される基、下記式(4)で表される基、および下記式(5)で表される基から選択される一種の基であることができる。
【0020】
【化3】

【0021】
【化4】

【0022】
【化5】

【0023】
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、
前記一般式(1)中、前記Rは、マレイミド基を含む置換基を有したフェニル基であることができる。
【0024】
本適用例の化合物は、発光量が大きく、さらに、抗体との結合させるときに、再現性よく安定した結合モル比で反応させることができる。
【0025】
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、
前記一般式(1)中、前記Rは、カルボニル基を含む置換基を有したフェニル基であることができる。
【0026】
本適用例の化合物は、発光量が大きく、さらに、抗体との結合させるときに、再現性よく安定した結合モル比で反応させることができる。
【0027】
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例において、
前記一般式(1)中、下記式(6)で表される基は、アクリジン環の2位または3位に結合していることができる。
【0028】
【化6】

【0029】
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例において、
前記一般式(1)中、nは、1であることができる。
【0030】
[適用例8]
本発明にかかる標識抗体の一態様は、
適用例1ないし適用例7のいずれか一例に記載された化合物に、
IgG抗体およびFabプライム抗体の少なくとも一種が化学結合されたことを特徴とする。
【0031】
本適用例の標識抗体によれば、発光量が大きく、高感度なイムノアッセイを行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の化合物は、発光量が大きい。そのため、本発明の化合物は、標識抗体試薬としたときに、イムノアッセイの感度およびS/N比の少なくとも一方を向上させることができる。また、本発明の化合物によれば、抗体に結合させる際に、抗体フラグメントのFab’のみに結合させることが可能である。そのため、本発明の化合物は、反応結合率を均一とすることができ、製造も比較的容易である。
【0033】
本発明の化合物、標識抗体、および標識抗体試薬は、化学発光法を用いるイムノアッセイ(例えばCLIA)における発光物質として好適であり、化学発光を用いて安定に精度よく目的物質を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】前駆体の化合物1の13C NMRスペクトル。
【図2】前駆体の化合物1のH NMRスペクトル。
【図3】前駆体の化合物1のIRスペクトル。
【図4】前駆体の化合物1のMassスペクトル。
【図5】実施例1の化合物のH NMRスペクトル。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。さらに、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0036】
1.化合物
本実施形態にかかる化合物は、下記一般式(1)で表される。
【0037】
【化7】

【0038】
一般式(1)中、Rは、炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基であり、好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基であり、特に、メチル基、エチル基が原料入手の容易さという点で好ましい。
【0039】
一般式(1)中、Rは、炭素数6〜12のアリール基の置換または未置換のものである。
【0040】
アリール基とは、芳香環に結合する水素原子が1個離脱して生じる基のことを指している。この芳香環としては、例えば、ベンゼン環、シクロペンタジエン環、シクロオクタテトラエン環等の単環炭化水素、ナフタレン環、インデン環、ビフェニレン環等の縮合多環炭化水素、およびこれらの環の環員が、酸素、硫黄、窒素等によって単数または複数置換された複素環を挙げることができる。さらに、この芳香環は、全体が共役系を構成していなくてもよく、スピロ構造や多環系環集合を構成していてもよい。さらには、この芳香環は、複数の上記芳香環が、単数または複数のメチレン結合、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホニル結合等によって互いに結合された構造であってもよい。
【0041】
一般式(1)中、Rのアリール基が有する置換基としては、特に制限がないが、メチル基、エチル基のようなアルキル基、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基が挙げられ、このような置換基は、各種の官能基を有していてもよい。さらにこれらの置換基は、上記アリール基に単数、または複数導入されることができる。
【0042】
置換基が有することができる官能基としては、特に制限されず、例えば、マレイミド基、カルボニル基、エーテル基、水酸基、アミノ基などが挙げられる。これらのうち、置換基が官能基としてマレイミド基またはカルボニル基を有していれば、これらの基は、抗体やタンパク質との結合反応に利用することができるためより好ましい。
【0043】
一般式(1)中、Rの具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられる。また、一般式(1)中、Rの具体例としては、下記式(7)で表される基、および下記式(8)で表される基を挙げることができる。
【0044】
【化8】

