説明

医療支援システム、及び医療支援方法

【課題】 高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図る。
【解決手段】 医療機器1A1〜1Anと、撮像装置1Bと、正常値の範囲内に存在するデータを含む映像データは、正常値の範囲を外れたデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信する患者側端末装置1Cと、患者側端末装置1Cから送信された映像データと画像データとを受信するインターフェース部1D1と、映像データと画像データとが表示される複数のウインドウを含む画面内で、正常値の範囲を外れたデータに関するウインドウのみを拡大して表示画面1D6に表示させる表示制御部1D5とを備える医師側端末装置1Dとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば脳波、心電図等のバイタルデータを含む映像データと、患者の画像データと、マイクロフォンによって入力された音声データとを、例えば携帯電話の通信回線等のモバイル通信回線を介して、患者側の端末装置から医師側の端末装置に送信する医療支援システム、及び医療支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療現場においてなされる医療行為に関連して、医療機器によって検出されたバイタルデータに異常が発生した場合に、医療機器によって検出されたバイタルデータに異常が発生したことを医療行為のなされている医療現場とは離れた遠隔地にいる医師に対して電子メールで通知することが可能な医療支援システムが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−323495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、高齢化社会の急速な進展に伴い、例えば高齢者が何らかの疾患を罹患した場合や外傷を負った場合であっても、既存の医療機関内に高齢者のベッドを確保することが極めて困難になりつつある。
【0004】
また、医師の絶対数が慢性的に不足しているので、例えば僻地等においては、高齢者が医師による十分な診療を受けられない事態が発生する可能性がある。
【0005】
かかる事態を改善する手法としては、患者の自宅等から遠隔地にある医療機関で医師によってなされた診断や、決定された治療方針に基づいて、例えば看護士、救命救急士、介護福祉士、訪問介護員といった医師資格を持たない者に、医療機関から遠隔地にある各患者の自宅等で医療行為を行わせることが考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された医療支援システムでは、医療現場で医療機器によって検出されたバイタルデータに異常が発生した場合に、医療機器によって検出されたバイタルデータに異常が発生したことを医療現場とは離れた遠隔地にいる医師に対して電子メールで通知するだけであるので、患者の病状の診断や患者に対する治療方針の決定を行う医師が、対象となる患者に対する情報を十分に得ることが出来ない可能性がある。
【0007】
一般に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定を行う医師が対象となる患者に対する情報を十分に得るためには、高解像度の画像データによることが好ましいと考えられるが、一般家庭においては、画像データ等の大容量のデータを送信することが可能な光ファイバー等の高速通信回線が十分に完備されているとは言えない。
【0008】
本発明者の医療行為に関する詳細なる考察によれば、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障する観点から、一般家庭に広く普及している携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)等で使用されているモバイル通信回線を用いて、各患者の自宅等で撮影した画像データ、医療機器によって検出されたバイタルデータを含む画像データを、各患者の自宅等から遠隔地にある医療機関の医師に伝達することによって、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用した場合であっても、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることを可能にする医療支援システム及び医療支援方法に対する産業界の要請が高まっている。
【0009】
そこで、本発明は、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることを可能にする医療支援システム及び医療支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の骨子は、「映像データと、撮像された画像データとを、検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信」する構成により、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることを可能にするという効果を達成することにある。
【0011】
なお、本明細書では、「医療機器」とは、その機器の人体等に及ぼす危険度に応じ、国際機関であるGHTF(Global Harmonization Task Force:医療機器規制国際整合化会議)の定めるルールに基づいてクラス分類がなされている機器を総称したものであり、クラス1に分類される医療機器、換言すれば一般医療機器、クラス2に分類される医療機器、換言すれば管理医療機器、クラス3に分類される医療機器、換言すれば高度管理医療機器、クラス4に分類される医療機器、換言すれば高度管理医療機器に属する各種医療機器、クラスに関わらず、保守管理に特別の技術が必要とされる特定保守管理医療機器、及び特定保守管理医療機器の中で設置に特別の技術等が必要とされる設置管理医療機器等の全ての医療機器を包含している。
【0012】
なお、本明細書では、「バイタルデータ」とは、医療機器によって生体から検出されたデータを意味し、例えば、血圧のデータ、心拍数のデータ、心電図の波形図のデータ等を包含する。
【0013】
また、本明細書では、「モバイル通信回線」とは、例えば、携帯電話の通信回線、PHSの通信回線、公衆無線LANサービスで用いられている通信回線等の全ての通信回線を包含する。
【0014】
以上のような本発明の骨子は、具体的には、以下のような手段を講じることにより実現される。
【0015】
