説明

医療処置管理システム

患者の体液が、事前に管理された体外での取り扱いおよび患者への処置の影響を受ける医療処置プロセスおよびシステムを提供する。前記システムは、前記体液を連続して取り扱う2または3以上の処置ユニット、および、前記患者に関連づけられているトークンを具備する。前記トークンは、患者識別を含み、処置が進行する際、前記体液が前記システムをあちこち転送する時に、前記サンプルに実施された前記処置と、さまざまな処置の時間と、処置が予め決められた基準に従って実施されたことの検証の記録を収容するまで、さらなる情報が前記トークンに加えられる。前記トークンは、前記患者の身元確認情報と、詳細事項に従った処置を検証する情報を含むように提供され、前記患者への処置済み体液の管理を可能にするとともに、前記処置の検査記録を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療処置の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の名称をMEDICAL TREATMENT CONTROL SYSTEMとして2003年6月27日に出願された米国仮出願番号60/482725の発明の要旨全体が、ここに引用することにより組み込まれる。
【0003】
近年、患者の治療方法が非常に大きく変化してきている。ほとんどの高齢者向け社会医療保険制度システムは生産性を改善するために変化してきている。しかしながら、これらの変化がなんらの問題無く起きているわけではない。最近の心肺移植手術は、比較的小さい見落とし−ドナーとレシピエント患者の血液型のミスマッチのせいで、最悪の不祥事となった。この出来事は、間違った薬物療法が与えられている患者の報告によって影が薄い。このことは、患者およびその処置の管理を改善することにより、患者が、それぞれの患者に必要とされる、個別且つ恐らく唯一である、投薬および/または医療手順を適切に受けることを確実にする必要性を示唆する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、新たな医療処置管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここに以下で使用される用語「処置装置」は、直接または間接的に処置の経過において使用される装置を意味することを意図する。それは、実際に患者に医療処置を行う装置、または、患者から抽出されるサンプルに基いて処置を変更または扱う装置、または、代わりにサンプルを運ぶ、さもなければサンプルを処置へあるいは処置から移動するとともに、サンプルに処置を施すような、処置に関連する機能を実行するための装置を含んでも良い。そのような処置装置の他のいくつかの例をここで説明する。
【0006】
本発明の一特徴は、患者に対する患者素材サンプルの処置を制御および記録するための方法であって、
機械読み取り可能な患者データトークンを前記患者に装着させるステップと、
処置装置を設置するステップと、
前記処置装置に機械読み取り可能な処置データトークンを提供するステップと、
少なくとも一つの相関ユニットを設置するステップと、
前記相関ユニットが、前記患者データトークンと前記処置データトークンとの間における相関機能を実行可能とするステップと、
前記患者データトークンと前記処置データトークンとの間で相関関係が存在した時のみ、前記処置装置を動作させることによって処置を実施するステップと
を有する方法を提供する。
【0007】
本発明の他の特徴は、
第2処置装置を設置するステップと、
前記第2処置装置に機械読み取り可能な第2処置データトークンを提供するステップと、
少なくとも1つの相関ユニットを設置するステップと、
前記相関ユニットが、前記患者データトークンと少なくとも1つの前記処置データトークンとの間における相関機能を実行可能とするステップと、
前記患者データトークンと前記対応する処置データトークンとの間で相関関係が存在した時のみ、少なくとも1つの前記処置装置を動作させることによって対応する処置を実施するステップと
を付加的に有する。
【0008】
さらに本発明の他の特徴は、患者の処置記録を制御するための方法であって、
機械読み取り可能な患者データトークンを前記患者に関連づけるステップと、
第1処置装置に機械読み取り可能な第1処置データトークンを提供するステップと、
前記患者データトークンを前記第1処置装置へ転送するステップと、
前記第1処置装置で、患者素材サンプルに処置を実施するステップと、
機械読み取り可能な第2処置データトークンを第2処置装置に提供するステップと、
前記患者データトークンと前記第1処置データトークンとを、前記第1処置装置から前記第2処置装置へ転送するステップと、前記第2処置装置で、前記患者または前記患者素材サンプルのいずれかに処置を実施するステップと、
前記第2処置に続いて、前記患者データトークンと、前記第1処置データトークンと、第2処置データトークンとを記録ステーションに転送するステップと
を有する方法を提供する。
【0009】
またさらに本発明の他の特徴は、患者の処置記録を制御するための方法であって、
機械読み取り可能な患者データトークンを前記患者に関連づけるステップと、
前記患者または患者素材サンプル上への1または2以上の処置を記録するために、前記患者データトークンを含む処置データパケットを形成するステップと、
第1処置装置に機械読み取り可能な第1処置データトークンを提供するステップと、
前記第1処置装置で第1処置をモニターするステップと、
前記第1処置データトークンを前記処置データパケットに加えるステップと、
第2処置装置に機械読み取り可能な第2処置データトークンを提供するステップと、
前記第2処置装置で第2処置をモニターするステップと、
前記第2処置データトークンを前記処置データパケットに加えるステップと、
前記第2処置に続いて、前記処置データパケットを記録ステーションに転送するステップと
を有する方法を提供する。
【0010】
更なる本発明の特徴は、患者の処置記録を制御するシステムであって、
患者データトークンを患者に関連づけるための機械読み取り可能な患者データトークン手段と、
前記患者または前記患者からの素材サンプル上に処置を実施するための少なくとも1つの処置手段と、