【0045】
【化9】

【0046】
一般式(1)中、Rは、炭素数2〜6の直鎖状あるいは分岐状のアルキレン基であり、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、特に、−CHCH−、−CHCHCH−が水溶性を高めるという点から好ましく、また、繰り返し数nは、1〜7の整数であり、好ましくは1〜3が、特に1が、良好な結晶を与えるという点で好ましい。
【0047】
一般式(1)中、Rは、窒素を含み、カルボニル結合またはチオエーテル結合によってスクシンイミド基に結合する有機基を表す。なお、カルボニル結合とは、「>C=O」のことを指し、チオエーテル結合とは、「−S−」のことを指す。また、チオエーテル結合は、スルフィド結合とも称することができる。
【0048】
有機基の具体例としては、下記式(2)で表されるN−メチルカルバモイル基、下記式(3)、下記式(4)および下記式(5)で表される基などが挙げられる。
【0049】
【化10】

【0050】
【化11】

【0051】
【化12】

【0052】
【化13】

【0053】
なお、一般式(1)中、下記式(6)で表される置換基は、アクリジン環の2位または3位に結合していることが好ましく、特に2位であることが、発光量の増大という点でさらに好ましい。
【0054】
【化14】

【0055】
また、一般式(1)中、X(−)は、対イオンを示し、例えば、I、FSO、CHSOなどがあげられる。これらの対イオンのうち、FSOは、化合物が結晶する際に、良好な結晶を形成しやすく、また、その結晶の水への溶解性が良好となるためより好ましい。
【0056】
なお、本実施形態の化合物の発光量は、各種公知の装置で測定することができる。発光量は、標準となる物質に対する相対的な値として評価されることが通常である。一般には、試料の濃度、測定装置のダイナミックレンジ等の条件を適宜選択すれば、標準物質に対する相対的な値は、試料濃度に対して直線性を有する。そのため、例えば、濃度、温度、観測方法等の測定系が異なる場合でも、基準物質(対象物質:リファレンス)を適宜設定することにより、目的化合物(試料)の発光量を、標準物質の発光量の相対値として再現性よく見積もることができる。試料の希釈溶媒についても、化合物の発光部位への影響を考慮すれば、特に制限されない。
【0057】
2.化合物の製造方法
本実施形態の化合物は、例えば、マレイミド基を有するアクリジン系のエステル類(アクリジニウムエステル誘導体)を合成した後、アクリジンの窒素をアルキル化(4級化)し、さらにマレイミド基の炭素−炭素二重結合にアルデヒド基またはチオール基を付加することにより製造することができる。以下に、本実施形態の化合物の製造方法の一例を説明する。
【0058】
まず、マレイミド基を有するアクリジニウムエステル誘導体として、式(9)で示される化合物(2−(3−(2,5−ジオキソ−2H−ピロール−1(5H)−イル)プロポキシ)−10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウム スルホフルオリデート)の具体的な合成法を一例としてスキームと共に示す。
【0059】
【化15】

【0060】
【化16】

【0061】
上記合成スキームを用いて、マレイミド基を有するアクリジニウムエステル誘導体を合成する場合には、例えば、化合物2を合成する際のスペーサーとなる化合物、化合物6を合成する際のエステル化される化合物、および、窒素をアルキル化して化合物1を合成する際のアルキル化剤、をそれぞれ適宜選択して用いることにより、一般式(1)のn、R、およびRに対応する構造をそれぞれ独立して変化させることができる。
【0062】
また、アクリジニウム環の3位に置換基を有する誘導体は、例えば、下記の化合物2’を原料として、同様に合成することができる。
【0063】
【化17】

