説明

医用画像診断装置

【課題】装置のパスワードに関連する情報として用いる年情報が変更された場合でも、予定したパスワードに変更し、セキュリティを確保可能な医用画像診断装置を実現する。
【解決手段】既定された年の初回起動時、パスワード入力画面27aでユーザID、パスワードを入力するとデータ記憶部28はMRI装置内の時計機能により経時された年を年情報記憶部29より取得して保存する。入力ユーザID及びデータ記憶部28に格納された年対応パスワードをデータベース記憶部30aより取得し入力したパスワードと比較し、一致した場合にMRI装置のメンテナンスプログラムを使用可能な状態にする。その年の2回目以降の起動時には、データ記憶部28は年情報記憶部29からは情報を取得せず、データ記憶部28に格納されている年情報を元に、既定年の初回起動時と同様の処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核磁気共鳴イメージング装置等の医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置である磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、被検体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。
【0003】
医用画像診断装置において、特定の装置やサービス等を利用する場合には、ユーザIDおよびそれに対応するパスワードの入力を必要とする認証システムが広く用いられる。このパスワードを固定とし、ユーザもしくは管理者によって変更されない限りは変わらないものであった。
【0004】
このため、医用画像診断装置ではないが、特許文献1に記載されているように、年月日や時間等によってパスワードを動的に変えるシステムが提案されている。
【0005】
このシステムは、予め年月日や時間等に対応させてパスワードを登録しておき、その年月日や時間等の条件に一致した際にパスワードが自動的に切り替わるものである。このようにパスワードをある情報に基づいて変化させることで、セキュリティ強度の高い認証システムを作る事が可能である。
【0006】
MRI装置に代表される医用画像診断装置にあっては、メンテナンスプログラムを使用することによって、装置納入時や保守点検時に調整を行うことができる。このメンテナンスプログラムには、契約したサービス員以外が使用できないようにパスワード認証などで使用制限が設けられている。
【0007】
【特許文献1】特開平6−266671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の技術では、契約サービス員が退職した後であっても、パスワードは一定期間使用可能であるため、そのパスワードを用いてMRI装置のメンテナンスプログラムを使用することが可能となっていた。
【0009】
これは、年月日や時間を装置内のタイマーにより取得する場合、ユーザによりタイマーの年月日や時間が変更されれば、一定期間経過後のパスワードであっても、装置のメンテナンスプログラムを使用することが可能であるからである。
【0010】
また、時間によりパスワードを変更するシステムの場合、タイマーの時間が狂うことにより予定したパスワードとは異なるパスワードが設定されてしまう可能性がある。さらに、短期間でパスワードが変化していく為、パスワード入力をするユーザにとって不便なシステムである。
【0011】
本発明の目的は、装置のパスワードに関連する情報として用いる年情報が変更された場合でも、予定したパスワードに変更し、セキュリティを確保可能な医用画像診断装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成される。
【0013】
本発明の医用画像診断装置は、パスワード入力手段と、少なくとも年度によって、変更されるパスワードの情報を記憶する年度パスワード記憶手段と、少なくとも年度を経時する経時手段と、上記経時手段により経時された年度情報を記憶する年度情報記憶手段と、制御手段とを備え、この制御手段は、上記パスワード入力手段によりパスワードが入力されると、この入力が所定の期間における初回の入力か否かを判断し、初回の入力の場合、上記経時手段により経時された年度情報を、上記年度情報記憶手段に記憶させるとともに、上記経時された年度情報に基づいて、その年度に対応するパスワードを上記年度パスワード記憶手段から読み出し、上記パスワード入力手段から入力されたパスワードと比較して、互いに一致する場合のみメンテナンスプログラムを使用可能とし、上記パスワード入力手段によるパスワードの入力が、上記所定の期間における2回目以降の入力の場合、上記年度情報記憶手段に記憶された年度情報に基づいて、その年度に対応するパスワードを上記年度パスワード記憶手段から読み出し、上記パスワード入力手段から入力されたパスワードと比較して、互いに一致する場合のみメンテナンスプログラムを使用可能とする。
【発明の効果】
【0014】