前記処置手段によって少なくとも1つの処置データトークンを対応する処置に関連づけるための機械読み取り可能な処置データトークン手段と、
前記処置データトークンと共に前記患者データトークンを含む処置データパケットを生成するためのデータパケット生成手段と、
を有するシステムを提供する。
【0011】
また、一実施形態において、前記機械読み取り可能な患者データトークン手段は、前記患者に装着され、または携帯されるか体内に埋め込まれ、または患者に取り付けられた構成された装置を具備する。前記処置手段は、第1処置装置と第2処置装置とを具備する一方、前記機械読み取り可能な処置データトークン手段は、それぞれの処置装置によって実施されるそれぞれの処置を関連づけるために処理可能である。
【0012】
更なる本発明の特徴は、患者の処置データを記録するための装置であって、患者に関連づけられている携帯装置と、患者データトークンを前記患者に関連づけるための機械読み取り可能な患者データトークン手段を有する装置と、前記患者データトークンを処置装置または中間装置に引き渡すためのフェーズ、および、それらから少なくとも1つの処置データトークンを受け取るための別のフェーズにおいて処理可能なトークン転送手段とを具備する装置を提供する。
【0013】
また、本発明の他の特徴は、患者素材サンプルの1または2以上の処置を制御するコンピュータに対して、コンピュータ実行可能な複数のステップを有するコンピュータ読み取り可能な媒体内でエンコードされたコンピュータプログラム製品であって、
a)患者に関連づけられている患者データトークンをエンコードするステップを実行し、
b)素材サンプルに処置を実施するステップを実行し、
c)前記処置に関連づけられている処置データトークンをエンコードするステップを実行し、
d)前記処置データトークンおよび前記患者データトークンを含む、または、それらから抽出された処置データパケットをエンコードするステップを実行する
ことを含む製品を提供する。
【0014】
好ましくは、ステップd)は、前記患者によって携帯されるか体内に埋め込まれ、または装着されるか取り付けられ、または前記対応する患者に関連づけられる携帯装置に前記処置データパケットを書き込むステップを含む。
【0015】
さらに他の特徴は、コンピュータが複数の患者またはそれらからの複数の素材サンプルへの1または2以上の処置を制御するための、コンピュータ実行可能な複数のステップを有するコンピュータ読み取り可能な媒体内でエンコードされたコンピュータプログラム製品であって、
a)それぞれ複数の患者の1人に関連づけられている複数の患者データトークンをエンコードするステップを実行し、
b)前記患者からの複数の素材サンプルに処置を実施するステップを実行し、
c)それぞれの処置データトークンはそれぞれの前記処置に関連づけられており、複数の処置データトークンをエンコードするステップを実行し、
d)それぞれのデータパケットは前記処置データトークンおよび前記患者データトークンを含む、または、それらから抽出されており、それぞれの前記患者に対する処置データパケットをエンコードするステップを実行し、
e)それぞれの処置データパケットを、対応する患者に関連づける
ことを含む製品を提供する。
【0016】
望ましくは、ステップe)は、前記対応する患者によって運び出されるか運び込まれ、または装着されるか取り付けられ、または前記対応する患者に関連づけられる携帯装置にそれぞれの処置データパケットを書き込む。
【0017】
本発明の他の特徴は、患者処置記録を制御するためのコンピュータ読み取り可能なデータ構造であって、所定の患者をエンコードする患者データトークンと、少なくとも、前記患者かそれらの素材サンプルに実施される処置をエンコードする、少なくとも1つの処置データトークンとを含むデータ構造を含む。
【0018】
さらに他の特徴において、搬送媒体上で伝播される信号であって、所定の患者をエンコードする患者データトークン要素と、少なくとも、前記患者かそれらの素材サンプルに実施される処置をエンコードする、少なくとも1つの処置データトークン要素とを含む信号を提供する。
【0019】
したがって、一例において、前記システムは、場合によっては、処置の開始前あるいは処置の完了後に処置手順が進行する際に、患者データトークンを患者に装着または関連づけられる(リストバンドかその同等のもののような)装置から1または2以上の処置装置へ転送することを可能にする。また、前記患者データトークンは、発生する特別な処置の許可を得るためのキーまたはパスワードと同等と扱われても良い。この許可は、未処置の血液の収集、または、処置済みの血液かそれと同様のもの分配を含んでも良い。この場合、前記患者データトークンは、処置の間に、記録され、または測定され、さもなければ蓄積された処置に関連するデータとは異なっても良い。この場合、前記処置データトークンは、場合によっては、前記処置手順に続いて患者の特定の治療計画を見直すのために使用される検査データと同等とみなされても良い。
【0020】
加えて、また、この許可機能は、前記の処置されたサンプルの患者、または、トークン転送ユニットか手段、または、その1または2以上のデータトークンへの引き渡しに取って代わっても良い。言い換えると、この場合、由来する患者と処置されたサンプルまたはデータトークンとの間に相関があった、または、検証された場合のみ、処置されたサンプルまたは1また2以上のトークンの最終的な引き渡しは進行しても良い。相関関係がない場合、引き渡しが妨げられる。また、これは、容器または記録を薬局または他の薬品倉庫に迅速に配送し、その後、相関があった後にのみ、必要な処方箋が記入されるとともに患者に配送されるような、薬品の注文と配送に適用されても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のいくつかの好ましい実施形態が、添付図面を参照して、単なる一例としてここで説明される。
図1は医療処置管理システムの概略図であり、図2は代替の医療処置管理システムの概略図である。
【0022】
