説明

医療機器における警報制御

本発明は、患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを検出する医療機器又はシステムにおける警報を制御するための方法に関する。生理学的パラメータの現在値は、連続的に検出され、警報遅延は、生理学的パラメータの少なくとも1つの検出値の関数として判定される。ここでの関数は、正常値からのずれの値が増大している場合は短い警報遅延をもたらし、正常値からのずれの値が減少している場合は長い警報遅延をもたらす。さらに、生理学的パラメータの値が、生理学的パラメータの正常範囲の上限又は下限を規定する生理学的パラメータの少なくとも1つの予め規定された閾値を超過又は下方越えする持続長が測定され、警報は、生理学的パラメータの判定値が予め規定された閾値を超過又は下方越えした持続長が警報遅延を超えたときに発生される。この方法は、監視される患者の重症状態を確実になお示しつつ不要な警報の回避を見越す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の少なくとも1つの生理学的なパラメータを検出する医療機器又はシステムにおける警報を制御する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な患者モニタリングシステム並びに他の或る種の医療機器及びシステムは、種々の生理学的値を測定し、これにより、ECG、呼吸、SpO、血圧などの測定値を提供することができる。検出した生理学的パラメータが予め設定された限度を超過したり又は下方越えしたりすると、警報が発生される。
【0003】
しかしながら、不要な警報を避けるために、予め設定された限度を超えたり下回ったりした状況と当該警報の実際の発生との間に警報遅延を用いることが知られている。このような警報遅延は、しばしば、一方においては臨床スタッフに患者の状態の変化に関して十分に急がせることを警告することと、他方においては臨床スタッフを別の作業から注意を逸らす過剰な正当でないしたがって迷惑な警報(特に、比較的重大な警報)の過度に多くの発生との間での妥協である。
【0004】
米国特許出願に係る文献のUS5,865,736からは、不要な警報を減らすための方法及び装置が知られている。そこでは、生理学的パラメータの検出値が閾値を通過したとき、測定値が当該閾値を通過した時間量と当該閾値が通過させられた量との双方が判定されることが説明されている。そして、当該時間量とどの程度当該測定値が当該閾値を通過したかの程度との組み合わせが、特に積分として又は積分の何らかの関数として、計算される。警報は、この時間量とどの程度当該測定値が閾値を通過したかの程度との組み合わせが予め規定された閾値を超過した場合にのみ発生される。しかしながら、この方法及び装置では、不要な警報を十分に避けることができない。何故なら、当該積分は、どの程度当該閾値が通過させられたかの量が減少していく場合、すなわち患者の状態が改善している場合でも、当該測定された生理学的値が当該閾値を上回っている限り、継続するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、医療機器又はシステムにおける警報を制御するこのような方法、並びにこれに対応する、不要な警報を高度に回避する医療機器又はシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを検出する医療機器又はシステムにおける警報を制御するための方法であって、
前記生理学的パラメータの現在値を連続的に検出するステップと、
前記生理学的パラメータの現在値を検出した後に、前記生理学的パラメータの少なくとも1つの検出された値の関数として警報遅延を判定し、その際に、前記関数は、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値の正常値からの外れた程度が増大した場合に、より短い警報遅延をもたらすものとし、前記関数は、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値の前記正常値からの外れた程度が減少した場合に、より長い警報遅延をもたらすものとしたステップと、
前記生理学的パラメータの正常範囲の上限又は下限を規定する生理学的パラメータのための少なくとも1つの予め規定された閾値を超過又は下方越えした時間を測定するステップと、
前記生理学的パラメータが前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした時間が前記警報遅延を超過したときに警報を発生するステップと、
を有する方法によって取り組まれる。
【0007】
したがって、本発明の重要な思想は、検出された値の異常性の低下の場合に長めの警報遅延を判定し、逆に当該異常性の上昇の場合に短めの警報遅延を判定するようにして、当該警報遅延を判定するために、生理学的パラメータの現在の状況を考慮することである。このことは、現在の警報遅延は、患者の状態が再び改善し始めた場合に延ばされることを意味している。
