医用画像診断装置
【課題】実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供すること。
【解決手段】シミュレーション患者情報及びシミュレーション検査情報に基づいて、過去に作成された画像データの中から、当該シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを検索する撮影シミュレータ部25と、前記画像データを表示する画像表示部9と、ユーザーによる前記シミュレーション患者情報及び前記シミュレーション検査情報の入力時に、前記過去に作成された画像データに対応する患者情報及び検査情報に基づいて、ユーザーによる前記入力を誘導する為の誘導表示を前記画像表示部に表示させる検査実施誘導部19と、を具備することを特徴とする。
【解決手段】シミュレーション患者情報及びシミュレーション検査情報に基づいて、過去に作成された画像データの中から、当該シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを検索する撮影シミュレータ部25と、前記画像データを表示する画像表示部9と、ユーザーによる前記シミュレーション患者情報及び前記シミュレーション検査情報の入力時に、前記過去に作成された画像データに対応する患者情報及び検査情報に基づいて、ユーザーによる前記入力を誘導する為の誘導表示を前記画像表示部に表示させる検査実施誘導部19と、を具備することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体内部の様子を画像として取得し、この画像に基づいて医療診断を実施することが可能な各種の医用画像診断装置は、相当規模以上の病院であれば遍く普及している状況となっている。そして、このような医療診断は、日常的な診断業務の一部となっている。
【0003】
具体的には、このような医用画像診断装置として、例えば被検体にX線を照射し、このX線が当該被検査体内における臓器や骨等に吸収されることを利用して画像化を行うX線撮影装置、X線撮影装置と同様の原理を利用しつつ被検体に対して多方向からX線を照射した結果得られる投影データを収集及び再構成することにより、当該被検体の断層画像を取得するX線CT装置、及び被検体内にMR(Magnetic Resonance;磁気共鳴)現象を起こし、このMR現象を用いることで当該被検体の断層画像を取得する磁気共鳴映像装置(以降、MRI装置と称する)等を挙げることができる。そして、これらの装置は、一般にマルチモダリティと総称されている。
【0004】
このような種々の医用画像診断装置を利用する際には、例えばユーザーには次のような技術が求められる。すなわち、例えばX線撮影装置を利用する際には、X線撮像条件等のパラメータを最適に設定する技術である。このパラメータの最適設定を行った上で撮影を行わなければ、明暗等の状況が良好な撮影画像を得られない。そして、このようなパラメータの最適設定には、ある程度の熟練が必要とされている。
【0005】
そのため、ユーザーの撮影技術や操作技術等を向上させるには、実際に被検体に対してX線を照射し、その結果得られる画像を観察するという経験を欠かすことはできない。従って、例えばX線等の放射線を取り扱う新人技師(放射線技術者)等を育成する際には、水が充填された円筒状や任意の人体形状を模したアクリル等のファントムを用いて、実際にX線を照射することでX線撮像のトレーニング等が行われている。そして、このような状況はX線撮影装置に限らず、他の各種医用画像診断装置例えばMRI装置等においても同様である。
【0006】
ところで、このような医用画像診断装置の操作方法等の習得に関連する技術として、例えば特許文献1及び特許文献2に、それぞれ次のような技術が開示されている。
【0007】
すなわち、特許文献1には、医療施設に設けられ且つ該医療施設の遠隔地にあるサービス施設に設けられたサーバシステムとネットワークを介して接続された医用装置において、被検体の撮影を行う装置本体部と、ユーザーが前記装置本体部の操作を行うための操作部と、前記ユーザーに対して提供する操作に関する情報の提供方法を選択決定するための選択決定手段と、前記選択決定手段により選択決定された提供方法に関する情報を前記サーバシステムに送信し、前記サーバシステムから前記選択決定された提供方法に対応する指導データを受信する送受信手段と、を具備する医用装置が開示されている。
【0008】
このような構成により、前記医用装置の操作方法を指導するトレーナーが、医用装置から離れている場所から、前記医用装置のユーザーに操作方法を指導する場合に、操作方法をより正確に且つ効率良く伝えることが可能な医用装置が提供される。
【0009】
また、特許文献2には、ユーザーが使用する情報端末とネットワークを介して通信可能とされる管理装置により、一以上の医用画像診断装置からなるモダリティシステムのシミュレーションに関するサービスを前記情報端末に対して提供する医用画像診断装置のシミュレーション方法であって、前記管理装置が、前記情報端末において指定した何れの医用画像診断装置のシミュレータを利用するのかを選択決定するためのモダリティ選択決定情報を、前記ネットワークを介して受信するステップと、前記管理装置が、前記モデリティ選択決定情報に基づき、選択決定された医用画像診断装置のシミュレータのシミュレータ画面情報を、前記情報端末に対して前記ネットワークを介して送信するステップと、前記管理装置が、前記情報端末において前記シミュレータ画面から操作されたシミュレータ操作情報を、前記ネットワークを介して受信し、前記シミュレータ操作情報に基づいてモダリティシミュレーションの演算処理を行うステップと、前記管理装置が、前記モダリティシミュレーションの演算処理の演算結果を、前記ネットワークを介して前記情報端末に対して送信するステップと、を有する医用画像診断装置のシミュレーション方法が開示されている。
【0010】
このような方法により、ユーザーは、情報端末からネットワークを介して管理装置に対してアクセスし、遠隔にてX線撮像シミュレータの演算処理を必要に応じて利用できる。また、患者にX線を被爆させることなくいつでも容易に何回でも模擬撮像を行うことができ、医者による事前の確認のために利用したり、経験の浅い技師の撮影トレーニングの効果を高めることができる。
【特許文献1】特開2002−306451号公報
【特許文献2】特開2003−310592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、新規な医用画像診断装置を導入した後には、技師及び医師等のユーザーには多種多様な操作トレーニングが必要となることを鑑みると、例えば特許文献1に開示された技術のようにトレーナーによる操作トレーニングではなく、ユーザー所望の時間に自学自習によって操作トレーニングを行えることが好ましい。
【0012】
また、医用画像診断装置の機種や個体によって異なる特性(例えば、X線管球の個体特徴、検出器の個体特徴等)や、各々の医用画像診断装置に特有の設定(操作画面レイアウト、表示画面遷移の設定、オプション構成等)を考慮に入れたシミュレーションを行う場合には、これらに関するパラメータの設定調整を逐次行わなければならない。
【0013】
しかしながら、例えば特許文献2に開示された技術のように一般的なモデルデータを用いてシミュレーションを行う場合、このような各々の医用画像診断装置に固有のパラメータの設定まではシミュレートできない。従って、各々の医用画像診断装置の特性及び特有の設定を反映させたシミュレーションを行うには、実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いてシミュレーションすることが好ましい。
【0014】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明による医用画像診断装置は、被検体に関する情報である患者情報、及びシミュレーション検査において用いる患者情報であるシミュレーション患者情報を入力する為の患者情報入力部と、前記被検体に対して実施する検査に関する情報である検査情報、及び前記シミュレーション検査において用いる検査情報であるシミュレーション検査情報を入力する為の検査情報入力部と、前記患者情報入力部によって入力された患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力された検査情報に基づいて撮影を実施して画像データを作成する撮影実施部と、前記患者情報入力部によって入力されたシミュレーション患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力されたシミュレーション検査情報に基づいて、過去に作成された画像データの中から、当該シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを検索する撮影シミュレータ部と、前記画像データを表示する画像表示部と、ユーザーによる前記シミュレーション患者情報及び前記シミュレーション検査情報の入力時に、前記過去に作成された画像データに対応する患者情報及び検査情報に基づいて、ユーザーによる前記入力を誘導する為の誘導表示を前記画像表示部に表示させる入力誘導部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本第1実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。
【0019】
同図に示すように、本第1実施形態に係る医用画像診断装置2は、診断装置部2Aと、シミュレーション装置部2Bとを具備する。
【0020】
ここで、本第1実施形態に係る医用画像診断装置2を用いて通常の検査のみを行う場合には、前記診断装置部2Aのみが用いられるが、後述する本第1実施形態に係る医用画像診断装置に特有の撮像シミュレーションを行う場合には、前記診断装置部2A及び前記シミュレーション装置部2Bが用いられる。以下、本第1実施形態に係る医用画像診断装置の構成を詳細に説明する。
【0021】
まず、前記診断装置部2Aは、患者情報入力部5と、検査情報入力部7と、画像情報表示部9と、撮影実施部11と、画像情報管理部13と、装置状態設定記憶部15とを有する。
【0022】
また、前記シミュレーション装置部2Bは、トレーニング指示部17と、検査実施誘導部19と、トレーニング用画像情報管理部21と、画像データ登録部23と、撮影シミュレータ部25と、トレーニング状態設定記憶部27とを有する。
【0023】
前記患者情報入力部5は、例えば図2に示すようなメイン表示画面51のうち第1表示領域53に表示される予約ボタン53Aがユーザーによって選択決定(例えばマウス等の入力デバイスによってメイン表示画面51に表示されたカーソルが選択対象に合わせられ且つ当該入力デバイスにおける決定ボタンがユーザーによって押圧操作)された場合に起動される予約業務アプリケーションである。この予約業務アプリケーションによれば、第2表示領域55に表示される検査予約画面表示55Tにおいて、検査を行う患者の基本情報を示す患者基本情報として、例えば患者ID、氏名、性別、生年月日、年齢、体重、身長、住所、及び連絡先等を入力・表示・修正することができ、且つ当該患者に関する検査予約状況を示す検査予約情報として検査日時、検査場所、検査コメント、及び主治医等の情報を入力・表示・編集することができる。
【0024】
なお、前記患者情報入力部5によって入力された患者基本情報及び検査予約情報は、後述する画像情報管理部13に保存される。
