医用放射線治療装置
放射線治療装置は、固定した粒子線(6)のための放出窓(4)を備える粒子放射器(2)を有する。さらに放射線治療装置は、放出窓(4)の前方で患者(22)の照射に適する照射位置に持って来ることのできる患者台(18A、18B)を有する患者支持装置(16)を含む。さらに、照射すべき腫瘍の位置を決定又は検証するためのX線診断装置(8)が備えられ、その際X線診断装置(8)は照射位置にある患者台(18A、18B)のまわりの空間において移動可能なX線源(12)及び検出器(14)を有する。これによって、既に照射位置にある腫瘍の位置を検証する可能性が生まれ、その結果患者の移し変えを必要としない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍の治療に使用されるような医用放射線治療装置に関する。
【0002】
重イオンによる放射線治療においては、加速された粒子を用いて腫瘍が照射される。その際粒子加速器が空間に固定された放射出口により粒子線を発生させる。治療のために、患者は正確な予め限定された位置に持って来られなければならないが、しかも腫瘍が粒子線のいわゆるアイソセンタにあるようにしなければならない。体内の腫瘍の位置に依存して、患者に対し種々の照射位置(フィールド)が用いられるようになっており、例えば、患者は粒子放射器の前の横たわった位置又は座った位置にも置かれる。
【0003】
それ故放射線治療に先立って、腫瘍の位置をできるだけ正確に決定することが必要である。そのため画像診断法が用いられる。X線診断装置については例えば独国特許第18955213 C2号明細書、独国特許第18927022 C2号明細書、又は欧州特許第0220501 B1号明細書から得ることができる。腫瘍位置は通常患者に直接外側からのマーキングによって、いわゆる皮膚マーキングによって、又はいわゆる固定化マスクへのマーキングによって示される。
【0004】
腫瘍の種類及び大きさに依存して、治療計画においては腫瘍の安全な破壊に必要な個別照射(分割)の数が確定される。通常は数週間の期間にわたって患者あたり20〜30回の照射が実施される。
【0005】
照射のため患者は、粒子線のための粒子線放出窓を有する照射室内に運ばれる。患者は患者台上に固定される。ここで患者台とは、狭義の寝椅子並びに患者が固定される椅子をも意味する。次いで、放射線治療に取りかかる前に、患者は皮膚に又は固定化マスクにあるマーキングに相応して、既知のそしてレーザを介してマークされ定まったアイソセンタへ移動される。時として照射室内には粒子線放出窓に加えて固定した画像形成装置が設けられており、この装置によって腫瘍位置を解剖学的標識に基づいて検証することができる。検証後患者はその撮影位置から照射位置へ移される。
【0006】
診断の時点と各照射の時点との間の腫瘍の位置変化は、放射線治療の有効性を損なうことになり得る。また患者をマーキングに基づいてアイソセンタへ合わせることも不精確さを抱えている。照射の直ぐ前に腫瘍位置が検証される場合でさえ、患者が撮影位置から照射位置へ移されることに基づいて正確な位置定めは困難である。
【0007】
本発明の課題は、できるだけ有効な放射線治療を可能にする医用放射線治療装置を提供することにある。
【0008】
この課題は本発明によれば、請求項1に従う放射線治療装置、特にイオン放射線治療装置によって解決される。この放射線治療装置は、空間に固定した粒子線放出口を有する粒子線のための放出窓と、放出窓の前の、患者の照射に適する照射位置に持って来ることのできる患者台を有する患者支持装置とを含む。この治療装置はさらに、照射すべき腫瘍の位置を決定又は検証するための診断又は画像形成装置を有する。画像形成装置は特にX線装置であり、X線源及びこのX線源と対向するX線検出器を含む。画像形成装置は、照射位置にある患者台のまわりの空間内で移動することができる。そのためX線源とX線検出器とは共通の、特に機械的に硬い支持アームに固定されている。それ故この処置により、X線源とX線検出器とがそれぞれ互いに同じ場所に位置定めされることが保証される。さらに、空間内を移動するためには支持アームを相応して制御し移すことを必要とするだけである。従って空間内の2つの無関係な移動を必要とせず、それによって操作は簡単に保たれる。患者の各可能な照射位置において画像診断を可能にするために、支持アームは、粒子線によって規定される縦軸のまわりの角運動並びに縦軸に垂直な軸のまわりの周回軌道運動が実行可能なように支持されかつ操作可能である。この両回転自由度の重畳によって、一方の側へ開放している支持アームの構成と組み合わせて、患者のそれぞれの位置に左右されることなく、腫瘍の検証のため全診断位置をとることができる。
【0009】
この放射線治療装置の特に利点とするところは、患者台上にいる患者が同じ位置において撮像並びに治療を受けさせられるように粒子放射器が画像化装置と結合されている点にある。即ち、照射位置において直接腫瘍の位置の決定又は検証を可能にする。撮像は照射の直前又は照射中行われる。常に腫瘍の位置ずれの危険をはらんでいる撮像から照射への患者のいかなる移し変えも必要としない。それ故照射位置における腫瘍の位置の検証によって、粒子放射器のアイソセンタへの腫瘍の正確な位置定めを可能にし、その結果全体として放射線治療を高効率に使用することができる。さらに、空間における画像化装置の自由な移動性に基づいて、座った位置か又は横臥した位置か、患者のどの位置において治療が行われるかは取るに足りないことである。
【0010】