【0064】
そして、得られたアクリジニウムエステル誘導体のマレイミド基の炭素−炭素二重結合にカルボニル基またはチオール基を有する化合物を付加することにより、マレイミド基の炭素−炭素二重結合が単結合となって、スクシンイミド基に変換されるとともに、Rを導入することができる。また、得られたアクリジニウムエステル誘導体のマレイミド基に、Rとして、N−メチルカルバモイル基を導入する場合には、得られたアクリジニウムエステル誘導体をN,N−ジメチルホルムアミド、または、N−メチルホルムアミドと反応させる方法を用いることもできる。さらに、得られたアクリジニウムエステル誘導体の、Rにマレイミド基を有する置換基が含まれる場合は、適宜、マスキング等の公知の手法を用いて、所望の化合物が得られるように反応を行うことができる。
【0065】
以上の反応スキームにより、本実施形態の一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
【0066】
3.標識抗体
本実施形態の化合物は、発光量が大きい。そのため、本実施形態の化合物を標識として導入した化合物によれば、例えば、CLIAにおける測定感度を向上させることができる。このような化合物としては、本実施形態の化合物と、認識部位とを結合させたものが挙げられる。本実施形態の化合物は、各種の方法で認識部位と結合させることができる。
【0067】
抗原認識部位としては、タンパク質(抗体、酵素など)、核酸、糖鎖などを例示することができる。また、抗体としては、各クラスおよびサブクラスの免疫グロブリン(Ig:IgG、IgM、IgA、IgD、IgEなど)が挙げられ、これらのフラグメント(Fab、F(ab’)、Fab’など)であってもよい。またモノクローナル抗体を用いてもよく、さらに、由来動物種やフラグメント化の方法も特に制限されない。
【0068】
本実施形態の化合物と、抗体とを結合させた標識抗体に用いる抗体としては、メルカプト基を有するものが好ましく、このような抗体としては、抗体を還元して得られる、H鎖とL鎖の二量体であり補体結合部位等が残っているいわゆる還元型抗体、あるいは、抗体をペプシンで消化し、次いで、温和な条件下で還元剤で処理して得られる、いわゆるFab’フラグメントを用いることが好ましい。
【0069】
また、本実施形態の一般式(1)で表される化合物の式中、Rが、マレイミド基を含む置換基を有するアリール基である場合、または、Rが、カルボニル基を含む置換基を有するアリール基である場合には、当該基と、タンパク質中のチオール基(メルカプト基)との反応をより容易に行うことができる。また、この反応は、抗体等の生物活性に必要な部位(抗原認識部)にあるアミノ基と反応することが抑制されるため、抗体等の特異性の低下や失活を抑制することができる。また、一般に抗体中にはアミノ基が多数存在するが、この反応を利用すれば、一定の結合モル比で抗体と本実施形態の化合物とを結合させることができ、再現性を確保することができる。
【0070】
本実施形態の標識抗体は、抗体の抗原に対する特異性を考慮して、化合物に結合させる抗体を適宜選択することができる。これにより、化学発光を利用した腫瘍マーカーやC型肝炎抗体価検査など種々の臨床検査に使用することができる。
【0071】
本実施形態の化合物による抗体の標識、すなわち化合物と抗体との結合は、通常のアミノ基を介する結合方法とほぼ同様に行うことができるが、例えば、以下のような条件下で反応させることが好ましい。
【0072】
例えば、反応としては、本実施形態の化合物が不安定となるアルカリ性溶液を避け、pH=5〜7、好ましくはpH=6〜6.5の水溶液中で、温度1〜37℃、好ましくは4〜10℃で、30分から48時間、好ましくは30分から20時間程度で行うことができる。そして、得られた溶液からゲルろ過クロマトグラフィーなどで未反応物質を除去することにより、本実施形態の化合物で標識された抗体(標識抗体)を得ることができる。
【0073】
このようにして合成された、本実施形態の標識抗体は、従来のものに比べ、発光量が大きく化学発光分析の有効な標識物質となることができる。
【0074】
4.実施例
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0075】
4.1.前駆体の合成
まず、上記実施形態で述べた合成スキームに従い、前駆体として、式(9)で示される化合物1を合成した。合成スキームに示される各化合物の合成について、以下に、順を追って説明する。
【0076】
(1)化合物3の合成
化合物2(3.68g、13.2mmol)を塩化メチレン(100ml)に溶解し、氷冷撹拌下にジイソプロピルエチルアミン(4.60ml、26.4mmol)とクロロメチルメチルエーテル(4.60ml、15.8mmol)を加えた。5分後、冷却バスをはずして室温下に30分間撹拌し、さらに1時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却してから減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100g、ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して化合物3を得た(3.30g、10.2mmol、77%)。
【0077】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.54(d,J=8.8Hz,2H)、6.80(d,J=8.8Hz,2H)、4.62(s,2H)、4.04(t,J= 6.0 Hz,2H)、3.70(t,J=6.0Hz,2H)、3.34(s,3H)、2.06(quin,J=6.0Hz,2H); EI−MS calcd for C1115IO 322.0、found 322.0。
【0078】
(2)化合物4の合成
イサチン(1.00g、6.8mmol)を窒素気流下ジメチルホルムアミド(35ml)に溶解し、水素化ナトリウム(〜70%、0.28g、8.20mmol)を加えて室温下に30分間撹拌した。ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した化合物3(3.30g、10.2mmol)を加えてさらに160℃で14時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却してからクロロホルム(80ml)で希釈し、セライトろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル130g、ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して化合物4を得た(2.1g、6.1mmol、90%)。
【0079】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.68(dd,J=7.2,0.8Hz,1H)、7.52(dt,J=8.0,1.6Hz,1H)、7.31(d,J=9.2Hz,2H)、7.15(dt,J=7.2,0.8Hz,1H)、7.06(d,J=9.2Hz,2H)、6.83(d,J=8.0Hz,1H)、4.65(s,2H)、4.13(t,J=6.4Hz,2H)、3.74(t,J=6.4Hz,2H)、3.37(s,3H)、2.11(quin,J=6.4Hz,2H); EI−MS calcd for C1919NO 341.4、found 341.1。
【0080】
(3)化合物5の合成
封管中に入れた化合物4(0.74g、2.17mmol)を10%水酸化カリウム水溶液(7.5ml)とともに160℃で4時間加熱撹拌した。反応溶液を室温まで冷やした後に氷冷し、濃塩酸を用いてpH2まで酸性化した。生じた黄色析出物を吸引ろ過により集めて水洗、乾燥し、化合物5を得た(0.69g、2.02mmol、93%)。
【0081】
EI−MS calcd for C1919NO 341.1、found 341.2。
【0082】
(4)化合物6の合成
化合物5(0.69g、2.02mmol)をピリジン(15ml)に溶解し、氷冷撹拌下トシルクロリド(0.77g、4.04mmol)を加えた。15分後、フェノールのピリジン溶液(1.0M、4.0ml)を加え、室温にて24時間撹拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、トルエン共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル25g、ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して化合物6を得た(黄色結晶、mp114−115℃:0.73g、1.75mmol、87%)。