【0008】
本発明によれば、当該生理学的パラメータの2つの連続した判定値が正常値から外れる程度が考慮される。この正常値は、1つの単一の値又は複数の値の範囲のうちの或る値とすることができる。
【0009】
当該警報遅延は、生理学的パラメータの少なくとも1つの検出された値の関数として判定されるので、このパラメータを有する式又はルックアップテーブルを用いることができる。さらに、一般的には、生理学的パラメータの現在の値は、可変持続長の時間間隔で検出可能である。但し、予め規定された周波数、すなわち等しい持続長の時間間隔で生理学的パラメータの現在の値を検出するのが好ましい。本発明の好適実施例によれば、警報遅延は、生理学的パラメータが正常値から外れる絶対又は相対量から判定可能である。
【0010】
さらに、本発明の好適実施例によれば、警報遅延を判定する関数は、現在の値が、生理学的パラメータの正常範囲のための上限又は下限を規定する少なくとも1つの予め規定された閾値をそれぞれ超過し又は下回る程度を考慮に入れ、この関数が、当該予め規定された閾値をそれぞれ超過又は下回る程度が小さい場合には長い警報遅延をもたらし、逆に当該程度が大きい場合には短い警報遅延をもたらすものとしている。したがって、現在値が当該予め規定された閾値を超過又は下回るほど、患者の状態の変化について臨床スタッフに警告するためにより早く警報が発生される。
【0011】
一般的に、生理学的パラメータの少なくとも1つの検出値の関数は、非常に短くかつ非常に長い警報遅延を見越すことが可能である。しかしながら、本発明の好適実施例によれば、最大警報遅延及び/又は最小警報遅延が規定される。特に当該関数が数式により規定されるとき、このようにして、生理学的パラメータの現在値が少量だけしか当該正常値から外れていない場合に非常に長い警報遅延を発生することを回避することができる。
【0012】
警報遅延の開始、すなわち限度突破カウンタが動作するよう起動するイベントは、種々の方法で規定することができる。しかしながら、本発明の好適実施例によれば、当該限度突破カウンタは、それぞれ当該閾値を超過し又は下回る当該生理学的パラメータの検出された現在値の複数の直接連続したイベントの最初の後に動作を開始する。
【0013】
一般的に、警報遅延を固定させ続けることが可能である。しかしながら、本発明の好適実施例によれば、警報遅延の値は、生理学的パラメータの少なくとも1つの検出された値の関数に応じて連続的に更新される。このことは、本発明のこの好適実施例によれば、当該限度突破カウンタは、生理学的パラメータの検出値が初めて当該予め規定された閾値を超過し又は下回るときに動作を開始し、警報遅延は、生理学的パラメータの検出値の変化に応じて変化する。
【0014】
したがって、生理学的パラメータの検出値が当該予め規定された閾値を超過しさらに増大すると、当該閾値を超過する第1のイベントから計算される警報遅延の値は、限度突破カウンタが警報遅延を超過し警報が実際に発生されるまで益々短くなる。しかし、閾値を超過した後の検出された生理学的パラメータの増大する値により、判定される警報遅延は益々長くなり、最終的に限度突破カウンタが警報遅延を超過する前に、当該値は、閾値と交差し、生理学的パラメータの正常範囲に再突入するというケースもありうる。このケースでは警報が発生しない。
【0015】
生理学的パラメータの検出値が正常範囲の中へ戻ったとき、一般に、警報状態及び限度突破カウンタは、「リセット」させられることが可能であり、このことは、当該閾値が少なくとも1度超過させられ又は下回ったことの事実がその後の警報発生のために考慮されないことを意味する。しかし、本発明の好適実施例によれば、当該限度突破の持続長は、生理学的パラメータの検出された現在値が正常範囲内へと戻ったときに判定され、低減値は、当該限度突破の持続長及び/又は当該限度が突破された量の関数として計算され、この低減値は時間とともに減少させられる。本発明の好適実施例によるこの方法は、異なる他の方策を規定するものである。
【0016】
本発明の他の好適実施例によれば、後続していく警報遅延は、現在の低減値だけ減少させられる。このことは、限度突破カウンタは、閾値の他の超過又は下回りが以前に短く生じた場合にゼロから開始しないことを意味する。こうして、患者の重症で悪化しつつある状態を、警報により確実にかつ短い遅延をもって示すことができる。
【0017】
警報状態をリセットするイベントに関し、本発明の好適実施例によれば、警報状態は、生理学的パラメータの検出された現在値が正常範囲内へ戻ったときにクリアされるようにすることができる。本発明のこの実施例によれば、生理学的パラメータの値が正常範囲に戻るとすぐに患者の重症な状態を仮定するものではない。
【0018】
