説明

医療用コネクタの手動脱着装置

【課題】コネクタに接続されているチューブをスムーズに移動させることができる医療用コネクタの手動脱着装置を提供する。
【解決手段】ホルダ回転手段による回転に伴って変位することにより、第2コネクタ2に接続されているY字チューブ20をガイドするチューブガイド部材90を設ける。ホルダ回転手段による回転に伴って、第2コネクタ2が回転することにより、当該第2コネクタ2に接続されているY字チューブ20も一緒に変位することとなるが、その際、チューブガイド部材90により、第2コネクタ2に接続されているY字チューブ20を強制的にガイドすることができるので、当該Y字チューブ20をスムーズに変位させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好適には腹膜透析に用いられる医療用コネクタの手動脱着装置の内部構成の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腹膜透析法(CAPD)は腹膜を透析膜として使用するものであり、患者の腹腔内に植え込んだ腹腔カテ−テルに透析液の入ったバッグ付きの腹膜透析セットを連結して透析液を腹腔内に注入し、一定時間貯留した後に排液するものである。透析液を一定時間貯留して、透析液と腹膜内に分布する毛細血管の血液との間に生じる溶質濃度や浸透圧の格差によって、老廃物や水を除去して血液浄化を行う。
【0003】
腹膜透析は上記のように排液、バッグ交換、透析液注入、貯留のサイクルからなり、患者は1日にこのサイクルを3〜5回と頻繁に行わなくてはならず、慣れない者にとっては大変面倒な操作である。特に問題となるのは、腹腔カテ−テルに連結したエキステンションチュ−ブ先端に設けられた患者側コネクタ(第1コネクタ)と透析液バッグ付きセットの透析液側コネクタ(第2コネクタ)の脱着であり、脱着の際のコネクタ−への細菌付着は腹膜炎の原因となるので、充分な注意が必要である。またコネクタ−の脱着時の問題は細菌付着だけではなく、眼や手の不自由な患者の手技の誤操作によって、接続ミスや液漏れ等の重大な事態を引き起こす恐れがある。
【0004】
かかる問題を解消するための医療用コネクタの手動式脱着装置が下記特許文献1,2により提案されている。この手動脱着装置を用いた場合のコネクタの脱着手順を図18に概念的に示す。図18(a)は、患者側コネクタと透析液側コネクタを接続する前の準備段階を示し、まず、患者側300の腹腔に挿入されたカテーテルの先端には患者側コネクタ100が設けられ、コネクタキャップ101がされている。一方、透析側にはY字チューブの先端に透析液側コネクタ200が設けられ、コネクタキャップ201がされている。Y字チューブの二股に分岐した先には、透析液バッグ301と排液バッグ302が接続され、バルブによりいずれか一方が患者側と接続される。
【0005】
図18(a)のセット状態では、患者側コネクタ100とコネクタキャップ201が並列配置されると共に、コネクタキャップ101と透析液側コネクタ200も並列配置される。
【0006】
このセット状態から、コネクタキャップ101と患者側コネクタ100を分離するために、コネクタキャップ101を回転させると共に両者を引き離す。これと同時に、コネクタキャップ201と透析液側コネクタ200を分離するために、両者を引き離す。これを図18(b)に示す。
【0007】
次に、コネクタキャップ201と患者側コネクタ100の間に設定された軸線X(図18(b)参照)を回転中心として、これらを180゜回転させる。これにより、図18(c)に示すように、患者側コネクタ100と透析液側コネクタ200が互いに向かい合うようにする。また、コネクタキャップ101とコネクタキャップ201も互いに向かい合うようになっている。ついで、図18(d)に示すように、患者側コネクタ100と透析液側コネクタ200を軸線方向に沿って移動させて接近させ、透析液側コネクタ200を回転することで、両者が連結される。コネクタキャップ101とコネクタキャップ201も互いに連結される。この連結状態で、空の排液バッグ302に患者の腹腔内に貯留した透析液を排出する。そして、バルブを切り換えることで、透析液バッグ301内の透析液を腹腔内に注入する。
【0008】
透析液の注入が終了すると、これまでとは逆の手順をたどり、再び、コネクタキャップを夫々のコネクタにかぶせる。この場合、コネクタキャップは新しいものを用意してセットしておく。
【0009】
以上のように、コネクタ同士を接続するまでに図18のような操作を行う必要があり、特許文献1,2では、ハンドルを所定角度回転操作する場合に、この回転操作の領域の第1操作領域で(a)→(b)、第2操作領域で(b)→(c)、第3操作領域で(c)→(d)の操作を行なえるような機構が組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−54276号公報
【特許文献2】特開2007−259938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
軸線Xを回転中心としてコネクタキャップ201及び患者側コネクタ100を180゜回転させる際には、患者側コネクタ100に接続されているチューブも一緒に移動することとなる(図18(b)及び(c)参照)。この場合、上記特許文献1及び2に開示された構成では、円弧状のスリット内でチューブが移動するようにはなっているものの、チューブを強制的に持ち上げるなどしてガイドするような機構は備えられていないため、当該チューブをスムーズに移動させることができない場合がある。
【0012】
上記のようにチューブをスムーズに移動させることができない場合には、当該チューブの張力によってスムーズな操作ができなくなるといった問題がある。
【0013】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、コネクタに接続されているチューブをスムーズに移動させることができる医療用コネクタの手動脱着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため本発明に係る医療用コネクタの手動式脱着装置は、
第1コネクタと第2コネクタからなる医療用コネクタの脱着を行うため、
第1コネクタに第1コネクタキャップがされた状態で、第1コネクタと第1コネクタキャップを夫々保持可能な第1コネクタホルダ及び第1キャップホルダと、
第2コネクタに第2コネクタキャップがされた状態で、第2コネクタと第2コネクタキャップを夫々保持可能な第2コネクタホルダ及び第2キャップホルダとを備え、
第1コネクタホルダと第2キャップホルダが並列配置されると共に、第1キャップホルダと第2コネクタホルダが並列配置され、
コネクタの脱着を操作するための操作部と、
この操作部の第1操作領域で、第1コネクタと第1コネクタキャップとを分離すると共に、第2コネクタと第2コネクタキャップとを分離するキャップ分離手段と、
第1操作領域に続く第2操作領域で、並列配置された第1コネクタキャップと第2コネクタ、もしくは、第1コネクタと第2コネクタキャップを所定の軸線周りで回転させ、第1コネクタと第2コネクタ、及び、第1コネクタキャップと第2コネクタキャップを夫々向かい合うように移動させるホルダ回転手段と、
第2操作領域に続く第3操作領域で、第1コネクタと第2コネクタ、及び、第1コネクタキャップと第2コネクタキャップを夫々連結させるコネクタ連結手段と、
ホルダ回転手段による回転に伴って変位することにより、第1コネクタ又は第2コネクタに接続されているチューブをガイドするチューブガイド部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
かかる医療用コネクタの手動式脱着装置の作用・効果を説明する。操作部を操作することで、第1コネクタと第2コネクタを連結するものであり、最初のセット状態では、図18(a)で説明したように、第1コネクタ第2コネクタキャップが並列配置され、第1コネクタキャップと第2コネクタが並列配置されるように、セットされる。
【0016】
操作部による操作領域は、大きく、第1操作領域、第2操作領域、第3操作領域に分けることができる。各操作領域における動作は次のようになっている。
【0017】
(1)第1操作領域では、第1コネクタと第1コネクタキャップを分離し、かつ、第2コネクタと第2コネクタキャップを分離する。コネクタとコネクタキャップの結合方式は、ネジ式やスナップ結合方式など、種々考えられるが、特定のものに限定されるものではなく、キャップ分離手段は、結合方式に対応した機構が採用される。
【0018】
(2)第2操作領域では、第1コネクタと第2コネクタとを向かい合わせると共に、第1コネクタキャップと第2コネクタキャップとを向かい合わせるように、ホルダを移動させる。この場合、所定の軸芯周りに回転するようにしている。また、回転させる場合は、少なくとも次の2通りの態様が考えられる。
(2−1)第1コネクタと第2コネクタキャップを固定した状態で、第1コネクタキャップと第2コネクタを回転させる。回転中心は、第1コネクタキャップと第2コネクタの間の中心線とすることができる。
(2−2)第1コネクタキャップと第2コネクタを固定した状態で、第1コネクタと第2コネクタキャップを回転させる。回転中心は、第1コネクタと第2コネクタキャップの間の中心線とすることができる。
【0019】
(3)第3操作領域では、第1コネクタと第2コネクタ、第1コネクタキャップと第2コネクタキャップが夫々連結される。
【0020】
かかる構成では、ホルダ回転手段による回転に伴って、第1コネクタ又は第2コネクタが回転することにより、当該第1コネクタ又は第2コネクタに接続されているチューブも一緒に移動することとなる。その際、ホルダ回転手段による回転に伴って変位するチューブガイド部材により、第1コネクタ又は第2コネクタに接続されているチューブを強制的にガイドすることができるので、当該チューブをスムーズに移動させることができる。
【0021】
