説明

化合物

【課題】低い屈折率を有する化合物を提供する。
【解決手段】式(X)で表される化合物。
(A)−R (X)
〔Aは、式(I)で表される基又はヒドロキシル基を表す。ただし、Aの少なくとも1個は、式(I)で表される基である。Rは、n価のC10−30炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されてもよい。該炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基で置換されてもよい。nは、1〜12の整数である。ただし、〕


〔R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子若しくはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−13脂肪族炭化水素基を表す。R〜Rは、それぞれ独立に、単結合又はフッ素原子で置換されてもよいC1−10アルキレン基を表す。Rは、フッ素原子で置換されてもよいC1−24脂肪族炭化水素基を表す。mは、0又は1の整数を表す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
多官能化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがすでに知られている(非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】シグマ アルドリッチ ジャパン 株式会社、「Aldrich Advancing Science,2005−2006」、p.1059.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの、気温20℃及び波長589nmにおける屈折率は、1.49と高い。
本発明は、低い屈折率を有する多官能化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(X)で表される化合物に関する。
(A)−R (X)
〔式(X)中、Aは、式(I)で表される基又はヒドロキシル基を表す。ただし、Aの少なくとも1個は、式(I)で表される基である。
は、n価のC10−30炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されてもよい。該炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基で置換されてもよい。
nは、1〜12の整数である。ただし、nが2〜12のとき、Aは、同じであっても、異なってもよい。〕

〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子若しくはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−13脂肪族炭化水素基を表す。
〜Rは、それぞれ独立に、単結合又はフッ素原子で置換されてもよいC1−10アルキレン基を表す。
は、フッ素原子で置換されてもよいC1−24脂肪族炭化水素基を表す。
mは、0又は1の整数を表す。〕
【0006】
また本発明は、Rが、式(II)で表される基である上記化合物に関する。

〔式(II)中、kは、0〜3の整数を表す。h及びhは、それぞれ独立に、0又は1の整数を表す。〕
【0007】
また本発明は、Rが、式(III)で表される基である上記化合物に関する。

〔式(III)中、kは、上記と同じ意味を表す。〕
【0008】
また本発明は、Rが、式(IV)で表される基である上記化合物に関する。

〔式(IV)中、hは、上記と同じ意味を表す。〕
【発明の効果】
【0009】
本発明の多官能化合物は、低い屈折率を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の化合物は、式(X)で表される。
(A)−R (X)
【0011】
〔式(X)中、Aは、式(I)で表される基又はヒドロキシル基を表す。ただし、Aの少なくとも1個は、式(I)で表される基である。
は、n価のC10−30炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されてもよい。該炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基で置換されてもよい。
nは、1〜12の整数である。ただし、nが2〜12のとき、Aは、同じであっても、異なってもよい。〕
【0012】