装置のパスワードに関連する情報として用いる時期的情報が変更された場合でも、予定したパスワードに変更し、セキュリティを確保可能な医用画像診断装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳説する。なお、以下に説明する例は、本発明をMRI装置に適用した場合の例である。また、全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態が適用されるMRI装置の全体概略構成図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は、静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えている。
【0017】
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
【0018】
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイル9を駆動する傾斜磁場電源10とを備え、シ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzを印加する。
【0019】
撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
【0020】
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(RFパルス)と傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
【0021】
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と、変調器12と、高周波増幅器13と、送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとを備える。
【0022】
高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給すると、RFパルスが被検体1に照射される。
【0023】
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと、信号増幅器15と、直交位相検波器16と、A/D変換器17とを備える。
【0024】
送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1からのNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅される。その後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
【0025】
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18(ROM21、RAM22)等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを備え、受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18、RAM22に記録する。
【0026】
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23、及び、キーボード24を備える。この操作部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
【0027】
なお、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9とは、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
【0028】
図2は、図1に示したMRI装置における認証システムの全体構成図である。図2において、本発明の一実施形態における認証システムは、ユーザ26がユーザID及びパスワードを入力するパスワード入力手段であるパスワード入力画面27a(ディスプレイ20)と、既定された年の初回認証時の年を記憶しているデータ記憶部28と、記憶部28に記憶されたデータが参照する年情報記憶部(MRI装置内)29と、ユーザIDおよび年月日に関連づけたパスワードを保管しているデータベース記憶部30aとを備える。データ記憶部28、年情報記憶部29、データベース記憶部30aは、磁気ディスク18、光ディスク19、RAM22で構成される。
【0029】
既定された年において、初回起動時、ユーザ26がパスワード入力画面27aでユーザID、パスワードを入力すると、データ記憶部28は、MRI装置内の時計機能を有する経時手段により経時された年を年情報記憶部29より取得して保存する。次に、ユーザ26により入力されたユーザIDおよびデータ記憶部(年度情報記憶手段)28に格納されている年に対応するパスワードをデータベース記憶部(年度パスワード記憶手段)30aより取得し、ユーザ26がパスワード入力画面27aで入力したパスワードと比較し、一致した場合にMRI装置のメンテナンスプログラムを使用可能な状態にする。