【0083】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 8.26(m,1H)、8.19(m,2H)、7.76(m,1H)、7.63(m,1H)、7.53(m,3H)、7.44(m,2H)、7.37(m,2H)、4.64(s,2H)、4.25(t,J=6.8Hz,2H)、3.77(t,J=6.0Hz,2H)、3.34(s,3H)、2.17(quin,J=6.0Hz,2H); 13C NMR(CDCl,100MHz)δ 166.24、157.72、150.45、146.80、146.02、132.74、131.61、130.06、129.85、129.09、127.55、126.58、125.97、124.32、123.72、122.78、121.39、100.60、96.43、65.02、63.88、55.15、29.35; IR(KBr、cm−1)2888、1751、1623、1457、1218、1168; Elemental Analalysis calcd: C 71.93、H 5.55、N 3.36、found: C 71.96、H 5.58、N 3.39。
【0084】
(5)化合物7の合成
窒素気流下に化合物6(1.25g、3.0mmol)を塩化メチレン(10ml)に溶解し、エタンチオール(0.89ml、12.0mmol)を加えて−12℃で撹拌した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(4.13ml、15.0mmol)を10分間かけて滴下し、冷却浴をはずして室温にて30分間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(200ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液(150ml)で中和、洗浄した。水層はさらに酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。全ての有機層をあわせて飽和食塩水(100ml)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥してから減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル100g、クロロホルム/酢酸エチル=4/1)で精製して化合物7を得た(黄色結晶、mp167−168℃:1.11g、2.98mmol、99%)。
【0085】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 8.27(d,J=8.8Hz,1H)、8.19(m,2H)、7.78(m,1H)、7.64(m,1H)、7.50−7.36(m,7H)、4.29(t,J=6.0Hz,2H)、3.93(t,J=6.0Hz,2H)、2.15(quin,J=6.0Hz,2H); IR(KBr、cm−1)3305、2950、1743、1461、1176; EI−MS calcd for C2319NO 373.1、found 373.3; Elemental Analalysis calcd: C 71.67、H 4.46、N 6.19、found: C 71.39、H 4.36、N 6.12。
【0086】
(6)化合物8の合成
化合物7(93.3mg、0.25mmol)をテトラヒドロフラン(7ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(131.1mg、0.50mmol)とマレイミド(145.6mg、1.50mmol)を加えて窒素気流下に−23℃で冷却撹拌した。アゾジカルボン酸ジエチル(40%トルエン溶液、0.227ml、0.50mmol)を5分間で滴下し、20分間同温度で撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1ml)を加えてから室温に昇温させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(7ml)をさらに加えて酢酸エチル(15ml)で3回抽出した。全ての有機層をあわせて飽和食塩水(10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥してから減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル30g、ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して化合物8を得た(黄色結晶、mp165−166℃:82.0mg、0.18mmol、72%)。
【0087】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 8.27(d,J=8.8Hz,1H)、8.20(m,2H)、7.79(m,1H)、7.66(m,1H)、7.60−7.32(m,7H)、6.71(s,2H)、4.16(t,J=6.0Hz,2H)、3.82(t,J=6.8Hz,2H)、2.21(quin,J=6.8Hz,2H); IR(KBr、cm−1) 1751、1708、1450、1407、1218、1172; EI−MS calcd for C2720 452.1, found 452.2; Elemental Analalysis calcd: C 73.98、H 5.13、N 3.75、found: C 73.71、H 5.02、N 3.68。
【0088】
(7)化合物1の合成
化合物8(1.65g、3.65mmol)を塩化メチレン(36ml)に溶解し、窒素気流中室温撹拌下にフルオロスルホン酸メチル(1.76ml、21.9mmol)を加えて、さらに室温にて24時間撹拌した。無水エーテル(100ml)を加えて80分間撹拌し、析出した結晶を吸引ろ過して無水エーテルで洗浄後、乾燥した。得られた結晶を水−アセトン−ジエチルエーテルから再結晶し、化合物1(黄色結晶、mp150℃〜dec.:1.50g、2.52mmol、69%)を得た。
【0089】
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 8.89(dd,J=10.0、3.6Hz、2H)、8.55(d,J=8.4Hz,1H)、8.45(m,H)、8.13(m,2H)、7.67(m、4H)、7.47(m,2H)、7.02(s,2H)、4.93(brs,3H),4.35(t,J=6.0Hz,2H)、3.68(t,J=6.0Hz,2H)、2.11(t,J=6.0 Hz,2H);13C NMR(DMSO−d,100 MHz)δ 171.25、163.70、157.90、149.54、143.39、140.04、139.05、137.5,134.65、133.28、130.32、129.98、127.54、126.82、124.09、122.82、122.13、121.86、119.96、102.58、66.98、34.47、30.74、27.53; IR(KBr、cm−1)1752、1706、1627、1284、1203; ESI−MS calcd for C2823 467.1、found 467.2; Elemental Analalysis calcd: C 59.49、H 4.40、N 4.70、F 3.19、S 5.38、found: C 59.42、H 4.45、N 4.48、 F 3.02、 S 5.22。
【0090】
得られた化合物1のNMR(H、13C)、IRおよびMassのスペクトルを図1〜4に示した。得られた化合物1を各実施例の化合物の前駆体(式(9))とした。
【0091】
4.2.実施例1の化合物の合成
得られた化合物1(前駆体)を、N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社製、分光分析用)に溶解し、常圧で冷暗所に1週間静置し、一般式(1)の化合物(以下、実施例1の化合物という。)を合成した。なお、生成した実施例1の化合物は、Rがメチル基、Rがフェニル基、Rがエチレン基、nが1である。
【0092】
得られた化合物1(前駆体)を、N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社製、分光分析用)に溶解し1mM溶液を調整し、常圧で4℃冷暗所に保存しておくと発光量が増加することを見出した。この発光量は徐々に増加して2週間ほどでほぼ6倍となった。この発光量の増加は、溶液の濃度が低濃度であるほど顕著に認められることが分かった。また、4mM溶液では発光量の増加傾向は小さくなることを確認した。そこで効率的に発光増加物質を生成させるために、1mM溶液を4℃冷暗所(冷蔵庫)に数ヶ月保存して発光増加物質(実施例1の化合物)を合成した。その後、この溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて発光増加物質成分を分取、精製して、実施例1の化合物を得た。なお、実施例1の化合物の、発光量測定における対象(リファレンス)としては、未反応の化合物を用いた。
【0093】
については、以下の分析により同定した。
【0094】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、化合物1と反応後の化合物(実施例1)とを分取した。そして、実施例1の化合物につき、NMRにより解析したところ、Rは、式(2)の構造を有していることが判明した。
【0095】
【化18】