図1は患者の処置と看護を管理するシステム10を説明するものである。より完全に以下で説明されるように、システム10は、1または2以上の機械読み取り可能なデータ「トークン」、ラベルまたはデータが、患者、または、その患者の1または2以上の処置あるいは手続き上の出来事を識別するために利用可能であるという原則に基づいている。それぞれのデータトークンは、患者を識別するため、または、患者あるいは患者から抽出したサンプルに実施される処置を識別するための十分に同等な情報を提供する。従って、患者が検査される1つの処置にかけられる場合、システムは、2つのデータトークン、すなわち患者データトークンと第1処置データトークンとを追跡する。総合して、これらのトークンは、実施される処置に対する有益な検査トレイル(audit trail)を提供する。事実、恐らく非常に頻繁に、患者は多くの処置および手順にかけられる。システム10の下では、足跡検査が、1または2以上または全ての処置および/または手順だけでなく、適切な患者と同等のデータも記録するために確立されうる。
【0023】
さらに、システム10は、正しい処置が正しい患者または患者から抽出したサンプルに行われることを確実にするために使用されても良い。その際、システム10は、患者データトークンと処置データトークンとの間の相関機能を処理するために使用されても良い。この場合、システムは、患者データトークンと処置データトークンとの間で相関関係がある時のみ、特定の処置の実施を可能にするために構成されても良い。
【0024】
前記データトークンは、多数の形式、例えば、バーコードおよびそれと同様のもののように機械的に作成されたラベルのような、多数のはっきり区別された形式で収集されても良い。代わりに、それぞれのデータトークンは、搬送波信号によって、例えば、有線または無線のデータリンクを経て、パッケージされ且つ伝送されても良い。これらのデータトークンは、ファイバーネットワーク上で伝送される光学的な搬送波上で、または、RFネットワーク上で伝送されるRF搬送波信号上で、または他の形式において伝送されても良い。データトークンは、例えば、データベース内、あるいは、メモリチップまたは磁気メモリストリップ(strip)またはハードドライブまたはそれと同様のもののような記憶装置上における、サブファイルかセクターであるデータトークン「パケット」内に保持、格納、さもなければ、保有されても良い。
【0025】
図1の前記システム10において、符号12によって示され、4つに区別される領域を有する機械読み取り可能なデータトークンパケットが存在する。それぞれの4つの領域またはセクション12a,12b,12c,12dは、セクターの1つから直接受信されるとともに格納される電子データ形式で、または、データを運ぶチップか鍵のように唯一の物理的物体かそれと同様のもののような物理的な形式で、別個の「トークン」、言い換えると、情報のパッケージを受け取るトークンビーティングセクター(token beating sector)を構成する。例えば、患者データトークンおよびデータトークンパケット12は、それ自身がリストバンド14bに配置されるRFIDチップ14a内で運ばれる。また、この場合、RFIDチップが、トークンを適切に調整されたRFID受信機に伝送可能であるので、RFIDチップはトークン転送ユニットの機能を具備する。RFIDチップは、例えば、その発明の要旨全体が引用によりここに組み込まれているmicroID(登録商標)TNI MHz RFID System Design Guide内で説明されているような、シリアル番号MCR 45XでMicrochip Technology Inc.から入手可能なアクティブまたはパッシブタイプであっても良い。
【0026】
トークン転送ユニット14は、セクター12a上の電子データとして患者データトークンを運ぶするデータトークンパケット12を受信することにより、患者に関連する患者データトークンを収集、獲得、および/または格納することが可能である。この場合、トークン転送ユニット14は、患者が医療設備に入る時にRFID書き込みユニットから患者データトークンを受信するために利用可能である。RFIDチップは、そのような電源、あるいは、太陽放射が存在する所で動作するソーラーパワージェネレータ、または、マイクロ波かRF放射が存在する所では動作する電気誘導パワージェネレータのような内部電力生成モジュールをバッテリーとすることによって、内部的または外部的に電力を供給される。電源供給の一部が外部電源への伝導経路を含んでも良い。
【0027】
前記システム10は、一般に16で示される第1処置装置と、一般に18で示される第2処置装置と、一般に20で示される第3処置装置とを具備する。このような3つの処置ユニットが説明の目的でここに示されており、システムが、必要に応じて1つの処置装置、または2つの処置装置、またはいかなる数の処置装置に適用可能であることが理解される。
【0028】
第1、第2、第3処置装置16,18,20は、それぞれ、1または2以上の注射器、IVボトル、粉、および/または、微粒子化された液体、および/または、気体吸入ディスペンサー、移植配送ディスペンサー、換気装置、シリンジポンプ、挿管チューブ、胃腸接触チューブ(gastrointestinal feeding tube)、または、複数のそれらおよび/または組み合わせを具備しても良い。また、処置装置の1つは、2000年9月に出願番号PCT/CAOO/0 1078として提出され、発明の名称をAPPARATUS AND PROCESS FOR CONDITIONING MAMMALIAN BLOODとするPCT出願で開示されているような、血液処置装置を具備しても良い。あるいは、1つの処置装置が、X線、CAT Scan、MRLおよび同様のもののような診査的なまたは診断的研究と同様に、手術のような侵襲的および非侵襲的な領域の処置、および、癌のような疾病の治療を行うために備えられても良い。
【0029】
第1、第2、第3処置装置16,18,20は、それぞれ、機械読み取り可能な第1、第2、第3処置データトークンで個々に提供される。ここで、第1処置データトークンはデータトークンパケット12のセクター12bに示され、第2処置データトークンはセクター12cに示され、第3処置データトークンはセクター12dに示される。
【0030】