【0025】
ここで、図2に示す前記メイン表示画面51について詳細に説明する。すなわち、前記メイン表示画面51は図2に示すように、その左部領域を占める第1表示領域53と、前記第1表示領域53の右側の領域のうちの上部領域を占める第2表示領域55と、前記第2表示領域55の下側の領域を占める第3表示領域57とによって構成される。
【0026】
そして、前記第1表示領域53には、当該医用画像診断装置2における基本的な各種操作を、当該医用画像診断装置2に実行させる為のボタン群(例えば前記予約ボタン53A、撮影ボタン53B、観察ボタン53C、ファイルボタン53D、…、管理ボタン53S、終了ボタン53T等)が所定の順で配置され表示される。そして、前記第2表示領域55及び前記第3表示領域57には、ユーザーによって選択決定された前記の各ボタンに基づいた表示が行われる。
【0027】
前記検査情報入力部7は、図2に示す前記撮影ボタン53Bがユーザーによって選択決定された際に起動される業務アプリケーションであり、具体的には予約されている検査を実施する為の業務アプリケーションである。
【0028】
すなわち、ユーザーによって前記撮影ボタン53Bが選択決定されると、前記第2表示領域55には図3に示すように検査を行う患者の患者基本情報及び検査予約情報表示55Bが表示される。
【0029】
そして、ユーザーは撮影を行う為の検査実施情報として撮影部位及び撮影プラン等の情報を、前記第2表示領域55に表示される検査実施情報表示55Cにおいて入力・表示・編集することができる。このとき、前記第2表示領域55には更に、当該検査における撮影を開始する為のStartボタン55S、当該検査における撮影を中止する為のAbortボタン55Aも表示される。
【0030】
なお、前記検査予約情報は、前記検査情報入力部7による検査情報入力時においても入力・表示・編集することができる。以降、説明の便宜上、前記検査予約情報と前記検査実施情報とを検査情報と総称し、該検査情報は、前記検査情報入力部7によって入力されるものとして説明する。
【0031】
ここで、前記Startボタン55Sがユーザーによって選択決定された場合には、前記撮影実施部11に対して撮影開始が指示され、この指示を受けた撮影実施部11は、画像情報管理部に保存されている患者基本情報及び検査情報に基づいて撮影詳細条件を算出して撮影を行い、該撮影によって取得したデータをもとに画像データを作成して該画像データを前記画像情報管理部13に保存する。一方、前記Abortボタン55Aがユーザーによって選択決定された場合には、前記撮影実施部11は当該撮影を中止する。
【0032】
前記画像情報表示部9は、上述したように当該医用画像診断装置2における種々の操作表示画面を表示する表示部である。
【0033】
なお、前記観察ボタン53Cがユーザーによって選択決定されると、前記撮影実施部11によって過去に撮影された画像が、図4に示すように前記第3表示領域57に表示される。また、前記ファイルボタン53Dは、例えば撮影によって取得した画像データをネットワーク経由で当該医用画像診断装置2の外部に存在する画像管理システムと遣り取りする場合、イメージャやプリンタ等に画像を印刷する場合、及びMODやDVD等のオフラインメディアに対して画像等の書き込みや読み出しを行う場合に、ユーザーによって選択決定されるボタンである。さらに、前記管理ボタン53Sは、当該医用画像診断装置2の設定変更及び点検・保守を行う場合に、ユーザーによって選択決定されるボタンである。そして、前記終了ボタン53Tは、当該医用画像診断装置2を終了させる場合に、ユーザーによって選択決定されるボタンである。
【0034】
前記撮影実施部11は、上述したように画像情報管理部13に保存されている患者基本情報及び検査情報に基づいて撮影詳細条件を算出して撮影を行い、該撮影によって取得したデータをもとに画像データを作成して、該画像データを前記患者基本情報及び前記検査情報と関連付けて前記画像情報管理部13に保存する。
【0035】
前記装置状態設定記憶部15は、前記患者情報入力部5、前記検査情報入力部7、前記画像情報表示部9、前記撮影実施部11、及び前記画像情報管理部13から、それぞれ通知された現在の状態情報を記憶する。
【0036】
以下、前記シミュレーション装置部2Bの詳細な構成を説明する。
【0037】
前記トレーニング指示部17は、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データ(当該医用画像診断装置2を用いた撮影シミュレーションによるトレーニングにおいて用いる各種データ;詳細は図8を参照して後述する)を参照して、“トレーニング可能な患者基本条件・検査条件”の一覧を、前記画像情報表示部9に表示させる。そして、該表示を参照してユーザーによって選択決定された情報及び前記装置状態設定記憶部15によって記憶された装置状態に基づいて、前記トレーニング指示部17は、前記検査実施誘導部19を起動し、且つ前記トレーニング状態設定記憶部27にトレーニングの開始を通知する。なお、前記トレーニング指示部17は、当該トレーニングが終了した際には、当該トレーニングの終了を前記トレーニング状態設定記憶部27に通知する。
【0038】
前記検査実施誘導部19は、ユーザーによって患者基本情報及び検査情報が入力される際に、前記トレーニング指示部17からの指示に基づいて、入力候補としての患者基本情報及び検査情報(前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに基づいて絞り込む)を画像情報表示部9に表示させることで、ユーザーの情報入力を誘導する。
【0039】
前記トレーニング用画像情報管理部21は、前記トレーニング用データが格納されているデータベースであり、当該トレーニング用画像情報管理部21に格納されている前記トレーニング用データを検索可能なように構成されている。
【0040】
前記画像データ登録部23は、前記トレーニング用データを前記トレーニング用画像情報管理部21に登録する為の登録部である。
【0041】
前記撮影シミュレータ部25は、ユーザーによってトレーニングを実施する為の所定の操作が為されたときに、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに基づいて、当該トレーニングにおけるシミュレーション結果を、前記画像情報表示部9に表示させ且つ前記画像情報管理部13に登録する。なお、この撮影シミュレータ部25による処理の詳細は、図9に示すフローチャートを参照して後述する。
【0042】
前記トレーニング状態設定記憶部27は、上述したように前記トレーニング指示部17によって通知されたトレーニングの開始及び終了(トレーニング状態のON/OFF)を記憶する。
【0043】
以下、本第1実施形態に係る医用画像診断装置の主な特徴の一つである、撮影シミュレーションによるトレーニングについて詳細に説明する。
【0044】
まず、ユーザーによって前記管理ボタン53Sが選択決定されると、前記画像情報表示部9にはトレーニングを実施する為のボタン(不図示)が表示される。そして、このトレーニングを実施する為のボタン(不図示)がユーザーによって選択決定されると、前記トレーニング指示部17は、図5に示すようにトレーニング条件選択ウィンドウ61を前記画像情報表示部9に表示させる。そして、当該トレーニングにおける大まかな条件設定(初期設定)が次のようにして行われる。
【0045】
すなわち、前記トレーニング指示部17は、トレーニングする検査部位、検査目的、患者の年齢、及び性別を選択決定する為のプルダウンメニュー61P1乃至プルダウンメニュー61P4を、前記トレーニング条件選択ウィンドウ61内に表示させる。
【0046】
ここで、ユーザーが選択決定できる条件は、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応するデータのみである。すなわち、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されている画像データに対応する患者基本情報又は検査情報のデータのみが、それぞれにおけるプルダウンメニューとして表示される。
【0047】
そして、ユーザーは、図5に示すように前記トレーニング条件選択ウィンドウ61内にプルダウンメニューとして表示される前記トレーニング用データに対応するデータの中から、所望のデータを当該トレーニングに用いる患者基本情報又は検査条件として選択決定する。
【0048】
そして、ユーザーによって前記トレーニング条件選択ウィンドウ61における検索ボタン61Aが選択決定されると、その選択決定された条件に基づいて絞り込まれた前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データの一覧表示が、候補データ群表示61Bとして図5に示すように表示される。
【0049】
ユーザーは、この候補データ群表示61Bに表示されたデータの中から、今回のトレーニング対象として用いるデータを選択決定する。ユーザーによって所望のデータが選択決定されると、前記トレーニング指示部17は、前記トレーニング状態設定部に対してトレーニング状態がONとなったことを通知し、当該医用画像診断装置2はトレーニング開始状態となる。
【0050】
なお、トレーニングに用いるデータの初期設定の方法として、上述したように前記トレーニング指示部17が対象となるデータを画像情報表示部9に表示させることでユーザーに選択決定させてもよいし、前記トレーニング指示部17がランダムにトレーニング対象のデータを選択決定するようにしても勿論よい。
【0051】
ところで、当該医用画像診断装置2がトレーニング開始状態となると、前記トレーニング指示部17は、前記装置状態設定記憶部15に記憶された装置状態を参照して、前記検査実施誘導部19を起動する。
【0052】
そして、前記検査実施誘導部19は、上述したように前記トレーニング指示部17からの指示に基づいて、ユーザーが当該トレーニングにおいて用いる患者基本情報及び検査情報を入力する際に、候補となる患者基本情報及び検査情報(前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応する情報)を画像情報表示部9に表示させることで、ユーザーの入力操作を誘導する。
【0053】
具体的には、前記予約ボタン53Aがユーザーによって選択決定され、前記患者情報入力部5が起動されると、前記検査実施誘導部19は、例えば図6に示すような患者基本情報入力の為の患者情報入力誘導ウィンドウ71を、画像情報表示部9に表示させ、前記初期設定結果に従って、当該トレーニングにおいて用いる患者基本情報の候補のデータを、プルダウンメニュー71P1乃至71P3として、ユーザーに提示する。
【0054】
すなわち、前記検査実施誘導部19は、図6に示すように患者情報入力誘導ウィンドウ71において、患者基本情報として、患者性別、年齢、及び体重をプルダウンメニュー71P1乃至71P3としてユーザーに提示する。
【0055】
ここで、ユーザーによって患者性別から順に所望のデータが選択決定されていくと、前記検査実施誘導部19は、前記トレーニング用画像情報管理部21に格納されているトレーニング用データに対応するデータを、順次、当該選択決定されたデータに基づいて絞り込んで行く。
【0056】
