説明

化粧材

【目的】 天然木材の持つ横照り及びその移動感を再現しうる化粧板を得る。
【構成】 基材シートに対して、少なくとも木目印刷模様と該印刷された木目模様の走る方向と同じ方向に走る数式化した波状曲線群からなるエンボス凹凸模様とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧材に関し、特に天然の木材が持つ「照り」を表現することのできる化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】天然木材は、固有の光沢すなわち、「照り」を有している。それは、木材が平行に積み重ねられた細胞で出来ており、それが鉋で削られることにより細胞内こうの凹状の内表面群が現れ、個々の細胞が微小な凹面鏡になったような光沢を持つためといわれている。図1a、bはその状態をモデル的に示しており、図1aのように繊維10に平行に光を当てた場合は細胞内こうに入った光の多くが正反射(鏡面反射)して出てくるのに対し、繊維に直角方向に光が入った場合には図1bのように細胞側壁で光が散乱し、強い反射は生じない。すなわち、木材表面に光を当てたときに照りを生じた(明るく照った)部分は、光を反射している、つまり光を当てた方向と木材繊維の方向がー致している部分であり、また、照りを生じなかった(暗く影になった)部分は細胞内こうで乱反射している、つまり光を当てた方向と繊維方向が異なる部分といえる。
【0003】一般に、波状木理や節まわりにおいては、木材繊維が複雑な曲線を描いているため、上記のような明るく照った部分と暗く影になった部分とは光の入射方向の変化あるいは見る人の位置の変化等によって微妙に変化し、木材それぞれに特徴ある照りを発現させると共に、見る人に「照り」の移動感を与えている。木目模様を持つ化粧材を作成する場合、普通に印刷された木目模様にこのような照りを表現させることは困難であり、このことが見る人に対して天然の木材と印刷された木目模様を持つ化粧材との間の無意識的識別感を与えているものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】木目印刷模様の化粧材に上記のような照りの表現を持たせることにより天然木に近い感性を見るものに与えるようにする努力がなされてきている。例えは、光沢のある印刷インキ(パールインキ等)を用いて印刷を行う方法、あるいは平行曲線群のパターンからなるエンボス凹凸模様を透明樹脂シートに形成しそれを基材に積層する方法等がある(特開平4−175742号公報)。前者のものは特定の方向(角度)においては全体に照りが発生するが他の方向では照りが生しないものであり、ある特定の光源と観察者との組合せに対応して特有の模様状の照りの出る箇所と出ない箇所とが生じ、見る方向あるいは光の方向の違いにより照りが発生する箇所及び発生しない箇所が移動し、照りの模様が変化するといういわゆる照りの移動感は生じ得ないものである。また、後者のものはラワン、マホガニーのように光沢縞が木目の年輪模様方向(本発明においては以下木目の走る方向という)とほぼ平行ないわゆる縦照りに対してはある程度の照りの表現はできるものの、光沢縞が木目の年輪模様方向とほぼ直交する方向換言すれば木目の走る方向に直交する方向の照り(横照り)を表現することはできず、木材の種類によっては天然木材に近い照りの表現をだすことが困難であった。
【0005】すなわち、木理の内で交差木理と波状木理とが材面の視覚特性と関係が深いといわれており、そのうち、波状木理は繊維が波状に蛇行しているものであって、材面に繊維が斜めに切断された箇所にでき、横方向に濃淡模様(波状杢)としての照りが生じかつ照りの移動を見るものに与えている。しかし、前記のように従来のものは特にこの横照りの表現が不充分であり、メイプル、サテンウッド、サペリ、ブビンカ、トチノキ、カエデ、トネリコ、カバ、オニグルミ、等のように特有の横照り示す木材の木目模様を持つ化粧材を作ることはできなかった。
【0006】本発明は上記のような従来の技術では未だ解決できなかったより天然木材に近い照りの表現を持つ化粧材、特に、天然木材の持つ横照りとその移動感とを見るものに感じさせ得る化粧材を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、基材シートに対して、少なくとも木目印刷模様と該印刷された木目模様の走る方向と同じ方向に走る波状曲線群からなるエンボス凹凸模様とを設けたことを特徴とする化粧材を開示する。木目印刷模様と波状曲線群からなるエンボス凹凸模様とは、それぞれ異なった基材シートに形成して各基材シートを積層するようにしてもよく、また、同一の基材シートに形成してもよいものである。