第1の発明は、医療行為の対象となる患者からバイタルデータを検出する複数の医療機器と、患者を撮像する撮像装置と、各医療機器によって検出されたバイタルデータを含む検出データを映像データに変換し、変換の結果、得られた映像データと、撮像装置により撮像された画像データとを、各医療機器によって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信する患者側端末装置と、患者側端末装置からモバイル通信回線を介して送信された映像データと、撮像装置により撮像された画像データとを受信するバイタルデータ受信手段と、バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータを含む映像データと撮像装置により撮像された画像データとが各々表示される複数のウインドウを含むバイタルデータ表示画面を表示する表示手段と、バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、バイタルデータ表示画面内の正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを拡大表示させた状態で表示手段に表示させる表示制御手段とを備える医師側端末装置とを備えた医療支援システムである。
【0016】
これにより、各医療機器によって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信されるので、正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データの送信のためにモバイル通信回線を使用することが出来るため、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定に寄与するデータである正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データを、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定に寄与しないデータである正常値の範囲内のバイタルデータを含む映像データよりも優先的に、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用して遠隔地にある医療機関の医師に伝達することが出来る。
【0017】
この結果、本発明によれば、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用した場合であっても、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることが可能になる。
【0018】
第2の発明は、医療行為の対象となる患者からバイタルデータを検出するバイタルデータ検出工程と、患者を撮像する患者画像撮像工程と、検出されたバイタルデータの検出値が予め定められた正常値の範囲内にあるかを判定する異常有無判定工程と、検出されたバイタルデータを含む検出データを映像データに変換し、変換の結果、得られた映像データと、撮像された画像データとを、検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信するデータ送信工程と、モバイル通信回線を介して送信された映像データと、撮像された画像データとを受信するデータ受信工程と、データ受信工程で受信された各バイタルデータを含む映像データと、撮像された画像データとが各々表示される複数のウインドウを含むバイタルデータ表示画面を表示手段に表示させるバイタルデータ表示工程と、データ受信工程で受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、バイタルデータ表示画面内の正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを拡大表示させた状態で表示手段に表示させる異常データ表示工程とを含む医療支援方法である。
【0019】
これにより、各医療機器によって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信されるので、正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データの送信のためにモバイル通信回線を使用することが出来るため、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定に寄与するデータである正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データを、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定に寄与しないデータである正常値の範囲内のバイタルデータを含む映像データよりも優先的に、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用して遠隔地にある医療機関の医師に伝達することが出来る。
【0020】
この結果、本発明によれば、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用した場合であっても、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることが可能になる。
【0021】
なお、ここでは、説明の簡略化を図る観点から、本発明のうち「システム」、及び「方法」として表現された発明のみに関して説明を行ったが、これに限らず、本発明の要旨を変更しない範囲内で「プログラム」及び「記録媒体」等の任意のカテゴリーとして表現してもよいことは言うまでもない。
【0022】
また、前記発明を「プログラム」として表現する場合には、前記「方法」の発明の説明中における「工程」という文言を「手順」と言う文言に読み替えるとともに、「とを含むことを特徴とする医療支援方法」という文言を「を前記医療支援システムを構成する各装置のコンピュータに実行させるためのプログラム」と言う文言に読み替え、かつ、「前記医療支援システムを構成する各装置のコンピュータにインストールされたプログラムであって、」というプリアンブルを新たに付加するものとする。
【0023】