例えば、患者性別Mがユーザーによって選択決定され、続いて年齢22才がユーザーによって選択決定されると、前記検査実施誘導部19は、この選択決定及び前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応する情報に基づいて、体重の侯補を絞り込んで(例、70Kg、50Kg、30kg→70Kg、50Kg)プルダウンメニューとして表示する。
【0057】
つまり、図6に示す例においては、前記検査実施誘導部19は、ユーザーによって選択決定されたデータに基づいて、患者基本情報候補71Cから患者基本情報候補71Dへと候補のデータを絞り込んでいく。
【0058】
なお、患者基本情報候補71C及び患者基本情報候補71Dは実際には画像情報表示部9上に表示されないが、候補となるデータの絞り込みのイメージを説明する為に便宜上図示した。
【0059】
ここで、患者基本情報がユーザーによって例えばキーボード等を用いて直接入力された場合であって、該患者基本情報が、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応するデータの範囲外にある場合(例えば体重であれば士10Kg以上の差異がある場合)には、シミュレーション結果として適切な画像データを最終的に出力することができない可能性があるので、前記検査実施誘導部19は、患者基本情報の再入力を促す旨の表示を画像情報表示部9に表示させる等して、患者基本情報の再入力をユーザーに促す。
【0060】
なお、患者基本情報としては、上述した患者性別、年齢、体重だけではなく、患者ID、氏名、住所等の情報の入力も必要であるが、これらの情報に関してはユーザーが適宜入力するものとしてよい。
【0061】
その後、前記撮影ボタン53Bがユーザーによって選択決定され、前記検査情報入力部7が起動されると、前記検査実施誘導部19は、例えば図7に示すような検査情報入力の為の検査情報入力誘導ウィンドウ81を画像情報表示部9に表示させ、前記初期設定結果に従って、当該トレーニングにおいて用いる検査情報の候補のデータを、プルダウンメニュー81P1乃至81P3として、ユーザーに提示する。
【0062】
すなわち、前記検査実施誘導部19は、図7に示すように検査情報入力誘導ウィンドウ81において、検査情報として、検査部位、検査名、シーケンス名を、プルダウンメニュー81P1乃至81P3としてユーザーに提示する。
【0063】
ここで、ユーザーによって検査部位から順に所望の情報が選択決定されていくと、前記検査実施誘導部19は、前記トレーニング用画像情報管理部21に格納されているトレーニング用データに対応するデータを、順次、当該選択決定されたデータに基づいて絞り込んで行く。
【0064】
例えば、検査名としてMRS(Magnetic Resonance Spectroscopy;磁気共鳴スペクトロスコピー)がユーザーによって選択決定されると、前記検査実施誘導部19は、この選択決定及び前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応する情報に基づいて、シーケンスの候補を絞り込んで(例えば、図7に示す例ではSE(Spin Echo;励起パルスによりFIDを発生させ、再収束180°パルスを印加することによりFIDの位相を揃えて、再収束したMR信号(エコー)を測定する方法。)_MRS136、STE(Stimulated Echo;励起エコーの一種)_MRS10)、プルダウンメニューとして表示する。
【0065】
なお、検査情報がユーザーによって例えばキーボード等を用いて直接入力された場合であって、該検査情報が、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応するデータの範囲外にある場合(例えば検査データの検査部位として脚部が入力された場合)には、シミュレーション結果として適切な画像データを最終的に出力することができない可能性があるので、前記検査実施誘導部19は、検査情報の再入力を促す旨の表示を画像情報表示部9に表示させる等して、検査情報の再入力をユーザーに促す。
【0066】
ところで、前記トレーニング用画像情報管理部21において登録されているトレーニング用データは、詳細には次のような構成となっている。すなわち、図8に示すように、トレーニング用データ101は、例えば実際の検査撮影によって取得した画像データ101Cと、該画像データ101Cに対応する検査の検査情報101Bと、該画像データに対応する患者の患者基本情報101Aとを含む。
【0067】
換言すれば、前記トレーニング用画像情報管理部21には、前記患者基本情報101Aと前記検査情報101Bと前記画像データ101Cとを含むトレーニング用データ101が一つのファイルとして、複数ファイル格納されている。
【0068】
なお、トレーニング用データ101における1つのファイル中に、画像データ101Cとして複数の画像データが格納されていても勿論良い。また、患者基本情報101Aは、必ずしも上述した各項目すなわち患者ID、氏名、性別、生年月日、年齢、体重、身長、住所、及び連絡先等の全てを含んでいなくても良い。
【0069】
同様に、検査情報101Bは、必ずしも上述した各項目すなわち検査日時、検査場所、検査コメント、主治医等の情報、撮影部位、及び撮影プラン等の全てを含んでいなくともよく、逆に、撮影条件を算出する際に考慮しなければならない撮像種別(検査プロトコルなど)、撮像種類、撮影回数等の情報を更に含んでいても勿論よい。
【0070】
そして、このようなトレーニング用データ101は、前記画像データ登録部23によって前記トレーニング用画像情報管理部21に登録される。なお、この画像データ登録部23によって前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されるトレーニング用データ101における画像データ101Cは、例えばDICOM規格に準拠したデータであるとする。
【0071】
以下、このトレーニング用画像情報管理部21に登録されたトレーニング用データ101の複数のファイルの中から、当該トレーニングにおけるシミュレーション結果として最終的に出力する画像データ101Cを含むトレーニング用データ101のファイルを選択する為の一連の処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0072】
なお、この一連の処理は、前記撮影シミュレータ部25によって行われる処理である。換言すれば、前記撮影シミュレータ部25は、図9に示すフローチャートの処理を実行することで、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データ101のファイル群から、当該トレーニングにおいて用いる各種条件にもっとも近い条件にて撮影された画像データ101Cを含むトレーニング用データ101を選択する。
【0073】
まず、図3を参照して説明したように、前記検査情報入力部7によって検査実施情報が入力され且つ前記Startボタン55Sが選択決定されると、撮影開始が前記撮影実施部11に指示される。そして、前記撮影実施部11は、前記トレーニング状態設定記憶部27に記憶されたトレーニング状態を示すデータを参照して、トレーニング状態がONであることを認識した後、前記撮影シミュレータ部25を起動する。
【0074】
そして、前記撮影シミュレータ部25は、上述したように前記患者情報入力部5によって入力された患者基本情報に基づいて、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データ101のファイルの絞り込みを行う(ステップS1)。
【0075】
具体的には、このステップS1においては、次のような絞り込みを行う。すなわち前記撮影シミュレータ部25は、入力された患者基本情報に基づいて、例えば、
検査データの患者年齢-10%≦入力年齢≦検査データの患者年齢+10%
AND
検査データの患者性別=入力性別
AND
検査データの患者体重-5%≦入力体重≦検査データの患者体重+5%
AND
検査データの検査部位=入力検査部位
AND
検査データの検査名=入力検査名
AND
検査データのシーケンス名 = 入力シーケンス名
という検索条件式によって、トレーニング用データ101のファイルの絞り込みを行う。
【0076】
続いて、前記撮影シミュレータ部25は、前記ステップS1において絞り込んだトレーニング用データ101のファイルに対して、上述したように前記検査情報入力部7によって入力された検査情報に基づいて、更なる絞り込みを行う(ステップS2)。
【0077】
具体的には、このステップS2においては、次のような絞り込みを行う。すなわち前記撮影シミュレータ部25は、入力された検査情報に基づいて、例えば、
検査データのTR-10%≦入力TR≦検査データのTR+10%
AND
検査データのNAQ-5%≦入力TR≦ 検査データのNAQ+10%
AND
検査データのImaging Flop Angle-10%≦入力TR≦ 検査データのImaging Flop Angle+10%
AND
検査データのGate Source=検査データのGate Source
という検索条件式によって、絞り込みを行う。
【0078】
前記TRとは、Time Of Repetitionの略称であり、RFパルスの励起からエコー信号を取り込んで1サイクル終了し、次に同じスライスを励起するまでの時間である。
【0079】
前記NAQとは、同じ条件の収集を繰り返すことでSNR(SN比)を上げる手法である。
【0080】
前記Image Flop Angleとは、スピンエコーを発生させるためのリフォーカスパルスの角度である。
【0081】
前記Gate Sourceとは、現在選択決定されているシーケンスをどのような同期モードで実行するかを指定するものである。
【0082】
ところで、前記ステップS1及び前記ステップS2における処理を実行した後であっても、当該トレーニングにおける各種条件に最も近い条件にて撮影された画像データ101Cを含むトレーニング用データ101として一つのファイルに絞り込めない場合には、各ファイルについて次のようにして“一致度”を求め、最も一致度の高いファイルを選択する(ステップS3)。
【0083】
具体的には、このステップS3においては、当該トレーニングにおいて用いる患者基本情報または検査情報として入力された値をS、前記トレーニング用データ101における患者基本情報101Aまたは検査情報101Bの値をTとすると、
一致度=1/Σ(|S−T|)…(式1)
として求める。なお、前記(式1)における“Σ”は、患者基本情報及び検査情報における各項目についてそれぞれ算出した値を足し合わせることを示している。
【0084】
このようにして算出した一致度に基づいて、前記撮影シミュレータ部25は、最も高い一致度を示すトレーニング用データ101を選択する。
【0085】
その後、前記撮影シミュレータ部25は、選択したトレーニング用データ101と、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報を示すトレーニング条件情報とを関連付け、且つ前記撮影実施形部11から取得した当該トレーニングを識別する為の検査識別情報(例えば検査ID等)と共に前記画像情報管理部13に登録する。
【0086】
そして、前記撮影シミュレータ25は、前記トレーニング状態設定記憶部27に、トレーニング状態として終了(OFF)を通知し、当該トレーニングにおける一連の処理を終了する。
【0087】
