説明

医療機器に関連するデータストリームを識別するためのシステムおよび方法

【課題】医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】このシステムは、医療デバイス、データストリーム識別子、および医療デバイス識別子の組合せなど、様々な方法でインプリメントされる。医療デバイスは、複数のデータストリームを生成する。データストリームは、医療デバイスからのデータの連続的な伝送である。データストリームは、医療デバイスの動作に関する情報を含む。データストリーム識別子は、一意のデータタグをデータストリームに添付する。医療デバイス識別子は、医療デバイスタグを生成するように構成される。医療デバイスタグは、医療デバイスを一意的に識別するための情報を含み、外部のコンピュータからアクセス可能である。データストリーム識別子および医療デバイス識別子は、医療デバイスに固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2002年4月30日に出願された「医療処置検証システムおよび方法」(Mecical Treatment Verification System and Method)という名称の出願番号第10/135,180号の同時係属の通常の米国特許出願の一部継続出願である。出願第10/135,180号は、2002年1月29日に出願された「医療デバイスを作動させるためのシステムおよび方法」(System and Method for Operating Medical Device)という名称の出願番号第10/059,929号の同時係属の通常の米国特許出願の一部継続出願である。
【0002】
本出願は、2002年4月30日に出願された「点滴療法のシステムおよび方法」(Infusion Therapy System And Method)という名称の米国仮出願第60/376,655号の利益も主張する。
【0003】
技術分野
本発明は、全体として、医療デバイスを作動させるためのシステムおよび方法、並びに該デバイスとの通信に関する。本発明は、正しい薬剤が正しい患者に対して、正しい投与量で正しい時間に、正しい経路を介して提供されることを検証するためのシステムおよび方法に関する。詳細には、本発明は、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
患者ケアシステムは、一般に、コンピュータネットワークと、患者を治療するための医療デバイスと、医療デバイス制御装置とを備える。患者ケアシステムは、コンピュータ化された自動システムおよび方法の使用により改善されたが、相変わらず、医療デバイスの手動データ管理プロセスおよび医療デバイス制御機器に全面的に頼っている。たとえば、ナースステーションは、一般に、現代の病院ではコンピュータネットワークに接続されているが、コンピュータネットワークを病室まで延長させているのは異例なことである。コンピュータネットワークは、ポイントオブケアにおける医療デバイスおよび医療デバイス制御装置の作動および監視を含む自動データ管理プロセスの機会を提供する。この分野における利点にも関わらず、自動データ管理技術は、点滴ポンプなどの医療デバイスを作動させるためのより効率的なシステムおよび方法がないため、ポイントオブケア用途には十分に活用されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療分野で非常に危険なことの1つは、人為的な過失による薬剤供給システムのエラーの可能性である。コンピュータネットワークは、人為的な過失による投与ミスの危険を最小限にする将来性を有する。コンピュータネットワークは、医療機器と患者とを関連付けて、投与ミスの可能性を最小限にする将来性を有する。投与ミスは、医療デバイスの誤認、およびコンピュータ化された医療デバイスに関連するデータストリームの欠如または誤認により生じる場合がある。投与ミスの可能性を最小限にするため、業界は、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのより効率的なシステムおよび方法を必要としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の開示
本発明は、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムおよび方法を提供する。このシステムは、医療デバイス、データストリーム識別子および医療デバイス識別子の組合せなど、様々な方法でインプリメントすることができる。医療デバイスは、複数のデータストリームを生成する。データストリームは、医療デバイスからのデータの連続的な伝送である。データストリームは、医療デバイスの動作に関する情報を含む。データストリーム識別子は、一意的なデータタグをデータストリームに添付する。医療デバイス識別子は、医療デバイスタグを生成するように構成される。医療デバイスタグは、医療デバイスを一意的に識別するための情報を含み、外部コンピュータからアクセス可能である。データストリーム識別子および医療デバイス識別子は、医療デバイスに固定される。
【0007】
本発明は、方法としてインプリメントする場合、以下のステップの組合せを含む様々な方法でインプリメントすることができる:医療デバイスにより複数のデータストリームを生成する;データストリーム識別子を使用して一意的なデータタグを生成する;一意的なデータタグをデータストリームに添付する;および外部コンピュータからの要求に応じて医療デバイスタグを生成する。データストリームは、医療デバイスからのデータの連続的な伝送であり、医療デバイスの動作に関連する情報を含む。医療デバイス識別子は、外部コンピュータからアクセス可能であり、医療デバイスを一意的に識別するための医療デバイスタグを生成する。データストリーム識別子および医療デバイス識別子は、医療デバイスに固定される。
【0008】
本発明のその他のシステム、方法、特徴および利点は、当業者が以下の図面および詳細な説明を検討すると明白であるか、または明白になるであろう。本明細書に含まれるこうしたその他のシステム、方法、特徴および利点は、本発明の範囲内であり、添付の請求の範囲により保護される。
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
医療処置情報を含むデータ出力を有する医療デバイスと、
データ出力に結合され、無線周波(RF)出力を有する無線デバイスと、
医療デバイスに関連し、医療デバイスを一意的に識別するための情報を含む医療デバイスタグであって、該情報が、電子デバイスによる要求に応じて提供される医療デバイスタグと、
識別子の出力が医療処置情報に添付されるデータストリーム識別子とを含む装置。
(項目2)
前記医療デバイスが点滴ポンプである、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記データストリームが、点滴ポンプの動作に関連するデータを含む、項目1または2に記載の装置。
(項目4)
前記医療処置情報が流体の流量を含む、項目1、2または3に記載の装置。
(項目5)
前記医療デバイスが、もともと無線デバイスを備えずに製造されたものである、項目1、2、3または4に記載の装置。
(項目6)
前記医療処置情報が流体の流量を含む、項目1、2、3、4または5に記載の装置。
(項目7)
前記医療デバイスを一意的に識別するための情報をデータストリームに添付するように構成されたブリッジであって、前記医療デバイスを一意的に識別するための情報を外部コンピュータに提供するように構成されたブリッジをさらに備える、項目1、2、3、4、5または6に記載の装置。
(項目8)
前記データストリーム識別子が前記医療デバイスに固定される、項目1、2、3、4、5、6または7に記載の装置。
(項目9)
前記医療デバイスが人工呼吸器である、項目1、5、6、7または8に記載の装置。
(項目10)
前記医療デバイスが患者の状況のモニターである、項目1、5、6、7または8に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、以下の図面を参照すると、より良く理解することができる。図中の構成部品は、必ずしも一定の比率に縮小されているのではなく、むしろ、本発明の原理を明確に示すことに重点を置いた。図中、同じ参照符号は、いくつかの図面全体で対応する部品を表す。
【図1】図1は、患者ケアシステムの図示である。患者ケアシステムは、薬局コンピュータおよび中央コンピュータシステムを備える。患者ケアシステムは、ディジタルアシスタントおよび医療デバイスも処置現場に備える。
【図2】図2は、図1の医療デバイスのブロック図である。
【図3】図3は、図1の患者ケアシステムの機能要素を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1の薬局コンピュータ、中央システム、および/またはディジタルアシスタントを表すコンピュータシステムのブロック図である。このコンピュータシステムは、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムの部分を含むことができる。このコンピュータシステムは、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別する方法およびシステムに使用することができる。