更に、前記発明を「記録媒体」として表現する場合には、前記「プログラム」の発明の説明中の「プログラム」という文言を「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」という文言に読み替えるものとする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、患者の病状の診断や患者に対する治療方針の決定に寄与するデータである正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データを、患者の病状の診断や患者に対する治療方針の決定に寄与しないデータである正常値の範囲内のバイタルデータを含む映像データよりも優先的に、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用して遠隔地にある医療機関の医師に伝達することが出来るので、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用した場合であっても、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の最良の形態に関し、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態に係る医療支援システム1の全体構成を示す模式図である。
【0027】
図2は、本発明の一実施の形態に係る医療支援システム1の全体の詳細構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施の形態に係る医療支援システム1は、都市部等に存在する医療機関と、当該医療機関とは離れた遠隔地に存在する患者の自宅等との間で、例えば携帯電話の通信回線、PHSの通信回線、公衆無線LANサービスで用いられている通信回線等のモバイル通信回線を用いて、パケット通信(Packet Transmission)によって医療用の画像データと、患者の画像データ、及びマイクロフォンから送信された音声のデータとをリアルタイム送信するためのシステムである。
【0029】
本実施の形態に係る医療支援システム1は、複数の医療機器1A1〜1Anと、撮像装置1Bと、患者側端末装置1Cと、モバイル通信回線MBNTを介して患者側端末装置1Cと接続された医師側端末装置1Dとから構成される。
【0030】
なお、本実施の形態に係る医療支援システム1に関する説明では、説明を本発明のポイントに絞ると共に、説明の簡略化を図る観点から、患者側端末装置1Cと、医師側端末装置1Dとの間に存在する周知の装置である患者の自宅等の近傍をセルとする基地局、携帯ネットワーク、携帯ネットワークサーバ装置、WWWサーバ装置、ファイヤウォールサーバ装置等に関してはその記載を省略している。
【0031】
また、本実施の形態に係る医療支援システム1に関し、モバイル通信回線MBNTは、Ethernet(登録商標),無線LANによるネットワークに変更してもよいことは言うまでもない。
【0032】
各医療機器1A1〜1Anは、看護士、介護福祉士、訪問介護員等の医師資格を有していない医療行為者が患者の自宅に持参して患者の自宅等に、当該医療機器1A1〜1Anと同様に医療行為者が患者の自宅に持参した患者側端末装置1Cと接続された状態で設置される装置であって、例えば血圧、心電図のデータ等のバイタルデータを患者から検出し、検出したバイタルデータの検出値のデータを含む映像信号と当該医療機器1A1〜1Anに割当てられた医療機器IDとを図示しないコンポジット等の映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力する。
【0033】
なお、本実施の形態に係る各医療機器1A1〜1Anは、検出したバイタルデータをWindows(登録商標)等のファイルシステムのフォーマットに準拠したファイルの形式で図示しないUSBフラッシュメモリやCFカードに記憶させ、バイタルデータを記憶させた図示しないUSBフラッシュメモリやCFカードが患者側端末装置1Cのインターフェースに装着された場合に、バイタルデータを患者側端末装置1Cに出力するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0034】
撮像装置1Bは、ベッド又は布団等に仰臥する患者が撮影範囲に入る位置に前述した患者側端末装置1Cと接続された状態で設置され、患者の状態を時系列に沿って撮像し、撮像の結果、得られた画像データを図示しないコンポジットの映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力する。
【0035】
なお、撮像装置1Bとしては、例えば、コンポジット等の映像出力端子を有するビデオカメラを用いてもよい。
【0036】
患者側端末装置1Cは、正常値データ記憶部1C1、第1のインターフェース部1C2、第2のインターフェース部1C3、マイクロフォン1C4、異常有無判定部1C5、データ量削減処理実行部1C6、パケット生成部1C7、送受信アンテナ1C8、パリティチェック部1C9、音声信号処理部1C10、スピーカ1C11を有している。
【0037】
正常値データ記憶部1C1には、医療機器1A1〜1AnのIDに関するデータと、医療機器1A1〜1An毎の正常値の範囲のデータとが少なくとも対応して記憶されている。
【0038】
第1のインターフェース部1C2は、各医療機器1A1〜1Anから出力されたバイタルデータを含む映像信号を受け取るためのインターフェースであり、入力された映像データを異常有無判定部1C5に出力する。
【0039】
第2のインターフェース部1C3は、撮像装置1Bから出力された画像データを受け取るためのインターフェースであり、入力された画像データを異常有無判定部1C5に出力する。
【0040】
マイクロフォン1C4は、患者の自宅内の音声を集音し、集音した音声データを異常有無判定部1C5に出力する。
【0041】
異常有無判定部1C5は、各医療機器1A1〜1Anから出力されたバイタルデータを受け取ると、各バイタルデータに関する正常値の範囲が記憶された正常値データ記憶部1C1から各バイタルデータに関する正常値の範囲のデータを読み出し、各医療機器1A1〜1Anの検出したバイタルデータがバイタルデータの正常値の範囲内にあるかを判定する機能と、前述した判定の結果、医療機器1A1〜1Anの検出したバイタルデータがバイタルデータの正常値の範囲内にないと判定された場合には、正常値の範囲にないバイタルデータに関しては、バイタルデータが正常値の範囲にないことを示す異常有り情報を正常値の範囲にないバイタルデータに付与し、正常値の範囲にあるバイタルデータに関しては、バイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報を正常値の範囲にあるバイタルデータに付与し、異常有り情報が付与された医療機器1A1〜1AnのIDと、当該医療機器1A1〜1Anによって検出されたバイタルデータと、異常無し情報が付与された医療機器1A1〜1AnのIDと、当該医療機器1A1〜1Anによって検出されたバイタルデータと、第2のインターフェース部1C3から受け取った画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとをデータ量削減処理実行部1C6に出力する機能を有する。
