医療アプリケーションに関する溶液準備のための浄化システム
血液治療を含む様々な用途に使用する水を準備するためのシステム、方法および装置が記載されている。複数の実施形態において、溶液供給源から治療液コンテナまで様々な濾過要素を介して、溶液がポンプまた受動的な重力送りの何れかにより送出される。後者は治療中に利用され得るバッチを形成する。複数の治療バッチを生成する方法およびシステムが記載されている。複数の治療バッチを生成する利点は、治療準備の負担を低減することができ、バッチを準備するタイミングを治療時間と独立させることができるという事実にある。記載されているように、進歩性のある実施形態により強調するこのアプローチには様々なトレードオフと懸案事項が存在する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療アプリケーションの多くは、浄水およびその他の溶液、例えば、血液濾過、組織刺激、血液透析濾過を必要とする。従来技術のシステムの中には連続浄化プロセスに焦点を当てたものがあり、この連続浄化プロセスでは、無菌状態の補充液を十分な一定流量で提供するために、定期的な洗浄および確認を必要とする透析ろ過装置/浄化装置を別々に必要とする。(Chavalletの米国特許第6,039,877号および米国特許第5,702,597号を参照)こうした装置は必然的に複雑になり、浄化プロセスに対して別々のポンプシステムを必要とする。さらに、こうしたシステムでは溶液の供給率が非常に高く、高価なフィルタの使用が求められる。この高供給率に関する問題は、血液濾過用の補充液の生成に関しても存在するので、高価な濾過装置が必要となる。
【0002】
不溶解性液および透析液を準備するための大型および小型のインラインシステムが知られている。下記の従来技術文献には、こうしたシステムの一例が詳述されている。
米国特許公報第200410232079号
米国特許公報第2003/0105435号
米国特許第5,645,734号
米国特許第5,782,762号
米国特許第6,136,201号
PURELAB Maxima、Ultra−Pure Water Purification Systems、http:/www.elgalabwater.com Shipe,Brad、The Case for UV in Dechlorination Applications、Water Conditioning & Purification Magazine、Jan 2003、Vol 45 No.1
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、本発明は、給水接続部および排液接続部と、電気供給接続部とを有するハウジングと、水を浄化し、浄水バッチを準備するための溶質の希釈に前記浄水を使用するように構成された治療液準備装置であって、前記バッチが、前記ハウジングに囲まれた使い捨てコンテナに含まれており、且つ、少なくとも1日おきに腎代償療法による治療を複数回実行するための治療液を十分含む治療液準備装置と、腎代償療法を即座に利用するための温度に前記バッチを維持するように構成されたヒータと、前記バッチが期限切れの状態であること、前記バッチが期限切れになりそうであること、および前記バッチが期限切れになる前の残り時間のうち少なくとも一つを示すように構成された制御部であって、前記バッチを複数の治療に利用可能にするように構成された制御部と、前記バッチの内容を受け付けるために、腎代償療法装置を接続するための複数の接続部とを備えた医療用溶液処理装置を含む。
【0004】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナがバッグであり、前記ハウジングが前記バッグを支持するように構成されたタンク部を有する。
【0005】
他の実施形態によれば、本装置は、前記バッグが前記バッグの交換毎に交換される第1のフィルタを有する。
【0006】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有しており、前記テーブルトップは前記腎代償療法装置を支援するように構成されている。
【0007】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有しており、高さが1mを超えない。
【0008】
他の実施形態によれば、本装置は、前記治療液準備装置が、複数のバッチのそれぞれに対して交換される使い捨て濾過モジュールを備える。
【0009】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナがバッグであり、前記ハウジングが前記バッグを支持するように構成されたタンク部であり、前記タンク部は、前記ハウジングの前部のドアの後ろに隠れる引き出し部として構成されている。
【0010】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有し、高さが1mを超えず、前記テーブルトップが如何なる取り付け部品によっても妨げられることがなく、前記制御部が前記ウジングの前部に取り付けられたユーザインターフェイスを有する。
【0011】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有しており、高さが75cmを超えない。
【0012】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナが複数のアウトレット接続部を有しており、前記アウトレット接続部のそれぞれが非開放クランプで構成されている。
【0013】
他の実施形態によれば、本装置は、前記治療液が乳酸ベースの透析液を含む。
【0014】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングに複数の車輪が取り付けられている。
【0015】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナがバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成された凹部であり、前記凹部は、前記バッグが配置される底部を有し、前記底部は前記ハウジングの底に位置し、少なくとも一つの漏洩センサを内部に有する。
【0016】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングが漏洩を検出するための成分を含む、または、輸送する任意の溶液の外側に少なくとも一つの漏洩センサを有する。
【0017】
他の実施形態によれば、本装置は、前記制御部が使用後に前記バッチを空の状態にするように構成されている。
【0018】
他の実施形態によれば、本装置は、前記排液接続部が前記使い捨てコンテナからの接続を受け付けるY型接合部と、前記治療機器の使用済液ラインに接続するためのコネクタを有する。
【0019】
他の実施形態によれば、本装置は、前記Y型接合部の一脚部は、前記バッチサンプルをその一部を前記Y型接合部に勢いよく流すことにより検査可能に構成された導電性センサを有する。
【0020】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナが各バッチに対して交換されるフィルタを有するアクチュエータ部を備えている。
【0021】
他の実施形態によれば、本装置は、前記治療液準備装置は、複数のバッチのそれぞれに対して交換されるフィルタを備える。
【0022】
他の実施形態によれば、本装置はさらに、前記治療装置による取り込みのために一定圧力を生成するように構成されたポンプおよび溶液回路部を備える。
【0023】
他の実施形態によれば、前記溶液回路部は、使い捨てコンテナに戻るフィードバックループであり、前記一定圧力に等しいクラッキング圧(cracking pressure)を有するインラインチェックバルブを備える。
【0024】
他の実施形態によれば、本装置はさらに、濃縮液コンテナを洗浄し、前記濃縮液コンテナの洗浄の結果生じる希釈液を前記使い捨てコンテナに供給するために、前記濃縮液コンテナから濃縮液を汲み上げ、前記濃縮液を前記使い捨てコンテナに供給するように構成されたバルブアクチュエータアセンブリを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の開示は、純水を生成し、実施形態によっては純粋溶液を生成するための機器、方法、装置、製造品等に関する。これらは、組織刺激(tissue irrigation)等の医療用溶液の準備、血液濾過(hemofiltration)、血液透析(hemodialysis)、血液透析濾過(hemodiafiltration)、限外濾過(ultrafiltration)等の薬物・血液治療、その他の治療の準備に使用してもよい。
【0026】
図1Aに示すように、実質的に不要な溶解および非溶解物質を含まない適した水を供給するために、治療現場に永久部品と交換可能部品(permanent and replaceable components)の組み合わせが備えられても良い。図1Aは、特に特定の環境下で利益をもたらす枠組みの概要を示す図である。そうした環境の一つが腎代償療法(renal replacement therapy)である。患者は少なくとも週に2回、多い時には毎日治療を受けなければならない。一方、良好な無菌設計では、列挙するまでもないが、様々な形態の汚染に対抗する殺菌処理済の使い捨て部品の使用を奨励している。しかし、使用の都度、汚染のない状態にあるべき各部品を交換することは、特に治療が毎日行われる場合には、多大な費用がかかる。従来技術のアプローチは、集中的な滅菌処理によって滅菌を保証する永久部品の組み合わせにより、場合によっては、1回の使用で処分される使い捨て部品をさらに使用することにより支援される(二重に安全にする)永久部品の組み合わせにより、この問題に取り組んでいる。代替案としては、現場での滅菌処理を回避するために、使い捨て部品の使用をさらに強固にすることが可能である。しかし、これにより、設計者が使い捨て部分に対して安価な故にあまり好ましくない部品を使用することを余儀なくさせられるという問題、または、単に医療システムに対して高額な費用負担を課すという問題が生じる。
【0027】
図1Aには、この点に関して妥協し、特に腎代償療法環境に適用可能と考えられる新たなモデルが示されている。永久モジュール920は、交換および殺菌を実施することなく繰り返し使用可能な永久部品であり、極度に汚染を悪化させる傾向、または、汚染されやすい傾向にない濾過・処理(filtration and treatment)ステップを有する。この例は他の実施形態で説明されている。この永久モジュールは、様々な水質を受け付けるように設計されてもよい。半永久モジュール(semi-permanent module)922は、例えば、1ヶ月間の使用等、複数回使用されるが、定期的に、または、初期不良の検出時に使い捨て可能である。永久モジュールは、半永久モジュールに関して予防措置を講じなければならないので、半永久モジュールの適切な使用および取り扱いを行うための制御部を有しても良い。しかし、下記の通り特定の実施形態に関連して述べるように、半永久モジュールを用いた場合、手続きには洗浄、浄化、無菌処理が含まれない。最終段階は、使い捨て要素924に備えられた最終濾過および/または処理ステップを有する。最終段階において、最も安価な部品が、上流側部品の滅菌不良から保護するために配置されてもよい。下記の通り、ここに記載された好ましい実施形態では、このモデルに従うものとする。このモデルのバリエーションは、中間モジュールを、あるモジュールについては毎月交換し、他のモジュールについては毎週交換するといった他の日程計画に従って使用されるモジュールに分割することが可能である。図1Bは、汚染から保護するための半永久要素と制御システムの一例を示す。図1Bの実施形態は、独立した発明を構成してもよく、図1Aは好ましい構成と認識されているが、図1Aを参照して詳述したように組み合わせて用いる必要はない。図1Bを参照すると、ポンプ416は、インプットライン403を介して、フィルタモジュール425に原水を供給する。フィルタモジュール425は、第1フィルタ410Aと、第2フィルタ410Bとを有する。一実施形態において、第1段階フィルタ410Aおよび第2段階フィルタ410Bは、脱イオンフィルタ(deionizing filters)である。第1段階フィルタ410Aおよび第2段階フィルタ410Bには、完全な水処理(water treatment)を実行するためにフィルタモジュールの内部または外部に備えられた他の種類のフィルタ(ここでは図示しないが、本明細書の他の部分で詳述および説明する)を付属してもよい。処理済の水はバッチコンテナ417に供給されるが、バッチコンテナ(batch container)417は備えられても良いし、備えられなくてもよい。図中の構成では、水は薬剤の準備のために処理されるが、この薬剤は滅菌処理済みの消耗部としてバッチコンテナ417に濃縮形式で含まれてもよい。
【0028】
第1段階フィルタ410Aと第2段階フィルタ410Bの間には、水質センサ405が備えられている。一実施形態において、水質センサ405は、第1段階フィルタ410Aを通過後に水に含まれるイオン種を検知する導電性または抵抗性のプローブである。好ましい一実施形態において、第2段階フィルタ410Bが第1段階フィルタ410Aの濾過効果の一部を提供するという点で、第2段階フィルタ410Bは少なくとも幾分の余剰をもたらす。一代替実施形態においては、第2段階フィルタ410Bが第1段階フィルタ410Aの濾過のすべてを提供するので、完全に余剰となっている。こうした配置において、第1段階フィルタが期限切れになり(使い果たされ)、第2段階フィルタが期限切れになる前に、汚染物質の侵入(break through)を可能にする。汚染物質の侵入は、水質センサ405に接続された制御部415によって検知される。また、制御部415はポンプ416を制御する。第1段階フィルタ410Aの期限切れ(expiration)に際して、制御部は、所定量の溶液、好ましくは治療に必要な量の溶液がバッチコンテナ417に収集されるまで、準備を継続可能にする。一旦、この閾値量が供給されると、制御部は、フィルタモジュール425が未使用モジュールに交換されるまで、ポンプ416の動作開始を許可しない。第2段階フィルタ410Bは、それ自体が、少なくとも単一バッチの水を浄化し、汚染物質がアウトプットライン404に侵入しない安全マージン(safety margin)を確保することを確実にする大きさに設定される。好ましい一実施形態では、第2段階フィルタ410Bは、第1段階フィルタ410Aよりも小さい。この好ましい実施形態では、第2段階フィルタ410Bは、第1段階フィルタ410Aと異なる種類であってもよく、第1段階フィルタ410Aのように高い汚染負荷量に対処し得なくてもよい。これが容認可能であってもよいのは、侵入検知後、新たな溶液がまだ実質的に浄化されており、単一バッチの溶液が準備されるまで、第2段階フィルタ410Bへの上記負荷量は低い状態であり得るからである。
【0029】
一代替実施形態において、フィルタモジュール425には、無線ICタグ(RFID)、(1次元または2次元の)バーコード、接触型認証装置等、永久に取り付けられたデータキャリア423が備えられている。データキャリア423は、フィルタモジュール固有の識別子を含む。カートリッジがポンプに接続される場合、制御部415は読み取り装置422を使用してデータキャリア423を読み取り、メモリ437に識別子を保存する。水質センサ405が汚染物質の侵入を示す場合、制御部はメモリ内の期限切れディレクトリに上記識別子を永久に保存する。なお、メモリは、上記ディレクトリ用に不揮発性部を有する。ユーザがモジュール425を上記ディレクトリに保存された識別子に接続させようとする場合、制御部はポンプを動作させず、LCD表示メッセージ等、アナンシエータ420、またはこれと同等の装置により、エラー状態を示す。
【0030】
なお、一代替装置においては、データキャリア423は書き込み可能メモリを備えたプログラム可能な装置である。この実施形態では、制御部415は、フィルタモジュール425が期限切れであることを示すフラグを用いて、データキャリア423をプログラムする。そして、制御部415は新しいバッチの開始を防止する。
【0031】
また、図1Bにおいては、第1段階フィルタ410Aの目詰まりを検査するために使用し得る圧力変換機435を備えた選択的な実施形態が説明されている。ポンプ416の上部圧力が特定の最大値に達する場合、バッチの準備を完了することができるように、制御部は第1段階フィルタ410Aにバイパスをつけるために、通常は閉鎖状態のバルブ426を稼動させる。水はバイパスライン427を通って、第2段階フィルタ410Bに流れる。その後、フィルタモジュール425の期限切れが、制御部によって上記何れかの方法で実行されてもよい。上記の実施形態は、カーボンフィルタまたは多孔質膜フィルタ等、消耗時に目詰まりするフィルタを含むフィルタモジュール425において使用されてもよい。なお、上記の目詰まりおよび侵入装置は、所定のフィルタモジュールの実施形態において、組み合わせて使用しても良いし、単独で使用しても良い。また、上部圧力は、圧力変化プロファイル(pressure change profile)が通常使用に耐えるフィルタの特徴であるか否かを決定する期間において、サンプリングされ保存されてもよい。例えば、これにより、不測のライン閉塞を識別し、バイパスライン427の不適切な使用を防止する。
【0032】
図2Aおよび2Bを参照すると、複数回使用フィルタ装置(multi-use filter device)440は、汚染を回避するためのキャップ444Aを有するアウトレットポート441Aを備える。アウトレットポート441Aは、嵌合ポート(mating port)441Bに接続可能であり、嵌合ポート441Bもまた栓で塞がれている(キャップ444B)。例えば、ポート441Aおよび441Bはロッキングルアーコネクタであってもよい。嵌合コネクタ(mating connector)452との接続を解除した場合に、自身を密閉する特別なクランプコネクタ(clamping connector)442は、ポート441Bと、複数回使用フィルタ装置440から浄水を受け付けるバッチコンテナ450に接続するラインとに接続されている。微小孔フィルタ(microporous filter)453は、コネクタ441Aおよび441Bが嵌合する場合に、接触汚染による汚染物質の侵入から保護する。
【0033】
特別なクランプコネクタ442は、汚染を防ぐために密閉する適切な装置であれば、如何なるものであってもよい。こうしたコネクタに関する一実施形態が図3に示されている。ただし、下記に示す密閉機能および接続解除機能は別々の機構により実行可能であるので、こうした実施形態は必要不可欠なものではない。図2Aのフィルタ453に接続可能なアウトレットチューブ460は、雌型コネクタ442の雌型ルアーフィッティング479によって受け付けられる雄型コネクタ452の雄型ルアーフィッティング478に永久に取り付けられる。雌型コネクタ442は、雄型コネクタ452のリッジ469と嵌合する一組のラッチアーム464を有する。ラッチアーム464は、雌型ルアーフィッティング479に取り付けられたリビングヒンジ(living hinges)468を中心に旋回する。ピンチングリッジ(pinching ridges)470および476は、屈曲可能な抜け止めリング472の締め付け時にチューブ474を圧迫する。同時に、ラッチアーム464の嵌合端部466は、雄型ルアーコネクタ452を開放するリッジ469から退避する。屈曲可能な抜け止めリング472は、一旦摘まれた場合、チューブ474が摘まれた状態を維持するように、変形した形状を保持するので、コネクタ442および452の接続が解除された場合に密閉される。屈曲可能な抜け止めリング472は、例えば延性金属で構成されてもよい。抜け止めリング472は、歯止め機構等、他の適した装置と交換してもよい。
【0034】
図2Aおよび2Bを再び参照すると、複数回使用フィルタ装置440が最初に使用される場合、バッチコンテナ450の(キャップ444Bを有する)インレットコネクタ442と同様に、アウトレットコネクタ441Aがキャップ444Aで密閉される。バッチコンテナ450は、特種なフィッティング442と嵌合コネクタ452とで密封および無菌処理されてもよい。なお、上記フィッティング442とコネクタ452は、完全に密封され、無菌処理された状態で接続された図3の要素442および452と一致してもよい。サンプリングポート454等の他のポートも密閉されてもよく、アウトレットとして使用される場合に限り、チェックバルブ456および/または他の膜フィルタ453(別々に図示せず)による溶液の侵入から保護される。バッチコンテナ450が複数回使用フィルタ装置に始めて接続される時、キャップ444Aおよび444Bが取り除かれ、コネクタ441Aおよび441Bが嵌合される。濾過済の水はバッチコンテナ450に収集された後、特種なクランプコネクタ442は接続が解除されるが、図2Bに示すように、それを密閉状態にし、汚染のない状態にするために、複数回使用フィルタ装置440に接続された状態になっている。複数回使用フィルタ装置440が2回目に使用される時、新たなバッチコネクタ450のコネクタ441Bが既存の複数回使用フィルタ装置440のアウトレットコネクタ441Aと嵌合され、特種なクランプコネクタ442がコネクタペア441Aおよび441Bによって取り除かれ、破棄される。コネクタ441Bは新たに特種なクランプコネクタ442を用いて、同一プロセスを繰り返すことができる。
【0035】
図4においては、例えば上記実施形態で使用し得るバッチコンテナの一実施形態が示されており、特に、前述の実施形態で使用するバッチコンテナが示されている。バッチコンテナ1は、固有のバッチコンテナ1と、雌型分離ルアーロックコネクタ4と、Y型コネクタ5と、ピンチクランプ6と、雄型ルアー8と、雌型ルアー26と、滅菌フィルタ(例えば、0.22ミクロン微細孔または発熱物質フィルタ)11と、非再開放チューブクランプ(non reopenable tubing clamp)13と、雌型ルアー9上の非換気キャップ14と、を備える。ライン15は、インラインチェックバルブ16と、ピンチクランプ18と、雄型分離ルアーキャップ25および雌型ルアー19と、雌型ルアー21と、を備える。様々なチューブのブランチ3、7、10、12、15、17、20は、これらの要素を接続する。バッチコンテナ1は、すべてのターミナルが密閉された密閉無菌コンテナとして、患者の治療環境に供給される。バッチコンテナ1は、上記のように供給されているように、水が加えられた場合、透析液または補充液等、溶液の治療バッチを生成するのに十分な濃縮液を含んでもよい。濃縮液がルアーコネクタ21によって加えられてもよい。治療環境に供給されたチューブセットにおいて、チューブブランチ20は密閉されてもよく、濃縮液が加えられた後で切断されてもよい。水はルアー9を経由する水源への接続を介して治療現場において加えられる。予め定められた量の水を供給するために、水を計量することが好ましい。無菌フィルタは、水がバッチコンテナ1に加えられる前に、発熱物質による汚染から十分保護されるべきである。治療前に、ルアー19を介して希釈された治療液のサンプルを汲み上げてもよい。チェックバルブ16は、サンプリング手続きでの逆流による任意の汚染を防ぐ。水が治療液コンテナ1に加えられた後、ルアー9は、雄型ルアー8と、血液治療システムに接続された雄型ルアーコネクタからの接続を解除される。ルアーコネクタは、他の特徴と同様に、例示されているが、これらは必ずしもすべての実施形態で必要不可欠なものではない。
【0036】
図5においては、下記に示す特別の実施形態に関する他の配置が示されている。前処理モジュール900は、水道水等、原水の供給に対する第1の濾過を提供し、ここでは別々に図示しないが、様々な制御機能と、ポンプと、圧力の検出および制御と、永久濾過能力とを提供するコントローラモジュール905に濾過前の水を供給する。水は、脱イオン化(deionization)、吸収濾過(adsorption filtration)、微小孔濾過(microporous filtration)、化学的前処理(chemical pretreatment)等と、部品交換を必要とする可能性のある他の種類の濾過を提供し得る使い捨て消耗モジュール910のコントロールモジュールによって計量される。最終的に、浄水が図4を参照して詳述されるバッチコンテナ回路915に運ばれる。
【0037】
図6を参照すると、前処理モジュール900がより詳細に示されている。チェックバルブ955は逆流を防ぐ。エア抜き孔(air vent)953は、第1の供給からの空気を取り除き、堆積物フィルタ951(交換可能であってもよい)は、相当な固体の濾過を提供する。
【0038】
図7を参照すると、コントローラモジュール905がさらに詳細に示されている。シャットオフバルブ1010は安全性の目的で備えられている。圧力インジケータ1015および1025は、ポンプ1020の流入と流出の各圧力を監視するために備えられていてもよい。バッチコンテナ1に供給される水の総量を計測するために、上記ポンプに依存する場合、一貫した計量の実行を確実にするためにフィードバック調節が備えられていてもよい。強力な紫外線(UV)ランプ1031は、無菌機構と、塩素およびクロラミンの除去機構の両方を提供する。UVランプ1030は、クロラミンを分解できるような強度と波長を有することが好ましい。好ましい一実施形態においては、ランプは245nmの波長と、クロラミン除去に十分な出力750乃至1500mJ/cm2により特徴付けられている。下記に示すように、クロラミンを酸化し、その後、脱イオン化フィルタを使用した濾過により、クロラミンを除去することができる。
【0039】
なお、圧力インジケータ1015および1025は、図1Bを参照して詳述された制御装置、および、図13Aおよび13Bを参照して下記で詳述する制御装置等の制御装置に制御信号を供給する圧力変換機であってもよい。ポンプ1020の操作は、こうした変換機からの圧力表示に依存して制御してもよい。例えば、上部圧力が高く表示される場合、警告が表示されてもよく、ポンプを停止してもよい。これは、接続されたフィルタに対する問題を指摘しても良い。また、ポンプは短期間で動作してもよく、圧力減衰プロファイルが記録され、予想される減衰プロファイルと比較されてもよい。プロファイルが一致しない場合、それは(例えば、フィルタまたはラインにおける)液漏れ、またはシステム内における詰まりを示すために使用することができる。上流の圧力が低くなる場合、これは水の供給停止、または、何らかの他の障害の発生を意味し得る。アナンシエータまたは表示部(例えば、図13Aおよび13Bの符号330および380と、これに伴う記載を参照)によって、および/または、システムに対する損傷を回避し、オペレータに正しい措置を講じるように通知するためにポンプのスイッチを切ることによって、こうしたイベントのそれぞれが表示されても良い。
【0040】
図8Aを参照すると、交換可能(使い捨て、または、再生産可能)フィルタモジュール910は、イオンの除去目的で水を酸化/還元プロセスに晒すために使用される第1段階フィルタ1007の銅−亜鉛合金を有する。これは化学反応を通じてイオンを除去する。一実施形態は、約1ポンドが水の流量150ml/分に使用される場合のKDF85メディアである。吸収型フィルタとして周知の活性炭フィルタ1005がこれに続く。次に、強酸性陽イオン(SAC)フィルタ1011および強塩基性陰イオンフィルタ(SBA)1009が、この後に連続して続く。SAC/SBAフィルタカートリッジ1011/1009は、水の濾過アプリケーションに典型的に使用されるような混床(mixed beds)ではない。図示するように、それらは陽イオンと陰イオンの段階を分離するが、これは、コロイド状のアルミニウムを処理済の水から取り除く際により効果的であると規定されているからである。なお、SCA床およびSBA床の順序は図示されたものに限定されず、一または複数のキャニスタに収容可能である。また、本開示から明らかであるが、他の部品を異なるように配置することが可能である。例えば、ポンプ1020は、UVランプを介して水を汲み上げるためのプッシュ配置(pushing arrangement)で使用可能であり、配置の詳細が開示された本発明に限定されないことは明らかである。また、抵抗性プローブ1022は、前後の脱イオン化段階の間の単一の脱イオン化フィルタ内に含むことができ、同様の効果を用いることが可能である。こうした環境において、脱イオン化フィルタは、上記プローブを外部測定装置または制御部に接続するための複数のリード線またはコンタクトを有することになる。
【0041】
上記のように、単一カートリッジにおいて層状床を使用する代わりに、それぞれがSBAフィルタ床およびSACフィルタ床の一つを含む別々のカートリッジを使用してもよい。また、各カートリッジは同様の結果をもたらすために、複数の層を有することができる。
【0042】
