説明

医療器具保持装置

【課題】本発明は、医療器具を把持する姿勢や把持のしかたに左右されず、医療器具の移動、固定操作を、常に良好な状態で行え、医療器具を保持する保持部の洗浄、滅菌が容易な医療器具保持装置を提供することである。
【解決手段】把持部2bを備えた内視鏡2を着脱可能に保持するアダプタ3と、アダプタ3と接続され、複数のアーム部4a、4b、4cを関節部4d、4e、4f、4gにより連結し、屈曲可能とするアーム連結体4と、前記関節部4d、4e、4f、4gに設けられ、前記関節部4d、4e、4f、4gの固定状態と解除状態とを切り替える制動手段と、内視鏡2の把持部2bの表面の少なくとも一部を覆うようにアダプタ3に設けられ、術者の操作により内視鏡2の把持部2bに対し、接離する方向に移動可能なレバー17、18と、前記レバー17、18を内視鏡2の把持部2bに近接する方向に動かすことで、前記制動手段を解除状態に切り替え操作するスイッチユニット12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術で使用される内視鏡等の医療器具を術者に代わって保持する医療器具保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡を用いた腹腔鏡下手術では、腹腔内を観察するための内視鏡を専用の助手(以下内視鏡保持者)が保持している。手術中、術部の観察位置や、画角を変えたいときには、主術者や、共同で処置をおこなう助手からの指示により内視鏡保持者が手で内視鏡の向きを変えたり、挿入方向に進退させたりする等の操作を行っている。そのため、内視鏡保持者は、術中、内視鏡を保持し続けなければならず、大きな労力が必要になっている。さらに、手術室は手術に必要な各種医療機器や、それを操作する助手がいるため狭く、内視鏡保持者の存在は更に手術室のスペースを縮小する問題もある。
【0003】
そこで、患者の体腔内に挿入された内視鏡を内視鏡保持装置により保持し、内視鏡を主術者が直接操作できるようにて内視鏡保持者を不要にしたものが従来から開発されている。このような、内視鏡保持装置のなかで、内視鏡の予想し得ない不意な移動を防止するために、ブレーキにより内視鏡の動きを固定できるものが特許文献1や2などに開示されている。
【0004】
特許文献1には、複数のアームが連接されるとともに、複数のアーム間に関節部が配設され、先端のアームに設けられた保持部材により内視鏡が保持された構成の医療用具支持装置が記載されている。ここで、内視鏡を保持する保持部材には、アームのロック解除を行なう2つのスイッチが設けられている。各関節部内には、固定/解除可能なブレーキが設けられている。2つのスイッチを押すことにより、各関節部内のブレーキの作動が解除され、アームのロック解除が行なわれて内視鏡を移動可能にし、スイッチから手を離すと各関節部内のブレーキが作動され、内視鏡が固定されるものである。そして、内視鏡の位置を移動させる際には、術者は内視鏡を保持する保持部を握り、保持部材の2つのスイッチを押圧操作することによりアームのロック解除を行なう。これにより、各アーム間の関節部を屈曲させることにより、内視鏡を三次元的に移動させ、内視鏡付近での姿勢変更が可能になっている。
【0005】
特許文献2には、腹腔鏡手術用の硬性内視鏡を保持する内視鏡保持装置(内視鏡ホルダー)が示されている。腹腔鏡手術用の硬性内視鏡は、内視鏡保持装置(内視鏡ホルダー)に取り付けて使用される場合が一般的である。そして、内視鏡保持装置には、内視鏡の固定状態を電磁的にロック又はフリーに切り替える電気的な切り替えスイッチの切り替えるボタンが備えられている。特許文献2の保持装置は、内視鏡を保持する保持部の握り部にスイッチが設けられている。さらに、関節部内に固定/解除可能なブレーキが設けられている。そして、保持部の握り部のスイッチの切り替えるボタンを押すことにより、内視鏡を移動可能にし、スイッチの切り替えるボタンから手を離すと内視鏡が固定されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−125056号公報
【特許文献2】特開2002−191545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2のように、内視鏡を保持する保持部材に内視鏡の固定状態を電磁的にロック又はフリーに切り替える切り替えスイッチが備えられている場合には、術者が内視鏡を把持する姿勢によっては切り替えスイッチが押しにくい位置にくる等、操作性が好ましくない。
【0008】
また、切り替えスイッチは、使用時に汚れが付着する可能性の高い内視鏡の保持部の近傍に設けられるのが一般的である。このように保持部が電気的な切り替えスイッチを有している場合、使用後に保持装置の保持部を洗浄・滅菌する作業は極めて困難である。このため、実際には、保持部は滅菌されたカバー(ドレープ)をかぶせて使用されるのが一般的である。しかしながら、ドレープの上から切り替えスイッチを操作する場合は、すべりやすくスイッチの操作性は好ましくない。
【0009】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、医療器具を把持する姿勢や把持のしかたに左右されず、医療器具の移動、固定操作を、常に良好な状態で行え、医療器具を保持する保持部の洗浄、滅菌が容易な医療器具保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面の態様は、把持部を備えた医療器具を着脱可能に保持する保持部と、前記保持部と接続され、複数のアーム部を関節部により連結し、屈曲可能とするアーム連結体と、前記関節部に設けられ、前記関節部の固定状態と解除状態とを切り替える制動手段と、前記医療機器の把持部表面の少なくとも一部を覆うように前記保持部に設けられ、術者の操作により前記医療機器の把持部に対し、接離する方向に移動可能なレバーと、前記レバーを前記医療器具の把持部に近接する方向に動かすことで、前記制動手段を解除状態に切り替え操作する入力手段とを備えた医療器具保持装置である。
そして、上記構成では、入力手段の操作時には、医療機器の把持部表面の少なくとも一部を覆うように保持部に設けられたレバーを術者が把持部に対し、近接する方向に動かす操作をすることにより、制動手段を解除状態に切り替え操作する。これにより、保持装置に保持された内視鏡を三次元的に移動させる際の術者のハンドリング性を向上するようにしたものである。
【0011】
好ましくは、前記保持部は、洗浄・滅菌可能で、前記アーム連結体は、前記入力手段としての電気スイッチを備え、かつ、前記アーム連結体と前記保持部とを着脱させる着脱部と、前記アーム連結体を覆うカバー手段と、前記レバーの移動に連動し、前記入力手段を操作するレバー連動手段とを備えている。
そして、上記構成では、医療機器の把持部を覆う形でブレーキ解除のレバーを設けたため、医療機器の把持操作がそのままブレーキ解除動作になり操作性が良い。また、ブレーキ解除のレバーを滅菌可能なアダプタに設けたため、レバーを滅菌ドレープで覆って使う必要がなく、操作性が良い。さらに、アーム連結体に入力手段としての電気スイッチを備えているので、洗浄・滅菌によるスイッチの劣化が無い。その結果、スイッチを使い捨てにする必要がないため、ランニングコストを下げることができる。
【0012】
好ましくは、前記レバー連動手段は、少なくとも前記レバーの移動に連動して移動する第1の連動部材と、前記第1の連動部材の移動に連動して前記第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動し、前記入力手段を操作する第2の連動部材とから構成される。