【0042】
データ量削減処理実行部1C6は、異常有無判定部1C5から受け取ったバイタルデータを含む画像データのうち、バイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報が付与されたバイタルデータを含む画像データのデータ量を削減した後、データ量を削減した正常値の範囲にあるバイタルデータを含む画像データと、バイタルデータが正常値の範囲にないことを示す異常有り情報が付与されたバイタルデータを含む画像データと、撮像装置1Bから出力された画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとをパケット生成部1C7に出力する。
【0043】
パケット生成部1C7は、データ量削減処理実行部1C6から受け取ったデータ量を削減した正常値の範囲にあるバイタルデータを含む画像データと、バイタルデータが正常値の範囲にないことを示す異常有り情報が付与されたバイタルデータを含む画像データと、撮像装置1Bから出力された画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとから周知のパケット通信の手法に従って、画像データ、音声データを含むパケットを生成し、生成したパケットを送受信アンテナ1C8に出力する。
【0044】
送受信アンテナ1C8は、パケット生成部1C7から受け取った画像データ、音声データを含むパケットを、基地局、及びモバイル通信回線MBNTを介して医師側端末装置1Dに送信する機能と、医師側端末装置1Dから基地局、及びモバイル通信回線MBNTを介して送信された音声データを含むパケットを受信する機能とを有する。
【0045】
パリティチェック部1C9は、送受信アンテナ1C8から受け取ったパケットのFCS(Frame Check Sequence)を用いて周知の誤り検出及びパリティチェックとを実行した後、パケット内のペイロードに含まれる音声データを抽出し、抽出した音声データを音声信号処理部1C10に出力する。
【0046】
音声信号処理部1C10は、送受信アンテナ1C8から受け取った音声データに所定の音声信号処理を実行した後、スピーカ1C11から出力させる。
【0047】
スピーカ1C11は、医師側端末装置1Dから送信された音声データを出力する。
【0048】
なお、本実施の形態に係る患者側端末装置1Cは、マイクロフォンを内蔵していたが、これに限らず、マイクロフォンと患者側端末装置とは別体として設けてもよいことは言うまでもない。
【0049】
なお、本実施の形態に係る患者側端末装置1Cは、USBフラッシュメモリ、CFカード等のリムーバブルメディアを装着するためのインターフェースを更に有していてもよい。
【0050】
医師側端末装置1Dは、周知のパーソナルコンピュータであり、インターフェース部1D1と、マイクロフォン1D2と、パケット生成部1D3と、テンプレートファイル記憶部1D4と、表示制御部1D5と、表示画面1D6と、音声信号処理部1D7と、スピーカ1D8とを備えている。
【0051】
インターフェース部1D1は、患者側端末装置1Cからモバイル通信回線MBNTを介して送信された画像データ、音声データを含むパケットを受け取り、受け取ったパケットのFCS(Frame Check Sequence)を用いて周知の誤り検出及びパリティチェックとを実行した後、パケット内のペイロードに含まれる画像データと音声データとを抽出し、抽出した画像データを表示制御部1D5に、抽出した音声データを音声信号処理部1D7に出力する機能と、パケット生成部1D3から受け取った音声データを含むパケットをモバイル通信回線MBNT及び基地局を介して患者側端末装置1Cに送信する機能とを有する。
【0052】
マイクロフォン1D2は、医師の音声を集音し、集音した音声データをパケット生成部1D3に出力する。
【0053】
パケット生成部1D3は、マイクロフォン1D2から受け取った音声データから周知のパケット通信の手法に従って、音声データを含むパケットを生成し、生成したパケットをインターフェース部1D1に出力する。
【0054】
テンプレートファイル記憶部1D4には、バイタルデータ表示画面のテンプレートファイルが記憶されている。
【0055】
表示制御部1D5は、インターフェース部1D1から出力された画像データを受け取ると、バイタルデータ表示画面のテンプレートファイルをテンプレートファイル記憶部1D4から読み出した後、バイタルデータを含む画像データと、バイタルデータ表示画面のテンプレートファイルとからバイタルデータ毎の複数のウインドウのうち、正常値の範囲内にないバイタルデータを含むウインドウのみを拡大したバイタルデータ表示画面のデータを生成して、生成したバイタルデータ表示画面を表示画面1D6に表示させる。
【0056】
表示画面1D6には、正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを拡大表示させたバイタルデータ表示画面を表示する。
【0057】
音声信号処理部1D7は、インターフェース部1D1から受け取った音声データに所定の音声信号処理を実行した後、スピーカ1D8から出力させる。
【0058】
スピーカ1D8は、患者側端末装置1Cから送信された音声データを出力する。
【0059】
次に、以上のように構成された医療支援システム1の実行処理に関し、図面を参照して説明する。
【0060】
始めに、本実施の形態に係る医療支援システム1を構成する患者側端末装置1Cの実行処理に関して説明する。
【0061】
図3は、本実施の形態に係る医療支援システム1を構成する患者側端末装置1Cの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【0062】
始めに、各医療機器1A1〜1Anは、例えば血圧、心電図のデータ等のバイタルデータを患者から検出し、検出したバイタルデータの検出値のデータを含む映像信号と当該医療機器1A1〜1Anに割当てられた医療機器IDとを図示しないコンポジット等の映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力する(A1)。
【0063】
なお、本実施の形態に係る各医療機器1A1〜1Anは、検出したバイタルデータをWindows(登録商標)等のファイルシステムのフォーマットに準拠したファイルの形式で図示しないUSBフラッシュメモリやCFカードに記憶させ、バイタルデータを記憶させた図示しないUSBフラッシュメモリやCFカードが患者側端末装置1Cのインターフェースに装着された場合に、バイタルデータを患者側端末装置1Cに出力するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0064】