抵抗性プローブ1022は水の抵抗性に関するコンタクト検査によりイオン濃度を検出する。システムが交換可能モジュール910の交換を必要とする前に、これが最後に許可されたバッチとなることを示すために信号が生成される。上記の通り、図1Bの実施形態に記載されているように、制御が行われてもよい。本実施形態における第2フィルタは、侵入を受けている第1段階フィルタを支援するものであり、混床脱イオン化フィルタ1031である。これにより、現在のバッチの完了することが確実になる。第2の且つ最後の安全装置に関する抵抗性または導電性の検査には、バックアップ安全性手段として警報器1025が備えられている。これが検出するバルブが所定レベルを超える場合、ポンプ1020を停止し、アラームを鳴らしてもよい。抵抗性プローブ1022が機能しない場合、または図1Bを参照して詳述した安全装置が侵入を受けた場合には、これが動作を開始してもよい。TPは、限外フィルタ1035Aおよび1035Bにおけるエア抜きを可能にする疎水性膜エア抜き孔である。限外フィルタ1035Aおよび1035Bは、透析等に使用される微小菅フィルタ(microtubular filter)であってもよい。また、符号1047で示すエア抜き孔が備えられてもよい。例えば、エア抜き孔は空気を遮断する1.2ミクロンの親水性膜を有しても良い。フィルタから空気が通過可能となる疎水性膜ポートというものがある。これらは、民生部品として利用可能である。 任意の適した空気除去装置を使用してもよく、これらの特徴は上記の実施形態に限定されない。また、第2段階MBDI型フィルタ1031は、侵入からの保護を行うという観点で記載した利点と同一の利点を有する、例えば符号1002Cで示す層状脱イオン化フィルタであり得る。また、最終抵抗性センサ1025は、図示の通りに配置することが可能であり、また、限外フィルタ1035Aおよび1035Bの後、または、その間など、最終脱イオン化段階の下流に位置する他の場所に移動することが可能である。そして、図示された構成は本発明を限定するものではない。
【0043】
なお、抵抗性プローブ1022は、例えば図16の構成で使用してもよく、この場合、抵抗性プローブ1022はフィルタモジュール910がフィルタモジュール425に一致するように、センサ405に一致する。
【0044】
期限切れとなった装置の再利用または利用ができないようにする単純な装置は、部品が最初に使用される時点でシステムが焼き切れるヒューズを採用するものである。例えば、図8Aを参照して記載された使い捨てフィルタモジュール910には、コントローラモジュールに最初に接続された時点で焼き切れるヒューズ1026を取り付けてもよい。ヒューズの状態は、同一モジュールが後に制御部に接続され、その再利用を制御部が防止し得るように検出可能である。広義の意味では、こうしたヒューズの実施形態は、初期利用を示すように状態が変化する種類のデータキャリアとして考えてもよい。モジュールが期限切れの状態にあることが断定される場合、例えば、汚染物質の侵入が抵抗性センサ1022によって検出される場合、同一装置を使用してもよい。したがって、ヒューズを焼き切ること、または侵入(「期限切れ」)の状態を示すためにデータキャリアを更新することによって、再接続の試みの後における使い捨てフィルタモジュール910の使用は、制御部によって防止されてもよい。
【0045】
なお、別々に収納された2つの限外フィルタ1035Aおよび1035Bは、直列に相互接続されている。別々のハウジングにより、病原菌の成長、隣接する同時または共有の封止の不具合などの不具合を有する機構に対抗することを確実にする。例えば、従来技術文献、米国特許公報第2004/0105435号の背景技術の段落において、フィルタカートリッジのハウジングの隣接層に2つの微小孔膜を有するフィルタカートリッジが示されている。これらは、封止機構または隣接封止を共有し得るので、一方の封止の不具合が他方の封止の失敗を招く。また、一旦病原菌の成長問題が一方で発生すると、隣接することで隣接膜にこの問題を直接的に潜り込ませることになり得る。こうした問題は図中の別々の余剰限外フィルタの配置により防止される。
【0046】
なお、2つの限外フィルタ層を実質的に分離することにより、別々に収容されたフィルタに関する利点を単一のハウジングにもたらしてもよい。例えば、図8Bを参照すると、共通のカートリッジ1052に収容された様々な種類のフィルタ要素を備える多層フィルタは、2つの限外フィルタ層1050Aおよび1050Bを備えている。2つの限外フィルタ層1050Aおよび1050B、即ち、別々の膜は、中間層1056を介して離間している。なお、中間層1056は、スペーサまたは他のフィルタ媒体であってもよい。離間する別々の封止1057Aおよび1057Bが備えられている。
【0047】
なお、最終導電性/抵抗性センサ/アラーム1025は、記載の通り、ポンプを制御してもよい。制御部1090は、使い捨てフィルタモジュール910に接続可能であってもよく、ポンプ1020を停止するように構成されてもよい。ポンプ1020を遮断するトリガ抵抗性安全性レベルは1メガオームであってもよいが、必要となる温度補正された抵抗性プローブ(FDAおよびAAMI要件)を使用可能にするために2メガオームに上昇させてもよい。これにより、使い捨てフィルタモジュール910において、安価なインライン抵抗性プローブを使用することが可能となる。
【0048】
他の実施形態のモジュールだけでなく、フィルタモジュール910も、溶液の上向きの流れが可能な程度の流量比であることが好ましい。一般的に、従来技術の脱イオン化床は、取り扱い中に阻害され得る樹脂粒子を遊離または解放するという問題を抱えている。粒子の分離および遊離により、これらの床が分割され、フィルタ効果を弱める。これを回避するために、フィルタシステムは、一般的に、樹脂粒子の維持および圧縮を助長するために、床を通って下方向に流れを導くように構成される。しかし、流量が低く維持される場合、本システムで実行し得るように、流れからの空気の除去を助長する上向き方向に水を流してもよい。空気は、透析液などの薬剤準備における周知の問題である。上方向の流れを可能にするために必要となる正確な流量は、システムの特徴に応じて変化する。樹脂粒子の切断により阻まれることなく、速い流量を可能にするための一方法は、床を圧縮するための弾性多孔質材(resilient porous material)の床圧縮器(bed compressor)を提供することにある。図12を一時的に参照すると、フィルタカートリッジ1150において、弾性圧縮層1140は、下向き方向に濾過材1145を付勢する。弾性圧縮層は、本出願と互換性の有るものであれば、任意の適したポリマ状またはゴム状の材料であってもよい。
【0049】
図4を参照して詳述された装置を使用するための手続きの一例は次の通りである。
【0050】
1.透析濃縮液チューブセット915を取り除き、フィルタ11を含むチューブライン7からキャップ14を取り除く。(0.22ミクロンのフィルタ11は、不注意による汚染からのさらなる保護を提供する)
【0051】
2.アウトレットライン404を濃縮液バッグルアー接続部9に接続する。
【0052】
3.取り外し時に、コネクタがY型接合部(Y-junction)5に対向する側に永久封止を形成するように構成された脆弱なルアーコネクタ4を破壊する。
【0053】
4.ルアーコネクタ9を介し、チューブブランチ7を介して浄化装置を使用して濃縮液バッグに所定量の水を加える。
【0054】
5.所定期間内における水の利用を確実にすることを支援するために、選択的に、ユーザは水が濃縮液バッグに最初に加えられた日付と時間をバッグのラベルに記載することができる。自動的な手順が採用されてもよい。
【0055】
6.バッチコンテナ1を混合するために十分に揺らす。
【0056】
7.使用前に溶液の導電性を確認する。取り外しキャップ1を取り除き、このブランチ15からサンプルを汲み上げる。サンプルを取り除いた後、備えられたピンチクランプ17を使用してラインを締め付ける。
【0057】
8.(以下は、好ましい実施の形態に係る標準的なものであるが、本発明を限定するものではない。)導電性は、13.0乃至14.4mS/cmの範囲内になければならない。透析液に対する公称導電性は、摂氏25度で、13.7mS/cmである。導電性がこの仕様を満たさない場合は使用しない。結果が正確であることを確認する。導電性が高い場合、仕様の範囲内に収めるために水を追加してもよい。導電性が低い場合、溶液を廃棄しなければならない。
【0058】
9.備えられた非再開放クランプ13を使用する場合、水浄化装置に接続されたラインを締め付ける。
【0059】
10.次に、クランプ6は、透析液バッグ1に接続されたライン上で締め付けられる。
【0060】
11.ルアー接続部26において水源の接続を解除する。
【0061】
12.接続部8において透析液バッグを透析回路に接続する。これにより、水供給源を保護するために、フィルタ11と永久クランプ13とを所定位置に留める。
【0062】
13.クランプ6を使用して、透析液バッグに向かうラインの締め付けを緩め、水が加えられてから24時間以内に透析液が使用されることを確認した後、治療を開始する。
【0063】
図9Aおよび10Aによれば、バッチコンテナ100は、接触型導電性センサ等、プローブ120の溶液品質センサ135を有する。後者は単純に周知の距離で分離され、較正された所定領域の2つの金属面であってもよい。サポート105におけるケージ135は、バッチコンテナ100の壁部130に封止されている。なお、バッチコンテナ100は、医療産業で典型的に使用されているポリマバッグであってもよい。ケージ135は、対向する壁部(別途図示せず)によって、溶液がケージ内を循環し、ケージ内を通り、プローブ120の測定値が改善されるようにプローブに接触することが妨げられないようにする。プローブ120はサポート105から延びており、(後述の)制御部に接続可能な信号コネクタ125を有するリード122を備える。プローブ120は独立要素であり、実施形態の何れとも使用可能であるので、ここでは他の特徴との組み合わせに関する記載を制限することを意図していない。なお、プローブアセンブリは、汚染物質がバッチコンテナ100の内部に侵入できる可能性がないように、バッチコンテナに永久に封止されることが好ましい。
【0064】
サンプルまたはフィードライン145を接続するフィッティングが符号110で示されている。フィードライン145はコネクタ156と共に使用されてもよく、薬剤または注入剤のサンプルを抽出するためのサンプリング注射器を接続する。符号155で示すチェックバルブは、汚染物質の侵入を防ぐために設けられても良い。クランプ(別途図示せず)も同様に汚染から保護するために設けられても良い。一代替実施形態において、ライン145は、バッチコンテナ100がユニットとして封止され、滅菌される(例えば、ガンマ線滅菌)前に、バッチコンテナ100に溶解性濃縮液を注入するように構成されてもよい。所定量の浄水がバッチコンテナに加えられる場合、希釈濃縮液は、血液濾過用補充液または血液透析用透析液等、薬剤または注入剤を形成してもよい。ライン145もまた、治療機器に接続し得る汲み上げラインに相当しても良い。後者の場合、接触汚染から保護するために、0.2μの微小孔膜などの無菌フィルタ(符号155)が備えられてもよい。さらに、符号155のクランプが備えられてもよい。
【0065】
図9Aの実施形態において、符号145と同様のラインの他の一例により、浄水がバッチコンテナに加えられてもよい。代替的には、濃縮液、他の医療溶液、または薬剤が別途備えられたコンテナに含まれる場合、ダブルルーメンスパイク174によって、こうした溶液がバッチコンテナ100に加えられてもよい。(適したダブルルーメンスパイクの詳細は、米国特許公報第2004/0222139号で入手可能であり、参照することによりその全体がここに示されるものとして組み込まれる)例えば、スパイクバッグ170は、濃縮透析液等の医療用濃縮液を含む。浄水はライン180のコネクタ182を介して汲み上げられ、デュアルルーメンスパイク174により(スパイク後に)バッグに通される。溶液はバッグ内で循環し、デュアルルーメンスパイク174、ライン172およびフィルタ150を介してバッチコンテナまでその内容物を戻す。デュアルルーメンスパイクは、バッチコンテナおよび溶液ラインを汚染のないユニットとして封止し、滅菌し、そして供給することができるように、取り外し可能キャップ175によって封止され得る。クランプ157はバッチコンテナ100を封止するために備えられてもよい。特種なクランプコネクタ442が備えられてもよく、図1Bを参照してライン180で詳述されたものとして使用されてもよい。スパイクバッグ170を使用するというより、むしろ濃縮液がバッチコンテナ100に存在する場合、濃縮液は溶液の導電性計測に適した較正ライン(calibration line)のためのデータポイント獲得のために使用されてもよい。
【0066】
図9Bを参照すると、導電性または抵抗性センサをバッチコンテナ100に備える代わりに、共通ルーメン(Y型構成)260を備えたデュアルルーメン取り出し部255が、対応する信号コネクタ220およびリード215を備えたプローブ210の水質センサ262を収容する。注射器ポート240とチェックバルブ242は、Y型接合部の他のブランチにインライン接続されている。注射器(図示せず)が取り付けられ、溶液がその中に汲み上げられる場合、バッチコンテナからの溶液は、その品質を計測できるように、水質センサを通過する。他の点に関しては、図9Bの要素は図9Aの要素と同一である(そして、同一番号が付与される)。
【0067】
図11を参照すると、ここに記載された様々な実施形態で使用し得る取替え可能な複数回フィルタモジュール1125は、インレットポート130およびアウトレットポート1110とを備える。(図13Aおよび13Bに関して詳述される)シャーシへのパッケージングおよび組み立てに有利な小型モジュール1125を提供するフィルタカートリッジ1111の物理的配置が示されている。チューブ1116は、前記の通り、上向きの流れを提供するために、各カートリッジ1111の上部から底部まで通っている。溶液品質センサ1115および1105を読み取るための信号ポート1100は、ハウジング1127に備えられている。 信号ポート1100は、これに導入された一体のリード線およびコネクタを有してもよいし、それぞれが別途備えられてもよい。代替的には、信号ポート1100はバッテリによる電力供給を受けるワイヤレスポートであってもよい。信号ポート1100は、図1Bを参照して詳述されたデータキャリアを含んでもよし、データキャリアを別途備えてもよく、また、溶液品質センサを備えていない場合には、上記信号ポートを備えなくてもよい。
【0068】
データキャリアは、フィルタモジュール1125を使用するためのソフトウェアおよび命令を有してもよい。これらは、図13Aおよび13Bと関連して述べられた濾過システムの永久部品により読まれてもよい。ベースユニット335は、図5を参照して説明された、永久の前処理モジュール900とコントローラモジュール905の部品を収容するベースユニット335を備えるものと略同一に構成してもよい。ベースユニットは、LCDディスプレイ等の表示部330を備えても良い。表示部の代わりに、または、表示部に加えて、ベースユニット(およびここで説明された他の実施形態)は、音声発生装置または他の種類の出力装置を備えてもよい。インレットポート341は濾過される原水を受け付けるために備えられてもよく、位置決めステーション315に受け付けられる(複数回または一度限りの使用でもよい)フィルタモジュールに取り付けるためのアウトレットポート340が備えられてもよい。後者は、データキャリアを読み取るための、または、上記の一または複数の導電性センサ等の溶液品質プローブに接続するための読取部311を備えてもよい。さらに他の位置決めステーション(例えば305)が、バッチコンテナに備えられてもよい。これは、データキャリアリーダ320、および/または、ヒータ、混合器、導入されたバッチコンテナの内容物の電磁流体力学的混合のための移動磁界発生器等、他の様々な部品(符号321)を有しても良い。ベースユニット335はバッチコンテナの溶液品質プローブに接続するためのポート310を有してもよい。これにより、溶液の品質に関する最終的な測定結果と、較正入力とが提供されてもよい。さらに、図13Bの実施形態は、図9Aおよび9Bを参照して説明された符号170等の濃縮液コンテナに対して位置決めステーションを提供する。さらに、ベースユニット335には、インターネットまたはベースユニットをサーバ390に接続する他のネットワークへの接続を有するコンピュータを備えた制御部が取り付けられてもよい。
【0069】
一実施形態において、バッチコンテナのアウトレットラインの開放および締め付けの時期とその有無をベースユニット335が制御可能になるように、符号301乃至306で示された特徴が追加されてもよい。バッチコンテナはステーション305に取り付けられており、バッチコンテナのアウトレットラインは、クランプ部303および304の間に取り付けられている。検出器306は、ラインが所定位置に取り付けられていることを検証する。上記システムが実行される場合、アクチュエータ302およびモータ301は、溶液の浄化中とバッチコンテナの充填時にラインを締め付けるために作動してもよい。バッチの充填後、バッチコンテナが所定位置に留まっている間に実行され得る治療動作が開始するまで、クランプは閉鎖状態を維持してもよい。治療時においては、クランプ機構303および304は、溶液バッチの期限切れ時期を実行することができる。例えば、ベースユニットの制御部内においてタイマを開始すること、または、同等に時間/日付のスタンプを保存することができ、溶液バッチが所定時間内に治療に使用される場合に、クランプのみが解除される。 この目的の為に、治療機器およびベースユニット335は、共通の制御下で、単一の装置に組み合わせられてもよく、こうした結果を達成するために、両者が一体に動作するようにデータリンクによって接続されてもよい。図15のフローチャートは、含まれる制御ステップを説明している。
【0070】
ここで図9Aおよび10Bを参照すると、図9Aおよび9Bに関連して示されたスパイク可能バッグ170の形式で示された濃縮液コンテナの代わりに、図10Bで説明されたカートリッジ271を使用しても良い。ここで、濃縮液280は、ピストン273およびバースト可能な封止膜275を有する封止されたシリンダ274内に存在する。カートリッジは、ベースユニット335(図13Aおよび13B)に取り付けられてもよく、ベースユニット335は、ピストン273を押圧することにより、封止膜275をバーストさせ、バッチコンテナ100に送られる浄水の経路上にあるT型接合部278に内容物を注入するリニアドライブ270およびプランジャ272を有してもよい。なお、カートリッジ271は図9Bに示す無菌バッチコンテナ溶液回路の一部として備えられてもよい。
【0071】
図14および15を参照すると、ベースユニット335およびここで説明される他の実施形態の対応する部分は、メモリ、不揮発性ストレージ、通信要素などを備えた内蔵コンピュータ600を含むプログラム可能な制御部を備えてもよい。例えば様々な実施形態に関連して詳述された様々なセンサ605は、入力を供給するために、メモリに保存されたプログラムを実行する制御部に接続されてもよい。後者のプログラムはファームウェアに保存されてもよいし、上記の通り、データポート610を介してデータキャリアから獲得されてもよい。さらに、サーバ625へのネットワーク接続またはインターネット接続が、ソフトウェア、使用命令、期限切れとなった認証コードなどのデータの獲得および転送のために備えられてもよい。バルブクランプ、ポンプなどのアクチュエータ625と、アラームなどのアナンシエータ620も同様に備えられてもよい。
【0072】
図15においては、ここで説明された様々な実施形態を実行するためのサンプルプログラムが示されている。プロセスは、ロードされたソフトウェアが後の段階で引き継ぐまで、ファームウェアで開始されてもよい。ソフトウェアは、データポート、または、システムがユーザ入力を待つステップS5におけるシステム出力を使用するための保存されたデータおよび命令から読み出されてもよい。ステップS10およびS15が失敗の状況(no-go condition)が存在するか否かを決定するために実行される地点で継続するように、命令がハードまたはソフトキーを押圧するように指示してもよい。必要な部品(S10)が接続されていない場合、ステップS30が実行され、システムは、ユーザが是正措置を講じ、反応を待つように指示するための適切なメッセージを出力してもよい。同様に、ステップS15において、以前使用したことのあるバッチバッグ等の部品が期限切れになっている、または、フィルタモジュールが使用されたことがあり、侵入を受けたことがあるものとして以前指摘されたことがあると決定された場合、ステップS30が実行される。ステップS20において、圧力プロファイル試験または品質試験等の様々なシステム試験が実行されてもよい。また、試験は、接続された導電性プローブによって示された導電性が特定の制限内にあるかどうかの決定を含んでもよい。ステップS25において、すべての試験に合格したかどうかが決定され、制御は溶液準備が開始されるステップS35に進む。もしそうでなければ、ステップS30が実行され、例えば符号330の表示部に適切な出力が生成される。ステップS40において値が範囲外にある場合、制御は、例えばフィルタモジュールにおける汚染物質の侵入など、期限切れのイベントが発生したか否かを決定するステップS60に進む。なお、フィルタモジュールは、封止が最初に破られたと推定される初回の使用後に、許可された使用時間で「スタンプ」されてもよい。これは、侵入の検出後に、フィルタモジュールの計画された再利用に関して詳述された方法と同一方法で実行されてもよい。このように、イベントなどのステップは同様にステップS60で検出されてもよい。
【0073】
ステップS55においては、データキャリアの種類(例えば、プログラム可能、または、固有IDを搬送するだけのもの)に応じて、再利用を防止できるように、期限切れまたは使用済みユニットが期限切れであるとして示される。例えば、S55において、取り付けられたフィルタモジュールが期限切れであることを示すトークンを用いてデータキャリアをプログラムしてもよく、固有IDを期限切れのIDのリストに追加すべきであることを示すメッセージをサーバに送信してもよい。ユニットを「期限切れ」にするために、任意の適切な装置を使用してもよい。ユニットを期限切れにしてもバッチ準備は可能であるので、制御はステップS40に戻る。治療の完了は、汲み上げられた全質量の計測または他の手段によって、ステップS45において決定されてもよい。例えば、実施形態がバッチコンテナにおいて導電性プローブを提供する場合、ステップS45はバッチの内容物に関する計測された導電性に従うのであってもよい。一旦、完了が決定されると、ステップS50においてシステムを停止してもよく、バッチバッグは、時刻と日付を「スタンプ」される。なお、この時点でさらに命令が出力されてもよい。
【0074】
一実施形態において、水浄化および処理は単一の装置により共通の制御下で実行してもよい。 ステップS50以降のステップがこれを説明している。浄化された溶液は、本明細書または幾つかの他の明細書に記載されたものなど、幾つかの記載のバッチコンテナに加えられていることを想定すると、コンテナの内容物に溶質が含まれる場合、これを混合してもよく、ステップS51において、内容物が何らかの方法でチェックされてもよい。例えば、混合されたバッチの導電性、または、純粋なバッチの抵抗性は、治療の仕様に準拠しているかを決定するためにチェックすることができる。ステップS52において、値が範囲外にある場合、制御はステップS30に進むが、そうでなければ、バッチは期限切れの時刻/日付(MTU時刻、または使用までの混合時間(Mixed Till Use-Time))まで任意の時間に利用してもよい。ステップS53において、バッチコンテナからの溶液の汲み上げを妨げるアウトレットクランプは、治療が溶液製品を使用して実行可能となるように解除される。同時に、ユーザに対して受け入れメッセージを画面上に出力することができる。このとき、ステップS54において、タイムスタンプが保存される、または、タイマが溶液バッチの期限切れの追跡を開始する。期限切れが観察されない場合、ステップ30において(「措置を講じる」と示された一般的なステップの下で)クランプは閉鎖し、適切なメッセージが出力される。なお、上記期限切れの観察は、ステップS56において、タイマが期限切れになったかどうかを確認するためのチェックにより検査される。その後、システムは、ステップS46およびS56において、選択的かつ連続的にMTUタイマをチェックし、治療が完了するまで待機する。
【0075】
なお、記載された機械的および制御的特徴の多くは、新規性および進歩性を備えており、他の特徴とのサブコンビネーションおよび上記実施形態における組み合わせに関する記載は、ここで開示された発明を制限するものとして解釈されることを意図していない。図16を参照すると、治療機器700がステップS50において期限切れを示す日付をタグ付けされたバッチコンテナ710を使用しようとする場合、期日が過ぎているかどうかを決定し、その後、期限切れのバッチコンテナの使用を防止することができる。これは、接触型またはワイヤレス型データ読み取り装置、プログラムされたスマートカード型装置によって実行してもよいし、フィルタモジュールの再利用禁止を実行するための機構に関して記載されたインターネットサーバを介して実行してもよい。
【0076】
図17を参照すると、限外フィルタ714を溶液が通過する際に、空気が生じる可能性がある。限外フィルタ714は高い膜表面を有することが好ましく、こうしたフィルタにおいては、空気が生成する可能性は相当高い。フィルタにおいて泡が生成されるという問題を回避するために、図8Aの実施形態は、疎水性エア抜き孔であるトランスデューサプロテクタTPを示している。しかし、それらに繋がるラインは、水で満たすことが可能であり、それらをエア抜きに対して役に立たない状態にする。最終保護段階として任意の水処理プラントで使用し得る図8Aの構成を改良する点は、限外フィルタ714(より低い血液ポートで栓をされた標準的な透析装置であってもよい)に対して、空気フィルタ/エア抜き孔706を介し、さらにライン708を介してT型接合部717に入り、インレットライン712に戻るように流れる還流ライン704により接続された膜の一側上のインレット712およびアウトレット704を提供することにある。 限外濾過された溶液は、ライン707を介して汲み出される。また、フィルタ/通気孔706は、空気を遮断する1.2ミクロンの親水性膜と、フィルタからのエア抜きを可能にする疎水性膜ポートとを備えた1.2ミクロンのエア抜き孔であってもよい。これらは、民生部品として利用可能である。ライン708により画定された水カラムは、還流がブランチ704、706、708を流れて存在するように、限外フィルタ714のハウジング内の対応するカラムよりも濃度が高くなっている。濃度がより低い場合の理由は、限外フィルタ714における空気の生成によるものである。
【0077】
限外フィルタのハウジングにエア抜き孔の諸構成を統合する一代替設計を図17Aに示す。メディアのアウトレット(濾過)側に対して、例えば、疎水性膜型エア抜き孔765などのエア抜き孔は、限外フィルタ715のアウトレットに統合されてもよく、親水性空気フィルタ膜766等の空気フィルタは、アウトレットに統合されても良い。溶液から生じる任意の泡は、濾過側の上部(微小菅膜型フィルタのヘッダ空間)に集まり、疎水性エア抜き孔765により放出される。限外フィルタ715のインレット側(限外濾過されていないフィルタメディア側)において、インレット側に集まる空気は、例えば疎水性膜469を使用したエア抜き孔467によって逃れる。チェックバルブ742は、汚染物質のサイフォン防止、および/または、汚染の危険性の低減のために備えられても良い。
【0078】
図18を参照すると、図17の実施形態の還流ブランチを通過するという不適切な流れに関する任意の問題を扱うために、インライン袋部731等の弾性チャンネル要素730がチェックバルブ724および728と共に備えられてもよい。システムが溶液を汲み上げる場合、弾性チャネル要素730は、加圧下で溶液を保存し、システムが汲み上げを停止した場合に、ポンプ式にそれを放出する。また、空気フィルタ/エア抜き孔724によって、空気が還流ライン726から逃れ、取り除かれることが可能である。また、還流に係る問題は、T型接合部717を、ライン714、712を通って流れる加速した溶液を使用することにより、ライン708において吸引力を生成するように構成されたベンチュリ装置と交換することによって対処可能である。
【0079】
上記で詳述した特徴に関する要因の一つは、投入される水の水質に関係なく純水を提供するという必要性にある。上記の実施形態は、水質に依存することなく、投入される水の水質に関係なく、純水または純粋溶液を確実に生成するように設計されている。また、より少ない容量(10乃至60リットル)の医療用およびその他の純粋溶液の準備に係る費用を削減するために、そして、多くの他の先行技術システムに関する、メンテナンス、滅菌処理および動作に関連する、複雑さ、費用および安全性の問題を取り除くために実行される半永久モジュールおよび使い捨てモジュールの組み合わせによって単純さを維持するために、様々な実施形態が設計されている。
【0080】