第1および第3処置装置16,20は、それぞれ、データ経路22a,22cに沿って1または2以上のデータトークンをトークン転送ユニット14と交換することが可能である。任意に、第2処置装置18は、データ経路22bに沿って1または2以上のデータトークンをトークン転送ユニット14と交換することが可能である。
【0031】
第1、第2処置装置16,18は、データ経路22dに沿って1または2以上のデータトークンをお互いと交換することが可能である一方、第2、第3処置装置18,20は、データ経路22eに沿って1または2以上のデータトークンをお互いと交換することが可能である。任意に、第1、第3処置装置16,20は、データ経路22fに沿って1または2以上のデータトークンをお互いと交換することが可能である。データ経路は、お互いにはっきり区別され且つ分離されるものとして説明されるが、それらは、様々な処置装置とトークン転送ユニットの間における1または2以上の搬送波信号によって提供されるか、前述の搬送波信号内に具備されても良い。
【0032】
必要に応じて、処置装置、またはトークン転送装置、または中間装置のいずれかが、例えば、図1の16a,18a,20aに示されるように、相関ユニットを備えられることによって、処置ステップ、言い換えると、例えば発明の名称をBLOOD TREATMENT CONTROL SYSTEMとして2002年11月26日に提出された米国仮出願番号60/42 8,942に記載されているような、適合または相関関係のある処置された血液だけを患者に注射するステップを実施するために、患者データトークンと少なくとも第2処置データトークンか第3処置データトークンの内1つとの間の相関機能を行う。また、相関ユニットは、他の処置装置から分離された装置(すなわち、個別の携帯型ユニット)であっても良い。
【0033】
この場合、患者データトークンと、対応する処置データトークンとの間で相関関係があった時のみ、体液を第3処置装置から患者へ移動するステップが許可される。これは、血液処置およびその他のような手続きにおいて生死に関わることであり、ここで、処置されたサンプルを由来する患者に戻すこと(例えば、自家血液処置)は極めて重要なことである。本発明の実施形態は、この必須な安全性の特徴の提供に加えて、医療の経過、効果、治療計画の適切性、処置の頻度、支払い、有害事象等の記録のために、全体の処置行程に対する患者の処置の完全な検査トレイルを維持するために、アレンジされても良い。患者データトークンと処置データトークンとの間で間接的に相関関係が発生する場合がある。例えば、患者データトークンと第1処置データトークンとの間に相関関係があった後、第1処置データトークンと第2処置データトークンとの間において、前のデータトークンは一度、適切に検証されている。
【0034】
前記トークン転送ユニット14は、このように、第3処置装置20からデータパケット12を受信するために使用することができる。また、蓄積されたデータトークンパケットが1つの処置装置から次へ転送され、最終的にはトークン転送ユニット14に転送されることを可能にするために、トークン転送ユニット14の機能(すなわち、最初の例における患者データトークンの伝送、および、最後の例におけるデータパケット内に蓄積されたデータトークンの受信)が、それぞれの処置装置に備えられていることが理解される。しかしながら、簡潔のため、トークン転送ユニット14だけを取り扱うことにする。他方、これに関しては、例えば、トークン転送ユニット14の機能がそれぞれの処置装置に備えられているのではなく、むしろそれらの処置装置の1つまたは中間ユニットに備えられている例が挙げられても良い。
【0035】
このように、一例において、データトークンパケット12は、患者データトークンを有する第1セクター12aでトークン転送ユニット14から第1処置装置16へ転送される。データトークンパケット12は、この場合、患者データと3つの処置に対応する4つのセクターで示され、データトークンパケットは、所定の用途で使用される処置装置からのトークンを収容するのに必要な分だけの多数のセクターを含んでも良いことが理解される。妥当かどうか、相関ユニット16aが、患者データトークンと第1処置データトークンとの間における相関機能を実行するとともに、修正が行われるならば、第1処置が実施される。
【0036】
前記データトークンパケット12は、その後、対応する患者データトークンと第1処置データトークンとを運ぶセクター12a,12bで第1処置装置16から第2処置装置18へ転送され、妥当であれば、対応する相関機能が実行される。データトークンパケット12は、その後、第1、第2処置データトークンと同様に、対応する患者データトークンを運ぶセクター12a,12b,12cで第2処置装置18から第3処置装置20に転送され、妥当であれば、第2処置データトークンと患者データトークンの間における相関機能が再実行される。データトークンパケット12は、最終的に、第1、第2、第3処置データトークンと同様に、対応する患者データトークンを運ぶセクター12a,12b,12c,12dでトークン転送装置14へ転送され、妥当であれば、第3処置データトークンと患者データトークンとの間において相関機能が再実行される。この場合、データトークンパケット12内に収容されている、由来する患者と患者データトークンとの間における明白な相関関係がある場合のみ、データトークンパケット12は、トークン転送装置へ転送されても良い。
【0037】
したがって、システム10において、データトークンは、検査トレイル、または、患者または中間装置に戻ったものの記録を形成する方法で、特定の処置期間内に患者に行われる処置に関連する全ての、または、選択されたデータトークンを含むデータトークンパケットの形式で、蓄積される。例えば、データトークンパケットは、いくつかの処置期間にわたる一連の血液処置のそれぞれに対して、または、ただ一つの血液処置に対して蓄積されても良い。
【0038】
好ましくは、1または2以上の処置装置が、タイムカウントを対応する処置データトークンに関連づけることにより、処置が発生した時間を記録するために使用することができる。したがって、また、さらに、1または2以上のデータトークンは、処置時間および/または日付を示すタイムスタンプ、または、他の何らかのタイムカウントを含んでも良い。
【0039】