【図5】図5は、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するための方法であって、図4のコンピュータシステムのコンピュータプログラムとして実施できる方法の例示的な一実施態様を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
図1は、患者ケアシステム100の一実施態様を図示したものである。この実施態様では、患者ケアシステム100は、薬局コンピュータ104、中央コンピュータシステム108、および処置現場106を備える。処置現場106にある医療機器としては、ディジタルアシスタント118、医療処置カート132および点滴ポンプ120が挙げられる。患者ケアシステム100、中央コンピュータシステム108および処置現場106は、ネットワーク102によりリンクされる。一実施態様では、薬局コンピュータ104は、処理ユニット104a、キーボード104b、ビデオディスプレイ104c、プリンタ104d、バーコードリーダー104e、マウス104fを備えることができる。図1には示さないが、患者ケアシステム100は、病院管理、ナースステーション用サブシステム、臨床情報サブシステム、病院情報サブシステム、入退転院(ADT)サブシステム、請求書作成サブシステム、および/または患者ケアシステムに一般に含まれるその他のサブシステムも備えることができる。
【0011】
一実施態様では、中央システム108は、中央サービスユニット108a、データベース108b、ビデオディスプレイ108c、バーコードリーダー108e、その他の入出力構成部品、および当業者が周知しているその他多くの構成部品を備える。ネットワーク102は、ケーブル通信システム110部分および無線通信部分を備えることができる。ケーブル通信システム110は、イーサネット(登録商標)ケーブルシステムおよびthinネットシステムで良いが、これらだけに限らない。
【0012】
一実施態様では、処置現場106は、医療機器および処置台106aを備える。図1では、臨床家116および患者112は、処置現場106内に示されている。薬剤124は、点滴ポンプ120を使用して患者112に投与するタイプで良い。薬剤124は、点滴ポンプを使用せずに投与するタイプでも良い。点滴ポンプ120は、薬剤を点滴バッグから投与するタイプ、または薬剤をシリンジから投与するタイプで良いが、これらだけに限らない。薬剤124は、医療処置カート132の薬剤保管領域132a内に保管することができる。臨床家116は、薬剤124を患者112に投与しながら、ディジタルアシスタント118などの携帯コンピュータを使用する。
【0013】
臨床家116は、患者112を治療する過程で、ディジタルアシスタント118を使用して、ケーブル通信システム110および第1無線通信パス126を介して、システム100のその他の部分と通信することができる。点滴ポンプ120は、これらの技術に限らないが、BluetoothおよびWifi技術などの方法によるケーブル通信システム110および第2無線通信パス128を介してシステム100と通信する能力を有することが可能である。医療処置カート132は、無線通信パス(図1に示さない)を介して通信する能力も有することが可能である。無線送受信機114は、無線通信デバイスとケーブル通信システム110との間をインターフェースする。ネットワークの無線通信システム部分は、当業者が周知している技術、たとえばIEEE 802.11a、IEEE 802.11bから「Wireless イーサネット(登録商標)」、802.11g、Bluetooth、ローカルエリアネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、ツリートポロジーを有するネットワーク、リングトポロジーを有するネットワーク、無線ネットワーク間ポイントオブプリゼンスシステム、イーサネット(登録商標)、インターネット、無線通信、赤外線、光ファイバ、および電話などを利用することができるが、これらだけに限らない。図1に無線通信システムとして示すが、図示のどの通信パスも、必要に応じて結線接続の通信パスで良い。
【0014】
一実施態様では、点滴ポンプ120も、ケーブル通信パス140を介してケーブル通信システム110と通信する能力を有することが可能である。ブリッジ142は、ケーブル通信パス140とケーブル通信システム110との間のインターフェースを提供する。図1に、1個の点滴ポンプ120と通信するように示されているが、医療機器に関連するデータストリームを識別するための本明細書に記載するシステムは、ブリッジ142が、複数のポート214(図2)を介して複数の点滴ポンプと通信することを可能にする。
【0015】
患者ケアシステム100では、医師(図示しない)は、患者112のための薬剤124を指示することができる。別法によると、この指示は、処置現場106にいる臨床家116が出すこともできる。医師および/または臨床家116は、コンピュータ化された医師指示入力システム(CPOE)および/または医療処置カート132を使用して、患者112のための薬剤124を指示することができる。当業者は、CPOEシステムに熟知している。その名称に関わらず、どの臨床家116もCPOEを使用することができる。薬剤124が、点滴ポンプ120から投与することが効率的な薬剤である場合、指示は、点滴ポンプ120の動作パラメーターを生成するための情報を含む。動作パラメーターは、点滴ポンプ120などの医療デバイスが指示に従って動作するようにプログラムするのに必要な情報および/または命令セットである。
【0016】
指示は、キーボード104b、マウス104f、タッチスクリーンディスプレイ、CPOEシステムおよび/または医療処置カート132などの入出力デバイスを介して、薬局コンピュータ104に入力することができる。当業者は、これらおよび類似の入出力デバイスを熟知している。処理ユニット104aは、手動で入力された指示をコンピュータ可読データに変換することができる。コンピュータ化された処方指示入力システムなどのデバイスは、処理ユニット104aに導入する前に、指示をコンピュータ可読データに変換する。次に、動作パラメーターは、プリンタ104dにより、バーコード形式で薬剤ラベル124a上に印刷することができる。次に、薬剤ラベル124aを薬剤124の容器に添付することができる。次に、薬剤124の容器は、処置現場106に搬送される。次に、薬剤124は、経口または点滴ポンプ120を含む様々な方法で患者112に投与することができる。薬剤124を経口で投与する場合、臨床家116は、ディジタルアシスタント118および/または医療処置カート132を介して通信することができ、医療処置カート132はコンピュータ化され、一般に、キーボード(図示しない)、ディスプレイ132b、およびその他の入出力デバイス、たとえばバーコードスキャナ(図示しない)を有する。また、必要に応じて、ディジタルアシスタント118、医療処置カート132、および/または点滴ポンプ120に関連する入力デバイスを使用して、処置現場106に指示を入力することもできる。
【0017】
上記のとおり、処置現場では、薬剤124は、点滴ポンプ120上に取り付けることができ、静脈(TV)ライン130が点滴ポンプ120から患者112に走る。点滴ポンプ120は、ポンピングユニット120a、キーパッド120b、ディスプレイ120c、点滴ポンプID 120d、アンテナ120e(Bluetooth、Wifiまたはその他の無線技術伝送および/または受信の場合)並びにバーコードリーダー120fを備えることができる。バーコードリーダー120fは、点滴ポンプ120の筐体内に組み込むことができるか、または通信ケーブルを介して接続される。最初は無線機能を装備されていない点滴ポンプには、データストリームの識別を支援するための無線アダプタ(図示しない)を設けることができる。無線アダプタは、Bluetoothなどの短距離無線技術、Wifiなどの長距離無線技術、またはその他の無線技術を使用することができる。さらに、無線アダプタは、ホスト点滴ポンプのバッテリ寿命の短縮を防止するために必要な場合、無線アダプタ自体のバッテリを有することができるか、または無線アダプタは、点滴ポンプにより供給される電力から作動することができる。一実施態様では、無線アダプタは、インテリジェントデータ管理、たとえばストアアンドフォワードデータ管理、および電力消費量を最小限にするためのデータの圧縮も使用することができる。無線アダプタは、ネットワーク102が機能しない場合でも、ディジタルアシスタント118と通信する機能を備えることも可能である。
【0018】
患者ケアシステム100は、人員、機器および薬剤識別子など、多様な識別子を含むことができる。図1に示すように、臨床家116は臨床家のバッジ116a識別子を有し、患者112はリストバンド112a識別子を有し、医療デバイスは機器識別子を有し(たとえば、点滴ポンプ120は点滴ポンプID 120d識別子を有することができる)、薬剤124は薬剤ラベル124a識別子を有する。臨床家のバッジ116a、リストバンド112a、点滴ポンプID 120d、および薬剤ラベル124aは、これらに対応する人員、機器および薬剤を識別する情報を含む。必要な場合、識別子はその他の情報を有することができる。たとえば、薬剤ラベル124aは、薬剤124の意図された受容者、点滴ポンプ120の動作パラメーター、および薬剤124のロット番号および有効期限に関する情報を含むことができる。識別子に含まれる情報は印刷することができるが、好ましくはデバイス可読フォーマットであり、たとえばバーコードなどの光学可読デバイスフォーマット、RFID、iButoon、スマートカードなどの無線周波(RF)デバイス可読フォーマット、およびレーザ可読フォーマットが挙げられるが、これらだけに限らない。ディジタルアシスタント118はディスプレイ118aを備えることができ、指紋などのバイオメトリック情報を含む識別子を読み取る能力を有することができる。