上述したように、前記撮影シミュレータ部25による一連の処理は、前記患者情報入力部5によって入力された患者基本情報、及び前記検査情報入力部7によって入力された検査情報に基づいて、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されたトレーニング用データ101の絞り込みを行い、更に上述した一致度を参照して、当該トレーニングにおける各種条件に最も近い条件にて撮影された画像データ101Cを含むトレーニング用データ101を選択する処理である。
【0088】
以上説明したように、本第1実施形態によれば、実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供することができる。
【0089】
具体的には、本第1実施形態によれば、ユーザーは通常の検査で用いる医用画像診断装置そのものを用いて撮像のトレーニングを行うことで、それぞれの医用画像診断装置における各種設定等の特徴が反映されたトレーニングを行うことができる。また、人体にエネルギーを照射することなく容易に何回でも模擬撮像演習を行うことができる。
【0090】
より詳細には、操作する際の各種表示画面及びそのパラメータとして、実検査と同じものを利用できるため、より実検査に近い状態で操作確認を実施できる。
【0091】
さらには、本第1実施形態によれば、経験の浅いユーザーの為のトレーニングだけでなく、実検査前の確認の為のトレーニングとして、また実運用時の条件設定を確認する為のトレーニングとしても利用できる医用画像診断装置を提供することができる。
【0092】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、説明の重複を避ける為に、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との相違点のみを説明する。
【0093】
図10は、本第2実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。同図に示すように、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と本第2実施形態に係る医用画像診断装置との構成上の相違点は、前記シミュレーション装置部2Bの構成である。
【0094】
すなわち、本第2実施形態においては、図10に示すように前記トレーニング用画像情報管理部21及び前記画像データ登録部23は、前記シミュレーション装置部2Bに含まれない。
【0095】
つまり、前記トレーニング用画像情報管理部21及び前記画像データ登録部23は、当該医用画像診断装置2とは別体の装置として設けられ、例えば所定のネットワークを介して当該医用画像診断装置2に接続されている。
【0096】
以上説明したように、本第2実施形態によれば、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と同様の効果を奏する上に、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されている前記トレーニング用データを、他の医用画像診断装置等と共有することができ、トレーニング用データの増大や有効活用を実現する医用画像診断装置を提供することができる。
【0097】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、説明の重複を避ける為に、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との相違点のみを説明する。
【0098】
図11は、本第3実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。同図に示すように、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と本第3実施形態に係る医用画像診断装置との構成上の相違点は、前記画像情報管理部13と、前記画像データ登録部23とが電気通信回線により接続されている点である。
【0099】
すなわち、本第3実施形態においては、前記画像情報管理部13から、前記画像データ登録部23を介して、トレーニング用データとしての画像データと該画像データに対応する患者基本情報及び検査情報とが、前記トレーニング用画像情報管理部21に随時登録される。
【0100】
以上説明したように、本第3実施形態によれば、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と同様の効果を奏する上に、当該医用画像診断装置による実際の検査撮影で取得した画像データと該画像データに対応する患者基本情報及び検査情報とを効率良くトレーニング用データとして前記トレーニング用画像情報管理部21に登録することができる医用画像診断装置を提供することができる。
【0101】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、説明の重複を避ける為に、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との相違点のみを説明する。
【0102】
図12は、本第4実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。同図に示すように、本第4実施形態に係る医用画像診断装置と前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との構成上の相違点は、画像情報比較表示部31の有無である。
【0103】
この画像情報比較表示部31によって、本第4実施形態に係る医用画像診断装置では、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データを実際に取得した検査における患者基本情報及び検査情報等を、例えば図13に示すように、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報等と比較表示させることができる。
【0104】
すなわち、本第4実施形態に係る医用画像診断装置によれば、図13に示すように比較表示画面91として、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データの画像データ表示91Aと、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報等表示91Bと、前記画像データを実際に取得した検査における患者基本情報及び検査情報等表示91Cとが、前記画像情報表示部9に表示される。
【0105】
以上説明したように、本第4実施形態によれば、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報等表示91Bと、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データを実際に取得した検査における患者基本情報及び検査情報等表示91Cとをユーザーが比較することで、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データの妥当性を確認することができる医用画像診断装置を提供することができる。
【0106】
以上、第1実施形態乃至第4実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
【0107】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図2】メイン表示画面の一例を示す図。
【図3】撮影ボタンが選択決定された場合のメイン表示画面の一例を示す図。
【図4】観察ボタンが選択決定された場合のメイン表示画面の一例を示す図。
【図5】トレーニング条件選択ウィンドウの一例を示す図。
【図6】患者基本情報入力の為の患者情報入力誘導ウィンドウの一例を示す図。
【図7】査情報入力の為の検査情報入力誘導ウィンドウの一例を示す図。
【図8】トレーニング用データの一構成例を示す図。
【図9】撮影シミュレータ部によって行われるトレーニング用データの絞り込み処理のフローチャートを示す図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図12】本発明の第4実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図13】本発明の第4実施形態に係る医用画像診断装置による比較表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0109】
53…第1表示領域、 53D…ファイルボタン、 53S…管理ボタン、 53T…終了ボタン、 55…第2表示領域、 55A…Abortボタン、 55B…検査予約情報表示、 55C…検査実施情報表示、 55S…Startボタン、 55T…検査予約画面表示、 57…第3表示領域、 61…トレーニング条件選択ウィンドウ、 61P1,61P2,61P3,61P4…プルダウンメニュー、 61A…検索ボタン、 61B…候補データ群表示、 71…患者情報入力誘導ウィンドウ、 71P1、71P2,71P3…プルダウンメニュー、 71C,71D…患者基本情報候補、 81…検査情報入力誘導ウィンドウ、 81P1,81P2,81P3…プルダウンメニュー、 91…比較表示画面、 91A…画像データ表示、 91B…検査情報等表示、 91C…検査情報等表示、 101…トレーニング用データ、 101A…患者基本情報、 101B…検査情報、 101C…画像データ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体内部の様子を画像として取得し、この画像に基づいて医療診断を実施することが可能な各種の医用画像診断装置は、相当規模以上の病院であれば遍く普及している状況となっている。そして、このような医療診断は、日常的な診断業務の一部となっている。
【0003】
具体的には、このような医用画像診断装置として、例えば被検体にX線を照射し、このX線が当該被検査体内における臓器や骨等に吸収されることを利用して画像化を行うX線撮影装置、X線撮影装置と同様の原理を利用しつつ被検体に対して多方向からX線を照射した結果得られる投影データを収集及び再構成することにより、当該被検体の断層画像を取得するX線CT装置、及び被検体内にMR(Magnetic Resonance;磁気共鳴)現象を起こし、このMR現象を用いることで当該被検体の断層画像を取得する磁気共鳴映像装置(以降、MRI装置と称する)等を挙げることができる。そして、これらの装置は、一般にマルチモダリティと総称されている。
【0004】
このような種々の医用画像診断装置を利用する際には、例えばユーザーには次のような技術が求められる。すなわち、例えばX線撮影装置を利用する際には、X線撮像条件等のパラメータを最適に設定する技術である。このパラメータの最適設定を行った上で撮影を行わなければ、明暗等の状況が良好な撮影画像を得られない。そして、このようなパラメータの最適設定には、ある程度の熟練が必要とされている。
【0005】
そのため、ユーザーの撮影技術や操作技術等を向上させるには、実際に被検体に対してX線を照射し、その結果得られる画像を観察するという経験を欠かすことはできない。従って、例えばX線等の放射線を取り扱う新人技師(放射線技術者)等を育成する際には、水が充填された円筒状や任意の人体形状を模したアクリル等のファントムを用いて、実際にX線を照射することでX線撮像のトレーニング等が行われている。そして、このような状況はX線撮影装置に限らず、他の各種医用画像診断装置例えばMRI装置等においても同様である。