本発明に係る医療用コネクタの手動式脱着装置は、前記ホルダ回転手段による回転に伴って変化する第1コネクタ又は第2コネクタの高さと、前記ホルダ回転手段による回転に伴ってチューブガイド部材によりガイドされるチューブの高さとが、略一致していることが好ましい。
【0022】
このような構成によれば、第1コネクタ又は第2コネクタに接続されているチューブを、第1コネクタ又は第2コネクタと略一致する高さになるようにガイドすることにより、ホルダ回転手段による回転方向にチューブの張力が作用するのを防止することができる。これにより、チューブの張力によってスムーズな操作ができなくなるのを防止できる。
【0023】
本発明に係る医療用コネクタの手動式脱着装置は、
第1コネクタホルダ、第1キャップホルダ、第2コネクタホルダ及び第2キャップホルダを保持する本体ケースと、
本体ケースに対して開閉可能に設けられた開閉蓋とを備え、
本体ケースの側面部と、開閉蓋の側面部により、開閉蓋を閉じた時にスリットが形成され、
このスリットが、チューブガイド部材によってガイドされるチューブの移動軌跡に対応する形状からなり、当該スリット内に前記チューブが挿通されることが好ましい。
【0024】
このような構成によれば、チューブの移動軌跡に対応する形状からなるスリット内で、チューブガイド部材によってガイドされるチューブを移動させることができる。このようなスリット内にチューブを挿通させることにより、チューブを挿通させるための大きな開口部を形成するような構成と比較して、装置内に異物が入り込むのを効果的に防止することができる。また、当該スリットが、チューブガイド部材によって強制的にガイドされるチューブの移動軌跡に対応する形状からなることにより、スリット内でチューブをよりスムーズに移動させることができる。
【0025】
本発明に係る医療用コネクタの手動式脱着装置は、チューブガイド部材に当接するカム面を有し、前記ホルダ回転手段による回転に伴って前記所定の軸線周りに回転することにより、チューブガイド部材を変位させる駆動レバーを備えていることが好ましい。
【0026】
このような構成によれば、ホルダ回転手段による回転に伴って回転する駆動レバーのカム面により、当該カム面に当接するチューブガイド部材を変位させることができるので、カム機構を用いた簡単な構成でチューブをスムーズに移動させることができる。
【0027】
本発明に係る医療用コネクタの手動式脱着装置は、
前記ホルダ回転手段を構成する部材として機能し、操作部の操作に連動して回転可能な伝達ギヤと、
この伝達ギヤと操作部の間に介在するクラッチ機構とを備え、
第1操作領域においてはクラッチが切れた状態とし、第1操作領域から第2操作領域への移行時にクラッチが入り前記伝達ギヤを回転させ、第2操作領域から第3操作領域への移行時に再びクラッチが切れた状態になるように構成されていてもよい。
【0028】
操作部を操作した時の動力の伝達は、クラッチ機構を介して伝達ギヤに伝達される。伝達ギヤが回転することで、第1コネクタキャップと第2コネクタ、もしくは、第1コネクタと第2コネクタキャップを回転させることができる。ただし、第1操作領域では、クラッチが切れているので、伝達ギヤが回転することはなく、上記回転動作は行われない。第1操作領域から第2操作領域へ移行すると、クラッチが入るので、上記回転動作が行われる。第2操作領域から第3操作領域へ移行すると、再びクラッチが切れるので、上記回転動作は行われない。これにより、第2操作領域における回転動作を確実に行うことができる。
【0029】
また、クラッチ機構により操作力の伝達の入り切りを行うようにしたので、第1操作領域から第2操作領域への移行時にギヤの歯と歯が衝突することはない。従って、操作部を操作する時に衝撃力が作用しないので、操作感触を向上させることができる。
【0030】
さらに、第1コネクタ又は第2コネクタに接続されているチューブをチューブガイド部材で強制的にガイドすることにより、クラッチが切れている第1操作領域又は第3操作領域において、チューブの張力によってホルダが回転してしまうのを防止することができるので、第1操作領域又は第3操作領域で行われる操作をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】コネクタの構成を示す図
【図2】コネクタの結合状態を示す図
【図3A】手動脱着装置の外観構成を示す斜視図(操作部側)
【図3B】手動脱着装置の外観構成を示す斜視図(反対側)
【図4A】手動脱着装置の開閉蓋を開いた状態を示す斜視図(コネクタ押えを開いた状態)
【図4B】手動脱着装置の開閉蓋を開いた状態を示す斜視図(コネクタ押えを閉じた状態)
【図4C】コネクタ押えを閉じた状態を示す断面図
【図5】手動脱着装置の開閉蓋を開いた状態を示す平面図(コネクタ押えを開いた状態)
【図6】第1コネクタのためのホルダ構造を示す図
【図7】第2コネクタのためのホルダ構造を示す図
【図8A】開閉蓋とホルダの連動機構を示す斜視図(蓋を開いた状態)
【図8B】開閉蓋とホルダの連動機構を示す斜視図(蓋を閉めた状態)
【図9A】操作部からホルダ支持体への動力伝達機構(ホルダ駆動機構)を示す斜視図
【図9B】操作部からホルダ支持体への動力伝達機構(ホルダ駆動機構)を示す平面図
【図10A】クラッチ機構の構成を示す図
【図10B】クラッチ機構の構成を示す図
【図11A】ホルダ支持体の駆動機構を底面側からみた平面図
【図11B】ホルダ支持体の駆動機構を底面側からみた斜視図
【図11C】ホルダ支持体のクリック機構を示す底面側から見た斜視図
【図12】ホルダ回転機構の構成を示す図
【図13】円筒カムの動作を説明する図
【図14】イジェクト機構の構成を示す側面図
【図15A】チューブガイド機構の構成を示す図
【図15B】チューブガイド機構の動作を示す図
【図16A】手動脱着装置の動作を説明する平面図(コネクタセット)
【図16B】手動脱着装置の動作を説明する平面図(第1コネクタ緩め)
【図16C】手動脱着装置の動作を説明する平面図(コネクタ分離)
【図16D】手動脱着装置の動作を説明する平面図(コネクタ回転)
【図16E】手動脱着装置の動作を説明する平面図(コネクタ結合)
【図17】ホルダの回転動作を説明する図((a)コネクタ回転開始)((b)コネクタ90゜回転)((c)コネクタ180゜回転)
【図18】従来技術に係るコネクタの挿脱を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る医療用コネクタの手動式脱着装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。まず、医療用コネクタの好適な実施形態を説明する。
【0033】
<医療用コネクタ>
冒頭で説明したように、本発明に係る医療用コネクタは、好適には腹膜透析法(CAPD)で使用されるものであり、患者側コネクタと透析液側コネクタにより構成される。これらコネクタの構成を図1に示す。
【0034】
図1(a)は、患者側の第1コネクタ1の構成を示している。第1コネクタ1は、チューブ10の先端側にコネクタ接続部11が設けられる。コネクタ接続部11における接続操作を行なうためのつまみ部12と、つまみ部12とコネクタ接続部11の境界に位置するフランジ13が設けられる。コネクタ接続部11には、Oリング14とカム溝15が設けられている。Oリング14を設けることで、透析液の漏洩などを防止する。つまみ部12には、円周方向に2箇所、操作用の突出部12aが設けられる。
【0035】
カム溝15を円周方向に沿って展開すると、図1(b)に示すような図になる。カム溝15は、円周方向に同じものが180゜間隔で2箇所形成されている。カム溝15は、第1領域15aと第2領域15bを有し、第1領域15aは円周方向で45゜の領域を占め、傾斜した溝となっている。第2領域15bも円周方向で45゜の領域を占め、円周方向に沿った直線溝となっている。
【0036】
コネクタ接続部11には、第1コネクタキャップ3を被せることができ、操作用の突出部30が円周方向に2箇所設けられている。第1コネクタキャップ3の内部には、2箇所、カム溝15に係合する係合突起31が設けられている。従って、第1コネクタキャップ3を第1コネクタ1に被せるときは、係合突起31をカム溝15の入口のところに合わせ(図1(b)参照)、第1コネクタキャップ3を回転させることで(第1コネクタ1側を回転させてもよい)、第1コネクタキャップ3が回転すると共に、軸線方向(図1の左右方向)に移動し、第1コネクタ1に第1コネクタキャップ3を被せることができる。図2(a)は第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3の結合完了状態を示している。
【0037】
また、第1コネクタキャップ3の外周面にはリング状の第1フランジ30aと第2フランジ30bが形成されており、第1キャップホルダに装着した時の位置決めに利用される。第1フランジ30aと第2フランジ30bは、ホルダへの位置決めを行なうために所定間隔離れており、第2フランジ30bが挿入側に位置する。
【0038】
図1(c)(d)は、透析液側の第2コネクタ2の構成を示している。(d)は(c)の状態から90゜回転させた状態の側面図である。第2コネクタ2は、Y字チューブ20の先端側にコネクタ接続部21が設けられる。Y字チューブ20には、排液バッグと透析液バッグが接続される。コネクタ接続部21には、円周方向に2箇所、操作用の突出部21aが形成される。また、コネクタ接続部21の外周には、リング状の第1フランジ21bと第2フランジ21cが設けられており、第2コネクタホルダに装着した時の位置決めに利用される。第1フランジ21bと第2フランジ21cは、ホルダへの位置決めを行なうために所定間隔離れており、第2フランジ21cが挿入側に位置する。
【0039】
コネクタ接続部21には、第2コネクタキャップ4を被せることができる。第2コネクタキャップ4には、つまみ部40が設けられ、リング状に形成されている。第2コネクタキャップ4の先端には、コネクタ接続部21と連結させるための係合爪41が2箇所設けられている。係合爪41は、弾性変形可能に形成されている。
【0040】