【0019】
リストバンド112aは、好ましくは、患者112が医療施設に入る時に患者112に添付される。上記のとおり、リストバンド112aは患者識別子を含む。患者識別子は、患者を識別するための印刷情報、および治療する医師の氏名などのその他の情報を含むことができる。患者112の患者識別子は、患者の氏名、年齢、社会保険番号、患者の血液型、住所、アレルギー、病院ID番号、および患者の家族の氏名などの情報を含むことができる。
【0020】
図2は、図1の医療デバイスのブロック図200である。図1と同様、医療デバイスは点滴ポンプ120として示されている。点滴ポンプ120の構成部品は、当業者が周知しているその他多くの医療デバイスの構成部品と類似している。点滴ポンプ120は、医療デバイスおよび機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムおよび方法を説明するために使用されるが、本発明は、ネットワーク102(図1)を介して通信する何らかの医療デバイスまたは機器に使用することができる。図2は、点滴ポンプ120に固定されたデータストリーム識別子204および医療デバイス識別子206を含む。必須ではないが、データストリーム識別子204および医療デバイス識別子206は同一の筐体208内にパッケージすることができ、これらは電気的に相互接続して、それぞれの作業を効率的に完了することができる。筐体208は、DB 9コネクタ、または当業者が周知している類似のコネクタなどのコネクタ210内に組み込むことができるが、これらに限らない。その他の実施態様では、データストリーム識別子204および医療デバイス識別子206は、点滴ポンプ筐体212の内部にパックすることができる。
【0021】
点滴ポンプ120は、点滴ポンプID 120dなどの機器ID、バーコードリーダー120fおよび通信ポート120gを含むことができる。点滴ポンプID 120dはバーコードラベルで良い。通信ポート120gは、シリアル通信ポート、RS232、RS485、および当業者が周知しているその他の通信ポートに限らないが、これらなどの従来の通信ポートで良い。
【0022】
点滴ポンプ120は、データをネットワーク102(図1)に提供する。データは、データパケットの形態である。データパケットは、データストリームとして公知でもある。本明細書で使用する場合、「データパケット」および「データストリーム」は共に、必須ではないが、好ましくは、ネットワークが認識するデータの連続するパッケージを意味する。つまり、これらの用語は、ネットワーク102が、単一の発信点から受信すると認識し、グルーピングの時に、ネットワーク102が、医療デバイスからのデータの別個のグルーピングとして処理するデータのパッケージを意味する。データを識別するためのシステムは、医療デバイスから発信するデータストリームを識別し、したがって、医療デバイスからのすべてのデータを医療デバイスから発信すると識別することができる。したがって、データストリームの正確なサイズおよび特性は、医療デバイスおよびネットワークの特性に依存する。データストリームの正確なサイズおよび特性に関係なく、データストリームは、医療デバイスの動作に関する情報、たとえば流量、閉塞設定値、アラームおよび動作パラメーターを含むが、これらだけに限らない。
【0023】
データストリームは、ケーブル通信パス140を介して通信ポート120gからブリッジ142まで通過する。別法によると、上記で示し、本明細書で詳細に説明するとおり、データストリームは、無線通信パス128を介してアンテナ120eから無線送受信機114まで通過する。
【0024】
一実施態様では、ブリッジ142は複数のポート214を有することができる。ブリッジ142では、データストリームは、データストリーム識別子204および医療デバイス識別子206により生成された識別データと対話する。ブリッジ142は、ケーブル通信システム110とインターフェースする。識別済みデータストリームは、次に、ブリッジ142から出て行く。識別済みデータストリームは、次に、ネットワーク102内のその他のデータトラフィックと対話することができる。
【0025】
データストリーム識別子204は、ダラス・セミコンダクタ(Dallas Semiconductor) DS 2505−UNWなどに組み込むことができる。DS2505−UNWをデータストリーム識別子204として使用する場合、データストリーム識別子204は、DB9コネクタなどのコネクタ210のピン9に接続することができる。識別データは、ROM素子、EEPROMメモリ素子、OTP EPROMメモリ素子、およびNV SRAMメモリ素子などのメモリ素子に記憶することができるが、これらだけに限らない。データストリーム識別子がピン9に接続される場合、DB9のその他の8個のピンは、データストリームをシリアルポート120gからケーブル通信パス140まで自由に通過させることができる。
【0026】
医療デバイス識別子206は、医療デバイスを識別するためのデータを記憶するようにプログラムされるプログラム可能なメモリ素子を含む。記憶されたデータは、点滴ポンプID 120d上に記憶された情報、医療デバイスのタイプ、ボーレート、サービス日およびアセットタグを含むことができるが、これらだけに限らない。アセットタグは、デバイスを一意的に識別する在庫タグであり、在庫タグは、シリアル番号または割り当てられたその他の識別子などに関連する。好ましくは、メモリ素子は、1回のみプログラム可能なメモリ素子、たとえばEEPROMメモリ素子およびOTP EPROMメモリ素子で良いが、これらだけに限らない。メモリ素子に記憶されたデータは、データストリームを識別するために、データストリーム識別子204がデータストリームに添付するデータで良い。その他の実施態様では、メモリ素子に記憶されたデータは、ネットワーク102から照会された時に提供することができる。DS 2505−UNWおよびDB9コネクタを使用する場合、メモリ素子に記憶されたデータは、DB9のピン9を介してケーブル通信パス140まで通過させることができる。
【0027】
データストリーム識別子204および医療デバイス識別子206は、同一の筐体208内にパッケージすることができる。たとえば、ダラス・セミコンダクタ(Dallas Semiconductor)からのDS2505−UNWは、データストリーム識別子204およびプログラム可能なEEPROMを同一筐体内に含む。一実施態様では、筐体208は医療デバイスに物理的に固定されるため、医療デバイスをケーブル通信パス140またはブリッジ142から取り外して、ネットワーク102の別の部分に移動させる場合、ネットワーク102は、なお、医療デバイスが生成するデータストリームを医療デバイスが発信したと認識する。
【0028】
ブリッジ142は、複数の医療デバイスと通信するための複数のシリアルポート214を備えることができる。ブリッジ142のシリアルポート214は、データストリームに関連する識別データの通信のためのピンを備える。ブリッジ142は、医療デバイスからの未識別データストリームをデータストリーム識別子204からの識別データと併合する。ブリッジ142の出力は、識別済みデータストリームである。未識別データストリームは、複数のシリアルポートピンからブリッジ142に入力することができる。たとえば、未識別データストリームは、シリアルポート214のピン1〜8でブリッジ142に入力することができ、識別データは、シリアルポート214のピン9でブリッジ142に入力することができる。ブリッジ142はスマートクライアントブリッジで良い。ブリッジ142は、データストリームの識別データを読み取るソフトウェアを備える。ブリッジ142は、データストリーム識別子204に関連する医療機器とだけ通信するように構成することも可能である。
【0029】
無線データストリーム識別システムでは、ブリッジ142は、送受信機114などの無線ネットワークアクセスポイントとインターフェースすることができる。ブリッジ142が、無線ネットワークアクセスポイントとインターフェースするように構成される場合、ブリッジ142は医療デバイス上に取り付けて、アンテナ120eに作動可能に接続され、その結果、医療デバイスは患者ケアシステム100全体で移動可能である。ブリッジ142は、シンボル・テクノロジーズ・インク(Symbol Technologies,Inc.)によるシリアルクライアントブリッジ、サイバー・テク有限責任会社(CyberTEC GmbH)によるCT WLANシリアルクライアントブリッジ、Bluetoothデバイス、Wifiデバイス、BluetoothとWifiとの組合せ、Spectrum24(登録商標)シリアルクライアントブリッジなどのデバイスで良いが、これらだけに限らない。
【0030】