この放射線治療装置によって実施すべき方法はそれ故、各治療位置において腫瘍位置の決定のための位置検証が行われるということによってすぐれている。位置検証は、この際放射線治療装置の特殊な形態によって患者の各任意の治療位置において可能となる。位置検証のために、一つには腫瘍位置は二次元投影撮影に基づいて決定されるのが有利である。それに代わる有利な方法では、腫瘍位置の決定のための位置検証は三次元断層撮影に基づいて行われる。
【0011】
さらに、位置検証が本来の照射として、患者の横たわった位置でも座った位置でも、従って患者の各任意の治療位置において可能であることが極めて重要である。それ故目的にかなう発展形態に従えば、患者台は患者の横たわった照射位置に対する台として、又は患者の座った照射位置に対する椅子として形成されるか、又は改造可能であるようにあらかじめ備えられる。それ故ここで説明した配置によって、固定式の放射線放出口の場合、患者に任意の照射位置での照射が可能である。特に座った位置の可能性に基づいて正面照射も可能となる。この特殊な配置による結果として生み出される可変性が、従来のシステムに比して著しいコスト節減を可能にする。何故なら、粒子線の照射角の調節に費用がかかり従ってコストの高い特にいわゆるガントリーを無くすことができるからである。
【0012】
粒子放射器と画像形成装置との機器技術的結合の別の特別な利点は、照射の経過において腫瘍の位置が検証されるか管理され、従って患者の有効な姿勢制御を行うことができ、また行われることにある。このためにも画像形成装置を用いて例えば2D投影撮影が行われ、確定された画像は適切な画像評価を用いて以前に確定された腫瘍の3D画像と比較される。それによって、オンラインで、従って照射中に、最適の照射位置への患者の特に自動的に制御された移動によって腫瘍の位置変化に反応することが可能である。
【0013】
全体として、診断装置の極めて柔軟性のある位置定め可能性によって、同じ画像形成装置によって、即ち同じ放射線源・放射線検出器対によって、種々の照射位置に対し腫瘍の撮像を作り出すことを可能にする。それぞれ1つの患者位置に対してのみ画像生成のために使用されている固定したX線診断装置に比して、本発明によってまた機器技術的に明確な簡略化及びコストの安い解決法が得られる。
【0014】
X線装置としてはこの場合例えば二次元投影撮像を作り出すため、又は三次元低コントラスト撮像を作り出すため、通常のX線装置を使用するのが有利である。後者においては患者は扇状に広げられたX線で照射され、放射線検出器によって受け取られた信号は三次元画像を作り出すために評価される。この画像形成法は3Dコーンビーム再構成の名前でも知られている。
【0015】
支持アームとして、一方の側へ開いているC形又はU形の機械的支持構造が使用されるのが有利であり、その結果支持アームは放射線検出器と放射線源との間に配置された患者台をアーチ状に包み込む。
【0016】
目的にかなうように支持アームは、角運動に対しても周回軌道運動に対しても少なくとも180°の回転角が実現可能なように支承され操作可能である。それによって包括的な画画像情報が特に三次元画像形成に対しても得ることができる。いわゆる3Dコーンビーム法に対して扇状X線を使用する場合、角及び周回軌道運動に対する回転運動はX線の扇状広がり込みで少なくとも180°の値である。
【0017】
有利な形態に従えば、さらに支持アームは粒子放射器に回転可能に支承されるように備えられる。粒子放射器及び診断装置はそれ故互いに結ばれた単一の構造単位を形成する。構造的な結びつきによって、粒子放射器のアイソセンタに関する放射線源と放射線検出器との間の相対位置が常に正確に限定される。
【0018】
有利な代替的実施形態に従えば、支持アームは多軸式の、特に6軸式のロボットアームによって保持される。多軸式ロボットアームを介しての案内によって、空間内の自由な運動が制限なく、又はほぼ制限なく可能となり、その結果個々の要求を問題なく考慮することができる。両変型例において、診断装置の支持構造は空間に固定式に配置され、支持アームのみが空間中で自由に移動可能である。
【0019】
腫瘍の位置の検証後患者を正確に目標位置に移動するため、目的にかなう形態に従えば患者台が制御されてあらかじめ限定された照射位置へ移され得るように定められる。
【0020】
この目的のため特に、2つの装置、即ち診断装置と患者支持装置とを互いに適合するように制御する共通の制御装置が設けられる。それも、粒子線のアイソセンタを考慮して、また診断装置を用いて確定された腫瘍位置を考慮して、患者台がその上に固定された患者と共に必要な照射位置へ動かされるように行われる。X線画像に基づく腫瘍の位置の決定は、ここでは適切な自動的画像識別法によって自動的に、又は適切な入力装置を介して制御ユニットに腫瘍の位置を伝える専門の訓練を受けた医務員によって手動で行われる。
【0021】
一部は、粒子線に対する複数の放出窓が患者位置に関して所定の角度をもって備えられている。治療位置にある患者台のまわりの空間における診断装置の移動可能性に基づいて、同じ診断装置が粒子線に対し複数の放出窓による放射線治療用途に対しても適している。それ故、それぞれ空間に固定した放射線放出口を有する粒子線に対し特定の角度で配置された複数の放出窓と組み合わせて、診断装置が使用されるのが有利である。
【0022】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図はそれぞれ実施例の概略を示すもので、同じ作用をする部分については同符号を付してある。
【0024】
医用放射線治療装置はすべての各実施例において、重イオンからなる粒子線を発生させるための粒子加速器(以下粒子放射器という)を含む。この粒子放射器は、管2と管2に有する前面の放出窓4を含み、この放出窓から予め限定された位置に粒子線6が駆動中出て行く。放出窓4を有する管2は空間に固定式に配置されている。図示の実施例に代えて、空間に限定された角度をもって複数の固定された放出窓が配置されてもよい。