図2(b)は、第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4を結合した状態を示すが、コネクタ接続部21の内部には、係合爪41の先端が係合する係合溝22が設けられている。従って、第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4を結合するときは、第2コネクタ2の係合溝22と、第2コネクタキャップ4の係合爪41の円周方向の位置を合わせ、そのまま軸線方向に沿って第2コネクタキャップ4を挿入することで結合できる。すなわち、第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4の結合に際して、回転操作は不要であり、軸線方向の移動のみで着脱可能である。
【0041】
第2コネクタキャップ4の中央部には、円筒形の突出筒42が形成されており、第2コネクタ2を連結した時、内部の円筒形の突出筒23が内部に嵌合するように構成される。また、第2コネクタキャップ4の突出筒42の外周であって、係合爪41が形成されていない領域にはガイド壁43が形成されている。また、ガイド壁43の中央には、三角形の切り欠き43aが形成されている。
【0042】
また、つまみ部の根元側には、リング状の第1フランジ40aと第2フランジ40bが設けられており、第2キャップホルダに装着した時の位置決めに利用される。
【0043】
透析液の交換を行なうときには、患者側の第1コネクタ1の第1コネクタキャップ3を外すと共に、透析液側の第2コネクタ2の第2コネクタキャップ4も外し、第1コネクタ1と第2コネクタ2を連結する。その接続完了状態を図2(c)に示す。第2コネクタ2のコネクタ接続部21の内部にも、第1コネクタキャップ3と同様に係合突起23aが設けられており、カム溝15に係合することができる。よって、第2コネクタ2を第1コネクタ1に装着するときの動作は、第1コネクタキャップ3を装着するときの動作(回転操作+軸線方向の移動)と同じである。
【0044】
また、図2(d)に示すように、第1コネクタキャップ3と第2コネクタキャップ4も互いに装着することができる。第1コネクタキャップ3の内部には、第2コネクタと同様に、第2コネクタキャップ4の係合爪41と係合する係合溝32が設けられている。前述の三角形の切り欠き43aを設けているので、第1コネクタキャップ3の係合突起31とは干渉しない。第1・第2コネクタキャップ3,4を結合するときは、回転操作は不要であり、軸線方向のみの操作でよい。
【0045】
患者側の第1コネクタ1は、透析液の交換時(排出・注入時)において透析液バッグと接続する必要があると共に、次回の透析液の交換までの間に、第1コネクタ1の結合状態が不用意に外れないように保護する必要がある。そこで、第1コネクタ1と第2コネクタ2、及び、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3の脱着操作は、回転操作によるものとした。
【0046】
また、透析液側の第2コネクタ2の方は、製品の外包材を開封して、患者側の第1コネクタ1と接続するまでの間、保護されていればよく、回転操作による脱着は必要ないため、第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4の脱着操作は軸線方向の移動のみとしている。
【0047】
<医療用コネクタの手動式脱着装置の構成>
次に、図1,図2で説明した医療用コネクタの手動脱着装置について説明する。図3A,3Bは、手動脱着装置の外観構成を示す斜視図であり、図3Aは、操作部の側からみた斜視図であり、図3Bは反対側からみた斜視図である。
【0048】
手動脱着装置は、外観部品として、本体ケース5と開閉蓋6を備えている。開閉蓋6は、回転軸芯X4周りに回転可能に軸支されており、開閉蓋6を開くことにより装置本体上部が露出するように構成される。軸芯X4は、図4Aに示しているが、操作部7が設けられる側とは反対側に水平に設けられている。図3Aに示すように、チューブ10を通すための穴6aが形成されている。
【0049】
本体ケース5の側面部に形成された湾曲部5aと、開閉蓋6の側面部に形成された湾曲部6bにより、開閉蓋6を閉じた時にスリットSが形成される。このスリットSは、第1コネクタ1と第2コネクタ2の脱着を行う時に、第2コネクタ2のY字チューブ20が移動できるように設けられたものである。このスリットSは、ほぼ円弧状に形成されている。
【0050】
本体ケース5の前面側には、回転ハンドル形式の操作部7が設けられており、軸芯Y周りに145゜回転操作できるように取り付けられている。操作部7の端部には操作つまみ7aが設けられており、開閉蓋6を閉じて矢印A1方向(図3A参照)に操作部7を回転させることで第1コネクタ1と第2コネクタ2の結合を行なうことができ、矢印B1方向に回転させることで、第1コネクタ2と第2コネクタ2の分離を行なうことができる。また、操作部7は、開閉蓋6を開いた状態では回転操作できないようにロック機構が設けることが好ましい。
【0051】
開閉蓋6の操作部7の側には、操作用凹部6cが設けられている。開閉蓋6の開閉をロックするための蓋ロックレバー110が設けられており、本体ケース5の上部に回動自在に保持されている。本体ケース5の側に、蓋ロックレバー110を回動させるための軸受部111が設けられている。蓋ロックレバー110を手前側に倒すことで、開閉蓋6を開くことができる。蓋ロックレバー110の裏面には、操作用凹部6cに設けられた係合突起(不図示)と係合可能な係合爪(不図示)が一体形成されている。操作用凹部6cは、蓋ロックレバー110を操作する時に指を装入するための空間部として機能する。
【0052】
<ホルダ構造>
次に、第1コネクタ1と第2コネクタ2をセットするためのホルダ構造に関して説明する。コネクタ1,2をセットするための各ホルダは、開閉蓋6を開くことで装置本体上部に露出するため、上方から各コネクタ1,2をセットすることができる。
【0053】
図4A,4Bは、手動脱着装置の開閉蓋を開いた状態を示す斜視図であり、図4Aは、コネクタ押えを閉じた状態を示し、図4Bはコネクタ押えを開いた状態(開閉蓋の図示は省略)を示す。図4Cは、コネクタ押えを閉じた状態を示す断面図である。図5は、手動脱着装置の開閉蓋を開いた状態を示す平面図である。図6は、第1コネクタ1をセットするためのホルダ構造を示し、図7は、第2コネクタ2をセットするためのホルダ構造を示す。図8は、開閉蓋とホルダの連動機構を示す図である。
【0054】
図4において、コネクタ押え120は、軸芯X5周りに回動自在に保持されている。コネクタ押え120は、コネクタの脱着動作中に、不用意にコネクタ1,2やコネクタキャップ3,4が浮き上がってこないように押さえつける機能を有する。コネクタ押え120は、プレート状の平面部121と、角穴121aを有する。平面部121の上には、適宜の色(例えば、赤)で印刷されたライン121bが形成される。
【0055】
一方、本体側の本体ケース5の内部には、各部材を保持するための第1フレーム150と第2フレーム151がそれぞれ樹脂成型により形成されている。これら第1・第2フレーム150,151ははめ込み、ネジ等の適宜の方法で一体化される。第1フレーム150の表面に一体形成された嵌合突起122が設けられ、角柱状に形成される。嵌合突起122の表面にもライン122aが印刷されており、コネクタ押え120を完全に閉じたときには、ライン121b,122aが一直線に見える。これにより、コネクタ押え120の装着完了状態を確認することができる。
【0056】
図4Cは、コネクタ押え120を閉じた状態を示す断面図である。図4Bに示すように、コネクタ押え120の裏面側には、クリックピン123が突出しており、コイルバネ124により突出方向に付勢している。嵌合突起122には、段差部122bが形成されている。コネクタ押え120を閉じていくとき、クリックピン123の先端が嵌合突起122の表面に当接するが、その状態から更にコネクタ押え120を押し込んでいくと、嵌合突起122の壁面によりクリックピン123が強制的に押し込まれる。クリックピン123が、段差部122bの位置にくると、コイルバネ124の付勢力によりクリックピン123が突出して、コネクタ押え120が保持される(図4C参照)。
【0057】
図4において、イジェクトレバー160が設けられており、これを押し下げると、ホルダからコネクタ1,2やコネクタキャップ3,4を取り出すことができる。イジェクト機構の詳細については、後述する。
【0058】
図5は、開閉蓋6およびコネクタ押え120を開いた状態の平面図を示している。第1フレーム150と第2フレーム151の境界線は150Lで示される。第1フレーム150の表面には、コネクタ1,2の挿入方向を示すための第1印刷パターン150aと第2印刷パターン150bが印刷されている。
【0059】
第1フレーム150から一体的に突出形成された軸受部150cと、コネクタ押え120に形成された左右一対の軸受部120aに、支持軸125が貫通することで、コネクタ押え120の回転軸受部が構成されている。
【0060】
<コネクタホルダの詳細1>
図6において、(a)は第1コネクタ1を保持するためのホルダ構造を示す斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3を装着した状態を示す平面図である。第1コネクタホルダ50には、第1コネクタキャップ3を結合した状態で第1コネクタ1を装着することができる。第1コネクタホルダ50は、ホルダ本体部50aと、ホルダ本体部50aと一体的に設けられるチューブ支持部50bを備えている。また、ホルダ本体部50aの中央には一対の係合爪50cが設けられている。第1コネクタ1のつまみ部12がホルダ本体部50aに挿入されると、係合爪50cによりつまみ部12を挟持し、装着された第1コネクタ1が第1コネクタホルダ50内で回転しないように確実に保持される。係合爪50cは、根元部分に回動軸芯X6が設定されており、回転軸芯X6周りにフリーで回動可能に支持されている(図6(c)参照)。
【0061】