以下のセクションでは、透析用透析液、または、血液濾過用補充液など、医療用溶液バッチを準備するために構成されるシステムが記載されている。典型的な実施形態に係るシステムは、複数治療に対して溶液を十分含む単一バッチを生成および保存する。好ましい実施形態に於いて、溶液が非常に低い割合のエンドトキシンを有し、乳酸ベースの透析液等、複数日数の保存に耐えられる溶質を含むように溶液が準備される。この実施形態では、例えば80リットル容量のバッチを形成するために、水を浄化し、乳酸ベースの透析液の濃縮液を希釈する。このバッチは、特定期間保存され、例えば、1日3回の治療など、頻繁な低容量の治療に使用される。このシステムは、保存期間の制約、純度、溶液および品質に対する順守を実行する安全性システムを提供する。さらに、このシステムは、即時利用、治療頻度、溶液容量、保存ユニットの移植性、および患者のライフスタイルと健康に総合的にプラスの影響をもたらす他の要因のために利用可能であり続ける一方で、薬剤の長期保存のリスク間で独自のバランスをとっている。この特徴は、以下の組み合わせを含む。
【0081】
1.これは必要ではないが、好ましい一実施形態に係る治療投薬計画として、中程度のクリアランス(例えば毎日)を備えた頻繁な治療を選択してもよい。
【0082】
2.数日毎(例えば3日毎)に治療液を準備。
【0083】
3.溶液準備ステップ間の治療目的のために、溶液を即座に使用可能な温度で保存。
【0084】
4.1および2は、例えば、80リットル程度の容量の溶液を用いて達成可能である こうした量は、他の種類の治療にも一致し得るものであり、住居で使用可能なもポータブルなユニット等に便利な量である。
【0085】
5.2の結果として、溶液準備の課題は、治療回数以外の(即ち、治療と一致しない)回数で実行可能であるので、患者のスケジュールをより柔軟にすることが可能となり、また、何らかの治療の一環として準備を実行する必要がないので、治療の実行に費やす時間が削減される。
【0086】
6.患者の自宅または他の便利な治療場所で浄化液を生成可能にすることにより、保存要件を回避する。
【0087】
7.溶液を過熱するための高額な電気料金と、逆浸透に付随する高額な水道料金が回避されるので、高い治療頻度と中程度のクリアランスを組み合わせた、脱イオン化(DI)と使用可能温度での保存に基づく水浄化を採用することにより、公共施設インフラへの需要、即ち、水と電気の需要を削減することができる。他の種類のシステムでは、水処理システムの浄化に高額な電気料金が必要となる場合がある。DIおよび限外濾過は、浄化を必要としない使い捨て可能な長期使用がもたらす。DIが「廃液の流れ」を有していないので、脱イオン化対ROの利用を通じて水の使用量が削減される。
【0088】
8.バッチの大きさは、統一仕様の設計を可能にし、コンパクトなパッケージを用いた場合、家庭用サイドテーブルの高さを超えない、または約1mの高さを超えない、そして、好ましくは約75cmまたは典型的なテーブルの高さを超えない高さで製作されてもよい。好ましい実施形態において、高さは、略ランプの高さ、または、エンドテーブルまたは65cmの高さである。
【0089】
9.治療場所が自宅の場合、諸部品を隠す魅力的な筐体を用いることにより、怖がらせず魅力的な概観を維持することができる。
【0090】
10.小さな大きさにより、筐体を移動可能にするが、この場合、筐体に車輪が取り付けられてもよい。
【0091】
11.異なる種類の治療機器を支持することができるように、筐体にテーブルトップが備えられてもよい。概観の目的を維持するように、テーブルトップは、ポール、表示部、他の取り付け部品等の突出部により妨げられないことが好ましい。
【0092】
12.上記セクション11は、ユニットが保存溶液を典型的な医療処置に使用される通常の医療溶液バッグと同様の圧力で送出可能である適切な医療設計上の特徴を用いて、患者の腹膜が腹膜透析(PD)に対応できなくなるまで、単純にPDサイクラを体外装置に交換することによる、PDサイクラユニットから体外血液処理への便利な切り替えを可能にし得る。
【0093】
13.バッチコンテナの大きさの範囲と適切なサポート機構および漏洩検出が、使い捨てコンテナの使用によるバッチ準備の単純化を可能にし得る。
【0094】
14.特に大きな安全性マージンを備えた場合、脱イオン化床を使用する濾過は高額となる。したがって、長期に亘って複数回使用される使い捨て部品は、例えば、毎月一度だけ、または、それよりも少ない頻度で交換すればよいので、ユーザの利便性を高める一方で、費用上のバランス点をもたらし得る。好ましい実施形態において、モジュールは1乃至3ヶ月毎に一度交換される。
【0095】
15.複数日数に亘る複数回数の治療保存は、乳酸ベースの治療液と、滅菌済の使い捨て保存コンテナの使用により可能となる。なお、この使い捨てコンテナは、このコンテナに入るすべての溶液を取り扱う接続済みの滅菌フィルタを備えている。
【0096】
図19Aを参照すると、こうした溶液準備および保存システム1302の好ましい構成が示されている。前処理モジュール195は、シンクの蛇口1379などの供給源から水を受付けて、UV/ポンプモジュール1300は図6および7を参照して記載した半永久前濾過プロセスを提供してもよい。水量要件は一般家庭の供給量が適切な程度であることが好ましい。即ち、本明細書からわかるように、記載の好ましい実施形態でこれは可能となる。シンクの蛇口への接続は、多くの家庭用蛇口のエアレータを交換する共通コネクタを介して実施されてもよい。例えば符号1305の長期フィルタ(LTF)モジュールは、例えば30日間に亘る毎日の治療に十分な複数個の複数回治療用バッチに対して水浄化を提供する。好ましい実施形態において、図2Aおよび8Aを参照して記載しているように、LTFモジュール1305は、KDFと、分離SAC/SCA床脱イオン化(DI)と、混床および限外濾過とを備える。また、上記のように、LTFモジュールは、交換すべき接続部の数が少ない完全に使い捨てのモジュールの形式であってもよい。様々なコネクタが符号1344で示されている。
【0097】
使い捨て回路1303は、バッチバッグ1317と、様々な溶液回路要素とを備える。ドングル1361は、LTFモジュール1305に接続するためのコネクタ1344で始まり、各コネクタ1344を備えたチューブ部と、事前に導入され、フィードライン1370と連続する非再開放クランプとを備える。ドングル1360は、例えば、図2A、および/または、図3を参照して記載されたものであってもよい。使い捨て回路もまた、パスセレクタと、ポンプと、短期フィルタ部1315とを備える。後者の実施形態は、下記の図23を参照して記載されている。 後者は、準備された治療液の各バッチに対して一回使用される短期フィルタ(ここでは図示せず)を有する。ライン1366は、濃縮薬剤1310のコンテナに接続するために備えられてもよい。他のライン1368は、コネクタ1344Eを介して、事前に接続され封止されたバッチコンテナ1317をライン1369に接続してもよい。ここで、バッチコンテナ1317は複数の治療に十分な薬剤を保存するためのものである。 なお、コネクタ1344Eは、バッチコンテナ1317と、パスセレクタ、ポンプ、およびSTフィルタ回路1315との間に備えられてもよいし、備えられていなくてもよい。これは、それらが単一の滅菌済の使い捨てとして供給され得るからである。
【0098】
供給源ライン1364は、血液濾過機器または腹膜透析サイクラ等の治療装置1312に水を供給するために備えられてもよい。治療機器1312は、供給源ライン1372用のコネクタ1344Aと、コネクタ1344Bを有する排液ライン1362とを有する溶液回路(別途図示せず)を備えてもよい。これは、溶液準備および保存システム1303のパネル(ここでは図示せず)上の嵌合コネクタに対するコネクタであってもよい。溶液準備および保存システム1303のコネクタ1334Bおよび1344Cは、下水処理部1393または、使用済み溶液コンテナ1392に接続され得る単一の共通排液接続部1396を提供するために、Y型接合部1397において接続してもよい。 さらに他の実施形態では、溶液準備および保存システム1303は、各治療後、または、新たなバッチの準備時に(この手続きは以下で手短に説明する)、使用済み溶液を収集および排出するために、使い捨て使用済み液コンテナ1313と、使用済み液ライン1385と、ポンプ1383と、を備えてもよい。コンテナにおける使用済み液の収集は、溶液準備および保存システム1303において必要とされるものではないが、排液部1393への長期的な接続が都合よくない場合、または、患者が治療場所を頻繁に移動させたい場合など、場合によっては好ましいものとなり得る。導電性センサ、不透明度センサ、泡検出器等の溶液品質センサ1322は、排出ライン1345を介してサンプルを送出することにより、治療液の品質を試験可能にするために、排出ライン1345に備えられている。溶液品質センサ1322は、排出ライン1345を介して浄水を汲み出すことによる他のステップで洗浄してもよい。
【0099】
パスセレクタと、ポンプと、短期フィルタ部1315とに動作的に関連するポンプおよび一または複数のアクチュエータが、ライン1366、1369、1370、1345および1364のうち選択されたライン間で溶液を移動させるための様々な構成に備えられていてもよい。ポンプおよびアクチュエータの一例は、図23を参照して以下で詳述される。図19B乃至19Hを参照すると、ライン1366、1369、1370、1345および1364のうち選択されたライン間で溶液を移動させることにより、これらの選択されたラインは、下記の通り、様々な動作を実行し得る。
【0100】
1.図19Bに示されているように、パスセレクタ、ポンプ、およびSTフィルタ回路1315は、フィードライン1370からパスセレクタ、ポンプ、STフィルタ回路1315のライン1369に濾過済みの水を汲み上げることにより、バッチコンテナ1317を事前に浄水で満たすために備えてもよい。ポンプは、前処理ポンプモジュール1285の計量ポンプ、および/または、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路部1315におけるポンプによって実行されてもよい。所定量の移動は、バッチコンテナの計量、計量ポンプ1029(図7)による移動量の合計算出、バッチコンテナ1317に動作的に関連する光学的または機械的なレベル検出器等により確立してもよい。バッチコンテナ1317における上記の量により、濃縮液が完成したバッチにおいて十分混合されており、バッチ内で希釈済の治療液を混合する必要がないようにすることを確実にし得る。
【0101】
2.図19Cに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、濃縮液コンテナ1310からバッチコンテナ1317に濃縮液を移動させるために、ライン1366および1369間で溶液の移動を提供し得る。濃縮液はポンプにより汲み上げられてもよいし、サイフォンにより吸い上げられてもよい。
【0102】
3.図19Dおよび19Eに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、濃縮液コンテナ1310における濃縮物の希釈、および洗浄済濃縮液のバッチコンテナ1317への移動に関する反復サイクルを提供し得る。これは、濃縮液コンテナ1310を洗浄するために未使用の浄水を移動させることによって実行してもよい。なお、この浄水の移動は、ライン1370からライン1366(図19D)に水を流し、その後、ライン1366からライン1369に希釈済の濃縮液を移動させることにより実行される。これらのステップは、特定回数の希釈および移動サイクルが完了するまで繰り返し実行してもよい。サイクルの回数は、繰り返し可能な量の濃縮液を移動すること、または、特定最大量の濃縮液が濃縮液コンテナ1310に留まっていることを確実にするのに十分な回数として経験的に決定してもよい。濃縮液は、上記のプロセスによって効果的に洗浄し得る硬質コンテナに備えられていることが好ましい。しかし、吊し掛け可能な医療液バッグ、溶液カートリッジ等、他の種類のコンテナを使用してもよい。また、濃縮液は、透析用に準備された治療液として長期保存可能な濃縮液であることが好ましい。なお、単一成分からなる濃縮液の代わりに、複数成分からなる酸性成分を乾燥重炭酸成分と混合することが可能であり、本システムに使用可能であるが、これは、特に救急処置に使用され、保存期間が適切に制限される場合、または、混合された重炭素ベースの治療液の使用に伴って生じ得る沈殿を回避するためにバッチの混合など他の手段を採用する場合である。その他の代替実施形態が可能であり、本発明の範囲から除外されない。
【0103】
4.図19Fに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、浄水をバッチコンテナ1317に移動させ、バッチ洗浄を完了するために、ライン1370および1369間の溶液の移動を提供してもよい。
【0104】
5.図19Gに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、例えば、完了したバッチの導電性等の品質検査の目的でバッチコンテナ1317から品質センサ1322に溶液を移動させるために、ライン1369および1345間の溶液の移動を提供してもよい。
【0105】
6.図19Gに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、バッチコンテナ1317における溶液を治療機器1312等の治療装置に対して利用可能にするために、ライン1369および1364間の溶液の移動を提供しても良い。
【0106】
7.図19Jに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、バッチコンテナ1317を空の状態にする目的でバッチコンテナ1317から排液接合部1397に溶液を移動させるために、ライン1369および1345間の溶液の移動を提供してもよい。これは、バッチが使用前に期限切れになった場合、バッチの内容物全体を必要としない場合、またはその他の理由で実行してもよい。
【0107】
一代替実施形態において、ステップ19B,19C、19D、19Eおよび19Fは、バッチコンテナ1317において濃縮液を供給することにより省略してもよい。また、乾燥溶質など必要な溶質を移動させる他の手段は、インライン薬剤カートリッジ(例えば、米国特許第4,784,495号(Jonsson,et al)を参照)等、洗浄を必要としない先行技術における様々な機構に応じて備えられてもよい。
【0108】
上記の通り、図19Aのシステム1399は、監視機能および治療システムのサポートだけでなく、バッチの準備および保存を提供してもよい。図20Aの状態図は、一実施形態において備え得る諸機能を概略的に示している。スタンバイ状態から、システムは、LTFモジュール1305をプライミングし、そのパフォーマンスを検査することにより、LTFモジュール1305を初期化しても良い(S172)。後者のステップは、LTFモジュール1305の交換を含んでもよく、好ましい一実施形態においては、LTFモジュール1305の正確な容量に応じて、毎月から年4回までの範囲のスケジュールで実行される。システムは、バッチを生成機能(S174)、および、その温度を維持しながらバッチを保持する機能(S176)を実行してもよい。システムは、溶液を所定圧力で提供することにより、バッチを使用可能にしてもよい(S178)。また、さらに、ステップS180においてバッチコンテナ1317を排液する機能と、ステップS182において、接続解除によりバッチコンテナ1317を取り外す機能が備えられてもよい。
【0109】
図20Bは、ここで記載される様々な例示の実施形態によるバッチの準備および保存システムに関する様々な実施形態の通常使用に伴う典型的なフローを示している。最初は、システム1399に事処理モジュール1295およびUV/ポンプモジュール等の永久部品が接続されており、すべての制御が正常な状態にあることを想定し、ステップS135において、典型的なルーチンによって新たなLTFモジュール1305が提供される。そして、ステップS130において、新たなバッチコンテナ1317およびSTF回路1315を導入し、充填してもよい。ステップS99において、バッチは必要になるまで待機状態にあってもよい。S130およびS99の両ステップにおいて、加熱を実行してもよい。定期的に、または、ユーザがバッチの使用を試みる場合に、ステップS100において、システム(例えば1399)は、バッチが使用不可能な状態になるポイント付近にあるかどうかを決定してもよい。これは、バッチ生成からの現在までの時間がプロトコルの限界(例えば、>T1−N時間)付近にあるかどうかを検査または決定することにより確立してもよく、もしそうであれば、警告を生成してもよい(S120)。警告を生成してもよいかどうかを確立する時間の合計は、治療期間、および安全性マージンに基づいて決定されてもよい。バッチが生成後72時間で期限切れになると一般的に考えられている場合に警告が生成後64時間で行われるように、例示の一実施形態においては警告の間隔が8時間になっている。この警告により、システムユーザが既存のバッチを期限切れとし、治療前に新たなバッチの生成を必要とするようになるのではなく、むしろシステムユーザは既存のバッチを使用することができるようになる。
【0110】
ステップS120において生成される警告は、ベル等の従来のアナンシエータに相当するものであってもよく、Eメール、IMメッセージ、携帯電話のSMS、携帯電話の音声メッセージ、ポケットベルの警報、または他の適したメッセージ提供サービスを生成する自動のウェブサーバであってもよい。警告が生成される前のリード時間は、ユーザが選択可能な期間に設定してもよい。
【0111】
ステップS105において、バッチの保存期間が期限切れとなり、新しいバッチの生成が必要となるか否かを決定する。バッチが期限切れとなっている場合、または、バッチの一般的な利用を実施するために、期限切れまでに十分な時間がない場合、点線で示されているように、その趣旨の警告メッセージを生成してもよい。このメッセージは提供されてもよいし、提供されなくてもよい。バッチが期限切れとなっている場合、または、バッチの一般的な利用を実施するために、期限切れまでに十分な時間がない場合、制御ステップS125が実行される。そうでなければ、治療が実行されてもよい(ステップS110)。バッチが使い果たされている場合(S140)、または、保存されたバッチが治療総数に達した場合(S115)(これらは所定の実施形態における代替実施形態であってもよく、両テストが実行されても良い)、制御はステップS125に進む。
【0112】
ステップS125において、システムは、検査または経過期間、または、これら両方によって示されるように、LTFモジュールが期限切れとなっているかどうかを決定してもよい。LTFが期限切れとなっている場合、制御はステップS135に戻り、そうでなければ、バッチコンテナの排液を必要とするかどうかを決定する。そうであれば、バッチコンテナは排液されて取り除かれ、そして、いずれにせよ、制御はステップS130に進む。
【0113】
制御フローにおける任意の時点で、様々なシステム検査が実行されてもよい。より重要なものの一つは、LTFモジュールによって実行される水浄化の品質検査である。図8Aにおける抵抗性プローブ1022に関して詳述されているように、LTFモジュールが期限切れ間近であると決定される場合、ステップS142を基本的に常に実行してもよい。このような場合、LTFモジュールの(例えば、コントローラのメモリにおけるセマフォとして保存された)状態が、現在のバッチの完了後にその使用を防止するために更新されてもよい。ステップS125において、この状態の問い合わせを実行してもよく、また、この状態をLTFモジュールが期限切れかどうかを決定するために使用してもよい。ステップS142は、状況が保証する場合、状態を更新するステップと、LTFモジュールの状態に関する連続検査の両方を表す。また、任意の時点、例えば、LTFモジュールにおける汚染物質の侵入時点で、ステップS144において、センサ1025(図8A)は、LTFモジュールの期限切れが差し迫っていることを示してもよい。この場合、ステップ144は、ポンプの停止、および/または、警告の生成等、保護措置手続きの開始を含む。さらに、警告は、ユーザ、サービスプロバイダ、治療のスーパーバイザ等に対するワイヤレスまたはウェブベースのメッセージを含む任意の種類であってもよい。
【0114】
ステップS135は、図21Aに示されたステップを含んでもよい。LTFモジュールは、開放可能なコンパートメントが備えられたカードボードコンテナに収容されてもよい。なお、このコンパートメントにおいて、電気コネクタおよびチューブコネクタ等、あらゆるコネクタが集められ、外部に供給される。ステップS210において、例えばカードボードのハウジングにおいて、このコンパートメントは、破り開けられてもよく、コネクタが取り除かれてもよい。そして、ステップS212において、LTFモジュールは、濾過および保存装置(例えば1399)において所定の位置に配置してもよく、ステップS214において、下記に記載する(図24および27)一体の濾過および保存装置に備えられ得るインレットラインおよびアウトレットラインへの接続と、電気的接続とを実行してもよい。濾過および保存装置(図面においては、「バッチ準備および保存装置」の略語BPSDとして記載)は、ステップS216における、制御部がUVランプ(存在する場合)の検査、期限切れ(上記の通り、LTFモジュールが以前使用されている、または、認証を受けていない)の検査、およびその他の検査を含む一連の自己検査を実行し得る時点で、電源を投入してもよい。ステップS218において、ユーザは、自動プライミングおよび浄化手続きを開始するために、ユーザインターフェイスのアクチュエータ(「GO」ボタン)を押圧してもよい。なお、この手続きは、プライミングだけでなく、成分製造と、空気除去とに使用される残りの薬剤を除去するためのLTFモジュールの十分な洗浄を含んでもよい。後者を自動的に実行してもよい。ステップS230において、システムがステップS218のプライミング/浄化手続きを完了した後、下記でさらに記載するように、新たなバッチバッグおよび短期フィルタ回路が接続されるまで、ドングル(図19Aの1361と同様)上の非再開放クランプは、LTFモジュールに事前に取り付けられ、所定位置に配置される。そして、ユーザはスタンバイモードに入るために、ユーザインターフェイスのアクチュエータ(「GO」ボタン)を押圧してもよい(S232)。
【0115】
上記手続き中に、例えば、溶液接続の完了後、システムは任意の時点(ステップS299により示される)で、漏洩が存在するかどうかを決定するための圧力検査を実行してもよい。この場合、圧力を生成するためにポンプを動作させてもよく(例えば図7の符号1029)、そして、リリーフ量が漏洩を示すために事前に決定されたものと一致するかどうかを確かめるために、一区間において圧力が監視される。同様に、閉塞が存在しないことを確実にするために、S218の浄化ステップ中に圧力を測定してもよく、この閉塞は、不完全な封止または濾過剤を示し得る高い逆圧または過度に低い逆圧によって示される。何らかの不測の事態が発見された場合、ステップS299は対応する指示または警告の生成を含む。
【0116】
図21Bにおいて、図20BのステップS130に関する詳細が示されている。さらに下記で詳述しているように、バッチコンテナ1317は事前に接続されたチューブ、短期フィルタ、センサ、封止、クランプ等を備えた使い捨て部品の一部として備えられてもよい。コンテナ自体は、コンテナに適切に載置され、充填された場合、予測可能な方法で展開し、拡大するように、閉じた状態で輸送され得る大型バッグ形式を採用してもよい。また、下記の通り、大型バッグ用のサポートコンテナは、引き出しグライド部1614(図24)上の直線ボックス1630の形式を採用してもよい。したがって、使い捨て可能なコンテナおよびチューブセットを導入する第1のステップは、このような引き出しを開けて、アクセス可能な位置に供給されるチューブおよびコネクタ部と共に、バッグを特定方向で底部に載置することにある。チューブは、STフィルタ1510(図23)等の認識容易な部品の周囲に一時的に一緒に巻かれてもよく、これにより、ユーザがその部分を保持した場合、チューブがもつれる恐れがなく、予測可能な方法で位置付けられる。ステップS250およびS252を参照。
【0117】
例えば、図23を参照して下記に記すように、チューブおよびSTフィルタを固定するために、位置決めおよび保持機構が備えられてもよい。ステップS254内の一または複数のステップは、アクチュエータ、ポンプ、センサ等を用いた回路の位置きめを提供してもよく、その後、ステップS256において、例えば、一または複数のアクチュエータ部品の締め付けまたは固定によって、これらを係合してもよい。この機械的特徴に関する例を下記で詳述する。回路が一旦固定されると、ユーザは濃縮液コンテナを接続するためのモードにシステムをセットしてもよい。このステップは、システムがバッチコンテナへの濃縮液の移動を準備する前に早期の吸い上げを防止するために、任意のバルブを所定位置にセットしてもよい。これは、ステップS258において実行される。そして、ステップS260において、LTFモジュールのアウトレットを保護するチューブドングルが取り除かれ、LTFモジュールからのアウトレットは、STフィルタおよびバッチコンテナ回路用のコネクタに接続される。この接続は、例えば図19Aの参照番号1344Qに対応する。回路1303は、バッチコンテナおよびSTフィルタ回路ユニット1303が取り除かれた後、LTFモジュールを保護するために後に使用され得る非再開放クランプ1740を有する新たなドングルを備えてもよい。
【0118】
ステップS262において、GOを押圧することによる現在のユーザインターフェイスに応じて、ユーザはバッチ準備手続きを起動してもよい。この手続きは、検査サンプルを使用済溶液接合部1397から押し出すことにより、抵抗性センサ1322(図19A)を使用して水質をチェックすることによって開始してもよい(S264)。そして、ステップS266において、このシステムは、何らかの漏洩が存在するかどうかを決定するための圧力検査を実行してもよい。この場合、圧力を生成するためにポンプを動作させてもよく(例えば図7の符号1029)、そして、リリーフ量が漏洩を示すように事前に規定されたリリーフ量と一致するかどうかを確かめるために、一区間において圧力が監視される。また、不完全な封止または濾過剤を示し得る高い逆圧または過度に低い逆圧がチェックされる。UV光源が存在する場合には、UV光源の状態を光センサでチェックしてもよい。このステップS266は、他の時点で同様に実行してもよい。
【0119】
そして、フローディレクタ(ここで図示しないが、図23を参照して記載)は、濃縮液をバッチコンテナに追加する機能と、これを正しい割合に希釈する機能とを提供するために、ステップS268で始まる一連のステップにおいて、図19B乃至19Jを参照して記載されるように構成される。ステップS270は、図19Bを参照して上記した濃縮液の移動前に、初期の水量を追加することに対応する。ステップS272は、図19Fを参照して記載した希釈プロセスの最終的な完了だけでなく、図19Cを参照して記載したバッチコンテナへの濃縮液の移動、および、図19Dおよび19Eを参照して記載された一連の洗浄処理に対応する。ステップS274は、図19Gを参照して記載した導電性検査を含み得る溶液品質検査に対応する。完成したバッチは暖められ、ステップS276で始まる使用と両立可能な温度で保持される。ステップS299で示すように、前述の様々な不測の事態を図21Bのプロセスにおける様々な時点で検査、確認してもよい。
【0120】
ここで図21Cを参照すると、治療液バッチの使用プロセスに対応するステップS110に関する詳細が示されている。ステップS300において、治療回路および/または装置が備えられている。未使用の溶液および使用済溶液のラインは、ステップS305において特定装置によって要求されるように接続してもよい。下記に記載する図27の実施形態(例えば、他の実施形態にも同様に該当)において、未使用の溶液よび使用済溶液の接続が備えられており、これにより、バッチ準備および保存装置と、治療装置間の接続が行われてもよい。ステップS310において、ユーザはGOを押圧してもよく、そうでなければ、バッチ準備および保存装置を治療モードにセットしてもよい。なお、この治療モードにおいては、システムが吊り下げ薬剤バッグを使用する共通の重力供給ラインと同等の上部圧力を生成するためにポンプを動作させ得る。バッチ準備および保存装置は、例えば図19Hを参照して記載されたように構成することにより、例えば単純にバルブを構成する等、他の方法でも同様に、溶液を治療に利用可能にしてもよい。治療はステップS315において示されたシステムを用いて実行してもよく、その後、必要であれば、バッチを排液してもよいし、バッチ温度が次の治療まで維持されるスタンバイモードにセットされてもよい(ステップS320)。ステップS299で示すように、前述の様々な不測の事態を図21Bのプロセスにおける様々な時点で検査、確認してもよい。
【0121】
図24においては、図19Aの実施形態に一致するバッチ準備および治療システムがさらに詳細に記載されている。前処理モジュール195は、シンクの蛇口1379などの供給源から水を受付けて、UV/ポンプモジュール1300は図6および7を参照して記載した半永久前濾過プロセスを提供してもよい。水量要件は一般家庭の供給量が適切な程度であることが好ましい。即ち、本明細書からわかるように、記載の好ましい実施形態でこれは可能となる。シンクの蛇口への接続は、多くの家庭用蛇口のエアレータを交換する共通コネクタを介して実施されてもよい。例えば符号1305の長期フィルタ(LTF)モジュールは、例えば30日間に亘る毎日の治療に十分な複数個の複数回治療用バッチに対して水浄化を提供する。好ましい実施形態において、図2Aおよび8Aを参照して記載しているように、LTFモジュール1305は、KDFと、分離SAC/SCA床脱イオン化(DI)と、混床および限外濾過とを備える。また、上記のように、LTFモジュールは、交換すべき接続部の数が少ない完全に使い捨てのモジュールの形式であってもよい。様々なコネクタが図22からは省略されているが、これはそれらの記載が必要ではないからである。符号(図19Aおよび22)が同様の部品を特定しているように、ここではそれらの記載を繰り返さない。