【0030】
既定年の2回目以降の起動時には、データ記憶部28は年情報記憶部29からは情報を取得せず、データ記憶部28に格納されている年情報を元に、既定年の初回起動時と同様の処理を行う。データ記憶部28で記憶した年がデータベース30aに無かった場合は、データベース30aの最後に格納されているパスワードを用いる。
【0031】
また、オペレータ等は、MRI装置内の年情報が正しくないと判明した場合には、管理者用のパスワードを入力する事で、データ記憶部28中の情報を削除することができる。この中で扱われる年情報、パスワードは全てハッシュ変換されて扱われる。
【0032】
次に、本発明の一実施形態の動作について図3を用いて説明する。
【0033】
ステップ301において、CPU(制御手段)8は、データ記憶部28に既定年の初回認証時の年が記憶されているか否かを確認する。記憶されていない場合はステップ302へ進み、存在する場合にはステップ315へ進む。
【0034】
次に、ステップ302において、CPU8は、データ記憶部28に年情報記憶部29に記憶された年情報を保存する。
【0035】
続いて、ステップ303において、CPU8は、データ記憶部28の中に格納されている年情報をハッシュ変換する。
【0036】
そして、ステップ304において、ユーザ26がパスワード入力画面27aでユーザID、パスワードを入力する。
【0037】
ステップ305において、CPU8は、ユーザ26により入力されたユーザIDがデータベース記憶部30a中に存在するかどうかを判断する。存在する場合はステップ306へ進み、存在しない場合にはステップ304へ戻る。
【0038】
そして、ステップ306において、CPU8は、データ記憶部28の中に格納されている年情報を取得する。
【0039】
次に、ステップ307において、CPU8は、ユーザ26が入力したユーザIDに関連付けられた年情報がデータベース記憶部30aの中に存在しているか判断する。存在している場合はステップ308へ進み、存在していない場合はステップ317へ進む。
【0040】
ステップ308において、CPU8は、ユーザ26によって入力されたユーザID、データ記憶部28の中に格納されている年情報に該当するパスワードをデータベース記憶部30aより検索し、認証処理に用いるパスワードとして設定する。
【0041】
次に、ステップ309において、CPU8は、パスワード入力画面27aよりユーザ26が入力したパスワードをハッシュ変換する。
【0042】
そして、ステップ310において、CPU8は、ユーザ26により入力されたパスワードとステップ308で設定した認証処理用のパスワードとが一致するか判断する。一致する場合は、ステップ311に進み、一致しない場合はステップ312へ進む。
【0043】
ステップ311において、CPU8は、MRI装置のメンテナンスプログラムを使用可能な状態にする。
【0044】
ステップ312において、ユーザ26は、データ記憶部28に記憶されたデータを削除するかどうかを選択し、削除する場合には管理者用のパスワードを入力する。
【0045】
そして、ステップ313において、CPU8は、ユーザ26によりパスワードが入力されているが、また入力されている場合には、入力されたパスワードと管理者用パスワードが一致するか判断する。入力されたパスワードが一致する場合は、ステップ314に進み、パスワードが入力されていない、もしくは、一致しない場合には、ステップ301へ戻る。
【0046】
ステップ314において、CPU8は、データ記憶部28に記憶されたデータを削除する。
【0047】
ステップ315において、CPU8は、データ記憶部28に格納されている年情報が年情報記憶部29に記憶された年情報よりも前か否かを判断する。データ記憶部28に記憶された年情報が年情報記憶部29に記憶された年情報より前の年だった場合には、ステップ316へ進み、そうでない場合にはステップ304へ進む。
【0048】
ステップ316において、データ記憶部28に年情報記憶部29に記憶された年情報を入れて更新する。
【0049】
ステップ317においては、データベース記憶部30aに格納されている最後のパスワードを認証処理用のパスワードとして設定する。そして、ステップ309に進む。
【0050】
以上のように、本発明の一実施形態におけるMRI装置によれば、MRI装置内のコンピュータにより経時された時刻を補正するにあたり、MRI装置内の年情報がユーザによって変更された場合であっても、既定年の初回認証時の年情報をデータ記憶部28に保存して、次回以降の認証時で参照する為、メンテナンスプログラムを契約サービス員以外に使用させないようにすることができる。
【0051】
MRI装置内のコンピュータが、正しい時刻データを送るNetwork Time Protocol(NTP)サーバより年情報を取得することができれば、誤った年情報に変更されることはないが、NTPにより年情報が取得できない場合もある。このような場合であっても、本発明の一実施形態のような構成とすれば、パスワードに関連させる情報として用いる年情報が変更された場合でも、予定したパスワードに変更可能なMRI装置を実現することができる。