【0006】
ところで、このような医用画像診断装置の操作方法等の習得に関連する技術として、例えば特許文献1及び特許文献2に、それぞれ次のような技術が開示されている。
【0007】
すなわち、特許文献1には、医療施設に設けられ且つ該医療施設の遠隔地にあるサービス施設に設けられたサーバシステムとネットワークを介して接続された医用装置において、被検体の撮影を行う装置本体部と、ユーザーが前記装置本体部の操作を行うための操作部と、前記ユーザーに対して提供する操作に関する情報の提供方法を選択決定するための選択決定手段と、前記選択決定手段により選択決定された提供方法に関する情報を前記サーバシステムに送信し、前記サーバシステムから前記選択決定された提供方法に対応する指導データを受信する送受信手段と、を具備する医用装置が開示されている。
【0008】
このような構成により、前記医用装置の操作方法を指導するトレーナーが、医用装置から離れている場所から、前記医用装置のユーザーに操作方法を指導する場合に、操作方法をより正確に且つ効率良く伝えることが可能な医用装置が提供される。
【0009】
また、特許文献2には、ユーザーが使用する情報端末とネットワークを介して通信可能とされる管理装置により、一以上の医用画像診断装置からなるモダリティシステムのシミュレーションに関するサービスを前記情報端末に対して提供する医用画像診断装置のシミュレーション方法であって、前記管理装置が、前記情報端末において指定した何れの医用画像診断装置のシミュレータを利用するのかを選択決定するためのモダリティ選択決定情報を、前記ネットワークを介して受信するステップと、前記管理装置が、前記モデリティ選択決定情報に基づき、選択決定された医用画像診断装置のシミュレータのシミュレータ画面情報を、前記情報端末に対して前記ネットワークを介して送信するステップと、前記管理装置が、前記情報端末において前記シミュレータ画面から操作されたシミュレータ操作情報を、前記ネットワークを介して受信し、前記シミュレータ操作情報に基づいてモダリティシミュレーションの演算処理を行うステップと、前記管理装置が、前記モダリティシミュレーションの演算処理の演算結果を、前記ネットワークを介して前記情報端末に対して送信するステップと、を有する医用画像診断装置のシミュレーション方法が開示されている。
【0010】
このような方法により、ユーザーは、情報端末からネットワークを介して管理装置に対してアクセスし、遠隔にてX線撮像シミュレータの演算処理を必要に応じて利用できる。また、患者にX線を被爆させることなくいつでも容易に何回でも模擬撮像を行うことができ、医者による事前の確認のために利用したり、経験の浅い技師の撮影トレーニングの効果を高めることができる。
【特許文献1】特開2002−306451号公報
【特許文献2】特開2003−310592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、新規な医用画像診断装置を導入した後には、技師及び医師等のユーザーには多種多様な操作トレーニングが必要となることを鑑みると、例えば特許文献1に開示された技術のようにトレーナーによる操作トレーニングではなく、ユーザー所望の時間に自学自習によって操作トレーニングを行えることが好ましい。
【0012】
また、医用画像診断装置の機種や個体によって異なる特性(例えば、X線管球の個体特徴、検出器の個体特徴等)や、各々の医用画像診断装置に特有の設定(操作画面レイアウト、表示画面遷移の設定、オプション構成等)を考慮に入れたシミュレーションを行う場合には、これらに関するパラメータの設定調整を逐次行わなければならない。
【0013】
しかしながら、例えば特許文献2に開示された技術のように一般的なモデルデータを用いてシミュレーションを行う場合、このような各々の医用画像診断装置に固有のパラメータの設定まではシミュレートできない。従って、各々の医用画像診断装置の特性及び特有の設定を反映させたシミュレーションを行うには、実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いてシミュレーションすることが好ましい。
【0014】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明による医用画像診断装置は、被検体に関する情報である患者情報、及びシミュレーション検査において用いる患者情報であるシミュレーション患者情報を入力する為の患者情報入力部と、前記被検体に対して実施する検査に関する情報である検査情報、及び前記シミュレーション検査において用いる検査情報であるシミュレーション検査情報を入力する為の検査情報入力部と、前記患者情報入力部によって入力された患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力された検査情報に基づいて撮影を実施して画像データを作成する撮影実施部と、前記患者情報入力部によって入力されたシミュレーション患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力されたシミュレーション検査情報に基づいて、過去に作成された画像データの中から、当該シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを検索する撮影シミュレータ部と、前記画像データを表示する画像表示部と、ユーザーによる前記シミュレーション患者情報及び前記シミュレーション検査情報の入力時に、前記過去に作成された画像データに対応する患者情報及び検査情報に基づいて、ユーザーによる前記入力を誘導する為の誘導表示を前記画像表示部に表示させる入力誘導部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本第1実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。
【0019】
同図に示すように、本第1実施形態に係る医用画像診断装置2は、診断装置部2Aと、シミュレーション装置部2Bとを具備する。
【0020】
ここで、本第1実施形態に係る医用画像診断装置2を用いて通常の検査のみを行う場合には、前記診断装置部2Aのみが用いられるが、後述する本第1実施形態に係る医用画像診断装置に特有の撮像シミュレーションを行う場合には、前記診断装置部2A及び前記シミュレーション装置部2Bが用いられる。以下、本第1実施形態に係る医用画像診断装置の構成を詳細に説明する。
【0021】
まず、前記診断装置部2Aは、患者情報入力部5と、検査情報入力部7と、画像情報表示部9と、撮影実施部11と、画像情報管理部13と、装置状態設定記憶部15とを有する。
【0022】
また、前記シミュレーション装置部2Bは、トレーニング指示部17と、検査実施誘導部19と、トレーニング用画像情報管理部21と、画像データ登録部23と、撮影シミュレータ部25と、トレーニング状態設定記憶部27とを有する。
【0023】
前記患者情報入力部5は、例えば図2に示すようなメイン表示画面51のうち第1表示領域53に表示される予約ボタン53Aがユーザーによって選択決定(例えばマウス等の入力デバイスによってメイン表示画面51に表示されたカーソルが選択対象に合わせられ且つ当該入力デバイスにおける決定ボタンがユーザーによって押圧操作)された場合に起動される予約業務アプリケーションである。この予約業務アプリケーションによれば、第2表示領域55に表示される検査予約画面表示55Tにおいて、検査を行う患者の基本情報を示す患者基本情報として、例えば患者ID、氏名、性別、生年月日、年齢、体重、身長、住所、及び連絡先等を入力・表示・修正することができ、且つ当該患者に関する検査予約状況を示す検査予約情報として検査日時、検査場所、検査コメント、及び主治医等の情報を入力・表示・編集することができる。
【0024】
なお、前記患者情報入力部5によって入力された患者基本情報及び検査予約情報は、後述する画像情報管理部13に保存される。
【0025】
ここで、図2に示す前記メイン表示画面51について詳細に説明する。すなわち、前記メイン表示画面51は図2に示すように、その左部領域を占める第1表示領域53と、前記第1表示領域53の右側の領域のうちの上部領域を占める第2表示領域55と、前記第2表示領域55の下側の領域を占める第3表示領域57とによって構成される。
【0026】
そして、前記第1表示領域53には、当該医用画像診断装置2における基本的な各種操作を、当該医用画像診断装置2に実行させる為のボタン群(例えば前記予約ボタン53A、撮影ボタン53B、観察ボタン53C、ファイルボタン53D、…、管理ボタン53S、終了ボタン53T等)が所定の順で配置され表示される。そして、前記第2表示領域55及び前記第3表示領域57には、ユーザーによって選択決定された前記の各ボタンに基づいた表示が行われる。
【0027】
前記検査情報入力部7は、図2に示す前記撮影ボタン53Bがユーザーによって選択決定された際に起動される業務アプリケーションであり、具体的には予約されている検査を実施する為の業務アプリケーションである。
【0028】
すなわち、ユーザーによって前記撮影ボタン53Bが選択決定されると、前記第2表示領域55には図3に示すように検査を行う患者の患者基本情報及び検査予約情報表示55Bが表示される。
【0029】
そして、ユーザーは撮影を行う為の検査実施情報として撮影部位及び撮影プラン等の情報を、前記第2表示領域55に表示される検査実施情報表示55Cにおいて入力・表示・編集することができる。このとき、前記第2表示領域55には更に、当該検査における撮影を開始する為のStartボタン55S、当該検査における撮影を中止する為のAbortボタン55Aも表示される。
【0030】
なお、前記検査予約情報は、前記検査情報入力部7による検査情報入力時においても入力・表示・編集することができる。以降、説明の便宜上、前記検査予約情報と前記検査実施情報とを検査情報と総称し、該検査情報は、前記検査情報入力部7によって入力されるものとして説明する。
【0031】
ここで、前記Startボタン55Sがユーザーによって選択決定された場合には、前記撮影実施部11に対して撮影開始が指示され、この指示を受けた撮影実施部11は、画像情報管理部に保存されている患者基本情報及び検査情報に基づいて撮影詳細条件を算出して撮影を行い、該撮影によって取得したデータをもとに画像データを作成して該画像データを前記画像情報管理部13に保存する。一方、前記Abortボタン55Aがユーザーによって選択決定された場合には、前記撮影実施部11は当該撮影を中止する。
【0032】
前記画像情報表示部9は、上述したように当該医用画像診断装置2における種々の操作表示画面を表示する表示部である。
【0033】
なお、前記観察ボタン53Cがユーザーによって選択決定されると、前記撮影実施部11によって過去に撮影された画像が、図4に示すように前記第3表示領域57に表示される。また、前記ファイルボタン53Dは、例えば撮影によって取得した画像データをネットワーク経由で当該医用画像診断装置2の外部に存在する画像管理システムと遣り取りする場合、イメージャやプリンタ等に画像を印刷する場合、及びMODやDVD等のオフラインメディアに対して画像等の書き込みや読み出しを行う場合に、ユーザーによって選択決定されるボタンである。さらに、前記管理ボタン53Sは、当該医用画像診断装置2の設定変更及び点検・保守を行う場合に、ユーザーによって選択決定されるボタンである。そして、前記終了ボタン53Tは、当該医用画像診断装置2を終了させる場合に、ユーザーによって選択決定されるボタンである。