【0122】
パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315の特定の例を符号1499で示す。4つのバルブ1416、1418、1414および1412と、ポンプ1464は、図19B乃至19Jに関して記載した選択可能なパスを提供するために、制御部1947によって独立制御される。これらのバルブは、開閉のために医療用チューブを押圧するピンチバルブであることが好ましい。なお、開栓前により低い制限要件(「クラッキング圧」)を有するチェックバルブによって、溶液がバッチコンテナ(本実施形態では、バッチバッグ1444)に汲み出されないようにしてもよい。したがって、例えば、水が濃縮液コンテナ1404に汲み出される場合、必ずしもバッチバッグ1444に汲み出される訳ではない。また、透析液ポンプ1464によって水が同様にバッチバッグ1444に汲み出されないようにしてもよい。下記のリストは、図19B乃至19Jのモードに関するバルブ構成およびポンプ構成を示している。ポンプの正方向および逆方向は符号1467で示されており、下記のテーブルにおいては、それぞれ記号「F」および「R」を用いて示されている。ポンプ1464の状態は停止状態もあるので、閉鎖バルブとなり、記号「X」で示される。バルブ構成については、閉鎖状態が記号「C」で、開放状態が記号「O」で示される。
【表1】
【0123】
溶液ウォーマ1452は、温度センサ1448を用いて、サーモスタット制御してもよい。漏洩センサは、バッチバッグ1444からの漏洩を検出するためのサポート1456における位置に備えられてもよい。計量計1451は、バッチバッグ1444に移動させる溶液量を決定するための他の代替手段として使用してもよい。別のコンテナからの濃縮液の移動に関連する上記ステップを省略し得るように、バッチバッグには既にその中に濃縮液が供給されている。
【0124】
バルブアセンブリは、図23に示されるものであってもよく、ピンチアクチュエータ1534、1518、1522および1536を備え、アセンブリを覆って閉鎖するドア(図23には図示せず)に取り付けられたアンビルプレートに対して圧縮チューブブランチ1534、1516、1524および1528を圧迫する。ピンチアクチュエータ1534、1518、1522および1536を駆動する(図面頁の斜視図から読み手側に向かって移動する)場合に、チューブブランチ1536、1516、1524および1528が圧迫されるように、ドアはヒンジで連結され(1530)、ラッチする(1532)。ポンプチューブ部1546は、ドアに取り付けられたポンプ水路部により、蠕動ポンプアクチュエータ(peristaltic pump actuator)1544のローラに対して保持される。図23のチューブ1536、1516、1524、1528、1546および1520は、それぞれ図22のライン1366、1469、1345、1370、1462および1460に対応する。
【0125】
漏洩センサ1486および1490は、対応するモジュール1300および1305の周辺または内部における漏洩を検出するために備えられてもよい。共通の使用済液接合部1434は、バッチ準備および保存装置と、治療装置から溶液を受け付けるためのコネクタ1432および1438を有する(ここでは図示しないが、対応する接続部は図19Aの符号1344B)。導電性センサ1428は、図19Aのセンサ1322に対応する。チェックバルブ1430は、各ブランチ1422および1431に備えられている。図示されているように、部品交換が便利になるように追加のコネクタが備えられてもよい。
【0126】
ブランチコネクタ接合部1402は、治療装置(ここでは図示せず)の溶液インレットに対して複数の接続を提供する。接触による汚染からの保護を確実にするように、各コネクタ1742A、1742Bおよび1742Cは使用前に封止されている。その代わりに、各コネクタは、他のコネクタ(コネクタ1742Aおよび1742C)が封止された状態にある一方で、封止されておらず、治療装置のインレットライン1745(図中のコネクタ1742B)に接続されている。治療完了時に、以前使用されたコネクタ(1742B)の非再開放クランプ1740は閉鎖されてもよく、治療装置インレットライン1745は接続解除されてもよい。これにより、溶液回路またはバッチバッグ1444への汚染物質の逆流を防止する。代替案としては、チェックバルブが単一ブランチで使用されてもよいが、この複数ブランチコネクタ接合部1402によって提供されるポジティブシールであることが好ましい。
【0127】
治療装置の上方に吊り下げられた溶液バッグによって提供される場合と同様に、安定した予測可能な供給源溶液圧力を提供するために、好ましい実施形態に見られるように(図25を参照)バッチコンテナが治療機器の下方に存在する場合においては、リサイクルループ1462および1460が備えられる。ポンプ1464が順方向に汲み上げを行う場合、任意の抵抗性によって、溶液がチェックバルブ1472を介して逆方向に流される。これは、上記のクラッキング圧として特徴付けられている。圧力の一例は、3.5psiである。このように、治療中において、ライン1469が略3.6psiの状態である一方で、ポンプ1464は溶液をコンテナに連続して送り戻す。ライン1369が相当の距離を上昇する場合、圧力が低減する可能性があり、治療装置によって「判断される」最終圧力が任意の望ましい値で備えられる可能性が有る。
【0128】
図23において、ユーザインターフェイス/ドア1640の一実施形態が示されている。なお、このユーザインターフェイス/ドア1640は、バルブアクチュエータ1534、1518、1522および1536が動作する表面を提供してもよく、蠕動ポンプ1544のローラに対してポンプ水路を位置付けてもよい。4つのチューブ部1536、1516、1524、1528および1546と、短期フィルタ1510とを位置付けるための便利な機構は、接合部1538および1542を支持する固定ケーシングを提供する。短期フィルタ1510のケーシングは、例えば、ブラケット1524および1514によって示すように、アセンブリ全体を位置合わせするために、ホルダ内に位置付け、係合してもよい。ポンプチューブ部1546に対してサポート1513が備えられていてもよい。4つのチューブ部1536、1516、1524、1528および1546と、短期フィルタ1510が載置を簡素化するように備えることが可能であるだけでなく、ポンプチューブ部1546を保持するための真空成形トレイ等のさらに豊富な取り付け備品を使用してもよい。
【0129】
図24において、上記の実施形態に一致するバッチ濾過および保存装置1600に関する好ましい構成が示されている。一体キャビネット1601には、水の供給および排水、および、交流電気供給のために、背面に(図示せず)公共設備接続部が備えられている。引き出し1630はバッチバッグ1444を保持する。チューブは引き出し1630から出て、ユーザインターフェイスドア1640の背後に直接供給されてもよい。治療装置に接続するチューブは、テーブル1612表面の上部に位置し、ノッチ1641を介して治療装置に供給してもよい。テーブル面1612上に位置する治療装置1660の一例が図25に示されている。LTFモジュール1624は図26にも示されており、これはキャビネット1601内の対応する空間内に摺動する。コンパートメント1626は開放可能であり(これはLTFモジュール1624の挿入前に実行されてもよい)、LTFモジュール1624のコネクタは、便利なことにバッチ濾過および保存装置1600上のコネクタ1632に嵌合する。図24の実施形態は、符号1602で示された個別のポンプ部を備える。UV/ポンプモジュール1300は、符号1616で示された水平型構成で配置され、キャビネットから摺動可能であってもよい。ドア1600により、ユニット内部の大部分を動作中に隠すことが可能となり、ポート1608はユーザインターフェイスドアに組み込まれた制御パネル1604へのアクセスを提供する。追加のドア1622はLTFモジュール1624を覆う。ユニットの移動が可能となるように、車輪1618が備えられてもよい。
【0130】
図26において、一実施形態にかかるLTFモジュール1680の部品の梱包が示されている。図8Aを参照して記載したカーボン/KDFモジュール1007、SAC/SBAカートリッジ1002A乃至1002C、および混床DIモジュール1031は、平面配列で配置されている。様々な抵抗性センサ1684と、限外フィルタ1682と、空気フィルタ1688(図8Aの符号1035A、1035Bおよび1047に対応)もまた同一平面に配置されている。コネクタとラインはコンパートメント領域1686に収容されている。
【0131】
図27を参照すると、治療装置用の溶液回路構成は、透析の実施形態において個別の血液回路および透析液回路を可能にする。治療液バッチは数日の期間、保有・保存可能であるので、同一期間保有される溶液回路を提供するのに便利である場合もあり、回路の血液部のみの交換を必要とする。これにより、セットアップを単純化し、不適切に導入された部品に係るリスクを低減し、費用を幾分削減し得る。ここで、治療装置は符号1735で示され、バッチ準備および保存装置は符号1725で示される。バッチバッグは符号1720で示される。図25に示すように、治療装置1735の下方から治療装置1735に供給するための上部圧力を提供するチェックバルブ1792と、フィードライン1788も図示されている。パスセレクタ回路部1315は、上記の通りであり、上記実施形態またはその他の実施形態の何れによるものであってもよい。他のライン1786および1784と、コネクタ1740、180、1782、1762および1778と、パスセレクタ回路部1315にそれらを接続するラインは、治療装置1735の一部を構成するバランス回路1700に事前に接続してもよい。バッチ準備および保存装置は1725上のそれぞれの嵌合コネクタ1764、1766および1768は、例えば、図24の符号1632で示すように備えられてもよい。バランス回路1700は、米国特許第6,638,478に記載された容積測定バランス回路であってもよい。なお、この特許文献は、ここで参照することにより、その全体を完全に説明するものとしてここに組み込む。血液フィルタ回路部は、フィルタ(例えばダイアライザ)1715と、血液ライン1760と、血液ポンプおよびセンサ回路1705と、静脈および動脈ライン1758および1759と、場合によっては他の部品とを含む。静脈ライン1758および動脈ライン1759は、不溶解性溶液バッグ1756に送られた不溶解性溶液を用いて実行され得る血液回路のプライミングを行うための不溶解性溶液バッグ1756に接続することが示されている。ダブルコネクタ1754および1756は、ガスの沈殿を可能にする不溶解性溶液バッグ1756を溶液が循環可能となるように備えられてもよい。
【0132】
なお、バッチ準備および保存装置は、血液回路フィルタ1715を介して治療液を血液回路1705および不溶解性バッグ1756に押し込むことにより、血液回路をプライミングするための溶液を提供してもよい。この場合、不溶解性バッグは、血液回路1705の一部として備えられてもよく、図示されているように予め取り付けられてもよい。なお、比喩的に符号1752および1754で示されたコネクタの接続解除により、プライミングが完了した後、患者のアクセスが何らかの適切な方法で接続されることが予想される。
【0133】
符号1402で示され、図22を参照して記載されたものと同一であり、これと同一の方法で使用される複数のコネクタ1746が備えられてもよい。各治療に対して、血液フィルタ部1798は治療完了後に交換される。符号1746で示されたものと、符号1748で示されたものの内、使用されるコネクタの非再開放コネクタ1740は閉鎖され、血液フィルタ部1798はフィルタ1715のコネクタ1743の接続解除により接続が解除される。しかし、治療液部1799は所定位置に留まることが可能である。
【0134】
図28を参照すると、腹膜透析装置が示されている。図22および25のバッチ準備および保存装置の実施形態に関する便利な設計の一特徴は、それらが様々な異なる種類の治療設備への便利な接続を可能にするということにある。例えば、図27を参照して記載する完全な血液透析治療および回路の代わりに、バッチ準備および保存装置1600が、図28に一実施形態が示される腹膜透析サイクラと共に採用してもよい。未使用の透析液ライン1832および使用済透析液ライン1833は、例えば、図19Aの実施形態の対応するライン1372および1362のそれぞれとしてバッチ準備および保存装置(任意の実施形態)に接続されてもよい。ポンプ1805および1806は、それぞれの圧力センサ1820、1825、1821および1826からのインレットおよびアウトレット圧力センサの測定値に基づくフィードバック制御を使用して、制御部1810により制御されてもよい。さらに、各ポンプに対する較正曲線と混合した正確なインレットおよびアウトレット圧力の測定値は、患者から、および、患者に移動する溶液の総量に関する正確な測定を可能にし得る。こうした較正曲線アプローチを使用することにより、治療用透析液の計測の正確性を高める一方で、こうした腹膜透析サイクラが、蠕動ポンプを使用する小型ユニットを使用することが可能にしてもよい。
【0135】
周知の通り、腹膜透析は、腹膜を治療に対して効果的に利用できなくなる時点までは使用することができる。この状況が発生した後、患者は、例えば、体外治療システムを使用する一般的な透析に切り替えなければならない。しかし、多くの患者にとって腹膜透析は好ましいものであり、こうした患者は、腹膜透析を一定期間利用し、後に一般的な透析に切り替えたいと考えるかもしれない。 他の代替案は、患者が腹膜透析と一般的な透析の両方を異なる時点で使用するものであり、これにより、患者に柔軟性を与え、腹膜を治療に利用可能な期間を潜在的に延長する。こうした場合、下記に記載するように、治療機器の種類間の便利な切り替えは、ここに記載するバッチ準備および保存装置を用いて促進され得る。
【0136】
図28の設計(または他の設計)による腹膜サイクラは、テーブルトップに載置するように構成されてもよい。図25のバッチ準備および保存装置の設計により、腹膜サイクラが例えば図25に示す体外血液治療装置と交換可能な時点で体外血液治療が示されるまで、こうした腹膜サイクラを使用することができる。バッチ準備および保存装置1600における変更は必要ない。
【0137】
なお、図19A乃至28の実施形態は、前述の実施形態または治療回路のLTFモジュール、STフィルタおよび溶液回路モジュール等の交換可能な部品の期限切れを実行するために上記図面に関連して上記した、データキャリアおよびデータキャリアリーダ装置を採用することが可能なものとして検討されている。さらに、同一のデータキャリア装置は、以前使用された交換可能な部品の再利用防止に使用するものとして検討されてもよい。
【0138】
上記のバッチ準備保存および治療装置用の制御部は、許可されたバッチの保存期間と、バッチが生成される、または、バッチの生成が提案される時間とを考慮に入れた治療スケジューラを提供してもよい。こうしたスケジューラは、患者が治療を実行したいと考える回数をインプットとして受け付けてもよく、これに応じて、バッチがそうした複数治療の間に準備が整っており、最後の治療時にもまだ利用可能であるように治療のために準備されるべき時間に関するウインドウを演算・表示してもよい。この演算は、バッチ準備にかかる時間と、バッチが期限切れになるまでの時間的な長さと、患者の治療開始に要する時間の推定値と、治療の中止許可および他の情報とを考慮にいれてもよい。代替案として、スケジューラは、バッチの準備が提案される時間を受け付けて、その後、治療の種類(毎日または長期間)と、治療の強さと、バッチの大きさ等を考慮に入れて、治療回数案を出力してもよい。スケジューラは、入力されたスケジュールに従って様々なタスクをタイムリーに実行するためにリマインダを提供して、このスケジュールを維持し、ワイヤレス装置で利用可能にしてもよい。好ましい実施形態において、スケジューラは、ウェブを介してアクセス可能なサーバアプリケーションにより備えられる。スケジューラは、ローカルアプリケーション、サーバアプリケーション、または、サーバおよびシンクライアントアプリケーション(処理制御部上で実行するクライアントアプリケーション)間の中間的なものであってもよい。アプリケーションは、スケジュール化された時間でバッチの準備を開始するためにシステムを実際に制御してもよい。後者の場合、バッチコンテナおよび回路は、バッチ準備および保存装置に事前に接続されてもよく、これにより、システムは、その後、スケジュール化された時間で準備を自動的に開始することができる。さらに、何らかの問題に直面した場合、スケジューラシステムは、改善された行動を取り得るように、患者または問題に関する責任者に警告を発してもよい。
【0139】
なお、上記実施形態においては、強調された治療投薬計画は中程度のクリアランスを有する毎日の治療であったかもしれないが、バッチ準備および治療装置と記載された他の進歩性を有する実施形態は、他の治療投薬計画と一致することは当然明白である。
【0140】
上記発明は、明瞭さと理解の目的で図面および例示により幾分詳細に記載されているが、特定の変更および修正を加えてもよく、特許請求の範囲の範囲内に含まれることは明白である。例えば、各実施形態の装置および方法は、他の実施形態の任意の装置および方法において使用する、または、これらの装置および方法と組み合わせることが可能である。他の例としては、記載のエア抜き孔は、任意の適切な記載のものであればよく、膜型エア抜き孔が好ましいが、膜型エア抜き孔である必要は全くない。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1A】医療用溶液浄化システムの様々な特徴および配置に関して詳述するために比喩的に示す溶液準備装置に関する実施形態を示す図。
【図1B】溶液の品質保証をもたらし、フィルタ呼気(filter expiration)への汚染物質の侵入を防止する制御要素を備えたフィルタ装置を示す図。
【図2A】汚染防止を確実にするコネクタシステムを備えたフィルタおよびバッチコンテナを示す図。
【図2B】汚染防止を確実にするコネクタシステムを備えたフィルタおよびバッチコンテナを示す図。
【図3】セルフクランプ式コネクタを示す図。
【図4】バッチコンテナチューブセットを示す図。
【図5】水浄化システムの様々な特徴および配置を詳述するために比喩的に示す溶液準備装置に関する実施形態を示す図。
【図6】溶液準備装置の一実施形態の一部を示す図。
【図7】溶液準備装置の一実施形態の一部を示す図。
【図8A】溶液準備装置の一実施形態の一部を示す図。
【図8B】2つの重複する限外濾過膜が共通して格納されたフィルタモジュールの一部を示す図。
【図9A】バッチコンテナの一実施形態を示す図。
【図9B】バッチコンテナの一実施形態を示す図。
【図10A】コンテナの溶液品質を検出する電導性または抵抗性センサ構成等の溶液品質センサを示す図。
【図10B】薬剤濃縮液カートリッジを示す図。
【図11】フィルタモジュールの部分透過斜視図。
【図12】拡張装置を備えたフィルタカートリッジを示す図。
【図13A】図11に示す交換式フィルタ等の交換式フィルタと共に使用する溶液準備装置を示す図。
【図13B】図11に示す交換式フィルタ等の交換式フィルタと共に使用する溶液準備装置を示す図。
【図14】様々な実施形態の特徴をサポートする制御システムを示す図。
【図15】明細書中で詳述した様々な実施形態の様々な制御オプションを詳述するためのフローチャート。
【図16】制御に関する一実施形態を使用するための治療環境を示す図。
【図17】限外フィルタ内からの空気の発生に強い限外フィルタの諸構成を示す図。
【図17A】限外フィルタ内からの空気の発生に強い限外フィルタの諸構成を示す図。
【図18】限外フィルタ内からの空気の発生に強い限外フィルタの諸構成を示す図。
【図19A】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置に関するフローチャート。
【図19B】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19C】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19D】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19E】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19F】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19G】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19H】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19J】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図20A】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の操作を示すフローチャート。
【図20B】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の操作を示すフローチャート。
【図21A】図20Aおよび20Bの操作の詳細を示す図。
【図21B】図20Aおよび20Bの操作の詳細を示す図。
【図21C】図20Aおよび20Bの操作の詳細を示す図。
【図22】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の特徴を示す回路図。
【図23】フローディレクタに関する図。
【図24】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置用のハウジングを含む様々な機械的特徴を示す図。
【図25】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置用のハウジングを含む様々な機械的特徴を示す図。
【図26】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置用の長期型使い捨てフィルタモジュールを示す図。
【図27】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の特徴を示す回路図。
【図28】小型腹膜透析循環装置に関する図。
【背景技術】
【0001】
医療アプリケーションの多くは、浄水およびその他の溶液、例えば、血液濾過、組織刺激、血液透析濾過を必要とする。従来技術のシステムの中には連続浄化プロセスに焦点を当てたものがあり、この連続浄化プロセスでは、無菌状態の補充液を十分な一定流量で提供するために、定期的な洗浄および確認を必要とする透析ろ過装置/浄化装置を別々に必要とする。(Chavalletの米国特許第6,039,877号および米国特許第5,702,597号を参照)こうした装置は必然的に複雑になり、浄化プロセスに対して別々のポンプシステムを必要とする。さらに、こうしたシステムでは溶液の供給率が非常に高く、高価なフィルタの使用が求められる。この高供給率に関する問題は、血液濾過用の補充液の生成に関しても存在するので、高価な濾過装置が必要となる。
【0002】
不溶解性液および透析液を準備するための大型および小型のインラインシステムが知られている。下記の従来技術文献には、こうしたシステムの一例が詳述されている。
米国特許公報第200410232079号
米国特許公報第2003/0105435号
米国特許第5,645,734号
米国特許第5,782,762号
米国特許第6,136,201号
PURELAB Maxima、Ultra−Pure Water Purification Systems、http:/www.elgalabwater.com Shipe,Brad、The Case for UV in Dechlorination Applications、Water Conditioning & Purification Magazine、Jan 2003、Vol 45 No.1
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、本発明は、給水接続部および排液接続部と、電気供給接続部とを有するハウジングと、水を浄化し、浄水バッチを準備するための溶質の希釈に前記浄水を使用するように構成された治療液準備装置であって、前記バッチが、前記ハウジングに囲まれた使い捨てコンテナに含まれており、且つ、少なくとも1日おきに腎代償療法による治療を複数回実行するための治療液を十分含む治療液準備装置と、腎代償療法を即座に利用するための温度に前記バッチを維持するように構成されたヒータと、前記バッチが期限切れの状態であること、前記バッチが期限切れになりそうであること、および前記バッチが期限切れになる前の残り時間のうち少なくとも一つを示すように構成された制御部であって、前記バッチを複数の治療に利用可能にするように構成された制御部と、前記バッチの内容を受け付けるために、腎代償療法装置を接続するための複数の接続部とを備えた医療用溶液処理装置を含む。
【0004】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナがバッグであり、前記ハウジングが前記バッグを支持するように構成されたタンク部を有する。
【0005】
他の実施形態によれば、本装置は、前記バッグが前記バッグの交換毎に交換される第1のフィルタを有する。
【0006】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有しており、前記テーブルトップは前記腎代償療法装置を支援するように構成されている。
【0007】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有しており、高さが1mを超えない。
【0008】
他の実施形態によれば、本装置は、前記治療液準備装置が、複数のバッチのそれぞれに対して交換される使い捨て濾過モジュールを備える。
【0009】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナがバッグであり、前記ハウジングが前記バッグを支持するように構成されたタンク部であり、前記タンク部は、前記ハウジングの前部のドアの後ろに隠れる引き出し部として構成されている。
【0010】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有し、高さが1mを超えず、前記テーブルトップが如何なる取り付け部品によっても妨げられることがなく、前記制御部が前記ウジングの前部に取り付けられたユーザインターフェイスを有する。
【0011】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングがテーブルトップ面を有しており、高さが75cmを超えない。
【0012】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナが複数のアウトレット接続部を有しており、前記アウトレット接続部のそれぞれが非開放クランプで構成されている。
【0013】
他の実施形態によれば、本装置は、前記治療液が乳酸ベースの透析液を含む。
【0014】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングに複数の車輪が取り付けられている。
【0015】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナがバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成された凹部であり、前記凹部は、前記バッグが配置される底部を有し、前記底部は前記ハウジングの底に位置し、少なくとも一つの漏洩センサを内部に有する。
【0016】
他の実施形態によれば、本装置は、前記ハウジングが漏洩を検出するための成分を含む、または、輸送する任意の溶液の外側に少なくとも一つの漏洩センサを有する。
【0017】
他の実施形態によれば、本装置は、前記制御部が使用後に前記バッチを空の状態にするように構成されている。
【0018】
他の実施形態によれば、本装置は、前記排液接続部が前記使い捨てコンテナからの接続を受け付けるY型接合部と、前記治療機器の使用済液ラインに接続するためのコネクタを有する。
【0019】
他の実施形態によれば、本装置は、前記Y型接合部の一脚部は、前記バッチサンプルをその一部を前記Y型接合部に勢いよく流すことにより検査可能に構成された導電性センサを有する。
【0020】
他の実施形態によれば、本装置は、前記使い捨てコンテナが各バッチに対して交換されるフィルタを有するアクチュエータ部を備えている。
【0021】