【0025】
放射線治療装置はさらに支持アーム10A、10Bを備えたX線診断装置8を有し、支持アームには対向する位置にそれぞれX線源12及びX線検出器14が配置されている。
【0026】
さらに放射線治療装置は患者台18を有する患者支持装置16を含み、その患者台は第1の多軸ロボットアーム20を介して制御することができる。患者台18A、18Bとはここでは一般に患者22が放射線治療のために用いられる位置に持って来られる装置を意味する。このことは座る位置であっても横たわる位置であってもよい。それ故患者台18A、18Bとは患者22の横たわる位置のための台並びに患者22の座る位置のための椅子状の形成物を意味する。
【0027】
放射線治療装置においては、腫瘍の位置の決定又は検証のためのX線撮影を患者22の放射線治療のために用いられる治療位置において実行し得るように、放出窓4と組み合わせたX線診断装置8の特別な構成及び配置が重要である。その際X線診断装置8は原則的に2D投影撮像のための並びに3D低コントラスト撮像のため及びいわゆる3Dコーンビーム画像の生成のために適している。
【0028】
実施例においてはそれぞれ、3Dコーンビーム撮像の生成のために、従って照射すべき腫瘍の三次元画像の生成のために用いられる扇状X線24が示されている。画像生成及び画像評価は既知の方法で行われる。3DX線画像の生成のためには、扇状X線24は扇角に関して少なくとも180°だけ患者の周りに移動し得ることが必要である。上述の放射線治療装置においては、患者22の各照射位置に依存せず、腫瘍の位置検証が同じ診断装置によって実行し得ることが重要である。それ故位置検証は、患者22が横たわった位置か又は座った位置か、粒子線6に対し縦方向に方向付けられているか又はこれに交叉するように方向付けられているかに左右されない。この可変性に決定的なことは、X線診断装置8の空間中でほぼ自由に移動し得る配置である。
【0029】
支持アーム10A、10Bは一方の側に開いており、従ってほぼU字状又はC字状に形成され、その結果支持アームは患者上を問題なく移動可能であり、その結果支持アームは放射線源12と放射線検出器14との間に位置定めされる。患者22の周りに180°以上回転可能なため、支持アーム10A、10Bは一方では粒子線6によって限定される縦軸のまわりの角運動を行うことができる。角運動は両方向矢印26によって示されている。他方支持アーム10A、10Bは粒子線6に垂直な軸のまわりの周回軌道運動を行うことができる。この周回軌道運動は別の二重矢印28によって示されている。
【0030】
患者22が限定された治療位置をとったときは、診断装置8は通例両運動方向の一方にのみ180°回転(X線の扇角込みで)、従って縦軸のまわりの角運動26か又は縦軸に垂直な別の回転軸のまわりの周回軌道運動28を行う。空間におけるこの別の回転軸の位置はこの場合可変であり、支持アーム10A、10Bの各角度回転位置に依存する。
【0031】
図1〜3に従う実施例においては、支持アーム10AはC型アーチとして形成され、そのアーチ端部にそれぞれ放射線源12及び検出器14を有する。支持アーム10Aは角運動26を行うため、管2の周りをリング状に取り巻く回転リング30上に支承されている。それ故この回転リング30を介して、支持アーム10Aは粒子線6によって形成される縦軸のまわりに回転可能である。周回軌道運動28を行うために、支持アーム10Aは回転リング30そのものに移動可能に支承され、例えばガイドレールによって、又は回転リング30と支持アーム10Aとの間のかみ合いによって案内される。この処置によって、各角回転位置において180°の周回軌道回転を行うことができる。逆に、各周回回転位置において少なくとも180°の角回転運動26を行うこともできる。すぐれた構造においては原則的にそれぞれ360°の回転運動が可能である。回転運動は主として患者台18A、18Bの位置によって制限される。
【0032】
図1の実施例においては、患者22は脳腫瘍の治療のため粒子線6に沿って向けられるように置かれた治療位置にある。支持アーム10Aは、脳腫瘍の位置の3D画像検証のため、角方向26に回転リング30を患者22の頭部のまわりに少なくとも180°ねじることによって回転される。
【0033】
図2に示される照射位置においては、患者22は粒子線6を横切るように置かれた位置にある。この場合支持アーム10Aは固定した角位置に方向を定められている。X線撮影のため支持アーム10Aは周回軌道方向28に患者22の胴のまわりに少なくとも180°旋回される。この場合角方向26の回転運動は行われない。
【0034】
図3に従う治療状態においては、患者22は座った治療位置にある。X線像の撮影のためこの場合は周回軌道方向28への支持アーム10Aの運動のみが行われる。
【0035】
図1〜3に示される第1の実施例と異なり、図4及び5に従う第2の実施例においては支持アーム10Bは特に6軸式の第2のロボットアーム32に取り付けられている。第2のロボットアーム32は実施例では室の天井に取り付けられている。第2のロボットアーム32の多軸構成によって、支持アーム10Bは室内の第2のロボットアーム32によって接近可能な任意の場所に位置定めすることができる。角回転運動26ないし周回軌道回転運動28を行うために、第2のロボットアーム32は複数の回転継手34を有する。この場合も、患者22がいる各治療位置に依存してX線像の撮影のためそれぞれ周回軌道方向28又は角方向26への少なくとも180°回転が行われる。
【0036】