しかし、本発明の代替えの好適実施例によれば、警報状態は、上述した低減値がゼロに達したときにのみクリアされる。これは、警報状態は、生物学的パラメータが正常範囲内に戻った後においてアクティブのままであり、時間とともに減少させられる低減値がゼロに達したときにのみクリアすることを意味している。このようにして、緊密して互いに続いている複数の短い警報イベントの場合において、これら警報イベントは、より長い持続長の1つの警報状態へ実際上「マージ」される。
【0019】
本発明の上述した目的は、さらに、生理学的パラメータを検出し警報を制御する医療機器又はシステムであって、
前記患者の少なくとも1つの生理学的パラメータの当該現在値を連続的に検出するための検出器と、
前記生理学的パラメータの少なくとも1つの検出値の関数として警報遅延を判定する判定ユニットであって、前記関数を、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値が正常値から外れる程度が増大した場合に短い警報遅延をもたらすものとし、前記関数を、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値が前記正常値から外れる程度が減少した場合に長い警報遅延をもたらすものとした判定ユニットと、
前記生理学的パラメータが、前記生理学的パラメータの正常範囲の上限又は下限を規定する前記生理学的パラメータの少なくとも1つの予め規定された閾値を超過し又は下方越えした時間を計時するタイマと、
前記生理学的パラメータが前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした時間が前記警報遅延を超過したときに前記警報を発生するための警報ユニットと、
を有する機器又はシステムによって取り組まれる。
【0020】
この医療機器又はシステムは、上述した方法のうちの1つ又は複数により動作させられるのが好ましい。
【0021】
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、以下に説明する実施例に基づいて明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の好適実施例による警報遅延曲線のグラフ。
【図2】本発明の第2の好適実施例による警報遅延曲線のグラフ。
【図3】本発明の第1の好適実施例による警報を発生するための例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の第1の実施例によれば、当該警報遅延は、次の式によって計算される。
【0024】
A(nT)=abs(L/(V(nT)−L))×Dx%×X%/100% (1)
ここで、
A(nT)=nTでの警報遅延
T=更新周期
L=正常値、又は正常範囲の上限若しくは下限
V(nT)=nTでの生理学的パラメータの値
x%=警報限度(L)のX%超過での選択された警報遅延
【0025】
図1には、正常の値又は限度が超過される程度のパーセンテージに対する警報遅延の相応の曲線のグラフが示される。図1から分かるように、少ないパーセンテージ部分により、式(1)に応じた高い警報遅延が生じる。したがって、長すぎる遅延を回避するために、式(1)により計算された警報遅延を、最小値及び/又は最大値により限定することができる。最小警報遅延は、アーチファクトにより生じうる生理学的値の短時間の変化に起因した不要な警報を回避するために有益である。さらに、最大の警報遅延は、生理学的値が少量だけしか当該限度を超過しない場合にも、予め規定された最大遅延の後に警報が発生されることを保証する。
【0026】
本発明の第2の実施例によれば、当該警報遅延を計算するために次の式を用いることができる。
【0027】
A(nT)=Dmax−S×abs(V(nT)−L)/L (2)
ここで、
A(nT)=nTでの警報遅延
T=更新周期
L=正常値、又は正常範囲の上限若しくは下限
V(nT)=nTでの生理学的パラメータの値
max=最大警報遅延
S=生理学的値が警報限度を超過する程度の量が増大した場合に警報遅延が減少する際の傾き
である。
【0028】
この式は、生理学的値が当該限度を超越する量を考慮するだけでなく、生理学的値が警報限度を超越する量が増大した場合に警報遅延が減少する際の傾きも考慮に入れている。図2からは、相応の曲線のグラフを確認することができる。オフセットは、最小警報遅延を得るために式(2)に加えてもよい。
【0029】
図3からは、本発明の第1の好適実施例による警報を発生するための例を確認することができる。上のグラフは、生理学的値としての血圧及び相応の警報限度を示している。t=15sでは、血圧は、警報限度に達し、限度突破カウンタは、図において中ほどに示されるように動作し始める。そこでは、式(1)と同様の式に応じて計算された警報遅延も示される。超越する血圧に伴い、警報遅延は益々小さくなる。t=29sでは、限度突破カウンタの値は、警報遅延を超越し、これに伴い、グラフから下の方で確認することができるように、当該警報状態は、警報が発生されることを示す0から1へと変化する。血圧が低下し始めたとき、警報遅延は、再び増大する。最終的に、t=45sで、低下する血圧が警報限度に再度到達し、これにより、警報状態は、警報停止を意味する1から0への変化を呈する。さらに、限度突破カウンタも、リセットされる。