【0013】
〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子若しくはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−13脂肪族炭化水素基を表す。
〜Rは、それぞれ独立に、単結合又はフッ素原子で置換されてもよいC1−10アルキレン基を表す。
は、フッ素原子で置換されてもよいC1−24脂肪族炭化水素基を表す。
mは、0又は1の整数を表す。〕
【0014】
〜Rにおけるフッ素原子若しくはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−13脂肪族炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、ヘキシル、ヘキシルメチル基等のアルキル基;
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、(トリフルオロメチル)メチル基、2−(トリフルオロメチル)エチル基、パーフルオロエチル基、(パーフルオロエチル)メチル基、2−(パーフルオロエチル)エチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、(パーフルオロ−n−プロピル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−プロピル)エチル基、パーフルオロ−n−ブチル基、(パーフルオロ−n−ブチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、(パーフルオロ−n−ペンチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ペンチル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、(パーフルオロ−n−ヘキシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、(パーフルオロ−n−ヘプチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘプチル)エチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、(パーフルオロ−n−オクチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、(パーフルオロ−n−ノニル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ノニル)エチル基、パーフルオロ−n−デシル基、(パーフルオロ−n−デシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル基、パーフルオロ−1−メチルエチル基、(パーフルオロ−1−メチルエチル)メチル基、2−(パーフルオロ−1−メチルエチル)エチル基、パーフルオロ−2−メチルプロピル基、(パーフルオロ−2−メチルプロピル)メチル基、2−(パーフルオロ−2−メチルプロピル)エチル基、パーフルオロ−3−メチルブチル基、(パーフルオロ−3−メチルブチル)メチル基、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル基、パーフルオロ−4−メチルペンチル基、(パーフルオロ−4−メチルペンチル)メチル基、2−(パーフルオロ−4−メチルペンチル)エチル基、パーフルオロ−5−メチルヘキシル基、(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)メチル基、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル基、パーフルオロ−6−メチルヘプチル基、(パーフルオロ−6−メチルヘプチル)メチル基、2−(パーフルオロ−6−メチルヘプチル)エチル基、パーフルオロ−7−メチルオクチル基、(パーフルオロ−7−メチルオクチル)メチル基、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル基、パーフルオロ−8−メチルノニル基、(パーフルオロ−8−メチルノニル)メチル基、2−(パーフルオロ−8−メチルノニル)エチル基、パーフルオロ−9−メチルデシル基、(パーフルオロ−9−メチルデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル基、1−パーフルオロアダマンチル基、(1−パーフルオロアダマンチル)メチル基、2−(1−パーフルオロアダマンチル)エチル基、2−パーフルオロアダマンチル基、(2−パーフルオロアダマンチル)メチル基、2−(2−パーフルオロアダマンチル)エチル基、パーフルオロシクロヘキシル基、(パーフルオロシクロヘキシル)メチル基、2−(パーフルオロシクロヘキシル)エチル基等のフッ素含有アルキル基;
ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−イソプロピル基、2−ヒドロキシ−イソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等のヒドロキシル基含有アルキル基;
が挙げられる。
〜Rとしては、好ましくは水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基が挙げられる。
【0015】
〜Rにおけるフッ素原子で置換されてもよいC1−10アルキレン基としては、
メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−へキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等のアルキレン基;
ジフルオロメチレン基、パーフルオロエチレン基、パーフルオロ−n−プロピレン基、パーフルオロ−n−ブチレン基、パーフルオロ−n−ペンチレン基、パーフルオロ−n−へキシレン基、パーフルオロ−n−ヘプチレン基、パーフルオロ−n−オクチレン基、パーフルオロ−n−ノニレン基、パーフルオロ−n−デシレン基、2,2−ジフルオロ−1,3−プロピレン基、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブチレン基、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチレン基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−へキシレン基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−ヘプチレン基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクチレン基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロ−1,9−ノニレン基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デシレン基等のフッ素含有アルキレン基;
が挙げられ。
〜Rとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。
【0016】
におけるフッ素原子で置換されてもよいC1−24脂肪族炭化水素基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、(トリフルオロメチル)メチル基、2−(トリフルオロメチル)エチル基、パーフルオロエチル基、(パーフルオロエチル)メチル基、2−(パーフルオロエチル)エチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、(パーフルオロ−n−プロピル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−プロピル)エチル基、パーフルオロ−n−ブチル基、(パーフルオロ−n−ブチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、(パーフルオロ−n−ペンチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ペンチル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、(パーフルオロ−n−ヘキシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、(パーフルオロ−n−ヘプチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘプチル)エチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、(パーフルオロ−n−オクチル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、(パーフルオロ−n−ノニル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ノニル)エチル基、パーフルオロ−n−デシル基、(パーフルオロ−n−デシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル基、パーフルオロ−n−ウンデシル基、(パーフルオロ−n−ウンデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ウンデシル)エチル基、パーフルオロ−n−ドデシル基、(パーフルオロ−n−ドデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ドデシル)エチル基、パーフルオロ−n−トリデシル基、(パーフルオロ−n−トリデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−トリデシル)エチル基、パーフルオロ−n−テトラデシル基、(パーフルオロ−n−テトラデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−テトラデシル)エチル基、パーフルオロ−n−ペンタデシル基、(パーフルオロ−n−ペンタデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ペンタデシル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘキサデシル基、(パーフルオロ−n−ヘキサデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキサデシル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘプタデシル基、(パーフルオロ−n−ヘプタデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘプタデシル)エチル基、パーフルオロ−n−オクタデシル基、(パーフルオロ−n−オクタデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−オクタデシル)エチル基、パーフルオロ−n−ノナデシル基、(パーフルオロ−n−ノナデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ノナデシル)エチル基、パーフルオロ−n−エイコシル基、(パーフルオロ−n−エイコシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−エイコシル)エチル基、パーフルオロ−n−ヘネイコシル基、(パーフルオロ−n−ヘネイコシル)メチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘネイコシル)エチル基、パーフルオロ−1−メチルエチル基、(パーフルオロ−1−メチルエチル)メチル基、2−(パーフルオロ−1−メチルエチル)エチル基、パーフルオロ−2−メチルプロピル基、(パーフルオロ−2−メチルプロピル)メチル基、2−(パーフルオロ−2−メチルプロピル)エチル基、パーフルオロ−3−メチルブチル基、(パーフルオロ−3−メチルブチル)メチル基、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル基、パーフルオロ−4−メチルペンチル基、(パーフルオロ−4−メチルペンチル)メチル基、2−(パーフルオロ−4−メチルペンチル)エチル基、パーフルオロ−5−メチルヘキシル基、(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)メチル基、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル基、パーフルオロ−6−メチルヘプチル基、(パーフルオロ−6−メチルヘプチル)メチル基、2−(パーフルオロ−6−メチルヘプチル)エチル基、パーフルオロ−7−メチルオクチル基、(パーフルオロ−7−メチルオクチル)メチル基、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル基、パーフルオロ−8−メチルノニル基、(パーフルオロ−8−メチルノニル)メチル基、2−(パーフルオロ−8−メチルノニル)エチル基、パーフルオロ−9−メチルデシル基、(パーフルオロ−9−メチルデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル基、パーフルオロ−10−メチルウンデシル基、(パーフルオロ−10−メチルウンデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−10−メチルウンデシル)エチル基、パーフルオロ−11−メチルドデシル基、(パーフルオロ−11−メチルドデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−11−メチルドデシル)エチル基、パーフルオロ−12−メチルトリデシル基、(パーフルオロ−12−メチルトリデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−12−メチルトリデシル)エチル基、パーフルオロ−13−メチルテトラデシル基、(パーフルオロ−13−メチルテトラデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−13−メチルテトラデシル)エチル基、パーフルオロ−14−メチルペンタデシル基、(パーフルオロ−14−メチルペンタデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−14−メチルペンタデシル)エチル基、パーフルオロ−15−メチルヘキサデシル基、(パーフルオロ−15−メチルヘキサデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−15−メチルヘキサデシル)エチル基、パーフルオロ−16−メチルヘプタデシル基、(パーフルオロ−16−メチルヘプタデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−16−メチルヘプタデシル)エチル基、パーフルオロ−17−メチルオクタデシル基、(パーフルオロ−17−メチルオクタデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−17−メチルオクタデシル)エチル基、パーフルオロ−18−メチルノナデシル基、(パーフルオロ−18−メチルノナデシル)メチル基、2−(パーフルオロ−18−メチルノナデシル)エチル基、パーフルオロ−19−メチルエイコシル基、(パーフルオロ−19−メチルエイコシル)メチル基、2−(パーフルオロ−19−メチルエイコシル)エチル基、パーフルオロ−20−メチルヘネコシル基、(パーフルオロ−20−メチルヘネイコシル)メチル基、2−(パーフルオロ−20−メチルヘネイコシル)エチル基、1−パーフルオロアダマンチル基、(1−パーフルオロアダマンチル)メチル基、2−(1−パーフルオロアダマンチル)エチル基、2−パーフルオロアダマンチル基、(2−パーフルオロアダマンチル)メチル基、2−(2−パーフルオロアダマンチル)エチル基、パーフルオロシクロヘキシル基、(パーフルオロシクロヘキシル)メチル基、2−(パーフルオロシクロヘキシル)エチル基等のフッ素含有アルキル基;
が挙げられ、好ましくは(トリフルオロメチル)メチル基、(パーフルオロエチル)メチル基、(パーフルオロプロピル)メチル基、(パーフルオロブチル)メチル基、(パーフルオロペンチル)メチル基、(パーフルオロヘキシル)メチル基、(パーフルオロヘプチル)メチル基、(パーフルオロオクチル)メチル基、(パーフルオロノニル)メチル基、(パーフルオロデシル)メチル基、(パーフルオロ−1−メチルエチル)メチル基、(パーフルオロ−2−メチルプロピル)メチル基、(パーフルオロ−3−メチルブチル)メチル基、(パーフルオロ−4−メチルペンチル)メチル基、(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)メチル基、パーフルオロ−6−メチルヘプチル)メチル基、(パーフルオロ−7−メチルオクチル)メチル基、(パーフルオロ−8−メチルノニル)メチル基、(パーフルオロ−9−メチルデシル)メチル基が挙げられる。
【0017】
式(I)で表される基としては、式(IA)及び式(IB)で表される基が挙げられる。