工程A2では、撮像装置1Bは、患者の状態を時系列に沿って撮像し、撮像の結果、得られた画像データを図示しないコンポジットの映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力する。
【0065】
なお、撮像装置1Bとしては、例えば、コンポジット等の映像出力端子を有するビデオカメラを用いてもよい。
【0066】
なお、本実施の形態に係る医療支援システム1では、説明の便宜上、血圧、心電図のデータ等のバイタルデータを患者から検出し、検出したバイタルデータの検出値のデータを含む映像信号と当該医療機器1A1〜1Anに割当てられた医療機器IDとを図示しないコンポジット等の映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力するバイタルデータ検出処理を各医療機器1A1〜1Anが実行した後、患者の状態を時系列に沿って撮像し、撮像の結果、得られた画像データを図示しないコンポジットの映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力する撮像処理を撮像装置1Bが実行するものとして説明したが、患者の状態を時系列に沿って撮像し、撮像の結果、得られた画像データを図示しないコンポジットの映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力する撮像処理を撮像装置1Bが実行した後、血圧、心電図のデータ等のバイタルデータを患者から検出し、検出したバイタルデータの検出値のデータを含む映像信号と当該医療機器1A1〜1Anに割当てられた医療機器IDとを図示しないコンポジット等の映像信号出力端子から患者側端末装置1Cに出力するバイタルデータ検出処理を行ってもよいし、バイタルデータ検出処理と、撮像処理とは時間的に同時に実行されていてもよいことは言うまでもない。
【0067】
工程A3では、第1のインターフェース部1C2は、バイタルデータを含む映像信号を各医療機器1A1〜1Anから受け取る。
【0068】
工程A4では、第2のインターフェース部1C3は、画像データを撮像装置1Bから受け取る。
【0069】
工程A5では、マイクロフォン1C4は、患者の自宅内の音声を集音する。
【0070】
なお、本実施の形態に係る医療支援システム1では、説明の便宜上、第1のインターフェース部1C2がバイタルデータを含む映像信号を各医療機器1A1〜1Anから受け取る処理を実行した後、第2のインターフェース部1C3が画像データを撮像装置1Bから受け取る処理を実行し、しかる後、マイクロフォン1C4が患者の自宅内の音声を集音する処理を実行するものとして説明したが、第1のインターフェース部1C2がバイタルデータを含む映像信号を各医療機器1A1〜1Anから受け取る処理、第2のインターフェース部1C3が画像データを撮像装置1Bから受け取る処理、マイクロフォン1C4が患者の自宅内の音声を集音する処理の実行順序は任意であるし、第1のインターフェース部1C2がバイタルデータを含む映像信号を各医療機器1A1〜1Anから受け取る処理、第2のインターフェース部1C3が画像データを撮像装置1Bから受け取る処理、マイクロフォン1C4が患者の自宅内の音声を集音する処理を同時に実行してもよいことは言うまでもない。
【0071】
工程A6では、異常有無判定部1C5は、各医療機器1A1〜1Anから出力されたバイタルデータを受け取ると、医療機器1A1〜1AnのIDに関するデータと、医療機器1A1〜1An毎の正常値の範囲のデータとが少なくとも対応して記憶された正常値データ記憶部1C1から各バイタルデータに関する正常値の範囲のデータを読み出し、各医療機器1A1〜1Anの検出したバイタルデータがバイタルデータの正常値の範囲内にあるかを判定する。
【0072】
異常有無判定部1C5は、前述した工程A6で、医療機器1A1〜1Anの検出したバイタルデータのうち、バイタルデータの正常値の範囲内にないバイタルデータがあると判定された場合には(A6:Yes)、正常値の範囲にないバイタルデータに関して、バイタルデータが正常値の範囲にないことを示す異常有り情報を正常値の範囲にないバイタルデータに付与し、正常値の範囲にあるバイタルデータに関しては、バイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報を正常値の範囲にあるバイタルデータに付与し、異常有り情報が付与された医療機器のIDと、当該医療機器によって検出されたバイタルデータと、異常無し情報が付与された医療機器のIDと、当該医療機器1A1〜1Anによって検出されたバイタルデータと、第2のインターフェース部1C3から受け取った画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとをデータ量削減処理実行部1C6に出力する(A7)。
【0073】
一方、異常有無判定部1C5は、前述した工程A6で、医療機器1A1〜1Anの検出した全てのバイタルデータがバイタルデータの正常値の範囲内にあると判定された場合には(A6:No)、正常値の範囲にあるバイタルデータに関しては、バイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報を正常値の範囲にあるバイタルデータに付与し、異常無し情報が付与された医療機器のIDと、当該医療機器1A1〜1Anによって検出されたバイタルデータと、第2のインターフェース部1C3から受け取った画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとをデータ量削減処理実行部1C6に出力する(A8)。
【0074】
工程A9では、データ量削減処理実行部1C6は、異常有無判定部1C5から受け取ったバイタルデータを含む画像データのうち、バイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報が付与されたバイタルデータを含む画像データのデータ量を削減した後、データ量を削減した正常値の範囲にあるバイタルデータを含む画像データと、バイタルデータが正常値の範囲にないことを示す異常有り情報が付与されたバイタルデータを含む画像データと、撮像装置1Bから出力された画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとをパケット生成部1C7に出力する。
【0075】