【0030】
本発明の第3の実施例によれば、下に示されるように、警報遅延のルックアップテーブルは、式の代わりに用いられる。
【表1】

【0031】
さらに、警報遅延を当該限度が超過され又は下方越えされた絶対量又は相対量に応じたものとすることに代えて、警報遅延を、生理学的パラメータの絶対値、正常値からの生理学的パラメータの相対又は絶対偏差、又は予め規定された値からの相対又は絶対偏差に応じたものとすることができる。
【0032】
生理学的パラメータが上限を超過し又は下限を下方越えしてからの時間を測定するため、それぞれ、限度突破タイマは、生理学的値が当該相応の限度を横断するや否や、始動させられる。各時間間隔Tにおいて、現在の警報遅延は、生理学的パラメータの現在値に基づいて計算され、結果として得られる警報遅延は、限度突破タイマの現在値と比較される。限度突破タイマの値が現在の警報遅延を超過した場合、警報が発生される。生理学的値が上限と下限との間の正常範囲内へと戻るや否や、警報状態及び限度突破タイマをクリアすることができる。
【0033】
但し、本発明の代替えの実施例によれば、生理学的値が正常範囲内へ戻るや否や、警報状態がクリアされ、上限突破は、回復係数wでTの間隔で減少する。これは、限度突破カウンタはゼロから開始せず、実際の警報遅延は、生理学的パラメータが短い時間期間内で繰り返し当該限度を超過し又は下方越えした場合に、より短いものとなる、という利点を有する。したがって、この実施例については、反復の短いイベントが未検出のままである可能性が低いものとなる。
【0034】
本発明の他の実施例によれば、限度突破カウンタは、生理学的値が正常範囲内に戻るや否や回復係数wでTの間隔でデクリメントされ、警報状態は、限度突破カウンタがゼロに達するや否やリセットされる。これには、緊密に互いに続いている複数の短いアラームイベントがある場合、これら複数の警報状態は、より長い持続長の1つの共通した警報状態にマージされる、という利点がある。
【0035】
本発明の直前の2つの実施例によれば、限度突破カウンタは、生理学的値が正常範囲内へと戻ると所定値にセットされ、そして、回復係数wでTの間隔でデクリメントされるようにすることができる。さらに、限度突破カウンタの値は、限度突破の持続長及び/又は生理学的パラメータが超過され又は下方越えされた際の絶対又は相対量、生理学的パラメータが正常値から外れた相対又は絶対量、又は生理学的パラメータが所定値から外れた際の相対又は絶対量の関数として計算することができる。
【0036】
結果として、医療機器又はシステム及び方法は、患者の重症の状態を確実かつ短い遅延で引き続き検出しながら不要な警報の回避を見越すものが提供される。
【0037】
以上、本発明を図面及び前述において図示しかつ詳細に説明したが、こうした図示及び説明は、例示するもの又は模範的なものとみなされるべきであり、限定するものではなく、本発明は、開示の実施例に限定されない。
【0038】
開示した実施例の他の変形例は、図面、開示内容及び請求項を検討することにより、請求項記載の発明を実施する当業者により理解され実施されることのできるものである。請求項において、「有する」なる文言は、他の要素又はステップを排除せず、また、名詞の単数表現は、複数を排除するものではない。或る特定の方策が相互に異なる従属請求項に挙げられているに過ぎない点は、これら方策の組み合わせが活用できないことを示すものではない。請求項における参照符号は、当該範囲を限定するものと解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを検出する医療機器又はシステムにおける警報を制御するための方法であって、
前記生理学的パラメータの現在値を連続的に検出するステップと、
前記生理学的パラメータの現在値を検出した後に、前記生理学的パラメータの少なくとも1つの検出された値の関数として警報遅延を判定し、その際に、前記関数は、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値の正常値からの外れた程度が増大した場合に、より短い警報遅延をもたらすものとし、前記関数は、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値の前記正常値からの外れた程度が減少した場合に、より長い警報遅延をもたらすものとしたステップと、
前記生理学的パラメータの正常範囲の上限又は下限を規定する生理学的パラメータのための少なくとも1つの予め規定された閾値を超過又は下方越えした時間を測定するステップと、