そして、上記構成では、洗浄滅菌を行わないアーム連結体にスイッチを設け、レバーから少なくともレバーの移動に連動して移動する第1の連動部材と、第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動し、入力手段を操作する第2の連動部材とからなるレバー連動手段を介してスイッチを操作する構成としたため、洗浄・滅菌によるスイッチの劣化が無い。その結果、スイッチを使い捨てにする必要がないため、ランニングコストを下げることができる。したがって、医療器具を把持する姿勢や把持のしかたに左右されず、医療器具の移動、固定操作を、常に良好な状態で行え、医療器具を保持する保持部の洗浄、滅菌を容易にしたものである。
【0013】
好ましくは、前記第1の連動部材は、テーパー面を備え、前記第2の連動部材は、前記テーパー面と当接することで前記第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動する。
そして、上記構成では、レバーの操作時には、レバーの移動に連動して第1の連動部材が移動し、この第1の連動部材のテーパー面と第2の連動部材が当接することで、第2の連動部材は、第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動するようにしたものである。
【0014】
好ましくは、前記医療器具は、内視鏡である。
そして、上記構成では、入力手段の操作時には、内視鏡の把持部表面の少なくとも一部を覆うように保持部に設けられたレバーを術者が把持部に対し、近接する方向に動かす操作をすることにより、制動手段を解除状態に切り替え操作する。これにより、保持装置に保持された内視鏡を三次元的に移動させる際の術者のハンドリング性を向上するようにしたものである。
【0015】
好ましくは、前記医療器具は、超音波プローブである。
そして、上記構成では、入力手段の操作時には、超音波プローブの把持部表面の少なくとも一部を覆うように保持部に設けられたレバーを術者が把持部に対し、近接する方向に動かす操作をすることにより、制動手段を解除状態に切り替え操作する。これにより、保持装置に保持された超音波プローブを三次元的に移動させる際の術者のハンドリング性を向上するようにしたものである。
【0016】
本発明の他の局面の態様は、医療器具を着脱可能に保持する保持部と、前記保持部と接続され、複数のアーム部を関節部により連結し、屈曲可能とするアーム連結体と、前記医療器具に対し、前記関節部の位置から離れた位置に配置され、前記伝達手段の固定状態と解除状態とを切り替える制動手段と、前記関節部の回転を前記制動手段に伝達する伝達手段とを備えた医療器具保持装置である。
そして、上記構成では、関節部の固定用ブレーキを医療器具から離れた位置に配置し、関節部の回転を伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0017】
好ましくは、前記伝達手段は、少なくとも2つの回転体間を変形可能に伝達する帯状伝達手段である。
そして、上記構成では、関節部の回転を帯状伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0018】
好ましくは、前記回転体は、プーリーである。
そして、上記構成では、関節部の回転をプーリーとベルトの組合せからなる伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0019】
好ましくは、前記回転体は、スプロケットである。
そして、上記構成では、関節部の回転をスプロケットとチェーンの組合せからなる伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0020】
好ましくは、前記帯状伝達手段は、ベルトである。
そして、上記構成では、関節部の回転をプーリーとベルトの組合せからなる伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0021】
好ましくは、前記帯状伝達手段は、ワイヤーである。
そして、上記構成では、関節部の回転をワイヤーからなる帯状伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0022】
好ましくは、前記帯状伝達手段は、チェーンである。
そして、上記構成では、関節部の回転をチェーンである帯状伝達手段によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0023】
好ましくは、前記伝達手段は、ギアである。
そして、上記構成では、関節部の回転をギアなどの歯車機構によりブレーキまで伝達するようにしている。そのため、医療器具の周辺の関節部を小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、医療器具を把持する姿勢や把持のしかたに左右されず、医療器具の移動、固定操作を、常に良好な状態で行え、医療器具を保持する保持部の洗浄、滅菌が容易な医療器具保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡保持装置の全体の概略構成を示す側面図。
【図2】第1の実施の形態の内視鏡保持装置のアダプタと内視鏡との連結部分を示す要部の縦断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の内視鏡保持装置のアダプタと内視鏡との連結部分を示す要部の縦断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示し、(A)は内視鏡保持装置のアダプタと内視鏡との連結部分を示す要部の縦断面図、(B)は回転伝達手段を示す平面図。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示し、(A)は内視鏡保持装置のアダプタと内視鏡との連結部分を示す要部の縦断面図、(B)は回転伝達手段を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1の実施の形態]
(構成)
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態を示す。図1において符号1は医療器具保持装置としての内視鏡保持装置、符号2は患者を処置、観察するための医療器具としての内視鏡である。内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部2aと、術者が把持するための把持部2bとを備えるとともに、図示しないCCD等を内蔵し、体腔内の画像を図示しないモニター等に表示する装置である。
【0027】
内視鏡保持装置1は、前記内視鏡2を保持する保持部としてのアダプタ3と、前記アダプタ3と接続した複数のアームを関節部により連結し、屈曲可能としたアーム連結体4と、べース5とから構成されている。前記べース5の底面には、移動用の複数のキャスター6が設けられている。
【0028】
アーム連結体4は、以下に述べる複数、本実施の形態では3つのアーム(4a、4b、4c)と、4つの関節部(4d、4e、4f、4g)とから構成されている。すなわち、第1アーム4a、第2アーム4b、および垂直アーム4c、前記アダプタ3と第1アーム4aとの間の関節部4d、第1アーム4aと第2アーム4bとの間の関節部4e、第2アーム4bと垂直アーム4cとの間の関節部4f、垂直アーム4cとべース5との間の関節部4gより構成され、各関節部は回転自在に結合している。各関節部には図示しない電磁石の吸引力やエアーの圧力により自在にロック/フリー(関節部の固定状態と解除状態とを切り替えること)が可能な制動手段としてのブレーキが設けられている。また、前記第2アーム4bには、垂直アーム4cとの連結部側の端部に前記内視鏡2〜第2アーム4bまでの重量を相殺するバランス錘4hが設けられている。