【0052】
次に、本発明の他の実施形態について図4を用いて説明する。
【0053】
本発明の他の実施形態は、上述した一実施形態と異なり、既定期間の初回認証時にNTPサーバより年月日情報を取得し、認証に2種類のパスワードを用いる。また、既定期間の2回目以降の認証時に、1種類のパスワードと認証情報とを使用する点で上述した一実施形態と異なっている。以下、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0054】
本発明の他の実施形態における認証システムは、ユーザ26がユーザID、パスワードを入力するパスワード入力手段であるパスワード入力画面27b、27c(ディスプレイ20)と、ユーザID、既定の期間(開始〜終了年月日)に関連づけたパスワードを保管するデータベース記憶部30b(時変パスワード記憶手段)と、ユーザIDに関連付けたパスワードを保管するデータベース記憶部30c(不変パスワード記憶手段)と、NTPサーバ内の年月日情報を示す年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31と、認証情報記憶部32とを備える。データベース記憶部30b、データベース記憶部30c、NTPサーバ内の年月日情報を示す年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31、認証情報記憶部32は、磁気ディスク18、光ディスク19、RAM22で構成される。
【0055】
認証情報記憶部32は、前回認証時における、データベース記憶部30bに記憶された既定期間の開始及び終了、並びに前回認証をパスしたかどうかについての情報を有する。データベース記憶部30bで保管されているパスワードは年月日により異なるため、時変パスワードと呼ぶ事とし、データベース30cで保管されているパスワードは一定で変化しないため、不変パスワードと呼ぶ事とする。
【0056】
また、不変パスワード用として入力したパスワードをパスワード(不変用)、時変パスワード用として入力したパスワードをパスワード(時変用)と呼ぶ事とする。
【0057】
既定期間の初回認証時に、CPU(制御手段)8は、ユーザ26がパスワード入力画面27bでユーザID、パスワード(時変用)およびパスワード(不変用)を入力すると、年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31に記憶された現在の年月日情報を取得する。次に、ユーザ26により入力されたユーザIDに該当する不変パスワードをデータベース記憶部30cより取得し、ユーザ26が入力したパスワード(不変用)と比較する。
【0058】
その後、ユーザ26が入力したユーザIDおよび年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31に該当する時変パスワードをデータベース記憶部30bより取得し、ユーザ26が入力したパスワード(時変用)と比較し、一致した場合にMRI装置のメンテナンスプログラムを使用可能な状態にする。
【0059】
既定期間の2回目以降の認証時にユーザ26がパスワード入力画面27cでユーザID、パスワード(不変用)を入力すると、ユーザIDに該当する不変パスワードをデータベース記憶部30cより取得し、ユーザ26が入力したパスワード(不変用)と比較して一致していることが確認でき、認証情報記憶部32で前回認証したことを確認できた場合にMRI装置のメンテナンスプログラムを使用可能な状態にする。
【0060】
次に、本発明の他の実施形態の動作について図5及び図6に示したフローチャートを参照して説明する。なお、図5、図6に示したフローチャートは、図5から図6に連続している。
【0061】
ステップ501において、CPU8は、認証情報記憶部32内に記憶する情報が存在するか否かを判断し、存在する場合にはステップ503へ進み、存在しない場合にはステップ502へ進む。
【0062】
ステップ502において、CPU8は、認証情報として認証をパスした旨の情報を認証情報記憶部32に保存する。
【0063】
次に、ステップ503において、CPU8は、認証情報記憶部32に記憶された情報により前回認証をパスしたか否かを判断する。パスしている場合はステップ504へ進み、パスしていない場合にはステップ517へ進む。
【0064】
ステップ504において、CPU8は、NTPサーバの年月日情報記憶部31の年月日を取得する。
【0065】
ステップ505において、CPU8は、データベース記憶部30bの記憶データで定められている既定期間(開始〜終了年月日間)の最初の認証であるか否かを認証情報記憶部32の記憶情報により判断する。認証情報記憶部32に記憶された、前回認証時における既定期間(開始、終了)と、現在、データベース記憶部30bで記憶された既定期間とが一致していることを確認できた場合は、ステップ520へ進み、そうでない場合にはステップ506へ進む。