なお、本実施の形態に係るデータ量削減処理実行部1C6がバイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報が付与されたバイタルデータを含む画像データのデータ量を削減する手法としては、例えば、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関して正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較して映像データの解像度を低下させる処理を実行してもよい。
【0076】
また、本実施の形態に係るデータ量削減処理実行部1C6がバイタルデータが正常値の範囲にあることを示す異常無し情報が付与されたバイタルデータを含む画像データのデータ量を削減する手法としては、例えば、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関して、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してフレームレートを低下させる処理を実行してもよい。
【0077】
工程A10では、パケット生成部1C7は、データ量削減処理実行部1C6から受け取ったデータ量を削減した正常値の範囲にあるバイタルデータを含む画像データと、バイタルデータが正常値の範囲にないことを示す異常有り情報が付与されたバイタルデータを含む画像データと、撮像装置1Bから出力された画像データと、マイクロフォン1C4から受け取った音声データとから周知のパケット通信の手法に従って、画像データ、音声データを含むパケットを生成し、生成したパケットを送受信アンテナ1C8に出力する。
【0078】
工程A11では、送受信アンテナ1C8は、パケット生成部1C7から受け取った画像データ、音声データを含むパケットを、基地局、及びモバイル通信回線MBNTを介して医師側端末装置1Dに送信する。
【0079】
以上の一連の処理により、本実施の形態に係る患者側端末装置1Cは、その実行処理を終了する。
【0080】
次に、実施の形態に係る医療支援システム1を構成する医師側端末装置1Dの実行処理に関して説明する。
【0081】
図4は、本実施の形態に係る医療支援システム1を構成する医師側端末装置1Dの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【0082】
始めに、インターフェース部1D1は、患者側端末装置1Cからモバイル通信回線MBNTを介して送信された画像データ、音声データを含むパケットを受け取り、受け取ったパケットのFCS(Frame Check Sequence)を用いて周知の誤り検出及びパリティチェックとを実行した後、パケット内のペイロードに含まれる画像データと音声データとを抽出し、抽出した画像データを表示制御部1D5に、抽出した音声データを音声信号処理部1D7に出力する(B1)。
【0083】
次に、表示制御部1D5は、インターフェース部1D1から出力された画像データを受け取ると、バイタルデータ表示画面のテンプレートファイルをテンプレートファイル記憶部1D4から読み出した後、バイタルデータを含む画像データと、バイタルデータ表示画面のテンプレートファイルとからバイタルデータ毎の複数のウインドウのうち、正常値の範囲内にないバイタルデータを含むウインドウのみを拡大したバイタルデータ表示画面のデータを生成して、生成したバイタルデータ表示画面を表示画面1D6に表示させる(B2)。
【0084】
図5は、本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面の一例を示す模式図である。
【0085】
本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面には、予め指定されたバイタルデータを含むウインドウ、ここではバイタルデータAを含むウインドウ、バイタルデータBを含むウインドウ、バイタルデータCを含むウインドウ、バイタルデータDを含むウインドウ、バイタルデータEを含むウインドウ、バイタルデータFを含むウインドウ、バイタルデータGを含むウインドウと、正常値の範囲にないバイタルデータが含まれる前述したバイタルA乃至バイタルデータGを含むウインドウの大きさよりも大きく拡大されたウインドウとが含まれている。
【0086】
なお、本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面では、正常値の範囲にないバイタルデータが含まれる、正常値の範囲にあるバイタルA乃至バイタルデータGを含むウインドウの大きさよりも大きく拡大されたウインドウを含んでいたが、これに限らず、正常値の範囲にないバイタルデータが含まれるウインドウを点滅表示(ブリンク表示)させてもよいことは言うまでもない。
【0087】
また、本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面では、バイタルを含むウインドウの数は、任意の数に設定することが可能である。
【0088】
更に、本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面では、正常値の範囲にないバイタルデータが含まれる、正常値の範囲にあるバイタルA乃至バイタルデータGを含むウインドウの大きさよりも大きく拡大されたウインドウを表示する位置を任意の位置に設定することも可能である。この場合、正常値の範囲内にあるバイタルデータを含むウインドウの大きさよりも大きく拡大された正常値の範囲内にないバイタルデータを含むウインドウには、正常値の範囲内にあるバイタルデータを含むウインドウに含まれる画像よりも高画質の映像データを表示することがより好ましい。
【0089】
また、本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面では、各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、当該バイタルデータ表示画面に含まれる各バイタルデータに関するウインドウのうち何れかのウインドウを選択可能な状態で表示画面に表示させてもよいことは言うまでもない。
【0090】
更に、本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面では、各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、当該バイタルデータ表示画面内に含まれる正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウを選択可能な状態で表示画面に表示させてもよいことはいうまでもない。
【0091】
以上のような一連の処理により、本実施の形態に係る医療支援システム1を構成する医師側端末装置1Dは、その実行処理を終了する。
【0092】