【0029】
内視鏡保持装置1は手術室内で使用するため清潔に保つ必要がある。アーム連結体4は、カバー手段としての滅菌ドレープ7で覆われている。アーム連結体4は、ブレーキ等を内蔵するために洗浄や滅菌をし難いが、滅菌ドレープ7で、アーム連結体4を覆うことで、これを清潔に保つようにしている。尚、内視鏡2やアダプタ3は洗浄や滅菌が可能に構成されている。
【0030】
図2は、内視鏡保持装置1のアダプタ3と内視鏡2との連結部分の付近の詳細を示す図である。アダプタ3は、内視鏡2と連結される筒状の内視鏡取付け部3aと、第1アーム4aとの間の関節部4dに連結されるアーム取付け部3bとを有する。アーム取付け部3bには、フランジ部3b1が設けられている。
【0031】
関節部4dは、アーム4aに固定された軸受10と、この軸受10によりアーム4aに対しアーム4aと直交する方向の回転軸心を中心とする軸回り方向に回転自在に支持されている軸9とを有する。軸9の端面には、凹陥状のアダプタ取付け部9aが形成されている。軸9の端部の外周面には、雄ねじ部9bが形成されている。この雄ねじ部9bには、アダプタ固定リング11の雌ねじ部11aが着脱自在に螺着されるようになっている。そして、図2に示すように軸9のアダプタ取付け部9aに前記フランジ部3b1が挿入された状態で、リング11の雌ねじ部11aを雄ねじ部9bにねじ込むことでアダプタ3のフランジ部3b1が関節部4dに着脱自在に連結される着脱部を構成している。これにより、アダプタ3は、関節部4dの軸受10によりアーム4aに対し回転自在に支持されている。
【0032】
内視鏡取付け部3aには、前記内視鏡2の挿入部2aが挿入される挿入穴3a1の周壁部に挿入穴3a1と直交する方向に内視鏡固定用のねじ穴3a2が形成されている。このねじ穴3a2には、内視鏡固定ねじ8が螺挿される。そして、内視鏡取付け部3aの挿入穴3a1内に内視鏡2の挿入部2aが挿入された状態で、ねじ穴3a2に螺挿される内視鏡固定ねじ8により内視鏡2の挿入部2aがアダプタ3に固定されている。
【0033】
さらに、アダプタ3には、内視鏡取付け部3aにおける把持部2bと連結部側の端部外周面にスイッチ取付け部3eと、2つのレバー支持部3c、3dとが設けられている。スイッチ取付け部3eには、入力手段としてのスイッチユニット12が設けられている。スイッチユニット12は、アダプタ3のスイッチ取付け部3eへ取付け可能な取付け部12aと、2つの押しボタンスイッチ13、14と、ケーブル15と、コネクタ16とを備えている。2つの押しボタンスイッチ13、14は、アダプタ3のスイッチ取付け部3eの外周面の周方向に180°離れた位置に配置されている。2つのレバー支持部3c、3dは、2つの押しボタンスイッチ13、14と対応する位置にそれぞれ配置されている。
【0034】
2つの押しボタンスイッチ13、14は、前記ブレーキのロック/フリーを切り替え操作する入力手段である。2つの押しボタンスイッチ13、14は、ケーブル15の一端に接続されている。ケーブル15の他端には、コネクタ16が接続されている。前記コネクタ16は、図示しないブレーキ制御部に接続されている。
【0035】
このブレーキ制御部は、2つの押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報を受けて関節部4d、4e、4f、4g内の図示しないブレーキを制御するものである。2つの押しボタンスイッチ13、14が押されている時には、ブレーキを解除して関節部4d、4e、4f、4gを移動可能な状態に切替え制御する。2つの押しボタンスイッチ13、14が押されていない時には、ブレーキを固定して関節部4d、4e、4f、4gを動かなくする状態に切替え制御を行うものである。また、前記スイッチユニット12は、予め滅菌状態で包装され、手術で使用した後は廃棄する使い捨て品となっている。
【0036】
アダプタ3には、前記スイッチユニット12の外側に、2つの押しボタンスイッチ13、14を押し込み操作可能な2つのレバー17、18が、内視鏡2の把持部2bを覆うように配置されている。2つのレバー17、18の各一端部は、アダプタ3のレバー支持部3c、3dに対して軸3c1、3d1を介してそれぞれ軸3c1、3d1の軸周り方向に回転可能に支持されている。
【0037】
前記レバー17、18は、常時(外力が無い場合)は図示しないバネにより内視鏡把持部2bから離れる方向(図2中で矢印B方向)に付勢されている。外力が無い場合には、レバー17、18は、内視鏡把持部2bから離れた離間位置で保持され、押しボタンスイッチ13、14を押さない構成となっている。そして、レバー17、18へ前記把持部2bを握るような把持部2bに近接する方向(図2中で矢印A方向)の力を加えた場合は、前記レバー17、18は内視鏡把持部2bに近づくよう移動し、押しボタンスイッチ13、14を押す構成となっている。
【0038】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡保持装置1の使用時には、まず、図1に示すように関節部4dから関節部4f近傍までを滅菌ドレープ7を用いて覆う。
【0039】
次に、図2に示すように、予め滅菌したアダプタ3をリング11の雌ねじ部11aを雄ねじ部9bにねじ込むことにより、アダプタ3とアーム連結体4とを連結する。その後、滅菌状態で包装されたスイッチユニット12を包装材から取り出し、その取付け部12aをスイッチ取付け部3eに差し込むことで、スイッチユニット12をアダプタ3に接続する。尚、コネクタ16は予め図示しないブレーキ制御部に接続しておく。
【0040】
続いて、予め滅菌された内視鏡2の挿入部2aを内視鏡取付け部3aに挿入し、固定ねじ8を締めることで、内視鏡2をアダプタ3に接続する。以上の接続作業において、内視鏡2と、アダプタ3と、滅菌ドレープ7で覆われた範囲のアーム連結体4とは清潔に保たれている。
【0041】
その後、まず内視鏡2を動かしたい時には、前記レバー17、18越しに内視鏡2の把持部2bを握る。すると、前記レバー17、18は把持部2bに近づく方向(図2中でA方向)に動き、押しボタンスイッチ13、14を押す。このとき、2つの押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報はケーブル15、コネクタ16を介して図示しないブレーキ制御部へ伝達される。ブレーキ制御部は、押しボタンスイッチ13、14が押された情報を受けて、関節部4d、4e、4f、4g内の図示しないブレーキを解除する。この状態で各関節部4d、4e、4f、4gが移動可能になり、内視鏡2の位置を自由に動かすことができるようになる。
【0042】
次に、内視鏡2を固定したい時は、前記レバー17、18越しに内視鏡2の把持部2bを握っていた手を緩める。すると、図示しないバネの付勢力により、前記レバー17、18は把持部2bから離れる方向(図2中でB方向)に動き、押しボタンスイッチ13、14を押さない位置まで移動する。このとき、2つの押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報は先に述べたように図示しないブレーキ制御部へ伝達される。ブレーキ制御部は、押しボタンスイッチ13、14が押されていない位置に切替えられた情報を受けて、関節部4d、4e、4f、4g内の図示しないブレーキを固定する。この状態で各関節部4d、4e、4f、4gが固定され、内視鏡2が固定される。