他の実施形態によれば、本装置は、前記治療液準備装置は、複数のバッチのそれぞれに対して交換されるフィルタを備える。
【0022】
他の実施形態によれば、本装置はさらに、前記治療装置による取り込みのために一定圧力を生成するように構成されたポンプおよび溶液回路部を備える。
【0023】
他の実施形態によれば、前記溶液回路部は、使い捨てコンテナに戻るフィードバックループであり、前記一定圧力に等しいクラッキング圧(cracking pressure)を有するインラインチェックバルブを備える。
【0024】
他の実施形態によれば、本装置はさらに、濃縮液コンテナを洗浄し、前記濃縮液コンテナの洗浄の結果生じる希釈液を前記使い捨てコンテナに供給するために、前記濃縮液コンテナから濃縮液を汲み上げ、前記濃縮液を前記使い捨てコンテナに供給するように構成されたバルブアクチュエータアセンブリを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の開示は、純水を生成し、実施形態によっては純粋溶液を生成するための機器、方法、装置、製造品等に関する。これらは、組織刺激(tissue irrigation)等の医療用溶液の準備、血液濾過(hemofiltration)、血液透析(hemodialysis)、血液透析濾過(hemodiafiltration)、限外濾過(ultrafiltration)等の薬物・血液治療、その他の治療の準備に使用してもよい。
【0026】
図1Aに示すように、実質的に不要な溶解および非溶解物質を含まない適した水を供給するために、治療現場に永久部品と交換可能部品(permanent and replaceable components)の組み合わせが備えられても良い。図1Aは、特に特定の環境下で利益をもたらす枠組みの概要を示す図である。そうした環境の一つが腎代償療法(renal replacement therapy)である。患者は少なくとも週に2回、多い時には毎日治療を受けなければならない。一方、良好な無菌設計では、列挙するまでもないが、様々な形態の汚染に対抗する殺菌処理済の使い捨て部品の使用を奨励している。しかし、使用の都度、汚染のない状態にあるべき各部品を交換することは、特に治療が毎日行われる場合には、多大な費用がかかる。従来技術のアプローチは、集中的な滅菌処理によって滅菌を保証する永久部品の組み合わせにより、場合によっては、1回の使用で処分される使い捨て部品をさらに使用することにより支援される(二重に安全にする)永久部品の組み合わせにより、この問題に取り組んでいる。代替案としては、現場での滅菌処理を回避するために、使い捨て部品の使用をさらに強固にすることが可能である。しかし、これにより、設計者が使い捨て部分に対して安価な故にあまり好ましくない部品を使用することを余儀なくさせられるという問題、または、単に医療システムに対して高額な費用負担を課すという問題が生じる。
【0027】
図1Aには、この点に関して妥協し、特に腎代償療法環境に適用可能と考えられる新たなモデルが示されている。永久モジュール920は、交換および殺菌を実施することなく繰り返し使用可能な永久部品であり、極度に汚染を悪化させる傾向、または、汚染されやすい傾向にない濾過・処理(filtration and treatment)ステップを有する。この例は他の実施形態で説明されている。この永久モジュールは、様々な水質を受け付けるように設計されてもよい。半永久モジュール(semi-permanent module)922は、例えば、1ヶ月間の使用等、複数回使用されるが、定期的に、または、初期不良の検出時に使い捨て可能である。永久モジュールは、半永久モジュールに関して予防措置を講じなければならないので、半永久モジュールの適切な使用および取り扱いを行うための制御部を有しても良い。しかし、下記の通り特定の実施形態に関連して述べるように、半永久モジュールを用いた場合、手続きには洗浄、浄化、無菌処理が含まれない。最終段階は、使い捨て要素924に備えられた最終濾過および/または処理ステップを有する。最終段階において、最も安価な部品が、上流側部品の滅菌不良から保護するために配置されてもよい。下記の通り、ここに記載された好ましい実施形態では、このモデルに従うものとする。このモデルのバリエーションは、中間モジュールを、あるモジュールについては毎月交換し、他のモジュールについては毎週交換するといった他の日程計画に従って使用されるモジュールに分割することが可能である。図1Bは、汚染から保護するための半永久要素と制御システムの一例を示す。図1Bの実施形態は、独立した発明を構成してもよく、図1Aは好ましい構成と認識されているが、図1Aを参照して詳述したように組み合わせて用いる必要はない。図1Bを参照すると、ポンプ416は、インプットライン403を介して、フィルタモジュール425に原水を供給する。フィルタモジュール425は、第1フィルタ410Aと、第2フィルタ410Bとを有する。一実施形態において、第1段階フィルタ410Aおよび第2段階フィルタ410Bは、脱イオンフィルタ(deionizing filters)である。第1段階フィルタ410Aおよび第2段階フィルタ410Bには、完全な水処理(water treatment)を実行するためにフィルタモジュールの内部または外部に備えられた他の種類のフィルタ(ここでは図示しないが、本明細書の他の部分で詳述および説明する)を付属してもよい。処理済の水はバッチコンテナ417に供給されるが、バッチコンテナ(batch container)417は備えられても良いし、備えられなくてもよい。図中の構成では、水は薬剤の準備のために処理されるが、この薬剤は滅菌処理済みの消耗部としてバッチコンテナ417に濃縮形式で含まれてもよい。
【0028】
第1段階フィルタ410Aと第2段階フィルタ410Bの間には、水質センサ405が備えられている。一実施形態において、水質センサ405は、第1段階フィルタ410Aを通過後に水に含まれるイオン種を検知する導電性または抵抗性のプローブである。好ましい一実施形態において、第2段階フィルタ410Bが第1段階フィルタ410Aの濾過効果の一部を提供するという点で、第2段階フィルタ410Bは少なくとも幾分の余剰をもたらす。一代替実施形態においては、第2段階フィルタ410Bが第1段階フィルタ410Aの濾過のすべてを提供するので、完全に余剰となっている。こうした配置において、第1段階フィルタが期限切れになり(使い果たされ)、第2段階フィルタが期限切れになる前に、汚染物質の侵入(break through)を可能にする。汚染物質の侵入は、水質センサ405に接続された制御部415によって検知される。また、制御部415はポンプ416を制御する。第1段階フィルタ410Aの期限切れ(expiration)に際して、制御部は、所定量の溶液、好ましくは治療に必要な量の溶液がバッチコンテナ417に収集されるまで、準備を継続可能にする。一旦、この閾値量が供給されると、制御部は、フィルタモジュール425が未使用モジュールに交換されるまで、ポンプ416の動作開始を許可しない。第2段階フィルタ410Bは、それ自体が、少なくとも単一バッチの水を浄化し、汚染物質がアウトプットライン404に侵入しない安全マージン(safety margin)を確保することを確実にする大きさに設定される。好ましい一実施形態では、第2段階フィルタ410Bは、第1段階フィルタ410Aよりも小さい。この好ましい実施形態では、第2段階フィルタ410Bは、第1段階フィルタ410Aと異なる種類であってもよく、第1段階フィルタ410Aのように高い汚染負荷量に対処し得なくてもよい。これが容認可能であってもよいのは、侵入検知後、新たな溶液がまだ実質的に浄化されており、単一バッチの溶液が準備されるまで、第2段階フィルタ410Bへの上記負荷量は低い状態であり得るからである。
【0029】
一代替実施形態において、フィルタモジュール425には、無線ICタグ(RFID)、(1次元または2次元の)バーコード、接触型認証装置等、永久に取り付けられたデータキャリア423が備えられている。データキャリア423は、フィルタモジュール固有の識別子を含む。カートリッジがポンプに接続される場合、制御部415は読み取り装置422を使用してデータキャリア423を読み取り、メモリ437に識別子を保存する。水質センサ405が汚染物質の侵入を示す場合、制御部はメモリ内の期限切れディレクトリに上記識別子を永久に保存する。なお、メモリは、上記ディレクトリ用に不揮発性部を有する。ユーザがモジュール425を上記ディレクトリに保存された識別子に接続させようとする場合、制御部はポンプを動作させず、LCD表示メッセージ等、アナンシエータ420、またはこれと同等の装置により、エラー状態を示す。
【0030】
なお、一代替装置においては、データキャリア423は書き込み可能メモリを備えたプログラム可能な装置である。この実施形態では、制御部415は、フィルタモジュール425が期限切れであることを示すフラグを用いて、データキャリア423をプログラムする。そして、制御部415は新しいバッチの開始を防止する。
【0031】
また、図1Bにおいては、第1段階フィルタ410Aの目詰まりを検査するために使用し得る圧力変換機435を備えた選択的な実施形態が説明されている。ポンプ416の上部圧力が特定の最大値に達する場合、バッチの準備を完了することができるように、制御部は第1段階フィルタ410Aにバイパスをつけるために、通常は閉鎖状態のバルブ426を稼動させる。水はバイパスライン427を通って、第2段階フィルタ410Bに流れる。その後、フィルタモジュール425の期限切れが、制御部によって上記何れかの方法で実行されてもよい。上記の実施形態は、カーボンフィルタまたは多孔質膜フィルタ等、消耗時に目詰まりするフィルタを含むフィルタモジュール425において使用されてもよい。なお、上記の目詰まりおよび侵入装置は、所定のフィルタモジュールの実施形態において、組み合わせて使用しても良いし、単独で使用しても良い。また、上部圧力は、圧力変化プロファイル(pressure change profile)が通常使用に耐えるフィルタの特徴であるか否かを決定する期間において、サンプリングされ保存されてもよい。例えば、これにより、不測のライン閉塞を識別し、バイパスライン427の不適切な使用を防止する。
【0032】
図2Aおよび2Bを参照すると、複数回使用フィルタ装置(multi-use filter device)440は、汚染を回避するためのキャップ444Aを有するアウトレットポート441Aを備える。アウトレットポート441Aは、嵌合ポート(mating port)441Bに接続可能であり、嵌合ポート441Bもまた栓で塞がれている(キャップ444B)。例えば、ポート441Aおよび441Bはロッキングルアーコネクタであってもよい。嵌合コネクタ(mating connector)452との接続を解除した場合に、自身を密閉する特別なクランプコネクタ(clamping connector)442は、ポート441Bと、複数回使用フィルタ装置440から浄水を受け付けるバッチコンテナ450に接続するラインとに接続されている。微小孔フィルタ(microporous filter)453は、コネクタ441Aおよび441Bが嵌合する場合に、接触汚染による汚染物質の侵入から保護する。
【0033】
特別なクランプコネクタ442は、汚染を防ぐために密閉する適切な装置であれば、如何なるものであってもよい。こうしたコネクタに関する一実施形態が図3に示されている。ただし、下記に示す密閉機能および接続解除機能は別々の機構により実行可能であるので、こうした実施形態は必要不可欠なものではない。図2Aのフィルタ453に接続可能なアウトレットチューブ460は、雌型コネクタ442の雌型ルアーフィッティング479によって受け付けられる雄型コネクタ452の雄型ルアーフィッティング478に永久に取り付けられる。雌型コネクタ442は、雄型コネクタ452のリッジ469と嵌合する一組のラッチアーム464を有する。ラッチアーム464は、雌型ルアーフィッティング479に取り付けられたリビングヒンジ(living hinges)468を中心に旋回する。ピンチングリッジ(pinching ridges)470および476は、屈曲可能な抜け止めリング472の締め付け時にチューブ474を圧迫する。同時に、ラッチアーム464の嵌合端部466は、雄型ルアーコネクタ452を開放するリッジ469から退避する。屈曲可能な抜け止めリング472は、一旦摘まれた場合、チューブ474が摘まれた状態を維持するように、変形した形状を保持するので、コネクタ442および452の接続が解除された場合に密閉される。屈曲可能な抜け止めリング472は、例えば延性金属で構成されてもよい。抜け止めリング472は、歯止め機構等、他の適した装置と交換してもよい。
【0034】
図2Aおよび2Bを再び参照すると、複数回使用フィルタ装置440が最初に使用される場合、バッチコンテナ450の(キャップ444Bを有する)インレットコネクタ442と同様に、アウトレットコネクタ441Aがキャップ444Aで密閉される。バッチコンテナ450は、特種なフィッティング442と嵌合コネクタ452とで密封および無菌処理されてもよい。なお、上記フィッティング442とコネクタ452は、完全に密封され、無菌処理された状態で接続された図3の要素442および452と一致してもよい。サンプリングポート454等の他のポートも密閉されてもよく、アウトレットとして使用される場合に限り、チェックバルブ456および/または他の膜フィルタ453(別々に図示せず)による溶液の侵入から保護される。バッチコンテナ450が複数回使用フィルタ装置に始めて接続される時、キャップ444Aおよび444Bが取り除かれ、コネクタ441Aおよび441Bが嵌合される。濾過済の水はバッチコンテナ450に収集された後、特種なクランプコネクタ442は接続が解除されるが、図2Bに示すように、それを密閉状態にし、汚染のない状態にするために、複数回使用フィルタ装置440に接続された状態になっている。複数回使用フィルタ装置440が2回目に使用される時、新たなバッチコネクタ450のコネクタ441Bが既存の複数回使用フィルタ装置440のアウトレットコネクタ441Aと嵌合され、特種なクランプコネクタ442がコネクタペア441Aおよび441Bによって取り除かれ、破棄される。コネクタ441Bは新たに特種なクランプコネクタ442を用いて、同一プロセスを繰り返すことができる。
【0035】
図4においては、例えば上記実施形態で使用し得るバッチコンテナの一実施形態が示されており、特に、前述の実施形態で使用するバッチコンテナが示されている。バッチコンテナ1は、固有のバッチコンテナ1と、雌型分離ルアーロックコネクタ4と、Y型コネクタ5と、ピンチクランプ6と、雄型ルアー8と、雌型ルアー26と、滅菌フィルタ(例えば、0.22ミクロン微細孔または発熱物質フィルタ)11と、非再開放チューブクランプ(non reopenable tubing clamp)13と、雌型ルアー9上の非換気キャップ14と、を備える。ライン15は、インラインチェックバルブ16と、ピンチクランプ18と、雄型分離ルアーキャップ25および雌型ルアー19と、雌型ルアー21と、を備える。様々なチューブのブランチ3、7、10、12、15、17、20は、これらの要素を接続する。バッチコンテナ1は、すべてのターミナルが密閉された密閉無菌コンテナとして、患者の治療環境に供給される。バッチコンテナ1は、上記のように供給されているように、水が加えられた場合、透析液または補充液等、溶液の治療バッチを生成するのに十分な濃縮液を含んでもよい。濃縮液がルアーコネクタ21によって加えられてもよい。治療環境に供給されたチューブセットにおいて、チューブブランチ20は密閉されてもよく、濃縮液が加えられた後で切断されてもよい。水はルアー9を経由する水源への接続を介して治療現場において加えられる。予め定められた量の水を供給するために、水を計量することが好ましい。無菌フィルタは、水がバッチコンテナ1に加えられる前に、発熱物質による汚染から十分保護されるべきである。治療前に、ルアー19を介して希釈された治療液のサンプルを汲み上げてもよい。チェックバルブ16は、サンプリング手続きでの逆流による任意の汚染を防ぐ。水が治療液コンテナ1に加えられた後、ルアー9は、雄型ルアー8と、血液治療システムに接続された雄型ルアーコネクタからの接続を解除される。ルアーコネクタは、他の特徴と同様に、例示されているが、これらは必ずしもすべての実施形態で必要不可欠なものではない。
【0036】
図5においては、下記に示す特別の実施形態に関する他の配置が示されている。前処理モジュール900は、水道水等、原水の供給に対する第1の濾過を提供し、ここでは別々に図示しないが、様々な制御機能と、ポンプと、圧力の検出および制御と、永久濾過能力とを提供するコントローラモジュール905に濾過前の水を供給する。水は、脱イオン化(deionization)、吸収濾過(adsorption filtration)、微小孔濾過(microporous filtration)、化学的前処理(chemical pretreatment)等と、部品交換を必要とする可能性のある他の種類の濾過を提供し得る使い捨て消耗モジュール910のコントロールモジュールによって計量される。最終的に、浄水が図4を参照して詳述されるバッチコンテナ回路915に運ばれる。
【0037】
図6を参照すると、前処理モジュール900がより詳細に示されている。チェックバルブ955は逆流を防ぐ。エア抜き孔(air vent)953は、第1の供給からの空気を取り除き、堆積物フィルタ951(交換可能であってもよい)は、相当な固体の濾過を提供する。
【0038】
図7を参照すると、コントローラモジュール905がさらに詳細に示されている。シャットオフバルブ1010は安全性の目的で備えられている。圧力インジケータ1015および1025は、ポンプ1020の流入と流出の各圧力を監視するために備えられていてもよい。バッチコンテナ1に供給される水の総量を計測するために、上記ポンプに依存する場合、一貫した計量の実行を確実にするためにフィードバック調節が備えられていてもよい。強力な紫外線(UV)ランプ1031は、無菌機構と、塩素およびクロラミンの除去機構の両方を提供する。UVランプ1030は、クロラミンを分解できるような強度と波長を有することが好ましい。好ましい一実施形態においては、ランプは245nmの波長と、クロラミン除去に十分な出力750乃至1500mJ/cm2により特徴付けられている。下記に示すように、クロラミンを酸化し、その後、脱イオン化フィルタを使用した濾過により、クロラミンを除去することができる。
【0039】
なお、圧力インジケータ1015および1025は、図1Bを参照して詳述された制御装置、および、図13Aおよび13Bを参照して下記で詳述する制御装置等の制御装置に制御信号を供給する圧力変換機であってもよい。ポンプ1020の操作は、こうした変換機からの圧力表示に依存して制御してもよい。例えば、上部圧力が高く表示される場合、警告が表示されてもよく、ポンプを停止してもよい。これは、接続されたフィルタに対する問題を指摘しても良い。また、ポンプは短期間で動作してもよく、圧力減衰プロファイルが記録され、予想される減衰プロファイルと比較されてもよい。プロファイルが一致しない場合、それは(例えば、フィルタまたはラインにおける)液漏れ、またはシステム内における詰まりを示すために使用することができる。上流の圧力が低くなる場合、これは水の供給停止、または、何らかの他の障害の発生を意味し得る。アナンシエータまたは表示部(例えば、図13Aおよび13Bの符号330および380と、これに伴う記載を参照)によって、および/または、システムに対する損傷を回避し、オペレータに正しい措置を講じるように通知するためにポンプのスイッチを切ることによって、こうしたイベントのそれぞれが表示されても良い。
【0040】
図8Aを参照すると、交換可能(使い捨て、または、再生産可能)フィルタモジュール910は、イオンの除去目的で水を酸化/還元プロセスに晒すために使用される第1段階フィルタ1007の銅−亜鉛合金を有する。これは化学反応を通じてイオンを除去する。一実施形態は、約1ポンドが水の流量150ml/分に使用される場合のKDF85メディアである。吸収型フィルタとして周知の活性炭フィルタ1005がこれに続く。次に、強酸性陽イオン(SAC)フィルタ1011および強塩基性陰イオンフィルタ(SBA)1009が、この後に連続して続く。SAC/SBAフィルタカートリッジ1011/1009は、水の濾過アプリケーションに典型的に使用されるような混床(mixed beds)ではない。図示するように、それらは陽イオンと陰イオンの段階を分離するが、これは、コロイド状のアルミニウムを処理済の水から取り除く際により効果的であると規定されているからである。なお、SCA床およびSBA床の順序は図示されたものに限定されず、一または複数のキャニスタに収容可能である。また、本開示から明らかであるが、他の部品を異なるように配置することが可能である。例えば、ポンプ1020は、UVランプを介して水を汲み上げるためのプッシュ配置(pushing arrangement)で使用可能であり、配置の詳細が開示された本発明に限定されないことは明らかである。また、抵抗性プローブ1022は、前後の脱イオン化段階の間の単一の脱イオン化フィルタ内に含むことができ、同様の効果を用いることが可能である。こうした環境において、脱イオン化フィルタは、上記プローブを外部測定装置または制御部に接続するための複数のリード線またはコンタクトを有することになる。
【0041】
上記のように、単一カートリッジにおいて層状床を使用する代わりに、それぞれがSBAフィルタ床およびSACフィルタ床の一つを含む別々のカートリッジを使用してもよい。また、各カートリッジは同様の結果をもたらすために、複数の層を有することができる。
【0042】
抵抗性プローブ1022は水の抵抗性に関するコンタクト検査によりイオン濃度を検出する。システムが交換可能モジュール910の交換を必要とする前に、これが最後に許可されたバッチとなることを示すために信号が生成される。上記の通り、図1Bの実施形態に記載されているように、制御が行われてもよい。本実施形態における第2フィルタは、侵入を受けている第1段階フィルタを支援するものであり、混床脱イオン化フィルタ1031である。これにより、現在のバッチの完了することが確実になる。第2の且つ最後の安全装置に関する抵抗性または導電性の検査には、バックアップ安全性手段として警報器1025が備えられている。これが検出するバルブが所定レベルを超える場合、ポンプ1020を停止し、アラームを鳴らしてもよい。抵抗性プローブ1022が機能しない場合、または図1Bを参照して詳述した安全装置が侵入を受けた場合には、これが動作を開始してもよい。TPは、限外フィルタ1035Aおよび1035Bにおけるエア抜きを可能にする疎水性膜エア抜き孔である。限外フィルタ1035Aおよび1035Bは、透析等に使用される微小菅フィルタ(microtubular filter)であってもよい。また、符号1047で示すエア抜き孔が備えられてもよい。例えば、エア抜き孔は空気を遮断する1.2ミクロンの親水性膜を有しても良い。フィルタから空気が通過可能となる疎水性膜ポートというものがある。これらは、民生部品として利用可能である。 任意の適した空気除去装置を使用してもよく、これらの特徴は上記の実施形態に限定されない。また、第2段階MBDI型フィルタ1031は、侵入からの保護を行うという観点で記載した利点と同一の利点を有する、例えば符号1002Cで示す層状脱イオン化フィルタであり得る。また、最終抵抗性センサ1025は、図示の通りに配置することが可能であり、また、限外フィルタ1035Aおよび1035Bの後、または、その間など、最終脱イオン化段階の下流に位置する他の場所に移動することが可能である。そして、図示された構成は本発明を限定するものではない。
【0043】
なお、抵抗性プローブ1022は、例えば図16の構成で使用してもよく、この場合、抵抗性プローブ1022はフィルタモジュール910がフィルタモジュール425に一致するように、センサ405に一致する。
【0044】
期限切れとなった装置の再利用または利用ができないようにする単純な装置は、部品が最初に使用される時点でシステムが焼き切れるヒューズを採用するものである。例えば、図8Aを参照して記載された使い捨てフィルタモジュール910には、コントローラモジュールに最初に接続された時点で焼き切れるヒューズ1026を取り付けてもよい。ヒューズの状態は、同一モジュールが後に制御部に接続され、その再利用を制御部が防止し得るように検出可能である。広義の意味では、こうしたヒューズの実施形態は、初期利用を示すように状態が変化する種類のデータキャリアとして考えてもよい。モジュールが期限切れの状態にあることが断定される場合、例えば、汚染物質の侵入が抵抗性センサ1022によって検出される場合、同一装置を使用してもよい。したがって、ヒューズを焼き切ること、または侵入(「期限切れ」)の状態を示すためにデータキャリアを更新することによって、再接続の試みの後における使い捨てフィルタモジュール910の使用は、制御部によって防止されてもよい。
【0045】
なお、別々に収納された2つの限外フィルタ1035Aおよび1035Bは、直列に相互接続されている。別々のハウジングにより、病原菌の成長、隣接する同時または共有の封止の不具合などの不具合を有する機構に対抗することを確実にする。例えば、従来技術文献、米国特許公報第2004/0105435号の背景技術の段落において、フィルタカートリッジのハウジングの隣接層に2つの微小孔膜を有するフィルタカートリッジが示されている。これらは、封止機構または隣接封止を共有し得るので、一方の封止の不具合が他方の封止の失敗を招く。また、一旦病原菌の成長問題が一方で発生すると、隣接することで隣接膜にこの問題を直接的に潜り込ませることになり得る。こうした問題は図中の別々の余剰限外フィルタの配置により防止される。
【0046】
なお、2つの限外フィルタ層を実質的に分離することにより、別々に収容されたフィルタに関する利点を単一のハウジングにもたらしてもよい。例えば、図8Bを参照すると、共通のカートリッジ1052に収容された様々な種類のフィルタ要素を備える多層フィルタは、2つの限外フィルタ層1050Aおよび1050Bを備えている。2つの限外フィルタ層1050Aおよび1050B、即ち、別々の膜は、中間層1056を介して離間している。なお、中間層1056は、スペーサまたは他のフィルタ媒体であってもよい。離間する別々の封止1057Aおよび1057Bが備えられている。
【0047】
なお、最終導電性/抵抗性センサ/アラーム1025は、記載の通り、ポンプを制御してもよい。制御部1090は、使い捨てフィルタモジュール910に接続可能であってもよく、ポンプ1020を停止するように構成されてもよい。ポンプ1020を遮断するトリガ抵抗性安全性レベルは1メガオームであってもよいが、必要となる温度補正された抵抗性プローブ(FDAおよびAAMI要件)を使用可能にするために2メガオームに上昇させてもよい。これにより、使い捨てフィルタモジュール910において、安価なインライン抵抗性プローブを使用することが可能となる。
【0048】
他の実施形態のモジュールだけでなく、フィルタモジュール910も、溶液の上向きの流れが可能な程度の流量比であることが好ましい。一般的に、従来技術の脱イオン化床は、取り扱い中に阻害され得る樹脂粒子を遊離または解放するという問題を抱えている。粒子の分離および遊離により、これらの床が分割され、フィルタ効果を弱める。これを回避するために、フィルタシステムは、一般的に、樹脂粒子の維持および圧縮を助長するために、床を通って下方向に流れを導くように構成される。しかし、流量が低く維持される場合、本システムで実行し得るように、流れからの空気の除去を助長する上向き方向に水を流してもよい。空気は、透析液などの薬剤準備における周知の問題である。上方向の流れを可能にするために必要となる正確な流量は、システムの特徴に応じて変化する。樹脂粒子の切断により阻まれることなく、速い流量を可能にするための一方法は、床を圧縮するための弾性多孔質材(resilient porous material)の床圧縮器(bed compressor)を提供することにある。図12を一時的に参照すると、フィルタカートリッジ1150において、弾性圧縮層1140は、下向き方向に濾過材1145を付勢する。弾性圧縮層は、本出願と互換性の有るものであれば、任意の適したポリマ状またはゴム状の材料であってもよい。
【0049】
図4を参照して詳述された装置を使用するための手続きの一例は次の通りである。
【0050】
1.透析濃縮液チューブセット915を取り除き、フィルタ11を含むチューブライン7からキャップ14を取り除く。(0.22ミクロンのフィルタ11は、不注意による汚染からのさらなる保護を提供する)
【0051】
2.アウトレットライン404を濃縮液バッグルアー接続部9に接続する。
【0052】
3.取り外し時に、コネクタがY型接合部(Y-junction)5に対向する側に永久封止を形成するように構成された脆弱なルアーコネクタ4を破壊する。
【0053】
4.ルアーコネクタ9を介し、チューブブランチ7を介して浄化装置を使用して濃縮液バッグに所定量の水を加える。
【0054】
5.所定期間内における水の利用を確実にすることを支援するために、選択的に、ユーザは水が濃縮液バッグに最初に加えられた日付と時間をバッグのラベルに記載することができる。自動的な手順が採用されてもよい。
【0055】
6.バッチコンテナ1を混合するために十分に揺らす。
【0056】