また、補助ホルダ51が設けられており、その内部にチューブ支持部50bが矢印C方向にスライド可能に挿入される。圧縮コイルスプリング52が設けられており、第1コネクタホルダ50が補助ホルダ51から突出する方向に付勢されている。ただし、第1コネクタホルダ50の当接部50xが補助ホルダ51に形成された当接部51xに互いに当接した状態になるので、これにより、突出方向への移動が規制される。この状態は、図6(c)に概念的に図示している。
【0062】
チューブ支持部50bには、第1コネクタ1のチューブ10が挿入できるようにチューブ収容溝50e(U字形)が設けられており、補助ホルダ51にも、チューブ10が挿入可能なように上部にスリットが設けられる。補助ホルダ51には、上記チューブ収容溝50eが嵌合することができる嵌合部51bが形成されている。これにより、補助ホルダ51内を第1コネクタホルダ50が矢印C方向にスライド移動することができる。
【0063】
ホルダ本体部50aの底部には穴50fが形成されており、後述のイジェクトピンがこの穴50fを介して突出可能に構成されており、一度装着した第1コネクタ1を取り出しやすくしている。
【0064】
また、補助ホルダ51を開閉蓋6の開閉に連動して回転させるための軸受部51aが一体形成されている。この連動機構については後述する。
【0065】
前述の第2フレーム151から一体的に一対のホルダ保持アーム151aが形成されており、補助ホルダ51の上方への移動が規制される。一対のホルダ保持アーム151aはアーチ型に形成され、これらホルダ保持アーム151aが向かい合う位置に、チューブ10が挿入されるスリットが形成されている。
【0066】
第1キャップホルダ60は、第1コネクタキャップ3が装着される。第1コネクタキャップ3は、本体部60aを備えており、第1コネクタキャップ3が載置される凹部が形成されている。本体部60aの第1コネクタホルダ50に近い側にキャップ案内部60bが形成されており、第1コネクタキャップ3を装着した時に第1フランジ30aと第2フランジ30bの間に形成された溝が、上記キャップ案内部60bにより案内される。これにより、第1コネクタキャップ3をその軸線方向に位置決めした状態で取り付け可能にしている。
【0067】
第1キャップホルダ60の底部には軸線方向に沿った溝60cが形成され、第1コネクタキャップ3の突出部30が嵌合し、これにより、第1コネクタキャップ3が第1キャップホルダ60内で相対的に回転しないように保持される。
【0068】
第1本体部60aの底部には穴60dが形成され、第1コネクタホルダ50と同様に後述のイジェクトピンが突出可能に構成される。
【0069】
第2本体部60bの第1本体部60aとは反対側に、リング状のガイド溝61が形成され、更に、第1ギヤ62が設けられる。第1ギヤ62と一体的にギヤ軸62aが設けられており、このギヤ軸62aの軸芯は、第1コネクタ1の軸線とは偏心した位置にある。ガイド溝61や第1ギヤ62の機能については後述する。
【0070】
<コネクタホルダの詳細2>
図7において、(a)は第2コネクタ2を保持するためのホルダ構造を示す斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は第2コネクタ2を装着した状態を示している。第2コネクタホルダ70には、第2コネクタキャップ4を結合した状態で第1コネクタ2を装着することができる。
【0071】
第2コネクタホルダ70は、第2キャップホルダ45に近い側に位置する第1本体部70aと、遠い側に位置する第2本体部70bとを備えている。第1本体部70aは、上方から第2コネクタ2を挿入するために上部が開放され、第2本体部70bも同様に上部が開放されている。第2コネクタ2の形状に合わせて、第2本体部70bの収容凹部の幅は、第1本体部70aの収容凹部の幅よりも狭くなっている。
【0072】
第2コネクタホルダ70の底部には軸線方向に沿った溝70dが形成され、第2コネクタ2の突出部21aが嵌合し、これにより、第2コネクタ2が第2コネクタホルダ70内で相対的に回転しないように保持される。また、第1本体部70aの内部には円周溝70eが形成され、第2コネクタ2の第1フランジ21bが嵌入され、第2コネクタ2をその軸線方向に位置決めした状態で取り付け可能にしている。
【0073】
第2本体部70bの第1本体部70aが設けられている側とは反対側に、リング状のガイド溝71が形成され、更に、第2ギヤ72が設けられる。第2ギヤ72と一体的にギヤ軸72aが設けられており、このギヤ軸72aの軸芯は、第2コネクタ2の軸線とは偏心した位置にある。ガイド溝71や第1ギヤ72の機能については後述する。
【0074】
ホルダ本体部70aの底部には穴70fが形成されており、後述のイジェクトピンがこの穴70fを介して突出可能に構成されており、一度装着した第2コネクタ2を取り出しやすくしている。
【0075】
第2キャップホルダ45は、一対のガイド部45aを備えており、第2コネクタキャップ4のつまみ部40を装着する時のガイドとして機能する。また、軸線方向に沿って形成される溝45bを備えており、第2コネクタキャップ4のつまみ部40が嵌合する。これにより、第2コネクタキャップ45が第2キャップホルダ45内で相対的に回転しないように保持される。
【0076】
第2コネクタホルダ70及び第2キャップホルダ45の軸線X2は、隣接配置される第1コネクタホルダ50及び第1キャップホルダ60の軸線X1(図6参照)と平行であり、かつ所定間隔離れて配置される。
【0077】
また、第2キャップホルダ45は、回転も移動もできない状態で装置本体上部(第1フレーム150)に固定される。第2キャップホルダ45は、ボルト等の適宜機械的手段により、装置本体の第1フレーム150に対して結合される。
【0078】
第2キャップホルダ45の底部にも穴45dが形成されており、後述のイジェクトピンがこの穴45dを介して突出可能に構成されており、一度装着した第2コネクタキャップ4を取り出しやすくしている。
【0079】
<開閉蓋とホルダとの連動機構>
図8A,8Bは、開閉蓋6と第1コネクタホルダ50と補助ホルダ51との連動機構を示す図である。開閉蓋6は、蓋支持ブロック600を介して、支持軸601周りに回動可能に軸支されている。蓋支持ブロック600と、開閉蓋6は、ネジ603により締結されている。開閉蓋6の回転運動をホルダに伝達するためのリンクレバー602が設けられている。リンクレバー602の蓋側に近い端部は、蓋支持ブロック600から突出した腕部600aにおいて、リンク軸602aにより相対回動可能に軸支されている。補助ホルダ51に近い側の端部は、リンク軸602bが、補助ホルダ51の軸受部51aにより相対回動可能に軸支されている。
【0080】
図8Aは、開閉蓋6を開いた状態であり、補助ホルダ51のチューブを収容するための空間は上方を向いている。開閉蓋6を支持軸601周りに回転させて閉めていくと、リンクレバー602を介して、補助ホルダ51を図8Aの反時計方向(矢印参照)に回転させる。回転させる角度は、90゜である。開閉蓋6の開閉角度も90゜である。開閉蓋6を閉めた状態の図を図8Bに示す。
【0081】
かかる構成を採用することで、開閉蓋6の開閉操作に連動して、第1コネクタ1を回転させて第1コネクタキャップ3を緩めること、あるいは、第1コネクタキャップ3を締結することができる。第1コネクタ1を回転させるときに、第1コネクタ1が軸線(X1)方向に移動しようとする。そのときに、第1コネクタホルダ50が圧縮コイルスプリング52の付勢力に抗して、第1コネクタキャップ3から離れる方向(もしくは、第1コネクタホルダ50が補助ホルダ51に近づく方向)に移動することができる(図6(c)参照)。
【0082】
第1キャップホルダ60は、装置本体側に設けられることになるが、軸線X1と同軸になる位置に設けられる。
【0083】
<内部機構の説明>
次に、ホルダを駆動するための内部機構について説明する。図3Aに示すように、操作部7は、手動による回転操作により回転する部材であり、図3Aの矢印A1方向に操作すると、第1コネクタ1と第2コネクタ2のコネクタキャップ3,4を夫々外して、第1コネクタ1と第2コネクタ2を連結させることができる。同時に、各コネクタ1,2のコネクタキャップ3,4同士も連結させることができる。
【0084】
操作部7を矢印B1方向に操作すると、上記とは逆の動作が行なわれ、第1コネクタ1と第2コネクタ2を分離させ、新しいコネクタキャップ3,4を夫々のコネクタ1,2に装着させることができる。
【0085】
図9A、図9Bは、操作部7からホルダ支持体への動力伝達機構(ホルダ駆動機構)を示す図である。図9Aは、動力伝達機構の斜視図であり、図9Bは、動力伝達機構の平面図である。また、イジェクト機構も一緒に搭載されている。イジェクトレバー160は、通常は垂直姿勢に収容されているが、図示の便宜上、図9では、倒した状態で図示している。
【0086】
図9において、動力伝達機構を保持するプレート状の支持フレーム210が設けられている。操作軸25は、操作部7に連結されており、操作部7の回転操作に連動して回転する。なお、操作部7の図示は省略している。この操作軸25に、ベベルギヤ26が一体結合されている。操作軸25を軸支するために、支持フレーム210から支持壁211が立設されている。また、操作軸25の端部は、平面視でL字状の支持壁212により軸支されている。
【0087】
また、軸線X1とX2のちょうど中点に軸線X3が設定されており、さらに、その軸線X3の垂直下方に設定された軸線X3’周りに回転可能な円筒カム27が設けられる。円筒カム27の円周面に沿ってカム溝27aが形成されている。円筒カム27は、軸線X3’に沿う回転軸28により支持されている。回転軸28の一端は、L字状の支持壁212により軸支されている。回転軸28の他端は、支持フレーム210に垂直に立設された支持壁213により軸支されている。
【0088】
円筒カム27の一端には、ベベルギヤ27bが一体成型されており、ベベルギヤ26と常時噛み合っている。ベベルギヤ26とベベルギヤ27bは、回転軸芯が直交する状態で噛み合っている。これにより、操作部7を回転操作すると、円筒カム27も回転する。
【0089】