【0043】
手術が終わった後は、固定ねじ8を緩めて内視鏡2をアダプタ3から取り外し、次いでスイッチユニット12をアダプタ3から取り外す。その後、リング11を緩めてアダプタ3をアーム連結体4から取り外す。最後に、ドレープ7をアーム連結体4から取り外す。再利用する内視鏡2とアダプタ3については消毒・滅菌に投入する。
【0044】
新たに手術を行う場合は、新品のドレープ7とスイッチユニット12、および滅菌済の内視鏡2、アダプタ3を準備して本説明の最初からの操作を行う。
【0045】
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡保持装置1では、内視鏡2の把持部2bを覆う形でブレーキ解除の2つのレバー17、18を設けたため、内視鏡2の把持操作がそのままブレーキ解除動作になり操作性が良い。また、ブレーキ解除の2つのレバー17、18を滅菌可能なアダプタ3に設けたため、2つのレバー17、18を滅菌ドレープ7で覆って使う必要がなく、操作性が良い。したがって、内視鏡2を把持する姿勢や把持のしかたに左右されず、内視鏡2の移動、固定操作を、常に良好な状態で行え、内視鏡2を保持するアダプタ3の洗浄、滅菌が容易な医療器具保持装置を提供することができる。
【0046】
尚、本実施形態では2つの押しボタンスイッチ13、14とブレーキ解除レバー17、18とを設けた例を示したがこれに限らず、1つでも3つ以上の組み合わせでも良い。また、保持する医療器具も内視鏡以外、例えば超音波プローブ等の処置具でも同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0047】
[第2の実施の形態]
(構成)
図3は、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1および図2参照)の内視鏡保持装置1の構成を次の通り変更した本実施の形態の内視鏡保持装置21を設けた変形例である。
【0048】
すなわち、本実施の形態の内視鏡保持装置21では洗浄や滅菌による劣化を防止するために、第1の実施の形態の押しボタンスイッチ13、14の設置位置を、洗浄滅菌を行うアダプタ3から、洗浄滅菌を行わないアーム連結体23(図1のアーム連結体4に対応)に移した押しボタンスイッチ38を設けている。さらに、アーム連結体23内に配置した押しボタンスイッチ38を内視鏡2の把持部2bを覆うように配置されている2つのレバー31、32から操作するためのレバー連動手段を設けたものである。尚、上記以外の第1の実施形態と同じ部分については図1および図2と同一の番号を付してその説明を割愛する。
【0049】
図3は、本実施の形態の内視鏡保持装置21のアダプタ22と内視鏡2との連結部分の付近の詳細を示す図である。本実施の形態のアダプタ22は、内視鏡2と連結される筒状の内視鏡取付け部22aと、アーム連結体23との間の関節部23dに連結されるアーム取付け部22bとを有する。アーム取付け部22bには、フランジ部22b1が設けられている。
【0050】
内視鏡取付け部22aには、前記内視鏡2の挿入部2aが挿入される挿入穴22a1の周壁部に挿入穴22a1と直交する方向に内視鏡固定用のねじ穴22a2が形成されている。このねじ穴22a2には、内視鏡固定ねじ8が螺挿される。そして、内視鏡取付け部22aの挿入穴22a1内に内視鏡2の挿入部2aが挿入された状態で、ねじ穴22a2に螺挿される内視鏡固定ねじ8により内視鏡2の挿入部2aがアダプタ22に固定されている。
【0051】
さらに、アダプタ22には、内視鏡取付け部22aにおける把持部2bとの連結部側の端部外周面にスイッチ操作用の第1のスライダ(第1の連動部材)33と、2つのレバー支持部22c、22dとが設けられている。2つのレバー支持部22c、22dは、アダプタ22の外周面の周方向に180°離れた位置に配置されている。
【0052】
内視鏡2の把持部2bの両側には、レバー31、32が内視鏡2の把持部2bを覆うように配置されている。レバー31、32の各一端部は、レバー支持部22c、22dに対して軸22c1、22d1を介してそれぞれ前記アダプタ22の軸22c1、22d1の軸周りに回転可能に支持されている。
【0053】
前記レバー31、32は、常時(外力が無い場合)は図示しないバネにより内視鏡把持部2bから離れる方向(図3中で矢印B方向)に付勢されている。外力が無い場合には、レバー31、32は、内視鏡把持部2bから離れた離間位置で保持される。そして、レバー31、32へ前記把持部2bを握るような把持部2bに近接する方向(図3中で矢印A方向)の力を加えた場合は、前記レバー31、32は内視鏡把持部2bに近づくよう移動する構成となっている。
【0054】
アダプタ22の内視鏡取付け部22aの外周面には、前記第1のスライダ33をアダプタ22の挿入穴22a1の軸方向と同方向、すなわち図3中で左右方向(矢印C、D方向)に移動可能に支持するガイド部22eが設けられている。そして、前記第1のスライダ33は、内視鏡取付け部22aのガイド部22eに沿ってアダプタ22の挿入穴22a1の軸方向と同方向に移動可能に支持されている。
【0055】
前記第1のスライダ33には、内視鏡2の挿入部2aの先端側(図3中で左側)に向けて先細状のテーパー面33aが設けられている。前記第1のスライダ33は、バネ36により矢印D方向(図3中で右方向)に付勢されている。これにより、第1のスライダ33は、レバー31、32の端部31a、32aに当接された状態で保持されている。
【0056】
また、本実施の形態の内視鏡保持装置21には、アーム連結体23におけるアダプタ22の近傍の関節部23dに制動手段としての無励磁型の電磁ブレーキ29が設けられている。ここで、関節部23dは、アーム23aに固定された軸受25、26と、これらの軸受25、26によりアーム23aに対しアーム23aと直交する方向の回転軸心を中心とする軸回り方向に回転自在に支持されている軸24とを有する。軸24の端面(図3中で上端面)には、凹陥状のアダプタ取付け部24aが形成されている。軸24の端部の外周面には、雄ねじ部24bが形成されている。この雄ねじ部24bには、アダプタ固定リング11の雌ねじ部11aが着脱自在に螺着されるようになっている。そして、図3に示すように軸24のアダプタ取付け部24aに前記フランジ部22b1が挿入された状態で、リング11の雌ねじ部11aを雄ねじ部24bにねじ込むことでアダプタ22のフランジ部22b1が関節部23dに着脱自在に連結される着脱部を構成している。これにより、アダプタ22は、関節部23dの軸受25、26によりアーム23aに対し回転自在に支持されている。
【0057】
また、関節部23dの軸24の他端面(図3中で下端面)24cには、電磁ブレーキ取り付け用のフランジ27がビス28により固定されている。前記電磁ブレーキ29は、板バネ29aと、アーマチュア29bと、ステータ29cとを有する。ステータ29cは、図示しない永久磁石と内部コイルとを内蔵している。
【0058】
ここで、ステータ29cは、ビス30によりアーム23aと固定されている。さらに、アーマチュア29bは、フランジ27に板バネ29aを介して軸24の軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、ステータ29cは、非通電時には永久磁石の磁力でアーマチュア29bを吸引固定し、通電時に図示しない内部コイルにより発生する磁界により永久磁石の磁力を相殺し、アーマチュア29bの吸引を解除する。
【0059】