7.使用前に溶液の導電性を確認する。取り外しキャップ1を取り除き、このブランチ15からサンプルを汲み上げる。サンプルを取り除いた後、備えられたピンチクランプ17を使用してラインを締め付ける。
【0057】
8.(以下は、好ましい実施の形態に係る標準的なものであるが、本発明を限定するものではない。)導電性は、13.0乃至14.4mS/cmの範囲内になければならない。透析液に対する公称導電性は、摂氏25度で、13.7mS/cmである。導電性がこの仕様を満たさない場合は使用しない。結果が正確であることを確認する。導電性が高い場合、仕様の範囲内に収めるために水を追加してもよい。導電性が低い場合、溶液を廃棄しなければならない。
【0058】
9.備えられた非再開放クランプ13を使用する場合、水浄化装置に接続されたラインを締め付ける。
【0059】
10.次に、クランプ6は、透析液バッグ1に接続されたライン上で締め付けられる。
【0060】
11.ルアー接続部26において水源の接続を解除する。
【0061】
12.接続部8において透析液バッグを透析回路に接続する。これにより、水供給源を保護するために、フィルタ11と永久クランプ13とを所定位置に留める。
【0062】
13.クランプ6を使用して、透析液バッグに向かうラインの締め付けを緩め、水が加えられてから24時間以内に透析液が使用されることを確認した後、治療を開始する。
【0063】
図9Aおよび10Aによれば、バッチコンテナ100は、接触型導電性センサ等、プローブ120の溶液品質センサ135を有する。後者は単純に周知の距離で分離され、較正された所定領域の2つの金属面であってもよい。サポート105におけるケージ135は、バッチコンテナ100の壁部130に封止されている。なお、バッチコンテナ100は、医療産業で典型的に使用されているポリマバッグであってもよい。ケージ135は、対向する壁部(別途図示せず)によって、溶液がケージ内を循環し、ケージ内を通り、プローブ120の測定値が改善されるようにプローブに接触することが妨げられないようにする。プローブ120はサポート105から延びており、(後述の)制御部に接続可能な信号コネクタ125を有するリード122を備える。プローブ120は独立要素であり、実施形態の何れとも使用可能であるので、ここでは他の特徴との組み合わせに関する記載を制限することを意図していない。なお、プローブアセンブリは、汚染物質がバッチコンテナ100の内部に侵入できる可能性がないように、バッチコンテナに永久に封止されることが好ましい。
【0064】
サンプルまたはフィードライン145を接続するフィッティングが符号110で示されている。フィードライン145はコネクタ156と共に使用されてもよく、薬剤または注入剤のサンプルを抽出するためのサンプリング注射器を接続する。符号155で示すチェックバルブは、汚染物質の侵入を防ぐために設けられても良い。クランプ(別途図示せず)も同様に汚染から保護するために設けられても良い。一代替実施形態において、ライン145は、バッチコンテナ100がユニットとして封止され、滅菌される(例えば、ガンマ線滅菌)前に、バッチコンテナ100に溶解性濃縮液を注入するように構成されてもよい。所定量の浄水がバッチコンテナに加えられる場合、希釈濃縮液は、血液濾過用補充液または血液透析用透析液等、薬剤または注入剤を形成してもよい。ライン145もまた、治療機器に接続し得る汲み上げラインに相当しても良い。後者の場合、接触汚染から保護するために、0.2μの微小孔膜などの無菌フィルタ(符号155)が備えられてもよい。さらに、符号155のクランプが備えられてもよい。
【0065】
図9Aの実施形態において、符号145と同様のラインの他の一例により、浄水がバッチコンテナに加えられてもよい。代替的には、濃縮液、他の医療溶液、または薬剤が別途備えられたコンテナに含まれる場合、ダブルルーメンスパイク174によって、こうした溶液がバッチコンテナ100に加えられてもよい。(適したダブルルーメンスパイクの詳細は、米国特許公報第2004/0222139号で入手可能であり、参照することによりその全体がここに示されるものとして組み込まれる)例えば、スパイクバッグ170は、濃縮透析液等の医療用濃縮液を含む。浄水はライン180のコネクタ182を介して汲み上げられ、デュアルルーメンスパイク174により(スパイク後に)バッグに通される。溶液はバッグ内で循環し、デュアルルーメンスパイク174、ライン172およびフィルタ150を介してバッチコンテナまでその内容物を戻す。デュアルルーメンスパイクは、バッチコンテナおよび溶液ラインを汚染のないユニットとして封止し、滅菌し、そして供給することができるように、取り外し可能キャップ175によって封止され得る。クランプ157はバッチコンテナ100を封止するために備えられてもよい。特種なクランプコネクタ442が備えられてもよく、図1Bを参照してライン180で詳述されたものとして使用されてもよい。スパイクバッグ170を使用するというより、むしろ濃縮液がバッチコンテナ100に存在する場合、濃縮液は溶液の導電性計測に適した較正ライン(calibration line)のためのデータポイント獲得のために使用されてもよい。
【0066】
図9Bを参照すると、導電性または抵抗性センサをバッチコンテナ100に備える代わりに、共通ルーメン(Y型構成)260を備えたデュアルルーメン取り出し部255が、対応する信号コネクタ220およびリード215を備えたプローブ210の水質センサ262を収容する。注射器ポート240とチェックバルブ242は、Y型接合部の他のブランチにインライン接続されている。注射器(図示せず)が取り付けられ、溶液がその中に汲み上げられる場合、バッチコンテナからの溶液は、その品質を計測できるように、水質センサを通過する。他の点に関しては、図9Bの要素は図9Aの要素と同一である(そして、同一番号が付与される)。
【0067】
図11を参照すると、ここに記載された様々な実施形態で使用し得る取替え可能な複数回フィルタモジュール1125は、インレットポート130およびアウトレットポート1110とを備える。(図13Aおよび13Bに関して詳述される)シャーシへのパッケージングおよび組み立てに有利な小型モジュール1125を提供するフィルタカートリッジ1111の物理的配置が示されている。チューブ1116は、前記の通り、上向きの流れを提供するために、各カートリッジ1111の上部から底部まで通っている。溶液品質センサ1115および1105を読み取るための信号ポート1100は、ハウジング1127に備えられている。 信号ポート1100は、これに導入された一体のリード線およびコネクタを有してもよいし、それぞれが別途備えられてもよい。代替的には、信号ポート1100はバッテリによる電力供給を受けるワイヤレスポートであってもよい。信号ポート1100は、図1Bを参照して詳述されたデータキャリアを含んでもよし、データキャリアを別途備えてもよく、また、溶液品質センサを備えていない場合には、上記信号ポートを備えなくてもよい。
【0068】
データキャリアは、フィルタモジュール1125を使用するためのソフトウェアおよび命令を有してもよい。これらは、図13Aおよび13Bと関連して述べられた濾過システムの永久部品により読まれてもよい。ベースユニット335は、図5を参照して説明された、永久の前処理モジュール900とコントローラモジュール905の部品を収容するベースユニット335を備えるものと略同一に構成してもよい。ベースユニットは、LCDディスプレイ等の表示部330を備えても良い。表示部の代わりに、または、表示部に加えて、ベースユニット(およびここで説明された他の実施形態)は、音声発生装置または他の種類の出力装置を備えてもよい。インレットポート341は濾過される原水を受け付けるために備えられてもよく、位置決めステーション315に受け付けられる(複数回または一度限りの使用でもよい)フィルタモジュールに取り付けるためのアウトレットポート340が備えられてもよい。後者は、データキャリアを読み取るための、または、上記の一または複数の導電性センサ等の溶液品質プローブに接続するための読取部311を備えてもよい。さらに他の位置決めステーション(例えば305)が、バッチコンテナに備えられてもよい。これは、データキャリアリーダ320、および/または、ヒータ、混合器、導入されたバッチコンテナの内容物の電磁流体力学的混合のための移動磁界発生器等、他の様々な部品(符号321)を有しても良い。ベースユニット335はバッチコンテナの溶液品質プローブに接続するためのポート310を有してもよい。これにより、溶液の品質に関する最終的な測定結果と、較正入力とが提供されてもよい。さらに、図13Bの実施形態は、図9Aおよび9Bを参照して説明された符号170等の濃縮液コンテナに対して位置決めステーションを提供する。さらに、ベースユニット335には、インターネットまたはベースユニットをサーバ390に接続する他のネットワークへの接続を有するコンピュータを備えた制御部が取り付けられてもよい。
【0069】
一実施形態において、バッチコンテナのアウトレットラインの開放および締め付けの時期とその有無をベースユニット335が制御可能になるように、符号301乃至306で示された特徴が追加されてもよい。バッチコンテナはステーション305に取り付けられており、バッチコンテナのアウトレットラインは、クランプ部303および304の間に取り付けられている。検出器306は、ラインが所定位置に取り付けられていることを検証する。上記システムが実行される場合、アクチュエータ302およびモータ301は、溶液の浄化中とバッチコンテナの充填時にラインを締め付けるために作動してもよい。バッチの充填後、バッチコンテナが所定位置に留まっている間に実行され得る治療動作が開始するまで、クランプは閉鎖状態を維持してもよい。治療時においては、クランプ機構303および304は、溶液バッチの期限切れ時期を実行することができる。例えば、ベースユニットの制御部内においてタイマを開始すること、または、同等に時間/日付のスタンプを保存することができ、溶液バッチが所定時間内に治療に使用される場合に、クランプのみが解除される。 この目的の為に、治療機器およびベースユニット335は、共通の制御下で、単一の装置に組み合わせられてもよく、こうした結果を達成するために、両者が一体に動作するようにデータリンクによって接続されてもよい。図15のフローチャートは、含まれる制御ステップを説明している。
【0070】
ここで図9Aおよび10Bを参照すると、図9Aおよび9Bに関連して示されたスパイク可能バッグ170の形式で示された濃縮液コンテナの代わりに、図10Bで説明されたカートリッジ271を使用しても良い。ここで、濃縮液280は、ピストン273およびバースト可能な封止膜275を有する封止されたシリンダ274内に存在する。カートリッジは、ベースユニット335(図13Aおよび13B)に取り付けられてもよく、ベースユニット335は、ピストン273を押圧することにより、封止膜275をバーストさせ、バッチコンテナ100に送られる浄水の経路上にあるT型接合部278に内容物を注入するリニアドライブ270およびプランジャ272を有してもよい。なお、カートリッジ271は図9Bに示す無菌バッチコンテナ溶液回路の一部として備えられてもよい。
【0071】
図14および15を参照すると、ベースユニット335およびここで説明される他の実施形態の対応する部分は、メモリ、不揮発性ストレージ、通信要素などを備えた内蔵コンピュータ600を含むプログラム可能な制御部を備えてもよい。例えば様々な実施形態に関連して詳述された様々なセンサ605は、入力を供給するために、メモリに保存されたプログラムを実行する制御部に接続されてもよい。後者のプログラムはファームウェアに保存されてもよいし、上記の通り、データポート610を介してデータキャリアから獲得されてもよい。さらに、サーバ625へのネットワーク接続またはインターネット接続が、ソフトウェア、使用命令、期限切れとなった認証コードなどのデータの獲得および転送のために備えられてもよい。バルブクランプ、ポンプなどのアクチュエータ625と、アラームなどのアナンシエータ620も同様に備えられてもよい。
【0072】
図15においては、ここで説明された様々な実施形態を実行するためのサンプルプログラムが示されている。プロセスは、ロードされたソフトウェアが後の段階で引き継ぐまで、ファームウェアで開始されてもよい。ソフトウェアは、データポート、または、システムがユーザ入力を待つステップS5におけるシステム出力を使用するための保存されたデータおよび命令から読み出されてもよい。ステップS10およびS15が失敗の状況(no-go condition)が存在するか否かを決定するために実行される地点で継続するように、命令がハードまたはソフトキーを押圧するように指示してもよい。必要な部品(S10)が接続されていない場合、ステップS30が実行され、システムは、ユーザが是正措置を講じ、反応を待つように指示するための適切なメッセージを出力してもよい。同様に、ステップS15において、以前使用したことのあるバッチバッグ等の部品が期限切れになっている、または、フィルタモジュールが使用されたことがあり、侵入を受けたことがあるものとして以前指摘されたことがあると決定された場合、ステップS30が実行される。ステップS20において、圧力プロファイル試験または品質試験等の様々なシステム試験が実行されてもよい。また、試験は、接続された導電性プローブによって示された導電性が特定の制限内にあるかどうかの決定を含んでもよい。ステップS25において、すべての試験に合格したかどうかが決定され、制御は溶液準備が開始されるステップS35に進む。もしそうでなければ、ステップS30が実行され、例えば符号330の表示部に適切な出力が生成される。ステップS40において値が範囲外にある場合、制御は、例えばフィルタモジュールにおける汚染物質の侵入など、期限切れのイベントが発生したか否かを決定するステップS60に進む。なお、フィルタモジュールは、封止が最初に破られたと推定される初回の使用後に、許可された使用時間で「スタンプ」されてもよい。これは、侵入の検出後に、フィルタモジュールの計画された再利用に関して詳述された方法と同一方法で実行されてもよい。このように、イベントなどのステップは同様にステップS60で検出されてもよい。
【0073】
ステップS55においては、データキャリアの種類(例えば、プログラム可能、または、固有IDを搬送するだけのもの)に応じて、再利用を防止できるように、期限切れまたは使用済みユニットが期限切れであるとして示される。例えば、S55において、取り付けられたフィルタモジュールが期限切れであることを示すトークンを用いてデータキャリアをプログラムしてもよく、固有IDを期限切れのIDのリストに追加すべきであることを示すメッセージをサーバに送信してもよい。ユニットを「期限切れ」にするために、任意の適切な装置を使用してもよい。ユニットを期限切れにしてもバッチ準備は可能であるので、制御はステップS40に戻る。治療の完了は、汲み上げられた全質量の計測または他の手段によって、ステップS45において決定されてもよい。例えば、実施形態がバッチコンテナにおいて導電性プローブを提供する場合、ステップS45はバッチの内容物に関する計測された導電性に従うのであってもよい。一旦、完了が決定されると、ステップS50においてシステムを停止してもよく、バッチバッグは、時刻と日付を「スタンプ」される。なお、この時点でさらに命令が出力されてもよい。
【0074】
一実施形態において、水浄化および処理は単一の装置により共通の制御下で実行してもよい。 ステップS50以降のステップがこれを説明している。浄化された溶液は、本明細書または幾つかの他の明細書に記載されたものなど、幾つかの記載のバッチコンテナに加えられていることを想定すると、コンテナの内容物に溶質が含まれる場合、これを混合してもよく、ステップS51において、内容物が何らかの方法でチェックされてもよい。例えば、混合されたバッチの導電性、または、純粋なバッチの抵抗性は、治療の仕様に準拠しているかを決定するためにチェックすることができる。ステップS52において、値が範囲外にある場合、制御はステップS30に進むが、そうでなければ、バッチは期限切れの時刻/日付(MTU時刻、または使用までの混合時間(Mixed Till Use-Time))まで任意の時間に利用してもよい。ステップS53において、バッチコンテナからの溶液の汲み上げを妨げるアウトレットクランプは、治療が溶液製品を使用して実行可能となるように解除される。同時に、ユーザに対して受け入れメッセージを画面上に出力することができる。このとき、ステップS54において、タイムスタンプが保存される、または、タイマが溶液バッチの期限切れの追跡を開始する。期限切れが観察されない場合、ステップ30において(「措置を講じる」と示された一般的なステップの下で)クランプは閉鎖し、適切なメッセージが出力される。なお、上記期限切れの観察は、ステップS56において、タイマが期限切れになったかどうかを確認するためのチェックにより検査される。その後、システムは、ステップS46およびS56において、選択的かつ連続的にMTUタイマをチェックし、治療が完了するまで待機する。
【0075】
なお、記載された機械的および制御的特徴の多くは、新規性および進歩性を備えており、他の特徴とのサブコンビネーションおよび上記実施形態における組み合わせに関する記載は、ここで開示された発明を制限するものとして解釈されることを意図していない。図16を参照すると、治療機器700がステップS50において期限切れを示す日付をタグ付けされたバッチコンテナ710を使用しようとする場合、期日が過ぎているかどうかを決定し、その後、期限切れのバッチコンテナの使用を防止することができる。これは、接触型またはワイヤレス型データ読み取り装置、プログラムされたスマートカード型装置によって実行してもよいし、フィルタモジュールの再利用禁止を実行するための機構に関して記載されたインターネットサーバを介して実行してもよい。
【0076】
図17を参照すると、限外フィルタ714を溶液が通過する際に、空気が生じる可能性がある。限外フィルタ714は高い膜表面を有することが好ましく、こうしたフィルタにおいては、空気が生成する可能性は相当高い。フィルタにおいて泡が生成されるという問題を回避するために、図8Aの実施形態は、疎水性エア抜き孔であるトランスデューサプロテクタTPを示している。しかし、それらに繋がるラインは、水で満たすことが可能であり、それらをエア抜きに対して役に立たない状態にする。最終保護段階として任意の水処理プラントで使用し得る図8Aの構成を改良する点は、限外フィルタ714(より低い血液ポートで栓をされた標準的な透析装置であってもよい)に対して、空気フィルタ/エア抜き孔706を介し、さらにライン708を介してT型接合部717に入り、インレットライン712に戻るように流れる還流ライン704により接続された膜の一側上のインレット712およびアウトレット704を提供することにある。 限外濾過された溶液は、ライン707を介して汲み出される。また、フィルタ/通気孔706は、空気を遮断する1.2ミクロンの親水性膜と、フィルタからのエア抜きを可能にする疎水性膜ポートとを備えた1.2ミクロンのエア抜き孔であってもよい。これらは、民生部品として利用可能である。ライン708により画定された水カラムは、還流がブランチ704、706、708を流れて存在するように、限外フィルタ714のハウジング内の対応するカラムよりも濃度が高くなっている。濃度がより低い場合の理由は、限外フィルタ714における空気の生成によるものである。
【0077】
限外フィルタのハウジングにエア抜き孔の諸構成を統合する一代替設計を図17Aに示す。メディアのアウトレット(濾過)側に対して、例えば、疎水性膜型エア抜き孔765などのエア抜き孔は、限外フィルタ715のアウトレットに統合されてもよく、親水性空気フィルタ膜766等の空気フィルタは、アウトレットに統合されても良い。溶液から生じる任意の泡は、濾過側の上部(微小菅膜型フィルタのヘッダ空間)に集まり、疎水性エア抜き孔765により放出される。限外フィルタ715のインレット側(限外濾過されていないフィルタメディア側)において、インレット側に集まる空気は、例えば疎水性膜469を使用したエア抜き孔467によって逃れる。チェックバルブ742は、汚染物質のサイフォン防止、および/または、汚染の危険性の低減のために備えられても良い。
【0078】
図18を参照すると、図17の実施形態の還流ブランチを通過するという不適切な流れに関する任意の問題を扱うために、インライン袋部731等の弾性チャンネル要素730がチェックバルブ724および728と共に備えられてもよい。システムが溶液を汲み上げる場合、弾性チャネル要素730は、加圧下で溶液を保存し、システムが汲み上げを停止した場合に、ポンプ式にそれを放出する。また、空気フィルタ/エア抜き孔724によって、空気が還流ライン726から逃れ、取り除かれることが可能である。また、還流に係る問題は、T型接合部717を、ライン714、712を通って流れる加速した溶液を使用することにより、ライン708において吸引力を生成するように構成されたベンチュリ装置と交換することによって対処可能である。
【0079】
上記で詳述した特徴に関する要因の一つは、投入される水の水質に関係なく純水を提供するという必要性にある。上記の実施形態は、水質に依存することなく、投入される水の水質に関係なく、純水または純粋溶液を確実に生成するように設計されている。また、より少ない容量(10乃至60リットル)の医療用およびその他の純粋溶液の準備に係る費用を削減するために、そして、多くの他の先行技術システムに関する、メンテナンス、滅菌処理および動作に関連する、複雑さ、費用および安全性の問題を取り除くために実行される半永久モジュールおよび使い捨てモジュールの組み合わせによって単純さを維持するために、様々な実施形態が設計されている。
【0080】
以下のセクションでは、透析用透析液、または、血液濾過用補充液など、医療用溶液バッチを準備するために構成されるシステムが記載されている。典型的な実施形態に係るシステムは、複数治療に対して溶液を十分含む単一バッチを生成および保存する。好ましい実施形態に於いて、溶液が非常に低い割合のエンドトキシンを有し、乳酸ベースの透析液等、複数日数の保存に耐えられる溶質を含むように溶液が準備される。この実施形態では、例えば80リットル容量のバッチを形成するために、水を浄化し、乳酸ベースの透析液の濃縮液を希釈する。このバッチは、特定期間保存され、例えば、1日3回の治療など、頻繁な低容量の治療に使用される。このシステムは、保存期間の制約、純度、溶液および品質に対する順守を実行する安全性システムを提供する。さらに、このシステムは、即時利用、治療頻度、溶液容量、保存ユニットの移植性、および患者のライフスタイルと健康に総合的にプラスの影響をもたらす他の要因のために利用可能であり続ける一方で、薬剤の長期保存のリスク間で独自のバランスをとっている。この特徴は、以下の組み合わせを含む。
【0081】
1.これは必要ではないが、好ましい一実施形態に係る治療投薬計画として、中程度のクリアランス(例えば毎日)を備えた頻繁な治療を選択してもよい。
【0082】
2.数日毎(例えば3日毎)に治療液を準備。
【0083】
3.溶液準備ステップ間の治療目的のために、溶液を即座に使用可能な温度で保存。
【0084】
4.1および2は、例えば、80リットル程度の容量の溶液を用いて達成可能である こうした量は、他の種類の治療にも一致し得るものであり、住居で使用可能なもポータブルなユニット等に便利な量である。
【0085】
5.2の結果として、溶液準備の課題は、治療回数以外の(即ち、治療と一致しない)回数で実行可能であるので、患者のスケジュールをより柔軟にすることが可能となり、また、何らかの治療の一環として準備を実行する必要がないので、治療の実行に費やす時間が削減される。
【0086】
6.患者の自宅または他の便利な治療場所で浄化液を生成可能にすることにより、保存要件を回避する。
【0087】
7.溶液を過熱するための高額な電気料金と、逆浸透に付随する高額な水道料金が回避されるので、高い治療頻度と中程度のクリアランスを組み合わせた、脱イオン化(DI)と使用可能温度での保存に基づく水浄化を採用することにより、公共施設インフラへの需要、即ち、水と電気の需要を削減することができる。他の種類のシステムでは、水処理システムの浄化に高額な電気料金が必要となる場合がある。DIおよび限外濾過は、浄化を必要としない使い捨て可能な長期使用がもたらす。DIが「廃液の流れ」を有していないので、脱イオン化対ROの利用を通じて水の使用量が削減される。
【0088】
8.バッチの大きさは、統一仕様の設計を可能にし、コンパクトなパッケージを用いた場合、家庭用サイドテーブルの高さを超えない、または約1mの高さを超えない、そして、好ましくは約75cmまたは典型的なテーブルの高さを超えない高さで製作されてもよい。好ましい実施形態において、高さは、略ランプの高さ、または、エンドテーブルまたは65cmの高さである。
【0089】
9.治療場所が自宅の場合、諸部品を隠す魅力的な筐体を用いることにより、怖がらせず魅力的な概観を維持することができる。
【0090】
10.小さな大きさにより、筐体を移動可能にするが、この場合、筐体に車輪が取り付けられてもよい。
【0091】
11.異なる種類の治療機器を支持することができるように、筐体にテーブルトップが備えられてもよい。概観の目的を維持するように、テーブルトップは、ポール、表示部、他の取り付け部品等の突出部により妨げられないことが好ましい。
【0092】
12.上記セクション11は、ユニットが保存溶液を典型的な医療処置に使用される通常の医療溶液バッグと同様の圧力で送出可能である適切な医療設計上の特徴を用いて、患者の腹膜が腹膜透析(PD)に対応できなくなるまで、単純にPDサイクラを体外装置に交換することによる、PDサイクラユニットから体外血液処理への便利な切り替えを可能にし得る。
【0093】
13.バッチコンテナの大きさの範囲と適切なサポート機構および漏洩検出が、使い捨てコンテナの使用によるバッチ準備の単純化を可能にし得る。
【0094】
14.特に大きな安全性マージンを備えた場合、脱イオン化床を使用する濾過は高額となる。したがって、長期に亘って複数回使用される使い捨て部品は、例えば、毎月一度だけ、または、それよりも少ない頻度で交換すればよいので、ユーザの利便性を高める一方で、費用上のバランス点をもたらし得る。好ましい実施形態において、モジュールは1乃至3ヶ月毎に一度交換される。
【0095】
15.複数日数に亘る複数回数の治療保存は、乳酸ベースの治療液と、滅菌済の使い捨て保存コンテナの使用により可能となる。なお、この使い捨てコンテナは、このコンテナに入るすべての溶液を取り扱う接続済みの滅菌フィルタを備えている。
【0096】
図19Aを参照すると、こうした溶液準備および保存システム1302の好ましい構成が示されている。前処理モジュール195は、シンクの蛇口1379などの供給源から水を受付けて、UV/ポンプモジュール1300は図6および7を参照して記載した半永久前濾過プロセスを提供してもよい。水量要件は一般家庭の供給量が適切な程度であることが好ましい。即ち、本明細書からわかるように、記載の好ましい実施形態でこれは可能となる。シンクの蛇口への接続は、多くの家庭用蛇口のエアレータを交換する共通コネクタを介して実施されてもよい。例えば符号1305の長期フィルタ(LTF)モジュールは、例えば30日間に亘る毎日の治療に十分な複数個の複数回治療用バッチに対して水浄化を提供する。好ましい実施形態において、図2Aおよび8Aを参照して記載しているように、LTFモジュール1305は、KDFと、分離SAC/SCA床脱イオン化(DI)と、混床および限外濾過とを備える。また、上記のように、LTFモジュールは、交換すべき接続部の数が少ない完全に使い捨てのモジュールの形式であってもよい。様々なコネクタが符号1344で示されている。
【0097】
使い捨て回路1303は、バッチバッグ1317と、様々な溶液回路要素とを備える。ドングル1361は、LTFモジュール1305に接続するためのコネクタ1344で始まり、各コネクタ1344を備えたチューブ部と、事前に導入され、フィードライン1370と連続する非再開放クランプとを備える。ドングル1360は、例えば、図2A、および/または、図3を参照して記載されたものであってもよい。使い捨て回路もまた、パスセレクタと、ポンプと、短期フィルタ部1315とを備える。後者の実施形態は、下記の図23を参照して記載されている。 後者は、準備された治療液の各バッチに対して一回使用される短期フィルタ(ここでは図示せず)を有する。ライン1366は、濃縮薬剤1310のコンテナに接続するために備えられてもよい。他のライン1368は、コネクタ1344Eを介して、事前に接続され封止されたバッチコンテナ1317をライン1369に接続してもよい。ここで、バッチコンテナ1317は複数の治療に十分な薬剤を保存するためのものである。 なお、コネクタ1344Eは、バッチコンテナ1317と、パスセレクタ、ポンプ、およびSTフィルタ回路1315との間に備えられてもよいし、備えられていなくてもよい。これは、それらが単一の滅菌済の使い捨てとして供給され得るからである。
【0098】