図2は、従来と同様に、患者が装着可能なトークン転送ユニット、第1、第2、第3処置ユニット54,56,58を具備し、これらの全ては、中間記憶ステーション60と通信可能である代替システム50を説明する。この場合、中間記憶ステーション60は、62a,62b,62c,62dとしてそれぞれ示されるように、それらの間に有線または無線データリンクを経由して、1または2以上の処置装置54,56,58からと同様にトークン転送ユニットから受信されたデータトークンを格納する書き込み可能メモリチップまたはハードドライブなどの書き込み可能媒体のような記憶部分で提供されても良い。
【0040】
中間記憶ステーション60は、中央データベース64とのデータ交換に処理可能なデータ処理ステーション60aを具備しても良い。したがって、システム50において、66として示されるデータトークンパケットは、中間記憶ステーション60内へ、または、中間記憶ステーション60により、収集され且つ格納されるが、システム10でのように、ある処置装置から他の処置装置へ通過することはない。しかしながら、システム50は、有効な検査トレイル、または、所定の処置期間における患者に行われる処置の記録を提供する。
【0041】
このように、前記データトークンが、機械読み取り可能な電子的、または図式的、または機械的、または中核的(nuclear)な形式であり、および/または搬送波を介して搬送されても良い。搬送波は、周波数変調または振幅変調または波の重ね合わせまたはその組み合わせでで伝達された信号とともに、高周波、または、マイクロ波、または、他の周波数か周波数領域の波あるいは信号を含んでも良い。また、患者データトークンは、例えば、生体センサによって提供される網膜スキャンイメージからの代表データ、または、それから抽出されたデータ、または、光学文字読取装置、または、バーコード読取装置、または、磁気ストリップ読取装置、またはそれらの組み合わせによって提供されるデータコードを含んでも良い。この場合、トークン転送ユニットは、可視または不可視周波数スペクトルで信号を放射および/または受信する信号の放射装置および/または受信装置を具備しても良い。
【0042】
1または2以上の処置装置が注射器か類似の装置である用途において、データトークンは、注射器に印刷された付加的な識別用の表示の有無に関わらず、注射器のラベルか外側の表面に埋め込まれるか印刷されても良い。
【0043】
例えば、発明の名称をDISPENSING SYSTEMSとして2003年4月23日に提出された米国仮出願番号60/464,659に示されているように、必要に応じて、患者データトークン、および、少なくとも第1または第2または第3処置データトークンのうち1つは、第1トークン転送ユニットと、第2トークン転送ユニットか第1処置装置か第2処置装置か第3処置装置のうち少なくとも1つとの間において機械的要素を互いに合わせ込んで(interfitting)も良い。
【0044】
トークン転送ユニット、あるいは、第1、第2、および/または、第3処置装置は、プログラムされたロジックコントローラまたは何らかの他の形状のコントローラを具備しても良い。中央データベースか、処置装置か、遠隔制御されまたは得られたばかりの患者データトークンデータがダウンロードされるトークン転送ユニットに対して、患者データトークンデータがアップロードされるために、ネットワーク内で動作可能な、パーソナルコンピュータか、より実質的なコンピュータメインフレームのような汎用コンピュータ上で動作するために構成されたソフトウェアプログラムが具備されても良い。その結果、ネットワークは、例えば、商標名WINDOWS(登録商標)TM、LINUXとして知られているオペレーティングシステム、またはこれらと同等の周知またはあまり知られていない他のものでプログラムされている、いくつかの汎用コンピュータ、例えば、商標名APPLE(登録商標)TMあるいはIBM(登録商標)TMとして販売されているもの、またはそのクローンを含んでも良い。前記システムは、多くの実行可能な言語を使用するプリプログラムドソフトウェア、または、商標名ACCESS(登録商標)TMとして販売されているプログラミングソフトウェアのカスタム設計バージョンあるいは類似のプログラミングソフトウェアを含んでも良い。コンピュータネットワークは、セキュリティの加味の有無、または、認証プロトコルの有無、または、「ピアツーピア」か「クライアント−サーバ」か他のネットワーク構造の配下であるか否かに関わらず、有線ローカルエリアネットワーク、または、インターネットか前述の2つの組み合わせのような広域ネットワーク(wide area network)または、その2つの組み合わせであっても良い。また、ネットワークは、無線ネットワークまたは有線および無線ネットワークの組み合わせでも良い。無線ネットワークは、802.11およびTCP/IPおよびBLUE TOOTHおよび同様のもののようなプロトコル、または、他の周知のインターネットか無線か衛星かセルパケットプロトコルを使用する、「無線周波数」あるいは「RF」と呼ばれる周波数下で動作しても良い。また、システムは、単独システムの機能専用の唯一のカスタム構造コンピュータを具備しても良い。
【0045】
システム10の動作を、以下の血液処置の例で説明する。この場合、第1処置装置16は、患者から、血液の形状で、身体物質のサンプルまたは試料を抜き出すために使用される注射器である。抜き出しステップの前、またはそのステップ中、またはそのステップ後のいずれかにおいて、トークン転送ユニット14は、患者データトークンを有し、且つ、患者識別情報を有するデータトークンパケット12を注射器16に転送する。また、患者識別情報は、リストバンド上のユニット14に保持される。また、血液試料が収集された時間を記録する第1タイムスタンプが、注射器相関ユニット16aおよびリストバンドユニット14の両方に加えられる。注射器相関ユニット16aは、最初、リストバンドユニット14aが患者ID情報をそれに読み込むまで、恐らくシステム内での使用が意図される識別子以外に、何の情報も持たない。
【0046】