【0008】基材シートとしては、透明又は半透明なシートであれば特に制限なく使用でき、セロハン、アセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリアミド等よりなるものを使用できる。基材シートに木目模様を印刷するには従来知られた任意の手法、例えは、同一出願人の出願に係る特開平3−8477号公報、特開平4−64443号公報等に記載の手法を用いることができる。
【0009】波状曲線群からなるエンボス凹凸模様は木目模様を印刷した基材シートの該印刷面に加工してもよく、本出願人と同一人の出願人に係る特開平3−8477号公報公報に開示したように印刷面とは反対側の面に加工してもよい。また、同じく本出願人と同一人の出願人に係る特開平4−64443号公報公報に開示したように木目模様を印刷した基材シートとは別の基材シートを用意しそこにエンボス加工をした後に、両シートを適宜の接着手段を介して積層するようにしてもよい。木目模様の印刷面あるいはエンボス凹凸模様を加工する面に光輝性ベタ印刷層を形成しておくこともできる。
【0010】波状曲線群からなるエンボス凹凸模様は前記した照り及び照りの移動感を発現させる要素となるものであるが、波状曲線群は図2に示すように凹部の幅d1 と凸部の幅d2 が1〜1000μmである凹凸形状をなすものであることが好ましく、これらの曲線群は正弦波曲線、サイクロイド曲線、円弧等の曲線単位を連結したものを複数本平行移動して配列したものが代表的なもであるが、好ましくは数式化した曲線群として(すなわち、関数曲線の関数パラメータを順次変化させた曲線群として)パターン化しx−yプロッター等のコンピュータ機器を用いて作図できる曲線群とする。そのようにして描き出した波状曲線群を原版として用い、通常の手段により、例えば光エッチング法を用いて銅版に腐食を与える等の方法でエンボス版を作成する。版の形状は平板状でもよくあるいは円筒形でもよい。
【0011】該エンボス版を用いて前記した基材シートに波状曲線群からなる連続したエンボス模様を加工する。本発明においては、エンボス模様の加工に際して木目印刷模様の木目の走る方向と該波状曲線群の走る方向とがほぼ同一方向となるように加工する(図6参照、なお、図6において、Mは木目模様をEはエンボス模様凹凸を示しており、両者は図において共に上下方向に走っている)。木目模様を印刷した基材シートとエンボス加工をする基材シートとが異なったシートの場合には、積層後に木目の走る方向と該波状曲線群の走る方向とが同一方向なるように充分に注意を払う。
【0012】数式化した(関数化した)曲線群としてパターン化しコンピュータを用いて作図できる波状の曲線群の好ましい態様の一例として次のような正弦波関数曲線をあげることができる。すなわち、振幅をA、波長をλ、位相をαとした場合、関数パラメーターである振幅、波長、位相のいずれか1つ以上とY軸切片とが異なる■式と■式で表される2つの正弦波曲線の、波長差、位相差、周期差及びY座標差の格差をn等分した■式で表される曲線のiを0、1・・、n−1、nと遷移させた場合に示されるn+1本の曲線からなるような曲線群である。その曲線群をエンボスした凹凸模様を上から見た図の一例が図7に示されており、その一部を拡大した斜視図が図4bに示される。
【0013】xO=AO sin (2π/λO)y … ■xn=AN sin (2πy/λN+α)+Δx … ■ xi=((An−AO)i/n+AO)sin {((2π/λN−2π/λO)i /n+2π/λO)y+αi/n}+Δxi/n … ■ このような曲線群が好ましい態様であるのは次の理由による。すなわち、天然の木目板の表面を光学濃度計を用い図3aに示すように板平面のx軸方向であるA−A’方向に走査してその光学反射濃度変化を測定すると図3bのようにそれはxの関数D(x)として表現され、D(x)をフーリエ変換し、空間周波数スペクトルP(f)(fは空間周波数)を求めると、ほぼ1/fで近似される曲線(図3c)となることが知られており、一方、心電図波形の時間周波数スペクトルもまた1/fで近似されることも知られている。そのことから、天然木目模様が単純な縞模様等の幾何学的模様よりも、人の心に馴染み、好まれ、違和感を感じないのは、同じく1/f型のスペクトルを有する心電波形等の生態の律動に調和しているからだと考えられる(参考文献:ゆらぎの世界、武者利光著、株式会社講談社)。