特定の医療デバイスの属性を有する医療デバイス識別子206のプログラミングは、拡張可能マークアップ言語(XML)およびUniqueWareを使用して行なうことができる。UniqueWareなどのプログラミングを使用すると、データストリーム識別子204および医療デバイス識別子206は、ケーブル通信パス140をコネクタ210に接続することにより、医療デバイスと関連付けることができる。次に、コネクタ210の1個のピンを使用して、データストリーム識別子204および医療デバイス識別子206と通信することができる。医療デバイス識別子をプログラムするために通信される情報は、バーコードリーダー108eおよび104eなどのバーコードリーダーおよびスキャナ338(図3)を使用して読み取られ、医療機器のバーコードラベルを読み取ることができる。次に、UniqueWareなどのプログラミングソフトウェアは、医療デバイスIDを医療デバイス識別子206にダウンロードする。次に、この情報は、データストリーム識別子204によりアクセス可能である。UniqueWareは、複数の医療デバイスを複数の医療デバイス識別子と関連付けるためのテーブルも生成することができる。
【0031】
図3は、図1の患者ケアシステム100の機能要素を示すブロック図である。図3のいくつかの機能ブロックは、本発明を使用して通信する能力を含む。たとえば、様々な機能ブロックは、図3の医療デバイス332と通信する。医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムおよび方法は、モジュールが患者ケアシステム100の種々の機能を表すモジュール式システムとしてインプリメントすることができる。図3は、データストリーム識別システムとして医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するためのシステムを示す。このシステムの融通性は、システムをモジュール式システムとして実施すると強化することができる。システムのモジュールは、患者ケアシステム100の様々な部分に含むことができる。患者ケアシステム100は、薬剤投与モジュール302、処方箋作成モジュール304、処方箋起動モジュール306および処方箋承認モジュール308を含む。
【0032】
薬剤投与モジュール302は、医療処置の投与に関わる患者ケアシステム100内のその他のモジュールの機能を調整することができる。薬剤投与モジュール302は、一般に、患者ケアシステム100のその他の部分と調和させる。薬剤モジュール302は、CPOEで動作するか、および/またはCPOEとインターフェースするサブモジュール、ポイントオブケアモジュールで動作するか、および/またはポイントオブケアモジュールと通信するサブモジュール、並びに医療処置比較モジュールで動作するか、および/または医療処置比較モジュールと通信するサブモジュールを備えることができる。図3には、入退転院(ADT)インターフェース310、請求書作成インターフェース312、臨床インターフェース314および薬局インターフェース316が示されている。ADTインターフェース310は、患者の身長、体重およびアレルギーなどの情報を捕捉するために使用することができる。薬局インターフェース3164は、薬局からの指示をインポートする。薬局インターフェース316は、指示を入力するためのその他のシステム、たとえばCPOEとインターフェースするHL7タイプのインターフェースで良い。この能力は、データを患者ケアシステム100に入力する必要性を1回以上減少させる。薬局インターフェース316は、チェルナー(Cerner)、HBOC、メディテク(Meditech)、SMSおよびフェイマス(Phamous)などの市販のシステムと通信するように構成することができるが、これらだけに限らない。その他の様々なインターフェースも、当業者には公知だが、分かりやすくするために図3には示さない。
【0033】
薬剤投与モジュール302は、医薬品対医薬品の不適合による副作用、医薬品管理の重複、医薬品アレルギー、医薬品投与量の制限、医薬品の頻度の制限、医薬品の有効期間の制限、および医薬品の疾患による禁忌を検査する能力など、追加の特徴を有することができる。食品およびアルコールの相互作用にも注意することが可能である。医薬品の制限は、成人、小児、乳幼児、早産児、老人、年齢別グルーピング、体重別グルーピング、身長別グルーピング、および体表面積などの制限を含むことができるが、これらだけに限らない。一般に、薬剤投与モジュール302は、患者ケアシステム100内の2種類のソースから同一患者に対して同一の処方が入力されるのを防止することができる。
【0034】
薬剤投与モジュール302は、報告書を作成する能力も備えることができる。報告書は、シフトの終わり、滴定情報、患者の症状リスト、点滴履歴、ポンプの性能履歴、ポンプの位置履歴およびポンプの保守履歴などを含むが、これらだけに限らない。シフトの終わり報告書は、ポンプチャネル、開始時刻、終了時刻、本来の点滴、ピギーバック方式の点滴、薬剤、投与量、速度、ポンプの状況、点滴量、残存量、残存時間、および液体が無くなった最終時間を含むことができる。点滴履歴報告書は、薬剤および点滴量を含む。
【0035】
薬剤投与モジュール302は、医療機器状況データベースも含むことができる。医療機器状況データベースは、患者ケアシステム100内における医療デバイス332の位置を示すデータを含む。医療機器状況データベースは、医療デバイス332の過去の性能を示すデータも含むことができる。医療機器状況データベースは、医療デバイス332の保守スケジュールおよび/または履歴を示すデータも含むことができる。
【0036】
処方箋作成モジュール304は、ハードコピーの処方箋および電子(電子コピー)処方箋を作成する。ハードコピーの処方箋は、一般に医療施設において3通作成される。第1のハードコピー318は一般に薬局に送られ、第2のハードコピー320は一般に患者の記録のために保管され、第3のハードコピー322は処置現場106に送られる。電子処方箋は、薬剤投与モジュール302に送信される。
【0037】
コンピュータ化された医師の指示入力(CPOE)システムは、処方箋作成モジュール304のいくつかまたはすべての機能を実行するために使用することができる。臨床家116は、タブレット無線コンピュータ、医療処置カート132およびワークステーションを使用するなど、様々な方法でデータを入力することができるが、これらに限らない。
【0038】
処方箋の作成は、患者の体重および/または身長(ADTインターフェース310からの)、医薬品の量、希釈量、濃度および速度に基づく投与量の計算を含むことが可能である。処方箋の作成304は、動作パラメーターの確認を含むことができる。動作パラメーターは、処方箋入力モジュール324からの情報に基づくことができる。処方箋の作成は、患者ケアシステム100内のどこでも行なうことができ、薬局、処置現場106およびナースセンターを含むが、これらだけに限らない。
【0039】
点滴処方箋は、単一投与点滴、断続的点滴、連続的点滴、順序付け、滴定および交互タイプなどの処方箋を含むことができるが、これらだけに限らない。点滴処方箋は、総合非経口栄養混合剤(TPN)、化学療法による連続点滴、ピギーバック、多量な非経口医薬品、およびその他の点滴処方箋も含むことができる。患者ケアシステム100は、指示の終了日がなくても機能することが可能である。患者ケアシステム100は、予め定義された期間を見越して、当該期間における混合剤充填スケジュールを作成する連続スケジュール作成装置を使用することができる。予め定義された期間は、患者ケアシステム100レベルで、または臨床研究レベルおよび組織レベルなどのサブシステムレベルで定義することができる。予め定義された期間は、指示を入力する臨床家116が調節可能である。スケジュールは、指示が患者ケアシステム100内でアクティブである限り、自動的に延長可能である。
【0040】
薬剤投与モジュール302は、1個を超える処方箋作成モジュール304とインターフェースすることができる。薬剤投与モジュールは、患者ケアシステム100内の何れかからの指示を受信する。
【0041】
薬局コンピュータ104は、薬剤投与モジュール302から電子コピーにアクセスすることができる。処方箋起動モジュール306は、処方箋の記入およびラベル付けを調整するためのコンピュータ支援システムである。処方箋の記入および在庫からの薬剤124の生成または位置の特定は、処方箋起動モジュール306により処理される。
【0042】
処方箋を起動すると、処方箋起動モジュール306は、処方箋に指定されていない場合は流量、指定期間に必要な溶液/バッグの数、各溶液/バッグを投与される期間、および溶液中の成分の濃度に基づく各溶液/袋の総量を計算することができる。流量、点滴される量、および/または期間は、システム100内で調節することができ、システムは計算に基づいて依存数量を自動的に計算し、濃縮物中の成分の最大投与量が、成分の薬剤ファイル中で特定されている量を越える場合、患者ケアシステム100は、薬剤師および/または臨床家116に警告し、調整の理由コードを要求する。
【0043】
患者ケアシステム100は、処方箋起動モジュール306をバイパスすることができる。これは、患者の医師などの臨床家が、指示を直ちに起動する権限を有する場合に行なわれる。指示が直ちに起動される場合、薬剤投与モジュールは、処方箋ラベル付けモジュール326に直接進む。
【0044】