【0066】
ステップ506において、ユーザ26が、パスワード入力画面27bよりユーザID、パスワード(不変用)、パスワード(時変用)を入力する。
【0067】
そして、ステップ507において、CPU8は、ユーザ26により入力されたユーザIDがデータベース記憶部30bの中に存在するか否かを判断する。存在する場合はステップ508へ進み、存在しない場合にはステップ504へ戻る。
【0068】
ステップ508において、CPU8は、ユーザ26により入力されたパスワード(不変用)をハッシュ変換する。
【0069】
そして、ステップ509において、CPU8は、ユーザ26により入力されたパスワード(不変用)とデータベース記憶部30c内の不変パスワードとが一致するかどうか判断する。一致する場合はステップ510へ進み、一致しない場合にはステップ504へ戻る。
【0070】
ステップ510において、CPU8は、データベース記憶部30bで定めている既定期間(開始〜終了年月日間)の最初の認証であるか否かを認証情報記憶部32に記憶された情報に基づいて判断する。認証情報記憶部32の前回認証時の既定期間の開始、終了と、現在、データベース記憶部30bに記憶された該当している開始、終了期間とが一致していることを確認できた場合はステップ515へ進み、そうでない場合にはステップ511へ進む。
【0071】
ステップ511において、CPU8は、データベース記憶部30bの中に、取得した年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31の該当する既定期間(開始〜終了年月日間)があり、ユーザ26により入力されたユーザIDもそこに関連付けられているか否かを判断する。該当する期間があり、ユーザIDが関連付けられている場合はステップ512へ進み、そうでない場合にはステップ521へ進む。
【0072】
ステップ512において、CPU8は、ユーザ26により入力されたユーザID、取得した年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31に該当する既定期間(開始〜終了年月日間)のパスワードをデータベース記憶部30bより取得し、時変パスワードとして設定する。
【0073】
ステップ513において、CPU8は、ユーザ26により入力されたパスワード(時変用)をハッシュ変換する。
【0074】
続いて、ステップ514において、CPU8は、ユーザ26により入力されたパスワード(時変用)と時変用パスワードとが一致するかどうか判断する。一致する場合はステップ515に進み、一致しない場合にはステップ504へ戻る。
【0075】
ステップ515において、CPU8は、MRI装置のメンテナンスプログラムを使用可能な状態にする。
【0076】
そして、ステップ516において、CPU8は、認証した旨の情報、年月日情報記憶部(NTPサーバ内)31の該当するデータベース記憶部30bでの開始、終了期間を認証情報記憶部32に保存する。
【0077】
ステップ517において、ユーザ26が管理者用のパスワードを入力する。
【0078】
ステップ518において、CPU8は、ユーザ26により入力された管理者用のパスワードをハッシュ変換する。
【0079】
ステップ519において、CPU8は、入力されたパスワードが管理者用のパスワードであるか判断する。管理者用のパスワードであった場合はステップ504へ進み、そうでない場合にはステップ522へ進む。
【0080】
ステップ520において、ユーザ26がパスワード入力画面27cよりユーザID、パスワード(不変用)を入力する。
【0081】
ステップ521において、CPU8は、データベース記憶部30bの最後に格納されているパスワードを時変パスワードとして設定する。
【0082】
ステップ522において、CPU8は、認証をパスできなかった旨の情報を認証情報記憶部32に保存する。
【0083】
以上のように、本発明の他の実施形態のMRI装置によれば、ユーザがその年度(既定期間)の初回認証時、不変パスワードと時変パスワードとを入力し、NTPサーバから年月日情報を取得して、取得した年月日情報から求められる時変パスワードと入力された時変パスワードとが一致し、かつ、入力された不変パスワードが記憶されている不変パスワードと一致する場合、メンテナンスを許可し、いずれか一方が不一致の場合は、メンテナンスを許可しない。
【0084】
そして、時変パスワード及び不変パスワードが共に、記憶されたパスワートと一致した場合は、その既定期間内で2度目以降の認証時には、そのときの不変パスワードのみを使用すれば、メンテナンスが許可される構成となっている。
【0085】
したがって、セキュリティをより高度に維持しながら、ユーザの利便性を向上させることができるMRI装置を実現することができる。
【0086】