【0018】
〔式(IA)及び式(IB)中、R〜Rは、上記と同じ意味を表す。〕
【0019】
式(IA)で表される基としては、式(IC)及び式(ID)で表される基が好ましい。
【0020】

【0021】
〔式(IC)及び式(ID)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を表す。
13は、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基又はメチル基を表す。
14〜R16は、それぞれ独立に、単結合、メチレン基、エチレン基又はn−プロピレン基を表す。
aは、0〜20の整数を表す。
bは、0〜23の整数を表す。〕
【0022】
が、式(II)で表される基であることが好ましい。
【0023】

【0024】
〔式(II)中、kは、0〜3の整数を表す。h及びhは、それぞれ独立に、0又は1の整数を表す。〕
【0025】
が、式(III)で表される基であることが好ましい。

〔式(III)中、kは、上記と同じ意味を表す。〕
【0026】
が、式(IV)で表される基であることが好ましい。

〔式(IV)中、hは、上記と同じ意味を表す。〕
【0027】
としては、式(M−1)〜式(M−6)で表される基等が挙げられ、好ましくは式(M−1)〜式(M−4)で表される基が挙げられる。
【0028】

【0029】
本発明の式(X)で表される化合物は、特にその置換基構造には限定されないが、具体的に例示すると、次の式(X−1)〜式(X−1143)、式(Y−1)〜式(Y−508)で表される化合物が例示される。
【0030】
以下、表中におけるA1〜A9としては、次の置換基が示される。
【0031】

【0032】
表中におけるB1〜B4としては、次の置換基が示される。
【0033】

【0034】
A1〜A9及びB1〜B4として、メタクリロイル基を有する基を挙げて例示するが、A1〜A9及びB1〜B4のメタクリロイル基をアクリロイル基に変更した下記A1’〜A9’及びB1’〜B4’を置換基として用いてもよい。
【0035】

【0036】

【0037】
式(X−1)〜式(X−81)及び式(Y−1)から式(Y−36)における式(V1−1)〜式(V6−1)で表される置換基は、表1〜3に示される。
【0038】

【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
式(X−82)〜式(X−342)及び式(Y−37)〜式(Y−152)における式(V1−2)〜式(V8−2)で表される置換基は、表4〜表13に示される。
【0043】

【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【0047】
【表7】

【0048】
【表8】

【0049】
【表9】

【0050】
【表10】

【0051】
【表11】

【0052】
【表12】

【0053】
【表13】

【0054】
式(X−343)〜式(X−531)及び式(Y−153)から式(Y−236)における式(V1−3)〜式(V10−3)で表される置換基は、表14〜表21に示される。
【0055】

【0056】
【表14】

【0057】
【表15】

【0058】
【表16】

【0059】
【表17】

【0060】
【表18】

【0061】
【表19】

【0062】
【表20】

【0063】
【表21】

【0064】
式(X−532)〜式(X−774)及び式(Y−237)〜式(Y−344)における式(V1−4)〜式(V12−4)で表される置換基は、表22〜表30に示される。
【0065】

【0066】
【表22】

【0067】
【表23】

【0068】
【表24】

【0069】
【表25】

【0070】
【表26】

【0071】
【表27】

【0072】
【表28】

【0073】
【表29】

【0074】
【表30】

【0075】
式(X−775)〜式(X−972)及び式(Y−345)〜式(Y−432)における式(V1−5)〜式(V12−5)で表される置換基は、表31〜表38に示される。
【0076】

【0077】
【表31】

【0078】
【表32】

【0079】
【表33】

【0080】
【表34】

【0081】
【表35】

【0082】
【表36】

【0083】
【表37】

【0084】
【表38】

【0085】
式(X−973)〜式(X−1143)及び式(Y−433)〜式(Y−508)における式(V1−6)〜式(V10−6)で表される置換基は、表39〜表45に示される。
【0086】

【0087】
【表39】

【0088】
【表40】

【0089】
【表41】

【0090】
【表42】

【0091】
【表43】

【0092】
【表44】

【0093】
【表45】

【0094】
式(X)で表される化合物は、式(I−1)で表される化合物と多価アルコールとを、酸触媒下で反応させることによって得られる。
【0095】

【0096】
〔式(I−1)中、R〜Rは、上記と同じ意味を表す。〕
【0097】
式(I−1)で表される化合物としては、式(IA−1)及び式(IB−1)で表される化合物が挙げられる。