また、前記押しボタンスイッチ38は、アーム23aにおける軸受25、26の回転中心位置と対応する位置でフランジ27と離間対向する位置に配置され、アーム23aに固定されている。前記押しボタンスイッチ38は、図示しないケーブルやコネクタを介し図示しないブレーキ制御部と接続されている。
【0060】
前記ブレーキ制御部は、前記押しボタンスイッチ38からの出力信号による情報を受けて、前記ブレーキ29や図示しない他の関節のブレーキを制御するものである。そして、押しボタンスイッチ38が押されている時は前記ブレーキ29や図示しない他のブレーキへの通電を行うことでこれらを解除する状態に切替え制御する。また、押しボタンスイッチ38が押されていない時はブレーキへの通電を行わないことでこれらを固定する状態に切替え制御するものである。
【0061】
また、アダプタ22には、第1のスライダ33の移動方向と直交する方向に向けて延設されたガイド穴22fが形成されている。さらに、関節部23dの軸24の軸心部には、第1のスライダ33の移動方向と直交する方向に向けて延設されたガイド穴24dが形成されている。アダプタ22のガイド穴22fには、軸状の第2のスライダ34が図3中で上下方向(矢印F、E方向)に直線移動可能に支持されている。同様に、軸24のガイド穴24dには、軸状の第3のスライダ35が図3中で上下方向(矢印H、G方向)に直線移動可能に支持されている。これにより、第2のスライダ34および第3のスライダ35によって前記第1のスライダ33と直交する方向に動く第2の連動部材が形成されている。
【0062】
前記レバー31、32の端部31a、32aは、前記第1のスライダ33と接触している。また、前記第1のスライダ33のテーパー面33aは、第2のスライダ34の一端部(上端部)と、第2のスライダ34の他端部(下端部)は、第3のスライダ35の一端部(上端部)のフランジ35aとそれぞれ接触している。ここで、第3のスライダ35の他端部(下端部)は、入力手段としての押しボタンスイッチ38に対向している。
【0063】
さらに、軸24の軸心部には、ガイド穴24dよりも大径な収納部24eが形成されている。この収納部24e内には、前記第3のスライダ35のフランジ35aを図3中で上方向に付勢するバネ37が収納されている。このバネ37によりフランジ35aを図3中で上方向に付勢することにより、前記第3のスライダ35は、押しボタンスイッチ38から離れる方向(図3中で、矢印H方向)に付勢されている。
【0064】
そして、前記第1のスライダ33、第2のスライダ34および第3のスライダ35は、レバー31、32の移動に連動し、前記押しボタンスイッチ38を操作するレバー連動手段を構成している。
【0065】
前記レバー31、32は、常時(外力が無い場合)は、図示しないバネにより内視鏡把持部2bから離れる方向(図3中で矢印B方向)に付勢され、レバー31、32は、内視鏡把持部2bから離れた離間位置で保持される。このとき、第1のスライダ33は、バネ36により矢印D方向(図3中で右方向)に付勢され、第3のスライダ35は、バネ37により押しボタンスイッチ38から離れる方向(図3中で、矢印H方向)に付勢されている。このように、レバー31、32への外力が無い場合においては、前記押しボタンスイッチ38は、第3のスライダ35で押されない位置関係に設定されている。
【0066】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡保持装置21の使用時には、まず、図3に示すように関節部23dから他の図示しない関節部までを滅菌ドレープ7を用いて覆う。その後、予め滅菌したアダプタ22をリング11の雌ねじ部11aを雄ねじ部24bにねじ込むことにより、アダプタ22とアーム連結体23を連結する。この連結において、アダプタ22の第2のスライダ34がアーム連結体23の第3のスライダ35のフランジ35aに当接する。
【0067】
そして、予め滅菌された内視鏡2の挿入部2aを内視鏡取付け部22aに挿入し、固定ねじ8を締めることで、内視鏡2をアダプタ22に接続する。以上の接続において、内視鏡2、アダプタ22、滅菌ドレープ7で覆われた範囲のアーム連結体23は清潔に保たれている。
【0068】
その後、まず内視鏡2を動かしたい時には、前記レバー31、32越しに内視鏡2の把持部2bを握る。すると、前記レバー31、32は把持部2bに近づく方向(図3中で矢印A方向)に動くとともに、レバー31、32の端部31a、32aは前記第1のスライダ33をバネ36に抗して図3中で左方向(矢印C方向)に押す。このとき、第1のスライダ33のテーパー面33aはアダプタ22の第2のスライダ34を図3中で下方向(矢印E方向)に押し、アダプタ22の第2のスライダ34は第3のスライダ35のフランジ35aを図3中で下方向(矢印G方向)に押す。これにより、第3のスライダ35は押しボタンスイッチ38を押す。
【0069】
このとき、押しボタンスイッチ38からの出力信号による情報は図示しないブレーキ制御部へ伝達される。前記ブレーキ制御部は、前記押しボタンスイッチ38からの出力信号による情報を受けて、前記ブレーキ29や図示しない他の関節のブレーキに通電し、固定解除する。この状態で各関節部が移動可能になり、内視鏡2の位置を動かすことができるようになる。
【0070】
次に、内視鏡2を固定したい時は、前記レバー31、32越しに内視鏡2の把持部2bを握っていた手を緩める。すると、前記レバー31、32は、図示しないバネの付勢力により、把持部2bから離れる方向(図2中でB方向)に動き、レバー31、32の端部31a、31bも図3中で右方向(矢印D方向)に退避する。このとき、第1のスライダ33は、レバー31、32の端部31a、31bが退避することで、バネ36の付勢力により図3中で右方向(矢印D方向)に動き、テーパー面33aも図3中で右方向(矢印D方向)および上方向(矢印F方向)に退避する。
【0071】
そして、第3のスライダ35および第2のスライダ34は、テーパー面33aがF方向に退避することで、バネ37の付勢力によりにH方向、F方向に動き、第3のスライダ35は押しボタンスイッチ38を押さなくなる。このとき、押しボタンスイッチ38からの出力信号による情報は図示しないブレーキ制御部へ伝達される。前記ブレーキ制御部は、前記押しボタンスイッチ38からの出力信号による情報を受けて、前記ブレーキ29や図示しない他の関節のブレーキに通電を止め固定する。この状態で各関節部が固定され、内視鏡2の位置が固定される。
【0072】
手術が終わった後は、固定ねじ8を緩めて内視鏡2をアダプタ22から取り外す。そして、リング11を緩めてアダプタ22をアーム連結体23から取り外す。最後に、ドレープ7をアーム連結体23から取り外す。再利用する内視鏡2とアダプタ22については消毒・滅菌に投入する。
【0073】
新たに手術を行う場合は、新品のドレープ7、および滅菌済の内視鏡2、アダプタ22を準備して本説明の最初からの操作を行う。
【0074】
(効果)
そこで、本実施の形態では第1実施形態の効果に加え、洗浄滅菌を行わないアーム連結体23に押しボタンスイッチ38を設け、レバー31、32からレバー連動手段を介して押しボタンスイッチ38を操作する構成としたため、洗浄・滅菌によるスイッチ38の劣化が無い。その結果、押しボタンスイッチ38を使い捨てにする必要がないため、ランニングコストを下げることができる。
【0075】
[第3の実施の形態]
(構成)