円筒カム27に隣接して、伝達部材29が同芯上に設けられている。伝達部材29には、伝達ギヤ29aが一体成型されている。円筒カム27と、伝達部材29とは、同じ回転軸28により軸支されているが、円筒カム27から伝達部材29への動力の伝達は後述のクラッチ機構を介して行われる。すなわち、クラッチが切れているときは、円筒カム27が回転しても、伝達部材29は回転しない。クラッチが入れば、円筒カム27の回転が伝達部材29へと伝わるため、円筒カム27と伝達部材29とが一体的に回転できるように構成される。
【0090】
操作部7の第1操作領域S1と第3操作領域S3では、クラッチは切れており、第2操作領域S2においてのみ、クラッチが入るような構成を採用している。
【0091】
操作部7を回転すると、ベベルギヤ26、ベベルギヤ27bとともに円筒カム27も一緒に回転する。クラッチが入れば、伝達部材29も一緒に回転する。ただし、ベベルギヤ26、円筒カム27、ベベルギヤ27b、伝達部材29は、回転はできるが、それぞれの回転軸方向に沿って移動することはできない。
【0092】
<クラッチ機構>
次に、クラッチ機構の構成を図10A,10Bにより説明する。伝達部材29は、図9Bにも示すように、機能的な面で、軸線X3’に沿って、第1部分29Aと第2部分29Bに分けることができる。図10A(a)は、第1部分29Aを軸芯方向から見た図である。円周方向に沿って、部分的に伝達ギヤ29aが形成されている。伝達ギヤ29aは、その上部に配置される連結ギヤ81aと噛み合っている。連結ギヤ81aについては、ホルダ支持体を回転させる機能を有するものであり、詳細は後述する。
【0093】
図10A(b)に示すように、第2部分29Bには、直線的に円筒面を切り欠いたクラッチ作用面29cが形成されている。クラッチ作用面29cに隣接して通常の円筒面29dが形成され、さらに、大きく切り欠いた切り欠き面29eも設けられている。(a)(b)に示す第1部分29Aと第2部分29Bは、操作部7による操作を開始する前の状態を示しており、同一位相での状態を示している。
【0094】
図10A(c)には、円筒カム27の伝達部材29に接する側の構成を示している。円筒カム27の端部に、クラッチ部材270を収容するための収容凹部27cが形成されている。クラッチ部材270は、コイルスプリング271により円筒カム27から突出する方向に付勢されている。クラッチ部材270は、軸芯方向視で門型に形成されており、係止部270aが収容凹部27cに形成された段差部27dに当接することで、それ以上の上方への突出が規制される。
【0095】
図10Bに示すように、クラッチ部材270は、その上部に、押え部270b、従動部270c、ばね支持部270dがその順番に一体形成されている。押え部270bは、伝達部材29の側に突出するように配置されるが、その裏面が円筒面29dにほぼ接するような位置関係にある。ただし、押え部270bは円筒面29dを強制的に押えつけて伝達部材を回転させる機能はない。
【0096】
図10A(c)に示すように、従動部270cは、軸芯方向視で、その表面が略台形に形成されている。また、従動部270cは、押え部270bよりもさらに外側に突出した形状となっている(図10B参照)。ばね支持部270dの裏面と、収容凹部27cとの間にコイルスプリング271が配置される。
【0097】
図10A(c)に示すように、支持フレーム210に一体形成されるクラッチ作動ガイド214(クラッチ強制手段に相当する)が設けられている。クラッチ作動ガイド214は、円筒カム27の外周面と同芯の円弧面214aが形成されている。円筒カム27を図10Aの反時計方向に回転させると、クラッチ部材270の従動部270cがクラッチ作動ガイド214の位置まで移動し、さらに、従動部270cが押し込まれる。この状態を図10A(d)、図10B(b)に示す。
【0098】
このとき、クラッチ部材270は、コイルスプリング271の付勢力に抗して下方に(中心方向に)押し下げられる。さらに、このとき、押え部270bが伝達部材29のクラッチ作用面29cと向かい合う位置に移動している。従って、押え部270bによりクラッチ作用面29cを押さえつけるので、クラッチが入った状態になり、円筒カム27の回転とともに伝達部材29も一体的に回転する。この状態は、従動部270cがクラッチ作動ガイド214により押さえつけられている間(すなわち、第2操作領域S2の間)継続する。
【0099】
このように、クラッチが入っている領域では、伝達部材29が回転し、これに連動して連結ギヤ81aが回転可能になる。つまり、ホルダ支持体も回転可能になる。
【0100】
<ホルダ支持体の駆動機構>
次に、ホルダ支持体の駆動機構について説明する。図11Aは、ホルダ支持体の駆動機構を底面側からみた平面図である。図11Bは、ホルダ支持体の駆動機構を底面側からみた斜視図である。理解を容易にするため、一部分解した状態で図示している。図12は、ホルダ回転機構の構成を示す図である。
【0101】
ホルダ支持体80は、本体ケース5に取り付けられる駆動軸81に対して軸線X3に沿って移動可能に構成される。ホルダ支持体80には、カム溝27aに係合するカムピン80p(カムフォロア)が植設されている。従って、円筒カム27を回転することで、カムピン80pがカム溝27aに沿って移動するため、ホルダ支持体80が軸線X3に沿って移動可能になる。ただし、ホルダ支持体80は軸線X3周りに回転することはできない。
【0102】
ホルダ支持体80の軸線方向の一端部には円板状のガイド体80aが一体的に設けられており、このガイド体80aが第1キャップホルダ60のガイド溝61,第2コネクタホルダ70の71に嵌合している(図6、図7も参照)。これにより、第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70は、ガイド体80aにガイドされて、軸線X3周りにスムーズに回転可能となっている。
【0103】
駆動軸81は、その両端部が装置本体に回転可能な状態で軸支されている。この駆動軸81の一端部には、連結ギヤ81aが結合されており、この連結ギヤ81aは伝達ギヤ29aと噛み合うことができる。連結ギヤ81aと駆動軸81の連結は、駆動軸81にDカット部分を形成するとともに、連結ギヤ81aの中心にD穴を形成し、これらを嵌合(もしくは圧入)することで、両者は一体結合される。従って、連結ギヤ81aが回転すれば、必ず駆動軸81も回転する。なお、ホルダ支持体80は、回転軸81の軸芯X3に沿って移動できるように嵌合されている。連結ギヤ81aは軸芯X3に沿って移動することはできない。
【0104】
駆動軸81の他端側には、ガイド体80aに隣接して駆動ギヤ81b(図12も参照)が結合されている。これにより、伝達ギヤ29aと噛み合った連結ギヤ81aが回転すると、駆動ギヤ81bも一緒に回転できる。駆動ギヤ81bと駆動軸81の連結も、連結ギヤ81aと同様にDカットとD穴により行われている。従って、連結ギヤ81aと駆動ギヤ81bとは、一体的に回転する。
【0105】
図12は、ホルダを回転させるための機構を示す図であり、駆動軸81の一方の側からみた図である。図12(a)は、一部の部品(ギヤホルダ84など)をかぶせた状態を示し、(b)は、ギヤホルダ84を外した状態を示す。
【0106】
図12(b)に示すように、駆動ギヤ81bは、第1ギヤ62とは第1中間ギヤ82を介して連結され、第2ギヤ72とは第2中間ギヤ83を介して連結される。また、図12(a)にも示すように、ギヤホルダ84が設けられており、駆動軸81に対して一体的に結合されると共に、第1ギヤ62のギヤ軸62a、第2ギヤ72のギヤ軸72a、第1中間ギヤ82、第2中間ギヤ83を軸支している。これらギヤホルダ84により支持される5枚のギヤを説明の便宜上ギヤユニットと称する。
【0107】
かかる構成によれば、駆動軸81が回転すると、ギヤホルダ84も回転するため、軸線X3’周りに第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70が回転する。回転角度は180゜になるように設定されている。また、ギヤユニットを設けているため、第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70は、その支持姿勢を変えないまま(第1コネクタキャップ3と第2コネクタ4が上方に位置したまま)180゜回転させられることになる。
【0108】
(カム形状)
次に、円筒カム27のカム溝27aの形状と、操作領域の関係について説明する。図13(a)は、カム溝27aを平面的に展開した図を示す。図13(b)はカム回転角度とカム変位量の関係を示す。
【0109】
操作部7は、第1位置から第2位置へと回転操作可能であり、その間の操作角度は145゜である。また、操作部7の回転操作に連動して内部の円筒カム27が回転するが、円筒カム27に形成されるカム溝の角度はトータルで300゜となっている。操作部7及び円筒カム27の操作領域は、第1操作領域S1、第2操作領域S2,第3操作領域S3の3つの領域に分けることができる。円筒カム27での角度配分は、S1=S3=105゜,S2=90゜である。
【0110】
操作部7の往動作において、第1操作領域S1は、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3、第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4を夫々引き離す工程、第2操作領域S2は、引き離された第1コネクタキャップ3と第2コネクタ2を軸線X3周りに180゜回転させる工程、第3領域操作S3は、第1コネクタ1と第2コネクタ2、第1コネクタキャップ3と第2コネクタキャップ4をそれぞれ近接させる工程である。操作部7の復動作においては、上記とは逆の工程が行なわれる。
【0111】
<ホルダ支持体のクリック機構>
次に、ホルダ支持体80のクリック機構について図11Cにより説明する。ホルダ支持体80は、軸線X3に沿って移動するが、初期位置(第1操作領域S1の最初の位置)にて、クリック感があったほうが好ましい。これにより、操作が完了したことを操作部7を操作した時に感触として得ることができる。