【0098】
〔式(IA−1)及び式(IB−1)中、R〜Rは、上記と同じ意味を表す。〕
【0099】
式(IA−1)で表される化合物は、メタクリル酸又はアクリル酸と、含フッ素エポキシドを反応させて得られる。
【0100】
式(IA−1)で表される化合物としては、例えば、メタクリル酸3−パーフルオロアルキル−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−パーフルオロアルキル−2−ヒドロキシプロピルが挙げられ具体的には、メタクリル酸3−パーフルオロアルキル−2−ヒドロキシプロピルとしてメタクリル酸3−(パーフルオロエチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロオクチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロ−1−メチルエチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(いずれも、ダイキン化成品販売(株)製)等が挙げられ、アクリル酸3−パーフルオロアルキル−2−ヒドロキシプロピルとしてアクリル酸3−(パーフルオロエチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロオクチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロ−1−メチルエチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(いずれも、ダイキン化成品販売(株)製)等が挙げられる。
【0101】
式(IB−1)で表される化合物は、式(C)で表される化合物と、式(D)で表される化合物とを反応させて得られる。
【0102】
HO−R−OH (C)
C=CR−R−C(=O)−R (D)
〔式(C)及び式(D)中、R〜Rは、上記と同じ意味を表す。
は、ハロゲン原子、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アルコキシ基又はヒドロキシル基を表す。〕
式(D)におけるRとしては、好ましくは、塩素原子、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、メチルスルホニルオキシ基、p−トリルスルホニルオキシ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。
【0103】
式(C)で表される化合物としては、例えば、含フッ素ジオールが挙げられ、具体的には、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール(いずれも、ダイキン化成品販売(株)製)、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール(いずれも、アルドリッチ ケミカル カンパニー製)、ジフルオロメタンジオール、1,2−パーフルオロエタンジオール、1,3−パーフルオロ−n−プロパンジオール、1,4−パーフルオロ−n−ブタンジオール、1,5−パーフルオロ−n−ペンタンジオール、1,6−パーフルオロ−n−ヘキサンジオール、1,7−パーフルオロ−n−ヘプタンジオール、1,8−パーフルオロ−n−オクタンジオール、1,9−パーフルオロ−n−ノナンジオール、1,10−パーフルオロ−n−デカンジオール、2,2−ジフルオロ−1,3−プロパンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−ヘプタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロ−1,9−ノナンジオールなどが挙げられる。
【0104】
式(D)で表される化合物としては、例えば、メタクリロイルクロライド、アクリロイルクロライド、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、酢酸メタクリロイル、酢酸アクリロイル、トリフルオロ酢酸メタクリロイル、トリフルオロ酢酸アクリロイル、メタンスルホン酸メタクリロイル、メタンスルホン酸アクリロイル、p−トルエンスルホン酸メタクリロイル、p−トルエンスルホン酸アクリロイル、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
【0105】
式(C)で表される化合物と式(D)で表される化合物との反応は、例えば、THF共存下室温で攪拌させること、4−ジメチルアミノピリジンおよびピリジン共存下還流させながら攪拌すること若しくは濃硫酸、硫酸マグネシウムおよびクロロホルム共存下還流させながら攪拌することにより行われる。また、得られた反応混合物は、例えば、酢酸エチルと炭酸ナトリウム水溶液を用いた分液操作により精製される。
【0106】
式(IB−1)で表される化合物としては、例えば、式(I−1−8)〜(I−1−15)で表される化合物等が挙げられる。
C=C(CH)−COO−CH(CFCH−OH (I−1−8)
C=C(CH)−COO−CH(CFCH−OH (I−1−9)
C=C(CH)−COO−CH(CFCH−OH (I−1−10)
C=C(CH)−COO−CH(CFCH−OH (I−1−11)
C=CH−COO−CH(CFCH−OH (I−1−12)
C=CH−COO−CH(CFCH−OH (I−1−13)
C=CH−COO−CH(CFCH−OH (I−1−14)
C=CH−COO−CH(CFCH−OH (I−1−15)
【0107】
式(I−1)で表される化合物と反応させる多価アルコールとしては、式(N−1)〜式(N−6)で表される化合物が挙げられ、好ましくは式(N−1)〜(N−4)で表される化合物が挙げられる。
【0108】