次に、血液サンプルは、注射器16から血液処置装置18へ移動される一方、データトークンパケットは、注射器16から、患者データトークンと「抜き出しサンプル」データトークンとを有する血液処置装置18へ転送される。血液処置ユニット18は、本実施形態においてはRFIDリードライタである相関ユニット18aを保有する。ユニット18aは、これが確かに処置を意図されるサンプルであり、且つ、それが適切な予め決められた時間枠内にユニット18によって受け取られていることを検証するために、注射器上のユニット16aに応答させる。一旦、このことが検証されれば、注射器16は、その内容物を処置ユニット18へ引き渡すことが可能となる。患者識別情報と第1タイムスタンプとを含む、注射器ユニット16aからの全ての情報は、RFIDリードライタ18aに読み込まれ、且つ、格納される。これが加えられることで、リードライタ18a上において、処置状態情報は、予め決められた処値状態が守られていることと、処置開始時間を示す第2タイムスタンプと、処置の最後を示す時間第3タイムスタンプとを検証することを可能にする。
【0047】
また、血液抜き出しのステップは検査不要のステップとみなされても良い。その場合、データトークンパケットの転送は、データ経路22bを使用し、サンプルが移動された時間を示す第1タイムスタンプと、血液処置ステップがサンプルに実施された時間を示す第2タイムスタンプとを含み、「血液処置」データトークンと患者データトークンとの間に形成される相関関係を提供する「血液処置」データトークンを用いて、直接、トークン転送ユニット14と血液処置装置18との間において発生する。
【0048】
血液処置が完了している状態で、処置済みの血液サンプルを、血液処置装置18から第3処置ユニットを構成する第2の返却注射器20へ移動する。血液処置装置18は、患者データトークンと、(含まれているなら)「抜き出しサンプル」データトークンと、「血液処置」データトークンと共に、第2注射器20の相関ユニット20aすなわちRFIDチップへデータトークンパケット12を転送する。ここ時点で、「血液引き渡し」サンプルトークンがデータトークンパケット12に加えられる。
【0049】
その後、患者データトークンと「血液引き渡し」データトークンとの間において相関関係があると、リストバンド14とユニット20aとが患者の本人性と、適切な処置状態と、適切な時間経過を確認する場合のみ、データトークンパケット12が第2注射器20からトークン転送ユニット14へ転送されるとともに、血液サンプルが患者へ配送するために返却注射器20から排出される。全蓄積データは、トークン転送ユニット14aに記録され、それによって、トークン転送ユニット14aは処置過程の完全な検査トレイルを提供する。
【0050】
また、患者データトークンパケットは、直接的または間接的にその後の管理手順のための中央データベース、または、患者カルテかそれと同様のものが埋め込まれたメモリチップのようなローカル記憶装置に渡されても良い。
【0051】
血液処置は、血液サンプルの一部または全体に対して実行されても良く、且つ、酸化的ストレスでの血液サンプルの処置を含んでも良い。ここで、酸化的ストレスは、UV放射または熱またはそれらの組み合わせを経由するかどうかに関わらず、泡状のオゾン/酸素のガス状混合物である。
【0052】
また、血液処置装置は、患者データトークン12aと、(含まれているなら)「抜き出しサンプル」データトークン12bと、「血液処置」データトークン12cと共に、データトークンパケットを直接トークン転送ユニット14に転送し、それにより、データトークンの第2注射器20への転送を回避しても良い。また、多くの反復処置が、患者から抽出されたサンプルまたは患者に実施されることが考えられる。ここで、反復処置は、多くのサブ処置を伴っても良く、それぞれのサブ処置は、1または2以上の状態の感知、および、サブ処置中における患者かサンプルのバイタルパラメタ(または、温度、処置の激しさ、サンプルまたは患者から測定された特性のような環境状態)を含んでも良い。この場合、データトークンパケット12に蓄積されたデータは、サブ処置の結果、および、各ステップで一般に存在する状態を含んでも良い。
【0053】
更なる説明として、処置ステップは、血液密度のようなパラメタ、または、オゾンあるいは混合気体および同様のものの他の圧力密度のような処置自体のパラメタの測定の間、試料の状態の読み取りおよび試料の処置のフィードバック機能を伴っても良い。その後、フィードバック機能は、データトークンパケットがその1または2以上の反復ステップを記録する間、改善された処置を提供しても良い。
【0054】
自家血液サンプルに加えて、システム、および、そのコンポーネント、および、その代替手段が、骨髄またはリンパ液または精液か卵細胞液体(ova-fluid)混合物または他の体液または他の医学的液体のような、血液サンプル以外の自家サンプルのために使用されても良いことが理解される。ここで、自家サンプルは、「自己由来」でも良く、そうでなくても良いもの、例えば臓器、体細胞、細胞組織、皮膚細胞、皮膚サンプル、脊髄からのような、恐らく患者所望の固形サンプルを含む混合液体である。そのような全ての液体を、血液と同様に、ここで「患者素材」という用語で包含する。また、前記システムは、特定の試験の試験結果が由来する患者へ配送されることを確実にすることが重要な医学的試験に使用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】医療処置管理システムの概略図である。
【図2】代替の医療処置管理システムの概略図である。
【符号の説明】
【0056】
10 システム
12 データトークンパケット
12a,12b,12c,12d セクション
14 トークン転送ユニット
14b リストバンド
14a RFIDチップ
16 第1処置装置
16a 相関ユニット
18 第2処置装置
18a 相関ユニット
20 第3処置装置
20a 相関ユニット
22a,22b,22c,22d,22e,22f データ経路
50 システム
54 第1処置ユニット(処置装置)
56 第2処置ユニット(処置装置)
58 第3処置ユニット(処置装置)
60 中間記憶ステーション
60a データ処理ステーション
64 中央データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対する患者素材サンプルの処置を制御および記録するための方法であって、