X線診断装置8、患者支持装置16及び場合によっては粒子加速器は、共通の制御ユニットから、互いに適合するように調整しながら駆動されるのが有利である。放射線治療を行うため、患者22が放射線治療のための暫定的な治療位置に持って来られるように予め備えられるのが有利である。そのため患者が先ず患者台18A、18B上に固定され、患者台18A、18Bは第1のロボットアーム20を用いて所望の暫定的な治療位置へ移される。この位置において腫瘍の位置がX線装置8を用いて決定され検証される。固定された患者22は患者支持装置8を介して特に自動的にかつ制御されて最適の治療位置へ移され、その結果腫瘍はアイソセンタに置かれる。正しい位置定めはX線装置8によって検証される。
【0037】
この際腫瘍の位置の決定は、自動的に、又は確定された画像の医療専門家による評価によって行われる。患者22の位置定めの後、粒子線6が発生せしめられ、患者は照射される。図において粒子線6は、粒子線6による照射が通例X線撮影の実行後に行われることを示唆するため破線で示されている。
【0038】
ここには詳細に示されていない制御、管理、及び監視のユニットを用いることによって、患者22は自動的に放射線治療のための正しい治療位置に有利に移される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】1つの照射位置に対する支持アームの位置にあるC型アーチ状の支持アームにより回転可能に支承されたX線診断装置を備えた放射線治療装置の実施例の概略説明図である。
【図2】図1の実施例において図1の場合と異なる照射位置に対する支持アームの位置における放射線治療装置の概略説明図である。
【図3】図1の実施例において図1、図2の場合と異なる照射位置に対する支持アームの位置における放射線治療装置の概略説明図である。
【図4】多軸ロボットアームに固定された支持アームを有する放射線治療装置の一実施例の概略説明図である。
【図5】図4の実施例において図4と異なる位置に支持アームがある放射線治療装置の実施例の概略説明図である。
【符号の説明】
【0040】
2 管
4 放出窓
6 粒子線
8 X線診断装置
10A、10B 支持アーム
12 X線源
14 放射線検出器
16 患者支持装置
18A、18B 患者台
20 ロボットアーム
22 患者
24 扇状X線
26 両方向矢印(角運動)
28 両方向矢印(周回軌道運動)
30 回転リング
32 ロボットアーム
34 回転継手
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍の治療に使用されるような医用放射線治療装置に関する。
【0002】
重イオンによる放射線治療においては、加速された粒子を用いて腫瘍が照射される。その際粒子加速器が空間に固定された放射出口により粒子線を発生させる。治療のために、患者は正確な予め限定された位置に持って来られなければならないが、しかも腫瘍が粒子線のいわゆるアイソセンタにあるようにしなければならない。体内の腫瘍の位置に依存して、患者に対し種々の照射位置(フィールド)が用いられるようになっており、例えば、患者は粒子放射器の前の横たわった位置又は座った位置にも置かれる。
【0003】
それ故放射線治療に先立って、腫瘍の位置をできるだけ正確に決定することが必要である。そのため画像診断法が用いられる。X線診断装置については例えば独国特許第18955213 C2号明細書、独国特許第18927022 C2号明細書、又は欧州特許第0220501 B1号明細書から得ることができる。腫瘍位置は通常患者に直接外側からのマーキングによって、いわゆる皮膚マーキングによって、又はいわゆる固定化マスクへのマーキングによって示される。
【0004】
腫瘍の種類及び大きさに依存して、治療計画においては腫瘍の安全な破壊に必要な個別照射(分割)の数が確定される。通常は数週間の期間にわたって患者あたり20〜30回の照射が実施される。
【0005】
照射のため患者は、粒子線のための粒子線放出窓を有する照射室内に運ばれる。患者は患者台上に固定される。ここで患者台とは、狭義の寝椅子並びに患者が固定される椅子をも意味する。次いで、放射線治療に取りかかる前に、患者は皮膚に又は固定化マスクにあるマーキングに相応して、既知のそしてレーザを介してマークされ定まったアイソセンタへ移動される。時として照射室内には粒子線放出窓に加えて固定した画像形成装置が設けられており、この装置によって腫瘍位置を解剖学的標識に基づいて検証することができる。検証後患者はその撮影位置から照射位置へ移される。
【0006】
診断の時点と各照射の時点との間の腫瘍の位置変化は、放射線治療の有効性を損なうことになり得る。また患者をマーキングに基づいてアイソセンタへ合わせることも不精確さを抱えている。照射の直ぐ前に腫瘍位置が検証される場合でさえ、患者が撮影位置から照射位置へ移されることに基づいて正確な位置定めは困難である。
【0007】
本発明の課題は、できるだけ有効な放射線治療を可能にする医用放射線治療装置を提供することにある。
【0008】