【0096】
H NMR(CDOD,599.6MHz)δ 8.83(d,J=10.0Hz、1H)、8.81(d,J=9Hz,1H)、8.56(d,J=9Hz,1H)、8.44(m,1H)、8.21(dd,J=10,3Hz,1H)、8.14(dd,J=9,7Hz,1H)、7.65(m,1H)、7.61(m,1H)、7.48(m,1H)、3.65(m,1H),3,41,2.60(m,2H)、5.01(s,1H)、4.30(t,J=6Hz,2H)3.82(m,2H)、2.25(m,2H)、2.57(s,3H); ESI−MS calcd for C3028 526.2。
【0097】
得られた実施例1の化合物のNMR(H)スペクトルを図5に示した。
【0098】
4.3.実施例2の化合物の合成
上記化合物1(前駆体)の1mM水溶液を調製した。N−アセチルシステイン(NAC:和光純薬工業株式会社より試薬として入手、特級試薬)の5mM水溶液を調製し、両者を等量加えて反応液を調製した。また、別途、上記化合物1(前駆体)の1mM水溶液にNACの代わりに等量の水を加えて対象(リファレンス)溶液を調製した。これらの溶液を4℃冷暗所(冷蔵庫)にほぼ16時間保存して実施例2の化合物を合成した。なお、合成された実施例2の化合物は、Rがメチル基、Rがフェニル基、Rがエチレン基、Rが式(3)で表される基、nが1である。
【0099】
【化19】