機械読み取り可能な患者データトークンを前記患者に装着させるステップと、
第1処置装置を設置するステップと、
前記第1処置装置に機械読み取り可能な第1処置データトークンを提供するステップと、
少なくとも一つの相関ユニットを設置するステップと、
前記相関ユニットが、前記患者データトークンと前記第1処置データトークンとの間における相関機能を実行可能とするステップと、
前記患者データトークンと前記第1処置データトークンとの間で相関関係が存在した時のみ、前記処置装置が処置を実施可能とするステップと
を有する方法。
【請求項2】
第2処置装置を設置するステップと、
前記第2処置装置に機械読み取り可能な第2処置データトークンを提供するステップと、
少なくとも1つの相関ユニットを設置するステップと、
前記相関ユニットが、前記患者データトークンと少なくとも1つの前記処置データトークンとの間における相関機能を実行可能とするステップと、
前記患者データトークンと前記対応する処置データトークンとの間で相関関係が存在した時のみ、少なくとも1つの前記処置装置が対応する処置を実施可能とするステップとをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1処置装置は、医用素材のディスペンサーである請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記患者素材サンプルは、体液を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記体液を、前記第1処置装置から前記第2処置装置へ移動するステップをさらに有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2処置装置は、前記体液上に処置を実施する請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第3処置装置を設置するステップと、
前記第3処置装置に機械読み取り可能な第3処置データトークンを提供するステップとをさらに有する請求項2から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1または第2または第3処置装置は、注射器、IVボトル、
、粉、および/または、微粒子化された流動体、および/または、気体吸入ディスペンサー、移植配送ディスペンサー、換気装置、シリンジポンプ、挿管チューブ、または胃腸接触チューブ(gastrointestinal feeding tube)、または複数のそれら、および/またはそれらの組み合わせを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2処置装置による前記身体素材の処置後、前記身体素材を前記第2処置装置から前記第3処置装置へ移動するステップをさらに有する請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記相関ユニットが、前記患者データトークンと前記第3処置データトークンとの間の相関機能を実行可能とするステップと、
前記患者データトークンと、前記身体素材で前記患者と関連付けるために前記対応する処置データトークンとの間で相関関係が存在した時のみ、前記第3処置装置を開放することにより、内容物の排出を可能にするステップとをさらに有する請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
データトークンを前記第1または第2または第3処置装置あるいは、中間装置と交換するために処理可能なトークン転送ユニットを前記患者に提供するステップをさらに有する請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記患者データトークンは、前記患者を代表する表示を有する請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記データトークンは、有線または無線データリンク、またはその組み合わせ上で交換される請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記データリンクは、無線周波数信号上で確立される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記患者データトークンの表示は、少なくとも1つのバーコードを有する請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記中間装置は、中央データベースとデータを交換するために処理可能なデータ処理ステーションを有する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記患者データトークン、および、前記第1または第2または第3処置データトークンのうち少なくとも1つが、前記トークン転送ユニットと、前記第1処置装置または第2処置装置または第3処置装置のうち少なくとも1つとの間において機械的要素を互いに合わせ込む(interfitting)ことを有する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記身体素材は全血液試料を含む請求項4から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1処置装置は、前記試料を受け取る注射器であるとともに、前記第1処置データトークンは、前記注射器に印刷された識別表示を有する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第3処置装置は、第2注射器であるとともに、第3処置データトークンは、前記第2注射器に印刷された識別表示を有する請求項7から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記血液は、UVおよび酸素/オゾンおよび熱のうち少なくとも2つで同時に処置される請求項18に記載の方法。
【請求項22】
患者の処置記録を制御するための方法であって、
機械読み取り可能な患者データトークンを前記患者に関連づけるステップと、
第1処置装置に機械読み取り可能な第1処置データトークンを提供するステップと、