この課題は本発明によれば、請求項1に従う放射線治療装置、特にイオン放射線治療装置によって解決される。この放射線治療装置は、空間に固定した粒子線放出口を有する粒子線のための放出窓と、放出窓の前の、患者の照射に適する照射位置に持って来ることのできる患者台を有する患者支持装置とを含む。この治療装置はさらに、照射すべき腫瘍の位置を決定又は検証するための診断又は画像形成装置を有する。画像形成装置は特にX線装置であり、X線源及びこのX線源と対向するX線検出器を含む。画像形成装置は、照射位置にある患者台のまわりの空間内で移動することができる。そのためX線源とX線検出器とは共通の、特に機械的に硬い支持アームに固定されている。それ故この処置により、X線源とX線検出器とがそれぞれ互いに同じ場所に位置定めされることが保証される。さらに、空間内を移動するためには支持アームを相応して制御し移すことを必要とするだけである。従って空間内の2つの無関係な移動を必要とせず、それによって操作は簡単に保たれる。患者の各可能な照射位置において画像診断を可能にするために、支持アームは、粒子線によって規定される縦軸のまわりの角運動並びに縦軸に垂直な軸のまわりの周回軌道運動が実行可能なように支持されかつ操作可能である。この両回転自由度の重畳によって、一方の側へ開放している支持アームの構成と組み合わせて、患者のそれぞれの位置に左右されることなく、腫瘍の検証のため全診断位置をとることができる。
【0009】
この放射線治療装置の特に利点とするところは、患者台上にいる患者が同じ位置において撮像並びに治療を受けさせられるように粒子放射器が画像化装置と結合されている点にある。即ち、照射位置において直接腫瘍の位置の決定又は検証を可能にする。撮像は照射の直前又は照射中行われる。常に腫瘍の位置ずれの危険をはらんでいる撮像から照射への患者のいかなる移し変えも必要としない。それ故照射位置における腫瘍の位置の検証によって、粒子放射器のアイソセンタへの腫瘍の正確な位置定めを可能にし、その結果全体として放射線治療を高効率に使用することができる。さらに、空間における画像化装置の自由な移動性に基づいて、座った位置か又は横臥した位置か、患者のどの位置において治療が行われるかは取るに足りないことである。
【0010】
この放射線治療装置によって実施すべき方法はそれ故、各治療位置において腫瘍位置の決定のための位置検証が行われるということによってすぐれている。位置検証は、この際放射線治療装置の特殊な形態によって患者の各任意の治療位置において可能となる。位置検証のために、一つには腫瘍位置は二次元投影撮影に基づいて決定されるのが有利である。それに代わる有利な方法では、腫瘍位置の決定のための位置検証は三次元断層撮影に基づいて行われる。
【0011】
さらに、位置検証が本来の照射として、患者の横たわった位置でも座った位置でも、従って患者の各任意の治療位置において可能であることが極めて重要である。それ故目的にかなう発展形態に従えば、患者台は患者の横たわった照射位置に対する台として、又は患者の座った照射位置に対する椅子として形成されるか、又は改造可能であるようにあらかじめ備えられる。それ故ここで説明した配置によって、固定式の放射線放出口の場合、患者に任意の照射位置での照射が可能である。特に座った位置の可能性に基づいて正面照射も可能となる。この特殊な配置による結果として生み出される可変性が、従来のシステムに比して著しいコスト節減を可能にする。何故なら、粒子線の照射角の調節に費用がかかり従ってコストの高い特にいわゆるガントリーを無くすことができるからである。
【0012】
粒子放射器と画像形成装置との機器技術的結合の別の特別な利点は、照射の経過において腫瘍の位置が検証されるか管理され、従って患者の有効な姿勢制御を行うことができ、また行われることにある。このためにも画像形成装置を用いて例えば2D投影撮影が行われ、確定された画像は適切な画像評価を用いて以前に確定された腫瘍の3D画像と比較される。それによって、オンラインで、従って照射中に、最適の照射位置への患者の特に自動的に制御された移動によって腫瘍の位置変化に反応することが可能である。
【0013】
全体として、診断装置の極めて柔軟性のある位置定め可能性によって、同じ画像形成装置によって、即ち同じ放射線源・放射線検出器対によって、種々の照射位置に対し腫瘍の撮像を作り出すことを可能にする。それぞれ1つの患者位置に対してのみ画像生成のために使用されている固定したX線診断装置に比して、本発明によってまた機器技術的に明確な簡略化及びコストの安い解決法が得られる。
【0014】
X線装置としてはこの場合例えば二次元投影撮像を作り出すため、又は三次元低コントラスト撮像を作り出すため、通常のX線装置を使用するのが有利である。後者においては患者は扇状に広げられたX線で照射され、放射線検出器によって受け取られた信号は三次元画像を作り出すために評価される。この画像形成法は3Dコーンビーム再構成の名前でも知られている。
【0015】
支持アームとして、一方の側へ開いているC形又はU形の機械的支持構造が使用されるのが有利であり、その結果支持アームは放射線検出器と放射線源との間に配置された患者台をアーチ状に包み込む。
【0016】
目的にかなうように支持アームは、角運動に対しても周回軌道運動に対しても少なくとも180°の回転角が実現可能なように支承され操作可能である。それによって包括的な画画像情報が特に三次元画像形成に対しても得ることができる。いわゆる3Dコーンビーム法に対して扇状X線を使用する場合、角及び周回軌道運動に対する回転運動はX線の扇状広がり込みで少なくとも180°の値である。
【0017】
有利な形態に従えば、さらに支持アームは粒子放射器に回転可能に支承されるように備えられる。粒子放射器及び診断装置はそれ故互いに結ばれた単一の構造単位を形成する。構造的な結びつきによって、粒子放射器のアイソセンタに関する放射線源と放射線検出器との間の相対位置が常に正確に限定される。
【0018】
有利な代替的実施形態に従えば、支持アームは多軸式の、特に6軸式のロボットアームによって保持される。多軸式ロボットアームを介しての案内によって、空間内の自由な運動が制限なく、又はほぼ制限なく可能となり、その結果個々の要求を問題なく考慮することができる。両変型例において、診断装置の支持構造は空間に固定式に配置され、支持アームのみが空間中で自由に移動可能である。