図4(A),(B)は、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態(図1および図2参照)の内視鏡保持装置1の変形例である。本実施の形態では、医療器具を保持するアダプタの近傍(先端部)の関節部を小型軽量化するために、この関節部の固定用ブレーキをこの関節部内や近傍ではなく関節部よりも遠位の場所、例えばアームの基端側に配置する。さらに、アダプタの近傍の関節部の回転をアームの基端側に配置したブレーキまで伝達する伝達手段を設けている。尚、上記以外の第1の実施形態と同じ部分については同一番号を付し説明を割愛する。
【0076】
図4(A)は、本実施の形態の内視鏡保持装置41のアダプタ3と内視鏡2との連結部分の付近の詳細を示す図である。本実施の形態のアーム連結体42(図1のアーム連結体4に対応)におけるアダプタ3の近傍の関節部42dは、アーム42aに固定された軸受44,45と、これらの軸受44,45によりアーム42aに対しアーム42aと直交する方向の回転軸心を中心とする軸回り方向に回転自在に支持されている軸43とを有する。軸43の図4(A)中で上端面には、凹陥状のアダプタ取付け部43aが形成されている。軸43の端部の外周面には、雄ねじ部43bが形成されている。この雄ねじ部43bには、アダプタ固定リング11の雌ねじ部11aが着脱自在に螺着されるようになっている。そして、図4(A)に示すように軸43のアダプタ取付け部43aにアダプタ3のフランジ部3b1が挿入された状態で、リング11の雌ねじ部11aを雄ねじ部43bにねじ込むことでアダプタ3のフランジ部3b1が関節部42dに着脱自在に連結される着脱部を構成している。これにより、アダプタ3は、関節部42dの軸受44,45によりアーム42aに対し回転自在に支持されている。
【0077】
軸43の図4(A)中で下端43cには、回転体としての第1のプーリー46がビス47により固定されている。また、アーム42aの先端部にはアダプタ3が配置されているのに対し、アダプタ3に対し関節部42dよりも遠位の位置、例えばアーム42aの基端部側にはブレーキ収納部48が配設されている。
【0078】
ブレーキ収納部48は、回転体としての第2のプーリー52と、制動手段としての無励磁型の電磁ブレーキ55とを有する。ブレーキ収納部48内には、関節部42dの軸43と平行に軸49が配置されている。軸49は、例えばブレーキ収納部48のケーシングの固定壁に固定された軸受50、51によりアーム42aに対し回転可能に支持されている。
【0079】
軸49の上端部には、フランジ49aを備えるとともに、軸49の下端部には、前記第2のプーリー52がビス53により固定されている。ここで、図4(B)に示すように第1のプーリー46と第2のプーリー52との間は、帯状伝達手段としての無端状のベルト54により連結されている。これにより、第1のプーリー46が回転するとベルト54を介し第2のプーリー52が回転する伝達手段57を構成している。
【0080】
前記電磁ブレーキ55は、板バネ55aと、アーマチュア55bと、ステータ55cとを有する。ステータ55cは、図示しない永久磁石と内部コイルとを内蔵している。ここで、ステータ55cは、ビス56により例えばブレーキ収納部48のケーシングの固定壁に固定されている。さらに、アーマチュア55bは、軸49のフランジ49aに板バネ55aを介して軸49の軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、ステータ55cは、非通電時には永久磁石の磁力でアーマチュア55bを吸引固定し、通電時に図示しない内部コイルにより発生する磁界により永久磁石の磁力を相殺し、アーマチュア55bの吸引を解除する。
【0081】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡保持装置41に予めセットされた内視鏡2を動かしたい時には、前記レバー17、18越しに内視鏡2の把持部2bを握る。すると、前記レバー17、18は、押しボタンスイッチ13、14を押す。このとき、押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報はケーブル15、コネクタ16を介して図示しないブレーキ制御部へ伝達される。
【0082】
ブレーキ制御部は、押しボタンスイッチ13、14が押された情報を受けて、収納部48内のブレーキ55に通電する。これにより、ステータ55cは、アーマチュア55bの吸引を解除する。そのため、収納部48内に固定されたステータ55cからアーマチュア55bが切り離されることより、板バネ55a、軸49を介してアーマチュア55bと接続された第2のプーリー52は、回転自在になる。このとき、第2のプーリー52とベルト54を介して連結した第1のプーリー46も回転可能となり、これに接続された軸43やアダプタ3を含む関節部42dまわりの固定が解除される。以上のように関節部42dが移動可能になることで、内視鏡2の位置を動かすことができるようになる。
【0083】
次に、内視鏡2の位置を固定したい時は、前記レバー17、18越しに内視鏡2の把持部2bを握っていた手を緩める。すると、図示しないバネの付勢力により、前記レバー17、18は押しボタンスイッチ13、14を押さない位置まで移動する。この押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報は、先に述べたように図示しないブレーキ制御部へ伝達される。ブレーキ制御部は、押しボタンスイッチ13、14が押されていない情報を受けて、収納部48内のブレーキ55への通電を中止する。すると、永久磁石の磁力を相殺していた磁界がなくなるため元々の永久磁石の磁力が働き、ステータ55cはアーマチュア55bを吸着する。
【0084】
収納部48内に固定されたステータ55cにアーマチュア55bが吸着されることより、板バネ55a、軸49を介してアーマチュア55bと接続された第2のプーリー52も、回転不能になる。また、第2のプーリー52とベルト54を介して連結した第1のプーリー46も回転不能となり、これに接続された軸43やアダプタ3を含む関節部42dまわりが固定される。以上のように、関節部42dが固定されることで、内視鏡2の位置が固定される。
【0085】
本実施形態では、アダプタ3の近傍の関節部42dについてのみ説明したが、他の関節部についても同様に構成できる。また、本実施形態では第1のプーリー46、第2のプーリー52およびベルト54から伝達手段57を構成したが、これに限らずプーリーとワイヤーの組合せで伝達手段を構成しても良いし、スプロケットとチェーンの組合せ等でも良い。尚、電磁ブレーキ55を収納する収納部48についても、アーム42a上の任意の位置に設けてもよいし、他の関節部内に設けても良い。
【0086】
(効果)
そこで、本実施の形態では第1実施形態の効果に加え、関節部42dの固定用の電磁ブレーキ55を医療器具である内視鏡2から離れた位置、例えばアーム42aの基端部側に配置し、関節部42dの回転を伝達手段57によりブレーキ55まで伝達するようにしている。そのため、医療器具である内視鏡2の周辺の関節部42dを小型軽量化でき、手術の妨げにならないよう構成できる。
【0087】
[第4の実施の形態]
(構成)
図5(A),(B)は、本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態は第3の実施の形態(図4参照)の内視鏡保持装置41の変形例である。第3の実施の形態の内視鏡保持装置41では、プーリーとベルトの組合せからなる伝達手段を示したが、本実施の形態では、これに代えて歯車同士による伝達手段に変更したものである。なお、これ以外の部分は第3の実施の形態の内視鏡保持装置41と同一構成になっており、第3の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0088】