【0034】
前記撮影実施部11は、上述したように画像情報管理部13に保存されている患者基本情報及び検査情報に基づいて撮影詳細条件を算出して撮影を行い、該撮影によって取得したデータをもとに画像データを作成して、該画像データを前記患者基本情報及び前記検査情報と関連付けて前記画像情報管理部13に保存する。
【0035】
前記装置状態設定記憶部15は、前記患者情報入力部5、前記検査情報入力部7、前記画像情報表示部9、前記撮影実施部11、及び前記画像情報管理部13から、それぞれ通知された現在の状態情報を記憶する。
【0036】
以下、前記シミュレーション装置部2Bの詳細な構成を説明する。
【0037】
前記トレーニング指示部17は、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データ(当該医用画像診断装置2を用いた撮影シミュレーションによるトレーニングにおいて用いる各種データ;詳細は図8を参照して後述する)を参照して、“トレーニング可能な患者基本条件・検査条件”の一覧を、前記画像情報表示部9に表示させる。そして、該表示を参照してユーザーによって選択決定された情報及び前記装置状態設定記憶部15によって記憶された装置状態に基づいて、前記トレーニング指示部17は、前記検査実施誘導部19を起動し、且つ前記トレーニング状態設定記憶部27にトレーニングの開始を通知する。なお、前記トレーニング指示部17は、当該トレーニングが終了した際には、当該トレーニングの終了を前記トレーニング状態設定記憶部27に通知する。
【0038】
前記検査実施誘導部19は、ユーザーによって患者基本情報及び検査情報が入力される際に、前記トレーニング指示部17からの指示に基づいて、入力候補としての患者基本情報及び検査情報(前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに基づいて絞り込む)を画像情報表示部9に表示させることで、ユーザーの情報入力を誘導する。
【0039】
前記トレーニング用画像情報管理部21は、前記トレーニング用データが格納されているデータベースであり、当該トレーニング用画像情報管理部21に格納されている前記トレーニング用データを検索可能なように構成されている。
【0040】
前記画像データ登録部23は、前記トレーニング用データを前記トレーニング用画像情報管理部21に登録する為の登録部である。
【0041】
前記撮影シミュレータ部25は、ユーザーによってトレーニングを実施する為の所定の操作が為されたときに、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに基づいて、当該トレーニングにおけるシミュレーション結果を、前記画像情報表示部9に表示させ且つ前記画像情報管理部13に登録する。なお、この撮影シミュレータ部25による処理の詳細は、図9に示すフローチャートを参照して後述する。
【0042】
前記トレーニング状態設定記憶部27は、上述したように前記トレーニング指示部17によって通知されたトレーニングの開始及び終了(トレーニング状態のON/OFF)を記憶する。
【0043】
以下、本第1実施形態に係る医用画像診断装置の主な特徴の一つである、撮影シミュレーションによるトレーニングについて詳細に説明する。
【0044】
まず、ユーザーによって前記管理ボタン53Sが選択決定されると、前記画像情報表示部9にはトレーニングを実施する為のボタン(不図示)が表示される。そして、このトレーニングを実施する為のボタン(不図示)がユーザーによって選択決定されると、前記トレーニング指示部17は、図5に示すようにトレーニング条件選択ウィンドウ61を前記画像情報表示部9に表示させる。そして、当該トレーニングにおける大まかな条件設定(初期設定)が次のようにして行われる。
【0045】
すなわち、前記トレーニング指示部17は、トレーニングする検査部位、検査目的、患者の年齢、及び性別を選択決定する為のプルダウンメニュー61P1乃至プルダウンメニュー61P4を、前記トレーニング条件選択ウィンドウ61内に表示させる。
【0046】
ここで、ユーザーが選択決定できる条件は、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応するデータのみである。すなわち、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されている画像データに対応する患者基本情報又は検査情報のデータのみが、それぞれにおけるプルダウンメニューとして表示される。
【0047】
そして、ユーザーは、図5に示すように前記トレーニング条件選択ウィンドウ61内にプルダウンメニューとして表示される前記トレーニング用データに対応するデータの中から、所望のデータを当該トレーニングに用いる患者基本情報又は検査条件として選択決定する。
【0048】
そして、ユーザーによって前記トレーニング条件選択ウィンドウ61における検索ボタン61Aが選択決定されると、その選択決定された条件に基づいて絞り込まれた前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データの一覧表示が、候補データ群表示61Bとして図5に示すように表示される。
【0049】
ユーザーは、この候補データ群表示61Bに表示されたデータの中から、今回のトレーニング対象として用いるデータを選択決定する。ユーザーによって所望のデータが選択決定されると、前記トレーニング指示部17は、前記トレーニング状態設定部に対してトレーニング状態がONとなったことを通知し、当該医用画像診断装置2はトレーニング開始状態となる。
【0050】
なお、トレーニングに用いるデータの初期設定の方法として、上述したように前記トレーニング指示部17が対象となるデータを画像情報表示部9に表示させることでユーザーに選択決定させてもよいし、前記トレーニング指示部17がランダムにトレーニング対象のデータを選択決定するようにしても勿論よい。
【0051】
ところで、当該医用画像診断装置2がトレーニング開始状態となると、前記トレーニング指示部17は、前記装置状態設定記憶部15に記憶された装置状態を参照して、前記検査実施誘導部19を起動する。
【0052】
そして、前記検査実施誘導部19は、上述したように前記トレーニング指示部17からの指示に基づいて、ユーザーが当該トレーニングにおいて用いる患者基本情報及び検査情報を入力する際に、候補となる患者基本情報及び検査情報(前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応する情報)を画像情報表示部9に表示させることで、ユーザーの入力操作を誘導する。
【0053】
具体的には、前記予約ボタン53Aがユーザーによって選択決定され、前記患者情報入力部5が起動されると、前記検査実施誘導部19は、例えば図6に示すような患者基本情報入力の為の患者情報入力誘導ウィンドウ71を、画像情報表示部9に表示させ、前記初期設定結果に従って、当該トレーニングにおいて用いる患者基本情報の候補のデータを、プルダウンメニュー71P1乃至71P3として、ユーザーに提示する。
【0054】
すなわち、前記検査実施誘導部19は、図6に示すように患者情報入力誘導ウィンドウ71において、患者基本情報として、患者性別、年齢、及び体重をプルダウンメニュー71P1乃至71P3としてユーザーに提示する。
【0055】
ここで、ユーザーによって患者性別から順に所望のデータが選択決定されていくと、前記検査実施誘導部19は、前記トレーニング用画像情報管理部21に格納されているトレーニング用データに対応するデータを、順次、当該選択決定されたデータに基づいて絞り込んで行く。
【0056】
例えば、患者性別Mがユーザーによって選択決定され、続いて年齢22才がユーザーによって選択決定されると、前記検査実施誘導部19は、この選択決定及び前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応する情報に基づいて、体重の侯補を絞り込んで(例、70Kg、50Kg、30kg→70Kg、50Kg)プルダウンメニューとして表示する。
【0057】
つまり、図6に示す例においては、前記検査実施誘導部19は、ユーザーによって選択決定されたデータに基づいて、患者基本情報候補71Cから患者基本情報候補71Dへと候補のデータを絞り込んでいく。
【0058】
なお、患者基本情報候補71C及び患者基本情報候補71Dは実際には画像情報表示部9上に表示されないが、候補となるデータの絞り込みのイメージを説明する為に便宜上図示した。
【0059】
ここで、患者基本情報がユーザーによって例えばキーボード等を用いて直接入力された場合であって、該患者基本情報が、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応するデータの範囲外にある場合(例えば体重であれば士10Kg以上の差異がある場合)には、シミュレーション結果として適切な画像データを最終的に出力することができない可能性があるので、前記検査実施誘導部19は、患者基本情報の再入力を促す旨の表示を画像情報表示部9に表示させる等して、患者基本情報の再入力をユーザーに促す。
【0060】
なお、患者基本情報としては、上述した患者性別、年齢、体重だけではなく、患者ID、氏名、住所等の情報の入力も必要であるが、これらの情報に関してはユーザーが適宜入力するものとしてよい。
【0061】
その後、前記撮影ボタン53Bがユーザーによって選択決定され、前記検査情報入力部7が起動されると、前記検査実施誘導部19は、例えば図7に示すような検査情報入力の為の検査情報入力誘導ウィンドウ81を画像情報表示部9に表示させ、前記初期設定結果に従って、当該トレーニングにおいて用いる検査情報の候補のデータを、プルダウンメニュー81P1乃至81P3として、ユーザーに提示する。
【0062】
すなわち、前記検査実施誘導部19は、図7に示すように検査情報入力誘導ウィンドウ81において、検査情報として、検査部位、検査名、シーケンス名を、プルダウンメニュー81P1乃至81P3としてユーザーに提示する。
【0063】
ここで、ユーザーによって検査部位から順に所望の情報が選択決定されていくと、前記検査実施誘導部19は、前記トレーニング用画像情報管理部21に格納されているトレーニング用データに対応するデータを、順次、当該選択決定されたデータに基づいて絞り込んで行く。
【0064】
例えば、検査名としてMRS(Magnetic Resonance Spectroscopy;磁気共鳴スペクトロスコピー)がユーザーによって選択決定されると、前記検査実施誘導部19は、この選択決定及び前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応する情報に基づいて、シーケンスの候補を絞り込んで(例えば、図7に示す例ではSE(Spin Echo;励起パルスによりFIDを発生させ、再収束180°パルスを印加することによりFIDの位相を揃えて、再収束したMR信号(エコー)を測定する方法。)_MRS136、STE(Stimulated Echo;励起エコーの一種)_MRS10)、プルダウンメニューとして表示する。
【0065】