【0014】従って、本発明において見るものの心に馴染みかつより天然木に近い「照り」を再現するために、上記した波状曲線群の凹状溝の曲線形状(周期、振幅、位相)及び溝同志の間隔を変調し、該曲線群の空間周波数スペクトル強度P(f)を1/f又は1/fに近似するようにすることはきわめて好ましい態様であるといえる。
【0015】以下、そのための具体的手法の幾つかの例を示すと以下のようになる。
〔1〕、■正弦波、x=Asin(ky+B)をx方向に等間隔Δxで並べた曲線群をコンピュータを用いたプロッタで描く(図4a)。なお、この時点では各曲線の幅の変化Δwは0とする。
■次に、図3a〜cのおいて説明したようにして、適当な天然木目板(年輪模様が明確に見えるものがよい)の表面をある特定方向(例えは、x’方向)に走査しつつ、年輪の光学濃度の濃い秋材部同志の間隔Δx'i 及び秋材部各個の幅ΔWx'i を順次測定する。
【0016】■次に、■の曲線群の曲線間の間隔Δxi ■で求めたΔx'i の順列で変調する。すなわち、Δxi =αΔx'i Δx、ここで、i=1,2,3,・・・は木目を走査した順番であり、αは適当な倍率であり総てのiに対して同一又は総てのΔxi が一定の範囲例えば1〜1000μmとなるように設定する。
【0017】また、■の曲線群の凹部幅Wbi ■で求めたΔWx'i で変調する。すなわち、ΔWbi =βΔWx'iここで、i=1,2,3,・・・は木目を走査した順番であり、βは総てのiに共通の倍率で、ΔWbi が一定の範囲例えば1〜1000μmの範囲内になるように設定する。
【0018】■の処理をコンピーュタで行い、各xi 、Δxi 、ΔWbi の値を計算し、これをx−yプロッタにより出力することにより、図4(a)の曲線は図4(b)に示すような形に出力される。
〔2〕、■下記に示すような数列を2組(qn ,Qn )を作る。
【0019】


【0020】ここで、n=1,2,3,・・は自然数、pj 、Pj はそれぞれ別個の又は同一の乱数であり、pj 、Pj は例えばコンピュータ計算で疑似乱数を発生させる。
■ qn 、Qn を〔1〕での曲線間隔Δxi 及びΔWbi として、以下、〔1〕−■と同様の処理を行い必要な図形を得る。
【0021】すなわち、 Δxi =qjΔWbi =Qjとする。この場合には、〔1〕のように天然木目板を走査する処理を行うことなしに、1/fゆらぎの曲線群を得ることができる。
【0022】〔3〕、上記したように心電図波形の時間周波数スペクトルもまた1/fで近似されることも知られていことから、心電図から求めた心拍周波数を用い(更に必要に応じて適当な数差し引いて、間隔の広い狭いを強調した後)、そこから求められるΔT' i を、〔1〕におけるΔx'i の値として用いて以下同様な演算を行いこれをx−yプロッタにより出力する(前記参考文献参照)。
【0023】さらに、本発明に用いられる波状曲線は、正弦波に限られることはなく、有界な(有限の範囲で変化する)曲線でかつ連続なものであれば原則的にどのようなものでもよいことは前記の通りであるが、そのような例をさらに例示すれば、以下のようなものをあげることができる。
〔1〕、有界な曲線(fi (x) が有限な値を持つ関数の曲線)でかつある周期λを持つ、すなわち、fi (x+λ)=fi (x) を満たす曲線。具体的には、三角関数sinx、cosx、ベッセル関数のうち第1種円柱関数Jn(x)、ヤコビの楕円関数sn(x,k),cn(x,k),dn(x,k)、ルジャンド多項式Pn(x)、チェビシェフ多項式Tn(x)、その他の曲線sinx/x、Jn(x)/x、等である。
【0024】〔2〕、有界でない曲線(fi (x) があるxの値の所で+−無限大に発散する関数の曲線)で、かつ周期関数の場合には、発散する区間を除くか又は発散するxの値を含む区間だけ有界な関数曲線で置換(補間)した曲線。例えば、■ ベッセル関数のうち第2種円柱関数Yn(X)K場合、但し、x=0で負に無限大に発散するので、区間〔0,Δx〕を除去し、残りの〔Δx,無限〕の区間のみを用いる(Δxは微小量である)。