なお、本発明は、MRI装置のみならず、CT装置等の他の医用画像診断装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係るMRI装置の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による認証システムの説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による認証システムの動作フローチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態による認証システムの説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態による認証システムの動作フローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態による認証システムの動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1・・・被検体、 2・・・静磁場発生磁石、 3・・・傾斜磁場発生系、 4・・・シーケンサ、 5・・・送信系、 6・・・受信系、 7・・・信号処理系、 8・・・CPU、 9・・・傾斜磁場コイル、 10・・・傾斜磁場電源、 11・・・高周波発信器、 12・・・変調器、 13・・・増幅器、 14a、14b・・・高周波コイル、 15・・・増幅器、 16・・・直交位相検波器、 17・・・A/D変換器、 18・・・磁気ディスク、 19・・・光ディスク、 20・・・ディスプレイ、 21・・・ROM、 22・・・RAM、 23・・・マウス、 24・・・キーボード、 25・・・操作部、 26・・・ユーザ、 27a、27b、27c・・・パスワード入力画面、 28・・・データ記憶部 29・・・年情報記憶部(MRI装置内)、 30a、30b、30c・・・データベース記憶部、31・・・年月日情報記憶部(NTPサーバ内)、 32・・・認証情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置において、
パスワード入力手段と、
少なくとも年度によって、変更されるパスワードの情報を記憶する年度パスワード記憶手段と、
少なくとも年度を経時する経時手段と、
上記経時手段により経時された年度情報を記憶する年度情報記憶手段と、
上記パスワード入力手段によりパスワードが入力されると、この入力が所定の期間における初回の入力か否かを判断し、初回の入力の場合、上記経時手段により経時された年度情報を、上記年度情報記憶手段に記憶させるとともに、上記経時された年度情報に基づいて、その年度に対応するパスワードを上記年度パスワード記憶手段から読み出し、上記パスワード入力手段から入力されたパスワードと比較して、互いに一致する場合のみメンテナンスプログラムを使用可能とし、上記パスワード入力手段によるパスワードの入力が、上記所定の期間における2回目以降の入力の場合、上記年度情報記憶手段に記憶された年度情報に基づいて、その年度に対応するパスワードを上記年度パスワード記憶手段から読み出し、上記パスワード入力手段から入力されたパスワードと比較して、互いに一致する場合のみメンテナンスプログラムを使用可能とする制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
医用画像診断装置において、
所定の期間毎に変更される時変パスワード及び期間に関係なく不変の不変パスワードが入力されるパスワード入力手段と、
所定の期間によって変更される時変パスワードの情報を記憶する時変パスワード記憶手段と、
標準時間情報提供手段からの標準時間情報を入力する標準時間情報入力手段と
上記不変パスワードを記憶する不変パスワード記憶手段と、
上記パスワード入力手段から、時変パスワード及び不変パスワードが入力されると、上記標準時間情報入力手段に入力された標準時間に対応する、所定の期間の上記時変パスワードに記憶された時変パスワードを読み出し、上記パスワード入力手段より入力された時変パスワードと比較して、互いに一致し、かつ、上記パスワード入力手段から入力された不変パスワードと上記不変パスワード記憶手段に記憶された不変パスワードとを比較して、互いに一致する場合には、メンテナンスプログラムを使用可能とし、上記所定の期間内に、上記メンテナンスプログラムの使用を可能とした不変パスワードが、上記パスワード入力手段から入力された場合、上記時変パスワードの一致不一致を判断すること無く、上記メンテナンスプログラムの使用を可能とする制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項3】
請求項1記載の医用画像診断装置において、この医用画像診断装置は、磁気共鳴イメージング装置であることを特徴とする医用画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−136825(P2010−136825A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314843(P2008−314843)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】