【0100】
4.4.実施例3の化合物の合成
上記化合物1(前駆体)の1mM水溶液を調製した。システイン(Cys:和光純薬工業株式会社製、特級試薬)の5mM水溶液を調製し、両者を等量加えて反応液を調製した。また、別途、上記化合物1(前駆体)の1mM水溶液にCysの代わりに等量の水を加えて対象(リファレンス)溶液を調製した。これらの溶液を4℃冷暗所(冷蔵庫)にほぼ16時間保存して実施例3の化合物を合成した。なお、合成された実施例3の化合物は、Rがメチル基、Rがフェニル基、Rがエチレン基、Rが式(4)で表される基、nが1である。
【0101】
【化20】

【0102】
4.5.実施例4の化合物の合成
上記化合物1(前駆体)の1mM水溶液を調製した。グルタチオン還元型(GSH:和光純薬工業株式会社製、特級試薬)の5mM水溶液を調製し、両者を等量加えて反応液を調製した。また、別途、上記化合物1(前駆体)の1mM水溶液にGSHの代わりに等量の水を加えて対象(リファレンス)溶液を調製した。これらの溶液を4℃冷暗所(冷蔵庫)にほぼ16時間保存して実施例4の化合物を合成した。なお、合成された実施例4の化合物は、Rがメチル基、Rがフェニル基、Rがエチレン基、Rが式(5)で表される基、nが1である。
【0103】
【化21】