図5(A)は、本実施の形態の内視鏡保持装置61のアダプタ3と内視鏡2との連結部分の付近の詳細を示す図である。本実施の形態の内視鏡保持装置61のアーム連結体62(第3の実施の形態のアーム連結体42に対応)のアダプタ3の近傍の関節部62dは、アーム62aに固定された軸受44,45と、これらの軸受44,45によりアーム42aに対しアーム62aと直交する方向の回転軸心を中心とする軸回り方向に回転自在に支持されている軸43とを有する。軸43は、軸受44、45によりアーム62aに対し回転自在に支持されている。第3の実施の形態と同様に、軸43の上端部のアダプタ取付け部43aには、アダプタ3のフランジ部3b1が挿入され、雄ねじ部43bにリング11の雌ねじ部11aがねじ込まれることでアダプタ3が軸43に着脱自在に連結される構成になっている。
【0089】
軸43の下端部には、第1の歯車63がビス64により固定されている。また、第3の実施の形態と同様に、アーム62aの先端部にはアダプタ3が配置されているのに対し、アダプタ3に対し関節部42dよりも遠位の位置、例えばアーム62aの基端部側にはブレーキ収納部65(第3の実施の形態のブレーキ収納部48に対応)が配設されている。
【0090】
ブレーキ収納部65は、制動手段としての無励磁型の電磁ブレーキ55を有する。ブレーキ収納部65内には、関節部62dの軸43と平行に軸49が配置されている。軸49は、例えばブレーキ収納部65のケーシングの固定壁に固定された軸受50、51によりアーム62aに対し回転可能に支持されている。
【0091】
軸49の上端部は、フランジ49aを備えるとともに、軸49の下端部には第2の歯車66がビス67により固定されている。ここで、前記第1の歯車63と第2の歯車66との間には、複数、本実施の形態では6つの中間歯車68a〜68fが順次噛合される状態で介設されている。これにより、第1の歯車63が回転すると歯車68a〜68fを介し第2の歯車66が回転する歯車機構の伝達手段69を構成している。
【0092】
(作用)
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡保持装置61に予めセットされた内視鏡2を動かしたい時には、前記レバー17、18越しに内視鏡2の把持部2bを握る。すると、前記レバー17、18は押しボタンスイッチ13、14を押す。このとき、押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報はケーブル15、コネクタ16を介して図示しないブレーキ制御部へ伝達される。
【0093】
ブレーキ制御部は、押しボタンスイッチ13、14が押された情報を受けて、収納部65内のブレーキ55に通電する。これにより、ステータ55cはアーマチュア55bの吸引を解除する。そのため、収納部65内に固定されたステータ55cからアーマチュア55bが切り離されることより、板バネ55a、軸49を介してアーマチュア55bと接続された第2の歯車66は、回転自在になる。また、第2の歯車66と歯車68a〜68fを介して連結した第1の歯車63も回転可能となり、これに接続された軸43やアダプタ3を含む関節部61dまわりの固定が解除される。以上のように関節部61dが移動可能になることで、内視鏡2の位置を動かすことができるようになる。
【0094】
次に、内視鏡2を固定したい時は、前記レバー17、18越しに内視鏡2の把持部2bを握っていた手を緩める。すると、図示しないバネの付勢力により、前記レバー17、18は押しボタンスイッチ13、14を押さない位置まで移動する。この押しボタンスイッチ13、14からの出力信号による情報は、先に述べたように図示しないブレーキ制御部へ伝達される。ブレーキ制御部は、押しボタンスイッチ13、14が押されていない情報を受けて、収納部65内のブレーキ55への通電を中止する。すると、永久磁石の磁力を相殺していた磁界がなくなるため元々の永久磁石の磁力が働き、ステータ55cはアーマチュア55bを吸着する。
【0095】
収納部65内に固定されたステータ55cにアーマチュア55bが吸着されることより、板バネ55a、軸49を介してアーマチュア55bと接続された第2の歯車66も、回転不能になる。また、第2の歯車66と歯車68a〜68fを介して連結した第1の歯車63も回転不能となり、これに接続された軸43やアダプタ3を含む関節部62dまわりが固定される。以上のように、関節部62dが固定されることで、内視鏡2の位置が固定される。
【0096】
(効果)
そこで、上記構成のものにあっては第3実施形態の効果に加え、伝達手段69を歯車機構で構成したため、ベルトの伸びなどによる伝達の劣化を防止することができ、耐久性を高めることができる。
【0097】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 把持部を備えた医療器具を着脱可能に保持する保持部と、前記保持部と接続され、複数のアーム部を関節部により連結し屈曲可能とするアーム連結体と、前記関節部に設けられ、前記関節部の固定/解除状態を切り替える制動手段と、前記医療機器の把持部表面の少なくとも一部を覆うように前記保持部に設けられ、術者の操作により前記医療機器の把持部に対し近接・離間する方向に移動可能なレバーと、前記レバーを前記医療器具の把持部に近接する方向に動かすことで、前記制動手段を解除状態にする入力手段とを備えたことを特徴とする医療器具保持装置。
【0098】
(付記項2) 洗浄・滅菌可能な前記保持部と、前記入力手段としての電気スイッチを備えた前記アーム連結体と、前記アーム連結体と前記保持部とを着脱させる着脱部と、前記アーム連結体を覆うカバー手段と、前記レバーの移動に連動し前記入力手段を操作するレバー連動手段とを備えたことを特徴とする付記項1記載の医療器具保持装置。
【0099】
(付記項3) 前記レバー連動手段は、少なくともレバーの移動に連動し移動する第1の連動部材と、前記第1の連動部材の移動に連動し前記第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動し、前記入力手段を操作する第2の連動部材とから構成されることを特徴とする付記項1、2記載の医療用保持装置。
【0100】
(付記項4) 前記第1の連動部材がテーパー面を備え、前記第2の連動部材が前記テーパー面と当接することで前記第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動することを特徴とする付記項3記載の医療用保持装置。
【0101】
(付記項5) 前記医療器具は内視鏡であることを特徴とする付記項1〜4記載の医療器具保持装置。
【0102】
(付記項6) 前記医療器具は超音波プローブであることを特徴とする付記項1〜4記載の医療器具保持装置。
【0103】
(付記項7) 医療器具を着脱可能に保持する保持部と、前記保持部と接続され、複数のアーム部を関節部により連結し屈曲可能とするアーム連結体と、前記関節部の回転を後述の制動手段に伝達する伝達手段と、前記医療器具に対し前記関節部の位置よりも遠位に位置し、前記伝達手段の固定/解除状態を切り替える制動手段とを備えたことを特徴とする医療器具保持装置。
【0104】
(付記項8) 前記伝達手段は、少なくとも2つの回転体間を変形可能に伝達する帯状伝達手段であることを特徴とする付記項7記載の医療器具保持装置。
【0105】
(付記項9) 前記回転体がプーリーであることを特徴とする付記項8記載の医療器具保持装置。
【0106】
(付記項10) 前記回転体がスプロケットであることを特徴とする付記項8記載の医療器具保持装置。
【0107】