【0025】■ y=tanxの場合、x=π/2+nπで発散するので、その前後の一定区間〔−π/2−Δx,−π/2+Δx〕,〔π/2−Δx,π/2+Δx〕,〔3π/2−Δx,3π/2+Δx〕,・・・の区間のみを直線に置換したもの(図5における実線部分参照)。さらに、tanxと該直線部とをより滑らかに接続するために、その交点近傍を2次曲線、3次曲線で更に補間したもの(図5における拡大部分参照)。
【0026】等をあげることができる。また、有界な曲線であっても、値が大き過ぎて製版寸法上あるいは光沢外観上不都合な場合には、そのような不都合な区間を他の適当な値を有する曲線や直線で補間したものをもちいることもできる。このようないずれの曲線に対しても、先に記したと同様な手法により適宜変調を行い、1/fスペクトルのゆらぎ感を持たせるようにすることは可能でありまた好ましい態様である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりより詳細に説明する。
【0028】
【実施例1】プロッター(Roland DEGITAL GROUP(株)製:DPX−3500)を用いて、太さ0.18mmのフィルム用ペンを使用してA3の製図用フィルムに任意に下記(i) 、(ii)の関係式で表される2つの正弦波曲線と任意のyに対してx座標、波長差、位相差及び振幅差を200等分する曲線x0 、x1 、・・・・、x200(iii) からなる曲線群−1を描いた(図7の図線の右側の曲線群Aに相当する)。
0 =20sin(y/21−4)+6sin(y/5−3) (i)x200 =22sin(y/24−3)+8sin(y/7−2)+200(ii)
【0029】


【0030】次に、同様に下記(iv)の関係式で表される曲線をx軸方向に200等分した曲線群−2(図7の図線の左側の曲線群Bに相当する)を描いて曲線群−1に接続した。
400 =24sin(y/23−1)+7sin(y/6−5)+400(iv)次いで、曲線群−1と曲線群−2を交互に接続した曲線を描いて連続した波状の曲線群を作図し、この図を25%に縮小した原版とした。なお、プロッターによる作図図面において線が木材繊維の直径より細くなるのが好ましいが、プロッターのペンには太さの限界があり事実状不可能なことから、全体を大きめに描きその後縮小することにより一本の線が木材繊維の太さの近くなるようにした。
【0031】上記の原版から光蝕刻法により銅板を腐食して、溝の深さ35μmの原版の波状曲線群に対応した溝状凹凸模様を有するエンボス版を得た。裏面に木目柄を印刷した透明塩化ビニルシート(理研ビニル工業(株)製:W−500、厚み0.1mm)の木目柄を印刷した側に、表面にパールインキでベタ印刷を施した着色塩化ビニルシート(理研ビニル工業(株)製:ST−11、厚み0.05mm)の表面側を積層し、さらに、上記着色塩化ビニルシートの裏面(パールベタ印刷を施した面とは反対の面)に上記エンボス版を木目柄の走る方向とその溝状凹凸模様の走る方向とをほぼ同方向として重ね合わせてから熱圧をかけてエンボス加工を施して、化粧材を得た。
【0032】エンボス加工後の化粧材を異なった方向から観察した。図7に示した凹凸模様に対して異なった方向Lから光を照射し、かつ化粧材を照射光の正反対方向Oから観察したところ図8、a、b、cに示すようにその光の照射方向の違いに応じて「照り」(明るく光る部分)が異なり、あたかも、天然板の持つ波状木理の横照りの移動と同様な横照りの移動を観察することができた。なお、図8aは、y軸に対して150°の角度で光を照射した場合の「照り」の部分を白場1として示しており、他の部分は塗り潰し2として示している。図8b、cは、同様に90°、30°の方向から光を照射した場合の図である。
【0033】すなわち、化粧材表面の凹凸模様のうち、照射光線の入射方向と凹凸模様の溝の走行方向とが一致(又は略一致)した領域は光を略正反射し照りの部分1となり、それ以外の領域は殆ど光を反射しない陰翳な部分2となる。
【0034】
【実施例2】厚さ100μmの着色PVCシート(可塑材:DOP 12重量部)の表面に、パール顔料インキ(パール顔料は酸化チタン被覆雲母の鱗片状粒子、バインダーは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)をグラビア塗工し、乾燥膜厚3μmとなるよう塗膜形成した。