【0112】
図11C(a)は、ホルダ支持体80の一部を下方から見た斜視図である。ホルダ支持体80は、角型の断面形状を有する第1本体部80bと、円形の断面形状を有する第2本体部80cとが一体形成されている。第1本体部80bにガイド体80aが一体連結されている。第1本体部80bにクリック溝80dが左右両側に形成されている。
【0113】
ホルダクリック部材86が設けられており、樹脂で形成される。ホルダクリック部材86は、クリック部86aを一対設けており、クリック溝80dに嵌合することができる。ホルダクリック部材86は、平面視でC字状に形成されており、一対のクリック部86aは、それぞれ腕部86bにより支持される。腕部86bは、薄い平板状に形成されており、容易に弾性変形できるように形成されている。
【0114】
ホルダクリック部材86には、根元側に取り付け部86cが形成され、第1フレーム150に一体形成された取り付け凸部150dにはめ込まれる。支持フレーム210の裏面側からネジ87により、ホルダクリック部材86が支持フレーム210に固定される。
【0115】
図11C(b)は、操作部7による操作を開始する前であり、クリック部86dがクリック溝80dに嵌合した状態である。この状態で操作部7を操作すると、ホルダ支持体80が矢印D方向に移動するため、クリック溝80dからクリック部86dが脱出する。腕部86bは弾性変形しやすいので、容易にクリック溝80dから脱出させることができる。クリック部86dが外れた後、ホルダ支持体80が矢印E方向から戻ってくると、再び、クリック部86dがクリック溝80dに嵌合する。
【0116】
<イジェクト機構>
次に、イジェクト機構について説明する。イジェクト機構は、第1コネクタ側と第2コネクタ側にそれぞれ同じ機構が設けられている。イジェクト機構は、ホルダに装着された第1・第2コネクタ、第1・第2コネクタキャップをホルダから強制的に押し上げるために設けられる。
【0117】
図9Aにイジェクト機構の斜視図が示され、図9Bにイジェクト機構の平面図が示され、図14にイジェクト機構の側面図が示される。また、図4、図5には、イジェクトレバー160の一部が外観に示されている。
【0118】
イジェクトレバー160は、支持フレーム210に一体形成された一対の支持壁215において、軸芯161まわりに回動可能に軸支されている。イジェクトレバー160は、操作部160aと、操作部160aを支持する左右一対の支持腕160bと、軸芯161と同軸に配置される回動部160cとが一体成型されている。また、軸芯近傍に、リンク連結部160dが左右一対設けられている。リンク連結部160dは、その先端部が水平方向よりも若干上向きになるように形成される。その先端部は、第1リンク軸162aにおいて、リンクレバー162の一端と相対回動自在に連結される。リンクレバー162は、ほぼ水平姿勢に配置される。
【0119】
リンクレバー162の他端は、作動プレート163の一端とリンク軸162bにおいて、相対回動自在に連結される。作動プレート163の他端には、作用ピン163aが一体的に植設されている。
【0120】
イジェクト部材164が設けられており、一対のイジェクトピン164a,164bと、テーパ面164cと、ガイド部164dが形成されている。一方のイジェクトピン164aには、コイルバネ165が取り付けられており、イジェクト部材164を下方に(イジェクトピンが退避する方向に)付勢している。従って、イジェクトレバー160を図14において、軸芯161周りに時計方向に付勢している。支持フレーム210に一体的に形成された垂直なガイド壁216が設けられており、ガイド部164dが、このガイド壁216に沿って上下移動可能に構成される。
【0121】
図14の状態において、イジェクトレバー160を反時計方向に回転させると、リンクレバー162を介して、作動プレート163を左方向にスライド移動させる。これにより、作用ピン163aも左方向に移動し、テーパ面164cに作用することで、イジェクト部材164を上方に押し上げる。これにより、ホルダに装着されている、コネクタ1,2やコネクタキャップ3,4をホルダから押し上げることができる。図4に示すように、本体ケース5には、縦方向に一対のスリット5dが形成されており、イジェクトレバー160を倒した時に、一対の支持腕160bがこのスリット5dを通過できるように構成されている。
【0122】
<チューブガイド機構>
次に、チューブガイド機構について説明する。図15Aは、チューブガイド機構の主要な構成を示す分解斜視図であり、図15Bは、チューブガイドの動作を示す図である。すでに説明したように、本体ケース5に湾曲部5aを形成して、開閉蓋6を閉じたときに円弧状のスリットSを形成している。このスリットSを利用して、コネクタの着脱を行う時に、Y字チューブ20の移動をスムーズにしている。このY字チューブ20の移動をよりスムーズに行うために、チューブガイド機構を設けている。
【0123】
図15Aにおいて、本体ケース5を内側からみている。軸受部5bは、駆動軸81の端部が嵌合され駆動軸81を軸支する。軸受部5bの両側に垂直に突出するガイドレール5cが一体形成される。
【0124】
チューブガイド部材90にはガイド穴90aが形成されており、このガイド穴90aの垂直端部と、一対のガイドレール5cにより、チューブガイド部材90が上下方向にスライド移動可能にガイドされる。チューブガイド部材90の表面側には、凹部90bが形成され、この凹部90bの上部内端面90cは直線状に形成されたフォロアーとして機能する。また、チューブガイド部材90の上端面はチューブ案内面90dとして機能する。
【0125】
駆動レバー91は回転可能な部材であり、その回転中心に小判穴91aが形成され、駆動軸81の小判軸部81cに嵌合する。これにより、駆動軸81と駆動レバー91とは一体的に回転可能になる。駆動レバー91の裏面側には破線で示すカム面91aが形成される(図12も参照)。カム面91aは裏面から突出して形成され、チューブガイド部材90の凹部90b内に位置することができる。カム面91aは、上部内端面90cに常時当接する位置関係にある。これにより、操作部7の操作に基づく第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70の軸線X3周りの回転に伴って、当該軸線X3周りに駆動レバー91が回転し、チューブガイド部材90が変位するようになっている。本実施形態では、駆動レバー91のカム面91aにより、当該カム面91aに当接するチューブガイド部材90を変位させることができるので、カム機構を用いた簡単な構成でY字チューブ20をスムーズに移動させることができる。
【0126】
図15Bにより動作を説明する。駆動軸81が回転するのは、第2操作領域S2においてである。第1操作領域S1では(a)に示すように、Y字チューブ20は、スリットSの左端に位置している。駆動軸81が回転し始めると、駆動レバー91も一緒に回転し始め、チューブガイド部材90は、ガイドレール5cに沿って上方に持ち上げられる。これにより、Y字チューブ20もチューブ案内面90dにより持ち上げられ、スリットSに沿って移動する。(c)は、ちょうどスリットSの頂点にY字チューブ20がきた状態を示す図である。(d)は、第2操作領域S2の最後、もしくは第3操作領域S3における状態を示す図である。Y字チューブ20は、スリットSの右端に位置しており、駆動レバー91は、駆動軸81により180度回転した状態になる。このように、スリットSとチューブガイド機構の協働により、よりスムーズにY字チューブ20の移動を行うことができる。
【0127】
このように、チューブガイド部材90は、操作部7の操作に基づく第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70の軸線X3周りの回転に伴って、上下方向に変位するようになっている。このような第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70の回転に伴って変位するチューブガイド部材90により、第2コネクタ2に接続されているY字チューブ20を強制的にガイドすることができるので、当該Y字チューブ20をスムーズに移動させることができる。
【0128】
本実施形態では、第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70の回転に伴って変化する第2コネクタ2の高さと、第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70の回転に伴ってチューブガイド部材90によりガイドされるY字チューブ20の高さとが、略一致している。すなわち、第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70が軸線X3周りに回転しているときには、第2コネクタ2とY字チューブ20とがほぼ水平に保持されるようになっている。これにより、第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70の回転方向にY字チューブ20の張力が作用するのを防止することができるので、Y字チューブ20の張力によってスムーズな操作ができなくなるのを防止できる。
【0129】
また、図15Bに示すように、スリットSは、チューブガイド部材90によってガイドされるY字チューブ20の移動軌跡に対応する形状となっている。この例では、チューブガイド部材90によってY字チューブ20が円弧状の移動軌跡でガイドされるようになっており、スリットSは、このY字チューブ20の移動軌跡に対応する円弧状に形成されている。ただし、Y字チューブ20の移動軌跡は円弧状に限らず、他の態様で移動するような構成とすることも可能である。
【0130】