供給源ライン1364は、血液濾過機器または腹膜透析サイクラ等の治療装置1312に水を供給するために備えられてもよい。治療機器1312は、供給源ライン1372用のコネクタ1344Aと、コネクタ1344Bを有する排液ライン1362とを有する溶液回路(別途図示せず)を備えてもよい。これは、溶液準備および保存システム1303のパネル(ここでは図示せず)上の嵌合コネクタに対するコネクタであってもよい。溶液準備および保存システム1303のコネクタ1334Bおよび1344Cは、下水処理部1393または、使用済み溶液コンテナ1392に接続され得る単一の共通排液接続部1396を提供するために、Y型接合部1397において接続してもよい。 さらに他の実施形態では、溶液準備および保存システム1303は、各治療後、または、新たなバッチの準備時に(この手続きは以下で手短に説明する)、使用済み溶液を収集および排出するために、使い捨て使用済み液コンテナ1313と、使用済み液ライン1385と、ポンプ1383と、を備えてもよい。コンテナにおける使用済み液の収集は、溶液準備および保存システム1303において必要とされるものではないが、排液部1393への長期的な接続が都合よくない場合、または、患者が治療場所を頻繁に移動させたい場合など、場合によっては好ましいものとなり得る。導電性センサ、不透明度センサ、泡検出器等の溶液品質センサ1322は、排出ライン1345を介してサンプルを送出することにより、治療液の品質を試験可能にするために、排出ライン1345に備えられている。溶液品質センサ1322は、排出ライン1345を介して浄水を汲み出すことによる他のステップで洗浄してもよい。
【0099】
パスセレクタと、ポンプと、短期フィルタ部1315とに動作的に関連するポンプおよび一または複数のアクチュエータが、ライン1366、1369、1370、1345および1364のうち選択されたライン間で溶液を移動させるための様々な構成に備えられていてもよい。ポンプおよびアクチュエータの一例は、図23を参照して以下で詳述される。図19B乃至19Hを参照すると、ライン1366、1369、1370、1345および1364のうち選択されたライン間で溶液を移動させることにより、これらの選択されたラインは、下記の通り、様々な動作を実行し得る。
【0100】
1.図19Bに示されているように、パスセレクタ、ポンプ、およびSTフィルタ回路1315は、フィードライン1370からパスセレクタ、ポンプ、STフィルタ回路1315のライン1369に濾過済みの水を汲み上げることにより、バッチコンテナ1317を事前に浄水で満たすために備えてもよい。ポンプは、前処理ポンプモジュール1285の計量ポンプ、および/または、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路部1315におけるポンプによって実行されてもよい。所定量の移動は、バッチコンテナの計量、計量ポンプ1029(図7)による移動量の合計算出、バッチコンテナ1317に動作的に関連する光学的または機械的なレベル検出器等により確立してもよい。バッチコンテナ1317における上記の量により、濃縮液が完成したバッチにおいて十分混合されており、バッチ内で希釈済の治療液を混合する必要がないようにすることを確実にし得る。
【0101】
2.図19Cに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、濃縮液コンテナ1310からバッチコンテナ1317に濃縮液を移動させるために、ライン1366および1369間で溶液の移動を提供し得る。濃縮液はポンプにより汲み上げられてもよいし、サイフォンにより吸い上げられてもよい。
【0102】
3.図19Dおよび19Eに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、濃縮液コンテナ1310における濃縮物の希釈、および洗浄済濃縮液のバッチコンテナ1317への移動に関する反復サイクルを提供し得る。これは、濃縮液コンテナ1310を洗浄するために未使用の浄水を移動させることによって実行してもよい。なお、この浄水の移動は、ライン1370からライン1366(図19D)に水を流し、その後、ライン1366からライン1369に希釈済の濃縮液を移動させることにより実行される。これらのステップは、特定回数の希釈および移動サイクルが完了するまで繰り返し実行してもよい。サイクルの回数は、繰り返し可能な量の濃縮液を移動すること、または、特定最大量の濃縮液が濃縮液コンテナ1310に留まっていることを確実にするのに十分な回数として経験的に決定してもよい。濃縮液は、上記のプロセスによって効果的に洗浄し得る硬質コンテナに備えられていることが好ましい。しかし、吊し掛け可能な医療液バッグ、溶液カートリッジ等、他の種類のコンテナを使用してもよい。また、濃縮液は、透析用に準備された治療液として長期保存可能な濃縮液であることが好ましい。なお、単一成分からなる濃縮液の代わりに、複数成分からなる酸性成分を乾燥重炭酸成分と混合することが可能であり、本システムに使用可能であるが、これは、特に救急処置に使用され、保存期間が適切に制限される場合、または、混合された重炭素ベースの治療液の使用に伴って生じ得る沈殿を回避するためにバッチの混合など他の手段を採用する場合である。その他の代替実施形態が可能であり、本発明の範囲から除外されない。
【0103】
4.図19Fに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、浄水をバッチコンテナ1317に移動させ、バッチ洗浄を完了するために、ライン1370および1369間の溶液の移動を提供してもよい。
【0104】
5.図19Gに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、例えば、完了したバッチの導電性等の品質検査の目的でバッチコンテナ1317から品質センサ1322に溶液を移動させるために、ライン1369および1345間の溶液の移動を提供してもよい。
【0105】
6.図19Gに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、バッチコンテナ1317における溶液を治療機器1312等の治療装置に対して利用可能にするために、ライン1369および1364間の溶液の移動を提供しても良い。
【0106】
7.図19Jに示されているように、パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315は、バッチコンテナ1317を空の状態にする目的でバッチコンテナ1317から排液接合部1397に溶液を移動させるために、ライン1369および1345間の溶液の移動を提供してもよい。これは、バッチが使用前に期限切れになった場合、バッチの内容物全体を必要としない場合、またはその他の理由で実行してもよい。
【0107】
一代替実施形態において、ステップ19B,19C、19D、19Eおよび19Fは、バッチコンテナ1317において濃縮液を供給することにより省略してもよい。また、乾燥溶質など必要な溶質を移動させる他の手段は、インライン薬剤カートリッジ(例えば、米国特許第4,784,495号(Jonsson,et al)を参照)等、洗浄を必要としない先行技術における様々な機構に応じて備えられてもよい。
【0108】
上記の通り、図19Aのシステム1399は、監視機能および治療システムのサポートだけでなく、バッチの準備および保存を提供してもよい。図20Aの状態図は、一実施形態において備え得る諸機能を概略的に示している。スタンバイ状態から、システムは、LTFモジュール1305をプライミングし、そのパフォーマンスを検査することにより、LTFモジュール1305を初期化しても良い(S172)。後者のステップは、LTFモジュール1305の交換を含んでもよく、好ましい一実施形態においては、LTFモジュール1305の正確な容量に応じて、毎月から年4回までの範囲のスケジュールで実行される。システムは、バッチを生成機能(S174)、および、その温度を維持しながらバッチを保持する機能(S176)を実行してもよい。システムは、溶液を所定圧力で提供することにより、バッチを使用可能にしてもよい(S178)。また、さらに、ステップS180においてバッチコンテナ1317を排液する機能と、ステップS182において、接続解除によりバッチコンテナ1317を取り外す機能が備えられてもよい。
【0109】
図20Bは、ここで記載される様々な例示の実施形態によるバッチの準備および保存システムに関する様々な実施形態の通常使用に伴う典型的なフローを示している。最初は、システム1399に事処理モジュール1295およびUV/ポンプモジュール等の永久部品が接続されており、すべての制御が正常な状態にあることを想定し、ステップS135において、典型的なルーチンによって新たなLTFモジュール1305が提供される。そして、ステップS130において、新たなバッチコンテナ1317およびSTF回路1315を導入し、充填してもよい。ステップS99において、バッチは必要になるまで待機状態にあってもよい。S130およびS99の両ステップにおいて、加熱を実行してもよい。定期的に、または、ユーザがバッチの使用を試みる場合に、ステップS100において、システム(例えば1399)は、バッチが使用不可能な状態になるポイント付近にあるかどうかを決定してもよい。これは、バッチ生成からの現在までの時間がプロトコルの限界(例えば、>T1−N時間)付近にあるかどうかを検査または決定することにより確立してもよく、もしそうであれば、警告を生成してもよい(S120)。警告を生成してもよいかどうかを確立する時間の合計は、治療期間、および安全性マージンに基づいて決定されてもよい。バッチが生成後72時間で期限切れになると一般的に考えられている場合に警告が生成後64時間で行われるように、例示の一実施形態においては警告の間隔が8時間になっている。この警告により、システムユーザが既存のバッチを期限切れとし、治療前に新たなバッチの生成を必要とするようになるのではなく、むしろシステムユーザは既存のバッチを使用することができるようになる。
【0110】
ステップS120において生成される警告は、ベル等の従来のアナンシエータに相当するものであってもよく、Eメール、IMメッセージ、携帯電話のSMS、携帯電話の音声メッセージ、ポケットベルの警報、または他の適したメッセージ提供サービスを生成する自動のウェブサーバであってもよい。警告が生成される前のリード時間は、ユーザが選択可能な期間に設定してもよい。
【0111】
ステップS105において、バッチの保存期間が期限切れとなり、新しいバッチの生成が必要となるか否かを決定する。バッチが期限切れとなっている場合、または、バッチの一般的な利用を実施するために、期限切れまでに十分な時間がない場合、点線で示されているように、その趣旨の警告メッセージを生成してもよい。このメッセージは提供されてもよいし、提供されなくてもよい。バッチが期限切れとなっている場合、または、バッチの一般的な利用を実施するために、期限切れまでに十分な時間がない場合、制御ステップS125が実行される。そうでなければ、治療が実行されてもよい(ステップS110)。バッチが使い果たされている場合(S140)、または、保存されたバッチが治療総数に達した場合(S115)(これらは所定の実施形態における代替実施形態であってもよく、両テストが実行されても良い)、制御はステップS125に進む。
【0112】
ステップS125において、システムは、検査または経過期間、または、これら両方によって示されるように、LTFモジュールが期限切れとなっているかどうかを決定してもよい。LTFが期限切れとなっている場合、制御はステップS135に戻り、そうでなければ、バッチコンテナの排液を必要とするかどうかを決定する。そうであれば、バッチコンテナは排液されて取り除かれ、そして、いずれにせよ、制御はステップS130に進む。
【0113】
制御フローにおける任意の時点で、様々なシステム検査が実行されてもよい。より重要なものの一つは、LTFモジュールによって実行される水浄化の品質検査である。図8Aにおける抵抗性プローブ1022に関して詳述されているように、LTFモジュールが期限切れ間近であると決定される場合、ステップS142を基本的に常に実行してもよい。このような場合、LTFモジュールの(例えば、コントローラのメモリにおけるセマフォとして保存された)状態が、現在のバッチの完了後にその使用を防止するために更新されてもよい。ステップS125において、この状態の問い合わせを実行してもよく、また、この状態をLTFモジュールが期限切れかどうかを決定するために使用してもよい。ステップS142は、状況が保証する場合、状態を更新するステップと、LTFモジュールの状態に関する連続検査の両方を表す。また、任意の時点、例えば、LTFモジュールにおける汚染物質の侵入時点で、ステップS144において、センサ1025(図8A)は、LTFモジュールの期限切れが差し迫っていることを示してもよい。この場合、ステップ144は、ポンプの停止、および/または、警告の生成等、保護措置手続きの開始を含む。さらに、警告は、ユーザ、サービスプロバイダ、治療のスーパーバイザ等に対するワイヤレスまたはウェブベースのメッセージを含む任意の種類であってもよい。
【0114】
ステップS135は、図21Aに示されたステップを含んでもよい。LTFモジュールは、開放可能なコンパートメントが備えられたカードボードコンテナに収容されてもよい。なお、このコンパートメントにおいて、電気コネクタおよびチューブコネクタ等、あらゆるコネクタが集められ、外部に供給される。ステップS210において、例えばカードボードのハウジングにおいて、このコンパートメントは、破り開けられてもよく、コネクタが取り除かれてもよい。そして、ステップS212において、LTFモジュールは、濾過および保存装置(例えば1399)において所定の位置に配置してもよく、ステップS214において、下記に記載する(図24および27)一体の濾過および保存装置に備えられ得るインレットラインおよびアウトレットラインへの接続と、電気的接続とを実行してもよい。濾過および保存装置(図面においては、「バッチ準備および保存装置」の略語BPSDとして記載)は、ステップS216における、制御部がUVランプ(存在する場合)の検査、期限切れ(上記の通り、LTFモジュールが以前使用されている、または、認証を受けていない)の検査、およびその他の検査を含む一連の自己検査を実行し得る時点で、電源を投入してもよい。ステップS218において、ユーザは、自動プライミングおよび浄化手続きを開始するために、ユーザインターフェイスのアクチュエータ(「GO」ボタン)を押圧してもよい。なお、この手続きは、プライミングだけでなく、成分製造と、空気除去とに使用される残りの薬剤を除去するためのLTFモジュールの十分な洗浄を含んでもよい。後者を自動的に実行してもよい。ステップS230において、システムがステップS218のプライミング/浄化手続きを完了した後、下記でさらに記載するように、新たなバッチバッグおよび短期フィルタ回路が接続されるまで、ドングル(図19Aの1361と同様)上の非再開放クランプは、LTFモジュールに事前に取り付けられ、所定位置に配置される。そして、ユーザはスタンバイモードに入るために、ユーザインターフェイスのアクチュエータ(「GO」ボタン)を押圧してもよい(S232)。
【0115】
上記手続き中に、例えば、溶液接続の完了後、システムは任意の時点(ステップS299により示される)で、漏洩が存在するかどうかを決定するための圧力検査を実行してもよい。この場合、圧力を生成するためにポンプを動作させてもよく(例えば図7の符号1029)、そして、リリーフ量が漏洩を示すために事前に決定されたものと一致するかどうかを確かめるために、一区間において圧力が監視される。同様に、閉塞が存在しないことを確実にするために、S218の浄化ステップ中に圧力を測定してもよく、この閉塞は、不完全な封止または濾過剤を示し得る高い逆圧または過度に低い逆圧によって示される。何らかの不測の事態が発見された場合、ステップS299は対応する指示または警告の生成を含む。
【0116】
図21Bにおいて、図20BのステップS130に関する詳細が示されている。さらに下記で詳述しているように、バッチコンテナ1317は事前に接続されたチューブ、短期フィルタ、センサ、封止、クランプ等を備えた使い捨て部品の一部として備えられてもよい。コンテナ自体は、コンテナに適切に載置され、充填された場合、予測可能な方法で展開し、拡大するように、閉じた状態で輸送され得る大型バッグ形式を採用してもよい。また、下記の通り、大型バッグ用のサポートコンテナは、引き出しグライド部1614(図24)上の直線ボックス1630の形式を採用してもよい。したがって、使い捨て可能なコンテナおよびチューブセットを導入する第1のステップは、このような引き出しを開けて、アクセス可能な位置に供給されるチューブおよびコネクタ部と共に、バッグを特定方向で底部に載置することにある。チューブは、STフィルタ1510(図23)等の認識容易な部品の周囲に一時的に一緒に巻かれてもよく、これにより、ユーザがその部分を保持した場合、チューブがもつれる恐れがなく、予測可能な方法で位置付けられる。ステップS250およびS252を参照。
【0117】
例えば、図23を参照して下記に記すように、チューブおよびSTフィルタを固定するために、位置決めおよび保持機構が備えられてもよい。ステップS254内の一または複数のステップは、アクチュエータ、ポンプ、センサ等を用いた回路の位置きめを提供してもよく、その後、ステップS256において、例えば、一または複数のアクチュエータ部品の締め付けまたは固定によって、これらを係合してもよい。この機械的特徴に関する例を下記で詳述する。回路が一旦固定されると、ユーザは濃縮液コンテナを接続するためのモードにシステムをセットしてもよい。このステップは、システムがバッチコンテナへの濃縮液の移動を準備する前に早期の吸い上げを防止するために、任意のバルブを所定位置にセットしてもよい。これは、ステップS258において実行される。そして、ステップS260において、LTFモジュールのアウトレットを保護するチューブドングルが取り除かれ、LTFモジュールからのアウトレットは、STフィルタおよびバッチコンテナ回路用のコネクタに接続される。この接続は、例えば図19Aの参照番号1344Qに対応する。回路1303は、バッチコンテナおよびSTフィルタ回路ユニット1303が取り除かれた後、LTFモジュールを保護するために後に使用され得る非再開放クランプ1740を有する新たなドングルを備えてもよい。
【0118】
ステップS262において、GOを押圧することによる現在のユーザインターフェイスに応じて、ユーザはバッチ準備手続きを起動してもよい。この手続きは、検査サンプルを使用済溶液接合部1397から押し出すことにより、抵抗性センサ1322(図19A)を使用して水質をチェックすることによって開始してもよい(S264)。そして、ステップS266において、このシステムは、何らかの漏洩が存在するかどうかを決定するための圧力検査を実行してもよい。この場合、圧力を生成するためにポンプを動作させてもよく(例えば図7の符号1029)、そして、リリーフ量が漏洩を示すように事前に規定されたリリーフ量と一致するかどうかを確かめるために、一区間において圧力が監視される。また、不完全な封止または濾過剤を示し得る高い逆圧または過度に低い逆圧がチェックされる。UV光源が存在する場合には、UV光源の状態を光センサでチェックしてもよい。このステップS266は、他の時点で同様に実行してもよい。
【0119】
そして、フローディレクタ(ここで図示しないが、図23を参照して記載)は、濃縮液をバッチコンテナに追加する機能と、これを正しい割合に希釈する機能とを提供するために、ステップS268で始まる一連のステップにおいて、図19B乃至19Jを参照して記載されるように構成される。ステップS270は、図19Bを参照して上記した濃縮液の移動前に、初期の水量を追加することに対応する。ステップS272は、図19Fを参照して記載した希釈プロセスの最終的な完了だけでなく、図19Cを参照して記載したバッチコンテナへの濃縮液の移動、および、図19Dおよび19Eを参照して記載された一連の洗浄処理に対応する。ステップS274は、図19Gを参照して記載した導電性検査を含み得る溶液品質検査に対応する。完成したバッチは暖められ、ステップS276で始まる使用と両立可能な温度で保持される。ステップS299で示すように、前述の様々な不測の事態を図21Bのプロセスにおける様々な時点で検査、確認してもよい。
【0120】
ここで図21Cを参照すると、治療液バッチの使用プロセスに対応するステップS110に関する詳細が示されている。ステップS300において、治療回路および/または装置が備えられている。未使用の溶液および使用済溶液のラインは、ステップS305において特定装置によって要求されるように接続してもよい。下記に記載する図27の実施形態(例えば、他の実施形態にも同様に該当)において、未使用の溶液よび使用済溶液の接続が備えられており、これにより、バッチ準備および保存装置と、治療装置間の接続が行われてもよい。ステップS310において、ユーザはGOを押圧してもよく、そうでなければ、バッチ準備および保存装置を治療モードにセットしてもよい。なお、この治療モードにおいては、システムが吊り下げ薬剤バッグを使用する共通の重力供給ラインと同等の上部圧力を生成するためにポンプを動作させ得る。バッチ準備および保存装置は、例えば図19Hを参照して記載されたように構成することにより、例えば単純にバルブを構成する等、他の方法でも同様に、溶液を治療に利用可能にしてもよい。治療はステップS315において示されたシステムを用いて実行してもよく、その後、必要であれば、バッチを排液してもよいし、バッチ温度が次の治療まで維持されるスタンバイモードにセットされてもよい(ステップS320)。ステップS299で示すように、前述の様々な不測の事態を図21Bのプロセスにおける様々な時点で検査、確認してもよい。
【0121】
図24においては、図19Aの実施形態に一致するバッチ準備および治療システムがさらに詳細に記載されている。前処理モジュール195は、シンクの蛇口1379などの供給源から水を受付けて、UV/ポンプモジュール1300は図6および7を参照して記載した半永久前濾過プロセスを提供してもよい。水量要件は一般家庭の供給量が適切な程度であることが好ましい。即ち、本明細書からわかるように、記載の好ましい実施形態でこれは可能となる。シンクの蛇口への接続は、多くの家庭用蛇口のエアレータを交換する共通コネクタを介して実施されてもよい。例えば符号1305の長期フィルタ(LTF)モジュールは、例えば30日間に亘る毎日の治療に十分な複数個の複数回治療用バッチに対して水浄化を提供する。好ましい実施形態において、図2Aおよび8Aを参照して記載しているように、LTFモジュール1305は、KDFと、分離SAC/SCA床脱イオン化(DI)と、混床および限外濾過とを備える。また、上記のように、LTFモジュールは、交換すべき接続部の数が少ない完全に使い捨てのモジュールの形式であってもよい。様々なコネクタが図22からは省略されているが、これはそれらの記載が必要ではないからである。符号(図19Aおよび22)が同様の部品を特定しているように、ここではそれらの記載を繰り返さない。
【0122】
パスセレクタ、ポンプおよびSTフィルタ回路1315の特定の例を符号1499で示す。4つのバルブ1416、1418、1414および1412と、ポンプ1464は、図19B乃至19Jに関して記載した選択可能なパスを提供するために、制御部1947によって独立制御される。これらのバルブは、開閉のために医療用チューブを押圧するピンチバルブであることが好ましい。なお、開栓前により低い制限要件(「クラッキング圧」)を有するチェックバルブによって、溶液がバッチコンテナ(本実施形態では、バッチバッグ1444)に汲み出されないようにしてもよい。したがって、例えば、水が濃縮液コンテナ1404に汲み出される場合、必ずしもバッチバッグ1444に汲み出される訳ではない。また、透析液ポンプ1464によって水が同様にバッチバッグ1444に汲み出されないようにしてもよい。下記のリストは、図19B乃至19Jのモードに関するバルブ構成およびポンプ構成を示している。ポンプの正方向および逆方向は符号1467で示されており、下記のテーブルにおいては、それぞれ記号「F」および「R」を用いて示されている。ポンプ1464の状態は停止状態もあるので、閉鎖バルブとなり、記号「X」で示される。バルブ構成については、閉鎖状態が記号「C」で、開放状態が記号「O」で示される。
【表1】
【0123】
溶液ウォーマ1452は、温度センサ1448を用いて、サーモスタット制御してもよい。漏洩センサは、バッチバッグ1444からの漏洩を検出するためのサポート1456における位置に備えられてもよい。計量計1451は、バッチバッグ1444に移動させる溶液量を決定するための他の代替手段として使用してもよい。別のコンテナからの濃縮液の移動に関連する上記ステップを省略し得るように、バッチバッグには既にその中に濃縮液が供給されている。
【0124】
バルブアセンブリは、図23に示されるものであってもよく、ピンチアクチュエータ1534、1518、1522および1536を備え、アセンブリを覆って閉鎖するドア(図23には図示せず)に取り付けられたアンビルプレートに対して圧縮チューブブランチ1534、1516、1524および1528を圧迫する。ピンチアクチュエータ1534、1518、1522および1536を駆動する(図面頁の斜視図から読み手側に向かって移動する)場合に、チューブブランチ1536、1516、1524および1528が圧迫されるように、ドアはヒンジで連結され(1530)、ラッチする(1532)。ポンプチューブ部1546は、ドアに取り付けられたポンプ水路部により、蠕動ポンプアクチュエータ(peristaltic pump actuator)1544のローラに対して保持される。図23のチューブ1536、1516、1524、1528、1546および1520は、それぞれ図22のライン1366、1469、1345、1370、1462および1460に対応する。
【0125】
漏洩センサ1486および1490は、対応するモジュール1300および1305の周辺または内部における漏洩を検出するために備えられてもよい。共通の使用済液接合部1434は、バッチ準備および保存装置と、治療装置から溶液を受け付けるためのコネクタ1432および1438を有する(ここでは図示しないが、対応する接続部は図19Aの符号1344B)。導電性センサ1428は、図19Aのセンサ1322に対応する。チェックバルブ1430は、各ブランチ1422および1431に備えられている。図示されているように、部品交換が便利になるように追加のコネクタが備えられてもよい。
【0126】
ブランチコネクタ接合部1402は、治療装置(ここでは図示せず)の溶液インレットに対して複数の接続を提供する。接触による汚染からの保護を確実にするように、各コネクタ1742A、1742Bおよび1742Cは使用前に封止されている。その代わりに、各コネクタは、他のコネクタ(コネクタ1742Aおよび1742C)が封止された状態にある一方で、封止されておらず、治療装置のインレットライン1745(図中のコネクタ1742B)に接続されている。治療完了時に、以前使用されたコネクタ(1742B)の非再開放クランプ1740は閉鎖されてもよく、治療装置インレットライン1745は接続解除されてもよい。これにより、溶液回路またはバッチバッグ1444への汚染物質の逆流を防止する。代替案としては、チェックバルブが単一ブランチで使用されてもよいが、この複数ブランチコネクタ接合部1402によって提供されるポジティブシールであることが好ましい。
【0127】
治療装置の上方に吊り下げられた溶液バッグによって提供される場合と同様に、安定した予測可能な供給源溶液圧力を提供するために、好ましい実施形態に見られるように(図25を参照)バッチコンテナが治療機器の下方に存在する場合においては、リサイクルループ1462および1460が備えられる。ポンプ1464が順方向に汲み上げを行う場合、任意の抵抗性によって、溶液がチェックバルブ1472を介して逆方向に流される。これは、上記のクラッキング圧として特徴付けられている。圧力の一例は、3.5psiである。このように、治療中において、ライン1469が略3.6psiの状態である一方で、ポンプ1464は溶液をコンテナに連続して送り戻す。ライン1369が相当の距離を上昇する場合、圧力が低減する可能性があり、治療装置によって「判断される」最終圧力が任意の望ましい値で備えられる可能性が有る。
【0128】
図23において、ユーザインターフェイス/ドア1640の一実施形態が示されている。なお、このユーザインターフェイス/ドア1640は、バルブアクチュエータ1534、1518、1522および1536が動作する表面を提供してもよく、蠕動ポンプ1544のローラに対してポンプ水路を位置付けてもよい。4つのチューブ部1536、1516、1524、1528および1546と、短期フィルタ1510とを位置付けるための便利な機構は、接合部1538および1542を支持する固定ケーシングを提供する。短期フィルタ1510のケーシングは、例えば、ブラケット1524および1514によって示すように、アセンブリ全体を位置合わせするために、ホルダ内に位置付け、係合してもよい。ポンプチューブ部1546に対してサポート1513が備えられていてもよい。4つのチューブ部1536、1516、1524、1528および1546と、短期フィルタ1510が載置を簡素化するように備えることが可能であるだけでなく、ポンプチューブ部1546を保持するための真空成形トレイ等のさらに豊富な取り付け備品を使用してもよい。
【0129】