ブロック326では、患者ケアシステム100は薬剤ラベル124を印刷する。処方箋は離れた場所で印刷することでき、多くの場合、薬局のプリンタ104dで印刷される。ブロック326の後、患者ケアシステムはブロック328に進む。ブロック328では、薬剤ラベル124aは薬剤124に添付される。薬剤師は、一般に、薬剤ラベル124aが処方箋の第1ハードコピー318と一致することを目視検証する334。図3は、目視検証334が処方箋承認モジュール308にも関連することを示す。次に、薬剤124を薬局から処置現場106に搬送することができる。ポータブル医療処置カート132は、薬局から処置現場106までのルートの一部に使用することができる。
【0045】
薬剤ラベル124aは、混合の情報を含むことができる。薬剤ラベル124aは、患者ケアシステム100内で作成されない場合、バルク薬剤納入業者により提供される。バルク薬剤納入業者により提供される場合、患者ケアシステム100は、薬剤ラベル124aからの情報の収集を調整する機能を有する。さらに、患者ケアシステム100は、患者識別子などの情報を薬剤ラベル124aに追加する能力を有する。
【0046】
薬剤ラベル付けモジュール328は、薬剤ラベル124を薬剤124上に配置する。これは、手動で行なうことができる。これは、自動処方箋記入およびパッケージングシステム(図示しない)を使用して行なうことも可能である。自動記入およびパッケージングシステムを使用する場合、薬剤ラベル付けモジュール328は、薬剤124のラベル付けを調整するためのデータを記入およびパッケージングシステムに提供する。
【0047】
処置現場106では、臨床家116は無線デバイス330、たとえばディジタルアシスタント118および/または医療処置カート132などを使用して、患者112に対する薬剤124を検査して投与する。無線デバイス330は、第1通信パス126などの通信パスを介して薬剤投与モジュール302と通信する。
【0048】
臨床家116は、一般に、自身のバッジ116aを走査して自身を識別し、リストバンド112aを走査して患者112を識別し、薬剤ラベル124aを走査して薬剤124を識別し、ラベル120dを走査して点滴ポンプ120などの医療デバイス332を識別する。臨床家116は、指紋および/またはパスワードを提供して自身を識別しても良い。医療デバイス332は、薬剤投与モジュール302と双方向通信することが可能な医療デバイスで良い。別法によると、医療デバイス332は、単に情報を薬剤投与モジュール302に提供することができるだけである。医療デバイス332からの何らかの通信は、常に、データストリーム識別システムにより医療デバイス332から発信されたと認識される。データストリーム識別システムは、臨床家116の投与および医療処置の検証を支援する。一実施態様では、データストリーム識別システムは、一般に、医療デバイス332に対する動作パラメーターのダウンロードという結果を生じる。臨床家116は、一般に、目視検証を行なって第3コピー322および/またはMARがラベル付き薬剤124と一致することを確認する。スキャナ338は、機械で読取り可能な情報を第3コピー322から無線デバイス330および医療デバイス332に入力するために使用される。
【0049】
患者ケアシステム100は、点滴指示の調整および変更を行なう能力を含む。点滴の調整を行なう能力を含むことが可能なその他のモジュールとしては、処方箋入力324、処方箋起動306、処方箋認証308および処方箋変更モジュール336がある。臨床家116は、処方箋変更モジュール336にアクセスして、指示を調節することができる。臨床家116は、患者ケアシステム100全体の処方箋変更モジュール336にアクセスすることができる。しかし、臨床家116が処方箋変更モジュール336にアクセスするために非常に有用な1つの場所は処置現場106内である。
【0050】
処方箋承認モジュール308では、患者ケアシステム100は、臨床家116が点滴指示を自主的に変更する権限を有するかどうかを決定する。臨床家116は、支持の特定部分を自主的に変更する権限を有すると、患者ケアシステム100により認証可能である。臨床家116が指示を自主的に変更する権限を持たない場合、薬剤師または医師は、臨床家116が入力した変更を許可するように要求される場合がある。
【0051】
図4は、コンピュータ400のブロック図である。コンピュータ400は、図1の薬局コンピュータ104、中央システム108、CPOE、ディジタルアシスタント118、および/またはネットワーク102を介して通信する任意の数のその他のサブシステムに含まれるコンピュータで良い。コンピュータ400は、医療機器に関連するデータストリームを一意的に識別するシステム410の一実施態様を含む。一実施態様では、データストリーム識別システム410は、正しい薬剤が正しい患者に正しい投与量で、正しい時間に、正しいルートを介して提供されることを検証する。もう1つの実施態様では、データストリーム識別システム410は、これらの望ましい検証特徴のサブセットを提供する。さらに別の実施態様では、点滴ポンプ120のプログラミングは、薬局コンピュータ104および/または別のリモートコンピュータから受信する動作パラメーターに基づくことができる。その他の実施態様では、点滴ポンプ120のプログラミングは、薬局コンピュータ104、もう1つのリモートコンピュータ、および/または臨床家116が正しいと確認する動作パラメーターに基づくことが可能である。動作パラメーターおよび/または確認は、ケーブル通信システム110並びに第1および第2無線通信パス126および128を介して伝達される。
【0052】
先行技術における重要な問題は、正しい薬剤を正しい患者に投与することである。したがって、データストリーム識別システム410は、正しい薬剤を正しい患者に効率的な方法で確実に投与するのを支援する特徴を含む。本発明のデータストリーム識別システム410は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せでインプリメントすることができる。あるモードでは、データストリーム識別システム410は、ソフトウェアで実行可能なプログラムとしてインプリメントされ、1台または複数の特殊または汎用ディジタルコンピュータ、たとえばパーソナルコンピュータ(PC;IBM互換機、Apple互換機など)パーソナルディジタルアシスタント、ワークステーション、ミニコンピュータまたはメインフレームコンピュータで実施される。本発明のデータストリーム識別システム410をインプリメントできる汎用コンピュータの一例を図4に示す。データストリーム識別システム410は、薬局コンピュータ104、中央システム108、および/またはディジタルアシスタント118など、何らかのコンピュータ内に存在するか、またはこれらに存在する部分を有するが、これらだけに限らない。したがって、図4のコンピュータ400は、データストリーム識別システム410が存在するか、または部分的に存在する何らかのコンピュータを表す。
【0053】
一般に、図4に示すハードウェアアーキテクチャに関して、コンピュータ400は、ローカルインターフェース408を介して通信可能に結合されるプロセッサ402、メモリ404、および1個または複数の入力および/または出力(I/O)デバイス406(または周辺装置)を備える。ローカルインターフェース408は、たとえば1本もしくは複数のバス、または先行技術で公知のその他の結線もしくは無線接続で良いが、これらだけに限らない。ローカルインターフェース408は、通信を可能にするための制御装置、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、および受信機などの追加の要素を有することができるが、これらは、分かりやすくするために省略する。さらに、ローカルインターフェースは、他のコンピュータ構成部品間における適切な通信を可能にするためのアドレス、制御機器、および/またはデータ接続部を含むことができる。
【0054】
プロセッサ402は、ソフトウェア、特にメモリ404内に記憶されたソフトウェアを実行させるためのハードウェアデバイスである。プロセッサ402は、何らかの特別注文または市販のプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、コンピュータ400に関連する数個のプロセッサの中の補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップもしくはチップセットの形態)、マクロプロセッサ、または一般に、ソフトウェア命令を実行させるための何らかのデバイスで良い。適切な市販のマイクロプロセッサの例は、以下のとおりである:Hewlett−Packard CompanyのPA−RISCシリーズマイクロプロセッサ、Intel Corporationの80×86またはPentium(登録商標)シリーズマイクロプロセッサ、IBMのPowerPCマイクロプロセッサ、Sun Microsystems,Inc.のSpareマイクロプロセッサ、Motorola Corporationの68xxxシリーズマイクロプロセッサ。プロセッサ402は、分散処理アーキテクチャ、たとえばSQL、Smalltalk、APL、KLisp、Snobol、Developer 400、MUMPS/Magicを表す可能性もあるが、これらだけに限らない。
【0055】
メモリ404は、揮発性メモリ素子(たとえば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAMなどのRAM))および不揮発性メモリ素子(たとえば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)の何れか1つまたは組合せを備えることができる。さらに、メモリ404は電子、磁気、光および/またはその他のタイプの記憶媒体を含む。メモリ404は、様々な構成部品が互いに離れて配置されているが、それでもプロセッサ402によりアクセスされる分散アーキテクチャを有することができる。