なお、検査情報がユーザーによって例えばキーボード等を用いて直接入力された場合であって、該検査情報が、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データに対応するデータの範囲外にある場合(例えば検査データの検査部位として脚部が入力された場合)には、シミュレーション結果として適切な画像データを最終的に出力することができない可能性があるので、前記検査実施誘導部19は、検査情報の再入力を促す旨の表示を画像情報表示部9に表示させる等して、検査情報の再入力をユーザーに促す。
【0066】
ところで、前記トレーニング用画像情報管理部21において登録されているトレーニング用データは、詳細には次のような構成となっている。すなわち、図8に示すように、トレーニング用データ101は、例えば実際の検査撮影によって取得した画像データ101Cと、該画像データ101Cに対応する検査の検査情報101Bと、該画像データに対応する患者の患者基本情報101Aとを含む。
【0067】
換言すれば、前記トレーニング用画像情報管理部21には、前記患者基本情報101Aと前記検査情報101Bと前記画像データ101Cとを含むトレーニング用データ101が一つのファイルとして、複数ファイル格納されている。
【0068】
なお、トレーニング用データ101における1つのファイル中に、画像データ101Cとして複数の画像データが格納されていても勿論良い。また、患者基本情報101Aは、必ずしも上述した各項目すなわち患者ID、氏名、性別、生年月日、年齢、体重、身長、住所、及び連絡先等の全てを含んでいなくても良い。
【0069】
同様に、検査情報101Bは、必ずしも上述した各項目すなわち検査日時、検査場所、検査コメント、主治医等の情報、撮影部位、及び撮影プラン等の全てを含んでいなくともよく、逆に、撮影条件を算出する際に考慮しなければならない撮像種別(検査プロトコルなど)、撮像種類、撮影回数等の情報を更に含んでいても勿論よい。
【0070】
そして、このようなトレーニング用データ101は、前記画像データ登録部23によって前記トレーニング用画像情報管理部21に登録される。なお、この画像データ登録部23によって前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されるトレーニング用データ101における画像データ101Cは、例えばDICOM規格に準拠したデータであるとする。
【0071】
以下、このトレーニング用画像情報管理部21に登録されたトレーニング用データ101の複数のファイルの中から、当該トレーニングにおけるシミュレーション結果として最終的に出力する画像データ101Cを含むトレーニング用データ101のファイルを選択する為の一連の処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0072】
なお、この一連の処理は、前記撮影シミュレータ部25によって行われる処理である。換言すれば、前記撮影シミュレータ部25は、図9に示すフローチャートの処理を実行することで、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データ101のファイル群から、当該トレーニングにおいて用いる各種条件にもっとも近い条件にて撮影された画像データ101Cを含むトレーニング用データ101を選択する。
【0073】
まず、図3を参照して説明したように、前記検査情報入力部7によって検査実施情報が入力され且つ前記Startボタン55Sが選択決定されると、撮影開始が前記撮影実施部11に指示される。そして、前記撮影実施部11は、前記トレーニング状態設定記憶部27に記憶されたトレーニング状態を示すデータを参照して、トレーニング状態がONであることを認識した後、前記撮影シミュレータ部25を起動する。
【0074】
そして、前記撮影シミュレータ部25は、上述したように前記患者情報入力部5によって入力された患者基本情報に基づいて、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されているトレーニング用データ101のファイルの絞り込みを行う(ステップS1)。
【0075】
具体的には、このステップS1においては、次のような絞り込みを行う。すなわち前記撮影シミュレータ部25は、入力された患者基本情報に基づいて、例えば、
検査データの患者年齢-10%≦入力年齢≦検査データの患者年齢+10%
AND
検査データの患者性別=入力性別
AND
検査データの患者体重-5%≦入力体重≦検査データの患者体重+5%
AND
検査データの検査部位=入力検査部位
AND
検査データの検査名=入力検査名
AND
検査データのシーケンス名 = 入力シーケンス名
という検索条件式によって、トレーニング用データ101のファイルの絞り込みを行う。
【0076】
続いて、前記撮影シミュレータ部25は、前記ステップS1において絞り込んだトレーニング用データ101のファイルに対して、上述したように前記検査情報入力部7によって入力された検査情報に基づいて、更なる絞り込みを行う(ステップS2)。
【0077】
具体的には、このステップS2においては、次のような絞り込みを行う。すなわち前記撮影シミュレータ部25は、入力された検査情報に基づいて、例えば、
検査データのTR-10%≦入力TR≦検査データのTR+10%
AND
検査データのNAQ-5%≦入力TR≦ 検査データのNAQ+10%
AND
検査データのImaging Flop Angle-10%≦入力TR≦ 検査データのImaging Flop Angle+10%
AND
検査データのGate Source=検査データのGate Source
という検索条件式によって、絞り込みを行う。
【0078】
前記TRとは、Time Of Repetitionの略称であり、RFパルスの励起からエコー信号を取り込んで1サイクル終了し、次に同じスライスを励起するまでの時間である。
【0079】
前記NAQとは、同じ条件の収集を繰り返すことでSNR(SN比)を上げる手法である。
【0080】
前記Image Flop Angleとは、スピンエコーを発生させるためのリフォーカスパルスの角度である。
【0081】
前記Gate Sourceとは、現在選択決定されているシーケンスをどのような同期モードで実行するかを指定するものである。
【0082】
ところで、前記ステップS1及び前記ステップS2における処理を実行した後であっても、当該トレーニングにおける各種条件に最も近い条件にて撮影された画像データ101Cを含むトレーニング用データ101として一つのファイルに絞り込めない場合には、各ファイルについて次のようにして“一致度”を求め、最も一致度の高いファイルを選択する(ステップS3)。
【0083】
具体的には、このステップS3においては、当該トレーニングにおいて用いる患者基本情報または検査情報として入力された値をS、前記トレーニング用データ101における患者基本情報101Aまたは検査情報101Bの値をTとすると、
一致度=1/Σ(|S−T|)…(式1)
として求める。なお、前記(式1)における“Σ”は、患者基本情報及び検査情報における各項目についてそれぞれ算出した値を足し合わせることを示している。
【0084】
このようにして算出した一致度に基づいて、前記撮影シミュレータ部25は、最も高い一致度を示すトレーニング用データ101を選択する。
【0085】
その後、前記撮影シミュレータ部25は、選択したトレーニング用データ101と、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報を示すトレーニング条件情報とを関連付け、且つ前記撮影実施形部11から取得した当該トレーニングを識別する為の検査識別情報(例えば検査ID等)と共に前記画像情報管理部13に登録する。
【0086】
そして、前記撮影シミュレータ25は、前記トレーニング状態設定記憶部27に、トレーニング状態として終了(OFF)を通知し、当該トレーニングにおける一連の処理を終了する。
【0087】
上述したように、前記撮影シミュレータ部25による一連の処理は、前記患者情報入力部5によって入力された患者基本情報、及び前記検査情報入力部7によって入力された検査情報に基づいて、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されたトレーニング用データ101の絞り込みを行い、更に上述した一致度を参照して、当該トレーニングにおける各種条件に最も近い条件にて撮影された画像データ101Cを含むトレーニング用データ101を選択する処理である。
【0088】
以上説明したように、本第1実施形態によれば、実際に人体にエネルギーを照射することなく且つ実際に検査に用いる医用画像診断装置そのものを用いて容易に撮像のシミュレーションを行うことができる医用画像診断装置を提供することができる。
【0089】
具体的には、本第1実施形態によれば、ユーザーは通常の検査で用いる医用画像診断装置そのものを用いて撮像のトレーニングを行うことで、それぞれの医用画像診断装置における各種設定等の特徴が反映されたトレーニングを行うことができる。また、人体にエネルギーを照射することなく容易に何回でも模擬撮像演習を行うことができる。
【0090】
より詳細には、操作する際の各種表示画面及びそのパラメータとして、実検査と同じものを利用できるため、より実検査に近い状態で操作確認を実施できる。
【0091】
さらには、本第1実施形態によれば、経験の浅いユーザーの為のトレーニングだけでなく、実検査前の確認の為のトレーニングとして、また実運用時の条件設定を確認する為のトレーニングとしても利用できる医用画像診断装置を提供することができる。
【0092】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、説明の重複を避ける為に、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との相違点のみを説明する。
【0093】
図10は、本第2実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。同図に示すように、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と本第2実施形態に係る医用画像診断装置との構成上の相違点は、前記シミュレーション装置部2Bの構成である。
【0094】
すなわち、本第2実施形態においては、図10に示すように前記トレーニング用画像情報管理部21及び前記画像データ登録部23は、前記シミュレーション装置部2Bに含まれない。
【0095】
つまり、前記トレーニング用画像情報管理部21及び前記画像データ登録部23は、当該医用画像診断装置2とは別体の装置として設けられ、例えば所定のネットワークを介して当該医用画像診断装置2に接続されている。
【0096】
以上説明したように、本第2実施形態によれば、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と同様の効果を奏する上に、前記トレーニング用画像情報管理部21に登録されている前記トレーニング用データを、他の医用画像診断装置等と共有することができ、トレーニング用データの増大や有効活用を実現する医用画像診断装置を提供することができる。
【0097】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、説明の重複を避ける為に、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との相違点のみを説明する。
【0098】