これにより、Y字チューブ20の移動軌跡に対応する形状からなるスリットS内で、チューブガイド部材90によってガイドされるY字チューブ20を移動させることができる。このようなスリットS内にY字チューブ20を挿通させることにより、Y字チューブ20を挿通させるための大きな開口部を形成するような構成と比較して、装置内に異物が入り込むのを効果的に防止することができる。また、当該スリットSが、チューブガイド部材90によって強制的にガイドされるY字チューブ20の移動軌跡に対応する形状からなることにより、スリットS内でY字チューブ20をよりスムーズに移動させることができる。
【0131】
特に、本実施形態では、操作部7の第1操作領域においてはクラッチが切れた状態とし、第1操作領域から第2操作領域への移行時にクラッチが入り伝達ギヤ29aを回転させ、第2操作領域から第3操作領域への移行時に再びクラッチが切れた状態になるように構成されている。したがって、第2コネクタ2に接続されているY字チューブ20をチューブガイド部材90で強制的にガイドすることにより、クラッチが切れている第1操作領域又は第3操作領域において、Y字チューブ20の張力によって第1キャップホルダ60及び第2コネクタホルダ70が回転してしまうのを防止することができるので、第1操作領域又は第3操作領域で行われる操作をスムーズに行うことができる。
【0132】
本実施形態では、チューブガイド部材90が上下方向に変位するような構成について説明したが、このような構成に限らず、他の方向に変位するような構成であってもよい。また、チューブガイド部材90は、第2コネクタ2に接続されているY字チューブ20をガイドするような構成に限らず、第1コネクタ1に接続されているチューブ10をガイドするような構成であってもよい。この場合、第2キャップホルダ45及び第1コネクタホルダ50を軸線X3周りに回転可能な構成とし、第2キャップホルダ45及び第1コネクタホルダ50の回転に伴って変化する第1コネクタ1の高さと、第2キャップホルダ45及び第1コネクタホルダ50の回転に伴ってチューブガイド部材90によりガイドされるチューブ10の高さとが、略一致するような構成となっていてもよい。また、スリットSは、チューブガイド部材90によってガイドされるチューブ10の移動軌跡に対応する形状となっていてもよい。
【0133】
<コネクタの着脱操作>
次に、本実施形態に係る医療用コネクタの手動式脱着装置によるコネクタの着脱操作について、説明する。
【0134】
<1.コネクタのセット→蓋閉鎖>
まず、手動脱着装置の開閉蓋6を開放する。開閉蓋6の開放角度はちょうど90゜の状態である。図5に示す状態において、第1コネクタキャップ3が結合された第1コネクタ1をそれぞれ第1キャップホルダ60と第1コネクタホルダ50に装着する。一方、第2コネクタキャップ4が結合された第2コネクタ2を夫々第2キャップホルダ45と第2コネクタホルダ70に装着する(図16A参照)。このとき、操作部7は第1位置にある。なお、説明の便宜上、コネクタ押え120の図示は省略する。実際は、コネクタ押え120を閉じてコネクタを押えている。
【0135】
次に、開閉蓋6を閉鎖していくと、図8A,図8Bで説明したように、開閉蓋6とホルダとの連動機構により、開閉蓋6は軸線X4(軸芯601)周りに回転する。これに伴い、第1コネクタホルダ50及び補助ホルダ51も軸線X4周りに回転する。回転角度は開閉蓋6と同じであり、開閉蓋6を閉めるまでに第1コネクタホルダ50及び補助ホルダ51は90゜回転する。従って、これに装着された第1コネクタ1が90゜回転する(図8B)。
【0136】
第1コネクタ1を90゜回転させていくと、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3の結合が緩み始め、図1で示したように、コネクタキャップ3の係合突起31が第1コネクタ1のカム溝15から離脱する。この時、第1コネクタ1は軸線X1に沿って第1コネクタキャップ3から離間しようとするため、第1コネクタホルダ50は圧縮コイルスプリング52の付勢力に抗して後退する。これにより、第1コネクタ1から第1コネクタキャップ3を引き離す準備が整ったことになる(図16B参照)。
【0137】
<2.第1操作領域>
次に、操作部7を第1位置から徐々に回転させていく(矢印A1方向:図3A、図9A、図11B参照)。操作部7の回転により操作軸25及びベベルギヤ26が回転する。ベベルギヤ26の回転は、これに噛み合うベベルギヤ27bに伝達され、円筒カム27を回転させる。円筒カム27の回転により、カム溝27aに係合しているホルダ支持体80のカムピン80pがカム溝27aに沿って移動する。
【0138】
これにより、ホルダ支持体80が軸線X3(駆動軸81)に沿って矢印D方向に移動する(図11A、図11B参照)。この移動に伴い、第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70も同じ方向に移動する。なお、連結ギヤ81aは移動しない。ギヤホルダ84に支持されるギヤユニットも同じ方向に移動する。
【0139】
この移動により、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3は互いに引き離されていくことになる。第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3は、前述のような開閉蓋6の閉じ操作により、予めネジ結合を緩めており、スムーズに両者を引き離すことができる。これと同時に、第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4も互いに引き離される。第2コネクタ2と第2コネクタキャップ4はネジ結合ではなく、第2コネクタ2を矢印D方向に単に移動させることで、係合爪41が係合溝32から離脱し、両者を分離させることができる。図16Cは、その時の状態を示す平面図である。
【0140】
第1操作領域S1では、円筒カム27が回転してもクラッチ部材270が伝達部材290のクラッチ作用面29cに作用しない。すなわち、クラッチが切れた状態である。すなわち、円筒カム27は回転するが、伝達部材29は回転しない。従って、伝達部材29の伝達ギヤ29aに噛み合っている連結ギヤ81aも回転しない。第1操作領域S1においては、クラッチ部材270は、図10A(c)から(d)の状態へと向かう過程にある。
【0141】
第1操作領域S1では、駆動軸81は回転しないので、チューブガイド部材90や駆動レバー91も回転しない(図15A、図15B)。
【0142】
<3.第2操作領域>
更に、操作部7を回転させていくと第2操作領域S2へと入る。円筒カム27が回転していくと、クラッチ部材270の従動部270cがクラッチ作動ガイド204の円弧面204aの位置に到達する。すると、クラッチ部材270が強制的に内方に押さえつけられ、押え部270bにより伝達部材29のクラッチ作用面29cを押さえつける(図10A(d)、図10B(b)参照)。これにより、円筒カム27と伝達部材29とが一体的に回転できるようになる。
【0143】
この時、連結ギヤ81aと伝達ギヤ29aとは、最初から噛み合っている状態であるので、円筒カム27の回転が伝達ギヤ29a(伝達部材29)に伝わり、さらに、連結ギヤ81aが回転させられる。これに連動して、駆動軸81及びギヤホルダ84も回転する。
【0144】
ギヤホルダ84は軸線X3周りに矢印A3方向に回転する(図11A、図11B)。また、第2操作領域S2では、ホルダ支持体80のカムピンが係合するカム溝27aは、変位の変動がないため(図13参照)、ホルダ支持体80は軸線X3方向に沿って移動せず、停止した状態となる。ギヤホルダ84の回転に伴い、それに支持される第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70も共に同じ方向に回転する。これにより、第1コネクタキャップ3と第2コネクタ2が軸線X3周りに回転させられる。図17は、ギヤホルダ84側から見た状態を示すものであり、図17(a)→(b)→(c)の順に回転する様子を示している。
【0145】
また、駆動軸81の回転により駆動ギヤ81bも回転するので、第1・第2中間ギヤ82,83を介して、第1ギヤ62と第2ギヤ72も回転する。この第1ギヤ62と第2ギヤ72の回転により、第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70は、軸線X3周りに回転しながら、同時にギヤ軸62a,72a周りにも自転する。これにより、第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70は、同じ水平姿勢を維持しながら回転することになり、第1コネクタキャップ3と第2コネクタ2も最初に装着したときの姿勢を維持しながら回転させられる(図17参照)。
【0146】
また、第2コネクタ2の回転によりこれに連結されたY字チューブ20も一緒に回転するが、図1で説明したように、本体ケース5と開閉蓋6には円弧状のスリットSが形成されており、このスリットSに沿ってY字チューブ20が移動することができる。また、図15で説明したようにチューブガイド機構を設けており、これらの機構により、第2コネクタ2の移動を支障なく行なうことができる。
【0147】
図16D、図17(c)は、第2操作領域S2における操作を完了した状態を示しており、ギヤホルダ84などが180゜回転した状態である。この時、第2コネクタホルダ70と第1コネクタホルダ50が向かい合っており、第1キャップホルダ60と第2キャップホルダ45が向かい合っている。これにより、第1コネクタ1と第2コネクタ2を連結する準備と、第1コネクタキャップ3と第2コネクタキャップ4を連結する準備が整ったことになる。
【0148】
<3.第3操作領域>
更に、操作部7をさらに回転していくと、第3操作領域S3へと入る。この時、円筒カム27が回転していくと、クラッチ部材270の従動部270cがクラッチ作動ガイド204の円弧面204aから脱出する(図10A参照)。すなわち、クラッチが外れる。クラッチ部材270の押え部270bが伝達部材29のクラッチ作用面29cから外れるため(図10B参照)、それ以後は、円筒カム27が回転しても伝達部材29は回転しない。従って、これ以上連結ギヤ81aは回転することはなく、ギヤホルダ84や駆動ギヤ81bなどの回転も停止する。