【0109】
式(I−1)で表される化合物と、多価アルコールとの反応は、例えば、式(I−1)で表される化合物とp−トルエンスルホン酸クロライドをピリジン共存下、還流させながら攪拌した後、多価アルコールを加え、還流させながら攪拌することにより行われる。得られた反応混合物は、例えば、酢酸エチルと水を用いた分液操作により精製される。
【0110】
式(X)で表される化合物を重合して、本発明の重合体を得ることができる。すなわち本発明の重合体は、式(X)で表される化合物を重合してなる。式(X)で表される化合物と式(X)で表される化合物とは異なる化合物とを重合してもよい。
【0111】
本発明の重合体の重合方法としては、例えば、ラジカル重合が採用され、ラジカル重合開始剤あるいはラジカル開始源の存在下で、塊状重合、溶液重合、懸濁重合又は乳化重合等の公知の重合方法により、回分式、半連続式又は連続式等の操作で行われる。ラジカル重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えば、アゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物等が挙げられ、その際の重合はそれぞれの開始剤に最適な温度範囲で行われる。
【0112】
本発明の重合体を得るための反応に用いられる反応容器は、特に限定されないが、ガラス製の反応容器等が挙げられる。また、重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系;
アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系;
トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素系:
イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系;
の溶剤等がある。また水、エーテル系、環状エーテル系、フロン系、芳香族系、フルオロカーボン類、パーフルオロエーテル類等の種々の溶媒を使用することも可能である。これらの溶剤は単独でもあるいは2種類以上を混合しても使用できる。
【0113】
このようにして得られる重合体の数平均分子量は、通常、2,000〜100,000、好ましくは4,000〜15,000である。
【0114】
本発明の重合体を有機溶剤に、5〜85重量%の濃度になるように溶解して、コーティング材料とすることができ、該コーティング材料を支持体上に塗布し、有機溶剤成分を除去することで膜を形成することができる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート、流延塗布法、ロール塗布法、スリット アンド スピンコートまたはスリットコート法等があり、有機溶剤成分の除去は、通常、50〜200℃、好ましくは80〜130℃の温度で乾燥することによって、又は減圧乾燥することによって行う。
【0115】
有機溶剤としては、重合体が可溶であれば特に制限されないが、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2‐ヘプタノン等のケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶媒、フロン、代替フロン、パーフルオロ化合物、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール等のフッ素系溶剤、塗布性を高める目的で高沸点弱溶剤であるターペン系の石油ナフサ溶媒やパラフィン系溶媒等が使用可能である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0116】
本発明の重合体をガラス、プラスチック、液晶オパネル、プラズマディスプレーパネル、エレクトロルミネッセンスパネル等の表面に極薄膜でコーティングして反射防止膜として用いることもでき、単層又は他の屈折率を有する薄膜と組合せて使用することもできる。
【0117】
本発明の重合体は、酸の作用によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する高分子化合物であるので、本発明の重合体と酸発生剤とを基本組成に含有するポジ型レジスト組成物として用いることもできる。重合体及び酸発生剤の組成比は、89:1〜3:1であることが好ましい。特に最近の半導体の微細化に対応した193nmのArFエキシマレーザーや157nmに代表される真空紫外領域のF2レーザー用ポジ型レジストとして好適である。
【0118】
レジスト組成物に用いられる酸発生剤については特に制限はなく、化学増幅型レジストの酸発生剤として用いられるものの中から、任意のものを選択して使用することができる。このような酸発生剤の例としては、ビススルホニルジアゾメタン類、ニトロベンジル誘導体類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類、その他のオキシムスルホネート化合物等が挙げられる。これらの酸発生剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0119】
レジスト組成物の使用方法としては、従来のフォトレジスト技術のレジストパターン形成方法が用いられるが、まずシリコンウエハのような支持体上に、レジスト組成物の溶液をスピンナー等で塗布し、乾燥して感光層を形成させ、これに露光装置等により、エキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して照射し、加熱する。次いでこれを現像液、例えば0.1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液等を用いて現像処理する。この形成方法でマスクパターンに忠実なパターンを得ることができる。
【0120】
レジスト組成物は、さらに所望により、混和性のある添加物、例えば付加的樹脂、クエンチャー、溶解性抑止剤、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、相溶化剤、密着剤、酸化防止剤等の種々添加剤を含有していてもよい。
【実施例】
【0121】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0122】
実施例1
滴下ロート及びジムロート冷却菅、温度計、スターラーチップ、平栓を備えた200mLの4つ口フラスコに、15分間窒素ガスをフラスコ内に流した。p−トルエンスルホン酸クロライド(2.3g、12.0mmol)とピリジン(20g)を仕込み、攪拌した。式(I−1−1)で表される出発化合物(3.0g、11.5mmol)(ダイキン化成品販売(株)製)をピリジン(32g)に溶解させ、この溶液を滴下ロートに加え、16℃に保温した4つ口フラスコ内に45分かけて滴下した。滴下終了後、4つ口フラスコ内を16℃に保温して3時間攪拌した。ジペンタエリスリトール(0.49g、1.93mmol)を加え、そのまま110℃まで昇温し、4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(200mL)と水(150mL)を加え、有機層と水層を分けた。この水層に酢酸エチル(50mL)を2回加え、有機層と水層を分けた。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、60℃で減圧乾燥して、化合物3.1gを得た。
【0123】
実施例2〜7
出発化合物を、表46に示す出発化合物に変えて、他の成分の仕込み量を表46に示す量に変える以外は、実施例1と同様にして、化合物を合成した。
【0124】
実施例8
(式(I−1−8)で表される出発化合物の合成)
滴下ロート及びジムロート冷却菅、温度計、スターラーチップ、平栓を備えた200mLの4つ口フラスコに、15分間窒素ガスをフラスコ内に流した。式(D−1)で表されるジオール(10.0g;38mmol)(ダイキン化成品販売(株)製)と4−ジメチルアミノピリジン(0.47g;3.8mmol)、ピリジン(30g)を仕込み、攪拌した。メタクリル酸無水物(5.9g;38mmol)をピリジン(30g)に溶解させ、この溶液を滴下ロートに加え、115℃に保温した4つ口フラスコ内に2時間かけて滴下した。滴下終了後、4つ口フラスコ内を115℃に保温して2時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(400mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(300mL)を加え、有機層と水層を分けた。この水層に酢酸エチル(100mL)を2回加え、有機層と水層を分けた。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、60℃で減圧乾燥して、式(I−1−8)で表される出発化合物10.8gを得た。
【0125】
HO−CH(CFCH−OH (D−1)
C=C(CH)−COO−CH(CFCH−OH (I−1−8)
【0126】
式(I−1−8)で表される出発化合物の構造は、1H−NMR(EX−270;日本電子(株)製)によって同定した。