【0019】
腫瘍の位置の検証後患者を正確に目標位置に移動するため、目的にかなう形態に従えば患者台が制御されてあらかじめ限定された照射位置へ移され得るように定められる。
【0020】
この目的のため特に、2つの装置、即ち診断装置と患者支持装置とを互いに適合するように制御する共通の制御装置が設けられる。それも、粒子線のアイソセンタを考慮して、また診断装置を用いて確定された腫瘍位置を考慮して、患者台がその上に固定された患者と共に必要な照射位置へ動かされるように行われる。X線画像に基づく腫瘍の位置の決定は、ここでは適切な自動的画像識別法によって自動的に、又は適切な入力装置を介して制御ユニットに腫瘍の位置を伝える専門の訓練を受けた医務員によって手動で行われる。
【0021】
一部は、粒子線に対する複数の放出窓が患者位置に関して所定の角度をもって備えられている。治療位置にある患者台のまわりの空間における診断装置の移動可能性に基づいて、同じ診断装置が粒子線に対し複数の放出窓による放射線治療用途に対しても適している。それ故、それぞれ空間に固定した放射線放出口を有する粒子線に対し特定の角度で配置された複数の放出窓と組み合わせて、診断装置が使用されるのが有利である。
【0022】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図はそれぞれ実施例の概略を示すもので、同じ作用をする部分については同符号を付してある。
【0024】
医用放射線治療装置はすべての各実施例において、重イオンからなる粒子線を発生させるための粒子加速器(以下粒子放射器という)を含む。この粒子放射器は、管2と管2に有する前面の放出窓4を含み、この放出窓から予め限定された位置に粒子線6が駆動中出て行く。放出窓4を有する管2は空間に固定式に配置されている。図示の実施例に代えて、空間に限定された角度をもって複数の固定された放出窓が配置されてもよい。
【0025】
放射線治療装置はさらに支持アーム10A、10Bを備えたX線診断装置8を有し、支持アームには対向する位置にそれぞれX線源12及びX線検出器14が配置されている。
【0026】
さらに放射線治療装置は患者台18を有する患者支持装置16を含み、その患者台は第1の多軸ロボットアーム20を介して制御することができる。患者台18A、18Bとはここでは一般に患者22が放射線治療のために用いられる位置に持って来られる装置を意味する。このことは座る位置であっても横たわる位置であってもよい。それ故患者台18A、18Bとは患者22の横たわる位置のための台並びに患者22の座る位置のための椅子状の形成物を意味する。
【0027】
放射線治療装置においては、腫瘍の位置の決定又は検証のためのX線撮影を患者22の放射線治療のために用いられる治療位置において実行し得るように、放出窓4と組み合わせたX線診断装置8の特別な構成及び配置が重要である。その際X線診断装置8は原則的に2D投影撮像のための並びに3D低コントラスト撮像のため及びいわゆる3Dコーンビーム画像の生成のために適している。
【0028】
実施例においてはそれぞれ、3Dコーンビーム撮像の生成のために、従って照射すべき腫瘍の三次元画像の生成のために用いられる扇状X線24が示されている。画像生成及び画像評価は既知の方法で行われる。3DX線画像の生成のためには、扇状X線24は扇角に関して少なくとも180°だけ患者の周りに移動し得ることが必要である。上述の放射線治療装置においては、患者22の各照射位置に依存せず、腫瘍の位置検証が同じ診断装置によって実行し得ることが重要である。それ故位置検証は、患者22が横たわった位置か又は座った位置か、粒子線6に対し縦方向に方向付けられているか又はこれに交叉するように方向付けられているかに左右されない。この可変性に決定的なことは、X線診断装置8の空間中でほぼ自由に移動し得る配置である。
【0029】
支持アーム10A、10Bは一方の側に開いており、従ってほぼU字状又はC字状に形成され、その結果支持アームは患者上を問題なく移動可能であり、その結果支持アームは放射線源12と放射線検出器14との間に位置定めされる。患者22の周りに180°以上回転可能なため、支持アーム10A、10Bは一方では粒子線6によって限定される縦軸のまわりの角運動を行うことができる。角運動は両方向矢印26によって示されている。他方支持アーム10A、10Bは粒子線6に垂直な軸のまわりの周回軌道運動を行うことができる。この周回軌道運動は別の二重矢印28によって示されている。
【0030】
患者22が限定された治療位置をとったときは、診断装置8は通例両運動方向の一方にのみ180°回転(X線の扇角込みで)、従って縦軸のまわりの角運動26か又は縦軸に垂直な別の回転軸のまわりの周回軌道運動28を行う。空間におけるこの別の回転軸の位置はこの場合可変であり、支持アーム10A、10Bの各角度回転位置に依存する。
【0031】
図1〜3に従う実施例においては、支持アーム10AはC型アーチとして形成され、そのアーチ端部にそれぞれ放射線源12及び検出器14を有する。支持アーム10Aは角運動26を行うため、管2の周りをリング状に取り巻く回転リング30上に支承されている。それ故この回転リング30を介して、支持アーム10Aは粒子線6によって形成される縦軸のまわりに回転可能である。周回軌道運動28を行うために、支持アーム10Aは回転リング30そのものに移動可能に支承され、例えばガイドレールによって、又は回転リング30と支持アーム10Aとの間のかみ合いによって案内される。この処置によって、各角回転位置において180°の周回軌道回転を行うことができる。逆に、各周回回転位置において少なくとも180°の角回転運動26を行うこともできる。すぐれた構造においては原則的にそれぞれ360°の回転運動が可能である。回転運動は主として患者台18A、18Bの位置によって制限される。