【0149】
また、ホルダ支持体80のカムピン80pは円筒カム27のカム溝27aの第3操作領域S3に係合することになり(図13参照)、これに伴い、ホルダ支持体80は軸線X3に沿って矢印E方向に移動する。この移動方向は、第1操作領域S1における方向Dと全く逆である(図11参照)。ホルダ支持体80の移動と共に、第1キャップホルダ60と第2コネクタホルダ70も軸線X3に沿って移動する。従って、第2コネクタ2は第1コネクタ1の方向に近づいていき、第1コネクタキャップ3は第2コネクタキャップ4の方向に近づいていく。
【0150】
第3操作領域S3における操作が完了したとき、第1コネクタ1が第2コネクタ2に挿入された状態となっている。この時、第2コネクタ2の係合突起23が、第1コネクタ1のカム溝15に挿入可能な状態となっている(図2(c)参照)。従って、この段階では第1コネクタ1と第2コネクタ2のネジ結合は完了していない。
【0151】
一方、第1コネクタキャップ3は第2コネクタキャップ4内に挿入され、両者の結合は完了した状態となる(図16E参照)。この結合状態は、図2(d)にも示した通りである。この時、操作部7は第1位置から第2位置へと移動し、往時における動作が完了する。
【0152】
<蓋開放>
次に、開閉蓋6を開く。これにより、第1コネクタホルダ50と補助ホルダ51が開閉蓋6を閉じる時とは逆方向に回転する。回転角度は90゜であり、これにより、第1コネクタ1も90゜回転し、第1コネクタ1と第2コネクタ2のネジ結合が完了する(図16E参照)。
【0153】
以上のように、第1コネクタ1と第2コネクタ2が連結されると、この連結状態で、空の排液バッグに患者の腹腔内に貯留した透析液を排出する。そして、不図示のバルブを切り換えることで、透析液バッグ内の透析液を腹腔内に注入する。
【0154】
また、結合されたコネクタキャップ3,4を取り出して、新しいコネクタキャップ3,4を結合させた状態で第1キャップホルダ60と第2キャップホルダ45に挿入しておく。
【0155】
透析液の交換が終了すると、開閉蓋6を再び閉じて、今度は、操作部7をこれまでとは逆方向に回転させる(復動作)。部材の回転方向は、B1、B2、B3により示されている(図9、図11参照)。これにより、先ほど説明した動作を逆方向にたどり、図5に示す最初のセット状態に戻る。この時、第1コネクタ1には新しい第1コネクタキャップ3が被せられ、第2コネクタ2にも新しい第2コネクタキャップ4が被せられる。
【0156】
<上位概念と下位概念の用語対応>
図8で説明した開閉蓋6と補助ホルダ51を連動させる、蓋支持ブロック600、リンクレバー602等の機構は、第1コネクタ1を軸線X1周りに回転させて、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3の結合を緩めるためのコネクタ回転手段に相当する。
【0157】
本実施形態において、補助ホルダ51、圧縮コイルスプリング52(ホルダ付勢手段に相当)は、第1コネクタホルダ50を軸線X1の方向に移動することを許容するコネクタホルダ移動手段に相当する。
【0158】
本実施形態において、図9において説明した、操作部7と連動して回転する円筒カム27、円筒カム27に形成されたカム溝27a、カム溝27aに追従するカムピン80p、ホルダ支持体80等は、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3を軸線方向に沿って互いに引き離すキャップ分離手段、及び、第1コネクタ1と第2コネクタ2、及び、第1コネクタキャップ3と第2コネクタキャップ4を夫々連結させるコネクタ連結手段として機能する。
【0159】
本実施形態において、図9〜図11において説明した、操作部7と連動して回転する円筒カム27、伝達部材29、伝達ギヤ29a、連結ギヤ81a、駆動軸81、ギヤユニット(図12)等は、第1コネクタキャップ3と第2コネクタ2を所定の軸芯周りで回転させるホルダ回転手段として機能する。
【0160】
<別実施形態>
操作部7や円筒カム27のカム溝27aの操作角度については、本実施形態に限定されるものではなく、使い勝手等を考慮して、適宜決めることができる。また、第1・第2・第3操作領域S1,S2,S3を全操作範囲の中で何度ずつ割り振るかについても、適宜決めることができる。また、操作部7の操作方向について、図1における矢印A1の方向を往動作とするか復動作とするかについても適宜選択することができる。
【0161】
本実施形態では、第1コネクタキャップ3と第2コネクタ2をホルダで支持して回転するようにしているが、第1コネクタ1と第2コネクタキャップ4の方を回転させるようにしてもよい。この場合、第1コネクタ1と第1コネクタキャップ3を離脱させるときは、第1コネクタキャップ3の方を回転させるようにすることが好ましい。
【0162】
本実施形態では、第1コネクタ1に対する挿脱はネジ式(回転操作と直線操作)であり、第2コネクタ2に対する挿脱は直線操作のみであるが、第2コネクタ2に対する挿脱を第1コネクタ1と同様にネジ式を採用してもよい。
【0163】
本実施形態では、開閉蓋6の回転角度は90゜となっているが、これに限定されるものではない。例えば、90゜以上の大きな開閉角度としてもよい。この場合、第1コネクタホルダ50や補助ホルダ51の回転角度は90゜にする必要があるため、角度を調整する機構(中間ギヤなどを介在させる)を設けるようにする。
【符号の説明】
【0164】
1 患者側コネクタ(第1コネクタ)
2 透析液側コネクタ(第2コネクタ)
3 第1コネクタキャップ
4 第2コネクタキャップ
5 本体ケース
6 開閉蓋
7 操作部
27 円筒カム
27a カム溝
29 伝達部材
29a 伝達ギヤ
29c クラッチ作用面
45 第2キャップホルダ
50 第1コネクタホルダ
50a ホルダ本体部
51 補助ホルダ
52 圧縮コイルスプリング
60 第1キャップホルダ
70 第2コネクタホルダ
80 ホルダ支持体
80p カムピン
81 駆動軸
81a 連結ギヤ
81b 駆動ギヤ
84 ギヤホルダ
90 チューブガイド部材
92 駆動レバー
S1 第1操作領域
S2 第2操作領域
S3 第3操作領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと第2コネクタからなる医療用コネクタの脱着を行うため、
第1コネクタに第1コネクタキャップがされた状態で、第1コネクタと第1コネクタキャップを夫々保持可能な第1コネクタホルダ及び第1キャップホルダと、
第2コネクタに第2コネクタキャップがされた状態で、第2コネクタと第2コネクタキャップを夫々保持可能な第2コネクタホルダ及び第2キャップホルダとを備え、
第1コネクタホルダと第2キャップホルダが並列配置されると共に、第1キャップホルダと第2コネクタホルダが並列配置され、
コネクタの脱着を操作するための操作部と、
この操作部の第1操作領域で、第1コネクタと第1コネクタキャップとを分離すると共に、第2コネクタと第2コネクタキャップとを分離するキャップ分離手段と、
第1操作領域に続く第2操作領域で、並列配置された第1コネクタキャップと第2コネクタ、もしくは、第1コネクタと第2コネクタキャップを所定の軸線周りで回転させ、第1コネクタと第2コネクタ、及び、第1コネクタキャップと第2コネクタキャップを夫々向かい合うように移動させるホルダ回転手段と、
第2操作領域に続く第3操作領域で、第1コネクタと第2コネクタ、及び、第1コネクタキャップと第2コネクタキャップを夫々連結させるコネクタ連結手段と、
ホルダ回転手段による回転に伴って変位することにより、第1コネクタ又は第2コネクタに接続されているチューブをガイドするチューブガイド部材とを備えたことを特徴とする医療用コネクタの手動脱着装置。
【請求項2】
前記ホルダ回転手段による回転に伴って変化する第1コネクタ又は第2コネクタの高さと、前記ホルダ回転手段による回転に伴ってチューブガイド部材によりガイドされるチューブの高さとが、略一致していることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタの手動脱着装置。
【請求項3】
第1コネクタホルダ、第1キャップホルダ、第2コネクタホルダ及び第2キャップホルダを保持する本体ケースと、
本体ケースに対して開閉可能に設けられた開閉蓋とを備え、
本体ケースの側面部と、開閉蓋の側面部により、開閉蓋を閉じた時にスリットが形成され、
このスリットが、チューブガイド部材によってガイドされるチューブの移動軌跡に対応する形状からなり、当該スリット内に前記チューブが挿通されることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用コネクタの手動脱着装置。
【請求項4】
チューブガイド部材に当接するカム面を有し、前記ホルダ回転手段による回転に伴って前記所定の軸線周りに回転することにより、チューブガイド部材を変位させる駆動レバーを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用コネクタの手動脱着装置。
【請求項5】
前記ホルダ回転手段を構成する部材として機能し、操作部の操作に連動して回転可能な伝達ギヤと、
この伝達ギヤと操作部の間に介在するクラッチ機構とを備え、
第1操作領域においてはクラッチが切れた状態とし、第1操作領域から第2操作領域への移行時にクラッチが入り前記伝達ギヤを回転させ、第2操作領域から第3操作領域への移行時に再びクラッチが切れた状態になるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療用コネクタの手動脱着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−177290(P2011−177290A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43244(P2010−43244)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】