図24において、上記の実施形態に一致するバッチ濾過および保存装置1600に関する好ましい構成が示されている。一体キャビネット1601には、水の供給および排水、および、交流電気供給のために、背面に(図示せず)公共設備接続部が備えられている。引き出し1630はバッチバッグ1444を保持する。チューブは引き出し1630から出て、ユーザインターフェイスドア1640の背後に直接供給されてもよい。治療装置に接続するチューブは、テーブル1612表面の上部に位置し、ノッチ1641を介して治療装置に供給してもよい。テーブル面1612上に位置する治療装置1660の一例が図25に示されている。LTFモジュール1624は図26にも示されており、これはキャビネット1601内の対応する空間内に摺動する。コンパートメント1626は開放可能であり(これはLTFモジュール1624の挿入前に実行されてもよい)、LTFモジュール1624のコネクタは、便利なことにバッチ濾過および保存装置1600上のコネクタ1632に嵌合する。図24の実施形態は、符号1602で示された個別のポンプ部を備える。UV/ポンプモジュール1300は、符号1616で示された水平型構成で配置され、キャビネットから摺動可能であってもよい。ドア1600により、ユニット内部の大部分を動作中に隠すことが可能となり、ポート1608はユーザインターフェイスドアに組み込まれた制御パネル1604へのアクセスを提供する。追加のドア1622はLTFモジュール1624を覆う。ユニットの移動が可能となるように、車輪1618が備えられてもよい。
【0130】
図26において、一実施形態にかかるLTFモジュール1680の部品の梱包が示されている。図8Aを参照して記載したカーボン/KDFモジュール1007、SAC/SBAカートリッジ1002A乃至1002C、および混床DIモジュール1031は、平面配列で配置されている。様々な抵抗性センサ1684と、限外フィルタ1682と、空気フィルタ1688(図8Aの符号1035A、1035Bおよび1047に対応)もまた同一平面に配置されている。コネクタとラインはコンパートメント領域1686に収容されている。
【0131】
図27を参照すると、治療装置用の溶液回路構成は、透析の実施形態において個別の血液回路および透析液回路を可能にする。治療液バッチは数日の期間、保有・保存可能であるので、同一期間保有される溶液回路を提供するのに便利である場合もあり、回路の血液部のみの交換を必要とする。これにより、セットアップを単純化し、不適切に導入された部品に係るリスクを低減し、費用を幾分削減し得る。ここで、治療装置は符号1735で示され、バッチ準備および保存装置は符号1725で示される。バッチバッグは符号1720で示される。図25に示すように、治療装置1735の下方から治療装置1735に供給するための上部圧力を提供するチェックバルブ1792と、フィードライン1788も図示されている。パスセレクタ回路部1315は、上記の通りであり、上記実施形態またはその他の実施形態の何れによるものであってもよい。他のライン1786および1784と、コネクタ1740、180、1782、1762および1778と、パスセレクタ回路部1315にそれらを接続するラインは、治療装置1735の一部を構成するバランス回路1700に事前に接続してもよい。バッチ準備および保存装置は1725上のそれぞれの嵌合コネクタ1764、1766および1768は、例えば、図24の符号1632で示すように備えられてもよい。バランス回路1700は、米国特許第6,638,478に記載された容積測定バランス回路であってもよい。なお、この特許文献は、ここで参照することにより、その全体を完全に説明するものとしてここに組み込む。血液フィルタ回路部は、フィルタ(例えばダイアライザ)1715と、血液ライン1760と、血液ポンプおよびセンサ回路1705と、静脈および動脈ライン1758および1759と、場合によっては他の部品とを含む。静脈ライン1758および動脈ライン1759は、不溶解性溶液バッグ1756に送られた不溶解性溶液を用いて実行され得る血液回路のプライミングを行うための不溶解性溶液バッグ1756に接続することが示されている。ダブルコネクタ1754および1756は、ガスの沈殿を可能にする不溶解性溶液バッグ1756を溶液が循環可能となるように備えられてもよい。
【0132】
なお、バッチ準備および保存装置は、血液回路フィルタ1715を介して治療液を血液回路1705および不溶解性バッグ1756に押し込むことにより、血液回路をプライミングするための溶液を提供してもよい。この場合、不溶解性バッグは、血液回路1705の一部として備えられてもよく、図示されているように予め取り付けられてもよい。なお、比喩的に符号1752および1754で示されたコネクタの接続解除により、プライミングが完了した後、患者のアクセスが何らかの適切な方法で接続されることが予想される。
【0133】
符号1402で示され、図22を参照して記載されたものと同一であり、これと同一の方法で使用される複数のコネクタ1746が備えられてもよい。各治療に対して、血液フィルタ部1798は治療完了後に交換される。符号1746で示されたものと、符号1748で示されたものの内、使用されるコネクタの非再開放コネクタ1740は閉鎖され、血液フィルタ部1798はフィルタ1715のコネクタ1743の接続解除により接続が解除される。しかし、治療液部1799は所定位置に留まることが可能である。
【0134】
図28を参照すると、腹膜透析装置が示されている。図22および25のバッチ準備および保存装置の実施形態に関する便利な設計の一特徴は、それらが様々な異なる種類の治療設備への便利な接続を可能にするということにある。例えば、図27を参照して記載する完全な血液透析治療および回路の代わりに、バッチ準備および保存装置1600が、図28に一実施形態が示される腹膜透析サイクラと共に採用してもよい。未使用の透析液ライン1832および使用済透析液ライン1833は、例えば、図19Aの実施形態の対応するライン1372および1362のそれぞれとしてバッチ準備および保存装置(任意の実施形態)に接続されてもよい。ポンプ1805および1806は、それぞれの圧力センサ1820、1825、1821および1826からのインレットおよびアウトレット圧力センサの測定値に基づくフィードバック制御を使用して、制御部1810により制御されてもよい。さらに、各ポンプに対する較正曲線と混合した正確なインレットおよびアウトレット圧力の測定値は、患者から、および、患者に移動する溶液の総量に関する正確な測定を可能にし得る。こうした較正曲線アプローチを使用することにより、治療用透析液の計測の正確性を高める一方で、こうした腹膜透析サイクラが、蠕動ポンプを使用する小型ユニットを使用することが可能にしてもよい。
【0135】
周知の通り、腹膜透析は、腹膜を治療に対して効果的に利用できなくなる時点までは使用することができる。この状況が発生した後、患者は、例えば、体外治療システムを使用する一般的な透析に切り替えなければならない。しかし、多くの患者にとって腹膜透析は好ましいものであり、こうした患者は、腹膜透析を一定期間利用し、後に一般的な透析に切り替えたいと考えるかもしれない。 他の代替案は、患者が腹膜透析と一般的な透析の両方を異なる時点で使用するものであり、これにより、患者に柔軟性を与え、腹膜を治療に利用可能な期間を潜在的に延長する。こうした場合、下記に記載するように、治療機器の種類間の便利な切り替えは、ここに記載するバッチ準備および保存装置を用いて促進され得る。
【0136】
図28の設計(または他の設計)による腹膜サイクラは、テーブルトップに載置するように構成されてもよい。図25のバッチ準備および保存装置の設計により、腹膜サイクラが例えば図25に示す体外血液治療装置と交換可能な時点で体外血液治療が示されるまで、こうした腹膜サイクラを使用することができる。バッチ準備および保存装置1600における変更は必要ない。
【0137】
なお、図19A乃至28の実施形態は、前述の実施形態または治療回路のLTFモジュール、STフィルタおよび溶液回路モジュール等の交換可能な部品の期限切れを実行するために上記図面に関連して上記した、データキャリアおよびデータキャリアリーダ装置を採用することが可能なものとして検討されている。さらに、同一のデータキャリア装置は、以前使用された交換可能な部品の再利用防止に使用するものとして検討されてもよい。
【0138】
上記のバッチ準備保存および治療装置用の制御部は、許可されたバッチの保存期間と、バッチが生成される、または、バッチの生成が提案される時間とを考慮に入れた治療スケジューラを提供してもよい。こうしたスケジューラは、患者が治療を実行したいと考える回数をインプットとして受け付けてもよく、これに応じて、バッチがそうした複数治療の間に準備が整っており、最後の治療時にもまだ利用可能であるように治療のために準備されるべき時間に関するウインドウを演算・表示してもよい。この演算は、バッチ準備にかかる時間と、バッチが期限切れになるまでの時間的な長さと、患者の治療開始に要する時間の推定値と、治療の中止許可および他の情報とを考慮にいれてもよい。代替案として、スケジューラは、バッチの準備が提案される時間を受け付けて、その後、治療の種類(毎日または長期間)と、治療の強さと、バッチの大きさ等を考慮に入れて、治療回数案を出力してもよい。スケジューラは、入力されたスケジュールに従って様々なタスクをタイムリーに実行するためにリマインダを提供して、このスケジュールを維持し、ワイヤレス装置で利用可能にしてもよい。好ましい実施形態において、スケジューラは、ウェブを介してアクセス可能なサーバアプリケーションにより備えられる。スケジューラは、ローカルアプリケーション、サーバアプリケーション、または、サーバおよびシンクライアントアプリケーション(処理制御部上で実行するクライアントアプリケーション)間の中間的なものであってもよい。アプリケーションは、スケジュール化された時間でバッチの準備を開始するためにシステムを実際に制御してもよい。後者の場合、バッチコンテナおよび回路は、バッチ準備および保存装置に事前に接続されてもよく、これにより、システムは、その後、スケジュール化された時間で準備を自動的に開始することができる。さらに、何らかの問題に直面した場合、スケジューラシステムは、改善された行動を取り得るように、患者または問題に関する責任者に警告を発してもよい。
【0139】
なお、上記実施形態においては、強調された治療投薬計画は中程度のクリアランスを有する毎日の治療であったかもしれないが、バッチ準備および治療装置と記載された他の進歩性を有する実施形態は、他の治療投薬計画と一致することは当然明白である。
【0140】
上記発明は、明瞭さと理解の目的で図面および例示により幾分詳細に記載されているが、特定の変更および修正を加えてもよく、特許請求の範囲の範囲内に含まれることは明白である。例えば、各実施形態の装置および方法は、他の実施形態の任意の装置および方法において使用する、または、これらの装置および方法と組み合わせることが可能である。他の例としては、記載のエア抜き孔は、任意の適切な記載のものであればよく、膜型エア抜き孔が好ましいが、膜型エア抜き孔である必要は全くない。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1A】医療用溶液浄化システムの様々な特徴および配置に関して詳述するために比喩的に示す溶液準備装置に関する実施形態を示す図。
【図1B】溶液の品質保証をもたらし、フィルタ呼気(filter expiration)への汚染物質の侵入を防止する制御要素を備えたフィルタ装置を示す図。
【図2A】汚染防止を確実にするコネクタシステムを備えたフィルタおよびバッチコンテナを示す図。
【図2B】汚染防止を確実にするコネクタシステムを備えたフィルタおよびバッチコンテナを示す図。
【図3】セルフクランプ式コネクタを示す図。
【図4】バッチコンテナチューブセットを示す図。
【図5】水浄化システムの様々な特徴および配置を詳述するために比喩的に示す溶液準備装置に関する実施形態を示す図。
【図6】溶液準備装置の一実施形態の一部を示す図。
【図7】溶液準備装置の一実施形態の一部を示す図。
【図8A】溶液準備装置の一実施形態の一部を示す図。
【図8B】2つの重複する限外濾過膜が共通して格納されたフィルタモジュールの一部を示す図。
【図9A】バッチコンテナの一実施形態を示す図。
【図9B】バッチコンテナの一実施形態を示す図。
【図10A】コンテナの溶液品質を検出する電導性または抵抗性センサ構成等の溶液品質センサを示す図。
【図10B】薬剤濃縮液カートリッジを示す図。
【図11】フィルタモジュールの部分透過斜視図。
【図12】拡張装置を備えたフィルタカートリッジを示す図。
【図13A】図11に示す交換式フィルタ等の交換式フィルタと共に使用する溶液準備装置を示す図。
【図13B】図11に示す交換式フィルタ等の交換式フィルタと共に使用する溶液準備装置を示す図。
【図14】様々な実施形態の特徴をサポートする制御システムを示す図。
【図15】明細書中で詳述した様々な実施形態の様々な制御オプションを詳述するためのフローチャート。
【図16】制御に関する一実施形態を使用するための治療環境を示す図。
【図17】限外フィルタ内からの空気の発生に強い限外フィルタの諸構成を示す図。
【図17A】限外フィルタ内からの空気の発生に強い限外フィルタの諸構成を示す図。
【図18】限外フィルタ内からの空気の発生に強い限外フィルタの諸構成を示す図。
【図19A】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置に関するフローチャート。
【図19B】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19C】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19D】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19E】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19F】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19G】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19H】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図19J】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置のフロー回路部および制御部の操作モードを示す図。
【図20A】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の操作を示すフローチャート。
【図20B】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の操作を示すフローチャート。
【図21A】図20Aおよび20Bの操作の詳細を示す図。
【図21B】図20Aおよび20Bの操作の詳細を示す図。
【図21C】図20Aおよび20Bの操作の詳細を示す図。
【図22】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の特徴を示す回路図。
【図23】フローディレクタに関する図。
【図24】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置用のハウジングを含む様々な機械的特徴を示す図。
【図25】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置用のハウジングを含む様々な機械的特徴を示す図。
【図26】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置用の長期型使い捨てフィルタモジュールを示す図。
【図27】本発明の一実施形態に係る治療液準備および保存装置の特徴を示す回路図。
【図28】小型腹膜透析循環装置に関する図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水接続部および排液接続部と、電気供給接続部とを有するハウジングと、
水を浄化し、浄水バッチを準備するための溶質の希釈に前記浄水を使用するように構成された治療液準備装置であって、前記バッチが、前記ハウジングに囲まれた使い捨てコンテナに含まれており、且つ、少なくとも1日おきに腎代償療法による治療を複数回実行するための治療液を十分含む治療液準備装置と、
腎代償療法を即座に利用するための温度に前記バッチを維持するように構成されたヒータと、
前記バッチが期限切れの状態であること、前記バッチが期限切れになりそうであること、および前記バッチが期限切れになる前の残り時間のうち少なくとも一つを示すように構成された制御部であって、前記バッチを複数の治療に利用可能にするように構成された制御部と、
前記バッチの内容を受け付けるために、腎代償療法装置を接続するための複数の接続部と、を備えた医療用溶液処理装置。
【請求項2】
前記使い捨てコンテナはバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成されたタンク部である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バッグは、前記バッグの交換毎に交換される第1のフィルタを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有しており、前記テーブルトップは前記腎代償療法を支援するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有しており、高さが1mを超えない、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記治療液準備装置は、複数のバッチのそれぞれに対して交換される使い捨て濾過モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記使い捨てコンテナはバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成されたタンク部であり、前記タンク部は、前記ハウジングの前部のドアの後ろに隠れる引き出し部として構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有し、高さが1mを超えず、
前記テーブルトップは如何なる取り付け部品にも妨げられることがなく、
前記制御部は前記ハウジングの前部に取り付けられたユーザインターフェイスを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有しており、高さが75cmを超えない、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記使い捨てコンテナは複数のアウトレット接続部を有しており、前記アウトレット接続部のそれぞれは、非再開放クランプで構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記治療液は乳酸ベースの透析液を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングは複数の車輪が取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記使い捨てコンテナはバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成された凹部であり、前記凹部は前記バッグが配置される底部を有し、前記底部は前記ハウジングの底に位置し、少なくとも一つの漏洩センサを内部に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ハウジングは、漏洩を検出するための成分を含むまたは輸送する任意の溶液の外側に少なくとも一つの漏洩センサを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記制御部は使用後に前記バッチを空の状態にするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記排液接続部は、前記使い捨てコンテナからの接続を受け付けるY型接合部と、前記治療機器の使用済液ラインに接続するためのコネクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記Y型接合部の一脚部は、前記バッチのサンプルを、その一部を前記Y型接合部に勢いよく流すことにより検査可能に構成された電導性センサを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記使い捨てコンテナは、各バッチに対して交換されるフィルタを有するアクチュエータ部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記治療液準備装置は、複数のバッチのそれぞれに対して交換されるフィルタを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記治療装置による取り込みのために一定圧力を生成するように構成されたポンプおよび溶液回路部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記溶液回路部は、前記使い捨てコンテナに戻るフィードバックループであり、前記一定圧力に等しいクラッキング圧を有するインラインチェックバルブを備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
さらに、濃縮液コンテナを洗浄し、前記濃縮液コンテナの洗浄の結果生じる希釈液を前記使い捨てコンテナに供給するために、前記濃縮液コンテナから濃縮液を汲み上げ、前記濃縮液を前記使い捨てコンテナに供給するように構成されたバルブアクチュエータアセンブリを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項1】
給水接続部および排液接続部と、電気供給接続部とを有するハウジングと、
水を浄化し、浄水バッチを準備するための溶質の希釈に前記浄水を使用するように構成された治療液準備装置であって、前記バッチが、前記ハウジングに囲まれた使い捨てコンテナに含まれており、且つ、少なくとも1日おきに腎代償療法による治療を複数回実行するための治療液を十分含む治療液準備装置と、
腎代償療法を即座に利用するための温度に前記バッチを維持するように構成されたヒータと、
前記バッチが期限切れの状態であること、前記バッチが期限切れになりそうであること、および前記バッチが期限切れになる前の残り時間のうち少なくとも一つを示すように構成された制御部であって、前記バッチを複数の治療に利用可能にするように構成された制御部と、
前記バッチの内容を受け付けるために、腎代償療法装置を接続するための複数の接続部と、を備えた医療用溶液処理装置。
【請求項2】
前記使い捨てコンテナはバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成されたタンク部である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バッグは、前記バッグの交換毎に交換される第1のフィルタを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有しており、前記テーブルトップは前記腎代償療法を支援するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有しており、高さが1mを超えない、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記治療液準備装置は、複数のバッチのそれぞれに対して交換される使い捨て濾過モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記使い捨てコンテナはバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成されたタンク部であり、前記タンク部は、前記ハウジングの前部のドアの後ろに隠れる引き出し部として構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有し、高さが1mを超えず、
前記テーブルトップは如何なる取り付け部品にも妨げられることがなく、
前記制御部は前記ハウジングの前部に取り付けられたユーザインターフェイスを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングはテーブルトップ面を有しており、高さが75cmを超えない、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記使い捨てコンテナは複数のアウトレット接続部を有しており、前記アウトレット接続部のそれぞれは、非再開放クランプで構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記治療液は乳酸ベースの透析液を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングは複数の車輪が取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記使い捨てコンテナはバッグであり、前記ハウジングは前記バッグを支持するように構成された凹部であり、前記凹部は前記バッグが配置される底部を有し、前記底部は前記ハウジングの底に位置し、少なくとも一つの漏洩センサを内部に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ハウジングは、漏洩を検出するための成分を含むまたは輸送する任意の溶液の外側に少なくとも一つの漏洩センサを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記制御部は使用後に前記バッチを空の状態にするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記排液接続部は、前記使い捨てコンテナからの接続を受け付けるY型接合部と、前記治療機器の使用済液ラインに接続するためのコネクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記Y型接合部の一脚部は、前記バッチのサンプルを、その一部を前記Y型接合部に勢いよく流すことにより検査可能に構成された電導性センサを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記使い捨てコンテナは、各バッチに対して交換されるフィルタを有するアクチュエータ部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記治療液準備装置は、複数のバッチのそれぞれに対して交換されるフィルタを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記治療装置による取り込みのために一定圧力を生成するように構成されたポンプおよび溶液回路部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記溶液回路部は、前記使い捨てコンテナに戻るフィードバックループであり、前記一定圧力に等しいクラッキング圧を有するインラインチェックバルブを備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
さらに、濃縮液コンテナを洗浄し、前記濃縮液コンテナの洗浄の結果生じる希釈液を前記使い捨てコンテナに供給するために、前記濃縮液コンテナから濃縮液を汲み上げ、前記濃縮液を前記使い捨てコンテナに供給するように構成されたバルブアクチュエータアセンブリを備える、請求項1に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図19G】
【図19H】
【図19J】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図19G】
【図19H】
【図19J】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2008−526375(P2008−526375A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550528(P2007−550528)
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/000608
【国際公開番号】WO2006/074429
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507230049)エヌエックスステージ・メディカル・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NXSTAGE MEDICAL, INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/000608
【国際公開番号】WO2006/074429
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507230049)エヌエックスステージ・メディカル・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NXSTAGE MEDICAL, INC.
【Fターム(参考)】
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