【0056】
メモリ404のソフトウェアは、1つまたは複数の別個のプログラムを含むことができる。別個のプログラムは、論理関数をインプリメントするために実行可能な命令の順序付けられたリストを含む。図4の実施例では、メモリ404のソフトウェアは、本発明によるデータストリーム識別システム410、および適切なオペレーティングシステム(O/S)412を備える。適切な市販オペレーティングシステム412の例の網羅的ではないリストは以下のとおりである:(a)Microsoft Corporationが市販しているWindows(登録商標)オペレーティングシステム;(b)Novell,Inc.が市販しているNetwareオペレーティングシステム;(c)Apple Computer,Inc.が市販しているMacintoshオペレーティングシステム;(d)Hewlett−Packard Company、Sun Microsystems,Inc.およびAT&T Corporationなど、多くのベンダーが市販しているUNIX(登録商標)オペレーティングシステム、(e)インターネット上で容易に入手可能なフリーウェアであるLINUXオペレーティングシステム;(f)WindRiver Systems,Inc.が市販しているランタイムVxworksオペレーティングシステム;または(g)携帯コンピュータまたはパーソナルディジタルアシスタント(PDA)などでインプリメントされる器械ベースのオペレーティングシステム(たとえば、Palm Computing,Inc.が市販しているPalmOS、およびMicrosoft Corporationが市販しているWindows(登録商標) CE)。オペレーティングシステム412は、本質的に、その他のコンピュータプログラム、たとえばデータストリーム識別システム410などの実行を制御し、スケジューリング、入力−出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、通信制御、並びに関連サービスを提供する。
【0057】
データストリーム識別システム410は、ソースプログラム、実行可能なプログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、または実行される命令セットを含むその他何らかのエンティティで良い。ソースプログラムの場合、プログラムは、O/S412に関連して適切に動作するように、コンパイラ、アセンブラ、インタープリタなどを介して変換する必要があり、これらはメモリ404内に含まれるか、または含まれない。さらに、データストリーム識別システム410は、(a)データおよびメソッドクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、または(b)ルーチン、サブルーチンおよび/または関数を有する手続き型プログラミング言語、たとえば、C、C++、Pascal、Basic、Fortran、Cobol、Perl、Java(登録商標)およびAdaとして書くことができるが、これらだけに限らない。一実施態様では、データストリーム識別システム410のシステムは、C++で書かれる。その他の実施態様では、データストリーム識別システム410は、Power Builderを使用して形成される。I/Oデバイス406は、入力デバイス、たとえばキーボード、マウス、スキャナ、マイクロフォン、タッチスクリーン、各種医療デバイス用インターフェース、バーコードリーダー、スタイラス、レーザリーダ、無線周波デバイスリーダなどを含むが、これらだけに限らない。さらに、I/Oデバイス406は、出力デバイス、たとえばプリンタ、バーコードプリンタ、ディスプレイなども含むが、これらだけに限らない。最後に、I/Oデバイス406は、入力および出力の両方と通信するデバイス、たとえば変調器/復調器(モデム;別のデバイス、システムまたはネットワークにアクセスするため)、無線周波(RF)またはその他の送受信機、電話インターフェース、ブリッジ、ルータなどをさらに含むが、これらだけに限らない。
【0058】
コンピュータ400がPC、ワークステーション、PDAなどである場合、メモリ404内のソフトウェアは、基本入出力システム(BIOS)(図4に示さない)をさらに含む場合がある。BIOSは、始動時にハードウェアを初期化およびテストし、O/S412を始動させ、ハードウェアデバイス間におけるデータの転送をサポートする本質的なソフトウェアルーチンの集合である。BIOSは、コンピュータ400が起動した時にBIOSを実行させることができるように、ROM内に記憶される。
【0059】
コンピュータ400の作動中、プロセッサ402は、メモリ404内に記憶されたソフトウェアを実行させ、メモリ404との間でデータを通信し、ソフトウェアにしたがってコンピュータ400の動作を広く制御するように構成される。データストリーム識別システム410およびO/S412は、一般には後者だが、全体としてまたは部分的に、プロセッサ402により読み取られ、おそらくプロセッサ402内にバッファされてから、実行される。
【0060】
データストリーム識別システム410が、図4に示すようにソフトウェアでインプリメントされる場合、データストリーム識別システム410は、何らかのコンピュータ可読媒体上に記憶して、コンピュータに関連するシステムもしくは方法により、またはこうしたシステムもしくは方法に関連して使用することができる。本明細書に関しては、コンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光、またはコンピュータに関連するシステムもしくは方法により、またはこうしたシステムもしくは方法に関連して使用されるその他の物理的デバイスもしくは手段である。データストリーム識別システム410は、何らかのコンピュータ可読媒体であって、命令実行システム、装置またはデバイス、たとえばコンピュータベースのシステム、プロセッサ内蔵システム、または命令を命令実行システム、装置もしくはデバイスから取り出して、当該命令を実行させることができるその他のシステムにより使用されるか、またはこうしたシステムに関連して使用される媒体で具現することができる。本明細書に関しては、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置もしくはデバイスにより、またはこれらに関連して使用されるプログラムを記憶、通信、伝搬もしくは伝達することができる何らかの手段で良い。コンピュータ可読媒体は、たとえば、電子、磁気、光、電磁気、赤外、または半導体システム、装置、デバイスもしくは伝搬媒体で良いが、これらだけに限らない。コンピュータ可読媒体のより特定の実施例(非網羅的なリスト)は、以下を含むであろう:1本または複数のワイヤを有する電気接続部(電子)、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(電子)、読出し専用メモリ(ROM(電子)、消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリ)(電子)、光ファイバ(光)、およびポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CDROM)(光)。コンピュータ可読媒体は、プログラムを上に印刷できる紙または別の適切な媒体でも良い点に注意する。つまり、プログラムは、たとえば、紙またはその他の媒体を工学的に走査することにより電子的に捕捉され、必要に応じて適切な方法でコンパイル、解釈、さもなければ処理され、次にコンピュータメモリ内に記憶されるからである。
【0061】
データストリーム識別システム410をハードウェアでインプリメントするもう1つの実施態様では、データストリーム識別システム410は、各々技術的に十分に公知である以下の何れかの技術またはこれらの組合せでインプリメントすることができる:論理関数をデータ信号上にインプリメントするための論理ゲートを有する離散論理回路、適切な組合せ論理ゲートを有するアプリケーション特有の集積回路(ASIC)、プログラム可能ゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)など。
【0062】
図5は、図4のデータストリーム識別システム410の例示的な実施態様500を示すフローチャートである。データストリーム識別システム500は、ブロック502で呼び出される。ブロック504では、システム500は、臨床家116のアイデンティティに関する情報にアクセスする。ディジタルアシスタント118などの第1ソース506は、臨床家116のアイデンティティに関連する情報を提供する。ディジタルアシスタント118は、バーコードリーダーを使って臨床家のバッジ116aを読み取って情報を取得する。第1ソース506は、離れた場所に位置する別のコンピュータでも良い。第1ソース506は、バーコード、たとえば臨床家のバッジ116a、タグ、レーザ可読データ、無線周波可読データ、キーボード、iButtonリーダ、指紋スキャナ、およびディジタルアシスタント118に関連しないバーコードリーダーに含まれるバーコードなど、その他の情報ソースで良いが、これらだけに限らない。ブロック504は、第1ソース506により生成された信号をコンピュータ可読媒体形式に変換することを含む。ブロック504は、第1ソース506により提供される情報を使用して、メモリ404内に記憶されたルックアップテーブルを使用することにより当該情報を臨床家116のアイデンティティと照合することも含む。ブロック504の後、システム500はブロック508に進む。