【0032】
図1の実施例においては、患者22は脳腫瘍の治療のため粒子線6に沿って向けられるように置かれた治療位置にある。支持アーム10Aは、脳腫瘍の位置の3D画像検証のため、角方向26に回転リング30を患者22の頭部のまわりに少なくとも180°ねじることによって回転される。
【0033】
図2に示される照射位置においては、患者22は粒子線6を横切るように置かれた位置にある。この場合支持アーム10Aは固定した角位置に方向を定められている。X線撮影のため支持アーム10Aは周回軌道方向28に患者22の胴のまわりに少なくとも180°旋回される。この場合角方向26の回転運動は行われない。
【0034】
図3に従う治療状態においては、患者22は座った治療位置にある。X線像の撮影のためこの場合は周回軌道方向28への支持アーム10Aの運動のみが行われる。
【0035】
図1〜3に示される第1の実施例と異なり、図4及び5に従う第2の実施例においては支持アーム10Bは特に6軸式の第2のロボットアーム32に取り付けられている。第2のロボットアーム32は実施例では室の天井に取り付けられている。第2のロボットアーム32の多軸構成によって、支持アーム10Bは室内の第2のロボットアーム32によって接近可能な任意の場所に位置定めすることができる。角回転運動26ないし周回軌道回転運動28を行うために、第2のロボットアーム32は複数の回転継手34を有する。この場合も、患者22がいる各治療位置に依存してX線像の撮影のためそれぞれ周回軌道方向28又は角方向26への少なくとも180°回転が行われる。
【0036】
X線診断装置8、患者支持装置16及び場合によっては粒子加速器は、共通の制御ユニットから、互いに適合するように調整しながら駆動されるのが有利である。放射線治療を行うため、患者22が放射線治療のための暫定的な治療位置に持って来られるように予め備えられるのが有利である。そのため患者が先ず患者台18A、18B上に固定され、患者台18A、18Bは第1のロボットアーム20を用いて所望の暫定的な治療位置へ移される。この位置において腫瘍の位置がX線装置8を用いて決定され検証される。固定された患者22は患者支持装置8を介して特に自動的にかつ制御されて最適の治療位置へ移され、その結果腫瘍はアイソセンタに置かれる。正しい位置定めはX線装置8によって検証される。
【0037】
この際腫瘍の位置の決定は、自動的に、又は確定された画像の医療専門家による評価によって行われる。患者22の位置定めの後、粒子線6が発生せしめられ、患者は照射される。図において粒子線6は、粒子線6による照射が通例X線撮影の実行後に行われることを示唆するため破線で示されている。
【0038】
ここには詳細に示されていない制御、管理、及び監視のユニットを用いることによって、患者22は自動的に放射線治療のための正しい治療位置に有利に移される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】1つの照射位置に対する支持アームの位置にあるC型アーチ状の支持アームにより回転可能に支承されたX線診断装置を備えた放射線治療装置の実施例の概略説明図である。
【図2】図1の実施例において図1の場合と異なる照射位置に対する支持アームの位置における放射線治療装置の概略説明図である。
【図3】図1の実施例において図1、図2の場合と異なる照射位置に対する支持アームの位置における放射線治療装置の概略説明図である。
【図4】多軸ロボットアームに固定された支持アームを有する放射線治療装置の一実施例の概略説明図である。
【図5】図4の実施例において図4と異なる位置に支持アームがある放射線治療装置の実施例の概略説明図である。
【符号の説明】
【0040】
2 管
4 放出窓
6 粒子線
8 X線診断装置
10A、10B 支持アーム
12 X線源
14 放射線検出器
16 患者支持装置
18A、18B 患者台
20 ロボットアーム
22 患者
24 扇状X線
26 両方向矢印(角運動)
28 両方向矢印(周回軌道運動)
30 回転リング
32 ロボットアーム
34 回転継手
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線(6)のための放出窓(4)と、放出窓(4)の前方で患者(22)の照射に適する照射位置に持って来ることのできる患者台(18A、18B)を含む患者支持装置(16)と、照射すべき腫瘍の位置を決定するための診断装置(8)とを備え、診断装置(8)は共通の支持アーム(10A、10B)に取り付けられている放射線源(12)及び対向する放射線検出器(14)を有し、支持アーム(10A、10B)は、粒子線(6)によって規定される縦軸のまわりの角運動(26)及び縦軸に垂直な軸のまわりの周回軌道運動(28)を行うことができるように支承され操作可能であり、放射線源(12)及び放射線検出器(14)は、照射位置にある患者台(18A、18B)のまわりの空間において移動可能であることを特徴とする医用放射線治療装置。
【請求項2】
患者の各任意の照射位置における二次元投影撮影に基づいて、又は患者の各任意の照射位置における三次元断層撮影に基づいて腫瘍位置が決定可能であるように、診断装置(8)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の放射線治療装置。
【請求項3】