1H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、DMSO−d、室温);1.98(3H、s)、3.80(2H、t、J=15Hz)、4.10(2H、t、J=15Hz)、5.58(1H、d、J=1.0Hz)、6.05(1H、bs)、6.12(1H、d、J=1.0Hz)
【0127】
(化合物の合成)
滴下ロート及びジムロート冷却菅、温度計、スターラーチップ、平栓を備えた200mLの4つ口フラスコに、15分間窒素ガスをフラスコ内に流した。p−トルエンスルホン酸クロライド(6.3g;33mmol)とピリジン(35g)を仕込み、攪拌した。式(I−1−8)で表される出発化合物(10.8g;33mmol)をピリジン(40g)に溶解させ、この溶液を滴下ロートに加え、16℃に保温した4つ口フラスコ内に1時間かけて滴下した。滴下終了後、4つ口フラスコ内を16℃に保温して3時間攪拌した。ジペンタエリスリトール(1.39g;5.5mmol)を加え、そのまま110℃まで昇温し、4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(300mL)と水(250mL)を加え、有機層と水層を分けた。この水層に酢酸エチル(100mL)を2回加え、有機層と水層を分けた。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、60℃で減圧乾燥して、化合物11.2gを得た。
【0128】
実施例9
(式(I−1−9)で表される出発化合物の合成)
滴下ロート及びジムロート冷却菅、温度計、スターラーチップ、平栓を備えた200mLの4つ口フラスコに、15分間窒素ガスをフラスコ内に流した。式(D−2)で表されるジオール(10.0g;28mmol)(ダイキン化成品販売(株)製)と4−ジメチルアミノピリジン(0.34g;2.8mmol)、ピリジン(30g)を仕込み、攪拌した。メタクリル酸無水物(4.3g;28mmol)をピリジン(30g)に溶解させ、この溶液を滴下ロートに加え、115℃に保温した4つ口フラスコ内に2時間かけて滴下した。滴下終了後、4つ口フラスコ内を115℃に保温して2時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(300mL)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(200mL)を加え、有機層と水層を分けた。この水層に酢酸エチル(100mL)を2回加え、有機層と水層を分けた。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、60℃で減圧乾燥して、式(I−1−9)で表される出発化合物10.3gを得た。
【0129】
HO−CH(CFCH−OH (D−2)
C=C(CH)−COO−CH(CFCH−OH (I−1−9)
【0130】
式(I−1−9)で表される出発化合物の構造は、H−NMR(EX−270;日本電子(株)製)によって同定した。
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、DMSO−d、室温);1.97(3H、s)、3.88(2H、t、J=15Hz)、4.17(2H、t、J=15Hz)、5.64(1H、d、J=1.0Hz)、6.07(1H、bs)、6.17(1H、d、J=1.0Hz)
【0131】
(化合物の合成)
滴下ロート及びジムロート冷却菅、温度計、スターラーチップ、平栓を備えた200mLの4つ口フラスコに、15分間窒素ガスをフラスコ内に流した。p−トルエンスルホン酸クロライド(5.4g;29mmol)とピリジン(32g)を仕込み、攪拌した。式(I−1−9)で表される出発化合物(10.3g;29mmol)をピリジン(36g)に溶解させ、この溶液を滴下ロートに加え、16℃に保温した4つ口フラスコ内に1時間かけて滴下した。滴下終了後、4つ口フラスコ内を16℃に保温して3時間攪拌した。ジペンタエリスリトール(1.21g;4.8mmol)を加え、そのまま110℃まで昇温し、4時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(300mL)と水(250mL)を加え、有機層と水層を分けた。この水層に酢酸エチル(100mL)を2回加え、有機層と水層を分けた。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、60℃で減圧乾燥して、化合物10.6gを得た。
【0132】
[化合物の同定]
化合物の構造は、H−NMR(EX−270;日本電子(株)製)及びLC−MSによって同定した。
【0133】
化合物の分子イオンピークの測定については、LC−MS法を用いて、以下の条件で行った。
装置
LC ; アジレント社製 1100シリーズLCシステム
MS ; アジレント社製 LC/MSD TOF
移動相; A液 水 B液 アセトン
B% ;40%(60分)、100%(10分ホールド)
流量 ; 0.5mL/分
カラム;Wakosil 3C18 HG 3mmΦ×150mm
検出器; ダイオードアレイ検出器 (200〜600nm検出範囲)
質量分析
質量範囲; 100〜4000
質量分析のイオン化モード; ESI(ポジティブ)
【0134】
実施例1
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、2.2−2.7、3.2−4.1、4.1−4.3、4.3−4.5、5.5−5.7、6.1−6.3;MS(ESI) 1719、1718、1475、1474、1231、1230、987、986、743、742、499、498.
【0135】
実施例2
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、2.2−2.6、3.2−4.2、4.2−4.4、4.4−4.5、5.5−5.7、6.1−6.3;MS(ESI) 2319、2318、1975、1974、1631、1630、1287、1286、943、942、599、598.
【0136】
実施例3
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.0、2.2−2.7、3.2−4.2、4.2−4.3、4.3−4.5、5.5−5.7、6.2−6.3;MS(ESI) 2919、2918、2475、2474、2031、2030、1587、1586、1143、1142、699、698.
【0137】
実施例4
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、2.2−2.7、3.2−4.1、4.1−4.3、4.3−4.5、5.5−5.7、6.1−6.3;MS(ESI) 2019、2018、1725、1724、1431、1430、1137、1136、843、842、549、548.
【0138】
実施例5
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、2.2−2.7、3.2−4.0、4.0−4.3、4.3−4.6、5.4−5.7、6.1−6.3;MS(ESI) 2619、2618、2225、2224、1831、1830、1437、1436、1043、1042、649、648.
【0139】
実施例6
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、2.2−2.7、3.2−4.1、4.1−4.2、4.2−4.5、5.5−5.7、6.2−6.3;MS(ESI) 3219、3218、2725、2724、2231、2230、1737、1736、1243、1242、749、748.
【0140】
実施例7
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);2.2−2.5、3.2−4.3、4.2−4.4、4.4−4.5、5.5−5.7、6.1−6.3、6.3−6.6;MS(ESI) 2235、2234、1905、1904、1575、1574、1245、1244、915、914、585、584.
【0141】
実施例8
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、3.1−4.5、5.4−5.8、6.0−6.4;MS(ESI) 2127、2126、1815、1814、1503、1502、1191、1190、879、878、567、566.
【0142】
実施例9
H−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl、室温);1.9−2.1、3.1−4.5、5.3−5.8、6.0−6.5;MS(ESI) 2727、2726、2315、2314、1903、1902、1491、1490、1079、1078、667、666.
【0143】
[屈折率測定]
化合物の屈折率は、アッベ屈折計(NAR−1T;アタゴ(株)製)によって測定した(気温20℃及び波長589nm)。結果を表46に示す。
【0144】
比較例1
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)の屈折率を実施例と同様にして測定した。結果を表46に示す。
【0145】
【表46】