【0063】
ブロック508では、システム500は患者112を識別する。第1ソース506は、患者112のアイデンティティに関連する情報を提供する。ディジタルアシスタント118は、バーコードリーダーを使って患者のリストバンド112aを読み取ることにより情報を取得する。ブロック508は、第1ソース506により生成された信号をコンピュータ可読媒体形式に変換することを含む。ブロック508は、第1ソース506により提供された情報を使用して、メモリ404内に記憶されたルックアップテーブル、またはその他の何らかの照合過程を使用することにより、当該情報を患者112のアイデンティティと照合することも含む。ブロック508の後、システム500はブロック510に進む。
【0064】
ブロック510では、システム500は処置を識別する。処置は、薬剤124の投与である。第1ソース506は、処置のアイデンティティに関連する情報を提供する。処置のアイデンティティは、薬剤124の識別を含む。薬剤アイデンティティは、薬剤識別子と関連付けられる。薬剤識別子は、薬剤識別番号、混合物識別番号、患者112の外来診察番号、医薬品の名称、投与量、メーカー、バッチ、有効期限および/または医薬品処方者などの情報を含むが、これらだけに限らない。ブロック510では、何らかのedubyte、メッセージ、危険警告、および/または投与命令がディジタルアシスタント118上に表示される。投与命令は、専門の集合、フィルタ要件、警告および予防措置を含む。ブロック510では、医療処置が薬剤である場合、システム500は、混合物の有効期限などの有効期限、およびロットの回収を検査する。
【0065】
ディジタルアシスタント118は、バーコードリーダーを使って薬剤ラベル124aを読み取ることにより情報を取得する。ブロック510は、第1ソース506により生成された信号をコンピュータ可読媒体形式に変換することを含む。ブロック508は、第1ソース506により提供された情報を使用して、メモリ404内に記憶されたルックアップテーブル、またはその他の照合アルゴリズムを使用することにより、当該情報を医療処置のアイデンティティと照合することも含む。ブロック510の後、システム500はブロック512に進む。
【0066】
ブロック512では、システム500は、医療処置が予め患者112に関連していたかどうかを決定する。決定は、多くの場合、患者および医療処置のアイデンティティに関連するデータを収集するデバイスにより行なわれる。たとえば、臨床家116は、ディジタルアシスタント118を第1ソース506として使用して、患者のリストバンド112aからバーコードを読み取る。臨床家116は、次に、ディジタルアシスタント118を使用して薬剤ラベル124aを読み取る。ディジタルアシスタント118は、患者のリストバンド112aからの患者識別子が、薬剤ラベル124aからの患者識別子と等価であるかどうかを決定する。
【0067】
医療処置を患者と予め関連付ける1つの方法は、患者と医療処置とを中央システム108および/または薬局システム104と関連付けることである。医師は、コンピュータ化された処方箋指示システムにより関連付けを行なう。薬剤師は、患者識別子および薬剤識別子を、薬剤識別子が患者識別子を含む薬局システム104に入力することにより関連付けを行なう。患者識別子は、入院記録、指示、電子医師指示入力システムおよび/または処方箋などの入力ソースから導き出されるが、これらだけに限らない。
【0068】
システム500が、医療処置が予め患者112に対応していなかったと決定した場合、システム500は、警告/エラー状況がシステム500により提供されたブロック516に移動する。ブロック516は、警告/エラー状況をディジタルアシスタント118上に表示することを含む。システム500が、医療処置が予め患者112に対応していたと決定した場合、システム500はブロック514に移動する。
【0069】
ブロック514では、システム500は医療デバイスを識別する。医療デバイスは、医療処置を患者に与えるタイプであるように構成される。たとえば、医療デバイスは、医療処置が薬剤124である場合、点滴ポンプ120である。第1ソース506は、医療デバイスのアイデンティティに関連する情報を提供する。ディジタルアシスタント118は、バーコードリーダーを使ってラベル120dを読み取ることにより、情報を取得する。ブロック514は、第1ソース506により生成された信号をコンピュータ可読媒体形式に変換することを含む。ブロック514は、第1ソース506により提供された情報を使用して、メモリ404内に記憶されたルックアップテーブル、またはその他の何らかの照合アルゴリズムを使用することにより、当該情報を医療デバイスのアイデンティティと照合することも含む。医療デバイスのアイデンティティに関連する情報は、医療デバイス識別子206内にも記憶される。
【0070】
ブロック514は、医療デバイスのサブシステムを識別することを含む。たとえば、医療デバイスが点滴ポンプである場合、点滴ポンプは複数のチャネルを有する。これらのチャネルはバーコードを有する。これらのチャネルは、本来の薬剤および「ピギーバック」薬剤と関連付けられる。ブロック514は、ピギーバックを含むこれらのサブシステムを識別することを含む。ブロック514の後、システム500はブロック518に進む。
【0071】
ブロック516では、システム500は、警告/エラー状況信号を提供する。警告/状況信号は、システム500が患者を認識しない、システム500が処置を認識しない、システム500が処置を指示と照合できない、システム500が医療デバイス332を識別できない、動作パラメーターが等価ではない、処置パラメーターが処置許容差の範囲外であるなど、様々な状況によりトリガされるが、これらだけに限らない。処置許容差は、患者ケアシステム100レベルで、または患者ケアシステム100のサブセットとして定義される。
【0072】
ブロック518では、データストリーム識別システム500は、動作パラメーターが正確かどうかを決定する。動作パラメーターは、検証された医療処置と一致する場合、正確である。システム500は、医療デバイスに対する動作パラメーターのダウンロードを含む。動作パラメーターは、これらに限らないが、薬局コンピュータ104、薬剤ラベル124a、ディジタルアシスタント118など、様々なソースからダウンロードされ、臨床家116は動作パラメーターを手動で入力することができる。実行される1つの検査は、投与量が、予め設定された許容差の範囲外であることを確認することである。動作パラメーターは、単位時間当たりの流量、薬剤の数量、投与単位、投与期間、投与量、医薬品の名称、投与量の単位、および監視限度などのパラメーターで良いが、これらだけに限らない。投与量情報は直接、または患者の体重など、患者112の属性に基づいて提供される。
【0073】
動作パラメーターが正確ではない場合、システム500はブロック516に進み、エラーメッセージを返す。動作パラメーターが正確である場合、データストリーム識別システム500は流量および投与情報を表示する。表示は、ディスプレイ120cおよび/またはディジタルアシスタント118に表示される。
【0074】
ブロック520では、システム500は、処置が正しいかどうかを決定する。処置は、処置が患者を対象とし、処置が正しい薬剤124を含み、処置が正しい量の薬剤を含み、および処置が正しい時間に行なわれた場合に正しい。また、臨床家は、医療デバイスおよび関連機器を目視検査することにより、正しいルートを検証するように照会される。臨床家116は、医療処置のタイミングなどのいくちかのパラメーターを変更することができる。変更した場合、変更の記録は、一般に患者ケアシステム100内に保管される。システム500が、処置が正しくないと決定した場合、システム500はブロック516に進み、エラーメッセージを提供する。システム500が、処置が正しいと決定した場合、システム500はブロック522に進む。
【0075】
処置が正しいかどうかを決定する時に考慮される要素として、システム500は、原則である「見た目の類似」検査および「音の類似」検査に従って調査する。この原則は、処置施設全体ですべての薬剤に適用される最大流量、薬剤の最大流量、および患者の特性に基づく原則、並びにこれらの規則の組合せなどの規則を含むが、これらだけに限らない。
【0076】
ブロック522では、システム500は医療デバイスを可能にする。これは、臨床家116が点滴を開始する開始信号を提供することを含む。医療デバイスが遅延開始モードである場合、ブロック520は、動作パラメーターがダウンロードされ、医療デバイスが、遅延期間が終了した後直ちに処置を提供するべきであるという信号を提供することを含む。ブロック522は、正しい医療デバイスを使用して、正しい患者に正しい薬剤が投与されたことを確認するために、医療デバイスに照会することも含む。照会は、医療デバイス識別子206が医療デバイスを識別するためのデータを提供することを要求することを含む。
【0077】