横たわる照射位置のための台(18A)の形及び座った照射位置のための椅子(18B)の形の患者台を使用する際、放射線源(12)及び放射線検出器(14)が患者台(18A、18B)のまわりの空間内で自由に移動可能であるように、診断装置(8)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線治療装置。
【請求項4】
支持アーム(10A、10B)がC形又はU形に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項5】
支持アーム(10A、10B)の回転運動が、角運動(26)に対しても周回軌道運動(28)に対しても少なくとも180°行われ得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項6】
支持アーム(10A)が粒子線を発生させるための装置に回転可能に支承されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項7】
支持アーム(10B)が多軸ロボットアーム(10B)によって保持されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項8】
患者台(22)が制御されて予め限定された照射位置へ移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項9】
放出窓(4)が空間に位置固定して配置され、イオン粒子線(6)を発生させるための装置の一部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項10】
複数の固定した放出窓(4)が用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項1】
粒子線(6)のための放出窓(4)と、放出窓(4)の前方で患者(22)の照射に適する照射位置に持って来ることのできる患者台(18A、18B)を含む患者支持装置(16)と、照射すべき腫瘍の位置を決定するための診断装置(8)とを備え、診断装置(8)は共通の支持アーム(10A、10B)に取り付けられている放射線源(12)及び対向する放射線検出器(14)を有し、支持アーム(10A、10B)は、粒子線(6)によって規定される縦軸のまわりの角運動(26)及び縦軸に垂直な軸のまわりの周回軌道運動(28)を行うことができるように支承され操作可能であり、放射線源(12)及び放射線検出器(14)は、照射位置にある患者台(18A、18B)のまわりの空間において移動可能であることを特徴とする医用放射線治療装置。
【請求項2】
患者の各任意の照射位置における二次元投影撮影に基づいて、又は患者の各任意の照射位置における三次元断層撮影に基づいて腫瘍位置が決定可能であるように、診断装置(8)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の放射線治療装置。
【請求項3】
横たわる照射位置のための台(18A)の形及び座った照射位置のための椅子(18B)の形の患者台を使用する際、放射線源(12)及び放射線検出器(14)が患者台(18A、18B)のまわりの空間内で自由に移動可能であるように、診断装置(8)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線治療装置。
【請求項4】
支持アーム(10A、10B)がC形又はU形に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項5】
支持アーム(10A、10B)の回転運動が、角運動(26)に対しても周回軌道運動(28)に対しても少なくとも180°行われ得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項6】
支持アーム(10A)が粒子線を発生させるための装置に回転可能に支承されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項7】
支持アーム(10B)が多軸ロボットアーム(10B)によって保持されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項8】
患者台(22)が制御されて予め限定された照射位置へ移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項9】
放出窓(4)が空間に位置固定して配置され、イオン粒子線(6)を発生させるための装置の一部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【請求項10】
複数の固定した放出窓(4)が用いられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の放射線治療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公表番号】特表2008−514325(P2008−514325A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534003(P2007−534003)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054665
【国際公開番号】WO2006/034973
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054665
【国際公開番号】WO2006/034973
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
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