上述したように、本実施の形態に係る医療支援システム1によれば、各医療機器1A1〜1Anによって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線MBNTを介して送信されるので、正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データの送信のためにモバイル通信回線MBNTを使用することが出来るため、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定に寄与するデータである正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む映像データを、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の決定に寄与しないデータである正常値の範囲内のバイタルデータを含む映像データよりも優先的に、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用して遠隔地にある医療機関の医師に伝達することが出来る。
【0093】
この結果、本実施の形態に係る医療支援システム1によれば、ネットワーク帯域の細いモバイル通信回線を使用した場合であっても、高齢者に対して十分な医療行為の機会を保障すると共に、患者の病状の診断や、患者に対する治療方針の精度の向上を図ることが可能になる。
【0094】
また、本実施の形態に係る医療支援システム1によれば、各医療機器1A1〜1Anによって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、医師側端末装置1Dの表示画面1D6に表示されたバイタルデータ表示画面に含まれる複数のウインドウのうち、正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む画像データのウインドウを拡大表示したり、特定の領域であるホットスポットに表示したり、正常値の範囲を外れたバイタルデータを含む画像データのウインドウを点滅表示させたりすることによって、データ量を落とした分を補填して医師の患者の病状に対する診断を容易にすることが出来るため、携帯電話の通信回線を用いた場合であっても、高度な遠隔医療を実現することが可能になる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。更に上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が生成され得る。例えば実施の形態に示される全構成要件からいくつかの要件が省略されることで発明が生成される場合には、その生成された発明を実施する段階では省略部分が周知慣用技術で補われるものである。
【0096】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施の形態に係る医療支援システム1の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る医療支援システム1の全体の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る医療支援システム1を構成する患者側端末装置1Cの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施の形態に係る医療支援システム1を構成する医師側端末装置1Dの実行処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係るバイタルデータ表示画面の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0098】
1 医療支援システム、1A1〜1An 医療機器、1B 撮像装置、1C 患者側端末装置、1C1 正常値データ記憶部、1C2 第1のインターフェース部、1C3 第2のインターフェース部、1C4 マイクロフォン、1C5 異常有無判定部、1C6 データ量削減処理実行部、1C7 パケット生成部、1C8 送受信アンテナ、1C9 パリティチェック部、1C10 音声信号処理部、1C11 スピーカ、MBNT モバイル通信回線、1D 医師側端末、1D1 インターフェース部、1D2 マイクロフォン、1D3 パケット生成部、1D4 テンプレートファイル記憶部、1D5 表示制御部、1D6 表示画面、1D7 音声信号処理部、1D8 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療行為の対象となる患者からバイタルデータを検出する複数の医療機器と、
前記患者を撮像する撮像装置と、
前記各医療機器によって検出されたバイタルデータを含む検出データを映像データに変換し、変換の結果、得られた映像データと、前記撮像装置により撮像された画像データとを、前記各医療機器によって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信する患者側端末装置と、
前記患者側端末装置からモバイル通信回線を介して送信された映像データと、前記撮像装置により撮像された画像データとを受信するバイタルデータ受信手段と、前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータを含む映像データと前記撮像装置により撮像された画像データとが各々表示される複数のウインドウを含むバイタルデータ表示画面を表示する表示手段と、前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内の正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを拡大表示させた状態で前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備える医師側端末装置と
を備えた医療支援システム。
【請求項2】
前記医師側端末装置は、
前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内の正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを点滅表示させた状態で前記表示手段に表示させる請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項3】
前記医師側端末装置は、
前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内に含まれる正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウを前記バイタルデータ表示画面内の所定の領域に表示させた状態で前記表示手段に表示させる請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項4】