動作パラメーターのダウンロードは、医療処置に関連する患者識別子および/またはリストバンド112aから検索された患者識別子が、中央位置における医療処置に関連する患者識別子と同じであるかどうかを決定することを含む。この決定は、多くの場合、第1コンピュータ、たとえば薬局コンピュータ104aにより行なわれる。システム500が、様々な患者識別子が同一ではないと決定した場合、システムはブロック516に進む。システム500が、様々な患者識別子が同一であると決定した場合、システム500は動作パラメーターを直接医療デバイスにダウンロードする。システム500は、動作パラメーターを点滴ポンプ120などの医療デバイスに送信する。
【0078】
ブロック524では、システム500は、医療処置の投与を監視する。システム500が医療処置の投与を監視する際、ポンプの動作パラメーターに対する何らかの変更は、患者ケアシステム100全体に10秒以内に反映される。こうした変更は、ディジタルアシスタント118で指摘される。点滴時、臨床家116は点滴パラメーターを調節することができる。こうした調節は、点滴の流量に対して行なわれる。臨床家116は、一般に、予め定義された境界内で流量を調節する権限を有する。これは、臨床家116が、点滴管が遮断されるか、またはその他の障害が発生した場合に、「遅れを取り戻す」ことを可能にする。
【0079】
ブロック524は、医療デバイスのアイデンティティに関する情報にアクセスすることも含む。医療デバイスのアイデンティティに関する情報にアクセスすることは、医療デバイス識別子206を使用して医療デバイスタグを生成することを含む。医療デバイスタグは、医療デバイスを一意的に識別するための情報を含む。ブロック524は、データストリーム識別子204を使用して情報にアクセスし、一意のデータタグを生成し、医療デバイスにより生成されたデータストリーム一意のデータタグを添付することも含む。次に、ネットワーク102は、データストリーム識別子204により生成された一意のデータタグを含むデータストリームを処理する。
【0080】
ブロック526では、データストリーム識別システム500は、医療処置投与の結果を記録する。結果は、動作パラメーターに従った医療処置の正常な投与である。しかし、その他の結果、たとえば患者が医療処置を受けることを拒否する、医療処置の変更、および機器の誤動作、並びに間隙性の点滴エラーなどの可能性があるが、これらだけに限らない。医療処置の変更の場合、変更された指示が作成される。次に、変更された指示は、薬物管理モジュール302内最初の指示にリンクする。
【0081】
データストリーム識別システム500の様々なブロック、たとえばブロック518〜524は、処置情報をディジタルアシスタント118に表示することを含む。これは、情報をミラーする情報を点滴ポンプ120のディスプレイ120c上に表示することを含む。ディスプレイ120c上の情報は、患者、患者の位置、および点滴指示に関する情報で補足される。この情報は、点滴ポンプ120の複数のチャネルに関する情報を含む。表示される情報は、パーソナリティ、プロンプトライン、ステータスライン、動作アイコンおよびポンプヘッドの表示を含むが、これらだけに限らない。動作アイコンは、点滴、停止サイン、流量検査ピギーバック、後見人、および遅延開始を含む。ポンプヘッドの表示は、医薬品ラベルおよび点滴量などの情報を含む。当業者は、表示情報および上記の動作アイコンを熟知している。
【0082】
もう1つの実施態様では、データストリーム識別システム500は、患者ケアシステム100内に記憶された情報であって、臨床家116が患者112に対して投与することを望む医療処置に関連する情報がないことを決定する。患者ケアシステム100が、臨床家116が所望の医療処置を開始する権限を有すると認識する場合、システム500は医療処置の適用を可能にし、ブロック516には進まない。
【0083】
本明細書および関連する請求の範囲全体で、「中央位置」および「離れた位置」は、互いに相対的な用語である。「離れた位置」は、患者が、制御された医療デバイスを通して処置を受ける任意の場所、たとえば、患者112が点滴ポンプ120を通して処置を受ける患者処置現場106である。「中央位置」は、離れた場所以外で、医療デバイスの動作パラメーターにアクセス可能な任意の場所、たとえば薬局コンピュータ104および中央システム108の場所だが、これらだけに限らない。代表的な装置では、処置現場106など、何ヶ所かの離れた場所は中央位置と通信する。
【0084】
データストリーム識別システム500の1つの利点は、医療デバイスの動作パラメーターがディジタルアシスタント118を通過する必要がないか、または動作パラメーター以前の離れた場所にあるその他のコンピュータが、医療デバイスをプログラムするために使用可能である点である。離れた場所にあるコンピュータをバイパスすると、患者112に薬剤124を投与する際のエラーの潜在的な原因がなくなる。医療デバイスの動作パラメーターは、様々な検証が行なわれると仮定する医療デバイスに「直接」送信される。これに関連して、「直接」は、動作パラメーターが、ディジタルアシスタント、または離れた場所にあるその他のコンピュータを通過せずに医療デバイスに送信されることを意味する。
【0085】
もう1つの実施態様では、システム500は、中央コンピュータが第2薬剤識別子を承認する追加のブロック(図示しない)を備える。第2薬剤識別子は、離れた場所にいる臨床家116により入力される。第2薬剤識別子は、修正された第1薬剤識別子である。たとえば、第2薬剤識別子は、第1患者IDおよび動作パラメーターのソースである処方箋または電子医師の指示の一部で良い。次に、システム500は、動作パラメーターを医療デバイスに送信する前に、第1および第2薬剤IDが等価であることを確認する。第2薬剤IDは、処方箋を入力する時と、薬剤124が処置現場106に到着する時との間に、修正された第1薬剤IDと置き換えられる。次に、システム500は、第2薬剤識別子が、薬剤ラベル124aに含まれていた第1薬剤識別子と等価ではない場合、警告音を発する。さらに他の一実施態様では、システム500は、動作パラメーターを使用して医療デバイスをプログラムする追加のブロック(図示しない)を備える。
【0086】
システム500の一実装例では、指示は薬局コンピュータ104で入力される。指示は、第1患者識別子および動作パラメーターを含んでいた。薬局コンピュータ104は、薬剤124に添付される薬剤ラベル124aを作成する。薬剤124は、処置現場106に送信される。処置現場106では、臨床家116は、ディジタルアシスタント118を使って、臨床家のバッジ116a、患者のリストバンド112aおよび薬剤ラベル124aを読み取る。ディジタルアシスタント118は、薬剤ラベル124aおよびリストバンド112aが同一患者112を識別するかどうかを決定する。次に、システム500は、薬剤識別子を薬局コンピュータ104に送信する。薬局コンピュータ104は、薬剤ラベル124aが、指示と同じを識別することを確認し、動作パラメーターを点滴ポンプに送信する。動作パラメーターは、点滴ポンプに直接送信される。次に、動作パラメーターを使用して、患者112に薬剤124を投与するための点滴ポンプをプログラムする。システム500は、ポンプを可能にし、処置を監視する。処置を監視する際、ポンプからの通信は、医療デバイスのアイデンティティに関する情報にアクセスして、一意のデータタグにより識別されるポンプからのデータストリームを処理することを含む。医療デバイスのアイデンティティに関する情報にアクセスすることは、一意の医療デバイスタグを生成することを含む。医療デバイスのアイデンティティに関する情報にアクセスすることは、データストリーム識別子204を使用して一意のデータタグを生成し、医療デバイスにより生成されたデータストリームに一意のデータタグを添付することを含む。
【0087】
図3および図5などの図面における何らかのプロセスの説明またはブロックは、特有の論理関数をインプリメントするために実行可能な1つまたは複数の命令を含むコードのモジュール、セグメントまたは部分を表し、別法による実装例は、本発明の実施態様の範囲内に含まれると考えるべきであり、当業者なら分かると思われるが、関数は、関連する機能に応じて実質的に同時、または図示または説明された順序とは異なる逆順を含む順序で実行されて良い。
【0088】
本発明の上記の実施態様、特に何らかの「好ましい」実施態様は、単に可能性のある実装の実施例であり、単に本発明の原理を明確に理解するために記載されていることを強調するべきである。本発明の上記の実施態様には、本発明の精神および原則を実質的に逸脱することなく、多くの変形および変更を加えることができる。こうしたすべての変更は、本開示事項および本発明の範囲内に含まれ、以下の請求の範囲により保護される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−264255(P2010−264255A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142088(P2010−142088)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【分割の表示】特願2004−502232(P2004−502232)の分割
【原出願日】平成15年4月28日(2003.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.Linux
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】