前記生理学的パラメータが前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした時間が前記警報遅延を超過したときに警報を発生するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記生理学的パラメータの最新の検出値は、前記警報遅延を判定するために用いられる、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記警報遅延を判定するための関数は、前記検出値が前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした程度を反映し、前記関数は、前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした程度が小さい場合に長い警報遅延をもたらし、前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした程度が大きい場合に短い警報遅延をもたらす、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちいずれか1つに記載の方法であって、最大警報遅延及び/又は最小警報遅延が規定される、方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか1つに記載の方法であって、限度突破カウンタは、前記閾値を超過又は下方越えする前記生理学的パラメータの検出された現在値の複数の直接連続したイベントのうちの第1のものの後に動作を開始し、前記警報遅延の値は、前記生理学的パラメータの少なくとも当該検出値の関数に応じて連続的に更新される、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記限度突破カウンタの値は、前記生理学的パラメータの当該検出された現在値が当該正常範囲内へ戻ったときに判定され、低減値は、前記限度突破カウンタの値及び/又は前記生理学的パラメータの当該検出値が前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした程度の関数として計算され、前記低減値は、時間とともに減少させられる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記低減値は、前記生理学的パラメータの当該検出された現在値が当該正常範囲内へ戻ったときに前記限度突破カウンタの値に等しくなる、方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の方法であって、後続警報遅延は、当該現在の低減値により小さくされる、方法。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の方法であって、前記警報状態は、前記低減値がゼロに達したときにのみクリアされる、方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか1つに記載の方法であって、前記警報状態は、前記生理学的パラメータの当該検出された現在値が当該正常範囲内へ戻ったときにクリアされる、方法。
【請求項11】
生理学的パラメータを検出し警報を制御する医療機器又はシステムであって、
前記患者の少なくとも1つの生理学的パラメータの当該現在値を連続的に検出するための検出器と、
前記生理学的パラメータの少なくとも1つの検出値の関数として警報遅延を判定する判定ユニットであって、前記関数を、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値が正常値から外れる程度が増大した場合に短い警報遅延をもたらすものとし、前記関数を、前記生理学的パラメータの2つの連続して判定された値が前記正常値から外れる程度が減少した場合に長い警報遅延をもたらすものとした判定ユニットと、
前記生理学的パラメータが、前記生理学的パラメータの正常範囲の上限又は下限を規定する前記生理学的パラメータの少なくとも1つの予め規定された閾値を超過し又は下方越えした時間を計時するタイマと、
前記生理学的パラメータが前記予め規定された閾値を超過又は下方越えした時間が前記警報遅延を超過したときに前記警報を発生するための警報ユニットと、
を有する機器又はシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−509731(P2011−509731A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542724(P2010−542724)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050169
【国際公開番号】WO2009/093159
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】