【0035】該パールインキ塗膜層上及びその下層の着色PVCシート表層部を加熱、軟化させ、実施例1と同じエンボス版にて押圧し、波状万線条溝をエンボス加工して形成した。次に、厚さ80μmの無色透明PVCシート(可塑材:DOP 12重量部)の片面に、木目の年輪模様を印刷した(ただし、該印刷模様以外の部分は余白となっており透視可能となっている)。
【0036】該透明PVCシートと着色PVCシートとを、波状万線条溝と年輪模様とが向き合うようにして透明な2液硬化型ウレタン接着剤にて接着した。その際、年輪の走行方向と条溝の方向とは、図6に例示したように、同じ方向とした。上記のようにして得られた化粧シートに対して、実施例1の場合と同様に異なった方向から光を照射したところ、同様に、天然板の持つ波状木理の横照りの移動と同様な横照りの移動を観察することができた。
【0037】
【発明の効果】木目印刷模様の走る方向と同じ方向に走る波状曲線群からなるエンボス凹凸模様を設けたことにより、メイプル、サテンウッド、栃、楓のような特有な横照りを有する天然板と同様な横照り及び照りの移動感を化粧材表面に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 天然木材が照りを生じる原理を示す図。
【図2】 本発明による波状曲線群の断面の一例を示す図。
【図3】 天然木材の木目の持つ光学濃度の分析を説明する図。
【図4】 本発明による波状曲線群の作成過程を示す図。
【図5】 本発明に用いることのできる波状曲線群の一例を示す図。
【図6】 木目模様と波状曲線群との走る方向を説明する図。
【図7】 本発明により作成した波状曲線群の一例を示す図。
【図8】 図7の波状曲線群に異なった方向から光を照射したときの「照り」の変化を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材シートに対して、少なくとも木目印刷模様と該印刷された木目模様の走る方向と同じ方向に走る波状曲線群からなるエンボス凹凸模様とを設けたことを特徴とする化粧材。
【請求項2】 木目印刷模様と波状曲線群からなるエンボス凹凸模様とを、異なった基材シートに形成し、各基材シートを積層してなることを特徴とする、請求項1記載の化粧材。
【請求項3】 木目印刷模様と波状曲線群からなるエンボス凹凸模様とが、同一の基材シートに形成してなることを特徴とする、請求項1記載の化粧材。
【請求項4】 波状曲線群が関数曲線群からなり、各曲線の関数パラメータを順次変化させて各曲線間の間隔が線方向に滑らかに変化する曲線群からなることを特徴とする、請求項1ないし3いずれか記載の化粧材。
【請求項5】 波状曲線群が正弦波関数曲線であり、振幅をA、波長をλ、位相をαとした場合、関数パラメーターである振幅、波長、位相のいずれか1つ以上とY軸切片とが異なる■式と■式で表される2つの正弦波曲線の、波長差、位相差、周期差及びY座標差の格差をn等分した■式で表される曲線のiを0、1・・、n−1、nと遷移させた場合に示されるn+1本の曲線群からなる請求項1ないし4いずれか記載の化粧材。
O=AO sin (2π/λO)y … ■xn=AN sin (2πy/λN+α)+Δx … ■ xi=((An−AO)i/n+AO)sin {((2π/λN−2π/λO)i /n+2π/λO)y+αi/n}+Δxi/n …
【請求項6】 正弦波関数曲線群が関数パラメーターである振幅、波長、位相及びY軸切片を全て異ならしめた2つの正弦波関数曲線の波長差、位相差、周期差及びY座標差の格差をn等分して遷移させたn+1本の正弦波関数曲線からなる請求項5記載の化粧材。
【請求項7】 正弦波関数曲線群を2つ以上重ね合わせて、関数パラメーターである振幅、波長、位相及びY軸切片を全て異ならしめた2つの正弦波関数曲線の波長差、位相差、周期差及びY座標差の格差をn等分して遷移させたn+1本の正弦波関数曲線からなる請求項5記載の化粧材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平5−294100
【公開日】平成5年(1993)11月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−100009
【出願日】平成4年(1992)4月20日
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)