【0146】

【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の化合物は、屈折率が低いことから、固体撮像素子、液晶ディスプレイ、カラーフィルター保護膜等のクリアーコーティング剤、レジスト下層膜、マイクロレンズ用材料、マイクロレンズ上層ないしは下層膜等に適したクリアーコーティング剤の原料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(X)で表される化合物。
(A)−R (X)
〔式(X)中、Aは、式(I)で表される基又はヒドロキシル基を表す。ただし、Aの少なくとも1個は、式(I)で表される基である。
は、n価のC10−30炭化水素基を表す。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−で置換されてもよい。該炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基で置換されてもよい。
nは、1〜12の整数である。ただし、nが2〜12のとき、Aは、同じであっても、異なってもよい。〕

〔式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子若しくはヒドロキシル基で置換されてもよいC1−13脂肪族炭化水素基を表す。
〜Rは、それぞれ独立に、単結合又はフッ素原子で置換されてもよいC1−10アルキレン基を表す。
は、フッ素原子で置換されてもよいC1−24脂肪族炭化水素基を表す。
mは、0又は1の整数を表す。〕
【請求項2】
が、式(II)で表される基である請求項1記載の化合物。

〔式(II)中、kは、0〜3の整数を表す。h及びhは、それぞれ独立に、0又は1の整数を表す。〕
【請求項3】
が、式(III)で表される基である請求項1又は2記載の化合物。

〔式(III)中、kは、上記と同じ意味を表す。〕
【請求項4】
が、式(IV)で表される基である請求項1又は2記載の化合物。

〔式(IV)中、hは、上記と同じ意味を表す。〕

【公開番号】特開2010−53040(P2010−53040A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216367(P2008−216367)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】