【0104】
4.6.発光カウント値(発光量)の評価
各実施例の化合物、および、各実施例の対象物質(リファレンス)の、発光カウントをそれぞれ測定した。測定にはフォトンカウンティング法発光検出装置を用い、測定容器にサンプルを20μl分注し、発光補助試薬ポンプで、下記組成の発光補助試薬A液200μlと発光補助試薬B液250μlとを注入し発光を開始させ、1秒間の積算発光カウント値を発光検出器で計測した。なお、使用した発光補助試薬の組成は次のとおりである。
【0105】
発光補助試薬A液:0.20mol/l過酸化水素、0.1mol/l 硝酸
発光補助試薬B液:0.63mol/l水酸化ナトリウム
そして、各実施例の化合物の溶液と、それぞれの対象物質の溶液の発光量を、それぞれ測定して、対象溶液に対する各実施例の溶液の発光量の比較を行った。そして、各対象物質の発光量によって規格化した各実施例の化合物の発光量を表1に示した。
【0106】
【表1】

【0107】
表1をみると、各実施例の化合物は、リファレンスに対して、5.4倍ないし15.6倍の発光量を示すことが判明した。これにより、各実施例の化合物は、いずれも発光量が少なくともリファレンス物質よりも顕著に大きく、例えば化学発光分析における優れた標識物質となることが判明した。また、各実施例の化合物を標識抗体とすれば、例えば、CLIA等のイムノアッセイにおいて、測定を高感度化できることが判明した。
【0108】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の化合物は、発光量が大きく、例えば化学発光分析における標識物質として優れている。また、本発明の化合物は、例えばCLIAにおける標識物質として有用である。さらに、本発明の化合物によって標識された標識抗体は、例えばCLIAの高感度化のために好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されることを特徴とする、化合物。
【化1】

(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは、炭素数6〜12のアリール基の置換または未置換のものを表し、Rは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Rは、窒素を含み、カルボニル結合またはチオエーテル結合によってスクシンイミド基に結合する有機基を表し、Xは、対イオンを表し、nは、1〜7の整数を表す。)
【請求項2】
請求項1において、
前記一般式(1)中、前記Rは、下記式(2)で表される基であることを特徴とする、化合物。
【化2】

【請求項3】
請求項1において、
前記一般式(1)中、前記Rは、下記式(3)で表される基、下記式(4)で表される基、および下記式(5)で表される基から選択される一種の基であることを特徴とする、化合物。
【化3】

【化4】

【化5】

【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記一般式(1)中、前記Rは、マレイミド基を含む置換基を有したフェニル基であることを特徴とする、化合物。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記一般式(1)中、前記Rは、カルボニル基を含む置換基を有したフェニル基であることを特徴とする、化合物。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記一般式(1)中、下記式(6)で表される基は、アクリジン環の2位または3位に結合していることを特徴とする、化合物。
【化6】

【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
前記一般式(1)中、nは、1であることを特徴とする、化合物。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載された化合物に、
IgG抗体およびFabプライム抗体の少なくとも一種が化学結合されたことを特徴とする、標識抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−20958(P2012−20958A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159484(P2010−159484)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(502054196)学校法人武蔵野女子学院 (2)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】