図11は、本第3実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。同図に示すように、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と本第3実施形態に係る医用画像診断装置との構成上の相違点は、前記画像情報管理部13と、前記画像データ登録部23とが電気通信回線により接続されている点である。
【0099】
すなわち、本第3実施形態においては、前記画像情報管理部13から、前記画像データ登録部23を介して、トレーニング用データとしての画像データと該画像データに対応する患者基本情報及び検査情報とが、前記トレーニング用画像情報管理部21に随時登録される。
【0100】
以上説明したように、本第3実施形態によれば、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置と同様の効果を奏する上に、当該医用画像診断装置による実際の検査撮影で取得した画像データと該画像データに対応する患者基本情報及び検査情報とを効率良くトレーニング用データとして前記トレーニング用画像情報管理部21に登録することができる医用画像診断装置を提供することができる。
【0101】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。なお、説明の重複を避ける為に、前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との相違点のみを説明する。
【0102】
図12は、本第4実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図である。同図に示すように、本第4実施形態に係る医用画像診断装置と前記第1実施形態に係る医用画像診断装置との構成上の相違点は、画像情報比較表示部31の有無である。
【0103】
この画像情報比較表示部31によって、本第4実施形態に係る医用画像診断装置では、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データを実際に取得した検査における患者基本情報及び検査情報等を、例えば図13に示すように、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報等と比較表示させることができる。
【0104】
すなわち、本第4実施形態に係る医用画像診断装置によれば、図13に示すように比較表示画面91として、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データの画像データ表示91Aと、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報等表示91Bと、前記画像データを実際に取得した検査における患者基本情報及び検査情報等表示91Cとが、前記画像情報表示部9に表示される。
【0105】
以上説明したように、本第4実施形態によれば、当該トレーニングにおいて用いた患者基本情報及び検査情報等表示91Bと、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データを実際に取得した検査における患者基本情報及び検査情報等表示91Cとをユーザーが比較することで、当該トレーニングにおいてシミュレーション結果として出力された画像データの妥当性を確認することができる医用画像診断装置を提供することができる。
【0106】
以上、第1実施形態乃至第4実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
【0107】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図2】メイン表示画面の一例を示す図。
【図3】撮影ボタンが選択決定された場合のメイン表示画面の一例を示す図。
【図4】観察ボタンが選択決定された場合のメイン表示画面の一例を示す図。
【図5】トレーニング条件選択ウィンドウの一例を示す図。
【図6】患者基本情報入力の為の患者情報入力誘導ウィンドウの一例を示す図。
【図7】査情報入力の為の検査情報入力誘導ウィンドウの一例を示す図。
【図8】トレーニング用データの一構成例を示す図。
【図9】撮影シミュレータ部によって行われるトレーニング用データの絞り込み処理のフローチャートを示す図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図12】本発明の第4実施形態に係る医用画像診断装置の一構成例を示す図。
【図13】本発明の第4実施形態に係る医用画像診断装置による比較表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0109】
53…第1表示領域、 53D…ファイルボタン、 53S…管理ボタン、 53T…終了ボタン、 55…第2表示領域、 55A…Abortボタン、 55B…検査予約情報表示、 55C…検査実施情報表示、 55S…Startボタン、 55T…検査予約画面表示、 57…第3表示領域、 61…トレーニング条件選択ウィンドウ、 61P1,61P2,61P3,61P4…プルダウンメニュー、 61A…検索ボタン、 61B…候補データ群表示、 71…患者情報入力誘導ウィンドウ、 71P1、71P2,71P3…プルダウンメニュー、 71C,71D…患者基本情報候補、 81…検査情報入力誘導ウィンドウ、 81P1,81P2,81P3…プルダウンメニュー、 91…比較表示画面、 91A…画像データ表示、 91B…検査情報等表示、 91C…検査情報等表示、 101…トレーニング用データ、 101A…患者基本情報、 101B…検査情報、 101C…画像データ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に関する情報である患者情報、及びシミュレーション検査において用いる患者情報であるシミュレーション患者情報を入力する為の患者情報入力部と、
前記被検体に対して実施する検査に関する情報である検査情報、及び前記シミュレーション検査において用いる検査情報であるシミュレーション検査情報を入力する為の検査情報入力部と、
前記患者情報入力部によって入力された患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力された検査情報に基づいて撮影を実施して画像データを作成する撮影実施部と、
前記患者情報入力部によって入力されたシミュレーション患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力されたシミュレーション検査情報に基づいて、過去に作成された画像データの中から、当該シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを検索する撮影シミュレータ部と、
前記画像データを表示する画像表示部と、
ユーザーによる前記シミュレーション患者情報及び前記シミュレーション検査情報の入力時に、前記過去に作成された画像データに対応する患者情報及び検査情報に基づいて、ユーザーによる前記入力を誘導する為の誘導表示を前記画像表示部に表示させる入力誘導部と、
を具備することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データとして、前記過去に作成された画像データを登録するシミュレーション用画像データ管理部と、
前記シミュレーション用画像データ管理部に画像データを登録する為の画像データ登録部と、
を更に含み、
前記撮影シミュレータ部は、シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを、前記シミュレーション用画像データ管理部に登録された画像データの中から検索することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記画像データ登録部は、前記撮影実施部によって取得した画像データを、前記シミュレーション用画像データ管理部に登録することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データに対応する患者情報及び検査情報と、当該シミュレーション検査におけるシミュレーション患者情報及びシミュレーション検査情報と、を比較表示する為の比較情報表示部を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項1】
被検体に関する情報である患者情報、及びシミュレーション検査において用いる患者情報であるシミュレーション患者情報を入力する為の患者情報入力部と、
前記被検体に対して実施する検査に関する情報である検査情報、及び前記シミュレーション検査において用いる検査情報であるシミュレーション検査情報を入力する為の検査情報入力部と、
前記患者情報入力部によって入力された患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力された検査情報に基づいて撮影を実施して画像データを作成する撮影実施部と、
前記患者情報入力部によって入力されたシミュレーション患者情報、及び前記検査情報入力部によって入力されたシミュレーション検査情報に基づいて、過去に作成された画像データの中から、当該シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを検索する撮影シミュレータ部と、
前記画像データを表示する画像表示部と、
ユーザーによる前記シミュレーション患者情報及び前記シミュレーション検査情報の入力時に、前記過去に作成された画像データに対応する患者情報及び検査情報に基づいて、ユーザーによる前記入力を誘導する為の誘導表示を前記画像表示部に表示させる入力誘導部と、
を具備することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データとして、前記過去に作成された画像データを登録するシミュレーション用画像データ管理部と、
前記シミュレーション用画像データ管理部に画像データを登録する為の画像データ登録部と、
を更に含み、
前記撮影シミュレータ部は、シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データを、前記シミュレーション用画像データ管理部に登録された画像データの中から検索することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記画像データ登録部は、前記撮影実施部によって取得した画像データを、前記シミュレーション用画像データ管理部に登録することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
シミュレーション検査における出力画像として用いる画像データに対応する患者情報及び検査情報と、当該シミュレーション検査におけるシミュレーション患者情報及びシミュレーション検査情報と、を比較表示する為の比較情報表示部を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−264125(P2008−264125A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109599(P2007−109599)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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