前記患者データトークンを前記第1処置装置に転送するステップと、
前記第1処置装置で、前記患者または患者素材サンプルのいずれかに処置を実施するステップと、
第2処置装置に機械読み取り可能な第2処置データトークンを提供するステップと、
前記患者データトークンと前記第1処置データトークンとを、前記第1処置装置から前記第2処置装置へ転送するステップと、
前記第2処置装置で、前記患者または前記患者素材サンプルのいずれかに処置を実施するステップと、
前記第2処置に続いて、前記患者データトークンと、前記第1処置データトークンと、第2処置データトークンとを記録ステーションに転送するステップと
を有する方法。
【請求項23】
患者の処置記録を制御するための方法であって、
機械読み取り可能な患者データトークンを前記患者に関連づけるステップと、
前記患者または患者素材サンプル上への1または2以上の処置を記録するために、前記患者データトークンを含む処置データパケットを形成するステップと、
第1処置装置に機械読み取り可能な第1処置データトークンを提供するステップと、
前記第1処置装置で第1処置をモニターするステップと、
前記第1処置データトークンを前記処置データパケットに加えるステップと、
第2処置装置に機械読み取り可能な第2処置データトークンを提供するステップと、
前記第2処置装置で第2処置をモニターするステップと、
前記第2処置データトークンを前記処置データパケットに加えるステップと、
前記第2処置に続いて、前記処置データパケットを記録ステーションに転送するステップと
を有する方法。
【請求項24】
前記記録ステーションは前記第1処置装置、第2処置装置、または、前記第1および第2処置装置と分離された記録装置に具備される請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記記録ステーションは、前記患者に関連づけられた装置に具備されている請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記装置は、前記患者によって装着可能である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
タイムカウントを1または2以上の前記処置と関連づけるとともに、前記タイムカウントの代表データを前記対応する1または2以上の処置データトークンに加えるステップをさらに有する請求項22−26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
患者の処置記録を制御するシステムであって、
患者データトークンを患者に関連づけるための機械読み取り可能な患者データトークン手段と、
前記患者または前記患者からの素材サンプル上に処置を実施するための少なくとも1つの処置手段と、
前記処置手段によって少なくとも1つの処置データトークンを対応する処置に関連づけるための機械読み取り可能な処置データトークン手段と、
前記処置データトークンと共に前記患者データトークンを含む処置データパケットを生成するためのデータパケット生成手段と、
を有するシステム。
【請求項29】
前記機械読み取り可能な患者データトークン手段は、前記患者に装着され、または携帯されるか体内に埋め込まれ、または患者に取り付けられるように構成される装置を具備する請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記処置手段は、第1処置装置と第2処置装置とを具備し、
前記機械読み取り可能な処置データトークン手段は、前記第1および第2処置装置によって実施されるそれぞれの処置に処置データトークンを関連づけるために処理可能である請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
患者の処置データを記録するための装置であって、患者に関連づけられている携帯装置と、患者データトークンを前記患者に関連づけるための機械読み取り可能な患者データトークン手段を有する装置と、前記患者データトークンを処置装置または中間装置に引き渡すためのフェーズ、および、それらから少なくとも1つの処置データトークンを受け取るための別のフェーズにおいて処理可能なトークン転送手段とを具備する装置。
【請求項32】
コンピュータが複数の患者素材サンプルの1または2以上の処置を制御するための、コンピュータ実行可能な複数のステップを有するコンピュータ読み取り可能な媒体内でエンコードされたコンピュータプログラム製品であって、
a)それぞれ複数の患者の1人に関連づけられている複数の患者データトークンをエンコードするステップを実行し、
b)複数の患者に、または、前記患者からの複数の素材サンプルに処置を実施するステップを実行し、
c)それぞれの処置データトークンはそれぞれの前記処置に関連づけられており、複数の処置データトークンをエンコードするステップを実行し、
d)それぞれのデータパケットは前記処置データトークンおよび前記患者データトークンを含む、または、それらから抽出されており、それぞれの前記患者に対する処置データパケットをエンコードするステップを実行し、
e)それぞれの処置データパケットを、対応する前記患者に関連づけることを含む製品。
【請求項33】
ステップe)は、前記対応する患者によって携帯されるか体内に埋め込まれ、または装着されるか取り付けられ、または前記対応する患者に関連づけられる携帯装置にそれぞれの処置データパケットを書き込むステップを含む請求項32に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−534047(P2007−534047A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540114(P2006−540114)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/CA2004/001953
【国際公開番号】WO2005/050497
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(500117576)ヴァソゲン アイルランド リミテッド (3)
【Fターム(参考)】