(付記項11) 前記帯状伝達手段がベルトであることを特徴とする付記項8記載の医療器具保持装置。
【0108】
(付記項12) 前記帯状伝達手段がワイヤーであることを特徴とする付記項8記載の医療器具保持装置。
【0109】
(付記項13) 前記帯状伝達手段がチェーンであることを特徴とする付記項8記載の医療器具保持装置。
【0110】
(付記項14) 前記伝達手段がギアであることを特徴とする付記項7記載の医療器具保持装置。
【0111】
(付記項1〜5の従来技術)
特開2002−191545開示の保持装置は、内視鏡を保持する保持部の握り部にスイッチを、関節部内に固定/解除可能なブレーキを設け、スイッチを押すことにより内視鏡を移動可能にし、スイッチから手を離すと内視鏡が固定されるものである。
【0112】
特開2005−125056開示の医療用具支持装置は、内視鏡を保持する保持部に2つのスイッチを、関節部内に固定/解除可能なブレーキを設け、2つのスイッチを押すことにより内視鏡を移動可能にし、スイッチから手を離すと内視鏡が固定されるものである。
【0113】
(付記項6〜13の従来技術)
特開2005−125056の開示の医療用具支持装置は、内視鏡保持部付近の関節部内に固定/解除可能なブレーキを設けたもので、内視鏡付近での姿勢変更が可能なものである。
【0114】
(付記項1〜5の従来技術の課題)
特開2002−191545、特開2005−125056のように、腹腔鏡手術用の内視鏡は、内視鏡保持装置の保持部に取り付けて使用される場合が一般的である。そして内視鏡保持装置には内視鏡の固定状態を電磁的にロックまたはフリーに切り替える電気的なスイッチが備えちれている。しかしながら、ボタン式の切り替えスイッチでは、術者が内視鏡を把持する姿勢、把持のしかたによっては、切り替えスイッチが押しにくい位置となり、操作性が好ましくなかった。
【0115】
また、切り替えスイッチは、使用時に汚染される可能性が高い保持部の近傍に設けられるのが一般的である。したがって、保持部が電気的な切り替えスイッチを有している場合、使用後に保持装置の保持部を洗浄、滅菌することは極めて困難であった。このため、実際には保持部は滅菌されたカバー(ドレープ)をかぶせて使用されるのが一般的で、ドレープの上からでは、すべりやすくスイッチの操作性は好ましくなかった。
【0116】
本発明は、医療器具の移動、固定操作を、把持する姿勢や把持のしかたに左右されず、常に良好な状態でおこなえる医療器具保持装置を提供することを目的とする。
【0117】
また、医療器具を保持する保持部の洗浄、滅菌が容易な医療器具保持装置を提供することを目的とする。
【0118】
(付記項6〜13の従来技術の課題)
特開2005−125056のように、関節部の固定/解除の制動を行うブレーキは固定する関節部の内部や近傍に配置されるのが一般的である。しかしながら、内視鏡を保持する保持部(先端部)付近の関節部の内部や近傍にブレーキを設けてしまうと、内視鏡周りが大きくなり手術の妨げになる。また、カウンターバランス方式の保持装置の場合、先端部が重くなるとバランスをとるためのカウンターウェイトが大型化するといった問題もあり好ましくなかった。
【0119】
本発明は、医療器具を保持する先端部付近にブレーキで固定/解除する関節部があっても、先端部付近が大型化せず、医療器具が操作し易い医療器具保持装置を提供することを目的とする。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、手術で使用される内視鏡等の医療器具を術者に代わって保持する医療器具保持装置を使用する技術分野や、これを製造する技術分野に有効である。
【符号の説明】
【0121】
2…内視鏡(医療器具)、2b…把持部、3…アダプタ(保持部)、4a、4b、4c…アーム部、4d、4e、4f、4g…関節部、4…アーム連結体、12…スイッチユニット(入力手段)、17、18…レバー、29…電磁ブレーキ()。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部を備えた医療器具を着脱可能に保持する保持部と、
前記保持部と接続され、複数のアーム部を関節部により連結し、屈曲可能とするアーム連結体と、
前記関節部に設けられ、前記関節部の固定状態と解除状態とを切り替える制動手段と、
前記医療機器の把持部表面の少なくとも一部を覆うように前記保持部に設けられ、術者の操作により前記医療機器の把持部に対し、接離する方向に移動可能なレバーと、
前記レバーを前記医療器具の把持部に近接する方向に動かすことで、前記制動手段を解除状態に切り替え操作する入力手段と
を備えたことを特徴とする医療器具保持装置。
【請求項2】
前記保持部は、洗浄・滅菌可能で、
前記アーム連結体は、前記入力手段としての電気スイッチを備え、
かつ、前記アーム連結体と前記保持部とを着脱させる着脱部と、
前記アーム連結体を覆うカバー手段と、
前記レバーの移動に連動し、前記入力手段を操作するレバー連動手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の医療器具保持装置。
【請求項3】
前記レバー連動手段は、少なくとも前記レバーの移動に連動して移動する第1の連動部材と、
前記第1の連動部材の移動に連動して前記第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動し、前記入力手段を操作する第2の連動部材とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の医療器具保持装置。
【請求項4】
前記第1の連動部材は、テーパー面を備え、前記第2の連動部材は、前記テーパー面と当接することで前記第1の連動部材の移動方向とは異なる方向に移動することを特徴とする請求項3に記載の医療用保持装置。
【請求項5】
前記医療器具は、内視鏡であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療器具保持装置。
【請求項6】
前記医療器具は、超音波プローブであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療器具保持装置。
【請求項7】
医療器具を着脱可能に保持する保持部と、
前記保持部と接続され、複数のアーム部を関節部により連結し、屈曲可能とするアーム連結体と、
前記医療器具に対し、前記関節部の位置から離れた位置に配置され、前記伝達手段の固定状態と解除状態とを切り替える制動手段と、
前記関節部の回転を前記制動手段に伝達する伝達手段と
を備えたことを特徴とする医療器具保持装置。
【請求項8】
前記伝達手段は、少なくとも2つの回転体間を変形可能に伝達する帯状伝達手段であることを特徴とする請求項7に記載の医療器具保持装置。
【請求項9】
前記回転体は、プーリーであることを特徴とする請求項8に記載の医療器具保持装置。
【請求項10】
前記回転体は、スプロケットであることを特徴とする請求項8に記載の医療器具保持装置。
【請求項11】
前記帯状伝達手段は、ベルトであることを特徴とする請求項8に記載の医療器具保持装置。
【請求項12】
前記帯状伝達手段は、ワイヤーであることを特徴とする請求項8に記載の医療器具保持装置。
【請求項13】
前記帯状伝達手段は、チェーンであることを特徴とする請求項8に記載の医療器具保持装置。
【請求項14】
前記伝達手段は、ギアであることを特徴とする請求項7に記載の医療器具保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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