前記医師側端末装置は、
前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内に含まれる各バイタルデータに関するウインドウのうち何れかのウインドウを選択可能な状態で前記表示手段に表示させる請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項5】
前記医師側端末装置は、
前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内に含まれる正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウを選択可能な状態で前記表示手段に表示させる請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項6】
患者側端末装置は、
前記各医療機器によって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較して映像データの解像度を低下させた状態で、得られた映像データと、前記撮像装置により撮像された画像データとを、モバイル通信回線を介して送信する請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項7】
患者側端末装置は、
前記各医療機器によって検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してフレームレートを低下させた状態で、得られた映像データと、前記撮像装置により撮像された画像データとを、モバイル通信回線を介して送信する請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項8】
患者側端末装置は、
音声を入力するための第1のマイクロフォンと、
前記医師側端末装置からモバイル通信回線を介して送信された音声データを出力する第1のスピーカーとを備え、
前記医師側端末装置は、
音声を入力するための第2のマイクロフォンと、
前記患者側端末装置からモバイル通信回線を介して送信された音声データを出力する第2のスピーカーとを備える請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の医療支援システム。
【請求項9】
医療行為の対象となる患者からバイタルデータを検出するバイタルデータ検出工程と、
前記患者を撮像する患者画像撮像工程と、
前記検出されたバイタルデータの検出値が予め定められた正常値の範囲内にあるかを判定する異常有無判定工程と、
前記検出されたバイタルデータを含む検出データを映像データに変換し、変換の結果、得られた映像データと、前記撮像された画像データとを、前記検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してデータ量を削減した状態で、モバイル通信回線を介して送信するデータ送信工程と、
前記モバイル通信回線を介して送信された映像データと、前記撮像された画像データとを受信するデータ受信工程と、
前記データ受信工程で受信された各バイタルデータを含む映像データと、前記撮像された画像データとが各々表示される複数のウインドウを含むバイタルデータ表示画面を表示手段に表示させるバイタルデータ表示工程と、
前記データ受信工程で受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内の正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを拡大表示させた状態で前記表示手段に表示させる異常データ表示工程と
を含む医療支援方法。
【請求項10】
前記異常データ表示工程では、
前記データ受信工程で受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内の正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウのみを点滅表示させた状態で前記表示手段に表示させる請求項9に記載の医療支援方法。
【請求項11】
前記異常データ表示工程では、
前記データ受信ステップで受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内に含まれる正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウを前記バイタルデータ表示画面内の所定の領域に表示させた状態で前記表示手段に表示させる請求項9に記載の医療支援方法。
【請求項12】
前記異常データ表示工程では、
前記データ受信工程で受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内に含まれる各バイタルデータに関するウインドウのうち何れかのウインドウを選択可能な状態で前記表示手段に表示させる請求項9に記載の医療支援方法。
【請求項13】
前記異常データ表示工程では、
前記バイタルデータ受信手段により受信された各バイタルデータのうち、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、前記バイタルデータ表示画面内に含まれる正常値の範囲を外れたバイタルデータに関するウインドウを選択可能な状態で前記表示手段に表示させる請求項9に記載の医療支援方法。
【請求項14】
前記データ送信工程では、
前記検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較して映像データの解像度を低下させた状態で、得られた映像データと、前記撮像された画像データとを、モバイル通信回線を介して送信する請求項9に記載の医療支援方法。
【請求項15】
前記データ送信工程では、
前記検出されたバイタルデータのうちに、予め定められた正常値の範囲を外れたバイタルデータが存在する場合に、正常値の範囲内に存在するバイタルデータを含む映像データに関しては、正常値の範囲を外れたバイタルデータと比較してフレームレートを低下させた状態で、得られた映像データと、前記撮像された画像データとを、モバイル通信回線を介して送信する請求項9に記載の医療支援方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−294800(P2009−294800A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146235(P2008−146235)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】